JP2009058004A - 直線案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ボールの無限循環路となるトラック溝を移動ブロックに対して精度良く、しかも安価に形成することが可能であり、軌道レールに対する移動ブロックの滑らかな運動を確保すると共に、需要者に対してより安価に供給することが可能な直線案内装置を提供する。
【解決手段】
トラック溝に配置された多数のボールを介して軌道レールと移動ブロックとが組み付けられた直線案内装置であって、前記トラック溝は、前記軌道レールのボール転走溝と対向する負荷直線溝と、前記負荷直線溝と平行に配置されると共に前記軌道レールに向けて開放された無負荷直線溝と、これら負荷直線溝と無負荷直線溝とを連結するボール偏向溝とから構成され、前記移動ブロックは、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝が塑性加工によって形成されたブロック本体と、このブロック本体の移動方向の両端に固定されると共に前記ボール偏向溝を具備した一対のエンドプレートとから構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動ブロックが無限循環する多数のボールを介して軌道レールに組みつけられ、前記移動ブロックに固定された被搭載物を軌道レールに沿って自在に往復運動させることが可能な直線案内装置に係り、特に、ボールの無限循環路が前記移動ブロックに対して軌道レールに面したトラック溝として形成された簡易な構造の直線案内装置に関するものである。
工作機械のワークテーブルや各種搬送装置の直線案内部では、テーブル等の可動体を搭載した移動ブロックが軌道レールに沿って連続的に移動する直線案内装置を多用している。この種の直線案内装置では、前記移動ブロックが多数のボールを介して軌道レールに組付けられており、ボールが移動ブロックと軌道レールとの間で荷重を負荷しながら転走することにより、移動ブロックに搭載した可動体を軌道レールに沿って極僅かな抵抗で軽く運動させることが可能となっている。また、移動ブロックにはボールの無限循環路が具備されており、ボールをこの無限循環路内で循環させることにより、前記移動ブロックが軌道レールに沿って連続的に移動することが可能となっている。
従来、前記移動ブロックとしては、金属製のブロック本体と、このブロック本体の両端に結合される合成樹脂製のエンドキャップとから構成されたものが主流であった。前記ブロック本体には、軌道レールのボール転走溝との間でボールが荷重を負荷しながら転走する負荷転走溝が形成されると共に、この負荷転走溝と平行に無負荷ボール通路が穿設されており、ボールの転走に対する経時的な摩耗を抑えるべく、例えば焼入れが可能な鋼から形成されていた。また、前記エンドキャップには方向転換路が形成されており、複雑な形状を実現するために、合成樹脂の射出成形で形成されていた。そして、一対のエンドキャップをブロック本体の前後両端面に対して正確に固定することにより、負荷転走通路の端部と無負荷ボール通路の端部とが方向転換路で連結され、ボールの無限循環路を具備した移動ブロックが完成するようになっていた。
しかし、このような従来の移動ブロックは加工及び組み立てに手間がかかり、製造コストが嵩むといった問題点があった。特に、重荷重用途向けの直線案内装置では、荷重を負荷している有効ボール数を増やすために、前記ブロック本体を移動方向に沿って長尺化することから、ブロック本体に対して無負荷ボール通路をドリル加工することが困難であった。
一方、WO2006/022242−A1には、移動ブロックの構成を極めて簡易化した直線案内装置が開示されている。この直線案内装置ではボールの無限循環路が金属製の移動ブロックに対してトラック溝として形成されており、移動ブロックは単一の金属ピースから構成されている。前記トラック溝は、軌道レールのボール転走溝との間でボールが荷重を負荷しながら転走する負荷直線溝と、この負荷直線溝の両端部に夫々設けられ、かかる負荷直線溝を転走してきたボールの転走方向を変化させて、該ボールを前記軌道レールのボール転走溝から離脱させる一対のボール偏向溝と、一方のボール偏向溝から他方のボール偏向溝へ無負荷状態のボールを移送する無負荷直線溝とから構成されている。このトラック溝は前記移動ブロックの軌道レールと対向する位置に形成されており、これによってボール偏向溝及び無負荷直線溝の内部を無負荷状態で転走するボールがトラック溝から離脱しないようになっている。
また、WO2006/064734−A1にも同様の直線案内装置が開示されている。この直線案内装置では、前記トラック溝を移動ブロックと別個のボール循環プレートに形成しており、このボール循環プレートを移動ブロックに嵌合させることで、トラック溝を軌道レールに面した位置に具備させることが可能となっている。
WO2006/022242−A1 WO2006/064734−A1
しかし、単一の金属ピースからなる移動ブロックに対してトラック溝を形成した従来の直線案内装置では、かかるトラック溝を切削加工又は研削加工によって移動ブロックに具備させていることから、負荷直線溝と無負荷直線溝の形成位置やこれら溝の平行度に誤差が生じる可能性があり、仮にそのような誤差が発生した場合には、ボールの円滑な循環が妨げられ、軌道レールに対する移動ブロックの移動抵抗が増加してしまうといった問題点があった。
また、負荷直線溝、無負荷直線溝及びこれらを連結するボール偏向溝の総てを切削加工、あるいは研削加工で形成すると、生産性が極めて悪く、需要者に対して直線案内装置を安価に提供することが難しいといった問題点もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ボールの無限循環路となるトラック溝を移動ブロックに対して精度良く、しかも安価に形成することが可能であり、ボールの円滑な循環、ひいては軌道レールに対する移動ブロックの滑らかな運動を確保すると共に、需要者に対してより安価に供給することが可能な直線案内装置を提供することにある。
すなわち、本発明の直線案内装置は、断面略矩形状に形成され、両側面には長手方向に沿って1条ずつのボール転走溝が配置された軌道レールと、横ウェブ及びこの横ウェブから突設された一対のフランジ部を有して案内溝を備えたチャネル状に形成され、前記案内溝に遊嵌する軌道レールに対して多数のボールを介して組付けられる移動ブロックとから構成されており、前記移動ブロックはボールの無限循環路となるトラック溝を具備している。このトラック溝は、前記軌道レールのボール転走溝と対向して前記移動ブロックのフランジ部の内側面に配置された負荷直線溝と、前記移動ブロックの横ウェブ又はフランジ部に対して前記負荷直線溝と平行に配置されると共に前記軌道レールに向けて開放された無負荷直線溝と、これら負荷直線溝と無負荷直線溝とを連通連結するボール偏向溝とから構成されている。また、前記移動ブロックは、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝が塑性加工によって形成された金属製のブロック本体と、このブロック本体の移動方向の前後両端面に固定されると共に前記ボール偏向溝を具備した一対のエンドプレートとから構成されている。
このような本発明の直線案内装置によれば、移動ブロックを金属製のブロック本体と当該ブロック本体の両端面に固定される一対のエンドプレートとに分割し、前記ブロック本体にはトラック溝を構成する負荷直線溝及び無負荷直線溝のみを形成したので、このブロック本体は型鍛造、またはダイスを用いた引き抜き加工等の塑性加工によって製作することが可能となる。そのため、鍛造加工に用いる型や引き抜き加工に用いるダイスの形状がブロック本体に転写されて前記負荷直線溝及び無負荷直線溝が形成されるので、これら溝を高精度に形成することが可能となり、トラック溝におけるボールの無限循環の円滑化を図ることが可能できる。
また、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝を型鍛造や引き抜き加工等の塑性加工を用いて形成すれば、切削加工や研削加工を用いる場合と比較して、加工時間を短縮することができ、その分だけ移動ブロックの生産性が向上し、需要者に対して直線案内装置を安価に供給することが可能となる。
このような本発明において、前記ブロック本体の寸法精度を考慮した場合、前記型鍛造又は引き抜き加工は冷間処理とするのが好ましい。また、型鍛造、引き抜き加工等によってブロック本体を形成した後、かかるブロック本体の寸法精度が好ましくない場合には、サイジング加工によってブロック本体の寸法矯正を行ってもよい。
また、前記型鍛造加工としては、前記ブロック本体を所望の寸法精度に仕上げて、且つ、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝を高精度に形成し得るものであれば、開放タイプ、半密閉タイプまたは密閉タイプのいずれの金型を用いて実施しても差し支えない。但し、ブロック本体に対して一層高精度に負荷直線溝及び無負荷直線溝を加工するという観点からすれば、密閉タイプの冷間型鍛造加工によってブロック本体を製作するのが好ましい。
以下、添付図面を参照しながら本発明の直線案内装置を詳細に説明する。
図1及び図2は本発明を適用した直線案内装置の一例を示すものである。この直線案内装置は、断面略矩形状に形成された長尺な軌道レール1と、チャネル状に形成されると共に多数のボール3を介して前記軌道レール1に組付けられた移動ブロック2とから構成されており、前記移動ブロック2が軌道レール1に跨がるようにして該軌道レール1上を自在に往復運動するように構成されている。
前記軌道レール1の両側面には長手方向に沿ってボール3の転走溝10が各1条ずつ形成されている。また、これらの転走溝10よりも僅かに上方において、軌道レール1の上角部は斜めに切り欠かれており、後述する無負荷ボール補助面11が形成されている。従って、軌道レール1は前記ボール転走溝10の形成部位よりも上方では略台形状をなしている。図3に示すように、前記転走溝10はボール3が転走する2つの凹曲面10a,10bから構成されており、その断面は所謂ゴシックアーチ状をなしている。従って、ボール3は前記凹曲面10a,10bに対して2点で接触し、その接触方向は軌道レール1の底面に対して45度の角度を夫々有している。また、軌道レール1には長手方向に所定の間隔をおいて複数のボルト取付け孔12が貫通形成されており、かかるボルト取付け孔12を利用して軌道レール1を各種機械装置のベッドやコラム等の固定部に取り付けることができるようになっている。
一方、前記移動ブロック2は横ウェブ20及びこの横ウェブ20と直交する一対のフランジ部21,21を有してチャネル状に形成されており、これら一対のフランジ部21の間に案内溝22を有している。そして、図1に示すように、この移動ブロック2は前記案内溝22に軌道レール1の上部を遊嵌させ、僅かな隙間を介して軌道レール1に跨がっている。すなわち、軌道レール1の両側面は移動ブロック2のフランジ部21の内側面と互いに対向している。また、前記横ウェブ20の上面はテーブル等の可動体の取付け面23となっており、かかる横ウェブ20には取付けねじを螺合させるタップ穴24が形成されている。
この移動ブロック2は前記ボール3が無限循環するトラック溝30を有している。このトラック溝30は、軌道レール1の転走溝10と対向して前記フランジ部21の内側面に形成された負荷直線溝31と、この負荷直線溝31と平行に形成されると共に軌道レール1の無負荷ボール補助面11と対向して形成された無負荷直線溝32と、これら負荷直線溝31と無負荷直線溝32との間でボール3を往来させるボール偏向溝33とから構成されている。このトラック溝30はその全域において軌道レール1に向けて開放されており、トラック溝30に配列されたボール3は軌道レール1と面した状態で該トラック溝30内を循環する。
図4は前記トラック溝30を平面上に展開した様子を示すものである。前記トラック溝30の一部を構成する負荷直線溝31は、その断面が軌道レール1側の転走溝10と同様にゴシックアーチ状に形成されており、ボール3は負荷直線溝31に対して2点で接触している。従って、ボール3と負荷直線溝31との接触方向はフランジ部21の内側面の法線方向(図3の紙面左右方向)に対して上下に45度ずつ傾斜している。ボール3は軌道レール1の転走溝10と移動ブロック2の負荷直線溝31との間で荷重を負荷しながら転動し、移動ブロック2はその移動方向以外に作用するあらゆる荷重を負荷しながら軌道レール1に沿って往復動することが可能となっている。
一方、前記トラック溝30の一部を構成する無負荷直線溝32はボール3の直径よりも僅かに大きな内径の通路として形成されており、ボール3は無負荷状態、すなわち自由に回転し得る状態のまま無負荷転走溝32内に収容されている。また、この無負荷直線溝32はその開口幅がボール3の直径よりも大きく設定されており、ボール3は軌道レール1と接触した状態で無負荷直線溝32の内部に保持されている。
また、前記ボール偏向溝33は負荷直線溝31と無負荷直線溝32とを連結する略U字状の軌道を有しており、荷重を負荷しながら負荷直線溝31を転走してきたボール3を荷重から解放すると共に、かかるボール3の転走方向を徐々に変化させ、180度方向転換させて前記無負荷直線溝32に送り込むように構成されている。このボール偏向溝33は負荷直線溝31との連結部位において最も浅く、無負荷直線溝32との連結部位において最も深くなるように形成されている。ボール偏向溝33が徐々に深くなることにより、負荷直線溝31を転走してきたボール3がボール偏向溝33に進入すると、かかるボール3は荷重から解放され、無負荷状態となってボール偏向溝33内を無負荷直線溝32へ向けて進行し、そのままの状態で無負荷直線溝32に進入するようになっている。
移動ブロック2を軌道レール1に沿って移動させると、軌道レール1のボール転走溝10と移動ブロック2の負荷直線溝31との間に挟まれているボール3は、軌道レール1に対する移動ブロック2の移動速度Vの半分の速度0.5Vで負荷直線溝31内を移動する。負荷直線溝31内を転走するボール3はボール偏向溝33に到達すると、前述の如くボール偏向溝33の深さが徐々に深くなることから、次第に荷重から解放される。荷重から解放されたボール3は後続のボール3に押されるようにしてそのまま軌道レール1の転走溝10内を進行するが、ボール偏向溝33は転走溝10におけるボール10の転走を遮り、ボール3の進行方向を強制的に変化させるので、ボール3はボール偏向溝33によって転走溝10の凹曲面10aへ寄せられ、この凹曲面10aを這い上がるようにして軌道レール1の側面にまで持ち上がる。これにより、ボール3は軌道レール1の転走溝10から完全に離脱し、移動ブロック2のボール偏向溝33に完全に収容される。
図4に示すように、平面上に展開したボール偏向溝33は略U字状の軌道を有していることから、かかるボール偏向溝33内に収容されたボール3はその転走方向を逆転させ、軌道レール1の上面と対向する移動ブロック2の無負荷直線溝32内に進入する。また、無負荷直線溝32内を進行したボール3は反対側のボール偏向溝33に進入し、再び転走方向を逆転させた後、軌道レール1の転走溝10と移動ブロック2の負荷直線溝31との間に進入する。この際、ボール3は転走溝10の凹曲面10aを側方から這い降りるようにして軌道レール1と移動ブロック2との間に進入し、ボール偏向溝33が徐々に浅くなるにつれ、無負荷状態から荷重の負荷状態へと移行する。
ボール3はこのようにして移動ブロック2のトラック溝30内を循環し、これに伴って移動ブロック2が軌道レール1に沿って間断なく連続的に移動することが可能となっている。
前記移動ブロック2に対するトラック溝30の形成し易さを考慮し、図1に示されるように、かかる移動ブロック2は、ブロック本体4と、このブロック本体4の移動方向の前後両端面に固定される一対のエンドプレート5とから構成されている。すなわち、トラック溝30を構成する負荷直線溝31及び無負荷直線溝32は前記ブロック本体4に形成され、ボール偏向溝33は各エンドプレート5に形成されている。図4には、ブロック本体4とエンドプレート5との境界、つまりトラック溝30の分断面を一対の二点鎖線A,Bで示している。これら二点鎖線A,Bに挟まれた領域はブロック本体4であり、これら二点鎖線よりも外側の領域はエンドプレート5である。この図4から明らかなように、トラック溝30は、前記負荷直線溝31及び無負荷直線溝32からなる直線領域と、ボール偏向溝33からなる曲線領域に分割され、直線領域はブロック本体に、曲線領域はエンドプレートに形成される。
図5は前記エンドプレート5のブロック本体4との接触面を示す正面図である。このエンドプレート5には前記トラック溝30を構成するボール偏向溝33が一対形成されている。また、ボール偏向溝33の負荷直線溝31に対応した端部には、軌道レール1の転走溝10に入り込んで、エンドプレート5と軌道レール1の隙間を最小限に抑えるシール突起35が形成されている。各ボール偏向溝33はブロック本体4の端面に向けて開放されているため、ボール偏向溝33を具備したエンドプレート5は型成形により容易に製作することが可能である。例えば、合成樹脂の射出成形や、金属射出成形(MIM成形)、あるいは金属粉末による圧縮成形(焼結合金)を用いて製作することができる。このエンドプレート5はボルト50によってブロック本体4の端面に固定されるが、エンドプレート5が合成樹脂製の場合には前記ボルト50の締め付けトルクの管理が困難なので、かかるエンドプレート5をブロック本体4に確実に固定して直線案内装置の信頼性を高めるといった観点からすれば、前記エンドプレート5は金属製であることが好ましい。
一方、図6は前記ブロック本体4を負荷直線溝31の長手方向から観察した正面図である。前記ボール偏向溝33をエンドプレート5に形成し、ブロック本体4には負荷直線溝31と無負荷直線溝32のみを形成するようにした結果として、かかるブロック本体4は負荷直線溝31の長手方向に沿って同一の断面形状が連続したものとなっている。また、ブロック本体4の端面には、負荷直線溝31と端部と無負荷直線溝32の端部とを滑らかに連続させるようにして補助曲面部34が設けられており、この補助曲面部34はエンドプレート5のボール偏向溝33と対向している。これにより、負荷直線溝31の端部又は無負荷直線溝32の端部に対してボール偏向溝33の内部を転動するボール3が引っ掛かる事態の発生を防止し、トラック溝30の内部におけるボール3の循環の円滑化を図ることが可能となっている。
前述の如く、ブロック本体4は負荷直線溝31の長手方向に沿って同一の断面形状を有しているので、ブロック本体4を鋼材から製作する際には型鍛造加工又は引き抜き加工といった塑性加工を用い、切削加工や研削加工を用いることなく、前記負荷直線溝31及び無負荷直線溝31をブロック本体4に具備させることが可能である。
特に、型鍛造加工を用いてブロック本体4を製作すれば、ブロック本体4に対して負荷直線溝31、無負荷直線溝32及び補助曲面部34を同時に形成することができ、これらの位置関係を正確なものとし、ブロック本体4a加工精度の向上を図ることができる。また、密閉タイプの金型を用い、かかる鍛造加工を冷間加工とすることで、負荷直線溝31、無負荷直線溝32及び補助曲面部34の加工精度を一層向上させることができる。
ブロック本体4の型鍛造加工は多段工程としても良い。すなわち、数回の型鍛造加工を経て、鋼棒から徐々にブロック本体4の形状を作り出し、最終段の加工によって目的とするブロック形状4を得るのである。このように数段の型鍛造加工を経ることにより、ブロック本体4aの加工精度の一層の向上を図り、トラック溝30におけるボール3の循環の円滑化を達成することが可能となる。
また、かかる型鍛造加工はこれを冷間加工とすることで、加工後におけるブロック本体4の寸法精度の変化を抑えることができ、この点においても高精度の負荷直線溝31及び無負荷直線溝32をブロック本体4に具備させることが可能となる。更に、型鍛造加工を多段工程とし、ブロック本体4となるワークを工程間で冷却することなく数段の型鍛造加工を連続的に実施すれば、ワークそのものが各工程の鍛造加工によって発熱することから、ワークの変形抵抗が減少し、温間加工と同様な効果を得ることが可能となる。
鍛造加工後に、負荷直線溝31、無負荷直線溝32及び補助曲面部34の加工精度が十分に得られない場合には、金型を用いたサイジング加工を実施してブロック本体4を矯正し、負荷直線溝及び無負荷直線溝の加工精度を確保する。サイジング加工に用いる金型はブロック本体4の最終形状に合致するものを事前に準備しておく。
最後に、可動体の取付け面23に対してタップ孔24を加工し、また、移動方向の両端面にはエンドプレート5の固定用ボルトが螺合するタップ孔を加工し、ブロック本体4の加工は終了する。
一方、ブロック本体は前述した型鍛造加工によらず、引き抜き加工によっても製作することが可能である。引き抜き加工では、ダイスを用いて鋼材に冷間引き抜き加工を施すことにより、ダイスの形状が鋼材に転写され、負荷直線溝31及び無負荷直線溝32が塑性加工によって形成されたブロック本体4を得ることが可能となる。このとき、鋼材に対して多段階の引き抜き加工を施すことにより、鋼材の断面形状を徐々に減少させ、高精度の負荷直線溝31及び無負荷直線溝32をブロック本体4に具備させることができる。
このように引き抜き加工によってブロック本体4の形状を整え、同時に負荷直線溝31及び無負荷直線溝32をブロック本体4に対して具備させたならば、前記補助曲面部34をブロック本体4の端面に形成する。この補助曲面部34の形成には、鍛造加工、切削加工あるいは研削加工のいずれを用いても差し支えない。
以上説明してきたように、移動ブロック2をブロック本体4と一対のエンドプレート5に分割し、負荷直線溝31及び無負荷直線溝32を具備したブロック本体4を型鍛造加工や引き抜き加工を用いて製作する一方、エンドプレート5も型を用いて成形するようにすれば、移動ブロック2に対してトラック溝30を切削加工又は研削加工を用いて形成する場合と比較して、加工時間を短縮化することが可能となる。その分だけ移動ブロック2の生産性が向上し、需要者に対して直線案内装置を安価に供給することが可能となる。
また、鍛造加工に用いる型や引き抜き加工に用いるダイスの形状がブロック本体4に転写されて前記負荷直線溝31及び無負荷直線溝32が形成されるので、これら溝を高精度に形成することが可能となり、トラック溝30におけるボール3の無限循環の円滑化を図ることが可能でき、ひいては軌道レール1に対する移動ブロック2の直線往復運動を滑らかに行わせることが可能となる。
本発明を適用した直線案内装置の一例を示す正面断面図である。 図1に示す直線案内装置の正面断面図である。 軌道レールに形成されたボールの転走溝の詳細を示す拡大図である。 移動ブロックのトラック溝を平面上に展開した様子を示す図である。 エンドプレートを示す正面図である。 ブロック本体を示す正面図である。
符号の説明
1…軌道レール、2…移動ブロック、3…ボール、4…ブロック本体、5…エンドプレート、10…転走溝、20…横ウェブ、21…フランジ部、30…トラック溝、31…負荷直線溝、32…無負荷直線溝、33…ボール偏向溝

Claims (6)

  1. 断面略矩形状に形成され、両側面には長手方向に沿って1条ずつのボール転走溝が配置された軌道レールと、横ウェブ及びこの横ウェブから突設された一対のフランジ部を有して案内溝を備えたチャネル状に形成され、前記案内溝に遊嵌する軌道レールに対して多数のボールを介して組付けられる移動ブロックと、前記軌道レールのボール転走溝と対向して前記移動ブロックのフランジ部の内側面に配置された負荷直線溝と、前記移動ブロックの横ウェブ又はフランジ部に対して前記負荷直線溝と平行に配置されると共に前記軌道レールに向けて開放された無負荷直線溝と、これら負荷直線溝と無負荷直線溝とを連通連結して前記ボールが無限循環するトラック溝を完成させるボール偏向溝とから構成され、
    前記移動ブロックは、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝が塑性加工によって形成された金属製のブロック本体と、このブロック本体の移動方向の前後両端面に固定されると共に前記ボール偏向溝を具備した一対のエンドプレートとから構成されることを特徴とする直線案内装置。
  2. 前記エンドプレートのボール偏向溝は前記ブロック本体の端面に向けて開放されており、前記ブロック本体の端面には前記ボール偏向溝に対向すると共に負荷直線溝及び無負荷直線溝を連結する補助曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の直線案内装置。
  3. 前記エンドプレートは焼結合金によって形成されていることを特徴とする請求項2記載の直線案内装置。
  4. 請求項1記載の直線案内装置の製造方法であって、前記移動ブロックは型鍛造加工によって形成され、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝は当該型鍛造加工の際に移動ブロックに具備されることを特徴とする直線案内装置の製造方法。
  5. 請求項2記載の直線案内装置の製造方法であって、前記移動ブロックは型鍛造加工によって形成され、前記負荷直線溝、無負荷直線溝及び補助曲面部は当該型鍛造加工の際に移動ブロックに具備されることを特徴とする直線案内装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の直線案内装置の製造方法であって、前記移動ブロックはダイスを用いた引き抜き加工によって形成され、前記負荷直線溝及び無負荷直線溝は当該引き抜き加工の際に移動ブロックに具備されることを特徴とする直線案内装置の製造方法。
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