JP2009046068A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】サイドウォール部及びビード部の内面に配設された吸音層が空気入りタイヤの内面から剥離する蓋然性を前もって運転者等に知らせることのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】インナーライナ10の内面上であって、タイヤ本体のサイドウォール部3及びビード部4の内面領域の少なくとも一部の領域に多孔質材料からなる吸音層11を具えてなる空気入りタイヤにおいて、インナーライナ10の内面上に、タイヤ1の内圧を検知する圧力センサ14と、圧力センサ14が検知した信号をタイヤ1の外部に送る送信手段15と、を具えることを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1
【解決手段】インナーライナ10の内面上であって、タイヤ本体のサイドウォール部3及びビード部4の内面領域の少なくとも一部の領域に多孔質材料からなる吸音層11を具えてなる空気入りタイヤにおいて、インナーライナ10の内面上に、タイヤ1の内圧を検知する圧力センサ14と、圧力センサ14が検知した信号をタイヤ1の外部に送る送信手段15と、を具えることを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1
Description
この発明は、車室内騒音の低減をもたらす空気入りタイヤに関し、特には、空気入りタイヤとリムとで区画されたタイヤ内腔に充填された空気の振動によって発生する空洞共鳴音を低減する吸音層を具える空気入りタイヤに関する。
リム組みされ車両に取り付けられた空気入りタイヤは、車両の走行中にトレッド部が路面の凹凸に衝接して振動することによって、タイヤ内腔に充填された空気の空洞共鳴を生ずる。この空洞共鳴は、いわゆるロードノイズの主原因であり、その共鳴周波数の多くは180〜300Hzの範囲内に存在する。ロードノイズは、車室内に伝達されるに当り、他の周波数帯域の騒音とは異なり、鋭く高いピーク値を取るため、車室内の乗員にとって耳障りな騒音となる。
かかる空洞共鳴を抑制し、ロードノイズを低減するため、特許文献1には、リムとリムに装着される空気入りタイヤとがなすタイヤ内腔に、スポンジ材を用いた吸音用の帯状の吸音層をタイヤ周方向に固定するとともに、前記吸音層は、タイヤの内腔の全体積S1に対する比率S2/S1を、0.4%以上とした体積S2を有し、しかも前記スポンジ材は、比重が0.005〜0.06、かつ前記吸音層のタイヤ内腔に向く面を、凹凸面とするとともに、前記凹凸面は、突起状の凸部とくぼみ状の凹部とを、タイヤ周方向又はタイヤ軸方向に位置を揃えることなく点在させ凹凸を繰り返すことを特徴とする空気入りタイヤとリムとの組立体が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている従来の空気入りタイヤは、吸音層の貼り付け場所がトレッド部の内面であることから、当該部分にパンク修理剤を噴布する場合には、吸音層にパンク修理剤が浸透し吸音効果が著しく低下するばかりか、当該パンク修理剤の浸透によりユニフォミティが悪化するという問題がある。さらに、トレッド部にパンク等の故障が発生した際には、故障箇所の修理作業が煩雑であることから迅速に修理することができない。すなわち、吸音層を具える空気入りタイヤは、故障箇所の修理作業において通常の修理作業の他に、事前に故障箇所の周囲の吸音層を除去し、インナーライナが露出するまでグラインダ等でバフがけし、クスラッチャ等で表面を滑らかにする作業が必要となり、さらに事後的に、吸音層を除去した部分に再度吸音層を貼り付ける作業が必要となるため、パンク等の故障箇所の修理に相当の時間と手間を要することとなる。
そこで、吸音層をトレッド部の内面以外の場所、具体的には、サイドウォール部及びビード部の内面に配設することにより、釘踏み等によるパンクは、主にトレッド部で発生することから、上述したような吸音効果の低下の問題及び故障箇所を修理する際の煩雑さの問題は解決される。
しかしながら、吸音層をトレッド部の内面に代えてサイドウォール部及びビード部の内面に配設すると、長期間の使用等によりタイヤの内圧が低下した場合に、タイヤのたわみ変形が増大し、吸音層がタイヤ内面から剥離するおそれがあることが分かった。このような吸音層の剥離の問題に対しては、タイヤ内面と吸音層との接着をより強固にしたり、吸音層をタイヤ内面にシワなく正確に貼り付けたりする等の対策が採られているが、未だ根本的な解決には至っていない。
したがって、この発明は、上記問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、サイドウォール部及びビード部の内面に配設された吸音層が、空気入りタイヤの内圧低下に起因して、空気入りタイヤの内面から剥離する蓋然性を前もって運転者等に知らせることのできる空気入りタイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するために、この発明は、インナーライナの内面上であって、タイヤ本体のサイドウォール部及びビード部の内面領域の少なくとも一部の領域に多孔質材料からなる吸音層を具えてなる空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナ内面上に、前記空気入りタイヤの内圧を検知する圧力センサと、前記圧力センサが検知した信号を前記空気入りタイヤの外部に送る送信手段と、を具えることを特徴とする空気入りタイヤである。かかる構成を採用することにより、空気入りタイヤの内圧が圧力センサにより検知され、この検知された信号は、送信手段によって空気入りタイヤの外部に送られる。そして、例えば、この信号を車体側の検出部等で検出することによって、運転者等は空気入りタイヤの内圧変化を知ることができる。ここで、吸音層の剥離は、走行時に発生する空気入りタイヤのたわみ変形に起因し、さらにこのたわみ変形は、内圧の低下とともに増大することから、このように、タイヤの内圧を知ることで、吸音層が空気入りタイヤの内面から剥離する蓋然性を知ることができる。従って、タイヤの内圧が低下した場合には、所定の空気圧となるよう適宜タイヤ内に空気を充填することにより、走行時におけるサイドウォール部及びビード部のたわみ変形の増大を抑制し得るので、吸音層の剥離を防止することができる。
なお、本明細書において「サイドウォール部及びビード部の内面領域」とは、トレッド接地端の内面からビードトウまでの領域を意味し、「トレッド接地端」とは、次の規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)にタイヤを組み付け、そのタイヤ内に同規格に定める最高空気圧を適用し、静止した状態で平板に対し垂直に置き、最大負荷荷重(乗用車空気入りタイヤの場合にあっては、最大負荷能力の88%に相当する荷重)を加えたときの平板との接触面におけるタイヤ幅方向最外側の端部である。そして、ここでいう「トレッド接地端の内面」とは、タイヤ幅方向断面でみて、前記したトレッド接地端からタイヤの内面の輪郭線(ペリフェリ)に下ろした垂線とタイヤ内面との交点である。また、規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、例えば、アメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の”Year Book”であり、欧州ではThe European Tire and Rim Technical Organizationの”Standards Manual”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”である。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスに置換することも可能である。
前記圧力センサ及び前記送信手段は、タイヤ幅方向における中心位置に配置することが好ましい。
この発明によれば、タイヤの内圧低下を適宜知ることができるので、サイドウォール部及びビード部の内面領域の少なくとも一部の領域に配設した吸音層のインナーライナの内面からの剥離の蓋然性を前もって運転者等に知らせることができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)を標準リムに装着して構成したタイヤとリムの組立体のタイヤ幅方向における断面を、最大荷重及び最大荷重に対応する空気圧を適用した条件での接地状態で示した断面図である。
図1に示すように、この発明のタイヤ1は、慣例に従い、路面に接地するトレッド部2と、このトレッド部2の両側部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ径方向に設けられ、リムRに嵌合される一対のビード部4とでタイヤ本体部5を構成している。このタイヤ本体部5の内部には、各ビード部に埋設したビードコア6、6間にトロイド状に延びてタイヤ本体部5の骨格構造をなす、例えばラジアル構造のカーカス7と、このカーカス7のクラウン域の外周側に位置し、トレッド部2を補強するベルト8とが配設されている。また、タイヤ本体部5の内面側、すなわちタイヤ1とリムRとにより画定されるタイヤ内腔9に面する側には空気不透過性のインナーライナ10が配設されている。
インナーライナ10の内面上には、多孔質材料からなる吸音層11が、サイドウォール部3及びビード部4の内面領域(すなわち、トレッド接地端12からインナーライナ10の内面に下ろした垂線Lとインナーライナ10の内面との交点に対応するトレッド接地端の内面からビードトウ13までの領域)の少なくとも一部のインナーライナの内面上に配設されている。これにより、タイヤ内腔9で生じた空洞共鳴に伴う充填空気の振動エネルギを、吸音層11を構成する多孔質材料の内部振動エネルギに変換し、そして熱エネルギとして消費させ、空洞共鳴音の低減を達成している。
吸音層11を構成する多孔質材料としては、ゴムや合成樹脂を発泡させてなる、連続気泡若しくは独立気泡を有する発泡材料、又は動物繊維、植物繊維、合成繊維等を絡み合わせて一体化した織布、不織布、編布等を用いることができる。多孔質材料として例えば合成ゴムを用いると吸音層11に優れた耐熱性及び耐水性も付与することができ、エーテル系のポリウレタンフォームを用いると発泡材料が加水分解しにくいという特性も付与することができる。
かかる吸音層11は、インナーライナ10に固着させることができる。この固着には、例えば熱溶着、接着剤、両面テープ、面ファスナー等を用いることができ、さらに生タイヤの状態で吸音層を固着する場合には加硫接着を用いることもできる。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、インナーライナ10の内面上に、タイヤ1の内圧を検知する圧力センサ14と、圧力センサ14が検知した信号をタイヤ1の外部に送る送信手段としての送信機15とを配設することにある。
圧力センサ14としては、タイヤ1の内圧を検知する検知センサで、ゲージ圧、差圧あるいは絶対圧を検出する公知の半導体圧力センサや静電容量型圧力センサを用いることができる。送信機15は、バッテリにより駆動するものの他、励起用電波により誘起された起電力を電源として、検出されたタイヤ1の内圧を無線電波にて送信する、いわゆるトランスポンダを用いたバッテリレスのものでも良く、圧力センサ14からの圧力信号をタイヤ1の外部に送信するようになっている。また、図示を省略するが、車体側には、アンテナを有する受信機が備えられており、送信機15から圧力センサ14の検出信号を示す電波が送信されると、アンテナを介して受信機にその電波が受信され、同じく車体側に備えられた図示しない表示部に、例えば、タイヤ1の内圧が表示される。または、タイヤ1の内圧が所定の空気圧より小さくなった場合に、表示部が警告を表示したり警告音を発したりするようにして、運転者にタイヤ1の内圧低下を知らせるようにしても良い。そして、運転者等は、タイヤ1の内圧低下を逐次知り得るので、タイヤ1の内圧管理を確実に行うことができる。なお、ここでいう「所定の空気圧」とは、前述の規格(アメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の”Year Book”であり、欧州ではThe European Tire and Rim Technical Organizationの”Standards Manual”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”等)に規定され、負荷能力に応じて特定される空気圧をいうものである。
かかる実施形態のタイヤによれば、タイヤ1の内圧が圧力センサ14により検知され、この検知された信号は、送信機15によってタイヤ1の外部、すなわち車両側の受信機に送られる。そして、この信号を車体側の受信機で受信し表示部に表示することにより、運転者はタイヤ1の内圧低下、ひいては吸音層11の剥離の蓋然性を知ることができる。すなわち、前述の通り、タイヤが負荷転動する際には、タイヤ一回転において伸びと収縮の弾性変形(たわみ変形)をするが、このたわみ変形は、主としてサイドウォール部3及びビード部4付近で発生する。またこのたわみ変形は、タイヤ1の内圧低下に伴い増大する。吸音層11をトレッド部2の内面に配設すれば、吸音層に対するたわみ変形の影響は小さいが、トレッド部2内面へのパンク修理剤の塗布及びパンク修理作業の容易化の観点からトレッド部2の内面ではなく、サイドウォール部3及びビード部4の内面領域に配設することが好ましい。そこで、吸音層11をサイドウォール部3及びビード部4の内面に配設した場合、このようにタイヤ1の内圧を知ることで、吸音層11がタイヤ1のインナーライナ10内面から剥離する蓋然性を知ることができる。従って、例えば、タイヤ1の内圧が所定の空気圧以下に低下した場合には、所定の空気圧となるよう適宜タイヤ1内に空気を充填することにより、走行時におけるサイドウォール部3及びビード部4のたわみ変形の増大を抑制し得るので、吸音層11の剥離を防止することも可能となる。
なお、図1に示すように、圧力センサ14及び送信機15は、タイヤ1のインナーライナ内面上であって、タイヤ幅方向における中心位置に配置することが好ましい。このように配置することにより、負荷転動時において、これら圧力センサ14及び送信機15に対するタイヤ1のたわみ変形の影響が少なく、かつ遠心力が安定して働くため、圧力センサ14及び送信機15が脱落したり損傷したりするおそれがない。
また、圧力センサ14及び送信機15からの検出信号に基づき、タイヤ1の内圧は、前記所定の空気圧の98%以上に保持することが好ましい。タイヤ1の内圧が所定の空気圧の98%未満に低下すると、タイヤ1のたわみ変形が増大し、吸音層11の剥離が発生し易くなるからである。
上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、車両側に、送信機15からの信号に基づいてタイヤ1の内圧が所定の空気圧となるようにタイヤ1に自動で圧力を供給する自動圧力供給手段を付加し内圧の管理を行うようにしても良い。
次に、この発明に従うタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1のタイヤは、タイヤサイズが215/45R17であり、図1に例示するように、サイドウォール部及びビード部のインナーライナの内周面上の一部に、繊度が6dtex、厚さが14mm、幅が50mmのポリエチレンテレフタレート(PET)不織布を吸音層として配設してなる。これら吸音層は、インナーライナの内面にクロロプレン系の接着剤にて接着されている。また、実施例1のタイヤは、インナーライナの内面上であってタイヤ幅方向の中心位置に、タイヤの内圧を検知する圧力センサと、圧力センサが検知した信号をタイヤの外部に送る送信手段としての送信機とが配設されており、これにより圧力センサが検知した、タイヤの内圧を示す検出信号は、車両側の受信機に送信される。
比較のため、吸音層、圧力センサ及び送信機を有していないことを除いて、実施例1のタイヤと同一の構成を有する比較例1のタイヤ、圧力センサ及び送信機を有していないことを除いて、実施例1のタイヤと同一の構成を有する比較例2のタイヤも併せて試作した。
前記各供試タイヤを、サイズ17×7Jのリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪にテスト車両に取り付け、空気圧210kPa(相対圧)及びタイヤ負荷荷重3.92kNを適用し、速度60km/hの条件下でアスファルト路面を走行した際の室内騒音をプロのドライバーがフィーリング評価した。その評価結果を表1に示す。なお、表中の評価結果は、数値が大きいほど静粛であること、すなわち空洞共鳴の抑制効果が大きいことを示す。
また、前記各供試タイヤを、サイズ17×7Jのリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪にテスト車両に取り付け、空気圧210kPa(相対圧)及びタイヤ負荷荷重3.92kNを適用し、3ヶ月にわたって一般道を走行させ、吸音層の剥離の有無を調査した。その調査結果を表1に示す。なお、実施例1のタイヤについては、送信機が送信する、タイヤの内圧を示す信号に基づいて、タイヤの内圧が所定の空気圧の98%以上、すなわち空気圧205.8kPa(相対圧)以上となるように逐次空気圧の管理を行っている。
表1に示す結果から、吸音層を有する実施例1及び比較例2のタイヤは、空洞共鳴が抑制されたことが分かった。また、圧力センサ及び送信機を設け、逐次内圧の管理を行うことにより吸音層の剥離を抑制できることが確認された。
以上の説明から明らかなように、この発明により、サイドウォール部及びビード部の内面に配設された吸音層が空気入りタイヤの内面から剥離する蓋然性を前もって運転者等に知らせることのできる空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 タイヤ本体部
6 ビードコア
7 カーカス
8 ベルト
9 タイヤ内腔
10 インナーライナ
11 吸音層
12 トレッド接地端
13 ビードトウ
14 圧力センサ
15 送信機
R リム
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 タイヤ本体部
6 ビードコア
7 カーカス
8 ベルト
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11 吸音層
12 トレッド接地端
13 ビードトウ
14 圧力センサ
15 送信機
R リム
Claims (2)
- インナーライナの内面上であって、タイヤ本体のサイドウォール部及びビード部の内面領域の少なくとも一部の領域に多孔質材料からなる吸音層を具えてなる空気入りタイヤにおいて、
前記インナーライナ内面上に、前記空気入りタイヤの内圧を検知する圧力センサと、
前記圧力センサからの信号を前記空気入りタイヤの外部に送る送信手段と、を具えることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記圧力センサ及び前記送信手段を、タイヤ幅方向における中心位置に配置してなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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