JP2009043082A - Rfidスレッドおよびそれを用いたシート状物 - Google Patents
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Abstract
【課題】RFIDの固着に紙とRFIDのベースフィルムとの固着力を必要とするため、薄いシート状に加工した場合でも、十分な強度が得られ、紙とRFIDのベースフィルムとの一体化を実現できる。
【解決手段】複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを片面に接着した細帯状のフィルムと紙シートの表裏とを、紙の繊維が相互に絡まり合うように紙抄合を行なって固着するため、前記フィルムの前記半導体チップを阻害しない位置に、前記紙の繊維が前記紙シートの表裏と相互に絡まり合うように貫通した複数の開口部を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを片面に接着した細帯状のフィルムと紙シートの表裏とを、紙の繊維が相互に絡まり合うように紙抄合を行なって固着するため、前記フィルムの前記半導体チップを阻害しない位置に、前記紙の繊維が前記紙シートの表裏と相互に絡まり合うように貫通した複数の開口部を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、有価証券や紙幣等に貼付されたり漉き込まれたりし、これらの偽造防止に用いられるRFIDスレッドおよびそれを用いたシート状物に関し、特に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能な半導体チップが内蔵されたものに関する。
従来の紙などの薄いシートにRFIDを備える場合、予め糊などを塗布してあるシール状のタグにRFIDを貼り付け、このシールを目的とする紙などの薄いシートに貼り付ける方法が一般的であった。
また、予め紙にRFIDタグをスレッド状に加工して漉き込む方法(特許文献1)、や、2枚の紙に糊で挟む方法(特許文献2)も知られている。これらの方法では紙が厚い場合やRFIDタグが十分細い場合は、紙の剛性によりRFIDを強固に挟み込み十分な強度を示すことが期待できる。
更に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが搭載された帯状の第1のシート基材とこの第1のシート基材に積層されてなる帯状の第2のシート基材とのICチップに当接しない領域に、表面から裏面まで貫通する貫通穴を有するスレッドが知られている(特許文献3)。この構成によれば、接着剤によって有価証券や紙幣等のシートに接着する場合、接着剤が貫通穴に入り込み、それにより、スレッドと接着剤との間にてくさび効果が生じ、スレッドがシートから剥がれにくくなる。
しかしながら、上記紙などの薄いシートに貼り付ける方法では、外観上もRFIDタグを貼り付けてあることが明確に判別できるため、偽造防止の効果が低く、また外観上のデザインに制約を与える欠点があった。
また、特許文献1や特許文献2に記載された方法の場合、例えば図7に示したように3mm幅のRFIDを30μm厚のPET製のベースフィルム20上に形成し、これを総厚0.1mmの紙に仕上げる場合、RFID部分で紙が極度に薄くなるため、紙の剛性が期待できない。更に通常、紙に用いられるセルロースを主体とした糊ではポリエステルフィルムを十分強固に接着できないため、使用中の外力により表裏の紙層と内部のRFIDが剥離し、図8に断面図を示すように表裏の紙40が浮き上がってしまい、極端な場合はRFIDのベースフィルム20が抜け落ちてしまう問題があった。
更に、特許文献3に記載の方法は、接着剤によってシートに接着する場合、接着剤が貫通穴に入り込むため、接着剤の硬化により柔軟性を損なわれ、取扱い性や薄いシート状にする上で問題があった。
いづれにしても、上記従来技術では、RFIDの固着に紙とRFIDのベースフィルムとの固着力を必要とするため、薄いシート状に加工した場合に、十分な強度が得難いという課題があった。
上記課題を解決するため、本発明は、
複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを片面に接着した細帯状のフィルムと紙シートの表裏とを、紙の繊維が相互に絡まり合うように紙抄合を行なって固着したことを特徴とするシート状物である。
複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを片面に接着した細帯状のフィルムと紙シートの表裏とを、紙の繊維が相互に絡まり合うように紙抄合を行なって固着したことを特徴とするシート状物である。
また、前記フィルムの前記半導体チップを阻害しない位置に、前記紙の繊維が前記紙シートの表裏と相互に絡まり合うように貫通した複数の開口部を設けたこと特徴とする。
また、前記開口部は、2列の等ピッチの丸穴をパンチアウトして設けたものであることを特徴とする。
また、前記開口部は、複数個のU字型の切り欠きを設け、切り欠きに囲まれた部位を起こしてなることを特徴とする。
また、前記フィルムの前記半導体チップを阻害しない位置に、ディンプル加工部を設けたことを特徴とする。
また、前記ディンプル加工部は、複数個の開口しない加圧痕を設けてなることを特徴とする。
更に、複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを細帯状のフィルムの片面に接着してあるRFIDスレッドであって、紙抄合の際に紙の繊維が紙漉工程で貫通して紙シートの表裏と相互に絡まり合うための複数の開口部もしくはディンプル加工部を前記細帯状のフィルムに設けたことを特徴とする。
また、前記開口部は前記細帯状のフィルムに、複数個のU字型の切り欠きを設け、切り欠きに囲まれた部位を起こしてなることを特徴とする。
また、前記ディンプル加工部は前記細帯状のフィルムに、複数個の開口しない加圧痕を設けてなることを特徴とする。
また、前記半導体チップの一片が0.5mm、前記細帯状のフィルムの幅が3mm以下であることを特徴とする。
本発明では、RFIDのベースフィルムおよびアンテナ部分に複数の開口部または凹凸加工部位を設け、紙部分とRFID部分を嵌合、もしくは糊部分とRFID部分を嵌合させることにより、RFIDタグの表裏の紙を一体化して強度を高めることができる。この構造により、従来のRFIDを内蔵した紙カードでは実現が困難であった厚さ0.1mm程度の薄い紙カードが実現できる。
以下、本発明の実施するための最良の形態について、図を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施例1について、図1から図6を用いて説明する。図1は本実施例の適用されたRFIDスレッドの外観斜視図である。厚さ30μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)製ベースフィルム20上に厚さ7μmのアルミ配線アンテナ30が形成してあり、このアンテナにはスリット31を加工してある。このスリット31を跨ぐ位置に一辺が0.5mm以下に切断加工されたRFIDチップ10が接合してあり、このアンテナ30とRFIDチップ10によってRFIDの回路が構成される。このRFID部分は、細長い帯状のベースフィルム20上に多数個配置されている。本実施例ではベースフィルム20の幅は3mmであり、アンテナ30は55mmであり、57mmピッチでRFID部分を配置してあるため、ベースフィルム20が2mm露出している。なお、図ではベースフィルム20やアンテナ30の厚みは省略した。また、RFIDチップ10やスリット31も本来の尺度で記入すると判別しがたいので大きく表示してある。
ここで、ベースフィルム20およびアンテナ30には前記スリット31およびRFIDチップ10を阻害しない位置に多数の開口部21が設けてある。開口部21は2列の等ピッチの丸穴をパンチアウトしたものであり、丸穴であることと等ピッチであることから、外力による応力集中を生じにくく、製紙工程やRFIDの使用中の外力によってアンテナ30の裂断やRFIDチップ10の脱落を生じにくくなっている。
また開口部21はアンテナ30の外縁やスリット31には掛からない位置に設けてあるため、開口部21を設けることによるアンテナ30の通信性能の劣化は最小限に成っている。
このRFID部分を多数配列したベースフィルム20を用いた紙漉込み方法を図2に示す。複層の紙抄合を行う場合は、図2に示す円網抄紙機を用いることが一般的である。図2には2漕式の円網抄紙機を用いる例を示す。1層目の貯液漕51内部でパルプ液に浸漬した円筒状の金網51aが回転しており、パルプ原料が金網51aに張り付き水分が内部から除去されて、金網51a上には紙原料の湿潤なフィルムが構成される。この膜はブランケット54に押しつけられることで金網51aから剥がれ、ブランケット54の進行により第2の金網52aに向かう。このとき外部から予めRFID部分を設けた細帯状のベースフィルム20が供給され、第2の貯液漕内部の金網52a上で同様に得られた湿潤なフィルムと、ブランケット54上の湿潤フィルムに挟み込まれる。このとき、パルプ原料は未だ十分に脱水されていないので、ベースフィルム20上の開口部21を通して、両者の湿潤なフィルムの原料同士が絡み合いを生じる。また、表裏の原料の分量は貯液漕51および52の原料の濃度によって個別に調整することが可能である。
この後、生乾きの紙シート40はブランケット54から剥離され、次の脱水・乾燥工程に送り出される。なお、本実施例では2漕式の円網抄紙機を使用したが、紙シート40を厚くする必要がある場合や、RFIDチップ10の突出を軽減するために穴あきシート層を1層加える場合などでは、多漕式の円網抄紙機を用いることも当然可能である。
脱水・乾燥工程終了後の紙シート40の状態を図3(a)に示す。紙シート40には複数本のベースフィルム20が包含されており、それらは概ね等ピッチで平行に成っている。なお図4では説明の必要上ベースフィルム20を図示したが、本来は紙の内部に含まれているため、外観上は判別しがたい。そこで、図3(b)に上シート40の部分拡大図を示した。図3(b)では紙シート40の手前上側部分を切り取り、内部に包含されているベースフィルム20を見えるように切り出してある。このとき、ベースフィルム20に設けた開口部21が複数有り、このベースフィルム20の上にRFIDチップ10が配置されている。
一本のベースフィルム20を含む紙シート40の断面拡大図を図4(a)に示す。ベースフィルム20の開口部21に紙シート40の基材である紙の繊維40aが入り込んで表裏で一体化しており、紙シート40とベースフィルム20が強固に組み合わさっている。表層の紙シート40の一部を剥離除去し、この断面に含まれる開口部21および紙の繊維40aを観察した斜視図が図4(b)である。このようにベースフィルム20と表層のアルミアンテナ30をともに貫通する開口部21が全体的に配置してあり、紙の繊維40aが紙漉工程で開口部21を貫通して紙シート40の表裏と相互に絡まり合うため、紙シート40とRFID部分との一体化が期待できる。この紙シート40を、最小限1個のRFID部分を含むように個片のシートに裁断すると、偽造防止用RFIDスレッドを用いた紙が得られる。
以上、円網抄紙機を用いる製造方法を示したが、その他の製造方法について以下に変形例を示す。図5は長網抄紙機を用いて本実施例のRFIDスレッドを漉き込む方法を示した概念図である。2枚の帯状の金網61bおよび62bは多数のローラ61aおよび62aにより、くさび状の隙間を有する形に張られている。このくさび状部分にスリットノズル63により、パルプの混濁液が噴射される。さらにこのくさび部分には外部より細帯状のベースフィルム20が供給される。このため、紙原料は渾然一体となって金網61bおよび62bに挟み込まれ、大部分の水分を絞り出される。この後、湿潤な紙シート40は金網61bの上に引き出され、更に外部に引きはがされて、次の脱水・乾燥工程に運ばれる。
この方法でも、前述の方法と同様の効果を得られるが、パルプ原料を1回の挟み込みでベースフィルム20と混在した状態で成型するため、ベースフィルム20の表裏の紙パルプの一体性が高くできる利点がある。
更に、他の製造方法として、製紙が済んでいる紙シートを貼り合わせることでも実現は可能である。図6にその製造方法を示す。例えば45μm厚に製紙された紙シート40dを2枚送り込み、それぞれ一対の塗布ローラ71aと押しつけローラ71bで引き込む。このとき塗布ローラ71aの背面には保持ローラ71cが配置してあり両者の間にはセルロース系の糊溶液40cが貯めてある。このため2枚の紙シート40dの各片面に糊が塗布される。この状態で、細帯状のベースフィルム20を送り込んで、3者をローラ加圧することで貼り合わせることで紙シート40が得られる。この後、紙シート40は乾燥工程送られる。
この方法では、糊溶液40cの流動性が十分高いため、ベースフィルム20上の微細な開口部21を通して十分表裏の紙シート40の層を貼り合わせる効果が期待でき、開口部21を小さく設計しても良いという、アンテナ設計上の利点がある。
以上述べたように、本実施例では、ベースフィルムおよびアンテナに、スリットやRFIDチップを阻害しない位置に多数の開口部を設けたRFIDスレッドに、紙の繊維が開口部を貫通して紙シートの表裏と相互に絡まり合うように複層の紙抄合を行う構成としているため、開口部を介して紙シートの表裏を一体化でき、紙シートが外力で変形して浮き上がる事態を回避できる。
これに対し、上述した開口部を設けない図7に示すような従来のRFIDスレッドの構造の場合、ベースフィルム20はPENなどのセルロースや紙繊維との固着力が得にくい材料であり、アンテナ30もアルミであるため同様に固着力が得にくい。この状態で紙シート40に漉き込むと、外部からの力で紙シート40と開口部を持たないベースフィルム20bとの界面で、図8に断面図を示すように表裏の紙40が浮き上がってしまい、浮き上がり40bを生じやすい。極端な場合は、ベースフィルム20bが長手方向にずれることで、紙シート40から抜け落ちる恐れもある。
なお、開口部21の配置や形状、構造についても本実施例は変形可能である。図9に開口部21をアンテナ30の中心部に1列に設けた実施例を示す。この実施例では開口部21が減少するため紙漉工程や使用時の張力などでアンテナ30が伸びたり、破断するおそれが軽減できる利点がある。
次に、本発明の実施例2を説明する。本実施例は、開口部21に代わってU字形の切り欠きを設けた半開口部22を用いたことを特徴とし、図10にその外観斜視図を示す。他の構成は実施例1と同じであるので、説明を省略する。この実施例では、開口部21を用いる場合と異なり、開口部を切り離さないため、くりぬき加工に伴う切りくずの発生や、その挟み込みによる接続不良、切りくずが付着する外観不良などの問題を生じ難い利点がある。
更に、本発明の実施例3を説明する。本実施例は、開口部21に代わってベースフィルム20およびアンテナ30にダボ状の突起部23等のディンプル加工部を設けることを特徴とし、図11にその外観斜視図を示す。他の構成は実施例1と同じであるので、説明を省略する。この実施例の場合、紙繊維との固着力はやや低下するが、紙シート40に浮き40bを生じても突起部23が当たるため、ベースフィルム20の脱落を生じにくくする利点がある。アンテナ30に穴を開けることが無いため、アンテナの性能を低下させない利点がある。また、切りくずを生じない利点も実施例2と同様にある。
10…RFIDチップ、20…ベースフィルム、21…開口部、22…半開口部、23…突起部、30…アンテナ、31…スリット、40…紙シート、40a…紙の繊維、40c…糊溶液、51、52…貯液漕、51a、61b、62b…金網、54…ブランケット、61a、62a…ローラ、63…スリットノズル、71a…塗布ローラ、71b…押しつけローラ、71c…保持ローラ。
Claims (10)
- 複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを片面に接着した細帯状のフィルムと紙シートの表裏とを、紙の繊維が相互に絡まり合うように紙抄合を行なって固着したことを特徴とするシート状物。
- 前記フィルムの前記半導体チップを阻害しない位置に、前記紙の繊維が前記紙シートの表裏と相互に絡まり合うように貫通した複数の開口部を設けたこと特徴とする請求項1に記載のシート状物。
- 前記開口部は、2列の等ピッチの丸穴をパンチアウトして設けたものであることを特徴とする請求項2に記載のシート状物。
- 前記開口部は、複数個のU字型の切り欠きを設け、切り欠きに囲まれた部位を起こしてなることを特徴とする請求項1に記載のシート状物。
- 前記フィルムの前記半導体チップを阻害しない位置に、ディンプル加工部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシート状物。
- 前記ディンプル加工部は、複数個の開口しない加圧痕を設けてなることを特徴とする請求項5に記載のシート状物。
- 複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた半導体チップを細帯状のフィルムの片面に接着してあるRFIDスレッドであって、
紙抄合の際に紙の繊維が紙漉工程で貫通して紙シートの表裏と相互に絡まり合うための複数の開口部もしくはディンプル加工部を前記細帯状のフィルムに設けたことを特徴とするRFIDスレッド。 - 前記開口部は前記細帯状のフィルムに、複数個のU字型の切り欠きを設け、切り欠きに囲まれた部位を起こしてなることを特徴とする請求項7に記載のRFIDスレッド。
- 前記ディンプル加工部は前記細帯状のフィルムに、複数個の開口しない加圧痕を設けてなることを特徴とする請求項7に記載のRFIDスレッド。
- 前記半導体チップの一片が0.5mm、前記細帯状のフィルムの幅が3mm以下であることを特徴とする請求項7に記載のRFIDスレッド。
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