JP2009070954A - 有機薄膜発光素子、表示装置、電子機器、及び有機薄膜発光素子の製造方法 - Google Patents

有機薄膜発光素子、表示装置、電子機器、及び有機薄膜発光素子の製造方法 Download PDF

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JP2009070954A JP2007236301A JP2007236301A JP2009070954A JP 2009070954 A JP2009070954 A JP 2009070954A JP 2007236301 A JP2007236301 A JP 2007236301A JP 2007236301 A JP2007236301 A JP 2007236301A JP 2009070954 A JP2009070954 A JP 2009070954A
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Katsuyuki Morii
克行 森井
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Abstract

【課題】効率的に発光することができる有機薄膜発光素子を提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に形成された、陰極として機能する第一の電極と、前記
第一の電極上に形成された第一の金属酸化膜と、前記第一の金属酸化膜上に形成された金
属化合物膜と、前記金属化合物膜上に形成された有機化合物膜と、前記有機化合物膜上に
形成された第二の金属酸化膜と、前記第二の金属酸化膜上に形成された、陽極として機能
する第二の電極であって、前記基板及び前記第一の電極、又は、当該第2の電極のうちの
少なくとも一方が光透過性を有する前記第二の電極とを含み、前記金属化合物膜が、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属を含有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機薄膜発光素子、表示装置、電子機器、及び有機薄膜発光素子の製造方法
に関する。
下記の特許文献1及び特許文献2に記載された発光素子は、後者の特許文献2に記載さ
れているように、封止されること無く、即ち、大気に晒されることを回避するための手段
が講じられることなく、陽極から注入された正孔及び陰極から注入された電子が有機化合
物層で再結合することにより、発光することができる。
特開平10−12377号公報 特開2007−53286号公報
しかしながら、上記した従来の発光素子では、陽極から注入された正孔が有機化合物層
を通過してしまい、それにより、有機化合物層内での正孔の濃度が低下し、その結果、有
機化合物層へ電子を引き込もうとする力が小さくなることから、有機化合物内での正孔と
電子との再結合が効率的に行われず、即ち、効率的に発光することができないという問題
があった。
本発明は、上記した課題を解決すべく、以下の適用例により実現される。
[適用例1]
適用例1の有機薄膜発光素子は、
基板と、
前記基板上に形成された、陰極として機能する第一の電極と、
前記第一の電極上に形成された第一の金属酸化膜と、
前記第一の金属酸化膜上に形成された金属化合物膜と、
前記金属化合物膜上に形成された有機化合物膜と、
前記有機化合物膜上に形成された第二の金属酸化膜と、
前記第二の金属酸化膜上に形成された、陽極として機能する第二の電極であって、前記
基板及び前記第一の電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有
する前記第二の電極とを含み、
前記金属化合物膜が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する。
適用例1の有機薄膜発光素子によれば、前記金属化合物層が、陽極として機能する第二
の電極から注入され、かつ第二の金属層及び有機化合物層を経た正孔をブロックすること
により、有機化合物層における正孔の濃度を上昇させる。これにより、陰極、第一の金属
酸化物層、及び金属化合物層を経て有機化合物層内へと電子を引き込む力を強めることが
でき、この結果、有機化合物層内での正孔と電子とに再結合を従来に比して効率的に行う
ことができ、即ち、従来に比して高効率に発光することが可能となる。
[適用例2]
適用例2の有機薄膜発光素子は、
基板と、
前記基板上に形成された、陰極として機能する第一の電極と、
前記第一の電極上に形成された金属化合物膜と、
前記金属化合物膜上に形成された有機化合物膜と、
前記有機化合物膜上に形成された金属酸化膜と、
前記金属酸化膜上に形成された、陽極として機能する第二の電極であって、前記基板及
び前記第一の電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有する前
記第二の電極とを含み、
前記金属化合物膜が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する。
適用例2の有機薄膜発光素子によれば、適用例1と同様に金属化合物層を有するものの
、適用例1と異なり、電子を輸送するための金属酸化膜(適用例1の第一の金属酸化物膜
に相当(例えば、高光触媒活性できる酸化チタン)。)であって高温の下で製造される必
要がある当該金属酸化膜を有しない。これにより、適用例2の有機薄膜発光素子は、適用
例1の有機薄膜発光素子より劣るものの、従来の発光素子よりも優れた効率で発光するこ
とが可能となり、しかも、適用例1の有機薄膜発光素子に比して低温の下で製造すること
が可能となり、かつ、適用例1の有機薄膜発光素子に比して大気保存安定性良く発光する
ことができ、即ち、適用例1の有機薄膜発光素子に比して長い時間発光することが可能と
なる。
[適用例3]
適用例3の有機薄膜発光素子は、適用例1、2の有機薄膜発光素子であって、
前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属が、炭酸セシウム、酸化セシウム、水酸化セ
シウムのうち少なくとも一つを含有する。
適用例3の有機薄膜発光素子によれば、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属が、
炭酸セシウム、酸化セシウム、水酸化セシウムのうち少なくとも一つを含有することによ
り、陽極として機能する第二の電極から注入される正孔を効率的にブロックすることから
、従来に比して発光効率を向上させることが可能となる。
[適用例4]
適用例4の有機薄膜発光素子は、適用例1の有機薄膜発光素子であって、
前記第一の金属酸化物膜が、チタンを含有する。
適用例4の有機薄膜発光素子によれば、前記第一の金属酸化物膜が、チタンを含有する
ことにより、陰極として機能する第一の電極から注入された電子を有機化合物膜へ効率的
に輸送することから、高い効率で発光することが可能となる。
[適用例5]
適用例5の有機薄膜発光素子は、適用例1の有機薄膜発光素子であって、
前記第二の金属酸化物膜が、モリブデンまたはバナジウムを含有する。
[適用例6]
適用例6の有機薄膜発光素子は、適用例2の有機薄膜発光素子であって、
前記金属酸化物膜が、モリブデンまたはバナジウムを含有する。
適用例5、6の有機薄膜発光素子によれば、第二の金属酸化物膜及び金属酸化物膜が、
モリブデンまたはバナジウムを含有することにより、前記第二の電極から注入された正孔
を有機化合物膜へ効率的に輸送することから、高い効率で発光することが可能となる。
[適用例7]
適用例7の有機薄膜発光素子は、適用例1、2の有機薄膜発光素子であって、
前記有機化合物膜が、ベンゾチアヂアゾール骨格を有する有機物を含む。
適用例7の有機薄膜発光素子によれば、前記有機化合物膜が、ベンゾチアヂアゾール骨
格を有する有機物を含むことにより、正孔を第二の金属酸化物膜に効率的に輸送すること
から、高い効率で発光することが可能となる。
[適用例8]
適用例8の有機薄膜発光素子は、適用例7の有機薄膜発光素子であって、
前記有機化合物膜が、高分子材料である。
適用例8の有機薄膜発光素子によれば、前記有機化合物膜が、高分子材料であることか
ら、発光効率をより一層高めることが可能となる。
[適用例9]
適用例9の表示装置は、適用例1〜適用例8の有機薄膜発光素子を備える。
適用例9の表示装置によれば、適用例1〜適用例8の有機薄膜発光素子を備えることに
より、従来に比して発光効率良く表示することが可能となる。
[適用例10]
適用例10の電子機器は、適用例9の表示装置を備える。
適用例10の電子機器によれば、適用例9の表示装置を備えることにより、当該電子機
器が有する機能を表示性良く提供することが可能となる。
[適用例11]
適用例11の有機薄膜発光素子の製造方法は、
基板上に陰極として機能する第一の電極を形成する工程と、
前記第一の電極上に第一の金属酸化膜を形成する工程と、
前記第一の金属酸化膜上に金属化合物膜を形成する工程と、
前記金属化合物膜上に有機化合物膜を形成する工程と、
前記有機化合物膜上に第二の金属酸化膜を形成する工程と、
前記第二の金属酸化膜上に陽極として機能する第二の電極であって、前記基板及び前記
第一の電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有する前記第二
の電極を形成する工程とを含み、
前記金属化合物膜を形成する工程は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する
化合物を形成する第一の工程と、当該形成されたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を
含有する化合物を大気に晒す第二の工程とからなる。
適用例11の有機薄膜発光素子の製造方法によれば、以下のような発光素子、即ち、前
記金属化合物層が、陽極として機能する第二の電極から注入され、かつ第二の金属層及び
有機化合物層を経た正孔をブロックすることにより、有機化合物層における正孔の濃度を
上昇させ、陰極、第一の金属酸化物層、及び金属化合物層を経て有機化合物層内へと電子
を引き込む力を強めることができ、この結果、有機化合物層内での正孔と電子とに再結合
を従来に比して効率的に行うことが可能な、即ち、従来に比して高効率に発光することが
可能な発光素子を製造することができる。
[適用例12]
適用例12の有機薄膜発光素子の製造方法は、
基板上に陰極として機能する第一の電極を形成する工程と、
前記第一の電極上に金属化合物膜を形成する工程と、
前記金属化合物膜上に有機化合物膜を形成する工程と、
前記有機化合物膜上に金属酸化膜を形成する工程と、
前記金属酸化膜上に陽極として機能する第二の電極であって、前記基板及び前記第一の
電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有する前記第二の電極
を形成する工程とを含み、
前記金属化合物膜を形成する工程は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する
化合物を形成する第一の工程と、当該形成されたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を
含有する化合物を大気に晒す第二の工程とからなる。
適用例12の有機薄膜発光素子の製造方法によれば、適用例11と同様に金属化合物層
を有するものの、適用例11と異なり、電子を輸送するための金属酸化膜(適用例11の
第一の金属酸化物膜に相当(例えば、酸化チタン)。)であって高温の下で製造される必
要がある当該金属酸化膜を有しない有機薄膜発光素子、換言すれば、適用例11の有機薄
膜発光素子より劣るものの、従来の発光素子よりも優れた効率で発光することが可能であ
り、かつ、適用例11の有機薄膜発光素子に比して大気保存安定性良く発光可能な、即ち
、適用例11の有機薄膜発光素子に比して長い時間発光可能な有機薄膜発光素子を、適用
例11の有機薄膜発光素子を製造するときの温度より低い温度の下で製造することが可能
となる。
[適用例13]
適用例13の有機薄膜発光素子の製造方法は、適用例11、12の有機薄膜発光素子の
製造方法であって、
前記第一の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物として
、炭酸セシウム、酸化セシウム、水酸化セシウムのうち少なくとも一つを用いる。
適用例13の有機薄膜発光素子の製造方法によれば、前記第一の工程が、前記アルカリ
金属またはアルカリ土類金属として、炭酸セシウム、酸化セシウム、水酸化セシウムのう
ち少なくとも一つを用いることにより、陽極として機能する第二の電極から注入される正
孔を効率的にブロックする有機薄膜発光素子を製造することができる。
[適用例14]
適用例14の有機薄膜発光素子の製造方法は、適用例11、12の有機薄膜発光素子の
製造方法であって、
前記第一の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物の形成
を真空蒸着により行う。
[適用例15]
適用例15の有機薄膜発光素子の製造方法は、適用例11、12の有機薄膜発光素子の
製造方法であって、
前記第二の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物を酸化
させる。
[適用例16]
適用例16の有機薄膜発光素子の製造方法は、適用例11、12の有機薄膜発光素子の
製造方法であって、
前記第二の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物を水と
反応させる。
[適用例17]
適用例17の有機薄膜発光素子の製造方法は、適用例11、12の有機薄膜発光素子の
製造方法であって、
前記第二の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物を、実
質的に、300K、1気圧、及び20%の酸素分圧であると認められる環境下に晒す。
以下、実施形態の有機薄膜発光素子、表示装置および電子機器について図面を参照して
説明する。
《発光素子》
図1は、実施形態の発光素子の実施形態の縦断面を模式的に示す図である。
図1に示す発光素子(エレクトロルミネッセンス素子)1は、基板2と、基板2上に形
成された陰極(第一の電極)3と、陰極3に対向する陽極(第二の電極)5とを有する。
発光素子1は、また、陰極3と陽極5との間(一対の電極間)に有機化合物層4が介挿さ
れ、さらに、有機化合物層4と陽極5との間に正孔注入性金属化合物層8が設けられ、有
機化合物層4と陰極3との間に電子注入性金属化合物層6が設けられ、さらに、有機化合
物層4と電子注入性金属化合物層6との間に、製膜後一定時間大気に放置することにより
作製される正孔ブロック性金属化合物層7が設けられている。
ここに封止構造は原理的には必要としない。しかしながら、電極の絶縁性を維持するな
どの意味合いから封止構造を用いても何ら支障はない。
基板2は、発光素子1の支持体となるものであり、さらにここでは陰極3が直接作製さ
れる支持体でもある。発光素子1は、光の取り出し方向を制限されるものではなく、基板
2側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)の場合と、基板2とは反対側の陽極
5から光を取り出す構成(トップエミッション型)の場合と、その両方が可能な場合(透
明型)の3つが考えられる。ボトムエミッション型の場合、基板2および陰極3は、それ
ぞれ、実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)であり、トップエミッション型
の場合、陽極5が透明であり、透明型の場合、基板2、陰極3、及び陽極5が透明である
基板2の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサル
フォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材
料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種
または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような基板2の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるの
が好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
なお、トップエミッション型の場合、基板2には、透明基板および不透明基板のいずれ
も用いることができる。
不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、
ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構
成された基板等が挙げられる。
本構造における陰極3は、通常の有機EL素子と異なり仕事関数を小さくするという制
約を受けない。つまり、仕事関数の大きな材料を用いることができ、大気下での安定性を
獲得するためにはその方が望ましい。その他に求められる特性としては、導電性に優れて
いること、そしてボトムエミッション型および透明型の場合、その透過性に優れているこ
とである。これらは陽極5においても同様であり、仕事関数が大きく、導電性に優れ、ト
ップエミッション型および透明型の場合、透過性に優れている材料を用いることが望まし
い。
陰極3および陽極5の構成材料としては、例えば、ITO(インジウム酸化錫)、IZ
O(インジウム酸化亜鉛)、FTO(フッ素酸化錫)、In23、SnO2、Sb含有S
nO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等
が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような陰極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるの
が好ましく、30〜150nm程度であるのがより好ましい。また、Au、Pt、Ag、
Cu等の不透過な材料を用いる場合でも、例えば平均厚さを10〜30nm程度にするこ
とで、ボトムエミッション型および透明型の陰極として使用することができる。
一方、陽極5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜10000nm程度であるの
が好ましく、30〜50nm程度であるのがより好ましい。また、Au、Pt、Ag、C
u等の不透過な材料を用いる場合でも、例えば平均厚さを10〜30nm程度にすること
で、トップエミッション型および透明型の陽極として使用することができる。
有機化合物層4は、発光を担う層であり、少なくとも発光材料を含む層である。それゆ
え、発光材料と正孔輸送性有機材料との混合もしくは積層でも構わない。発光材料の構成
材料としては、各種高分子の発光材料(高分子材料)、各種低分子の発光材料(低分子材
料)を単独または組み合わせて用いることができる。特に、ベンゾチアヂアゾール骨格(
以下、「BTユニット」と称する。)を有する有機材料が少なくとも1種類含まれている
ことがより好適である。BTユニットを用いないことも可能である。その場合は後述する
高分子材料、低分子材料をそれぞれ単独、混合して用いることができる。BTユニットを
有する有機材料には、ポリ(ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(
F8BT)、ポリ(N-ドデシル-2,5,-ビス(2’-チエニル)ピロール-2,1,3-ベ
ンゾチアヂアゾール)(PTPTB 文献:C.J.Brabec et.al., Adv.Func.Mater. 12,70
9,(2002) を参照)、4,7−ジフェニル−ベンゾ[1,2,5]チアヂアゾール (F1)、4
,7−ビス−ビェニル−4−イル−ベンゾ[1,2,5]チアヂアゾール (F2)、4,7−
ジ(4−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[1,2,5]チアヂアゾール (F3)、4,7−ビス
−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−ベンゾ[1,2,5] チアヂアゾール (F4)、
4,7−ジ(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−ベ
ンゾ[1,2,5]チアヂアゾール (F5)、4,7−ジ(4−(N,N−ジメチルアミノ)−フェ
ニル)−ベンゾ[1,2,5]チアヂアゾール (F6) (F1からF6 文献:Dmitry Aldakov e
t.al., Chem. Mater. 2005, 17, 5238-5241を参照)、4,7−ビス[5−(4’−トリ
フルオロメチルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2,5]チアヂアゾール (1)
((1) 文献:Takahiro Kono et.al.,Chem. Mater. 2007,19,1218-1220を参照)
、4,7−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2,1,3−ベンゾチアヂアゾール(2)
、4−(4−ジメチルアミノフェニル)−7−(4−ジフェニルアミノフェニル)−2,1,
3−ベンゾチアヂアゾール(3)、4,7−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)−2,1
,3−ベンゾチアヂアゾール(4)、4,7−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ]フェニル}−2,1,3−ベンゾチアヂアゾール(5)、4,7−ビス{4−[N−(2
−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−2,1,3−ベンゾチアヂアゾール(6)、
4,7−ビス(4’−ジフェニルアミノフェニル−4−イル)−2,1,3−ベンゾチアヂ
アゾール(7)、4,7−ビス{5−[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]−2−チエニル}−
2,1,3−ベンゾチアヂアゾール(8)、4,7−ビス{2−[4−(ジフェニルアミノ)フ
ェニル]エチニル}−2,1,3−ベンゾチアヂアゾール(9)、4,7−ビス{2−[4−(ジ
フェニルアミノ)フェニル]エチニル}−2,1,3−ベンゾチアヂアゾール(10)((2)か
ら(10) 文献:Shin-ichiro Kato et.al., Chem. Commun. ,2004,23422343を参照)
及びその誘導体、そして2,1,3−ベンゾチアヂアゾールが挙げられる。
BTユニットを用いる場合、他の有機材料と混合して用いることができる。具体的には
、電子デバイスとして機能する高分子材料(発光材料、電子輸送性材料、正孔輸送性有機
材料)若しくは低分子(発光材料、電子輸送性材料、正孔輸送性有機材料)等が挙げられ
る。これらに制限されることはない。
高分子の発光材料若しくは電子輸送性材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレ
ン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アル
キル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ
−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレ
ン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)
、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV
)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン
)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキ
ルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のような
ポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、ポリ(
ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)、α,ω−ビス[
N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘ
キシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル
−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)の
ようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−
ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合
物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポ
リ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS
)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が
挙げられる。
一方、低分子の発光材料若しくは電子輸送性材料としては、例えば、配位子に2,2’
−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸を持つ、3配位のイリジウム錯体、ファクトリス
(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、8−ヒドロキシキノリン
アルミニウム(Alq3)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III
)(Almq3)、8−ヒドロキシキノリン亜鉛(Znq2)、(1,10−フェナントロ
リン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3
−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)3(phen))、2,3,7,8
,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン プラチナム(
II)のような各種金属錯体、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼ
ン(DADSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタ
レン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロ
クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のよう
なペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリル
アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ
−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラ
ン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチル
ベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチ
オフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイ
ミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニ
レン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系
化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系
化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾー
ル系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シク
ロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナ
クリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン
のようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビ
フルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(H2Pc)、銅フタロシアニンのよ
うな金属または無金属のフタロシアニン系化合物等が挙げられる。
高分子の正孔輸送性有機材料としては、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−ア
リールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾ
ール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチ
オフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビ
ニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂または
その誘導体等が挙げられる。
また、上記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、
ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン
/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
一方、低分子材料の正孔輸送性有機材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パ
ラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミ
ノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物
、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェ
ニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)
、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェ
ニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキ
シフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ジ
(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
(α−NPD)のようなジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ
−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン
(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカル
バゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−
ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OxZのようなオキサ
ゾール系化合物、トリフェニルメタン、m−MTDATAのようなトリフェニルメタン系
化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラ
ゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリ
アゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジ
アゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾー
ルのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニ
トロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカ
ルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリア
ニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、1,4−ジチオケト−3,6−ジフ
ェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレン
のようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのような
ポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、
銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような
金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシ
アニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシア
ニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジ
ジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が
挙げられる。
この有機化合物層4の形成には、高分子材料を含む場合には、例えば、スピンコート法
、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロ
ールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリー
ン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を
用いることができる。スピンコート法等の場合は基板上全面に塗布した後、フォトリソグ
ラフィー等でパターニングを行う。また、インクジェット印刷法等では、周囲を隔壁で囲
まれた領域に滴下することで、所定の領域にのみ成膜できる。
この場合に用いられる溶媒には、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、
二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(
MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイ
ソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グ
リセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−
ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テ
トラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジ
グリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキ
サン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシ
レン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チ
オフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベ
ンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系
溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、
アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸
等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる
これらの中でも、溶媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエ
ン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオ
フェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合し
て用いることができる。
なお、分解せず成膜が可能ならば、高分子材料を含む材料であっても、以下の気相成膜
法を用いることもできる。
低分子材料の場合には、真空蒸着法等の気相成膜法を用いることができる。混合物の場
合は共蒸着等の気相成膜法を用いる。塗布法により、結晶化等せずに良好な薄膜が形成さ
れるときは、上記塗布法も用いることができる。有機化合物層4の膜厚は特に限定されな
いが、電子デバイスの種類により、最適な値にすることができる。
このような有機化合物層4の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度
であるのが好ましく、40〜100nm程度であるのがより好ましい。
有機化合物層4は、正孔注入性金属化合物層8から注入された正孔を輸送するとともに
、電子注入性金属化合物層6から製膜後一定時間大気に放置することにより作製される正
孔ブロック性金属化合物層7を経由して電子を受け取る。そして正孔と電子とが再結合し
、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキ
シトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。この時、
より高効率に正孔と電子とを再結合させ、電子注入性金属化合物層6上での有機化合物層
4の化学的劣化を防ぐことを目的とし、正孔ブロック性金属化合物層7は配置される。
これらの中でも、有機化合物層4の構成材料としては、高分子の発光材料を主とするも
のが好ましい。液相プロセスにより製膜が可能な高分子材料は、高価な装置を必要とせず
、より低エネルギーで作製できる。
電子注入性金属化合物層6は陰極3より電子を注入し有機化合物層4へと輸送する。こ
のような電子注入性金属化合物層6を構成する金属酸化物としては、伝導バンドのエネル
ギー準位が高いものが好ましく、特に限定されないが、酸化チタン(TiO2)、酸化亜
鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化二オブ(Nb25)、酸化鉄(Fe2
3)等があげられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせ用いることができる。
この電子注入性金属化合物層6の成膜方法については、特に制限されるものではなく、
気相成膜法であるプラズマCVD、熱CVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)
、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射法、そして
液相成膜法である電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、ゾル・ゲル
法、MOD法、スプレイ熱分解法、微粒子分散液を用いたドクターブレイド法、スピンコ
ート法、インクジェット法、スクリーンプリンティング法などの印刷技術を用いることが
できる。本構造では、スプレイ熱分解法を用いた。
このような電子注入性金属化合物層6の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100
0nm程度であるのが好ましく、20〜200nm程度であるのがより好ましい。
正孔ブロック性金属化合物層7は、陽極5より正孔注入性金属化合物層8を経由して有
機化合物層4に注入された大量の正孔をブロックし、有機化合物層4で効率よく電子と再
結合させるものである。この正孔ブロック性金属化合物層7には、大気下で安定に存在す
る絶縁性の薄膜が好ましい。
このような正孔ブロック性金属化合物層7を構成する金属化合物としては、エネルギー
ギャップの広いものが好ましく、特に限定されないが、酸化セシウム(Cs2O)、酸化カル
シウム(CaO)などアルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物やその他の金属酸化物
が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせ用いることができる。
ここでは、大気下での高安定性が第一条件であるため、大気下で平衡状態近くまで放置
することでその材料を作製した。その時間は、15分以上24時間未満である。さらに、
ここでは、より安価に安全に所望の薄膜を作製するために炭酸化合物を用いた。炭酸化合
物は、製膜時もしくは製膜後大気下で金属酸化物に変化する。さらに金属によっては金属
水酸化物まで変化する。その程度は、放置する環境に依存する。つまり、素子を大気下で
放置して、劣化していく過程を素子作製中にすでに取り入れていることになる。これによ
り、素子化後の水分および酸素による化学変化がもたらす空隙などの界面の変化を回避も
しくは軽減でき、素子の長寿命化につながると考えられる。膜厚は、正孔をブロックし、
かつ電子を注入する機能が必要なため、1〜50nmが好適であり、特に5〜30nmが
より好適である。
このような正孔ブロック性金属化合物層7の成膜方法については、特に制限されるもの
ではなく、気相成膜法であるプラズマCVD、熱CVD、レーザーCVD等の化学蒸着法
(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射
法、そして液相成膜法である電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、
ゾル・ゲル法、MOD法、スプレイ熱分解法、微粒子分散液を用いたドクターブレイド法
、スピンコート法、インクジェット法、スクリーンプリンティング法などの印刷技術を用
いることができる。本構造では、真空蒸着法を用いた。
このような正孔ブロック性金属化合物層7の平均厚さは、特に限定されないが、1〜1
00nm程度であるのが好ましく、5〜20nm程度であるのがより好ましい。
正孔注入性金属化合物層8は陽極5より正孔を注入し有機化合物層4へと輸送する。こ
のような正孔注入性金属化合物層8を構成する金属酸化物としては、仕事関数が大きな化
合物が好ましく、特に限定されないが、例えば、酸化バナジウム(V25)、酸化モリブ
テン(MoO3)、酸化ルテニウム(RuO2)等が挙げられ、これらのうちの1種または
2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、特に、酸化バナジウムもしくは酸化モリブテンを主成分とするものが
好適である。酸化バナジウムもしくは酸化モリブテンを主材料として構成することにより
、正孔注入性金属化合物層8を前述した能力に特に優れたものとすることができる。
この正孔注入性金属化合物層8の成膜方法については、特に制限されるものではなく、
気相成膜法であるプラズマCVD、熱CVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)
、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射法、そして
液相成膜法である電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、ゾル・ゲル
法、MOD法、スプレイ熱分解法、微粒子分散液を用いたドクターブレイド法、スピンコ
ート法、インクジェット法、スクリーンプリンティング法などの印刷技術を用いることが
できる。本構造では、真空蒸着法を用いた。
このような正孔注入性金属化合物層8の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100
0nm程度であるのが好ましく、5〜50nm程度であるのがより好ましい。
本構造では特に必要としないが、封止構造の構成材料としては、一般的に用いられる封
止材料を用いることができる。例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれ
らを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。
要約すれば、有機化合物層4と陰極3の間、そして有機化合物層4と陽極5の間に、金
属化合物を設け、さらに主たるキャリア、即ち、正孔を有機化合物層4にとどめるために
ブロック層を挿入し、それを大気下で放置することにより作製したことに特徴とする。
有機化合物層4と陰極3の間の電子注入性金属化合物層6は、陰極3自身に大気安定な
仕事関数の大きな材料を用いることを可能にした。通常、電子注入のために仕事関数の小
さい材料を陰極に使用する必要があるところを、その内部の電子注入部に、伝導バンドの
エネルギー準位の高い、既に酸化した金属酸化物を用いることで、大気下での安定な電子
注入を実現したものである。そのため、陰極3と金属酸化物(電子注入性金属化合物層6
)との十分な電気的、物理的接触が必要であり、そのため、一例として基板2側に陰極3
を配する構造をとった。これにより、十分な温度等のプロセスを与えることができる。そ
の観点からは、以下の実施例で示す金属酸化物系導電材料を陰極3とし、その上に例えば
熱分解法などの電極との接触を十分にとれる過程が含まれる工程により作製されることが
より好ましい。もちろんその他の方法でも可能である。
有機化合物層4と陽極5の間の正孔注入性金属化合物層8は、大気下でより安定な素子
を実現するため、ここでも金属化合物層、特に金属酸化物層を用いた。ここでは、有機化
合物層4と正孔注入性金属酸化物層8との電気的、物理的接触を確実なものにするため、
プロセス上の観点から気相成膜法を用いることがより好ましい。もちろんその他の方法で
も可能である。
加えて、有機化合物層4と電子注入性金属化合物層6の間に、正孔ブロック性金属化合
物層7として、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸化合物薄膜を大気下で放置
することにより、その環境において平衡状態に達した金属化合物薄膜を用いた。ここでは
、上記二つの特徴で達成した大気下での安定かつ効率的な発光をさらに高効率、高安定な
ものにした。具体的には、過剰な正孔が陰極3に抜けることを防ぐと共に、有機化合物層
4/電子注入性金属化合物層6界面で発生しやすい酸化および水分による物理的電気的接
触の不良を改善するものである。
これら三つの特徴により、電子は大気安定な陰極3から、正孔も大気安定な陽極5から
有機化合物層4に注入される。
《製造方法》
このような発光素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。以下では、
有機化合物層4を、高分子材料を主材料として構成する場合を代表に説明する。
[1] まず、基板2を用意し、この基板2上に陰極3を形成する。陰極3は、例えば
、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、ス
パッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射法のような気相成膜法、電
解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、ゾル・ゲル法、MOD法のよう
な液相成膜法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。FTOはスパッタ法が難
しく、CVD法やスプレイ熱分解法が用いられる。
[2] 次に、陰極3上に電子注入性金属化合物層6を形成する。電子注入性金属化合
物層6は、例えば、前述のような気相成膜法や液相成膜法等を用いて形成することができ
る。これらの中でも、電子注入性金属化合物層6は、液相成膜法のスプレイ熱分解法を用
いて形成するのがより好ましい。スプレイ熱分解法によれば、電子注入性金属化合物層6
をより緻密にかつ陰極3との接触よく形成することができ、その結果、前述したような効
果がより顕著なものとなる。
[3] 次に、電子注入性金属化合物層6上に正孔ブロック性金属化合物層7を形成す
る。正孔ブロック性金属化合物層7は、例えば、前述のような気相成膜法や液相成膜法等
を用いて形成することができる。これらの中でも、正孔ブロック性金属化合物層7は、簡
便な方法である真空蒸着法で形成するのがより好ましい。また、作製方法として、ここで
は、大気と平衡状態になった金属化合物を用いるために、大気放置を行う。放置時間とし
ては、15分程度から24時間程度が適当であるが、特に1時間程度から12時間程度が
最適である。放置する環境は、今後素子が放置される環境に近い状態であれば特に問わな
い。ここでは、安全かつ安価な材料として、直接、金属や金属酸化物を用いるのではなく
、変化しても安全で扱いが簡単な炭酸化物を用いる。その結果、前述したような効果がよ
り顕著なものとなる。
[4] 次に、正孔ブロック性金属化合物層7の上面に、有機化合物層4としてBTユ
ニットを含んだ発光性の高分子材料を形成する。もちろん、この中に正孔輸送性材料を混
ぜることも可能であり、先に発光性高分子材料を形成しておき、その上に正孔輸送材料を
形成する積層も可能である。また、BTユニットを含む材料を混ぜることも可能である。
ここでは単層成膜の例を示す。積層はこれを繰り返すことによって実現できる。
まず、有機化合物層4を構成する高分子材料を溶媒(液状媒体)に溶解して液状材料を
調製する。溶媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭
素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)
、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピ
ルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン
等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキ
シエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒド
ロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)
、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペ
ンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン
、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベンゼン、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢
酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロ
ニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機
酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
これらの中でも、溶媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエ
ン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオ
フェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合し
て用いることができる。
次に、この液状材料を電子注入性金属化合物層6上に供給して、液状被膜を形成する。
この液状材料の供給方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイク
ログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバー
コート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、
オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。かかる
塗布法によれば、液状被膜を比較的容易に形成することができる。
次に、液状被膜中から溶媒を除去する。
[5] 次に、有機化合物層4の上に、正孔注入性金属化合物層8を形成する。正孔注
入性金属化合物層8は、例えば、前述のような気相成膜法や液相成膜法等を用いて形成す
ることができる。
これらの中でも、正孔注入性金属化合物層8は、気相成膜法を用いて形成するのがより
好ましい。気相成膜法によれば、有機化合物層4の表面を壊すことなく清浄にかつ陽極5
と接触よく形成することができ、その結果、前述したような効果がより顕著なものとなる
[6] 次に、最終工程として正孔注入性金属化合物層8上に陽極5を形成する。陽極
5は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合等を用いて形成することが
できる。以上により、実施形態の発光素子1の製造は、完了する。もし行うのであれば、
この後封止工程を行えばよい。
(実施例)
次に、実施例の発光素子について説明する。
〈1.発光素子の製造〉
(実施例1)
[1] まず、米国Hartford Glass社で市販されている平均厚さ2.3mmのFTO付
き透明ガラス基板(基板2)を用意した。
[2] 次に、FTO電極(陰極)3を亜鉛粉末と4N塩酸によりエッチングし、パタ
ーン形成を行った。
[3] 次に、このFTO電極3上に、スプレイ熱分解法により、平均厚さ100nm
の酸化チタン(TiO2)層(電子注入性金属化合物層6)を形成した(Journal of Euro
pean Ceramic Society 19,p903(1999)もしくはCeramic Trans.109,p473(2000)などを参照
)。ここでは、ジイソプロポキシ・ビスアセチルアセトナトチタニウム溶液とエタノール
を質量比1:10で混合し、450℃で過熱された[2]記載のFTO電極3上にスプレ
イ塗布した。
[4] 次に、このスプレイ熱分解法により作製された酸化チタン層の上に、平均厚さ
20nmのセシウム化合物層を真空蒸着法により形成した。その後、大気下(25℃、5
0RH%)に12時間放置した。結果として、炭酸セシウム、酸化セシウム層、水酸化セ
シウムを含み得る正孔ブロック性金属化合物7が形成された。
[5] 次に、ADS社製ポリフルオレン誘導体ADS133YEを1.0wt%でキ
シレンに溶解させ、上記正孔ブロック性金属化合物7上に、スピンコート法(1000r
pm)により塗布した後、乾燥させた。なお、液状材料の乾燥条件は、大気化、室温とし
た。これで有機化合物層4が完成する。
[6] ここからの正孔注入性金属化合物層8の作製と陽極5の作製工程は、真空蒸着
機内で行う。ここで、有機化合物層4の上に酸化モリブテン(MoO3)層(正孔注入性
金属化合物層8)を平均厚さ5nmで蒸着した。
[7]の連続工程で、平均厚さ40nmで金(Au)(陽極5)を蒸着した。
(実施例2)
前記工程[3]を省略する。それ以外は全て実施例1と同様に発光素子1を作製した。
実施例1の発光素子1を示す図1と、実施例2の発光素子1を示す図2との比較から明ら
かであるように、実施例2の発光素子1は、電子注入性金属化合物層6(図1に図示)の
みが存在しない発光素子である。
(比較例1)
比較例1として、即ち、従来の発光素子として、前記工程[4]を省略した以外は実施
例1と同様である発光素子を製造した。つまり、比較例1の発光素子は、電子注入性金属
化合物層6のみがない発光素子である。
〈2.評価〉
各実施例および比較例で製造した発光素子について、それぞれ、初期の発光効率および
500時間大気放置後の発光効率の評価を行った。この発光効率の評価は、直流電源によ
り、0Vから6Vに電圧を印加し、電流値を測定し、輝度を輝度計により測定することで
行った。
その結果を、それぞれ、図3および図4に示す。図3に示すように、各実施例の発光素
子は、いずれも、比較例(特開2007-53286号公報で報告した未封止で大気安定な発光素子
)の発光素子に比べて、発光効率および輝度に優れるものであった。特に実施例1は劇的
な改善である。実施例2においても、高電圧下では上回っており、酸化チタン層を作製す
る際の高温プロセスを持たない点を加味すると総合的に大きな改善と言える。比較例1の
データは、特開2007-53286号公報で報告したものを用いた。
もう少し具体的に見ると、実施例1については、発光効率および輝度共に10倍以上向
上している。これは、これまで再結合せずに他方の電極に抜けていたキャリア、即ち、正
孔が新規に導入された”大気放置により作製させる正孔ブロック性金属化合物層7”によ
りブロックされ、有効に利用されたものと考えられる。この結果、ここには示さないが通
電寿命も1.5倍から2倍程度向上している。実施例2に関しても同様である。そもそも
電子注入能の低いFTOから低電圧で電子注入が実現しているのは、”大気放置により作
製させる正孔ブロック性金属化合物層7”で正孔がブロックされ蓄積されたものによる局
所的電場による引き込みと考えられる。これにより、プラスチック基板の利用が容易にな
った。
また、図4では各実施例および比較例の未封止の素子を500時間大気下で放置した後
の効率について示した。比較例1では、0〜6Vの範囲で発光を確認することができなか
った。一方、実施例1および2は、わずかなしきい値電圧の上昇は見られるものの発光は
確認できた。これにより未封止での大気安定かつ高発光効率の発光素子1の実現が確認さ
れた。なお、ここには示さないが、正孔注入性金属酸化物層8として酸化モリブテンを用
いた実施例2は実施例1と同等の結果を得た。
《表示装置》
上述した実施形態の発光素子1は、例えば光源等として使用することができる。また、
複数の発光素子1をマトリックス状に配置することにより、ディスプレイ装置(実施形態
の表示装置)を構成することができる。
なお、ディスプレイ装置の駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリック
ス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
次に、実施形態の表示装置を適用したディスプレイ装置の一例について説明する。
図5は、実施形態の表示装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図で
ある。図5に示すディスプレイ装置10は、基体20と、この基体20上に設けられた複
数の発光素子1とで構成されている。
基体20は、基板21と、この基板21上に形成された回路部22とを有している。
回路部22は、基板21上に形成された、例えば酸化シリコン層からなる保護層23と
、保護層23上に形成された駆動用TFT(スイッチング素子)24と、第1層間絶縁層
25と、第2層間絶縁層26とを有している。
駆動用TFT24は、シリコンからなる半導体層241と、半導体層241上に形成さ
れたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソ
ース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
このような回路部22上に、各駆動用TFT24に対応して、それぞれ、発光素子1が
設けられている。また、隣接する発光素子1同士は、第1隔壁部31および第2隔壁部3
2により区画されている。
本実施形態では、各発光素子1の陰極3およびその上に作製された電子注入性金属酸化
物層6は、画素電極を構成し、各駆動用TFT24のドレイン電極245に配線27によ
り電気的に接続されている。また、各発光素子1の陽極5とその下に作製された正孔注入
性金属酸化物層8は、共通とされている。
ディスプレイ装置10は、単色表示であってもよく、各発光素子1に用いる発光材料を
選択することにより、カラー表示も可能である。このようなディスプレイ装置10(本発
明の表示装置)は、各種の電子機器に組み込むことができる。
《電子機器》
図6は、実施形態電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコン
ピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本
体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット
1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部
が前述のディスプレイ装置10で構成されている。
図7は、実施形態の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視
図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204
および送話口1206とともに、表示部を備えている。携帯電話機1200において、こ
の表示部が前述のディスプレイ装置10で構成されている。
図8は、実施形態の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図で
ある。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、
ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)
などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表
示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体
を電子画像として表示するファインダとして機能する。ディジタルスチルカメラ1300
において、この表示部が前述のディスプレイ装置10で構成されている。
ケース1302の内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板130
8は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。また、ケース1302の
正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受
光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると
、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビ
デオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。
そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デー
タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ(PC)1440が、それぞ
れ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格
納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力
される構成になっている。
なお、実施形態の電子機器は、図6のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナル
コンピュータ)、図7の携帯電話機、図8のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、
テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、
ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳
(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークス
テーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネル
を備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(
例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置
)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フラ
イトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用す
ることができる。
以上、実施形態の発光素子、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説
明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
実施例1の発光素子の縦断面を模式的に示す図である。 実施例2の発光素子の縦断面を模式的に示す図である。 各実施例および比較例1で製造された未封止発光素子に対して、初期の発光効率および輝度の評価を行った結果を示すグラフである。 各実施例および比較例1で製造された未封止発光素子に対して、500時間大気放置後の発光効率の評価を行った結果を示すグラフである。 実施形態の表示装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。 実施形態の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 実施形態の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 実施形態の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…発光素子、2…基板、3…陰極、4…有機化合物層、5…陽極、6…電子注入性金
属化合物層、7…大気放置により作製される正孔ブロック性金属化合物層、8…正孔注入
性金属化合物層、10…ディスプレイ装置、20…基体、21…基板、22…回路部、2
3…保護層、24…駆動用TFT、241…半導体層、242……ゲート絶縁層、243
…ゲート電極、244…ソース電極、245…ドレイン電極、25…第1層間絶縁層、2
6…第2層間絶縁層、27…配線、31…第1隔壁部、32…第2隔壁部、1100…パ
ーソナルコンピュータ、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニ
ット、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送
話口、1300‥ディジタルスチルカメラ、1302…ケース(ボディー)、1304…
受光ユニット、1306…シャッタボタン、1308…回路基板、1312…ビデオ信号
出力端子、1314…データ通信用の入出力端子、1430…テレビモニタ、1440…
パーソナルコンピュータ。

Claims (17)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された、陰極として機能する第一の電極と、
    前記第一の電極上に形成された第一の金属酸化膜と、
    前記第一の金属酸化膜上に形成された金属化合物膜と、
    前記金属化合物膜上に形成された有機化合物膜と、
    前記有機化合物膜上に形成された第二の金属酸化膜と、
    前記第二の金属酸化膜上に形成された、陽極として機能する第二の電極であって、前記
    基板及び前記第一の電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有
    する前記第二の電極とを含み、
    前記金属化合物膜が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有することを特徴とす
    る有機薄膜発光素子。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成された、陰極として機能する第一の電極と、
    前記第一の電極上に形成された金属化合物膜と、
    前記金属化合物膜上に形成された有機化合物膜と、
    前記有機化合物膜上に形成された金属酸化膜と、
    前記金属酸化膜上に形成された、陽極として機能する第二の電極であって、前記基板及
    び前記第一の電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有する前
    記第二の電極とを含み、
    前記金属化合物膜が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有することを特徴とす
    る有機薄膜発光素子。
  3. 前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属が、炭酸セシウム、酸化セシウム、水酸化セ
    シウムのうち少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1、2記載の有機薄膜発
    光素子。
  4. 前記第一の金属酸化物膜が、チタンを含有することを特徴とする請求項1記載の有機薄
    膜発光素子。
  5. 前記第二の金属酸化物膜が、モリブデンまたはバナジウムを含有することを特徴とする
    請求項1記載の有機薄膜発光素子。
  6. 前記金属酸化物膜が、モリブデンまたはバナジウムを含有することを特徴とする請求項
    2記載の有機薄膜発光素子。
  7. 前記有機化合物膜が、ベンゾチアヂアゾール骨格を有する有機物を含むことを特徴とす
    る請求項1、2記載の有機薄膜発光素子。
  8. 前記有機化合物膜が、高分子材料であることを特徴とする請求項7記載の有機薄膜発光
    素子。
  9. 請求項1乃至8記載の有機薄膜発光素子を備えることを特徴とする表示装置。
  10. 請求項9記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
  11. 基板上に陰極として機能する第一の電極を形成する工程と、
    前記第一の電極上に第一の金属酸化膜を形成する工程と、
    前記第一の金属酸化膜上に金属化合物膜を形成する工程と、
    前記金属化合物膜上に有機化合物膜を形成する工程と、
    前記有機化合物膜上に第二の金属酸化膜を形成する工程と、
    前記第二の金属酸化膜上に陽極として機能する第二の電極であって、前記基板及び前記
    第一の電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有する前記第二
    の電極を形成する工程とを含み、
    前記金属化合物膜を形成する工程は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する
    化合物を形成する第一の工程と、当該形成されたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を
    含有する化合物を大気に晒す第二の工程とからなることを特徴とする有機薄膜発光素子の
    製造方法。
  12. 基板上に陰極として機能する第一の電極を形成する工程と、
    前記第一の電極上に金属化合物膜を形成する工程と、
    前記金属化合物膜上に有機化合物膜を形成する工程と、
    前記有機化合物膜上に金属酸化膜を形成する工程と、
    前記金属酸化膜上に陽極として機能する第二の電極であって、前記基板及び前記第一の
    電極、又は、当該第二の電極のうちの少なくとも一方が光透過性を有する前記第二の電極
    を形成する工程とを含み、
    前記金属化合物膜を形成する工程は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する
    化合物を形成する第一の工程と、当該形成されたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を
    含有する化合物を大気に晒す第二の工程とからなることを特徴とする有機薄膜発光素子の
    製造方法。
  13. 前記第一の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物として
    、炭酸セシウム、酸化セシウム、水酸化セシウムのうち少なくとも一つを用いることを特
    徴とする請求項11、12記載の有機薄膜発光素子の製造方法。
  14. 前記第一の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物の形成
    を真空蒸着により行うことを特徴とする請求項11、12記載の有機薄膜発光素子の製造
    方法。
  15. 前記第二の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物を酸化
    させることを特徴とする請求項11、12記載の有機薄膜発光素子の製造方法。
  16. 前記第二の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物を水と
    反応させることを特徴とする請求項11、12記載の有機薄膜発光素子の製造方法。
  17. 前記第二の工程は、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する化合物を、実
    質的に、300K、1気圧、及び20%の酸素分圧であると認められる環境下に晒すこと
    を特徴とする請求項11、12記載の有機薄膜発光素子の製造方法。
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