JP2009041231A - 埋設型熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

埋設型熱交換器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で製作や輸送に負担がかからず、しかも、高い熱交換効率を有した埋設型熱交換器を提供する。
【解決手段】地中の定温度層に埋設される下側管状体2と、定温度層の上方の温度変化層に埋設され、前記下側管状体2よりも熱交換能の低い上側管状体3とから構成する。しかして、前記下側管状体2は、中心に形成された大径管21と、その大径管21の周囲に形成された複数の小径管22と、それら小径管22及び大径管21を下端部において連通する連通部23とを有したものにする一方、前記上側管状体3は、中心管31と外周管32とからなる二重管構造をなし、前記中心管31が前記大径管21の上端に接続されるとともに、前記外周管32が前記小径管22に連通する構成のものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、地中に埋設して大地との熱交換により冷暖房等を行うための埋設型熱交換器及びその製造方法に関するものである。
地中の一定深さ領域には、温度が季節、昼夜を問わずほぼ一定となる定温度領域が存在し、この定温度領域を利用して、熱交換を行う埋設型熱交換器が種々開発されている。従来のこの種の埋設型熱交換器としては、特許文献1、2に記載されているように、コンクリートや鋼製の中空杭を地中に埋め込み、その内部にU字型の熱交換パイプを挿入したものが知られている。また、単純に熱交換パイプを挿入しただけでは、熱交換効率が低いため、中空杭と熱交換パイプとの間の隙間空間を熱伝導性の良い適宜の材料で埋めたものや、熱交換パイプの往路部分をフィン形状にしたり、特許文献3、4に示すように螺旋状にしたりしたものも発明されている。
特開昭60−8659号公報 特開2004−233031号公報 特開平3−83226号公報 特開平11−336008号公報
しかしながら、従来の埋設型熱交換器は、大地との熱交換効率を高めることを目指しつつも、下端からほぼ地表に到るまでが同一構造であるため、地表付近の大気温度に影響を受ける領域でも熱交換が行われ、そのことが逆に悪影響を及ぼす場合もある。つまり、前述した地中の定温度層で一旦冷やされた(又は暖められた)空気が、地表付近で再度暖められて(又は冷やされて)しまう恐れがあるのである。
また、大地との熱交換効率を向上させるべく、例えば熱交換パイプをフィン形状にしたり螺旋状にしたりすると、製造に大きな負担がかかるうえ、工場でほぼ全てを予め作り込んでおく必要が生じるため、長さが10m以上にもなる埋設型熱交換器を工場から現場まで輸送する手間が大変なものとなる。
本発明はかかる不具合を解決すべくなされたものであって、簡単な構造で製作や輸送に負担がかからず、しかも、高い熱交換効率を有した埋設型熱交換器及びその製造方法を提供することをその主たる所期課題としたものである。
すなわち、本発明に係る埋設型熱交換器は、地中に穿たれた穴に埋設され、流体が流路を流通していく過程で大地と熱交換するように構成した柱状をなす埋設型熱交換器であって、地中の定温度層にほぼ全てが埋設される下側管状体と、定温度層の上方の温度変化層にほぼ全てが埋設され、前記下側管状体よりも熱交換能の低い上側管状体とを具備しており、前記下側管状体は、中心に形成された大径管と、その大径管の周囲に形成された複数の小径管と、それら小径管及び大径管を下端部において連通する連通部とを有したものであり、前記上側管状体は、中心管と外周管とからなる二重管構造をなし、前記中心管が前記大径管の上端に接続されるとともに、前記外周管が前記小径管に連通するように構成したものである。
このように構成した本発明によれば、定温度層に埋設される下側管状体において、小径管を直線状細管とし、これを多数設ければ、従来のように螺旋状にしたりフィン状にするといったことなく、直管だけの構成で無理なく表面積を大きくできるので、製造が簡単で、その分のコスト削減もできる。
また、地表の温度変化の影響を受ける大地の温度変化層には、熱交換能に劣る上側接続管を埋設しているため、温度変化層からの伝熱影響を可及的に小さくすることができる一方、地表の温度変化の影響をほとんど受けない大地の定温度層には、熱交換能に優れた下側管状体を埋設しているため、伝熱効率を可及的に高めることができ、トータルとして、大地との間で理想的な熱交換を図ることができるようになる。
さらに、主として上側管状体と下側管状体という2つの構造からなるものであるため、輸送時の長さを短くできるなどの利点を得られる。
熱交換能を異ならせる具体的な構成としては、下側管状体の少なくとも一部、より具体的には小径管を金属で形成するとともに、上側管状体は、中心管、外周管ともに樹脂で形成したものを挙げることができる。
下側管状体の熱交換能をより向上させるためには、少なくとも前記穴と小径管との間の隙間に、空気より熱伝導性の高い充填剤を充填しているものが望ましい。具体的な充填剤としては、砂、セメント又はそれらの混合物を挙げることができる。特に砂とセメントと水を適宜の配合で混ぜたコンクリートやモルタルなどのように、充填時には液状で後に固化するものであれば、穴の内周面の凹凸にも隙間なく行き渡るうえ、周囲の大地にも染み込み、大地との熱接触面積が増大して熱交換能がさらに向上する。加えて、充填剤の固化後は小径管や大径管を固定できるだけでなく、当該充填剤が穴の内周面の凹凸に係合して浮き上がり防止も期待できる。
小径管及び大径管を一体構造物として、地中への埋め込み作業を容易化するとともに、埋設現場での充填剤の充填作業を可能ならしめ、しかも連通部を簡単に形成できるようにするには、前記大径管及び小径管を貫通させながらそれらの下端部を支持する隔壁板をさらに設け、その隔壁板が前記穴の底よりも一定距離上方に配置され、当該隔壁板の下方に形成される空間が前記連通部を形成するように構成しておくことが望ましい。一体性をより高めるには、前記隔壁板よりも上方に、小径管及び大径管を貫通させながら保持する中間保持枠を設けているものがさらに好ましい。
充填剤を確実に充填するための構成としては、前記隔壁板近傍に吐出口が配置される充填剤注入管をさらに備え、前記充填剤がその吐出口から吐出されて前記穴と大径管及び小径管との間の隙間に下から充填されていくように構成しているものが好適である。
前記隔壁板が、前記充填剤注入管の下端部を支持しているものであれば、部材の一体化が図れてなお好ましい。
また、本発明に係る埋設型熱交換器は、地中に穿たれた穴に埋設され、流体が内部を流通していく過程で大地と熱交換するように構成した柱状をなす埋設型熱交換器であって、中心に形成された大径管と、その大径管の周囲に形成された複数の小径管と、前記大径管及び小径管を貫通させながらそれらの下端部を支持する隔壁板と、その隔壁板の上方であって小径管と大径管との隙間に充填される熱伝達用の充填剤と、を備え、その充填剤が、前記隔壁板近傍に吐出口が設けられた充填剤注入管から導入されて前記穴と大径管及び小径管との間の隙間に下から充填されていくように構成していることを特徴とする。
このようなものであれば、直管だけの構成で無理なく表面積を大きくできるので、製造が簡単で、その分のコスト削減もできるという効果に加え、隔壁板により小径管及び大径管が一体構造物となるので、地中への埋め込み作業が容易となる。さらに下方から充填剤が注入されるので、上から充填剤を注ぐのと比べ、空気の混入を防止できるなど、充填剤を現場で確実に充填することが容易にできる。
大地との熱接触面積を増大させて熱交換能をより向上させるとともに、穴により確実に固定するには、前記充填剤が、セメントを含んだ少なくとも充填時には液状のものであり、穴の周囲に一部が浸み込んで固化するように構成しておくことが好ましい。
かかる埋設型熱交換器の浮き上がりをより確実に防止するためには、長さ方向の中間部位に、径方向に外側に突出する鍔部を設けておけばよい。
小径管及び大径管を貫通させながら保持する中間保持枠を設け、その中間保持枠の周縁部が前記鍔部として機能するように構成しておけば、浮き上がり防止と構造強化とを1つの中間保持枠で行うことができるので、部品点数やコストの増大を抑制することができる。また、構造を強化することで、埋設時や運搬時の破損防止にも寄与し得る。
より具体的な埋設型熱交換器の製造(設置)方法としては、地面から穴を穿孔する工程と、前記連通部を形成する連通部形成部材を穴底に配置する工程と、前記穴に、隔壁板及びそれに支持された小径管及び大径管を挿入して前記連通部形成部材上に配設する工程と、、前記穴と小径管及び大径管との隙間に砂、セメント又はそれらの混合物である充填剤を充填する工程と、前記穴に中心管及び外周管を挿入し、前記中心管を前記大径管の上端に接続するとともに、前記外周管を前記充填物の上面に配設して、この外周管と前記小径管とを連通させる工程と、を有したものを挙げることができる。
また、穴内部への連通部形成部材や隔壁板、あるいは小径管、大径管等の挿入を容易化できるとともに、前記充填剤注入管を不要にでき、さらには浮き上がり防止も図れる埋設型熱交換器の設置方法としては、地面から地中に、前記隔壁板よりも所定寸法大径の穴を穿孔する工程と、前記連通部を形成する連通部形成部材を穴底に配置する工程と、前記小径管の上端部に、当該小径管及び大径管を貫通させながら保持する中間保持枠が固定され、その中間保持枠上に前記外周管が取り付けられてなる構造体を、前記連通部形成部材上に載置する工程と、前記穴の内周面と外周管との間の隙間から、砂、セメント又はそれらの混合物である充填剤を、少なくとも前記中間保持枠の高さにまで充填する工程と、前記充填剤の上に、前記穴の内周面と外周管との間の隙間から土砂を充填する工程と、を有したものが望ましい。
このように構成した本発明によれば、主として複数の直管で構成されているため、熱交換効率を高く維持しながら、製造の簡単化とコスト低減を図ることができる。また、熱交換能の異なる2つの管状体を上下に配置することによって、大地との間での熱交換をより効率的に行うことができるようになる。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態にかかる埋設型熱交換器1は、図1等に示すように、地中に穿たれた穴H(以下、埋設用穴Hとも言う)に埋設される柱状をなすもので、内部に熱交換される流体(ここでは空気)が流れる流路が形成してあり、その流路を空気が流通していく過程で大地と熱交換するように構成されている。かかる埋設型熱交換器1は、例えば工場や家庭などの室内空気調和、特に冷房に好適に用いられる。しかして、この種の熱交換器1の熱交換容量は、大きさ(径×長さ)でほぼ定まり、特にその長さが重要なパラメータとなるが、この図1では、複数の熱交換器1を並列乃至直列に接続してトータル容量を増大させ、大規模な工場FA等での空調に使用できるようにした例を示している。
次に、単体の熱交換器1について詳述する。この熱交換器1は、図1、図2に示すように、地中の定温度層にのみ埋設される下側管状体2と、定温度層の上方の温度変化層に埋設される上側管状体3とを具備している。なお、定温度層とは、昼夜、季節を通じて温度がほぼ一定(約2〜3℃以内の変化)に保たれる領域のことで、地表から一定の深さ領域(我が国では5mから10m以上の深さに存在すると言われるが、地域によって深さは異なる)に存在する。温度変化層とは、その定温度層の直上から地表に至るまでの領域のことであり、地上温度の影響を受けて温度が変動する。ここでの下側管状体2は、上端部と下端部との温度差がほとんどない(約1℃以下)の定温度層に埋設される。
前記下側管状体2は、図2〜図5等に示すように、中心に形成された直管状をなす大径管21と、その大径管21の周囲に形成された直管状をなす複数(多数)の小径管22と、それら大径管21及び小径管22の下端部を貫通させながら支持する隔壁板24と、この隔壁板24よりも上方に設けられ、小径管22及び大径管21を同じく貫通させながら固定保持する中間保持枠26と、を具備したもので、その長さは約4m〜5m以上である。
大径管21は、例えば塩化ビニルなどの断熱性に富む樹脂を素材とする直管であり、小径管22は、アルミニウムや鉄などの熱伝導性に富む金属を素材とする直管である。なお、この実施形態では、大径管21の断面積と全ての小径管22を足し合わせた断面積とがほぼ同一となるように設定している。
隔壁板24は、埋設用穴Hの径とほぼ同じか若干小さい径を有する一定厚みの円形板であり、この隔壁板24を貫通するように大径管21及び小径管22の下端部が固定される。なお、図4では、大径管21及び小径管22を隔壁板24に対して螺着するようにしているが、螺着に限られず、接着や溶接などを利用して固定してもよい。また、この隔壁板24は、詳細については後述するが、埋設用穴Hの底から一定距離上方に配置され、この隔壁板24の下方において、小径管22及び大径管21を下端部において連通する連通部23が形成されるようにしてある。
さらにこの実施形態では、前記隔壁板24に充填剤注入管5を取り付けている。この充填剤注入管5は、その下端面を隔壁板24の上面に接着するなどして固定したもので隔壁板24を貫通してはおらず、また、その下端部の側周面には、充填剤たる液状コンクリート4を吐出するための吐出口5aを開口させている。この充填剤注入管5は、後述する中間保持枠26を貫通し、上側管状体3の上端部またはそれ以上にまで延びる長さに設定してあり、その上端開口から充填剤であるコンクリート4が注入されると、下端部の吐出口5aからそのコンクリート4が吐出され、埋設用穴Hと小径管22及び大径管21との間の隙間に、下から充填されるように構成してある。
中間保持枠26は、一定厚さの円板状をなす例えば金属製のもので、厚み方向に1以上の空気抜き孔(図示しない)を有し、小径管22の上端部に設けられている。この中間保持枠26は、ここでは、さらに充填剤注入管5をも貫通させて保持している。なお、この中間保持枠26を長さ方向に間欠的に複数設けても構わない。
しかして、このように、この下側管状体2について、小径管22を金属管にするとともに、当該小径管22と大地との間を、空気よりも熱伝導性に優れたコンクリート4で充填することにより、大地と小径管22内を流れる流体との間での熱交換効率を向上させるべく図っている。
一方、前記上側管状体3は、図2等に示すように、中心管31と外周管32とからなる二重管構造をなすもので、前記中心管31が前記大径管21の上端に連続して接続されるとともに、前記外周管32が前記小径管22に連通するように構成されている。具体的に中心管31は、例えば塩化ビニルなどの断熱性に富む樹脂を素材とする直管であり、大径管21と略同一径をなす。外周管32は、その外径が埋設用穴Hの内径とほぼ同じ寸法のもので、中心管31と同じく、例えば塩化ビニルなどの断熱性に富む樹脂を素材とする直管である。この外周管32は、前記下側管状体2の充填剤であるコンクリート4の上に設置され、当該外周管32と中心管31との間の空間に前記小径管22の上端が開口する。そして、このように外周管32及び中心管31をいずれも断熱性の高い樹脂によって構成することにより、大地からの熱影響や、流入してくる空気と温度調整された流出する空気との熱交換が妨げられるように図っている。
次に、このような構成の埋設型熱交換器1についての製造(設置)方法について図5〜図8等を参照して説明する。
まず、図5に示すように、地面から地中に垂直乃至斜めに、熱交換器1の外径とほぼ同じ内径の埋設用穴Hを穿孔する。なお、この埋設用穴Hの内周面は、同図に示すように、土が露出しており、石や土砂の落下によって凹凸のある状態となっている。
次に、この埋設用穴Hに、底を固定するための、例えばコンクリート製の連通部形成部材6を嵌め入れる。この連通部形成部材6は上方に開口するカップ状のもので、その外径寸法は、埋設用穴Hの内径寸法とほぼ合致する。また、この連通部形成部材6の内部底面は、中心に向かって凹むように形成してあって、結露などによってこの連通部形成部材6に溜まる水が、中心部に集まるように構成している。溜まった水は、図示しないが例えば定期的に、中心管31及び大径管21に上方から挿入したチューブ、ポンプ等を利用して排出する。
一方、予め工場等において、下側管状体2を一体構造物として製作し、埋設現場に輸送しておく。そして埋設現場にて、埋設前に、継ぎ手などを用いて、下側管状体2の大径管21に中心管31を接続して一体化した構造体27を製造しておく。この実施形態では、同図に示すように、充填剤注入管5も輸送時には二分されていて、埋設前に継ぎ手などを用いて連結される。そして、図6に示すように、埋設用穴Hに前記構造体27を上から挿入し、前記連通部形成部材6の上端面に、隔壁板24の外周縁部を載せる。このことにより、連通部形成部材6の上方開口が隔壁板24で閉塞され、その内部に小径管22及び大径管21とのみ連通し、その他とは実質的な気密状態が保たれる連通部23が形成される。
次に、図7に示すように、充填剤注入管5の上端開口から充填剤である液状コンクリート4を注入する。そうすると、液状コンクリート4が充填剤注入管5の下端部吐出口5aから吐出され、前記隔壁板24を底として、埋設用穴Hと小径管22及び大径管21との間の隙間に、下から充填されていく。液状コンクリート4は、その上面が小径管22の上端よりも若干下方、具体的には中間保持枠26の下端面に至るまで注入される。このとき、コンクリート4は液状であるため、埋設用穴Hの凹凸ある内周面に隙間なく充填されるとともに、埋設用穴Hの内周面から周囲の土中にも一部染み込んでゆく。
次に、図8に示すように、コンクリート4がある程度まで固化するのを待って、外周管32を埋設用穴Hに挿入し、中間保持枠26に気密に外嵌させながら、コンクリート4の上端外周縁部に、若干めり込ませて搭載配置する。めり込ませるのは、ここから内部に水が浸入するのを防止するためである。
最後に、中心管31及び外周管32の上端部に、工場FAなどの室内に連通する導出配管71及び導入配管72をそれぞれ接続する(図2参照)。このことによって、室内と熱交換器1とを結ぶ循環経路が形成される。なお、この循環経路中には、空気を図2中の矢印のごとく循環させるための図示しない送風機が設けられている。また、循環経路中に、この熱交換器1に加えて、補助的に電力等を用いた空気調和器を設けてもよい。
このような構成において、室内から送出された空気は、導入配管71からこの熱交換器1の外周管32をとおり、小径管22を流通するあいだに、定温度層からの熱影響を受けてその温度に近づくように冷却(又は加熱)される。そして、このようにして冷却(又は加熱)された空気は、連通部23から大径管21、中心管31、導出配管72をとおって室内に戻される。
したがって、本実施形態によれば、熱交換能の異なる下側管状体2と上側管状体3とに分け、地表の温度変化の影響を受ける大地の温度変化層には、断熱性の高い上側管状体3を埋設して当該温度変化層からの熱影響を可及的に低減させる一方、地表の温度変化の影響をほとんど受けない大地の定温度層には、熱交換能に優れた下側管状体2を埋設して当該定温度層との間での伝熱を積極的に行わせるようにしているので、大地との間で理想的な熱交換を行うことができるようになり、常に一定の温度の空気を供給することが可能になる。
また、熱交換を主として行う下側管状体2を、多数の直線状の小径管22から構成して無理なく表面積を大きくしているので、従来のように螺旋状にしたりフィン状にするといった必要がなく、製造の簡単化とその分のコスト削減を図ることができる。
さらに、内周面に土が露出し凹凸ある埋設用穴Hに、熱伝達の充填剤として液状コンクリート4を注入するので、液状コンクリート4が凹凸を隙間なく埋めるとともに穴Hの周囲にまで染み渡ることとなる。したがって、大地との熱接触面積が増大して熱交換効率をより高めることができるとともに、大地への確実な固定による浮き上がり防止を図ることができる。
また、小径管22及び大径管21が、その上端部及び下端部においてそれぞれ中間保持枠26及び隔壁板24によって固定され、それらが一体構造物となっているため、地中への埋め込み作業や輸送の容易化を図れる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、この実施形態において、前記第1実施形態に対応する部材には同一の符号を付することとする。
本実施形態の埋設型熱交換器1における、前記実施形態との主たる相違点は、充填剤注入管5が存在しない点、中間保持枠26に外周管32を埋設前に予め、気密に結合している点、及び埋設型熱交換器1を土中に埋める際の工程が異なる点にある。
そこで、以下では、その埋設工程について説明しながら、必要に応じて、熱交換器1の各部の説明を行うこととする。
この実施形態では、図9に示すように、前記第1実施形態よりも大きな径、すなわち、熱交換器1の外径よりも大径の埋設用穴Hを穿孔する。そして、この埋設用穴Hに、前記連通部形成部材6を挿入して、穴底中央付近に載置する。
一方、予め工場等において、下側管状体2及び上側管状体3をそれぞれ別体で製作して埋設現場に輸送しておき、埋設現場にてそれら下側管状体2及び上側管状体3を接続し、一体構造化した構造体27’を製造する。
そして、図10に示すように、埋設用穴Hに前記構造体27’を上から挿入し、前記連通部形成部材6の上端面に、隔壁板24の外周縁部を載せる。
次に、図11に示すように、外周管32と埋設穴Hの内周面との隙間から液状コンクリート4を、中間保持枠26と外周管32とのつなぎ目よりもやや上方に至るまで注入する。なお、これはそのつなぎ目をコンクリート4で覆うことにより、バ外部から管内部への水漏れを防止するためである。
このとき、コンクリート4は液状であるため、埋設用穴Hの凹凸ある内周面に隙間なく充填されるとともに、埋設用穴Hの内周面から周囲の土中にも一部染み込んでゆく。
そして、図12に示すように、コンクリート4が固化するのを待って、外周管32と埋設穴Hの内周面との隙間に土砂を充填する。
最後は、前記第1実施形態と同様に、中心管31及び外周管32の上端部に、工場FAなどの室内に連通する導出配管71及び導入配管72をそれぞれ接続する(図13参照)。
かかる構成によれば、コンクリート4の上方に土砂が載るうえ、コンクリート4の占める割合が大きくなって全体の重量が増すため、施工後の浮き上がりを、より有効に防止できる。また、埋設穴Hが大径であるため、構造体27’や連通部形成部材6を挿入しやすいという効果も奏し得る。
なお、本発明は前記各実施形態に限られるものではない。
例えば、上側管状体を省略してもよい。この場合、埋設用穴の上端部から下端部に至るまで、小径管が延伸し、かつコンクリートが充填されることとなる。
また、コンクリートを現場で穴に流し込むのではなく、予め、工場等でコンクリートを小径管及び大径管の隙間に充填して固化させ、この熱交換器を完成させた状態で埋設用穴に嵌め込んでもよい。
さらに充填剤は、コンクリートに限られず、空気よりも熱伝導率のよいものであれば何でも構わない。注入時に流動性があればなおよく、モルタルやセメント、砂などでもよい。
充填剤注入管は必ずしも隔壁板に取り付けておく必要はなく、別途チューブなどを利用してもよい。このチューブは、充填剤の充填後引き抜いてもよいし、そのまま残しておいてもよい。また、充填剤注入用の穴を別に掘り設けて、埋設用穴の下端部に接続し、その充填剤注入用の穴から充填剤を注入するようにしてもよい。さらに、充填剤注入管を用いず上から充填剤を流し込んでもよい。その場合は小径管や大径管の上端から充填剤が浸入しないように、仮蓋を設けておく必要がある。
加えて言えば、長さ方向の中間部位に、径方向に外側に突出する鍔部を設けてその上を土砂が覆うように構成してもよい。このことにより、浮き上がりをさらに確実に防止できる。この鍔部は、中間保持枠と一体に構成しても構わない。
また、この熱交換器への空気の導入、導出方向は、前記実施形態と逆向きでも構わない。工場用のみならず、家庭用やその他の用途に用いてもよいし、熱交換媒体を空気以外の気体や、水などの液体としてもよい。冬期に用いれば、この熱交換器で熱交換媒体を暖め、暖房や溶雪などにも利用することができる。
その他、本発明は前記図示例や実施形態に限られず、その主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態における熱交換器を複数地中に埋設し、空調に用いた例を示す模式的システム概観図。 同実施形態における熱交換器の地中に埋設した状態を示す縦断面図。 同実施形態における熱交換器の小径管、大径管、隔壁板等を部分的に示す部分斜視図。 同実施形態における熱交換器の小径管を隔壁板に取り付けるための取付構造を示す分解斜視図。 同実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 同実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 同実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 同実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 本発明の第2実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 本発明の第2実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 本発明の第2実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 本発明の第2実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。 本発明の第2実施形態における熱交換器を設置する手順を示す設置工程説明図。
符号の説明
H・・・穴
1・・・埋設型熱交換器
2・・・下側管状体
21・・・大径管
22・・・小径管
23・・・連通部
24・・・隔壁板
26・・・中間保持枠
3・・・上側管状体
31・・・中心管
32・・・外周管
4・・・充填剤(コンクリート)
5・・・充填剤注入管
5a・・・吐出口

Claims (14)

  1. 地中に穿たれた穴に埋設され、流体が流路を流通していく過程で大地と熱交換するように構成した柱状をなす埋設型熱交換器であって、
    季節、昼夜を通じて温度がほぼ一定に保たれる領域である地中の定温度層に、略全てが埋設される下側管状体と、その定温度層の上方に位置する温度変化層に略全てが埋設される、前記下側管状体よりも熱交換能の低い上側管状体とを具備しており、
    前記下側管状体は、中心に形成された大径管と、その大径管の周囲に形成された複数の小径管と、それら小径管及び大径管を下端部において連通する連通部とを有したものであり、
    前記上側管状体は、中心管と外周管とからなる二重管構造をなし、前記中心管が前記大径管の上端に接続されるとともに、前記外周管が前記小径管に連通するように構成したものである埋設型熱交換器。
  2. 下側管状体は、少なくともその一部が金属で形成されたものであり、上側管状体は、樹脂で形成されたものである請求項1記載の埋設型熱交換器。
  3. 少なくとも前記穴と前記小径管との間の隙間に、空気より熱伝導性の高い充填剤を充填している請求項1又は2記載の埋設型熱交換器。
  4. 前記充填剤が、砂、セメント又はそれらの混合物からなるものである請求項3記載の埋設型熱交換器。
  5. 前記大径管及び小径管を貫通させながらそれらの下端部を支持する隔壁板をさらに備え、その隔壁板が前記穴の底よりも一定距離上方に配置され、当該隔壁板の下方に形成される空間が前記連通部を形成するように構成している請求項1乃至4いずれか記載の埋設型熱交換器。
  6. 前記隔壁板よりも上方に、小径管及び大径管を貫通させながら保持する中間保持枠を設けている請求項5記載の埋設型熱交換器。
  7. 前記隔壁板近傍に吐出口が配置される充填剤注入管をさらに備え、前記充填剤がその吐出口から吐出されて前記穴と小径管及び大径管との間の隙間に下から充填されていくように構成している請求項5又は6記載の埋設型熱交換器。
  8. 前記隔壁板が、前記充填剤注入管の下端部を支持している請求項7記載の埋設型熱交換器。
  9. 地中に穿たれた穴に埋設され、流体が内部を流通していく過程で大地と熱交換するように構成した柱状をなす埋設型熱交換器であって、
    中心に形成された大径管と、その大径管の周囲に形成された複数の小径管と、前記大径管及び小径管を貫通させながらそれらの下端部を支持する隔壁板と、その隔壁板の上方であって前記穴と小径管及び大径管との間の隙間に充填される熱伝達用の充填剤と、を備え、
    その充填剤が、前記隔壁板近傍に吐出口が設けられた充填剤注入管から導入されて前記隙間に下から充填されていくように構成している埋設型熱交換器。
  10. 前記充填剤が、セメントを含んだ少なくとも充填時には液状のものであり、穴の周囲に一部が浸み込んで固化している請求項8記載の埋設型熱交換器。
  11. 長さ方向の中間部位に、径方向に外側に突出する鍔部を設けている請求項1乃至9いずれか記載の埋設型熱交換器。
  12. 前記隔壁板の上方に、小径管及び大径管を貫通させながら保持する中間保持枠を設け、その中間保持枠の周縁部が前記鍔部として機能するように構成している請求項11記載の埋設型熱交換器。
  13. 請求項5又は9記載の埋設型熱交換器の製造方法であって、
    地面から穴を穿孔する工程と、
    前記連通部を形成する連通部形成部材を穴底に配置する工程と、
    前記穴に、隔壁板及びそれに支持された小径管及び大径管を挿入して前記連通部形成部材上に配設する工程と、
    前記穴と小径管及び大径管との間の隙間に砂、セメント又はそれらの混合物である充填剤を充填する工程と、
    前記穴に中心管及び外周管を挿入し、前記中心管を前記大径管の上端に接続するとともに、前記外周管を前記充填物の上面に配設して、この外周管と前記小径管とを連通させる工程と、を有した埋設型熱交換器の製造方法。
  14. 請求項5記載の埋設型熱交換器の製造方法であって、
    前記隔壁板よりも所定寸法大径の穴を地面から穿孔する工程と、
    前記連通部を形成する連通部形成部材を穴底に配置する工程と、
    前記小径管の上端部に当該小径管及び大径管を貫通させながら保持する中間保持枠が固定されるとともに、その中間保持枠上に前記外周管が取り付けられてなる構造体を、前記連通部形成部材上に載置する工程と、
    前記穴の内周面と外周管との間の隙間から、砂、セメント又はそれらの混合物である充填剤を、少なくとも前記中間保持枠の高さにまで充填する工程と、
    前記充填剤の上に、前記穴の内周面と外周管との間の隙間から、土砂を充填する工程と、を有した埋設型熱交換器の製造方法。
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