JP2009072006A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導電動機の制御装置において、定常状態だけでなく過渡状態においてもトルク制御の高精度化、高応答化を実現する。
【解決手段】誘導電動機内部の磁束が電圧や電流の変化に対して一定であるという仮定に基づいて、電圧指令を生成する手段が、誘導電動機内部の磁束方向の励磁電流と前記磁束方向に直交するトルク電流の干渉を考慮して、指令値に追従するように電流制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘導電動機の制御装置に関する。以下の説明では、鉄道車両用誘導電動機を例としているが、本発明の一適用例を示すものであり、本発明の適用範囲を限定するものではない。
産業分野における交流電動機の制御方式として、ベクトル制御が広く適用されている。ベクトル制御では、交流電動機内部の磁束と同期して回転する座標系(以下、回転座標系という)を定義し、回転座標系上で、電流、電圧、磁束を表現する。これにより、交流量である電流、電圧、磁束を直流量として扱うことが可能となる。さらに電流を磁束方向成分(以下、励磁電流という)と磁束方向に直交する成分(以下、トルク電流という)に座標変換し、励磁電流を一定に保持することで、直流電動機と同様にトルクと電流の比例関係を成立させ、トルク制御の高精度化、高応答化を実現する方式である。
交流電動機のベクトル制御に関する従来技術として、交流電動機の制御装置が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の交流電動機の制御装置では、永久磁石型同期電動機の電流と電圧の関係を用いて、励磁電流が励磁電流に対する指令値(以下、励磁電流指令という)に追従するように、また、トルク電流がトルク電流に対する指令値(以下、トルク電流指令という)に追従するようにインバータ装置に対する電圧指令を生成する。
特開2005−39912号公報
特許文献1は永久磁石型同期電動機を対象とした構成となっており、電動機内の磁束が一定であることが前提となっている。永久磁石型同期電動機では、電流と電圧の関係式は式(1)となる。
Figure 2009072006
ここで、R1:固定子の抵抗、Ld:d軸方向のインダクタンス、Lq:q軸方向のインダクタンス、Ke:誘起電圧定数、Id’:励磁電流、Iq’:トルク電流、Vd’:d軸電圧、Vq’:q軸電圧、ωinv:周波数指令、s:微分演算子である。
前述のように永久磁石型同期電動機では、磁束が一定であるので、式(1)においてKeは定数となる。そのため、励磁電流およびトルク電流がそれぞれΔId’、ΔIq’だけ変化したときのd軸電圧およびq軸電圧の変化ΔVd’、ΔVq’は式(2)となる。
Figure 2009072006
このように、永久磁石型同期電動機の場合、電流変と電圧変化の関係を簡易な形で表現することができるため、式(2)に基づいて、励磁電流およびトルク電流の干渉を考慮した電流制御手段を構成することでトルク制御の高精度化、高応答化が実現できる。
一方、鉄道車両に広く用いられている誘導電動機では、電動機に電流を流すことで磁束を発生させるため、電流、電圧の変化だけでなく磁束の変化も考慮する必要がある。誘導電動機における電流、電圧、磁束の関係式は式(3)となる。また、電流の変化と電圧、磁束の変化の関係は式(4)となる。
Figure 2009072006
Figure 2009072006
ここで、Rσ:1次換算抵抗、lσ:1次換算漏れインダクタンス、L2:2次自己インダクタンス、R2:回転子の抵抗、M:相互インダクタンス、Id:励磁電流、Iq:トルク電流、Vd:d軸電圧、Vq:q軸電圧、φd:d軸磁束、ΔId:励磁電流の変化分、ΔIq:トルク電流の変化分、ΔVd:d軸電圧の変化分、ΔVq:q軸電圧の変化分、Δφd:d軸磁束の変化分、ωinv:周波数指令、ωr:誘導電動機の回転速度、s:微分演算子である。
誘導電動機では式(4)右辺の第3項のように磁束の変化を考慮する必要があり、電流の変化分と電圧の変化分の関係が複雑になる。そのため、前記特許文献1のように、励磁電流およびトルク電流の干渉を考慮した電流制御手段を容易に構成することができず、トルク制御の高精度化、高応答化が困難であった。
定常状態においては、誘導電動機内部の磁束は一定とみなせるが、過渡状態においては、励磁電流およびトルク電流の干渉が発生し、磁束および電流が変動する。そのため、過渡状態におけるトルク制御の高精度化、高応答化を実現するためには、励磁電流およびトルク電流の干渉を考慮した電流制御手段を構成する必要がある。
本発明の課題は、誘導電動機の制御装置において、定常状態だけでなく過渡状態においてもトルク制御の高精度化、高応答化を実現することである。
本発明による誘導電動機の制御装置は、受電フィルタを介して直流電源に接続され、少なくとも1台以上の誘導電動機を駆動するインバータ装置に対して電圧指令を生成する手段を有し、前記電圧指令を生成する手段は、前記誘導電動機内部の磁束が一定であるという仮定に基づいて、前記誘導電動機内部の磁束方向の電流と前記磁束方向に直交する電流の干渉を考慮して、前記磁束方向の電流が前記磁束方向の電流に対する第1の指令値に追従するように、また、前記磁束方向に直交する電流が前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値に追従するように、電流制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、励磁電流およびトルク電流の干渉を考慮した電流制御を行うことができるため、定常状態だけでなく過渡状態においてもトルク制御の高精度化、高応答化が実現できる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の誘導電動機の制御装置における第1実施例を図1から図4を用いて説明する。
図1(a)は、本発明を適用した誘導電動機の制御装置を示す図である。図1(a)において、インバータ装置3は、受電フィルタ2を介して、直流電源1と接続され、直流電力を3相交流電力に変換する。誘導電動機4は、前記インバータ装置3から出力される3相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。制御装置5は、前記インバータ装置3に対する電圧指令を出力する。
また、図1(b)は、誘導電動機におけるd軸干渉項(式(3)第1式の右辺第2項)およびq軸干渉項(式(3)第2式の右辺第2項)と磁束の応答を示す図である。図1(b)において、横軸は時間を表し、縦軸はd軸干渉項、q軸干渉項および磁束の大きさを表す。また、太線および細線は、それぞれd軸干渉項、q軸干渉項および磁束のステップ応答を示す。
式(3)のように,誘導電動機内部で発生するd軸q軸の干渉は、励磁電流およびトルク電流によって発生するd軸干渉項、q軸干渉項と磁束によって発生する干渉項(式(3)の右辺第3項)に分類できる。
d軸干渉項およびq軸干渉項と磁束の応答を比較すると,例えば鉄道車両用誘導電動機では、電圧に対する電流の応答時間Tiは10ms程度であるのに対して、電流に対する磁束の応答時間Tfは200ms〜600ms程度であり、20倍以上遅いという特徴がある。そのため、電流の応答時間Tiに対して磁束はほとんど変化しないとみなすことができる。
そこで、電流の変化に対して、磁束は一定(図1(b)の破線)であると仮定する。この仮定を式(4)に用いることで、電流変化と電圧変化の関係を式(5)のように表現することができる。
Figure 2009072006
ここで、Rσ:1次換算抵抗、lσ:1次換算漏れインダクタンス、ΔId:励磁電流の変化分、ΔIq:トルク電流の変化分、ΔVd:d軸電圧の変化分、ΔVq:q軸電圧の変化分、ωinv:電圧指令の周波数成分、s:微分演算子である。
式(5)の関係に基づいて、励磁電流およびトルク電流の干渉を考慮して電流制御を行うことで、トルク制御の高精度化、高応答化が実現できる。また、本発明は、過渡状態だけでなく定常状態においても適用可能である。本発明は、鉄道車両用誘導電動機を例に説明したが、TiおよびTfは電動機定数によって決定するものであり、Tiに対してTfが十分に大きく電流の変化に対して磁束が変動しないとみなせる誘導電動機であれば鉄道車両用以外の誘導電動機に対しても適用可能である。
電流制御の演算周期と磁束の関係を図2に示す。図2において、横軸は時間を示し、縦軸は磁束の大きさを示す。また、実線は誘導電動機内部の磁束を示し、破線は、電流制御で使用する磁束を示す。
磁束は、励磁電流に対して電動機定数によって決定する応答時間分遅れて変化する。そのため、電流制御に用いる磁束は、図2の実線のように、励磁電流指令と電動機定数に基づいて誘導電動機内部の磁束を推定し、電流制御の演算に用いる場合は、図2の破線のように、一点鎖線で区切られた電流制御の演算周期ごとに一定とするのがよい。
一定とする値は、演算周期の終了時間T1における励磁電流指令と電動機定数に基づいて推定した磁束の値とするのがよい。これは、例えば電流制御では演算周期ごとに開始時間T0から終了時間T1にかけて電流が指令値に収束するためである。
本発明の具体的な構成例を図3に示す。図3において、後述する電流制御手段9(一点差線で囲まれた部分)が本発明の特徴である電流制御を実施する手段である。ほかの構成については、一構成例を示すものであって、その構成および手段を限定するものではない。
インバータ装置3は、ノイズ除去のための受電フィルタ2を介して直流電源1と接続され、直流電力を3相交流電力に変換する。誘導電動機4は、前記インバータ装置3から出力される3相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。制御装置5は、前記インバータ装置に対する交流電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を出力する。
前記制御装置5は、電圧ベクトル演算手段6と、第1の減算器7と、第2の減算器8と、電流制御手段9と、第1の加算器10と第2の加算器11と、座標変換手段12から構成される。
前記電圧ベクトル演算手段6は、第1の励磁電流指令Id*と、第1のトルク電流指令Iq*と、前記誘導電動機4の回転速度ωrと、前記インバータ装置3に対する周波数指令ωinvと、電動機定数に基づいて、第1のd軸電圧指令Vd*および第1のq軸電圧指令Vq*を演算する。演算式は、式(6)となる。
Figure 2009072006
ここで、Id*:前記第1の励磁電流指令、Iq*:前記第1のトルク電流指令、Vd*:前記第1のd軸電圧指令、Vq*:前記第1のq軸電圧指令、Rσ:1次換算抵抗、lσ:1次換算漏れインダクタンス、L2:2次自己インダクタンス、R2:回転子の抵抗、T2:2次時定数、M:相互インダクタンス、φd:d軸磁束、ωinv:周波数指令、ωr:前記誘導電動機4の回転速度、s:微分演算子である。
第1の減算器7は、前記第1の励磁電流指令Id*から励磁電流Idを減算して、励磁電流偏差ΔIdを演算する。第2の減算器8は、前記第1のトルク電流指令Iq*からトルク電流Iqを減算して、トルク電流偏差ΔIqを演算する。
電流制御手段9は、前記第1の減算器7から出力される前記励磁電流偏差ΔIdと、前記第2の減算器8から出力される前記トルク電流偏差ΔIqと、前記周波数指令ωinvと、電動機定数に基づいて、第2のd軸電圧指令ΔVd*および第2のq軸電圧指令ΔVq*を演算する。
前記電流制御手段9は、前述の式(5)に基づいて、式(7)のように構成する。このとき、前記励磁電流偏差ΔIdの積分値ΔId/sと前記トルク電流偏差ΔIqの積分値ΔIq/sは、式(7)の上段の式と下段の式で共通とするのがよい。
Figure 2009072006
ここで、ΔId:前記励磁電流偏差、ΔIq:前記トルク電流偏差、ΔVd*:前記第2のd軸電圧指令、ΔVq*:前記第2のq軸電圧指令、ωc:前記電流制御手段18の応答周波数、Rσ:1次換算抵抗、lσ:1次換算漏れインダクタンス、ωinv:前記周波数指令、s:微分演算子である。
前記電流制御手段9の構成を図4に示す。d軸比例演算器901は、第1の減算器7から出力される前記励磁電流偏差ΔIdを入力とし、比例係数ωc*lσを乗算して出力する。d軸積分演算器902は、第1の減算器7から出力される前記励磁電流偏差ΔIdを入力とし、積分係数ωc*Rσを乗算して、積分演算した結果を出力する。
q軸比例演算器903は、第2の減算器8から出力される前記トルク電流偏差ΔIqを入力とし、比例係数ωc*lσを乗算して出力する。q軸積分演算器904は、第2の減算器8から出力される前記トルク電流偏差ΔIqを入力とし、積分係数ωc*Rσを乗算して、積分演算した結果を出力する。
d軸干渉演算器905は、前記d軸積分演算器902の出力に干渉係数ωinv*lσ/Rσを乗算して出力する。q軸干渉演算器906は、前記q軸積分演算器904の出力に干渉係数ωinv*lσ/Rσを乗算して出力する。
第3の加算器907は、前記d軸比例演算器901の出力と前記d軸積分演算器902の出力を加算して出力する。第3の減算器908は、前記第3の加算器907の出力から前記q軸干渉演算器906の出力を減算して前記第2のd軸電圧指令ΔVd*を出力する。
第4の加算器908は、前記q軸比例演算器903の出力と前記q軸積分演算器904の出力を加算して出力する。第5の減算器910は、前記第4の加算器908の出力と前記d軸干渉演算器905の出力を加算して前記第2のq軸電圧指令ΔVq*を出力する。
第1の加算器10は、前記電圧ベクトル演算手段6から出力される前記第1のd軸電圧指令Vd*と、前記電流制御手段9から出力される前記第2のd軸電圧指令ΔVd*を加算することで、第3のd軸電圧指令Vd**を演算する。第2の加算器11は、前記電圧ベクトル演算手段6から出力される前記第1のq軸電圧指令Vq*と、前記電流制御手段9から出力される前記第2のq軸電圧指令ΔVq*を加算することで、第3のq軸電圧指令Vq**を演算する。
座標変換手段12は、前記第1の加算器10から出力される前記第3のd軸電圧指令Vd**と前記第2の加算器11から出力される前記第3のq軸電圧指令Vq**を座標変換して、前記インバータ装置に対する交流電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を出力する。
このように、電流の変動に対して磁束は変動しないという仮定に基づいて、励磁電流およびトルク電流の干渉を考慮した前記電流制御手段18を構成する。これにより、定常状態だけでなく過渡状態においても、トルク制御の高精度化、高応答化が実現できる。
本発明の誘導電動機の制御装置における第2実施例を図5および図6を用いて説明する。
図5において、後述するd軸電流制御手段13およびq軸電流制御手段14(一点差線で囲まれた部分)が本発明の特徴である電流制御を実施する手段である。ほかの構成については、一構成例を示すものであって、その構成および手段を限定するものではない。
インバータ装置3は、ノイズ除去のための受電フィルタ2を介して直流電源1と接続され、直流電力を3相交流電力に変換する。誘導電動機4は、前記インバータ装置3から出力される3相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。制御装置5は、前記インバータ装置に対する交流電圧指令Vu*’、Vv*’、Vw*’を出力する。
前記制御装置5は、電圧ベクトル演算手段6と、第1の減算器7と、第2の減算器8と、d軸電流制御手段13と、q軸電流制御手段14と、第1の加算器10と第2の加算器11と、座標変換手段12から構成される。
前記電圧ベクトル演算手段6は、後述する第2の励磁電流指令Id**’と、後述する第2のトルク電流指令Iq**’と、前記誘導電動機4の回転速度ωr’と、前記インバータ装置3に対する周波数指令ωinv’と、電動機定数に基づいて、第1のd軸電圧指令Vd*’および第1のq軸電圧指令Vq*’を演算する。演算式は、式(8)となる。
Figure 2009072006
ここで、Id**’:前記第2の励磁電流指令、Iq**’:前記第2のトルク電流指令、Vd*’:前記第1のd軸電圧指令、Vq*’:前記第1のq軸電圧指令、Rσ:1次換算抵抗、lσ:1次換算漏れインダクタンス、L2:2次自己インダクタンス、R2:回転子の抵抗、T2:2次時定数、M:相互インダクタンス、φd:d軸磁束、ωinv’:周波数指令、ωr’:前記誘導電動機4の回転速度、s:微分演算子である。
第1の減算器7は、前記第1の励磁電流指令Id*’から励磁電流Id’を減算して、励磁電流偏差ΔId’を演算する。第2の減算器8は、前記第1のトルク電流指令Iq*’からトルク電流Iq’を減算して、トルク電流偏差ΔIq’を演算する。
d軸電流制御手段13は、前記第1の減算器7から出力される前記励磁電流偏差ΔId’と、電動機定数に基づいて、前記第2の励磁電流指令Id**’を演算する。q軸電流制御手段14は、前記第2の減算器8から出力される前記電トルク流偏差ΔIq’と、電動機定数に基づいて、前記第2のトルク電流指令Iq**’を演算する。
前記d軸電流制御手段13および前記q軸電流制御手段14は、式(9)のように構成する。
Figure 2009072006
ここで、ΔId’:前記励磁電流偏差、ΔIq’:前記トルク電流偏差、Idp**’:前記第2の励磁電流指令、Iqp**’:前記第2のトルク電流指令、ωc:前記d軸電流制御手段13および前記q軸電流制御手段14の応答周波数、Tσ:1次時定数(=lσ/Rσ)、s:微分演算子である。
前記d電流制御手段13および前記q軸電流制御手段14の構成を図5に示す。
前記d電流制御手段13において、比例演算器1301は、第1の減算器7から出力される前記励磁電流偏差ΔId’を入力とし、比例係数ωc*Tσを乗算して出力する。積分演算器1302は、第1の減算器7から出力される前記励磁電流偏差ΔId’を入力とし、積分係数ωcを乗算して、積分演算した結果を出力する。
第6の加算器1303は、前記比例演算器1301の出力と前記積分演算器1302の出力を加算することで、第2の励磁電流指令Idp**’を出力する。
前記q電流制御手段14において、比例演算器1401は、第2の減算器8から出力される前記トルク電流偏差ΔIq’を入力とし、比例係数ωc*Tσを乗算して出力する。積分演算器1402は、第2の減算器8から出力される前記トルク電流偏差ΔIq’を入力とし、積分係数ωcを乗算して、積分演算した結果を出力する。
第7の加算器1403は、前記比例演算器1401の出力と前記積分演算器1402の出力を加算することで、第2のトルク電流指令Iqp**’を出力する。
第1の加算器10は、前記電圧ベクトル演算手段6から出力される前記第1のd軸電圧指令Vd*’と、前記電圧ベクトル演算手段6から出力される前記第1のq軸電圧指令Vq*’を座標変換して、前記インバータ装置に対する交流電圧指令Vu*’、Vv*’、Vw*’を出力する。
本発明の誘導電動機の制御装置における第3実施例を図7を用いて説明する。
第3実施例では、第2実施例におけるd軸電流制御手段13の後段に第8の加算器15を追加し、第1の励磁電流指令Idp*’と第2の励磁電流指令Idp**’を加算することで第3の励磁電流指令Idp***’を生成する。
また、q軸電流制御手段14の後段に第9の加算器16を追加し、第1のトルク電流指令Iqp*’と第2のトルク電流指令Iqp**’を加算することで第3のトルク電流指令Iqp***’を生成する。
これにより、電流制御手段を比例積分制御とフィードフォワード制御を併せた構成とすることができ、第2実施例に対して、電流指令の変化に対する応答を向上することができる。
また、電圧ベクトル演算手段6では、第3の励磁電流指令Id***’と、第3のトルク電流指令Iq***’と、前記誘導電動機4の回転速度ωr’と、前記インバータ装置3に対する周波数指令ωinv’と、電動機定数に基づいて、第1のd軸電圧指令Vd*’および第1のq軸電圧指令Vq*’を演算する。演算式は、式(10)となる。
Figure 2009072006
ここで、Id**’:前記第2の励磁電流指令、Iq**’:前記第2のトルク電流指令、Vd*’:前記第1のd軸電圧指令、Vq*’:前記第1のq軸電圧指令、Rσ:1次換算抵抗、lσ:1次換算漏れインダクタンス、L2:2次自己インダクタンス、R2:回転子の抵抗、T2:2次時定数、M:相互インダクタンス、φd:d軸磁束、ωinv’:周波数指令、ωr’:前記誘導電動機4の回転速度、s:微分演算子である。
鉄道車両においては、車両仕様としての加減速性能や空転滑走時の応答など、過渡状態におけるトルク制御の精度および応答が要求される。このことから、本発明は、鉄道車両の制御技術の分野において有効な技術であると考える。
以上の説明では、鉄道車両用誘導電動機を例としているが、本発明の一適用例を示すものであり、本発明の適用範囲を限定するものではない。
図1は、本発明を適用した誘導電動機の制御装置および誘導電動機における電流と磁束の応答を示す図である。 図2は、本発明における電流制御手段の演算周期と磁束の関係を示す図である。 図3は、本発明を適用した誘導電動機の制御装置の第1実施例を示す図である。 図4は、本発明の第1実施例における電流制御手段の構成を示す図である。 図5は、本発明を適用した誘導電動機の制御装置の第2実施例を示す図である。 図6は、本発明の第2実施例および第3実施例における電流制御手段の構成を示す図である。 図7は、本発明を適用した誘導電動機の制御装置の第3実施例を示す図である。
符号の説明
1 直流電源
2 受電フィルタ
3 インバータ装置
4 誘導電動機
5 制御装置
6 電圧ベクトル演算手段
7 第1の減算器
8 第2の減算器
9 電流制御手段
10 第1の加算器
11 第2の加算器
12 座標変換手段
13 d軸電流制御手段
14 q軸電流制御手段
15 第8の加算器
16 第9の加算器
901 本発明の第1実施例におけるd軸比例演算器
902 本発明の第1実施例におけるd軸積分演算器
903 本発明の第1実施例におけるq軸比例演算器
904 本発明の第1実施例におけるq軸積分演算器
905 本発明の第1実施例におけるd軸干渉演算器
906 本発明の第1実施例におけるq軸干渉演算器
907 第3の加算器
908 第4の加算器
909 第3の減算器
910 第5の加算器
1301 d軸電流制御手段13における比例演算器
1302 d軸電流制御手段13における積分演算器
1303 第6の加算器
1401 q軸電流制御手段14における比例演算器
1402 q軸電流制御手段14における積分演算器
1403 第7の加算器
Ti 電動機定数に基づいた誘導電動機のd軸干渉項およびq軸干渉項の応答時定数
Tf 電動機定数に基づいた誘導電動機の磁束の応答時定数
Idp*、Idp*’ 第1の励磁電流指令
Iqp*、Iqp*’ 第1のトルク電流指令
Idp**’ 第2の励磁電流指令
Iqp**’ 第2のトルク電流指令
Idp***’ 第3の励磁電流指令
Iqp***’ 第3のトルク電流指令
Id、Id’ 励磁電流
Iq、Iq’ トルク電流
ΔId、ΔId’ 励磁電流偏差
ΔIq、ΔIq’ トルク電流偏差
Vu*、Vv*、Vw*、Vu*’、Vv*’、Vw*’ 交流電圧指令
Vd*、Vd*’ 第1のd軸電圧指令
Vq*、Vq*’ 第1のq軸電圧指令
ΔVd* 第2のd軸電圧指令
ΔVq* 第2のq軸電圧指令
Vd** 第3のd軸電圧指令
Vq** 第3のq軸電圧指令
Rσ 1次換算抵抗
lσ 1次換算漏れインダクタンス
ωinv 周波数指令
ωc 電流制御手段の応答周波数
Tσ 1次時定数
s ラプラス演算子

Claims (7)

  1. 受電フィルタを介して直流電源に接続され、少なくとも1台以上の誘導電動機を駆動するインバータ装置に対して電圧指令を生成する手段を有する誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、前記誘導電動機内部の磁束が一定であるという仮定に基づいて、前記誘導電動機内部の磁束方向の電流と前記磁束方向に直交する電流の干渉を考慮して、前記磁束方向の電流が前記磁束方向の電流に対する第1の指令値に追従するように、また、前記磁束方向に直交する電流が前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値に追従するように、電流制御を行うことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、
    電動機定数と前記誘導電動機内部の磁束方向の電流に対する第1の指令値と前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値に基づいて前記インバータ装置に対する第1の電圧指令を生成する手段と、電動機定数と前記磁束方向の電流と前記磁束方向に直交する電流と前記磁束方向の電流に対する第1の指令値と前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値に基づいて前記インバータ装置に対する第2の電圧指令を生成する手段とを有し、前記第1の電圧指令と前記第2の電圧指令に基づいて前記インバータ装置に対する電圧指令を生成することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. 請求項1に記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、
    電動機定数と前記誘導電動機内部の磁束方向の電流と前記磁束方向の電流に対する第1の指令値に基づいて前記磁束方向の電流に対する第2の指令値を生成する手段と、電動機定数と前記磁束方向に直交する電流と前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値に基づいて前記磁束方向に直交する電流に対する第2の指令値を生成する手段と、
    電動機定数と前記誘導電動機内部の磁束方向の電流に対する第2の指令値と前記磁束方向に直交する電流に対する第2の指令値に基づいて前記インバータ装置に対する第1の電圧指令を生成する手段とを有し、
    前記第1の電圧指令に基づいて前記インバータ装置に対する電圧指令を生成することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  4. 請求項1に記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、
    電動機定数と前記誘導電動機内部の磁束方向の電流と前記磁束方向の電流に対する第1の指令値に基づいて前記磁束方向の電流に対する第2の指令値を生成する手段と、電動機定数と前記磁束方向に直交する電流と前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値に基づいて前記磁束方向に直交する電流に対する第2の指令値を生成する手段と、
    前記磁束方向の電流に対する第1の指令値と前記磁束方向の電流に対する第2の指令値に基づいて前記磁束方向の電流に対する第3の指令値を生成する手段と、前記磁束方向に直交する電流に対する第1の指令値と前記磁束方向に直交する電流に対する第2の指令値に基づいて前記磁束方向に直交する電流に対する第3の指令値を生成する手段と、
    電動機定数と前記誘導電動機内部の磁束方向の電流に対する第3の指令値と前記磁束方向に直交する電流に対する第3の指令値に基づいて前記インバータ装置に対する第1の電圧指令を生成する手段とを有し、
    前記第1の電圧指令に基づいて前記インバータ装置に対する電圧指令を生成することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、
    電流制御の演算周期の間は前記誘導電動機内部の磁束が一定であるという仮定に基づいて、電流制御を行うことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、
    電流制御の演算に用いる磁束を前記誘導電動機内部の磁束方向の電流に対する第1の指令値と電動機定数に基づいて計算することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記電圧指令を生成する手段は、
    前記誘導電動機の回転速度情報を得る手段と、前記誘導電動機に流入する電流を得る手段と、前記誘導電動機に流入する電流を前記誘導電動機内部の磁束方向の電流と前記磁束方向に直交する電流に座標変換する手段と、前記回転速度情報に基づいて前記インバータ装置に対する周波数指令を生成する手段と、前記インバータ装置に印加される直流電圧を得る手段と、前記インバータ装置を駆動する手段を有することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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