JP2009036429A - 一体型吸着器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸着式冷凍サイクルを利用したシステムにおいて、より一層の小型化と冷熱生成の高効率化との両立を図り得る一体型吸着器を提供する。
【解決手段】 真空ポンプ20により真空状態に維持されるハウジング21内を仕切り壁24で反応空間210と断熱空間211とに仕切る。反応空間の上側に吸着/脱着用熱交換器22を、下側に凝縮/蒸発用熱交換器23を配設する。凝縮/蒸発用熱交換器のフィン部分231を仕切り壁24により形成された深皿容器部240内に収容し、ハウジング内表面との間を断熱空間で隔てて断熱する。吸着剤Sに吸着された水蒸気が脱着されて、凝縮・液化した水Wが深皿容器内に溜まる。真空仕切り弁により断熱空間も真空引きさせ、凝縮器として機能するときの凝縮/蒸発用熱交換器の断熱を図る。
【選択図】 図4

Description

本発明は、吸着式冷凍サイクルを利用した吸着式ヒートポンプあるいは吸着式冷凍機に用いられ、吸着質の吸着/脱着を行う吸着/脱着用熱交換器と、吸着質を凝縮/蒸発させる凝縮/蒸発用熱交換器とを1つのハウジング内に配設させた一体型吸着器に関する。
従来、吸着式冷凍サイクルを利用した吸着式冷凍機として、一対の吸着用熱交換器と、これら一対の吸着用熱交換器の上側位置に配置した凝縮器と、下側位置に配置した蒸発器と互いに区切った状態で備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、一対の吸着用熱交換器を個別に仕切り、これらと凝縮器が配置された区画との間を仕切ってそれぞれ個別に水蒸気バルブで開閉可能に連通させると共に、上記の個別に仕切った一対の吸着用熱交換器と蒸発器が配置された区画との間も仕切ってそれぞれ個別に水蒸気バルブで開閉可能に連通させている。
又、吸着式冷凍サイクルを利用する吸着式冷凍機に用いる吸着器として、内部に吸着剤を充填させた吸着/脱着用の熱交換部材と、内部に冷媒を封入させて凝縮/蒸発作用を行う熱交換部材とを備えたものも知られている(例えば特許文献2又は特許文献3参照)。
特許3490543号公報 特開2005−300129号公報 特開2006−200870号公報
ところで、吸着式冷凍サイクルを利用して低温排熱を熱源として冷熱を連続して取り出すためには、吸着/脱着を行うコア部分として同じ構成のものを少なくとも2つ備えるようにして、吸着/脱着を交互に繰り返させることが必要になるため、全体システムの大型化を招くことになる。このため、全体システムの小型化を図る上で、吸着/脱着用熱交換器と、凝縮/蒸発用熱交換器とを同じハウジング内に配設した一体型の吸着器を用いるようにすることが考えられている。すなわち、凝縮器と蒸発器とを別個に備えるのではなくて、1つの熱交換器を用い内部に供給する熱媒体を変えることによって凝縮と蒸発とを交互に行わせるようにし、例えば図8に示すように、1つのハウジング101内に吸着/脱着用の1つの熱交換器102と、凝縮/蒸発用の1つの熱交換器103とを配設し、略真空状態にしたハウジング101の内部に吸着質(例えば水)Wを封入するのである。
このような一体型の吸着器を用いる場合、上側位置の吸着/脱着用熱交換器102から脱着した気相吸着質(例えば水蒸気)が、凝縮器として機能するように内部に低温の熱媒が供給された凝縮/蒸発用熱交換器103と触れることにより凝縮・液化してハウジング101底部に水Wとなって溜まることになる。ところが、その凝縮・液化の際にハウジング101底部の内表面近傍位置はハウジング101の壁を介して直接に外部と接触しているため、ハウジング101底部の内表面の存在自体が凝縮/蒸発用熱交換器103による吸着質の凝縮・液化という反応を阻害する側に作用することになる。
従って、一体型吸着器を構成する場合には、特に凝縮/蒸発用熱交換器の断熱性能の向上、吸着質自体の減容量化、凝縮/蒸発用熱交換器の凝縮と蒸発との切換え時に吸着質の顕熱の影響を排しつつ蒸発潜熱による冷熱生成の効率化などを図ることにより、より一層の小型化と冷熱生成の高効率化との両立を図る必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸着式冷凍サイクルを利用したシステムにおいて用いる一体型吸着器において、より一層の小型化と冷熱生成の高効率化との両立を図り得る一体型吸着器を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、内部に吸着質が封入された真空容器としてのハウジング内に、吸着質を吸着したり脱着したりと相互切換可能な吸着剤を備えた吸着/脱着用熱交換器と、脱着された吸着質を凝縮したり吸着のために吸着質を蒸発したりと相互切換される凝縮/蒸発用熱交換器とが配設された一体型吸着器を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記凝縮/蒸発用熱交換器の下側を覆うように配設されてその凝縮/蒸発用熱交換器と上記ハウジングの底部の内表面との間のハウジング内を仕切る仕切り壁と、上記仕切り壁によってその仕切り壁と上記ハウジングの底部の内表面との間に区画形成される断熱空間とを備えることとした(請求項1)。
この発明の場合、一体型吸着器が脱着−凝縮工程に入ると、吸着/脱着用熱交換器の吸着剤に吸着されていた吸着質が脱着されて仕切り壁の上側のハウジング内に放出される一方、その脱着された吸着質が凝縮器として機能するように設定された凝縮/蒸発用熱交換器によって凝縮・液化し、凝縮・液化した液相の吸着質が仕切り壁の上に溜まることになる。この凝縮・液化の際に、凝縮器として機能する凝縮/蒸発用熱交換器が仕切り壁によってハウジングの底部の内表面との間が断熱空間を挟んで完全に隔てられて断熱されることになるため、ハウジングの内表面との接触により凝縮・液化作用が阻害もしくは低減されることもない。これにより、凝縮/蒸発用熱交換器による凝縮性能を高めることが可能になり、小型化を図りつつも、冷熱生成の効率化をも図ることが可能となる。
本発明においては、上記仕切り壁として上方に開放された深皿容器部を備えるものとし、上記凝縮/蒸発用熱交換器をその熱交換部が上記深皿容器部内に収容されるように配設するようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、上記の脱着−凝縮工程に入って凝縮・液化した液相の吸着質が深皿容器部内に溜まることになり、次の吸着−蒸発工程に切換えられたときには深皿容器部内に溜まった液相の吸着質が凝縮/蒸発用熱交換器の熱交換部によって蒸発されることになる。このように、深皿容器部内に収容された凝縮/蒸発用熱交換器によって吸着質の凝縮/蒸発が行われることになるため、ハウジング底部に液相の吸着質を溜める場合よりも、効率良く吸着冷凍サイクルを実現させることが可能になる。
又、本発明において、上記仕切り壁に形成されてその仕切り壁よりも上側の反応空間と上記断熱空間とを互いに連通させる連通孔と、この連通孔を開閉可能に閉止する真空仕切り弁とを備えるようにし、上記反応空間の真空引きに伴い上記真空仕切り弁が開作動されて断熱空間も共に真空引きされる構成とすることができる(請求項3)。このようにすることにより、反応空間を所定の真空状態にすれば、断熱空間をも所定の真空状態にすることが可能となり、反応空間を真空引きするための手段(例えば真空ポンプ)が1つあればよくなる。従って、断熱空間の真空引きのために例えば真空ポンプを別途設置する必要もなくなる。又、断熱空間を真空状態にし得ることで、断熱性能を高めて請求項1又は請求項2による作用をより増大させることも可能となる。
さらに、本発明において、上記凝縮/蒸発用熱交換器の少なくとも熱交換部の周囲を上側から下側にかけて覆う吸湿材を備えこととし、上記吸湿材を、その少なくとも下端部が、上記吸着/脱着用熱交換器の吸着剤から脱着し凝縮/蒸発用熱交換器により凝縮・液化されて上記仕切り壁の上に溜まる液相の吸着質に浸かるように設定することができる(請求項4)。このようにすることにより、凝縮/蒸発用熱交換器として通常採用されるフィン・アンド・チューブ形式の熱交換器の金属製フィンから蒸発させる場合よりも、蒸発させ易い上に、蒸発表面積を大幅に増大させて蒸発に伴う気化熱も大幅に増大させることが可能となる。これにより、凝縮/蒸発用熱交換器を蒸発器として機能させて冷熱を生成させる際の冷熱生成性能を大幅に向上させることが可能となる。
第2の発明では、内部に吸着質が封入された真空容器としてのハウジング内に、吸着質を吸着したり脱着したりと相互切換可能な吸着剤を備えた吸着/脱着用熱交換器と、脱着された吸着質を凝縮したり吸着のために吸着質を蒸発したりと相互切換される凝縮/蒸発用熱交換器とが配設された一体型吸着器を対象として、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記凝縮/蒸発用熱交換器の少なくとも熱交換部の周囲を上側から下側にかけて覆う吸湿材を備えることとし、上記吸湿材を、その少なくとも下端部が、上記吸着/脱着用熱交換器の吸着剤から脱着し凝縮/蒸発用熱交換器により凝縮・液化されてハウジング底部に溜まる液相の吸着質に浸かるように設定することとした(請求項5)。
この発明の場合、一体型吸着器が吸着−蒸発工程に切換えられたとき、前工程で液相の吸着質を吸い込んで吸湿した吸湿材から吸着質が蒸発されることになり、凝縮/蒸発用熱交換器として通常採用されるフィン・アンド・チューブ形式の熱交換器の金属製フィンから蒸発させる場合よりも、蒸発させ易い上に、蒸発表面積を大幅に増大させて蒸発に伴う気化熱も大幅に増大させることが可能となる。これにより、凝縮/蒸発用熱交換器を蒸発器として機能させて冷熱を生成させる際の冷熱生成性能を大幅に向上させることが可能となる。
又、上記第2の発明において、上記凝縮/蒸発用熱交換器を、その熱交換部が上記ハウジング底部に溜まる液相の吸着質よりも上方に離されるように位置設定することができる(請求項6)。このようにすることにより、凝縮/蒸発用熱交換器の熱交換部が液相の吸着質に浸っている場合にはその吸着質の顕熱の影響を受けるのに対し、上記の如く熱交換部がハウジング底部に溜まる液相の吸着質よりも上方に離されるように位置設定されているため、蒸発と凝縮との交互切換えの際に、上記の吸着質の顕熱の影響を排除・抑制することが可能となる。このため、蒸発と凝縮との交互切換えの際には吸湿材が吸湿している吸着質だけを温度変化させれば済み、吸着質の顕熱の影響を考慮する必要がなくなる分、高効率化を図ることが可能となる。
以上、説明したように、請求項1〜請求項4のいずれかの一体型吸着器によれば、脱着−凝縮工程に入って、吸着/脱着用熱交換器の吸着剤に吸着されていた吸着質が脱着され、脱着された吸着質が凝縮器として機能するように設定された凝縮/蒸発用熱交換器によって凝縮・液化する際に、凝縮器として機能する凝縮/蒸発用熱交換器が仕切り壁によってハウジングの底部の内表面との間が断熱空間を挟んで完全に隔てられて断熱された状態にすることができる。このため、ハウジングの内表面との接触により凝縮・液化作用が阻害もしくは低減されることもなく、これにより、凝縮/蒸発用熱交換器による凝縮性能を高めることができ、小型化を図りつつも、冷熱生成の効率化をも図ることができるようになる。
特に、請求項2によれば、深皿容器部内に収容した凝縮/蒸発用熱交換器によって吸着質の凝縮/蒸発が行われることになるため、ハウジング底部に液相の吸着質を溜める場合よりも、効率良く吸着冷凍サイクルを実現させることができるようになる。
請求項3によれば、反応空間を所定の真空状態にすれば、断熱空間をも所定の真空状態にすることができる。このため、反応空間の真空引きのための手段だけで済み、断熱空間の真空引きのために例えば真空ポンプを別途設置する必要もなくすことができる。
請求項4によれば、凝縮/蒸発用熱交換器として通常採用されるフィン・アンド・チューブ形式の熱交換器の金属製フィンから蒸発させる場合よりも、蒸発させ易い上に、蒸発表面積を大幅に増大させて蒸発に伴う気化熱も大幅に増大させることができる。これにより、凝縮/蒸発用熱交換器を蒸発器として機能させて冷熱を生成させる際の冷熱生成性能を大幅に向上させることができる。
又、請求項5又は請求項6の一体型吸着器によれば、吸着−蒸発工程に切換えられたとき、前工程で液相の吸着質を吸い込んで吸湿した吸湿材から吸着質が蒸発されるため、凝縮/蒸発用熱交換器として通常採用されるフィン・アンド・チューブ形式の熱交換器の金属製フィンから蒸発させる場合よりも、蒸発させ易い上に、蒸発表面積を大幅に増大させて蒸発に伴う気化熱も大幅に増大させることができるようになる。これにより、凝縮/蒸発用熱交換器を蒸発器として機能させて冷熱を生成させる際の冷熱生成性能を大幅に向上させることができるようになる。
特に請求項6によれば、熱交換部がハウジング底部に溜まる液相の吸着質よりも上方に離されるように位置設定しているため、蒸発と凝縮との交互切換えの際に、液相の吸着質の顕熱の影響を排除・抑制することができる。これにより、蒸発と凝縮との交互切換えの際には吸湿材が吸湿している吸着質だけを温度変化させれば済み、吸着質の顕熱の影響を考慮する必要がなくなる分、高効率化を図ることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は発明の実施形態に係る一体型吸着器を適用した吸着式ヒートポンプの例を示す原理図である。同図において、符号2,2はそれぞれ一体型吸着器、3は例えば廃棄温水等の廃熱を利用して熱媒を所定の高温状態にして保持する高温熱媒部、4は熱媒を所定の低温状態に維持して保持する放熱部(例えば室外機)、5はこれに戻される最も低温の熱媒から熱交換により冷熱を回収して取り出すための冷熱取り出し用熱交換器を内蔵した冷却部、6,7,8,9はそれぞれ4つの開閉弁V1〜V4を備えて構成された第1〜第4切換部、11,12,13,14はそれぞれ各切換部6,7,8,9をバイパスする経路に介装された開閉弁である。まず、吸着式冷凍サイクルに基づいてこの吸着式ヒートポンプによる冷熱取り出しの原理について簡単に説明する。
上記一対の一体型吸着器2,2は、互いに同じ構成を有し、ハウジング21内に吸着/脱着用熱交換器22と、凝縮/蒸発用熱交換器23との双方が配設されて構成されたものである。上記ハウジング21は内部が略真空状態に維持されて、内部には例えば水、アルコール、アンモニア等の吸着質が所要量封入されている。又、上記吸着/脱着用熱交換器22には後述するようにその外表面に例えばゼオライト、シリカゲル、活性炭等の吸着剤が固定されている。以下の説明では、吸着質として水が封入され、吸着剤としてはその水(水蒸気)を吸着するゼオライトが固定されているものとする。
一方(例えば図1の左側)の吸着器2では脱着−凝縮工程が次のようにして行われる。すなわち、一方の吸着器2内の吸着/脱着用熱交換器22では、ポンプ31の作動により高温熱媒部3から高温熱媒が第1切換部6を通して内部に供給されると、その高温熱媒により吸着剤が加熱されて脱着(脱離・再生)工程を行うようになり、これにより、吸着剤がそれまで吸着していた水蒸気(気相吸着質)を放出して脱着させることになる。その際、併せて上記一方の吸着器2内の凝縮/蒸発用熱交換器23では、ポンプ41の作動により放熱部4から低温熱媒の一部が第4切換部9を通して内部に供給されて凝縮器として機能するようになる。このため、上記の脱着した水蒸気は主として凝縮/蒸発用熱交換器23の外表面と接触することにより凝縮・液化し、ハウジング21内の底部に水(液相吸着質)となって溜まることになる。
これと併行して、他方(図1の右側)の吸着器2では吸着−蒸発工程が次のようにして行われる。すなわち、上記の他方の吸着器2内の吸着/脱着用熱交換器22では、ポンプ41の作動により放熱部4から低温熱媒の残りが第2切換部7を通して内部に供給されて吸着剤が冷却されると、吸着/脱着用熱交換器22の吸着剤はハウジング21内の水蒸気を吸着する吸着工程を行うようになる。そして、上記の他方の吸着器2内の凝縮/蒸発用熱交換器23では、冷却部5の冷熱取り出し熱交換器との熱交換により昇温した熱媒がポンプ51の作動により第4切換部9を通して内部に供給され、これにより、蒸発器として機能するようになる。これにより、前工程での凝縮・液化によりハウジング21の底部に溜まった水が蒸発し、この蒸発の気化熱により凝縮/蒸発用熱交換器23内の熱媒が冷却されて温度低下し、温度低下した熱媒が第3切換部8を介して冷却部5に戻されることになる。そして、冷却部5に戻された熱媒から冷却部5内の冷熱取り出し熱交換器での熱交換によって冷熱の取り出しが行われることになる。
以上の一方の吸着器2での脱着−凝縮工程と、他方の吸着器2での吸着−蒸発工程とがそれぞれバッチ処理により一対の吸着器2,2間で交互に切換えられ、この交互切換えが繰り返し行われることにより上記の冷却部5での冷熱取り出しが連続して行われるようになっている。以下、上記の各吸着器2として用いられる種々の実施形態の吸着器2a〜2dについて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態に係る一体型吸着2aを示し、同図中の符号20は真空ポンプ、21はハウジング、22は吸着/脱着用熱交換器、23はハウジング21内の下側位置に配設された凝縮/蒸発用熱交換器、24は特にこの凝縮/蒸発用熱交換器23の側方及び下方に空間が存するように仕切る仕切り壁、Wは吸着質としての水である。吸着/脱着用熱交換器22及び凝縮/蒸発用熱交換器23は共にフィン・アンド・チューブ形式の熱交換器により構成されている。
上記ハウジング21は、例えばステンレスにより内部が密閉空間となるように形成され、真空ポンプ20の作動により内部が略真空に維持された状態で所定量の水Wが封入されたものである。そして、ハウジング21の内部は、上記の仕切り壁24によって仕切られて反応空間210と、断熱空間211とに区画されている。反応空間210がハウジング21内の上部から下部にかけての大部分の空間を占め、その反応空間210の上側位置に吸着/脱着用熱交換器22が配設され、下側位置に凝縮/蒸発用熱交換器23が配設されている。
上記の吸着/脱着用熱交換器22は、図3に詳細を示すように、そのフィン221やチューブ222の外表面に吸着剤Sが所定厚みで固定(例えば接着固定)されており、チューブ内に低温熱媒が通されて吸着剤Sが冷却されると反応空間210内の水蒸気を吸着して保持する一方、チューブ内に高温熱媒が通されて吸着剤Sが加熱されるとその吸着した水蒸気を脱着して反応空間210に放出するようになっている。
仕切り壁24は、凝縮/蒸発用熱交換器23による熱交換を実質的に行うことになる熱交換部であるフィン部分231の下側と前後左右の側方とを囲むように深皿容器状に形成した上で、ハウジング21内を仕切る役割を果たすように構成されている。すなわち、仕切り壁24は、底壁241と、その周囲から上方に立ち上がる側壁242,242,…とにより上方が開放された深皿容器部240を備えると共に、側壁242,242,…の各上端からハウジング21の側壁面に延びて固定されるフランジ壁243を備え、このフランジ壁243によってハウジング21内が反応空間210と断熱空間211とに仕切られることになるようになっている。そして、前後の側壁242,242を凝縮/蒸発用熱交換器23のチューブ部分232が貫通する一方、深皿容器部240の内部にフィン部分231が収容された状態にされ、フィン部分231が収容された深皿容器部240内に凝縮・液化した水が溜まるようにされている。そして、深皿容器部240内のフィン部分231の側方が側壁242,242,…によって、底側が底壁241によって、それぞれハウジング21の内表面との間に断熱空間211が存在してハウジング21から断熱された状態に維持されるようになっている。
この第1実施形態の一体型吸着器2aによれば、脱着−凝縮工程に入ると、吸着/脱着用熱交換器22に供給される高温熱媒により吸着剤Sが加熱されるため吸着剤Sに吸着されていた水蒸気が脱着されて反応空間210内に放出される一方、凝縮/蒸発用熱交換器23に低温熱媒が供給されて凝縮/蒸発用熱交換器23が凝縮器として機能するため、上記の反応空間210に放出された水蒸気が凝縮・液化し、凝縮・液化した水滴が深皿容器部240内に溜まることになる(図2の水W参照)。この凝縮・液化の際に、その凝縮器として機能する凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231が仕切り壁24によってハウジング21の内表面との間が断熱空間211を挟んで完全に隔てられて断熱されているため、ハウジング21の内表面との接触により凝縮・液化作用が阻害もしくは低減されることもなく、熱交換部であるフィン部分231の有する凝縮性能を有効にかつ効率的に利用することができるようになる。
その上に、吸着質である水の量を、たとえフィン部分231を水に浸からせるにしても、深皿容器部240の内容積に対応する量に設定すればよく、仕切り壁24による深皿容器部240が存在しない場合のハウジング21の内底部の内容積を基準に設定する場合よりも大幅に減容量化させることができる。以上により、一体型吸着器2aにして小型化を図りつつも、同じ低温熱媒の供給に基づいて凝縮器としての凝縮機能を仕切り壁24の存在しない場合よりも高い性能を発揮させることができる上に、必要な吸着質の量も減容量化させることができる。換言すると、凝縮/蒸発用熱交換器23による凝縮性能を高めることができ、同じ凝縮性能をより小さい熱容量で得ることができ、これにより、より一層の小型化を図ることができることになる。なお、吸着質としての水の量は、次の蒸発工程において深皿容器部240内に溜まった水の全てが蒸発し切ってなくなる程度に設定することができる。
又、この際、断熱空間211を単なる密閉空間にするだけでもよいが、例えば第2の真空ポンプ20aを断熱空間211に連通するように設け、断熱空間211を略真空状態にすることにより、深皿容器部240のフィン部231に対する断熱性能をより一層高めることができ、これにより、上記の凝縮性能をより一層高めることができるようになる。
さらに、上記の第2の真空ポンプ20aを設けずに、図4に示す一体型吸着器2bのように、仕切り壁24に連通孔244を設け、この連通孔244に対し真空仕切り弁25を設けるようにしてもよい。この場合には、真空ポンプ20を作動させて反応空間210内を真空引きすれば、それに伴い真空仕切り弁25も開変換されて断熱空間211内も真空引きされて、反応空間210及び断熱空間211の双方を共に所定の真空状態にすることができる。このため、上記の如く第2の真空ポンプ20aを設けることなく、1つの真空ポンプ20によって反応空間210を所定の真空状態にするだけではなくて、断熱空間211をも所定の真空状態にすることができる。なお、図4の一体型吸着器2bの上記真空仕切り弁25以外の構成は図2の一体型吸着器2aと同様である。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る一体型吸着器2cを示すものである。この第2実施形態の一体型吸着器2cは、凝縮/蒸発用熱交換器23の熱交換部であるフィン部分231の周囲を吸湿材26で覆うようにしたものであり、蒸発潜熱(気化熱)に基づく冷却効率の向上、冷熱生成効率の向上を図ったものである。なお、第1実施形態と同じ構成要素には第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
上記の吸湿材26は、例えばろ紙などの紙、不織布などの布等の熱容量を殆ど有しない材料により構成され、上記フィン部分231を内部に収容し得るような袋状、又は、所定幅の帯状に形成されたものである。袋状の場合にはその袋状の吸湿材26をフィン部分231の全体に被せ、帯状の場合にはその帯状の吸湿材26をフィン部分231の周囲に巻き付けることにより、図6(a)に示すようにフィン部分231の周囲を吸湿材26を覆うようにする。
この第2実施形態の一体型吸着器2cの場合には、脱着−凝縮工程によって吸着剤Sから脱着した水蒸気が凝縮・液化されてハウジング21の底部に水Wとなって溜まり、凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231の下半が水に浸ることになる。これにより、吸湿材26の下半も水に浸り、上半の側にも水分が吸湿されることになる。そして、工程切換えによって吸着−蒸発工程に入ると、吸着/脱着用熱交換器22に供給される低温熱媒により吸着剤Sが冷却されるためハウジング21内の水蒸気が吸着剤Sに吸着されることになる。加えて、凝縮/蒸発用熱交換器23には冷却部5で冷熱取り出し熱交換器との熱交換により昇温した熱媒が内部に供給され、これにより、凝縮/蒸発用熱交換器23は蒸発器として機能するようになる。この際、吸湿材26が液相吸着質である水を吸い込んで十分に吸湿した状態になっているため、フィン部分231の金属フィンの表面からというよりは、この吸湿材26自体から水蒸気が蒸発することになる。つまり、吸湿材26のない状態のフィン部分231の金属フィンの表面からの蒸発よりも蒸発し易くなる上に、吸湿材26により蒸発表面積の大幅な拡大が図られて蒸発効率を大幅に増大させることができるようになる。このため、凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231からだけの蒸発の場合よりも大幅に気化熱を増大させることができ、これに伴い、気化熱(蒸発潜熱)が奪われることによる凝縮/蒸発用熱交換器23内の熱媒の冷却を大幅に効率よく行うことができ冷熱生成の効率化を図ることができるようになる。これにより、冷熱生成について同じ性能を発揮させる上でより一層の小型化を図ることができたり、あるいは、冷熱生成についての性能をより高く向上させることができたりするようになる。
なお、以上の第2実施形態では布製などの吸湿材26を凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231の周囲に巻き付けて設置する場合を説明したが、これに限らず、例えば凝縮/蒸発用熱交換器23の特にフィン部分231の各金属フィンの外表面に対し、液状に調製した吸湿材又は粉状・粒状の吸湿材に例えば結合剤等を混合してゲル状に調製したものを塗布し、乾燥・固着させるようにしてもよい。そして、その吸湿材に対し、脱着−凝縮工程により凝縮・液化してハウジング21の底部に溜まった水Wから吸湿し、これが上記の同様に吸着−蒸発工程において蒸発するようになる。
<第3実施形態>
図7は、本発明の第3実施形態に係る一体型吸着器2dを示すものである。この第3実施形態の一体型吸着器2dは、ハウジング21のサイズを吸着質の容量との関係で第1又は第2実施形態の場合よりも下方に拡大し、凝縮/蒸発用熱交換器23の熱交換部であるフィン部分231を覆うように含んで吸湿材27を下方に垂らした状態に設置したものである。狙いは、第2実施形態と同様に、蒸発潜熱(気化熱)に基づく冷却効率の向上、冷熱生成効率の向上を図ったものである。なお、第1実施形態と同じ構成要素には第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
第3実施形態のハウジング21の上下方向サイズは次のように設定される。すなわち、脱着−凝縮工程によって吸着剤Sから脱着した水蒸気が凝縮・液化されてハウジング21の底部に溜まる水Wよりも凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231が上方に位置することになるように、ハウジング21の上下方向サイズが設定される。つまり、脱着−凝縮工程終了時点にハウジング21の底部に溜まる水Wが凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231と接触しないように、凝縮/蒸発用熱交換器23の下側に所定高さの下側空間212を余分に形成しているのである。
上記の吸湿材27は、第2実施形態の吸湿材26と同様の材料により構成されたものであり、第2実施形態と同様に袋状又は所定幅の帯状に形成されたものである。この第3実施形態の吸湿材27は、図6(b)に示すように、袋状であれば凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231に被せた状態で下側空間212側に垂下して水Wに最下部が浸るようにし、帯状の場合にはフィン部分231の上側から下の下側空間212側に垂下して水Wに下端部が浸るように巻き付けられる。つまり、吸湿材27はフィン部分231の周囲を覆うと共に下端部が下側空間212の下方にまで垂下して底部に溜まることになる水Wに浸ることになるように設置される。これにより、凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231自体は凝縮・液化後の水Wに浸ったり水没したりすることはないものの、吸湿材27の一部である下端部が水Wに浸るようにしている。
この第3実施形態の一体型吸着器2dの場合には、脱着−凝縮工程によって吸着剤Sから脱着した水蒸気が凝縮・液化されてハウジング21の底部である下側空間212に水Wとなって溜まると、吸湿材27の少なくとも下端部がその水Wに浸って、水が吸湿材27に吸い上げられて吸湿材27は吸湿した状態となる。そして、工程切換えによって吸着−蒸発工程に入ると、吸着/脱着用熱交換器22に供給される低温熱媒により吸着剤Sが冷却されるためハウジング21内の水蒸気が吸着剤Sに吸着されることになる。加えて、凝縮/蒸発用熱交換器23には冷却部5で冷熱取り出し熱交換器との熱交換により昇温した熱媒が内部に供給され、これにより、凝縮/蒸発用熱交換器23は蒸発器として機能するようになる。これにより、液相吸着質である水を吸い込んで十分に吸湿した状態になっている吸湿材27からその水分が蒸発することになる。
この場合、第2実施形態と同様に、吸湿材27が無くフィン部分231の一部が水Wに浸ってその金属フィンの表面から蒸発する場合よりも蒸発し易くなる上に、吸湿材27により蒸発表面積の大幅な拡大が図られて蒸発効率を大幅に増大させることができるようになる。これにより、気化熱の大幅増大、冷熱生成の大幅な効率化を図ることができるようになる。さらに加えて、第3実施形態の場合には、凝縮/蒸発用熱交換器23のフィン部分231の一部又は全部が水Wに水没していなくて、フィン部分231を水Wから離しているため、蒸発と凝縮との交互切換え、つまり凝縮/蒸発用熱交換器23のチューブ232に供給される熱媒温度の切換えの際に、水没している場合に受ける水Wの顕熱の影響を排除・抑制することができるようになる。このため、蒸発と凝縮との交互切換えの際には吸湿材27が吸湿している水分だけを温度変化させればすむようにすることができ、上記の如き水Wの顕熱の影響を考慮する必要がなくなる分、高効率化を図ることができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、第2実施形態の吸湿材26を第1実施形態の凝縮/蒸発用熱交換器23に適用するようにしてもよい。この場合は、深皿容器部240内にフィン部分231を配設する構成と、吸湿材26とによる相乗効果によって、より一層高度な冷熱生成性能の向上を図ることができる。
本発明の実施形態を適用した吸着式ヒートポンプの例を示す模式図である。 第1実施形態の一体型吸着器を示す断面説明図である。 吸着/脱着用熱交換器のフィンを断面状態にした部分拡大断面説明図である。 第1実施形態の他の形態を示す図2対応図である。 第2実施形態の一体型吸着器を示す断面説明図である。 図6(a)は図5の凝縮/蒸発用熱交換器の縦断方向の拡大断面説明図であり、図6(b)は図7の凝縮/蒸発用熱交換器の縦断方向の拡大断面説明図である。 第3実施形態の一体型吸着器を示す断面説明図である。 本発明の課題を導くために本発明と対比される一体型吸着器を示す図2対応図である。
符号の説明
2,2a,2b,2c,2d 一体型吸着器
21 ハウジング
22 吸着/脱着用熱交換器
23 凝縮/蒸発用熱交換器
24 仕切り壁
25 真空仕切り弁
26,27 吸湿材
210 反応空間
211 断熱空間
231 フィン部分(熱交換部)
240 深皿容器部
244 連通孔

Claims (6)

  1. 内部に吸着質が封入された真空容器としてのハウジング内に、吸着質を吸着したり脱着したりと相互切換可能な吸着剤を備えた吸着/脱着用熱交換器と、脱着された吸着質を凝縮したり吸着のために吸着質を蒸発したりと相互切換される凝縮/蒸発用熱交換器とが配設された一体型吸着器であって、
    上記凝縮/蒸発用熱交換器の下側を覆うように配設されてその凝縮/蒸発用熱交換器と上記ハウジングの底部の内表面との間のハウジング内を仕切る仕切り壁と、
    上記仕切り壁によってその仕切り壁と上記ハウジングの底部の内表面との間に区画形成される断熱空間と
    を備えていることを特徴とする一体型吸着器。
  2. 請求項1に記載の一体型吸着器であって、
    上記仕切り壁は上方に開放された深皿容器部を備え、
    上記凝縮/蒸発用熱交換器はその熱交換部が上記深皿容器部内に収容されるように配設されている、一体型吸着器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の一体型吸着器であって、
    上記仕切り壁に形成されてその仕切り壁よりも上側の反応空間と上記断熱空間とを互いに連通させる連通孔と、この連通孔を開閉可能に閉止する真空仕切り弁とを備え、
    上記反応空間の真空引きに伴い上記真空仕切り弁が開作動されて断熱空間も共に真空引きされるように構成されている、一体型吸着器。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の一体型吸着器であって、
    上記凝縮/蒸発用熱交換器の少なくとも熱交換部の周囲を上側から下側にかけて覆う吸湿材を備え、
    上記吸湿材は、その少なくとも下端部が、上記吸着/脱着用熱交換器の吸着剤から脱着し凝縮/蒸発用熱交換器により凝縮・液化されて上記仕切り壁の上に溜まる液相の吸着質に浸かるように設定されている、一体型吸着器。
  5. 内部に吸着質が封入された真空容器としてのハウジング内に、吸着質を吸着したり脱着したりと相互切換可能な吸着剤を備えた吸着/脱着用熱交換器と、脱着された吸着質を凝縮したり吸着のために吸着質を蒸発したりと相互切換される凝縮/蒸発用熱交換器とが配設された一体型吸着器であって、
    上記凝縮/蒸発用熱交換器の少なくとも熱交換部の周囲を上側から下側にかけて覆う吸湿材を備え、
    上記吸湿材は、その少なくとも下端部が、上記吸着/脱着用熱交換器の吸着剤から脱着し凝縮/蒸発用熱交換器により凝縮・液化されてハウジング底部に溜まる液相の吸着質に浸かるように設定されている
    ことを特徴とする一体型吸着器。
  6. 請求項5に記載の一体型吸着器であって、
    上記凝縮/蒸発用熱交換器は、その熱交換部が上記ハウジング底部に溜まる液相の吸着質よりも上方に離されるように位置設定されている、一体型吸着器。
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