JP2009056702A - 印刷紙の乾燥排気の浄化方法とその装置 - Google Patents

印刷紙の乾燥排気の浄化方法とその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷紙の乾燥排気を浄化する触媒酸化装置は、酸化触媒の温度が自燃温度で安全温度の範囲内にある時間を長くする。
【解決手段】 印刷紙a毎に、印刷機における印刷インキ持出データに基づいて排気の供給流量を選定し、印刷開始時に、排気の供給流量を選定値にし、印刷インキ持出速度に応じて排気の供給流量を増減して浄化処理速度を制御する。また、酸化触媒15の温度が、予熱装置14による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、酸化触媒の温度が上昇すると、排気の供給流量を増加し、酸化触媒の温度が下降すると、排気の供給流量を減少し、酸化触媒の温度に応じて排気の供給流量を増減して酸化触媒の温度を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷紙を乾燥させた熱風の排気を浄化する技術に関する。
巻取紙の印刷ラインは、オフセット印刷機、乾燥装置と冷却装置を順次配列している。印刷機においては、巻取紙から帯状の紙が引き出されてインキで印刷される。印刷機から送り出された帯状の印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥する。乾燥装置を通過した印刷紙は、冷却装置を通過して冷却される。
乾燥装置は、印刷機と冷却装置の間に乾燥室を設けている。乾燥室は、前後方向に長い箱形であり、前端壁に入口を、後端壁に出口を設け、入口から出口にかけて印刷紙通路を形成している。帯状の印刷紙は、乾燥室の入口、印刷紙通路と出口を順次通過する。乾燥室は、前後方向の印刷紙通路の上側と下側に多数のノズルを設けている。ノズルは、熱風供給路に接続している。熱風供給路は、送風機、加熱装置とノズルを順次接続している。乾燥室の空気と、ノズルから吹き出した熱風は、送風機と加熱装置を経て加熱され、ノズルに供給される。帯状の印刷紙は、印刷紙通路を通過する際、上面と下面に、それぞれ、ノズルから吹き出す熱風が当り、上下面に付着した印刷インキが乾燥する。印刷インキの溶剤が蒸発する。乾燥室には、印刷インキの溶剤蒸気が発生する。乾燥室の熱気には、有害な溶剤蒸気が混入する。
この乾燥装置は、浄化装置を付設している。浄化装置は、乾燥室に排気路を接続している。排気路は、送風機、熱交換器の排気予熱用受熱通路、触媒酸化装置と熱交換器の排熱回収用放熱通路を順次接続している。触媒酸化装置は、予熱装置と酸化触媒を備えている。乾燥室の熱気、印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気は、送風機、熱交換器の排気予熱用受熱通路と触媒酸化装置を順次通過する。触媒酸化装置において、印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、酸化反応で脱臭され、酸化反応熱で高温になる。高温の浄化排気は、熱交換器の排熱回収用放熱通路を通過して大気に放出される。
特開2004−330560号公報
[背景技術の課題]
1)浄化装置の解析
上記のような印刷紙の乾燥排気の浄化装置において、溶剤蒸気を含む排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給されて触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過する。酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動して予熱し、酸化反応が生起する温度に昇温する。逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止する。予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する。いわゆる「自燃」の状態になる。
印刷機においては、印刷紙は、印刷インキの絵柄面積、印刷インキの付着量がまちまちであり、また、印刷速度が一定ではない。印刷紙毎に、印刷インキの単位時間当たりの持出量、即ち、持出速度が異なる。従って、乾燥装置においては、印刷紙毎に、印刷インキの持込速度、印刷インキの乾燥処理速度が異なり、印刷インキの溶剤蒸気の発生速度が変動する。一般に、印刷インキの持込速度、乾燥処理速度が高くなるに従って、溶剤蒸気の発生速度が高くなる。
2)印刷インキ持込速度と浄化処理速度
乾燥装置において印刷インキの持込速度が高くなるに従って、溶剤蒸気の発生速度が高くなるので、乾燥装置から浄化装置に供給する排気の流量を増加し、浄化装置における単位時間当たりの処理量、処理速度を増加することが望まれる。
ところが、従来においては、乾燥装置から浄化装置に排気を供給する送風機は、回転速度が一定値に固定され、回転速度や排気流量を印刷紙毎に変更していない。乾燥装置の印刷インキ持込速度即ち印刷機の印刷インキ持出速度に応じて浄化装置の処理速度を制御することは、行われていない。浄化装置の処理速度は、印刷機の印刷インキ持出速度に適応していないときが多い。
浄化装置に排気を供給する送風機は、印刷機の印刷インキ持出速度が最大のときに適した高回転速度、高流量に固定した場合、印刷インキ持出速度が低いときに、酸化触媒は、排気の通過流量が多くて排気の通過による冷却作用か強く、また、排気中の溶剤蒸気の濃度が低くて酸化反応熱の発生速度が低く、温度が上昇し難い。その結果、触媒酸化装置は、予熱装置を作動する時間が長くなり、自燃状態の時間、自燃時間が短くなる。予熱装置の作動によるエネルギ消費量が多くなる。
逆に、排気の送風機は、印刷機の印刷インキ持出速度が最小のときに適した低回転速度、低流量に固定した場合、印刷インキ持出速度が高いときに、酸化触媒は、排気の通過流量が少なくて排気の通過による冷却作用か弱く、また、排気の溶剤蒸気濃度が高くて酸化反応熱の発生速度が高く、温度が上昇し易い。その結果、酸化触媒は、過熱され易く、破損の危険が高くなる。また、排気の触媒通過流量が少なくて、浄化処理速度が高くならない。
3)酸化触媒の自燃温度と安全温度
触媒酸化装置においては、酸化触媒の温度は、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する温度、自燃温度で、酸化触媒が過熱されない温度、安全温度の範囲内にあっても、印刷の進行、時間の経過によって下降したり、上昇したりする。その下降量又は上昇量が多くなると、自燃温度より低くなったり、安全温度より高くなったりする。酸化触媒の温度は、自燃温度で安全温度の範囲内にある時間が長いことが望まれる。
ところが、従来においては、酸化触媒の温度は、自燃温度で安全温度の範囲内に長く維持する制御をしていない。その結果、自燃時間が短くなる。予熱装置によるエネルギ消費量が多くなる。酸化触媒が過熱され易くなる。
[課題を解決するための着想]
4)印刷インキ持出速度に基づく排気供給流量の制御
印刷機においては、印刷紙毎に、印刷インキの持出量や持出速度が明らかになる。「印刷インキの持出速度、単位時間当たりの持出量」は、「印刷紙単位長さ当たりの平均の印刷インキ付着量」と「印刷速度」を掛けて得られる。「印刷インキ付着量」は、「印刷インキの付着面積、絵柄面積」と「付着高さ」及び「印刷インキの密度」を掛けて得られる。「印刷紙単位長さ当たりの平均の印刷インキ付着量」は、「印刷インキ付着量」を「印刷紙長さ」で割って得られる。
そこで、印刷紙毎に、印刷機において明らかな印刷インキ持出データを浄化装置に入力し、浄化装置において、印刷インキ持出データに基づいて排気の供給流量を選定し、印刷開始時に排気の供給流量を選定値にする。印刷インキ持出速度に応じて排気の供給流量、浄化処理速度を制御することにした。浄化処理速度は、印刷インキ持出速度に適応させる。
印刷インキ持出速度と排気の供給流量との適正な関係は、実験や理論計算によって予め求めて置く。印刷インキ持出速度が高くなるに従って、排気の供給流量は、大きくなる。排気の供給流量は、印刷インキ持出速度に対して必要な値であって最低の値、必要最低値にすることが好ましい。
印刷インキ持出データには、印刷インキ持出速度それ自体の数値を用いることができる。ところが、印刷インキの持出速度は、上記のように、多数の因子から得られるが、すべての因子が印刷紙毎に変わるわけではない。例えば、「印刷インキの付着高さ」や「印刷インキの密度」は、印刷紙が替わっても、ほとんど同じであろう。「印刷インキの付着面積、絵柄面積」は、印刷紙毎に変わるであろう。そこで、印刷インキ持出データには、印刷インキ持出速度を決める多数の因子中の、印刷紙毎に変わる因子の値を用いることができる。また、印刷インキ持出速度に比例する値や、対応する値を用いることができる。要するに、印刷インキ持出速度自体又はこれに対応する値を用いることができる。
制御の具体例は、印刷インキ持出データの変化範囲を複数の区分に分割し、各区分にそれぞれその区分に適した排気の供給流量の値を設定する。そして、印刷紙毎に、印刷インキ持出データが属する区分に設定した値を選定し、印刷開始時に排気の供給流量を選定値にする。
5)酸化触媒温度に基づく排気供給流量の制御
触媒酸化装置において、酸化触媒は、排気の通過流量が増加すると、排気の通過による冷却作用か強まって、温度が低下する。排気の通過流量が減少すると、排気の通過による冷却作用か弱まって、温度が上昇する。
そこで、酸化触媒の温度が自燃温度で安全温度の範囲内にある間、酸化触媒の温度データに基づいて排気の供給流量を制御することにした。酸化触媒の温度は、上昇又は下降を抑制する。
酸化触媒の温度が上昇すると、排気の供給流量を増加する。すると、酸化触媒は、排気の通過による冷却作用か強まり、温度が低下する。逆に、酸化触媒の温度が下降すると、排気の供給流量を減少する。すると、酸化触媒は、排気の通過による冷却作用か弱まり、温度が上昇する。酸化触媒の温度は、自燃温度で安全温度の範囲内にある時間が長くなる。
酸化触媒の温度には、酸化触媒それ自体の温度の測定値を用いることができる。また、排気の酸化触媒通過直後の温度の測定値を用いることができる。酸化触媒自体の温度と排気の酸化触媒通過直後の温度は、ほとんど同一であろう。更に、酸化触媒の温度には、酸化触媒の温度に比例する測定値、又は、対応する測定値を用いることができる。要するに、酸化触媒自体の温度の測定値又は酸化触媒温度に対応する測定値を用いることができる。
制御の具体例は、自燃温度で安全温度の範囲を複数の温度区分に分割し、各温度区分にそれぞれその温度区分に適した排気の供給流量の値を設定する。そして、酸化触媒の温度が高温側の温度区分に上昇すると、排気の供給流量は、その高温側の温度区分に設定した値に増加させる。酸化触媒の温度が低温側の温度区分に下降すると、排気の供給流量は、その低温側の温度区分に設定した値に減少させる。
1)印刷機から送り出された印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥し、
乾燥装置に発生した印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給して触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過し、
酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動し、酸化反応が生起する温度に昇温し、逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止し、予熱装置による予熱なしで酸化反応を生起させる印刷紙の乾燥排気の浄化方法において、
印刷紙毎に、印刷機における印刷インキ持出データに基づいて排気の供給流量を選定し、印刷開始時に、排気の供給流量を選定値にし、印刷インキ持出速度が高いと、排気の供給流量を大きくし、印刷インキ持出速度が低いと、排気の供給流量を小さくし、印刷インキ持出速度に応じて排気の供給流量を増減して浄化処理速度を制御することを特徴とする。
また、
酸化触媒の温度が、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、酸化触媒の温度が上昇すると、排気の供給流量を増加し、酸化触媒の温度が下降すると、排気の供給流量を減少し、酸化触媒の温度に応じて排気の供給流量を増減して酸化触媒の温度を制御することを特徴とする。
2)上記の印刷紙の乾燥排気の浄化方法において、
印刷インキ持出データの変化範囲は、複数の区分に分割し、各区分にその区分に適した排気の供給流量の値を設定し、
印刷紙毎に、印刷インキ持出データが属する区分に設定した値を選定し、印刷開始時に排気の供給流量を選定値にすることを特徴とする。
また、
自燃温度で安全温度の範囲は、複数の温度区分に分割し、各温度区分にその温度区分に適した排気の供給流量の値を設定し、
酸化触媒の温度が高温側の温度区分に上昇すると、排気の供給流量は、その高温側の温度区分に設定した値に増加し、酸化触媒の温度が低温側の温度区分に下降すると、排気の供給流量は、その低温側の温度区分に設定した値に減少させることを特徴とする。
3)印刷機から送り出された印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥し、
乾燥装置に発生した印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給して触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過し、
酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動し、酸化反応が生起する温度に昇温し、逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止し、予熱装置による予熱なしで酸化反応を生起させる印刷紙の乾燥排気の浄化装置において、
排気の供給流量を変更する変更装置を設け、
印刷機における印刷インキ持出データを入力しその入力値に基づいて排気の供給流量を選定してその選定値を変更装置に出力する制御装置を設け、
印刷紙毎に、印刷開始時に排気の供給流量を印刷インキ持出速度に適応した値にする構成にしたことを特徴とする。
また、
排気の供給流量を変更する変更装置を設け、酸化触媒の温度を測定する測定装置を設け、
測定装置の測定値を入力しその入力値に基づいて排気の供給流量を選定してその選定値を変更装置に出力する制御装置を設け、
酸化触媒の温度が、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、排気の供給流量を酸化触媒の温度に応じた値にして酸化触媒温度の上昇又は下降を抑制する構成にしたことを特徴とする。
排気流量は、印刷開始時に、印刷機の印刷インキ持出速度に基づいて制御され、浄化処理速度が印刷インキ持出速度に適応する。また、排気流量は、酸化触媒の温度が自燃温度で安全温度の範囲内にある間、酸化触媒の温度に基づいて制御され、酸化触媒温度の上昇又は下降が抑制される。
触媒酸化装置は、酸化触媒の温度が自燃温度で安全温度の範囲内にある時間が長くなる。予熱装置は、エネルギ消費量が少なくなる。酸化触媒は、過熱され難くなる。
巻取紙の印刷ラインは、図1に示すように、オフセット印刷機P、乾燥装置Dと冷却装置Cを順次配列している。印刷機Pにおいては、巻取紙から帯状の紙が引き出され、帯状の紙が印刷ローラを通過してインキで印刷される。印刷機Pから送り出された帯状の印刷紙aは、乾燥装置Dを通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥する。乾燥装置Dを通過した印刷紙aは、冷却装置Cの冷却ローラを通過し、冷却される。
乾燥装置Dは、印刷機Pと冷却装置Cの間に乾燥室1を設けている。乾燥室1は、前後方向に長い箱形である。この乾燥室1は、前端壁に横長長方形状の入口2を、後端壁に横長長方形状の出口3を設け、入口2から出口3にかけて前後方向に印刷紙通路4を形成している。帯状の印刷紙aは、乾燥室1の入口2、印刷紙通路4と出口3を順次通過する。
乾燥室1は、前後方向の印刷紙通路4の上側と下側に多数のノズル6を設けている。多数のノズル6は、印刷紙通路4を挟んで千鳥状に配列している。帯状の印刷紙aは、印刷紙通路4を水平状態で通過する際、上面と下面に、それぞれ、ノズル6から吹き出す熱風が当り、上下面に付着した印刷インキが乾燥する。印刷インキは、溶剤が蒸発する。乾燥室1には、印刷インキの溶剤蒸気が発生する。溶剤蒸気は、炭化水素や臭気物質を含む。乾燥室1の熱気には、有害な溶剤蒸気が混入する。
各ノズル6は、熱風供給路に接続している。熱風供給路は、送風機7、加熱装置8とノズル6を順次接続している。送風機7は、吸込口を乾燥室1内に開放している。熱風供給路においては、乾燥室1の空気と、ノズル6から吹き出した熱風は、送風機7と加熱装置8を順次通過し、加熱され、ノズル6に供給される。
この乾燥装置Dは、浄化装置を付設している。浄化装置は、乾燥室1に排気路を接続している。排気路は、送風機11、熱交換器12の排気予熱用受熱通路、触媒酸化装置13と熱交換器12の排熱回収用放熱通路を順次接続している。送風機11は、吸込口を排気路の上流端側部分を経て乾燥室1に接続している。熱交換器12は、排熱回収用放熱通路を排気路の下流端側部分を経て大気に開放している。触媒酸化装置13は、酸化反応用であり、反応室に予熱装置14と酸化触媒15を設けている。
排気路においては、乾燥室1の熱気、印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気は、送風機11の作動で、熱交換器12の排気予熱用受熱通路、触媒酸化装置13の予熱装置14と酸化触媒15を順次通過する。触媒酸化装置13において、印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、酸化反応で脱臭され、酸化反応熱で高温になる。高温の浄化排気は、熱交換器12の排熱回収用放熱通路を通過して大気に放出される。乾燥室1は、熱気の一部が排気路を経て大気に放出され、入口2と出口3から新鮮空気が流入する。
乾燥室1から触媒酸化装置13に供給する排気の流量は、送風機11で制御する。送風機11を回転駆動する誘導電動機21は、図1に示すように、インバータと言われる周波数変更装置22を経て交流電源23に接続している。誘導電動機21の回転速度、送風機11の回転速度は、誘導電動機21に印加する交流の周波数に比例する。送風機11の流量、排気の流量は、送風機11の回転速度にほぼ比例する。送風機11の回転速度、排気の流量は、誘導電動機21に印加する交流の周波数で制御する。
触媒酸化装置13は、反応室の入口側に予熱装置14を、出口側に酸化触媒15を配置している。予熱装置14は、気体燃料又は流体燃料のバーナである。バーナ14は、開閉弁24を経て燃料源25に接続している。予熱装置14の作動と停止は、開閉弁24の開閉で制御する。酸化触媒15は、白金系の金属触媒を多孔質の担体に付着している。反応室は、酸化触媒15と出口の間に、排気の触媒通過直後の温度を測定する測定装置26を設けている。測定装置26は、実施例では熱電対である。排気の触媒通過直後の温度は、酸化触媒15の温度とほぼ同じになる。
浄化装置は、送風機11と予熱装置14を制御する制御装置27を設けている。制御装置27は、出力端を周波数変更装置22と開閉弁24にそれぞれ接続している。入力端には、測定装置26を接続している。また、制御装置27は、入力端に操作盤28と印刷機Pの印刷インキ持出データ出力端をそれぞれ接続している。制御装置27に印刷インキ持出データを入力するときには、手動と自動を選択することができる。手動時には、作業者が印刷インキ持出データを操作盤28に入力する。自動時には、印刷インキ持出データが印刷機Pから制御装置27にオンラインで転送される。実施例では、印刷インキ持出データには、「印刷紙単位長さ当たりの平均の印刷インキの絵柄面積」を主に用いている。
制御装置27においては、測定装置26が測定する排気の触媒通過直後の温度が低く自燃温度に達していないときには、予熱装置14を作動し、測定装置26が測定する温度が上昇して自燃温度に達すると、予熱装置14の作動を停止する。測定装置26の測定温度が更に上昇して触媒過熱温度に達すると、印刷ラインの運転を停止する。実施例では、図2に示すように、自燃温度は425℃以上にしている。安全温度は、550℃未満にしている。
また、印刷インキ持出データの変化範囲は、複数の区分、実施例では4つの区分に分割し、各区分にそれぞれその区分に適した送風機11の回転速度、即ち、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数の値を設定している。制御装置27は、印刷インキ持出データが入力すると、その印刷インキ持出データが属する区分に設定した値を選定し、印刷開始時に送風機駆動電動機21の印加交流の周波数を選定値にし、送風機11の回転速度、排気の流量をその区分の印刷インキ持出速度に適した値、印刷開始時の第1回転速度、第1流量にする。印刷インキ持出速度が高くなるに従って、第1回転速度、第1流量は、段階的に増加する。
更に、自燃温度で安全温度の範囲は、複数の温度区分に分割し、各温度区分にその温度区分に適した送風機11の回転速度、即ち、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数の値を設定している。測定装置26が測定する排気の触媒通過直後の温度が高温側の温度区分に上昇すると、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、その高温側の温度区分に設定した値に増加し、送風機11の回転速度、排気の流量を増加させる。測定装置26が測定する温度が低温側の温度区分に下降すると、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、その低温側の温度区分に設定した値に減少し、送風機11の回転速度、排気の流量を減少させる。測定装置26の測定温度が高くなるに従って、送風機11の回転速度、排気の流量は、段階的に増加する。
実施例では、図2に示すように、自燃温度で安全温度の範囲は、425℃以上で550℃未満の温度範囲である。温度範囲の分割は、均等分割であり、区分数は、5つである。最低温度の第1区分では、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、印刷インキ持出データに基づいて選定した印刷開始時の値と同一の値に設定している。送風機11の回転速度、排気の流量は、印刷開始時の第1回転速度、第1流量と同一である。第1区分の高温側の第2区分では、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、第1区分に設定した値に段差値を加えた値に設定している。送風機11の回転速度、排気の流量は、第1回転速度、第1流量より高い第2回転速度、第2流量になる。その高温側の第3区分では、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、第2区分の設定値に段差値を加えた値に設定している。送風機11の回転速度、排気の流量は、第2回転速度、第2流量より高い第3回転速度、第3流量になる。同様に、第4区分では、第3区分の設定値に段差値を加えた値に設定している。第4回転速度、第4流量になる。第5区分では、第4区分の設定値に段差値を加えた値に設定している。第5回転速度、第5流量になる。それらの段差値は、同一にしている。
結局、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数と測定装置26が測定する排気の触媒通過直後の温度の関係は、階段状の折れ線になる。印刷インキ持出速度が高いときの階段状折れ線は、図2に実線で示す。印刷インキ持出速度が低いときのそれは、図2に鎖線で示す。
この印刷紙の乾燥排気の浄化装置は、印刷機Pにおいて印刷を開始する前に、印刷紙毎に、制御装置27に印刷機Pの印刷インキ持出データを自動又は手動で入力する。制御装置27は、その印刷インキ持出データに基づいて印刷開始時の送風機駆動電動機21の印加交流の周波数を選定する。
印刷が始まると、乾燥装置Dにおいて、乾燥室1で印刷インキの溶剤蒸気が発生し、浄化装置で送風機11と予熱装置14が作動し、送風機11の回転速度が第1回転速度になる。触媒酸化装置13に供給する排気の流量は、その印刷インキ持出速度に適した第1流量になる。触媒酸化装置13では、酸化反応が生起する。
測定装置26が測定する排気の触媒通過直後の温度が上昇して自燃温度に達すると、予熱装置14の作動が停止する。触媒酸化装置13では、予熱装置14による予熱なしで酸化反応が生起する。自燃状態になる。
その後、測定装置26が測定する温度が高温側の温度区分に上昇すると、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、その高温側の温度区分に設定した値に増加し、送風機11の回転速度、排気の流量が増加する。すると、酸化触媒15は、排気の通過による冷却作用か強まり、温度が低下したり、温度の上昇が抑制されたりする。逆に、測定装置26が測定する温度が低温側の温度区分に下降すると、送風機駆動電動機21の印加交流の周波数は、その低温側の温度区分に設定した値に減少し、送風機11の回転速度、排気の流量が減少する。すると、酸化触媒15は、排気の通過による冷却作用か弱まり、温度が上昇したり、温度の低下が抑制されたりする。測定装置26の測定温度、酸化触媒15の温度は、自燃温度で安全温度の範囲に長く維持される。
なお、測定装置26が測定する温度が、温度範囲の第1区分より低い温度、非自燃温度に下降すると、予熱装置14が作動し、排気の予熱を再開する。
[変形例]
1)上記の実施形態において、印刷インキ持出速度が高くなるに従って、第1回転速度、第1流量は、段階的に増加させているが、直線的又は曲線的に増加させる。
2)上記の実施形態において、測定装置26の測定温度が高くなるに従って、送風機11の回転速度、排気の流量は、段階的に増加させているが、直線的又は曲線的に増加させる。
3)上記の実施形態において、送風機11の回転速度変更装置、変速装置は、インバータの周波数変更装置22にしているが、その他の電気的変速装置にする。又は、機械的変速装置にする。
4)上記の実施形態において、触媒酸化装置13に供給する排気の流量制御は、送風機11で行っているが、流量制御弁で行う。又は、その他の流量制御手段で行う。
5)上記の実施形態において、測定装置26が測定する温度は、排気の触媒通過直後の温度にしているが、酸化触媒15自体の温度にする。又は、その他の温度にする。
本発明の実施形態における印刷紙の乾燥排気の浄化装置の概略図。 同浄化装置における排気の触媒通過直後の温度と排気の送風機駆動交流の周波数の関係を示す線図。
符号の説明
P オフセット印刷機、印刷機
D 乾燥装置
C 冷却装置
a 帯状の印刷紙、印刷紙
1 乾燥室
2 乾燥室の入口
3 乾燥室の出口
4 乾燥室の印刷紙通路
6 乾燥室のノズル、熱風供給路のノズル
7 熱風供給路の送風機
8 熱風供給路の加熱装置
11 排気路の送風機
12 排気路の熱交換器
13 排気路の触媒酸化装置
14 触媒酸化装置の予熱装置、燃料のバーナ
15 触媒酸化装置の酸化触媒
21 誘導電動機、送風機駆動電動機
22 変更装置、周波数変更装置、インバータ
23 交流電源
24 開閉弁、予熱装置用燃料通路の開閉弁
25 燃料源
26 測定装置、排気の触媒通過直後の温度の測定装置、熱電対
27 送風機と予熱装置の制御装置
28 操作盤

Claims (9)

  1. 印刷機から送り出された印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥し、
    乾燥装置に発生した印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給して触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過し、
    酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動し、酸化反応が生起する温度に昇温し、逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止し、予熱装置による予熱なしで酸化反応を生起させる印刷紙の乾燥排気の浄化方法において、
    印刷紙毎に、印刷機における印刷インキ持出データに基づいて排気の供給流量を選定し、印刷開始時に、排気の供給流量を選定値にし、印刷インキ持出速度が高いと、排気の供給流量を大きくし、印刷インキ持出速度が低いと、排気の供給流量を小さくし、印刷インキ持出速度に応じて排気の供給流量を増減して浄化処理速度を制御することを特徴とする印刷紙の乾燥排気の浄化方法。
  2. 印刷インキ持出データの変化範囲は、複数の区分に分割し、各区分にその区分に適した排気の供給流量の値を設定し、
    印刷紙毎に、印刷インキ持出データが属する区分に設定した値を選定し、印刷開始時に排気の供給流量を選定値にすることを特徴とする請求項1に記載の印刷紙の乾燥排気の浄化方法。
  3. 印刷機から送り出された印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥し、
    乾燥装置に発生した印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給して触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過し、
    酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動し、酸化反応が生起する温度に昇温し、逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止し、予熱装置による予熱なしで酸化反応を生起させる印刷紙の乾燥排気の浄化方法において、
    酸化触媒の温度が、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、酸化触媒の温度が上昇すると、排気の供給流量を増加し、酸化触媒の温度が下降すると、排気の供給流量を減少し、酸化触媒の温度に応じて排気の供給流量を増減して酸化触媒の温度を制御することを特徴とする印刷紙の乾燥排気の浄化方法。
  4. 自燃温度で安全温度の範囲は、複数の温度区分に分割し、各温度区分にその温度区分に適した排気の供給流量の値を設定し、
    酸化触媒の温度が高温側の温度区分に上昇すると、排気の供給流量は、その高温側の温度区分に設定した値に増加し、酸化触媒の温度が低温側の温度区分に下降すると、排気の供給流量は、その低温側の温度区分に設定した値に減少させることを特徴とする請求項3に記載の印刷紙の乾燥排気の浄化方法。
  5. 酸化触媒の温度が、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、酸化触媒の温度が上昇すると、排気の供給流量を増加し、酸化触媒の温度が下降すると、排気の供給流量を減少し、酸化触媒の温度に応じて排気の供給流量を増減して酸化触媒の温度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷紙の乾燥排気の浄化方法。
  6. 自燃温度で安全温度の範囲は、複数の温度区分に分割し、各温度区分にその温度区分に適した排気の供給流量の値を設定し、
    酸化触媒の温度が高温側の温度区分に上昇すると、排気の供給流量は、その高温側の温度区分に設定した値に増加し、酸化触媒の温度が低温側の温度区分に下降すると、排気の供給流量は、その低温側の温度区分に設定した値に減少させることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷紙の乾燥排気の浄化方法。
  7. 印刷機から送り出された印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥し、
    乾燥装置に発生した印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給して触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過し、
    酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動し、酸化反応が生起する温度に昇温し、逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止し、予熱装置による予熱なしで酸化反応を生起させる印刷紙の乾燥排気の浄化装置において、
    排気の供給流量を変更する変更装置を設け、
    印刷機における印刷インキ持出データを入力しその入力値に基づいて排気の供給流量を選定してその選定値を変更装置に出力する制御装置を設け、
    印刷紙毎に、印刷開始時に排気の供給流量を印刷インキ持出速度に適応した値にする構成にしたことを特徴とする印刷紙の乾燥排気の浄化装置。
  8. 印刷機から送り出された印刷紙は、乾燥装置を通過して熱風で加熱され、紙面に付着した印刷インキが乾燥し、
    乾燥装置に発生した印刷インキの溶剤蒸気を含む熱気の排気は、送風機の作動で、触媒酸化装置に供給して触媒酸化装置の予熱装置と酸化触媒を順次通過し、
    酸化触媒を通過する排気は、酸化反応の生起には温度が低いときには、予熱装置を作動し、酸化反応が生起する温度に昇温し、逆に、温度が高くて予熱を要しないときには、予熱装置の作動を停止し、予熱装置による予熱なしで酸化反応を生起させる印刷紙の乾燥排気の浄化装置において、
    排気の供給流量を変更する変更装置を設け、酸化触媒の温度を測定する測定装置を設け、
    測定装置の測定値を入力しその入力値に基づいて排気の供給流量を選定してその選定値を変更装置に出力する制御装置を設け、
    酸化触媒の温度が、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、排気の供給流量を酸化触媒の温度に応じた値にして酸化触媒温度の上昇又は下降を抑制する構成にしたことを特徴とする印刷紙の乾燥排気の浄化装置。
  9. 酸化触媒の温度を測定する測定装置を設け、
    測定装置の測定値を入力しその入力値に基づいて排気の供給流量を選定してその選定値を変更装置に出力する制御装置を設け、
    酸化触媒の温度が、予熱装置による予熱なしで酸化反応が生起する自燃温度で、酸化触媒が過熱されない安全温度の範囲内にある間、排気の供給流量を酸化触媒の温度に応じた値にして酸化触媒温度の上昇又は下降を抑制する構成にしたことを特徴とする請求項7に記載の印刷紙の乾燥排気の浄化装置。
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