JP2009061432A - 複合酸化物、パティキュレート酸化触媒およびディーゼルパティキュレートフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、フィルタの壁面に塗布することによって捕集されたパティキュレートの燃焼を促進することを可能にする、複合酸化物、並びに例えば、効率的にパティキュレートを燃焼させることによって、燃費率を低減させ、さらに触媒貴金属の使用量を抑えつつ、パティキュレート燃焼温度を低下させることができる複合酸化物を提供すること。
【解決手段】 組成式(I):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有したものである複合酸化物;並びに該複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒。
【選択図】なし
【解決手段】 組成式(I):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有したものである複合酸化物;並びに該複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒。
【選択図】なし
Description
本発明は、パティキュレートの燃焼除去を促進するために利用されるセリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物、その複合酸化物でなるパティキュレート酸化触媒、および、その複合酸化物が壁面に捕集されたディーゼルパティキュレートフィルタに関する。
近年、ディーゼルエンジンより排出されるパティキュレート(微粒子状物質、特にカーボン)をフィルタで捕集し、この捕集したパティキュレートを燃焼除去する技術開発が活発になされている。
代表的な技術のひとつに、パティキュレート用の酸化触媒をディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという。)の排ガス通路壁面に塗布したものが知られている。その酸化触媒としては、白金等の貴金属触媒と、酸化セリウム又は酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物と、活性アルミナとを含有するものが一般に採用されている。
しかし、パティキュレートの燃焼は、DPFに塗布される酸化触媒として、貴金属触媒量を多くするほど促進されるものの、その増量効果はそれほど長くは続かない。これは、パティキュレートの燃焼時には触媒温度が800℃以上に、場合によっては1000℃前後に上昇することがあり、このため、貴金属触媒の粒成長を招くからである。
これに対して、上記DPFに塗布される酸化触媒として、酸素吸蔵能を有するセリウム系の複合酸化物と、ペロブスカイト型複合酸化物又はスピネル型複合酸化物との混合物を採用し、パティキュレートの着火温度を低下させる方法が提案されている(特許文献1)。また、銀又はコバルトで安定化させた酸化セリウム、あるいは、銀又はコバルトで安定化させたセリウムと他の希土類元素との複合酸化物を上記DPFの酸化触媒として採用し、白金族元素を含まないようにする方法(特許文献2)、セリウム、ジルコニウム、及びセリウム以外の希土類元素を含有し、セリウム/(セリウム+ジルコニウム)モル比が10%以上90%以下の複合酸化物を含有する触媒層を形成する方法(特許文献3)、及び、ジルコニウムを主成分とするとともにセリウムおよびイットリウムを除く希土類金属が含まれたジルコニウム系複酸化物と、セリウムを主成分とするとともにセリウムを除く希土類金属またはアルカリ土類金属が含まれたセリウム系複酸化物との少なくとも一つを含有する触媒層を形成する方法(特許文献4)が知られている。
しかし、これらの特許文献に記載の複合酸化物のなかには、パティキュレートの燃焼性(低温着火性、大きな燃焼速度)が低いため、多量の貴金属触媒が必要とされたり、燃費率が悪くなったりすることが課題とされているものがある。また、比較的低い燃焼温度でパティキュレートを燃焼させることができるものもあるが、さらにパティキュレートの燃焼温度を低下させ、効率的かつ短期間にパティキュレートを排除することが求められている。
本発明者は、セリウムを含有する複合酸化物の酸素放出特性に着目し、この複合酸化物によりパティキュレート(微粒子状物質、主にすす)の着火燃焼が促進されるのは、複合酸化物内部から複酸化物表面のパティキュレートが接触している部分に活性酸素が供給され、それによって火種が生成されるためであると考えた。
しかし、できるだけ低温でパティキュレートの燃焼を開始させるには、セリウムを含有する複合酸化物の酸素放出温度を可能な限り低くする必要がある。パティキュレートの酸化燃焼を促進させるために、白金等の触貴金属などを担持させることも考えられるが、貴金属を担持すると、コスト増になるばかりでなく、担持量が多すぎると貴金属の分散度合が低下して粒成長が生じ易くなることが懸念される。
また、パティキュレートの着火温度を低下させることは望ましいことであるが、着火温度が低くても、その燃焼が緩慢であれば、DPFの上流側に別に酸化触媒を配置し、その酸化触媒に供給された炭化水素の反応熱によって、DPFにおけるパティキュレートの燃焼を促進する必要を生じる。さらに、場合によってはそのような補助的な燃料(炭化水素)の供給量を増大させる必要があり、燃費率が悪化する。
すなわち、本発明は、効率的にパティキュレートを燃焼させることによって、燃費率を低減させ、さらに触媒貴金属の使用量を抑えつつ、パティキュレート燃焼温度を低下させることができる複合酸化物を提供することを課題とする。
本発明者は、これらのような課題に対して、セリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物の組成とパティキュレートの燃焼温度との関係について鋭意検討し、この複合酸化物において、特定の組成のときに酸素放出温度が著しく低下し、これによってパティキュレートの燃焼が著しく促進され、貴金属触媒がなくても、パティキュレートを低温で速やかに燃焼可能であることを見いだした。
すなわち、本発明に係る複合酸化物触媒は、ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、フィルタの壁面に塗布することによって捕集されたパティキュレートの燃焼を促進するために用いられる、セリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、組成式(I):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有したものである、複合酸化物に関する。組成式(I)において、xの値は、好ましくは、0.17以上0.23以下であり、かつyの値が、0.27以上0.33以下の数である。また、本発明は、前記複合酸化物からなる、酸化触媒に関する。かかる酸化触媒は、好ましくは、パティキュレートの着火温度が300℃以下、かつ完全燃焼温度が410℃以下である。
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有したものである、複合酸化物に関する。組成式(I)において、xの値は、好ましくは、0.17以上0.23以下であり、かつyの値が、0.27以上0.33以下の数である。また、本発明は、前記複合酸化物からなる、酸化触媒に関する。かかる酸化触媒は、好ましくは、パティキュレートの着火温度が300℃以下、かつ完全燃焼温度が410℃以下である。
本発明の複合酸化物をディーゼルパティキュレートフィルタに塗布することで、フィルタ内部に堆積されたパティキュレートを効率的かつ短期間に燃焼させることができ、これにより燃費を改善することができるとともに、触媒貴金属の使用量を抑えることができ、製造コストを抑制することができるという利点がある。
本発明の複合酸化物は、組成式(I):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有する、複合酸化物である。
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有する、複合酸化物である。
なお、本明細書において、「複合酸化物」は、組成式(I)を満たす組成を有する単相からなる固溶体であることが望ましい。
また、本明細書において、パティキュレートの燃焼性(低温着火性、大きな燃焼速度)は、複合酸化物にパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルを、空気気流中で2℃/分の速度で室温から昇温させていき、熱重量分析により重量減少が開始した温度をカーボンの着火温度、重量減少が完了した温度を完全燃焼温度として評価されうる。着火温度、完全燃焼温度ともに低くなればなるほど、燃焼性に優れることを表す。
前記x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数である。
本発明の複合酸化物の組成は、組成式(I)を満たすものであればよく、特に限定されないが、所望の燃焼性に応じて、設定されうる。例えば、パティキュレートの着火温度が300℃以下、かつ完全燃焼温度が410℃以下である酸化物触媒を製造する場合には、本発明の複合酸化物の組成は、組成式(I)において、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある組成であることが好ましい。また、例えば、パティキュレートの着火温度が300℃より大きい、かつ/又は、完全燃焼温度が410℃より大きい酸化物触媒を製造する場合には、本発明の複合酸化物の組成は、組成式(I)において、xの値が0.17〜0.23の範囲外、及び/又はyの値が0.27〜0.33の範囲外であればよい。
本発明の複合酸化物は、X線回折パターンにおいて、立方晶蛍石型構造の単相を主成分とすることが示される複合酸化物である。なお、本発明の複合酸化物では、高い燃焼性を発揮するものであれば、組成によって、貴金属触媒が第2相として観測されるものであってもよい。
本発明の複合酸化物は、特に限定されないが、例えば、液相反応による方法、固相反応による方法等により製造されうる。本発明には、かかる複合酸化物の製造方法も包含される。
前記液相反応による方法としては、例えば、所定の化合物(セリウム化合物、プラセオジム化合物及びビスマス化合物)の酸溶液それぞれ、該化合物の水溶液それぞれ、又は該化合物のエタノール溶液それぞれを混合し、得られた混合物に沈殿剤を添加し、得られた産物から溶媒を留去し、得られた沈殿物を焼成して、所望の複合酸化物を得る方法(以下、「液相反応法1」ともいう);前記化合物の酸溶液それぞれ、該化合物の水溶液それぞれ又は該化合物のエタノール溶液それぞれを混合し、得られた混合物に水溶性又はエタノール可溶性の有機酸及び/又は錯形成剤を添加し、得られた産物から溶媒を留去し、得られた複合有機酸塩及び/又は錯体を焼成して、所望の複合酸化物を得る方法(以下、「液相反応法2」ともいう)等が挙げられる。なお、前記化合物の酸溶液、該化合物の水溶液又は該化合物のエタノール溶液は、反応により、組成式(I)により表される組成からなる複合酸化物になりうる溶液である。
前記液相反応による方法において、用いられるセリウム化合物、プラセオジム化合物、及びビスマス化合物としては、酸、水又はエタノールに可溶な化合物が挙げられる。酸、水又はエタノールに可溶なセリウム化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、硝酸セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、塩化セリウム、硫酸セリウム、酢酸セリウム、クエン酸セリウム等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、好ましくは、硝酸セリウムが望ましい。酸、水又はエタノールに可溶なプラセオジム化合物としては、硝酸プラセオジム、塩化プラセオジム、硫酸プラセオジム、酢酸プラセオジム、クエン酸プラセオジム等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、好ましくは、硝酸プラセオジムが望ましい。酸、水又はエタノールに可溶なビスマス化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、硝酸ビスマス、オキシ硝酸ビスマス、塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマス、クエン酸ビスマス等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、好ましくは、硝酸ビスマスが望ましい。なお、前記液相反応による方法では、これらの化合物のうち、水和物を形成しうる化合物については、その様態のまま使用してもよい。前記セリウム化合物、プラセオジム化合物及びビスマス化合物は、高純度(例えば、99.9%以上)であることが望ましい。
また、前記沈殿剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、シュウ酸、炭酸ガス、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、これらの水溶液等が挙げられる。かかる沈殿剤は、前記セリウム化合物、プラセオジム化合物、及びビスマス化合物の種類に応じて、適宜選択されうる。
また、前記水溶性又はエタノール可溶性の有機酸及び/又は錯形成剤としては、特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。前記有機酸及び/又は錯形成剤は、前記セリウム化合物、プラセオジム化合物、及びビスマス化合物の種類に応じて、適宜選択されうる。
前記液相反応による方法では、焼成において、組成式(I)を満たす組成を有した複合酸化物が生成しうる温度範囲内で、焼成温度をできるだけ低く制御することにより、平均粒子径が1μm以下の微粒子の複合酸化物を製造することができる。このように製造される本発明の複合酸化物は、比表面積が大きく、とりわけ、パティキュレートとの物理的接触点、および接触面積大きくなるため、燃焼性の向上に有利である。
前記液相反応による方法において、焼成温度は、400℃〜900℃であればよい。前記液相反応による方法により、前記微粒子の複合酸化物を製造する場合の焼成温度は、特に限定されないが、例えば、組成式(I)を満たす組成を有した複合酸化物を安定に生成させる観点から、400℃以上、好ましくは、500℃以上、より好ましくは、550℃以上であり、より小さい粒子径の粒子を得る観点から、900℃以下、好ましくは、800℃以下、より好ましくは、750℃以下であることが望ましい。前記微粒子の複合酸化物を製造する場合の焼成は、かかる温度で数時間維持することにより行われる。また、焼成雰囲気条件は、セリウム化合物、及び/又はプラセオジム化合物、及び/又はビスマス化合物の還元を抑制し、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、空気、酸素ガス、酸素とアルゴンとの混合ガス、酸素と窒素との混合ガス等の酸化性雰囲気条件であることが望ましい。
前記液相反応による方法において、セリウム化合物とプラセオジム化合物とビスマス化合物との混合比(モル比)は、組成式(I)を満たす範囲で適宜設定されうる。セリウム化合物とプラセオジム化合物との混合比は、セリウム/プラセオジム(モル比)に換算して、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、5/5以上、好ましくは、6/4以上であり、同じくパティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、8/2以下、好ましくは、7/3以下であることが望ましい。また、セリウム化合物とビスマス化合物との混合比は、セリウム/ビスマス(モル比)に換算して、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、4/5以上、好ましくは、1/1以上であり、同じくパティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、3/1以下、好ましくは、2/1以下であることが望ましい。また、プラセオジム化合物とビスマス化合物との混合比は、プラセオジム/ビスマス(モル比)に換算して、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、3/10以上、好ましくは、2/5以上であり、同じくパティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、2/1以下、好ましくは、3/2以下であることが望ましい。
前記液相反応法1により、例えば、組成式(II):
Ce0.50Pr0.20Bi0.30O1.817 (II)
の組成を有する複合酸化物を製造する場合、該複合酸化物は、具体的には、例えば、
(A)Ce(NO3)3水溶液と、Pr(NO3)3水溶液と、Bi(NO3)3水溶液とを、大気雰囲気中、Ce:Pr:Bi(モル比)が5:2:3となるように混合し、得られた混合物を1時間攪拌する工程、
(B)前記工程(A)で得られた産物に、アンモニア水を滴下しながら、添加する工程、
(C)前記工程(C)で得られた溶液のpHをpH10に調整し、調整後の溶液を大気雰囲気中、3時間攪拌する工程、
(D)前記工程(C)で得られた産物から、ロータリーエバポレーター、蒸発乾固等により、溶媒を留去する工程、及び、
(E)前記工程(D)で得られた固形物を、大気雰囲気中、400〜1000℃で焼成する工程、
を行なうこと等により製造されうる。
Ce0.50Pr0.20Bi0.30O1.817 (II)
の組成を有する複合酸化物を製造する場合、該複合酸化物は、具体的には、例えば、
(A)Ce(NO3)3水溶液と、Pr(NO3)3水溶液と、Bi(NO3)3水溶液とを、大気雰囲気中、Ce:Pr:Bi(モル比)が5:2:3となるように混合し、得られた混合物を1時間攪拌する工程、
(B)前記工程(A)で得られた産物に、アンモニア水を滴下しながら、添加する工程、
(C)前記工程(C)で得られた溶液のpHをpH10に調整し、調整後の溶液を大気雰囲気中、3時間攪拌する工程、
(D)前記工程(C)で得られた産物から、ロータリーエバポレーター、蒸発乾固等により、溶媒を留去する工程、及び、
(E)前記工程(D)で得られた固形物を、大気雰囲気中、400〜1000℃で焼成する工程、
を行なうこと等により製造されうる。
前記液相反応法2により、例えば、組成式(II)の組成を有する複合酸化物を製造する場合、該複合酸化物は、具体的には、例えば、
(a)Ce(NO3)3水溶液と、Pr(NO3)3水溶液と、Bi(NO3)3水溶液とを、大気雰囲気中、Ce:Pr:Bi(モル比)が5:2:3となるように混合し、得られた混合物を1時間攪拌する工程、
(b)前記工程(a)で得られた産物に、クエン酸水溶液をさらに添加する工程、
(c)前記工程(b)で得られた産物を、大気雰囲気中、80℃で5時間攪拌する工程、
(d)前記工程(c)で得られた産物から、ロータリーエバポレーター、蒸発乾固等により溶媒を留去する工程、及び、
(e)前記工程(d)で得られた固形物を、大気雰囲気中、400〜1000℃で焼成する工程、
を行なうこと等により製造されうる。
(a)Ce(NO3)3水溶液と、Pr(NO3)3水溶液と、Bi(NO3)3水溶液とを、大気雰囲気中、Ce:Pr:Bi(モル比)が5:2:3となるように混合し、得られた混合物を1時間攪拌する工程、
(b)前記工程(a)で得られた産物に、クエン酸水溶液をさらに添加する工程、
(c)前記工程(b)で得られた産物を、大気雰囲気中、80℃で5時間攪拌する工程、
(d)前記工程(c)で得られた産物から、ロータリーエバポレーター、蒸発乾固等により溶媒を留去する工程、及び、
(e)前記工程(d)で得られた固形物を、大気雰囲気中、400〜1000℃で焼成する工程、
を行なうこと等により製造されうる。
さらに、前記液相反応法1および2において、最終的に生成する複合酸化物の比表面積を大きくするために、液相反応法1における工程(C)と(D)の間、あるいは液相反応法2における工程(c)と(d)の間に、比表面積を大きくするための添加剤を加えても良い。この添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、エチレングリコール等、その後の焼成工程によって燃焼により取り除かれうる有機物が用いられる。比表面積が大きくなることにより、最終的に得られる複合酸化物のパティキュレート燃焼性が向上するという効果がある。
前記固相反応による方法としては、所定の化合物(セリウム化合物、プラセオジム化合物及びビスマス化合物)の混合物を焼成する固相反応法等が挙げられる。前記化合物の混合物は、焼成により、組成式(I)により表される組成からなる複合酸化物になりうる混合物である。
前記固相反応による方法において、用いられるセリウム化合物、プラセオジム化合物及びビスマス化合物としては、酸化物(特に限定されないが、例えば、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ビスマス等)や、高温で分解し酸化物になりうる化合物等が挙げられる。前記高温で分解し酸化物になりうるセリウム化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、水酸化セリウム、炭酸セリウム、シュウ酸セリウム、硝酸セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、塩化セリウム、硫酸セリウム、酢酸セリウム、クエン酸セリウム、及びこれらの水和物等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、好ましくは、炭酸セリウムである。前記高温で分解し酸化物になりうるプラセオジム化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、水酸化プラセオジム、炭酸プラセオジム、シュウ酸プラセオジム、硝酸プラセオジム、塩化プラセオジム、硫酸プラセオジム、酢酸プラセオジム、クエン酸プラセオジム、及びこれらの水和物等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、好ましくは、炭酸プラセオジムである。前記高温で分解し酸化物になりうるビスマス化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、水酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、オキシ硝酸ビスマス、塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酢酸ビスマス、クエン酸ビスマス、これらの水和物等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、好ましくは、硝酸ビスマスである。前記セリウム化合物、プラセオジム化合物、及びビスマス化合物は、高純度(例えば、99.9%以上)であることが望ましい。
前記固相反応法による方法において、セリウム化合物とプラセオジム化合物とビスマス化合物との混合は、メノウ乳鉢等による手動混合、通常、工業的に用いられているボールミル、V型混合機、攪拌装置等による機械的な混合等により行なわれうる。
前記固相反応法による方法において、セリウム化合物とプラセオジム化合物とビスマス化合物との混合比(モル比)は、組成式(I)を満たす範囲で適宜設定されうる。セリウム化合物とプラセオジム化合物との混合比は、セリウム/プラセオジム(モル比)に換算して、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、5/5以上、好ましくは、6/4以上であり、同じくパティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、8/2以下、好ましくは、7/3以下であることが望ましい。また、セリウム化合物とビスマス化合物との混合比は、セリウム/ビスマス(モル比)に換算して、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、4/5以上、好ましくは、1/1以上であり、同じくパティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、3/1以下、好ましくは、2/1以下であることが望ましい。また、プラセオジム化合物とビスマス化合物との混合比は、プラセオジム/ビスマス(モル比)に換算して、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、3/10以上、好ましくは、2/5以上であり、同じくパティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、2/1以下、好ましくは、3/2以下であることが望ましい。
前記固相反応法による方法においては、混合後、得られた混合物を焼成することにより、本発明の複合酸化物が得られる。
前記固相反応法による方法において、焼成温度は、用いられるセリウム化合物、プラセオジム化合物及びビスマス化合物それぞれの種類に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、例えば、反応を容易に進行させる観点から、1000℃以上、好ましくは、1100℃以上であり、粒成長や焼結を抑制する観点から、1300℃以下、好ましくは、1200℃以下であることが望ましい。セリウム化合物、及び/又はプラセオジム化合物、及び/又はビスマス化合物として、前記高温で分解し酸化物になりうる化合物を用いた場合、該化合物を予め酸化物にするため及び/又は該化合物の水分を予め除去するため、焼成の前に、例えば、500℃以上1000℃未満の温度範囲にて仮焼してもよい。
また、前記固相反応法による方法において、焼成時間は、前記焼成温度、用いられるセリウム化合物、プラセオジム化合物及びビスマス化合物それぞれの種類に応じて適宜設定することができ、例えば、焼成温度が1000℃〜1300℃である場合、固相反応を完結させる観点から、1時間以上、好ましくは、3時間以上、粒成長や焼結の抑制、及び製造時間の短縮の観点から、100時間以下、好ましくは、30時間以下であることが望ましい。
前記固相反応法による方法において、焼成雰囲気としては、セリウム及び/又はビスマスの還元を抑制し、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、空気、酸素ガス、酸素とアルゴンとの混合ガス、酸素と窒素との混合ガス等の酸化性雰囲気が望ましい。また、反応を促進させる観点から、焼成雰囲気中に水蒸気を共存させてもよい。
前記固相反応法による方法により、例えば、組成式(II)の組成を有する複合酸化物を製造する場合、該複合酸化物は、CeO2とPr6O11とBi2O3とを30:2:9(モル比)となるように、混合し、得られた混合物を、大気雰囲気中、1000℃〜1400℃で焼成すること等により、製造されうる。
前記複合酸化物の製造方法により得られる本発明の複合酸化物は、比表面積を大きくするために、例えば、ボールミル、ジェットミル等を用いて、さらに粉砕されてもよい。また、前記製造方法により得られる複合酸化物は、洗浄及び/又は分級されてもよい。得られる複合酸化物の結晶性を高める観点から、前記製造方法により得られる複合酸化物は、さらに再焼成させてもよい。
本発明の複合酸化物は、パティキュレート酸化触媒として用いる場合、その結晶性を向上させ、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、平均粒子径が、5nm以上、好ましくは、10nm以上であり、例えば、パティキュレートの酸化触媒として比表面積をより向上させる観点から、1μm以下、好ましくは、100nm以下である粒子形状を有することが望ましい。
本発明の複合酸化物は、パティキュレート酸化触媒として用いる場合、パティキュレートと酸化の接触点を増やし、パティキュレートの燃焼性をより向上させる観点から、比表面積が、1m2/g以上、好ましくは、10m2/g以上であり、さらに好ましくは、200m2/g以上である比表面積を有することが望ましい。
なお、本明細書において、前記平均粒子径は、粒度分布測定装置により直接測定された値、あるいは、透過型電子顕微鏡、及び/又は走査型電子顕微鏡により直接観察測定され、二軸算術平均径(複合酸化物の粒子の最大径と最小径との和の平均値)により算出された値をいう。
本発明のパティキュレート酸化触媒は、本発明の複合酸化物からなる、パティキュレート酸化触媒である。
本発明のパティキュレート酸化触媒は、組成式(I)を満たす組成を有する複合酸化物からなるものであるため、低温から活性な酸素を放出することが可能であり、高い酸化力を示すという優れた効果を発揮する。さらに、本発明のパティキュレート酸化触媒は、安価な原料から製造でき、低コストで製造できるという優れた効果を発揮する。
本発明のパティキュレート酸化触媒は、本質的に、組成式(I)で表される組成を有した複合酸化物からなるものであるが、さらに他の物質(「微量物質」ともいう)を含ませることによって本発明の目的を向上させてもよい。前記微量物質としては、本発明の目的を向上させるものであればよく、特に限定されないが、例えば、ジルコニウム、イットリウム、テルビウム等が挙げられる。
本発明のパティキュレート酸化触媒には、金属触媒を担持しても良い。金属触媒としては、Pt、Pd、Rh、Ag、Au、Cu、Ni等が好ましく、特にPt、Pd、Rhの貴金属が好ましい。その担持量は、特に限定するわけではないが、5質量%以下程度でよい。
また、本発明のパティキュレート酸化触媒は、酸化力が大きいため、小さい平均粒子径の粒子形態として、高分散状態で使用した場合でも高いパティキュレート燃焼性を示すという優れた性質を発現する。したがって、本発明のパティキュレート酸化触媒をDPFの壁面に塗布することにより、低温でのパティキュレートの燃焼除去が可能となる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液3.2cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液1.6cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液2.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。得られた混合物から溶媒を留去し、一晩80℃で乾燥した後、得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液3.2cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液1.6cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液2.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。得られた混合物から溶媒を留去し、一晩80℃で乾燥した後、得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
・燃焼性
得られた複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、パティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルを、空気気流中で2℃/分の速度で室温から昇温させていき、示差熱・熱重量(TG/DTA)同時測定装置(商品名:DTG−60H、島津製作所製)により重量減少が開始した温度をカーボンの着火温度、重量減少が完了した温度を完全燃焼温度として、該複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の燃焼性を評価した。
その結果、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒は、着火温度314℃、完全燃焼温度425℃の燃焼性を有しており、高い酸化活性を有する粉末の酸化触媒であることがわかった。
得られた複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、パティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルを、空気気流中で2℃/分の速度で室温から昇温させていき、示差熱・熱重量(TG/DTA)同時測定装置(商品名:DTG−60H、島津製作所製)により重量減少が開始した温度をカーボンの着火温度、重量減少が完了した温度を完全燃焼温度として、該複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の燃焼性を評価した。
その結果、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒は、着火温度314℃、完全燃焼温度425℃の燃焼性を有しており、高い酸化活性を有する粉末の酸化触媒であることがわかった。
・比表面積
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、比表面積測定装置(マイクロメリティクス社製、商品名フローソーブII)を用いて、比表面積を求めた。その結果、前記パティキュレート酸化触媒の比表面積は、11.6m2/gであった。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、比表面積測定装置(マイクロメリティクス社製、商品名フローソーブII)を用いて、比表面積を求めた。その結果、前記パティキュレート酸化触媒の比表面積は、11.6m2/gであった。
・組成
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、商品名:ZSX−100e)を用いて、組成を求めた。
その結果、前記パティキュレート酸化触媒は、組成式(III):
Ce0.63Pr0.16Bi0.21O1.868 (III)
を満たす複合酸化物であることがわかった。
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、商品名:ZSX−100e)を用いて、組成を求めた。
その結果、前記パティキュレート酸化触媒は、組成式(III):
Ce0.63Pr0.16Bi0.21O1.868 (III)
を満たす複合酸化物であることがわかった。
比較例1〜3
比較試料として、カーボンのみの試料、また、プラセオジム、及びビスマスを含まない酸化セリウム(CeO2)のみの試料、さらに、セリウムとジルコニウムのみからなる複合酸化物(Ce0.84Zr0.16O2.0)についても製造した。
比較試料として、カーボンのみの試料、また、プラセオジム、及びビスマスを含まない酸化セリウム(CeO2)のみの試料、さらに、セリウムとジルコニウムのみからなる複合酸化物(Ce0.84Zr0.16O2.0)についても製造した。
これらについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。その結果、複合酸化物が、組成式(I):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有するものである場合、優れた燃焼性を示すことが示唆された。
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有するものである場合、優れた燃焼性を示すことが示唆された。
実施例2〜15
組成式(I’):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I’)
において、0<x<0.6、0<y<0.5の範囲内で0<x+y<1を満たすように任意に変化させ、前記実施例1と同様の方法で複合酸化物を製造した。
組成式(I’):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I’)
において、0<x<0.6、0<y<0.5の範囲内で0<x+y<1を満たすように任意に変化させ、前記実施例1と同様の方法で複合酸化物を製造した。
得られた複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の燃焼性を実施例1と同様にして、定量化した。以下に、組成を変化させた複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の燃焼性を、表1に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表1に示す。
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。前記組成を表1に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表1に示す。
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。前記組成を表1に示す。
その結果、表1に示されるように、複合酸化物の組成によって、パティキュレート燃焼性が異なることがわかる。具体的には、組成式(I’)において、x及びyが0<x+y<1を満たす任意の正の数である組成、すなわち、組成式(I)を満たす組成を有した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒によれば、高い燃焼性を示すことがわかる。
さらに、表1に示されるように、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒(実施例5)は、パティキュレートの着火温度が300℃以下、かつ完全燃焼温度が410℃以下となり、極めて高いパティキュレート燃焼性を示すことがわかる。
一方、組成式(I’)において、xの値が0.17〜0.23の範囲外、及び/又はyの値が0.27〜0.33の範囲外である複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒(実施例5以外)は、着火温度が300℃より高い、あるいは完全燃焼温度が410℃よりも高くなるため、比較的燃焼性の低い複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒であることがわかる。また、プラセオジム、及びビスマスを含まない酸化セリウム(CeO2)のみからなるパティキュレート酸化触媒(比較例1)、さらに、セリウムとジルコニウムのみからなる複合酸化物(Ce0.84Zr0.16O2.0)からなるパティキュレート酸化触媒(比較例2)は、いずれも着火温度、完全燃焼温度が本発明のセリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒より高いため、著しく燃焼性の低い酸化物、又は複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒であることがわかる。
実施例16,17
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3と、0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3と混合し、これに0.5mol/dm3濃度のAgNO3水溶液を、0.9cm3、又は3.0cm3加え、1時間室温で攪拌した。得られた各溶液に、金属イオンの総モル数の2.1倍のモル数になるように、1.0mol/dm3濃度のクエン酸水溶液を加え、80℃で5時間撹拌した。得られた混合物から溶媒を留去し、一晩80℃で乾燥した後、得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3と、0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3と混合し、これに0.5mol/dm3濃度のAgNO3水溶液を、0.9cm3、又は3.0cm3加え、1時間室温で攪拌した。得られた各溶液に、金属イオンの総モル数の2.1倍のモル数になるように、1.0mol/dm3濃度のクエン酸水溶液を加え、80℃で5時間撹拌した。得られた混合物から溶媒を留去し、一晩80℃で乾燥した後、得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表1に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表1に示す。
得られた各複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルを、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表1(実施例16および17)に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表1に示す。
得られた各複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルを、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表1(実施例16および17)に示す。
これらの結果と実施例5の結果の比較から、本発明のセリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にあっては、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にすることにより、Agを含有しなくても、高いパティキュレートの燃焼性が得られることがわかる。
実施例18
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3、ポリビニルピロリドン(PVP)1.2g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3、ポリビニルピロリドン(PVP)1.2g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
得られた複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、パティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルを、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。
その結果、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒は、着火温度297℃、完全燃焼温度403℃の燃焼性を有しており、高い酸化活性を有する粉末の酸化触媒であることがわかった。
その結果、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒は、着火温度297℃、完全燃焼温度403℃の燃焼性を有しており、高い酸化活性を有する粉末の酸化触媒であることがわかった。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。その結果、前記パティキュレート酸化触媒の比表面積は、7.8m2/gであった。
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果、前記パティキュレート酸化触媒は、組成式(IV):
Ce0.48Pr0.20Bi0.32O1.807 (IV)
を満たす複合酸化物であることがわかった。
Ce0.48Pr0.20Bi0.32O1.807 (IV)
を満たす複合酸化物であることがわかった。
実施例19〜21
ポリビニルピロリドンの添加量を任意に変化させた点以外は、実施例18と同様の方法でパティキュレート酸化触媒を製造した。
ポリビニルピロリドンの添加量を任意に変化させた点以外は、実施例18と同様の方法でパティキュレート酸化触媒を製造した。
得られたパティキュレート酸化触媒の燃焼性を実施例1と同様に定量化した。ポリビニルピロリドンの添加量を変化させて製造された複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の燃焼性を、表2に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表2に示す。
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。前記組成を表2に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表2に示す。
ついで、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。前記組成を表2に示す。
その結果、表2に示されるように、ポリビニルピロリドンの添加量の変化に伴って、パティキュレートの燃焼性が変化することがわかる。具体的には、製造時にポリビニルピロリドンを加えることによって、比表面積の値を約20m2/gまで増大させた複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒によれば、ポリビニルピロリドンを加えずに製造したパティキュレート酸化触媒(表1の実施例5、比表面積約5m2/g)よりも、完全燃焼温度が低くなり、より高い燃焼性を示すことがわかる。
実施例22〜25
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3と、0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3と混合し、これに0.5mol/dm3濃度のAgNO3水溶液を、0.9cm3(実施例22)、又は1.6cm3(実施例23)、又は2.6cm3(実施例24)、又は8.7cm3(実施例25)加え、1時間室温で攪拌した。得られた各溶液に、金属イオンの総モル数の2.1倍のモル数になるように、1.0mol/dm3濃度のクエン酸水溶液を加え、ついでポリビニルピロリドンを17.5g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3と、0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3と混合し、これに0.5mol/dm3濃度のAgNO3水溶液を、0.9cm3(実施例22)、又は1.6cm3(実施例23)、又は2.6cm3(実施例24)、又は8.7cm3(実施例25)加え、1時間室温で攪拌した。得られた各溶液に、金属イオンの総モル数の2.1倍のモル数になるように、1.0mol/dm3濃度のクエン酸水溶液を加え、ついでポリビニルピロリドンを17.5g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表2に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表2に示す。
得られた各複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表2の実施例22〜25に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表2に示す。
得られた各複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表2の実施例22〜25に示す。
これらの結果と、実施例18〜21の結果の比較から、本発明のセリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にあっては、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にすることにより、Agを含有しなくても、高いパティキュレートの燃焼性が得られることがわかる。
実施例26
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3、ポリビニルピロリドン1.2g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物を製造した。
この複合酸化物0.5gに、0.5mol/dm3濃度のAgNO3水溶液1.64cm3を加え、室温で3時間攪拌した後、溶媒を留去して得られた産物を、80℃で12時間乾燥した。ついで、大気中500℃で4時間焼成し、Agを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3、ポリビニルピロリドン1.2g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物を製造した。
この複合酸化物0.5gに、0.5mol/dm3濃度のAgNO3水溶液1.64cm3を加え、室温で3時間攪拌した後、溶媒を留去して得られた産物を、80℃で12時間乾燥した。ついで、大気中500℃で4時間焼成し、Agを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
前記Agを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表2に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表2に示す。
得られたAgを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表2の実施例26に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表2に示す。
得られたAgを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表2の実施例26に示す。
この結果と、実施例18〜21の結果の比較から、本発明のセリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にあっては、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にすることにより、Agを担持しなくても、高いパティキュレートの燃焼性が得られることがわかる。
実施例27
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3、ポリビニルピロリドン1.2g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物を製造した。
この複合酸化物0.5gに、4質量%濃度のPt-ポリビニルピロリドンコロイド溶液(田中貴金属社製)0.34gを加え、室温で6時間攪拌した後、溶媒を留去して得られた産物を、80℃で一晩乾燥し、ついで、大気中500℃で4時間焼成し、Ptを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
1mol/dm3濃度のCe(NO3)3水溶液2.4cm3と、0.5mol/dm3濃度のPr(NO3)3水溶液2.1cm3、及び0.5mol/dm3濃度のBi(NO3)3水溶液3.0cm3とを混合し、1時間室温で攪拌した。得られた溶液に、1mol/dm3濃度のクエン酸水溶液10.5cm3、ポリビニルピロリドン1.2g、及び3mol/dm3濃度のHNO3水溶液50cm3を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、この混合溶液を155℃で24時間加熱し、次いで、溶媒を留去して得られた産物を、大気中750℃にて1時間焼成して、複合酸化物を製造した。
この複合酸化物0.5gに、4質量%濃度のPt-ポリビニルピロリドンコロイド溶液(田中貴金属社製)0.34gを加え、室温で6時間攪拌した後、溶媒を留去して得られた産物を、80℃で一晩乾燥し、ついで、大気中500℃で4時間焼成し、Ptを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を製造した。
前記Ptを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、比表面積を求めた。前記比表面積を表2に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表2に示す。
得られたPtを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表2の実施例27に示す。
また、前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、実施例1と同様にして、組成を求めた。その結果を表2に示す。
得られたPtを担持した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒に、それぞれパティキュレートとしてカーボンを2質量%で混合した評価サンプルについて、実施例1と同様にして、燃焼性を評価した。結果を表2の実施例27に示す。
この結果と、実施例18〜21の結果の比較から、本発明のセリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にあっては、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にすることにより、Ptを担持しなくても、高いパティキュレートの燃焼性が得られることがわかる。
・X線回折
前記実施例1〜15、実施例18〜27の複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、粉末X線回折装置(株式会社リガク製、商品名:Multiflex)を用いて、X線回折パターンを分析した。その結果を、図1〜5に示す。
前記実施例1〜15、実施例18〜27の複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒について、粉末X線回折装置(株式会社リガク製、商品名:Multiflex)を用いて、X線回折パターンを分析した。その結果を、図1〜5に示す。
図1、2及び3において、本発明のいずれのパティキュレート酸化触媒においても、実施例1に代表される立方晶蛍石型構造の回折ピークが観測されるため、組成式(I’)において、x及びyが0<x+y<1を満たす任意の正の数である組成、すなわち、組成式(I)を満たす組成を有した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒は、立方晶蛍石型構造の酸化物を主成分とするものであることがわかる。さらに、図1、2及び3のいずれにおいても、プラセオジムの割合の増加にしたがって、回折ピークが低角度側に順次シフトしていくことから、組成式(I)を満たす組成を有した複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒は、立方晶蛍石型構造の酸化物の単相からなる固溶体であることがわかる。
また、図4において、ポリビニルピロリドンの添加量が比較的多い条件で製造されたパティキュレート酸化触媒(実施例21)においては、Bi2O3の回折ピークが不純物相として観測されるため、組成式(I)を満たす組成を有し、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒であっても、パティキュレートの着火温度が300℃より大きくなる(表2の実施例21)ことがわかる。すなわち、該パティキュレート酸化触媒は、立方晶蛍石型構造の酸化物を単相からなる固溶体であるほうが望ましいことがわかる。
さらに、図4及び図5において、AgあるいはPtを含むパティキュレート酸化触媒においては、Agを添加したパティキュレート酸化触媒(実施例22〜26)では、Agの回折ピークが観測され、一方、Ptを添加したパティキュレート酸化触媒(実施例27)では、Ptの回折ピークが観測されない。しかしながら、表2のパティキュレート燃焼性の結果を鑑みると、組成式(I)を満たす組成を有し、xの値が0.17〜0.23の範囲にあり、かつyの値が0.27〜0.33の範囲にある複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒を主成分としていれば、パティキュレートの燃焼性には影響を及ぼさないことがわかる。
・活性酸素放出温度
前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の活性酸素放出温度は、例えば、Chemistry of Materials、第13巻(2001年)第1834〜1840頁に記載されている方法等により測定することができる。具体的には、0.03gの試料をU字型の石英管に装填し、流速80cm3/分のヘリウム流通下、500℃で1時間保持した後、室温まで冷却し、ついで、流速80cm3/分の水素ガスを流通させながら、5℃/分の昇温速度で、室温から750℃まで昇温させる。試料から放出される酸素は水素と反応し水となるので、ガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製、商品名:GC−8A)の熱伝導検出器により水素ガスとの熱伝導差を利用してスペクトル測定を行うことができる。そして、得られた昇温還元スペクトルから、パティキュレート酸化触媒の活性酸素放出温度を求めることができる。その結果の代表例を、図6に示す。
前記複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の活性酸素放出温度は、例えば、Chemistry of Materials、第13巻(2001年)第1834〜1840頁に記載されている方法等により測定することができる。具体的には、0.03gの試料をU字型の石英管に装填し、流速80cm3/分のヘリウム流通下、500℃で1時間保持した後、室温まで冷却し、ついで、流速80cm3/分の水素ガスを流通させながら、5℃/分の昇温速度で、室温から750℃まで昇温させる。試料から放出される酸素は水素と反応し水となるので、ガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製、商品名:GC−8A)の熱伝導検出器により水素ガスとの熱伝導差を利用してスペクトル測定を行うことができる。そして、得られた昇温還元スペクトルから、パティキュレート酸化触媒の活性酸素放出温度を求めることができる。その結果の代表例を、図6に示す。
図6に示された実施例5、及び実施例20の試料の酸素放出温度は、それぞれ218℃と180℃であり、これらは従前より知られているセリウムとジルコニウムの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の値(約400〜600℃)、及び、セリウムとジルコニウムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒の値(約250〜300℃)に比べ、著しく低いことがわかる。すなわち、セリウムとプラセオジムとビスマスの複合酸化物からなるパティキュレート酸化触媒にすることにより、酸素放出温度が著しく低下し、これによってパティキュレートの燃焼が著しく促進されることがわかる。
さらに、図6の実施例5と実施例20の結果を比較することにより、パティキュレート酸化触媒の比表面積が大きいほど活性酸素放出温度が低くなることがわかる。さらに、この結果を表2の結果と照合することにより、パティキュレート酸化触媒から活性酸素が放出される温度が低いほど、パティキュレートと酸素との結合燃焼が促進されるために、パティキュレートの完全燃焼温度が低くなることがわかる。
本発明の複合酸化物は、パティキュレート酸化触媒として用いることができ、ディーゼルパティキュレートのみならず、低温における有機化合物の部分酸化や完全燃焼等、幅広い分野で利用できる。
Claims (4)
- ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、フィルタの壁面に塗布されることによって、捕集されたパティキュレートの燃焼を促進するために用いられる複合酸化物であり、
組成式(I):
Ce1-(x+y)PrxBiyO(12-x-3y)/6 (I)
〔式中、x及びyは、互いに同一でも異なっていてもよく、0<x+y<1を満たす任意の正の数を表す。〕
を満たす組成を有してなる、セリウムとプラセオジムとビスマスの固溶体からなることを特徴とする複合酸化物。 - 前記組成式(I)において、xの値が0.17以上0.23以下であり、かつ、yの値が0.27以上0.33以下の範囲である、請求項1に記載の複合酸化物。
- 請求項1又は2記載の複合酸化物でなるパティキュレート酸化触媒。
- 請求項1又は2記載の複合酸化物が壁面に塗布されていることを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ。
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-
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