JP2009054902A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜め方向から入射する外光に対する多重反射を改善して、表示品位を向上させた自発光型の表示装置を提供する。
【解決手段】円偏光板17と、透明基材16上に設けられた反射防止層15とを含む自発光型表示素子を用いて表示装置を構成する。透明基材16上に設けられた反射防止層15は、反射率の最小値が20度以上の外光入射角度の範囲となるように設定する。自発光型表示素子として、基板11上に、反射電極12、発光層13、及び透明電極14を積層した有機EL素子を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示素子の光取り出し側に、円偏光板および反射防止層を有する表示装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイの一形態として、エレクトロルミネッセンス(以下ELと略記する)を用いた自発光型表示装置の研究開発が盛んに行われている。実際に、有機EL材料を自発光素子として用い、TFTをマトリクス配置したアクティブマトリクス型表示装置が製品化されている。
このような有機ELを用いた自発光素子では、放射される光エネルギーを有効利用する工夫がなされている。例えば、EL材料に電荷を注入するための電極材料に対して反射機能を持たせて、放射される光を一方向に揃えることが一般的に行われている。
しかし、表示装置の内部に反射機能を有する部材を配置した場合には、表示装置外から表示装置内に入射した外光が反射部材により反射され、再び表示装置外に射出する。このような反射現象が生じると、実際の使用において人間の目には「映り込み」として感じられるため、表示装置の表示品位が低下する。
そこで、外光反射を抑制する技術として、表示体と、その前面側に配置された円偏光板を有する前面板とで構成され、前面板の表示体側表面に反射防止のための処理が施されている自発光型表示装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−91244号公報
しかし、上述した特許文献1に記載された技術は、斜め方向から入射する外光の挙動については不明であり、何ら考慮されていなかった。そこで、斜め方向から入射する外光の挙動を、市販の光線追跡アプリケーションソフトウエアでシミュレーションした。図5は、斜め方向から入射する外光の挙動に関するシミュレーション結果を示す説明図である。
図5から明らかなように、斜め方向から入射した外光54は、透明基材53と接している反射防止層52と、EL素子51の反射電極(不図示)との間で多重反射を起こす。その結果、外部光源の映り込みが表示部の広い面積範囲に拡がってしまうという問題があった。
本発明は上述した事情に鑑み提案されたもので、斜め方向から入射する外光に関する多重反射を改善した自発光型表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、
円偏光板と、透明基材上に設けられた反射防止層とを含む自発光型表示素子を用いる。そして、反射防止層は、反射率の最小値が20度以上の外光入射角度の範囲となるように設定されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、透明基材上に設けられた反射防止層の反射率を適切に設定することにより、斜め方向から入射する外光に対する多重反射が改善されて、表示品位を向上させた自発光型表示装置を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の表示装置を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る表示装置の断面図である。
本発明の実施形態に係る表示装置は、図1に示すように、基板11上に電極層や自発光型表示素子である有機EL層等を積層することで構成される。
基板11は、ガラス、シリコン、SUSなどの硬質基板や、プラスチックやエポキシなどの軟質基板を用いることができる。例えば、ガラス基板として、コーニング社製1737を用いることができる。
基板11上には、TFT素子(図示せず)や、TFTのスイッチングを制御するための配線構造(図示せず)がマトリクス上に形成され、それらの構造上に反射機能を有する反射電極12が形成されて、電気的に接続される。反射電極12の材質としては、Cr、Al、Agなどの反射率の高い金属材料や、合金材料などを用いることができる。この場合、スパッタ法により金属材料を基板11上に堆積させ、フォトリソグラフィー法によりパターニングすることで、反射電極12を形成することができる。また、これら金属材料の上に、ITOやIZOなどの透明電極を積層して、この透明電極を反射電極12として用いてもよい。また、金属材料と透明電極との間に、スパッタ法により酸化窒化シリコンを堆積させた透明層を設け、かつ、透明層に設けたコンタクトホールを介して金属材料と透明電極とを電気的に接続して、反射電極12を形成してもよい。
反射電極12上に、発光層13が形成される。発光層13は、正孔輸送層、発光層、電荷ブロック層、電子注入層(それぞれ図示せず)を積層することにより構成される。
発光層13上に、透明電極14が形成される。透明電極14は、ITOのスパッタにより形成してもよい。また、ITOのかわりに、IZO(酸化亜鉛と酸化インジウムの化合物)を用いてもよい。
以上のようにして、基板11上に有機EL素子を形成することができる。有機EL素子は、自発光型表示素子であり、基板11上のTFTマトリクスを介して、反射電極12と透明電極14との間に電圧もしくは電流を流すことによって発光する。
そして、有機EL素子を形成した基板11上に、基板11と一定の間隔を空けて透明基材16を設置する。さらに、透明基材16に、反射防止層15と円偏光板17とを設置することにより、本発明の実施形態に係る表示装置が完成する。なお、図1では、観察者側から見て、円偏光板17、透明基材16、反射防止層15の順に積層されているが、この順序に限定されるものではない。例えば、観察者側から見て、反射防止層15、透明基材16、円偏光板17の順に積層されていてもよい。
次に、本発明の実施形態に係る発光装置を構成する各部材について説明する。
<偏光部材(直線偏光部材)>
偏光部材は、あらゆる方向に振動している光の中から一定方向にのみ振動する直線偏光を取り出すフィルターである。例えば、偏光部材として、一軸に延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素などの二色性色素を吸着配向させたものが用いられる。
<位相差部材(λ/4位相部材)>
位相差部材は、偏光部材によって偏光状態になった光に位相差を与えるための部材である。本実施形態では、ほぼ1/4λの位相差を与え、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に、それぞれ偏光状態を変える働きを有している。位相差部材の材料として、例えば、ポリカーボネートの一軸延伸配向フィルムなどを用いることができる。
<円偏光板>
円偏光板17は、上述した偏光部材と位相差部材とを積層した部材である。本実施形態においては、光取り出し側に円偏光板17が配置される。円偏光板17を透過する光は、円偏光に変換される。また、円偏光板17を透過する円偏光は、位相差部材を透過する際に直線偏光に変換される。この円偏光板17を透過して反射した円偏光は、再度、この円偏光板17を透過する際に偏光部材と直交する向きの偏光に変換されるため、偏光部材で吸収されて透過することはできない。
<透明基材>
透明基材16としては、ガラスやポリカーボネート系材料などの透明な材料を用いることができる。
<有機EL素子>
上述したように、有機EL素子は、基板11、反射電極12、発光層13、透明電極14を積層して構成されており、公知の素子構成、素子材料を適宜利用することができる。
具体的には、予め駆動用回路などが設けられた基板11に対して、真空蒸着法で正孔輸送層や発光層、電子輸送層等の有機EL膜を形成する。
基板11には、予め、厚さが50nmで、100μm□のAl合金の反射電極12が、200μmピッチで2次元パターン形成されている。反射電極材料としては、Alの他に、反射率の高いAg、Crなどを用いてもよく、また、正孔注入性を高めるために、ITO、IZOなどの透明導電膜を反射電極12の上に積層することも可能である。
そして、有機EL材料である正孔輸送層(図示せず)として、α−NPDを20nmの厚さに積層した。続いて、発光層13として、Alq3を30nmの厚さに積層した。続いて、電子注入層(図示せず)として、炭酸セシウムとAlq3との混合膜を50nmの厚さに積層した。
続いて、スパッタ法により、透明電極14として、ITO膜を60nmの厚さに積層して、有機EL素子を作成した。
次に、上述した反射防止層15の光学設計方法について説明する。
なお、外光の入射方向を変化させて外光反射率を算出するために、市販の光線追跡シミュレーションソフトウエアを用いた。
<反射防止層単層の光学設計>
まず、反射防止層単層の光学設計について説明する。
多層膜からなる反射防止層15の光学薄膜に関する設計は、通常の場合、コンピューターシミュレーションで行われる。図2は、4層系反射防止膜の設計例を示す説明図である。
図2に示すように、ガラス基板(屈折率n=1.54)上に、下からSiO2/Al23/TiO2/SiO2の順に4層の積層構成とする。
市販の光線追跡シミュレーションソフトウエアを用いて、図2において外光入射角θ=0°とした場合の各層の膜厚を、下記式(1)より求める。
d=λ/(4n)・・・(1)
ここで、λ=555nmとする。nは各層の屈折率である。
一方、外光入射角θ=45°とした場合の各層の膜厚を、下記式(2)より求める。
d=λ/(4ncosθ)・・・(2)
下記表1に、4層系反射防止膜の各層の構成例を示す。
Figure 2009054902
以上のようにして設計した積層膜をガラス基板上に配置した反射防止層について、外光入射角θを0度から75度まで変化させながら,反射率を求めた。図3は、ガラス基板上の4層反射防止層について外光入射角の変化に対する反射率の計算結果を示すグラフである。なお、図3(a)は0度設計の場合の計算結果、図3(b)は45度設計の場合の計算結果である。
図3から明らかなように、0度設計の場合は、外光入射角が0度の時に反射率が最小となる。
さらに、5度,10度,15度設計の場合も、0度設計と同様に図3(a)のような単調増加のグラフとなり、本発明が目的とする反射防止膜は得られないことがわかる。
一方、45度設計の場合は、外光入射角が50度付近で反射率が最小となり、目的とする反射防止層を得られることがわかる。さらに同様な設計を、20度、30度、40度、50度、60度で行ったところ、対応する反射率の最小値を与える外光入射角度は、それぞれ20度、30度、40度、65度,0度となった。
このように、設計角度と反射率の最小値を与える外光入射角とは、ほぼ対応した値か、近似した値となっていることがわかる。
さらに以上より、反射率が最小となる入射角度の範囲は20度から65度とすることが好ましいことがわかる。
このように、反射率が最小となる入射角度に最適範囲が存在することは,上記の光学設計から明らかにされ、シミュレーションにより、図3の(a)、(b)のどちらの挙動を示すかを確認することができる。
<表示装置に組み込んだ反射防止層の光学設計>
次に、前記のようにして設計された反射防止層を、図1に示す表示装置に組み込んだ場合の設計方法を説明する。
なお、光線追跡シミュレーション条件は、以下のように設定した。
(1)外光の設定
外光:平行光,自然光(偏りなし)
光線本数:500本
フレネル分岐数:3
(2)構成系のパラメーターの設定
反射電極:Al合金/n=1.107(屈折率実部)、k=5.471(屈折率虚部)、d=0.2μm
発光層:n=1.70、d=2.5μm
透明電極:n=1.899、k=0.0129、d=0.05μm
反射防止層:表1に示す構成
透明基材:n=1.50、d=1000μm
円偏光板
λ/4位相板:no=1.5908、ne=1.5821(屈折率異方性)、d=16.0μm
粘着層:n=1.55、d=25.0μm
直線偏光板:no=1.50、ne=1.53、io=5×10-4、ie=0.9(透過率異方性)、d=100.0μm
反射防止膜(直線偏光板の上)4層系:SiO2/TiO2/Al23/SiO2
以上の条件でシミュレーションすると、自然光としての外光が円偏光板により円偏光に変換され、反射電極で反射され、もう一度円偏光板を透過した後の反射率を外光入射角θの関数として求めることができた。また、θが大きい場合には、楕円偏光になることも確認できた。
図4は、0度設計と45度設計における反射率の入射角依存を示すグラフである。
図4から明らかなように、45度設計の反射防止層は、0度設計の反射防止層よりも、全外光入射角範囲で反射率が小さくなっていることがわかる。
以上、多層膜反射防止層の光学設計を外光入射角45度で行った例を示したが、同様な効果は、以下の実施例で詳細に説明するように、外光入射角を20度以上で光学設計した場合に得ることができる。
外光入射角の設計角度が20度より小さくなると、0度設計とほぼ同一の値に反射率が増大してしまい、本発明の効果が得られなくなってしまう。また、反射防止層は単層でもよいが、3層以上の積層系とすることが好ましい。
なお、上述した説明では、有機EL素子のスイッチングにTFT素子を用いたが、単純マトリクス配線によるパッシブ駆動を用いた表示装置であっても、同様の効果を得ることができる。また、有機EL素子ではない他の自発光型素子を用いた場合においても、同様の効果を得ることができる。
以下、具体的な実施例を用いて、本発明の表示装置をより詳細に説明する。
まず、図1に示す構成の有機EL素子(基板11、反射電極12、発光層13、透明電極14)を、上述した条件で作成した。
次に、透明基材16として、厚さ1mmのガラス板を用い、円偏光板17として、サンリッツ社(SANRITZ CORPORATION)製 RD−HL56−W03 ARPをガラス板の上に貼り合わせた。
さらに、ガラス板のもう一方の側に,反射防止層15として、ガラス板の側から順に、SiO2/Al23/TiO2/SiO2が積層された反射防止膜を蒸着により形成した。なお、4つの層の膜厚については、表1に示す設計手法を用いて、それぞれ0度、20度、30度、40度、45度、50度の外光入射角度で設計を行った。
その結果、ガラス基板上の反射防止層15について、反射率の最小値を与える角度は、設計角度とほぼ同一か、近似した値となる。
このようにして作成した表示装置について、外光反射率の測定を行った。下記表2に、測定結果を示す。
Figure 2009054902
ここで、外光反射率については、村上色彩技術研究所(株)製「3次元変角分光測色システム GCMS−1」で、入射角−15度と−45度の外光(キセノンランプ)入射時の15度、45度の視野角における正反射率を測定した。
表2から明らかなように、反射率の最小値を与える角度が20度以上において、視野角15度、45度での反射率が共に13%台以下となっており、低い反射率であることがわかる。また、外光反射挙動を目視で観察すると、光源の映り込みが狭い面積範囲に収まっていた。
一方、比較例として、設計角度が0度の場合は、視野角15度での反射率が14%台となり、外光反射挙動を目視で観察すると、光源の映り込みが広い面積範囲に拡がっていた。これは、透明基材16と空気層界面での反射光が、反射電極12と透明基材16との間で多重反射することによって生じているためと考えられる。
本発明の実施形態及び実施例に係る表示装置の断面図である。 4層系反射防止膜の設計例を示す説明図である。 ガラス基板上の4層反射防止層について外光入射角の変化に対する反射率の計算結果を示すグラフである。 0度設計と45度設計における反射率の入射角依存を示すグラフである。 斜め方向から入射する外光の挙動に関するシミュレーション結果を示す説明図である。
符号の説明
11 基板
12 反射電極
13 発光層
14 透明電極
15 反射防止層
16 透明基材
17 円偏光板

Claims (2)

  1. 円偏光板と、透明基材上に設けられた反射防止層とを含む自発光型表示素子を用いた表示装置であって、
    前記反射防止層は、反射率の最小値が20度以上の外光入射角度の範囲となるように設定されていることを特徴とする表示装置。
  2. 前記自発光型表示素子は、有機EL素子であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
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