JP2009078380A - 水圧転写体及び水圧転写体の製造方法 - Google Patents

水圧転写体及び水圧転写体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被覆層の硬化に要する時間が短く、短時間の工程で製造が可能であり、かつ印刷層と被覆層を含めた層全体が被転写体に対して付着性に優れる水圧転写体及び該水圧転写体の製造方法を提供する。
【解決手段】被転写体、前記被転写体の表面に水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層、及び前記印刷層の表面に硬化性塗料組成物から形成された被覆層を有する水圧転写体であって、前記硬化性塗料組成物が(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物であることを特徴とする水圧転写体。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性塗料組成物からなる被覆層を有する水圧転写体及び該水圧転写体の製造方法に関する。
従来、自動車内装部品、家電製品、事務用品、屋内装飾品などの印刷方法の一つとして、水圧転写法による印刷が行われてきた。水圧転写法は、水溶性フィルムの上に所定の非水溶性の印刷パターンが施されている転写フィルムを、転写槽内を流れる水面上に順次供給して浮かばせ、この転写フィルムを水で湿潤し、この転写フィルムに接触させながらプラスチック成形品等の被印刷物品(被転写体)を転写槽内の水に浸漬し、水圧を利用して転写フィルム上の印刷パターンを物品の表面に転写して印刷層を形成する方法である。
このような水圧転写法による印刷面は、一般に耐水性、耐薬品性、耐候性、外部からの機械的衝撃に対する耐久性、及び高級感に乏しいため、印刷面は透明な塗料組成物により仕上げ塗装が施されるのが一般的である。
例えば特許文献1には、水圧転写により表面に形成された印刷膜を硬化性樹脂組成物で被覆してなる水圧転写体において、特定の構造を有するポリオール樹脂、及びイソシアネート化合物からなる硬化性樹脂組成物で前記印刷膜を被覆したことを特徴とする水圧転写体に関する発明が開示されている。この発明は、鮮映性、耐久性、高級感等の点で優れるという利点を有している。
また、特許文献2には、単官能の環式(メタ)アクリレートモノマーと、特定の粘度を有する2官能の(メタ)アクリレートモノマーと、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー及び/又は3官能以上の(メタ)アクリレートオリゴマーを特定の配合比率で含有することを特徴とする装飾層用トップコート塗料組成物を用いた、装飾層を設けた基体表面へのトップコート形成方法に関する発明が開示されている。この発明は、特殊な設備を使用したり溶剤で希釈することなしに基体表面にスプレー塗装が可能である等の利点を有している。
特開平9−11700号公報 特開2005−170980号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の水圧転写体は、被覆層の硬化に長時間を要する点に課題を有している。また、上記特許文献2に記載のトップコート形成方法は、装飾層とトップコート層を含む層全体の基体に対する付着性が十分満足するものではない点に課題を有している。
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被覆層の硬化に要する時間が短く、短時間の工程で製造が可能であり、かつ印刷層と被覆層を含めた層全体が被転写体に対して付着性に優れる水圧転写体及び該水圧転写体の製造方法を提供するものである。
本発明者は、前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、水圧転写体の被覆層を形成するための硬化性塗料組成物として1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物を用いることにより、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、被転写体、前記被転写体の表面に水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層、及び前記印刷層の表面に硬化性塗料組成物から形成された被覆層を有する水圧転写体であって、前記硬化性塗料組成物が(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物であることを特徴とする水圧転写体に関する。また本発明は、水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層を有する被転写体の前記印刷層の表面に、(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射して被覆層を形成することを特徴とする水圧転写体の製造方法に関する。
本発明によれば、被覆層の硬化に要する時間が短く、短時間の工程で製造が可能であり、かつ印刷層と被覆層を含む層全体が被転写体に対して付着性に優れる水圧転写体及び該水圧転写体の製造方法を提供するものである。
本発明の水圧転写体は、被転写体、前記被転写体の表面に水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層、及び前記印刷層の表面に硬化性塗料組成物から形成された被覆層を有する水圧転写体であって、前記硬化性塗料組成物が(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物であることを特徴とする水圧転写体である。
被転写体は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂等のプラスチック、金属、木材、ガラス等の材質が挙げられる。また、前記材質からなる加工品、成形品等であってもよい。被転写体には、水中に沈める際に形状がくずれないように必要に応じて防水加工を施すことができる。また、被転写体に印刷層を十分密着させるために、必要に応じて被転写体表面にプライマー層を設けることができる。プライマー層を形成する樹脂は、プライマー層として慣用の樹脂を特に制限なく用いることができ、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
印刷層は、前記被転写体の表面に水圧転写用フィルムを転写して形成される。水圧転写用フィルムは、特に限定されるものではない。例えば水溶性若しくは水膨潤性の樹脂から構成される支持体フィルム上に疎水性の印刷パターンが施された水圧転写用フィルム等が挙げられる。支持体フィルムとしては、特に限定されるものではないが、水に溶解し易い点及び入手し易い点からポリビニルアルコールが好ましい。支持体フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、10〜200μm程度が好ましい。
転写方法は、特に限定されるものではない。例えば、水の入った槽内に浮かべた水圧転写用フィルムに被転写体を押し付けて、水圧を利用して水圧転写用フィルムの印刷パターンを被転写体に転写する方法が挙げられる。転写後に支持体フィルムが印刷層に残っている場合は、支持体フィルムを除去するために印刷層が形成された被転写体を必要に応じて水洗することができる。
被覆層は、例えば前記印刷層の表面に硬化性塗料組成物を塗布した後、必要に応じて乾燥を行い、次いで活性エネルギー線を照射することにより形成することができる。
また、例えば支持体フィルム、硬化性塗料組成物からなる層及び印刷パターンを順に積層してなる水圧転写用フィルムを被転写体に転写した後に活性エネルギー線を照射することにより、印刷層と被覆層を一度に形成することもできる。
本発明において、被覆層の形成に使用される硬化性塗料組成物は、(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物である。
1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物(A)(以下「成分(A)」と略すことがある)を活性エネルギー線硬化性塗料組成物に含有することは、印刷層の脆弱性の改良及び印刷層と被覆層の付着性の向上に効果があり、これらの効果により印刷層と被覆層を含む層全体の被転写体に対する付着性が向上する。上記効果は、活性エネルギー線硬化性塗料組成物に含有される成分(A)が印刷層へ浸透し印刷層中で硬化することにより得られるものと推測される。
成分(A)としては、例えばイソシアネートメチル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートオクチル(メタ)アクリレート、p−メタクリロキシ−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネート、m−アクリロキシ−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネート、m−またはp−イソプロペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
また成分(A)としては、例えばポリイソシアネート化合物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応生成物を挙げることができる。また、例えば、ポリイソシアネート化合物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びポリオール化合物の反応生成物等も挙げることができる。これらの反応の際、ポリイソシアネート化合物に含有されるイソシアネート基とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びポリオール化合物に含有されるヒドロキシル基との当量比は、イソシアネート基:ヒドロキシル基=1.0:0.1〜1.0:0.9、好ましくは1.0:0.2〜1.0:0.7である。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトカプロエート、3−イソシアナトメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(通称、トリアミノノナントリイソシアネート)等のトリイソシアネート化合物;これら1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物の2量体(ウレトジオン体)、又は3量体(イソシアヌレート体);これら1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、又は水などとイソシアネート基過剰の条件でウレタン化反応させてなるプレポリマー等があげられる。これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が2〜7であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。その他にペンタエリスリトールトリアクリレート等も挙げられる。これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
ポリオール化合物は、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物である。ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジ又はそれ以上のポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
本発明では特に、成分(A)として、前記効果に加えて、耐湿性試験後の付着性の点から1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有しかつエチレン性不飽和基及びイソシアネート基の少なくとも1種を2つ以上有する化合物(A−1)(以下「成分(A−1)」と略すことがある)を用いることが好ましい。
また成分(A)の分子量は特に限定されるものではない。例えば、好ましくは分子量が200〜3,000であり、さらに好ましくは300〜2,000である。成分(A)の分子量がこれら範囲の場合には、印刷層と被覆層を含む層全体の被転写体に対する付着性の点で優れた水圧転写体を得ることができる。
また成分(A)のイソシアネート含有量(NCO含有量)は特に限定されるものでない。例えば、好ましくはNCO含有量が1〜30%であり、さらに好ましくは2〜20%である。成分(A)のNCO含有量がこれら範囲の下限値以上の場合には、印刷層と被覆層を含む層全体の被転写体に対する付着性の点で優れた水圧転写体を得ることができ、また成分(A)のNCO含有量がこれら範囲の上限値以下の場合には、耐湿性試験後の外観の点で優れた水圧転写体を得ることができる。
エチレン性不飽和基含有化合物(B)(以下「成分(B)」と略すことがある)としては、前記成分(A)以外の化合物であって、その化学構造中にエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物であれば特に限定されない。
成分(B)としては、例えば、一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等が挙げられる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等が挙げられる。具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;その他、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。なお、ここでいうウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、成分(A)とは異なり、イソシアネート基を有しない樹脂である。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、例えばポリイソシアネート化合物、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート及びポリオール化合物を原料として用い、イソシアネート基に対してヒドロキシル基が等モル量もしくは過剰になるような量で反応させることで得ることができる。ポリイソシアネート化合物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びポリオール化合物としては、前述したものが挙げられる。これら成分(B)は単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
成分(B)としては、活性エネルギー線硬化性塗料組成物の硬化性、並びに被覆層の外観及び可とう性の点から、2官能以上のエチレン性不飽和基含有化合物が好ましい。
また成分(B)は、活性エネルギー線硬化性塗料組成物のポットライフの点から、水酸基価が200mgKOH/g以下であることが好ましい。本明細書において水酸基価(mgKOH/g)は、試料1gに含まれる水酸基の量を水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
また成分(B)は、被覆層の可とう性の点から重量平均分子量500〜8,000のウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び/又は重量平均分子量500〜8,000のポリエステル(メタ)アクリレート樹脂(B−1)(以下「成分(B−1)」と略すことがある)を含むことが特に好ましい。また、成分(B−1)は活性エネルギー線硬化性塗料組成物のポットライフの点から、水酸基価が10mgKOH/g以下であることが好ましい。成分(B−1)の配合量は、特に限定されるものではない。好ましくは、硬化性と被複層の可とう性のバランスの点から、成分(B)100重量部中に40〜95重量部である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
また成分(B)は、例えば、成分(B)に包含される重量平均分子量10,000〜100,000のエチレン性不飽和基含有樹脂(B−2)(以下「成分(B−2)」と略すことがある)を他の成分(B)に併用することができる。前記エチレン性不飽和基含有樹脂を併用することは、被覆層のタレ性及びハジキ性等の塗装作業性の点から好ましい。前記エチレン性不飽和基含有樹脂としては、エチレン性不飽和基含有アクリル樹脂等が挙げられる。エチレン性不飽和基含有アクリル樹脂は例えば、エポキシ基を有するアクリル樹脂にアクリル酸等のエチレン性不飽和基含有カルボン酸を付加せしめることにより製造することができる。成分(B−2)の重量平均分子量は、好ましくは20,000〜80,000である。成分(B−2)の配合量は、特に限定されるものではない。好ましくは、成分(B)100重量部中に5〜50重量部である。
成分(A)及び成分(B)の配合量は、特に限定されるものではない。例えば、好ましくは、成分(A)と成分(B)の重量比が、成分(A):成分(B)=2:98〜50:50であり、さらに好ましくは4:96〜30:70である。これら範囲において成分(A)が下限値以上の場合には、印刷層と被覆層を含めた層全体の被転写体に対する付着性に優れた水圧転写体を得ることができる。またこれら範囲において成分(A)が上限値以下の場合には、耐湿性試験後の付着性に優れた水圧転写体を得ることができる。
光重合開始剤(C)としては、例えばベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ミヒラーケトン類;アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、α−イソヒドロキシイソブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン等のアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(アシル)フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物として使用できる。
上記光重合開始剤(C)の市販品としては、例えば、イルガキュア(IRGACURE)−184、同261、同500、同651、同907、同CGI−1700(商品名、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製)、ダロキュア(Darocur)−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(商品名、メルクジャパン社製)、カヤキュア(KAYACURE)−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(商品名、日本化薬(株)製)、ビキュア(VICURE)−10、同55〔商品名、ストウファー社(STAUFFER Co., LTD.)製〕、ルシリンTPO〔商品名、ビーエーエスエフ社製〕、トリゴナル(TRIGONAL)P1〔商品名、アクゾ社(AKZO Co., LTD.)製〕、サンドレイ(SANDORAY)1000〔商品名、サンドズ社(SANDOZ Co., LTD.)製〕、ディープ(DEAP)〔商品名、アプジョン社(APJOHN Co., LTD.)製〕、カンタキュア(QUANTACURE)−PDO、同ITX、同EPD〔商品名、ウォードブレキンソプ社(WARD BLEKINSOP Co., LTD.)製〕等を挙げることができる。
上記光重合開始剤(C)としては、光硬化性の点からチオキサントン類、アセトフェノン類及びアシルフォスフィンオキシド類の1種又は2種以上の混合物であることが好ましく、アセトフェノン類とアシルフォスフィンオキシド類との混合物であることが特に好ましい。
光重合開始剤(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、上記成分(A)及び成分(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部であり、さらに好ましくは1〜5重量部である。光重合開始剤(C)の含有量がこの範囲の下限値以上の場合には、光硬化性に優れた被覆層を得ることができる。また、この範囲の上限値以下の場合には、深部硬化性及び塗料コストに優れた被覆層を得ることができる。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物には、水圧転写体の耐候性向上の観点から、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤は、入射光を吸収し、光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、被覆層が劣化するのを抑制する作用がある。紫外線吸収剤は、後記光安定剤と併用することもできる。
紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、トリアジン系吸収剤、ベンゾトリアゾール系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。
トリアジン系吸収剤の具体例としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−[4((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−[4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンン2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等をあげることができる。
サリチル酸誘導体系吸収剤の具体例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等をあげることができる。
ベンゾフェノン系吸収剤の具体例としては、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4,6−ジベンゾイルレゾルシノール、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等をあげることができる。
紫外線吸収剤は、深部硬化性の点からトリアジン系吸収剤を使用することが好ましい。
紫外線吸収剤の配合量は、通常、成分(A)及び成分(B)の合計量100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部、特に好ましくは0.3〜3重量部の範囲内である。これら範囲は耐侯性、耐黄変性の面で意義がある。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物には、水圧転写体の耐侯性向上の観点から、光安定剤を含有させることができる。光安定剤は、被覆層の劣化過程で生成する活性なラジカル種を捕捉するラジカル連鎖禁止剤として用いられるもので、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。光安定剤は、前記紫外線吸収剤と併用することもできる。
これらのうち優れた光安定化作用を示す光安定剤としてヒンダードピペリジン類が挙げられる。ヒンダードピペリジン類としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2’,6,6’−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート等のモノマータイプのもの;ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]}等のオリゴマータイプのもの;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとコハク酸とのポリエステル化物等のポリエステル結合タイプのものなどが挙げられるが、これらに限ったものではない。
光安定剤の配合量は、通常、成分(A)及び成分(B)の合計量100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部、特に好ましくは0.3〜2重量部の範囲内である。これら範囲は耐侯性、耐黄変性の面で意義がある。
また活性エネルギー線硬化性塗料組成物は、上記以外の成分であってイソシアネート反応性基を有しかつエチレン性不飽和基を有さない重量平均分子量5,000〜100,000の樹脂を含有することができる。イソシアネート反応性基を有しかつエチレン性不飽和基を有さない重量平均分子量5,000〜100,000の樹脂を含有することは、被覆層のタレ性及びハジキ性等の塗装作業性並びに耐湿性試験後の外観の点から好ましい。該樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。またイソシアネート反応性基としては例えば、水酸基が挙げられる。イソシアネート反応性基が水酸基の場合、水酸基価が10〜200mgKOH/gであることが好ましい。前記樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜80,000である。
このような樹脂の配合量は特に限定されるものではない。好ましくは、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して5〜40重量部である。この範囲の下限値は、被覆層のタレ性及びハジキ性等の塗装作業性の点で意義があり、この範囲の上限値は、外観の点で意義がある。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物は、必要に応じて各種添加剤を配合してもよく、所望により溶剤で希釈しても良い。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、消泡剤、表面調整剤、可塑剤、着色剤等が挙げられる。
希釈に用いる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル類;芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらは、塗料粘度の調整、塗布性の調整等を目的に適宜組み合わせて使用することができる。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物の不揮発分は特に限定されるものではない。例えば、好ましくは20〜100重量%であり、さらに好ましくは40〜70重量%である。不揮発分がこれら範囲の下限値以上の場合には、被覆層の平滑性及び乾燥時間の短縮化の点で優れる。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物のエチレン性不飽和基量は、特に限定されるものではないが、活性エネルギー線硬化性塗料組成物中の不揮発分におけるエチレン性不飽和基量が1.0〜4.0mol/kgであることが硬化性及び可とう性の点から好ましい。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物のNCO含有量は、特に限定されるものではないが、活性エネルギー線硬化性塗料組成物中の不揮発分におけるNCO含有量が0.1〜10%であることが好ましい。上記範囲の下限値は印刷層と被覆層を含む層全体の被転写体に対する付着性の点で意義があり、上記範囲の上限値は耐水試験後の付着性の点で意義がある。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物の水酸基量は、特に限定されるものではないが、活性エネルギー線硬化性塗料組成物中の不揮発分における水酸基量が水酸基価で1〜50mgKOH/gであることがポットライフの点から好ましい。
本発明の水圧転写体は、例えば水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層を有する被転写体の前記印刷層の表面に前記活性エネルギー線硬化性塗料組成物を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射して被覆層を形成することにより製造することができる。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物を印刷層の表面へ塗布する方法は特に限定されるものではなく、例えば、ローラー塗装、ロールコーター塗装、スピンコーター塗装、カーテンロールコーター塗装、スリットコーター塗装、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装、シルク印刷、スピン塗装等にが挙げられる。被転写体が成形品等の三次元形状物の場合には、スプレー塗装が好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性塗料組成物から被覆層を形成する際、必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥は、添加している溶剤を除去できる条件であれば特に限定されるものではない。例えば、20〜100℃の乾燥温度において3〜10分の乾燥時間で行うことができる。
被覆層の膜厚は目的に応じて適宜設定される。例えば膜厚は10〜100μmが好ましく、20〜70μmがさらに好ましい。膜厚がこれら範囲の下限値以上の場合には、平滑性及び外観に優れた水圧転写体を得ることができ、またこれら範囲の上限値以下の場合には硬化性に優れた水圧転写体を得ることができる。
活性エネルギー線硬化性塗料組成物を印刷層の表面に塗布した後に、活性エネルギー線照射を行い被覆層を形成する。活性エネルギー線照射の照射源及び照射量は特に限定されるものではない。例えば活性エネルギー線の照射源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等が挙げられる。照射量は、例えば好ましくは5〜20,000J/m2、さらに好ましくは100〜10,000J/m2の範囲が挙げられる。
活性エネルギー線照射は、大気雰囲気下で行なってもよく、また不活性ガス雰囲気下で行なっても良い。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。不活性ガス雰囲気下での活性エネルギー線照射が、硬化性の点から好ましい。
活性エネルギー線照射を行なった後、必要に応じて被覆層を形成した水圧転写体を加熱処理してもよい。加熱処理は、例えば、60〜100℃の乾燥温度において3〜10分の時間で行うことができる。
本発明の水圧転写体は、インストルメントパネル、ダッシュボード、ハンドル、センターコンソール、ドアトリム等の自動車内装部品;各種オーディオ、コンピューター筐体等の弱電部品;家電製品、事務用品、屋内装飾品等に使用する水圧転写体として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、別記しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
(製造例1)
フラスコ中にスミジュール N3300(商品名、住化バイエルウレタン社製、HDIイソシアヌレート、NCO含有量22%)582部(イソシアネート基量は3mol)を仕込み、空気バブリング下で撹拌しながら60℃まで加熱した。60℃で2−ヒドロキシエチルアクリレート232部(ヒドロキシル基量は2mol:上記スミジュール N3300に含有されるイソシアネート基と本化合物に含有されるヒドロキシル基の当量比は3:2)、メトキシフェノール0.41部及びジブチル錫ジラウレート0.08部を2時間にわたって滴下した。更に、滴下終了後4時間反応を続け、不揮発分約100%、NCO含有量5.2%、分子量1100の成分(A−1)に該当する化合物a−1を得た。
(製造例2)
フラスコ中にイソホロンジイソシアネートを222部(イソシアネート基量は2mol)を仕込み、空気バブリング下で撹拌しながら60℃まで加熱した。60℃で2−ヒドロキシエチルアクリレート116部(ヒドロキシル基量は1mol:上記イソホロンジイソシアネートに含有されるイソシアネート基と本化合物に含有されるヒドロキシル基の当量比は2:1)、メトキシフェノール0.17部及びジブチル錫ジラウレート0.04部を2時間にわたって滴下した。更に、滴下終了後4時間反応を続け、不揮発分約100%、NCO含有量12%、分子量400の化合物a−2を得た。
(製造例3)
Laromer LR−9000〔商品名、ビーエーエスエフ社製、1分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和基及び2つのイソシアネート基を有する化合物、NCO含有量15%、分子量800〕5部、Ebecryl 8402(商品名、ダイセルサイテック社製、エチレン性不飽和基を2つ有するウレタンアクリレート樹脂、重量平均分子量1,000、水酸基価10mgKOH/g以下)85部、アロニックス M−305(商品名、東亞合成社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート、水酸基価188mgKOH/g)10部、50%アクリル樹脂溶液(注1)20部、Irgacure−184(商品名、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製、アセトフェノン類重合開始剤)1部、ルシリンTPO(商品名、ビーエーエスエフ社製、アシルフォスフィンオキシド類重合開始剤)1部、TINUVIN400(商品名、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製、トリアジン系紫外線吸収剤、固形分85%)1.18部、HOSTAVIN 3058 LIQ.(商品名、CRALIANT社製、光安定剤)0.5部、BYK−310(商品名、BYK CHEMIE INTERNATIONALGMBH社製、表面調整剤、固形分25%)0.20部、酢酸ブチル103.22部を均一に混合し、活性エネルギー線硬化性塗料組成物No.1を得た。
(注1)50%アクリル樹脂溶液:メタクリル酸メチル60部、アクリル酸n−ブチル20部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル19部、アクリル酸1部を重合してなる重量平均分子量50,000の水酸基含有アクリル樹脂からなるアクリル樹脂溶液、樹脂分あたりの水酸基価82mgKOH/g、不揮発分50%。
(製造例4〜22)
表1及び表2に示した配合に従った以外は、製造例3と同様にして、活性エネルギー線硬化性塗料組成物No.2〜No.20を得た。
Figure 2009078380
(注2)Ebecryl 884(商品名、ダイセルサイテック社製、エチレン性不飽和基を3つ有するポリエステルアクリレート樹脂、重量平均分子量3,000、水酸基価10mgKOH/g以下)
(注3)IRR 214−K(商品名、ダイセルサイテック社、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、水酸基価10mgKOH/g以下)
(注4)50%樹脂溶液b:メタクリル酸メチル60部、アクリル酸n−ブチル20部、グリシジルメタクリレート20部を重合してなるアクリル樹脂に、アクリル酸 5部を付加してなる重量平均分子量50,000のエチレン性不飽和基含有アクリル樹脂からなる樹脂溶液、不揮発分50%
(注5)スミジュール N3300(商品名、住化バイエルウレタン社製、HDIイソシアヌレート)
(注6)表中のエチレン性不飽和基量、NCO含有量、水酸基量はいずれも活性エネルギー線硬化性塗料組成物中の不揮発分における量を表す。
Figure 2009078380
(実施例1)
水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層を有するABS樹脂製被転写体の前記印刷層の表面に、製造例3で得た活性エネルギー線硬化性塗料組成物No.1をスプレー塗装により塗布した。塗装後、80℃×5分の乾燥を行い、続いて窒素ガス雰囲気下においてメタルハライド灯にて照射量5,000J/mの活性エネルギー線照射(照射時間は約10秒)を行い、膜厚40μmの被覆層を有する水圧転写体を得た。
塗布後の塗面状態を下記評価に供するとともに、得られた水圧転写体について下記評価及び試験に供した。試験結果を表3に示した。
(実施例2〜17及び比較例1〜3)
活性エネルギー線硬化性塗料組成物No.2〜No.20を用いる以外は、実施例1と同様にして、膜厚40μmの被覆層を有する水圧転写体を得た
塗布後の塗面状態を下記評価に供するとともに、得られた水圧転写体について下記評価及び試験に供した。試験結果を表3及び表4に示した。
(比較例4)
水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層を有するABS樹脂製被転写体の前記印刷層の表面に、レタンPG60 トップコートクリヤー ベース(商品名、関西ペイント社製、主剤、水酸基含有樹脂が主成分)とレタンPG60 硬化剤(商品名、関西ペイント社製、硬化剤、イソシアネート基含有化合物が主成分)を10対1(重量比)で均一に混合した硬化性塗料組成物をスプレー塗装により塗布した。塗布後、80℃×30分の乾燥を行い、膜厚40μmの被覆層を有する水圧転写体を得た。
塗布後の塗面状態を下記評価に供するとともに、得られた水圧転写体について下記評価及び試験に供した。試験結果を表4に示した。
Figure 2009078380
Figure 2009078380
(塗装作業性)
スプレー塗装後の塗面状態について目視により観察し、下記評価基準により評価した。
◎タレ・ハジキ等の異常がなく非常に良好
○タレ・ハジキ等の異常がほとんどなく良好
×タレ・ハジキ等の異常が認められる
(初期外観)
各実施例・比較例により得られた水圧転写体の初期外観を目視により観察し、下記評価基準により評価した。
◎:平滑性及びツヤ感ともに良好
○:平滑性及びツヤ感の一方は若干劣るものの他方は良好
△:平滑性及びツヤ感が若干劣る
×:平滑性及びツヤ感の少なくとも一方が劣る
(初期付着性)
各実施例・比較例により得られた水圧転写体に、ナイフを使用し約1.5mmの幅で縦、横にそれぞれ11本の被転写体に達する切り目を入れ、ゴバン目状に100個の升目を作成した。続いて24mm幅のセロハン粘着テープを100個の升目に密着させ、該テープを強く引き剥がした時の剥離を生じていない枡目を数え、下記基準により評価した。
◎:100個
○:99〜95個
△:94〜50個
×:50個未満
なお、剥離はいずれも印刷層の凝集剥離であった。
(耐湿性試験後外観)
各実施例・比較例により得られた水圧転写体を、50℃で95%RH以上の相対湿度のブリスタボッックス内に10日間放置し、放置後の水圧転写体の外観を目視により観察し、試験前の水圧転写体と比較して下記基準にて評価した。
◎:外観の変化なし
○:わずかな外観の変化があるものの問題無し
△:ブリスターまたは白化がありかなりの外観の変化が認められる
×:ブリスターまたは白化があり著しい外観の変化が認められる
(耐湿性試験後付着性)
各実施例・比較例により得られた水圧転写体を、50℃で95%RH以上の相対湿度のブリスタボッックス内に10日間放置した。放置後の水圧転写体をブリスタボックスから取り出し1日放置した。その水圧転写体に、ナイフを使用し約1.5mmの幅で縦、横にそれぞれ11本の被転写体に達する切り目を入れ、ゴバン目状に100個の升目を作成した。続いて24mm幅のセロハン粘着テープを100個の升目に密着させ、該テープを強く引き剥がした時の剥離を生じていない枡目を数え、下記基準により評価した。
◎:100個
○:99〜95個
△:94〜50個
×:50個未満
なお、剥離はいずれも印刷層の凝集剥離であった。
(耐候性試験後外観)
各実施例・比較例により得られた水圧転写体を、JIS K 5400の9.8.1(サンシャインカーボンアーク灯式)の促進耐候性試験に準じて、600時間照射した。照射後の外観を目視により観察し、試験前の水圧転写体と比較して下記基準にて評価した。
◎:外観の変化無し
○:わずかなツヤ感の低下が認められるものの問題なし
△:かなりのツヤ感の低下が認められる
×:著しいツヤ感の低下が認められる
(耐候性試験後付着性)
各実施例・比較例により得られた水圧転写体を、JIS K 5400の9.8.1(サンシャインカーボンアーク灯式)の促進耐候性試験に準じて、600時間照射した。照射後の水圧転写体に、ナイフを使用し約1.5mmの幅で縦、横にそれぞれ11本の被転写体に達する切り目を入れ、ゴバン目状に100個の升目を作成した。続いて24mm幅のセロハン粘着テープを100個の升目に密着させ、該テープを強く引き剥がした時の剥離を生じていない枡目を数え、下記基準により評価した。
◎:100個
○:99〜95個
△:94〜50個
×:50個未満
なお、剥離はいずれも印刷層の凝集剥離であった。

Claims (6)

  1. 被転写体、前記被転写体の表面に水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層、及び前記印刷層の表面に硬化性塗料組成物から形成された被覆層を有する水圧転写体であって、前記硬化性塗料組成物が(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物であることを特徴とする水圧転写体。
  2. 前記成分(A)が、1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有しかつエチレン性不飽和基及びイソシアネート基の少なくとも1種を2つ以上有する化合物である請求項1記載の水圧転写体。
  3. 前記成分(B)が、重量平均分子量500〜8,000のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む請求項1又は2に記載の水圧転写体。
  4. 水圧転写用フィルムを転写して形成された印刷層を有する被転写体の前記印刷層の表面に、(A)1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物、(B)前記成分(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(C)光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性塗料組成物を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射して被覆層を形成することを特徴とする水圧転写体の製造方法。
  5. 前記成分(A)が、1分子中にエチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有しかつエチレン性不飽和基及びイソシアネート基の少なくとも1種を2つ以上有する化合物である請求項4記載の水圧転写体の製造方法。
  6. 前記成分(B)が、重量平均分子量500〜8,000のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む請求項4又は5に記載の水圧転写体の製造方法。
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