JP2009084237A - 炭酸エステルの製造装置及びアルコールと炭酸エステルの分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 他プラントで用意したエントレーナを供給することなく、メタノール等のアルコールと炭酸ジメチル等の炭酸エステルとを分離する。
【解決手段】 ケトンとアルコールとを反応させてケタールを得るケタール生成器70と、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造する反応器20と、上記ケタール生成器70でのケタール生成反応において生成された未反応のケトン及び/又は生成したケタールと上記反応器20で生成された炭酸エステルを含む混合物から炭酸エステルを分離するための炭酸エステルの精製塔50とを備え、該精製塔50で上記ケタール生成反応における未反応のケトン及び/又は生成したケタールをエントレーナとして炭酸エステルを分離するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭酸エステルの製造装置及びアルコールと炭酸エステルの分離方法に関する。
従来、ガソリンの燃焼性を向上させるガソリン添加剤、いわゆるオクタンブースターとしては、MTBE(Methyl Tertiary Butylether)が用いられていたが、その有害性等を理由に、米国では使用を規制する方向にある。
このようなMTBEの代替物質として、また、エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネートの原料、あるいはカルボニル化剤、燃料電池用の原料等として用いることができる化合物として、DMC(Dimethyl Carbonate:以下、炭酸ジメチルともいう)等の炭酸エステルが注目されている。
ここで、炭酸ジメチルについて言及すると、炭酸ジメチルは、通常メタノール又はメタノール誘導体を原料として製造される。そのため、生成物中には原料であるメタノールと炭酸ジメチルが混合物として存在する。これらを分離しようとしても、メタノールと炭酸ジメチルはメタノール濃度70wt%で共沸するため,通常の蒸留塔では分離が不可能である。
このために、メタノールと炭酸ジメチルを分離する方法としては従来、i)共沸蒸留
による方法、ii)加圧蒸留による方法、iii)抽出蒸留による方法等が知られている。
加圧蒸留による方法は,蒸留時の操作圧力を高くすることにより、共沸を回避する方法である。しかし、この方法は、設備費が多大となり,実プラントで使用は困難である。
また、抽出溶媒を使用した抽出蒸留による方法として、特開平6−16596号公報(特許文献1)、特開平9−20727号公報(特許文献2)に係るものが知られている。
特許文献1に係るものは、有機溶剤を抽出溶媒として加え,抽出蒸留を行っている。また、特許文献2に係るものは、炭酸ジメチルの合成過程で副生する蓚酸ジメチルを抽出溶媒として利用することとしている。
しかし、特許文献1で挙げている有機溶剤を抽出蒸留の抽出溶剤として用いる際は,炭酸ジメチルの合成そのものとは別のプラントでその試薬を生産する必要がある。また、特許文献2の方法は、炭酸ジメチルの収率そのものが悪くなるという欠点があった。
また、共沸蒸留を用いるものとして、特公昭62−8091号公報(特許文献3)に係るベンゼンをメタノールとの共沸物形成剤として用いている方法がある。しかし、この方法では、メタノールとベンゼンの分離をするプロセスを新たに設置する必要が生じる。
特開平6−16596号公報 特開平9−20727号公報 特公昭62−8091号公報
本発明は、上記のような要請に応えるべくなされたものであり、他プラントで用意したエントレーナを供給することなく、メタノール等のアルコールと炭酸ジメチル等の炭酸エステルとを分離することができるようにした炭酸エステルの製造装置及びアルコールと炭酸エステルの分離方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、炭酸エステルの製造装置であって、ケトンとアルコールとを反応させてケタールを得るケタール生成器と、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造する反応器と、上記ケタール生成器でのケタール生成反応において生成された未反応のケトン及び/又は生成したケタールと上記反応器で生成された炭酸エステルを含む混合物から炭酸エステルを分離するための炭酸エステルの精製塔とを備え、該精製塔で上記ケタール生成反応における未反応のケトン及び/又は生成したケタールをエントレーナとして炭酸エステルを分離することを特徴とする。
また、本発明は、別の側面で、ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法で実施される炭酸エステルの分離方法であって、ケタール生成反応における未反応のケトン及び/又は生成したケタールをエントレーナとして、炭酸エステルを分離するようにしたことを特徴とする。
本発明では、ケタールと二酸化炭素とを反応させた際、ケタール生成反応におけるケタールの未反応物が存在しないようにすることができ、その場合はケタールのみをエントレーナとして、アルコールと炭酸エステルを分離することができる。
また、上記混合物は、40wt%以下のケタール及び30〜55wt%のケトンを含むことが好ましい。
本発明では、炭酸ジメチルを分離する際、単一の精製塔において、ケタールも同時に分離することにより,機器点数を減らすことができる。
本発明において、ケタールは、アセトンジメチルアセタールであることが好ましい。このとき、アルコールは、メタノールであり、ケトンは、アセトンである。
本発明によれば、他プラントで用意したエントレーナを供給することなく、メタノール等のアルコールと炭酸ジメチル等の炭酸エステルとを分離することができるようにした炭酸エステルの製造装置及びアルコールと炭酸エステルの分離方法が提供される。
以下に、本発明に係る炭酸エステルの製造装置及びアルコールと炭酸エステルの分離方法について、アルコールをメタノールとし、炭酸エステルを炭酸ジメチルとしたものに関し、実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るメタノールと炭酸ジメチルの分離方法を実施する炭酸ジメチルの製造装置10の一実施の形態を説明する図である。
この図1に示すように、炭酸ジメチルの製造装置10は、反応器20、CO2ストリッパ30、脱ガス塔40、DMC(炭酸ジメチル)精製塔50、ADA(アセトンジメチルアセタール)回収塔60、ADA(アセトンジメチルアセタール)生成器70、脱水塔80、蒸留塔81を備えている。
反応器20には、例えば30MPaという、常圧より高い圧力にコンプレサ21によって加圧された高圧状態の液体二酸化炭素と、同様に高圧状態のアセトンジメチルアセタールがライン22を介して事前に合流して混合され、蒸気化されて導入される。
反応器20では、常圧より高い所定の圧力(第一の圧力)、例えば30MPaの圧力下において、アセトンジメチルアセタールに、所定の触媒下で、CO2を反応させる。このような触媒による反応で、反応器20では、炭酸ジメチル(化合物)が生成(合成)され、また副生物として、アセトンが生成される。
このようにして得られる混合物は、40wt%以下のアセトンジメチルアセタール及び55wt%以下好適には30〜55wt%のアセトンを含むことが好適である。ただし、アセトンジメチルアセタール及びアセトンは、いずれか一方が少なくとも存在しなければならない。
このような触媒としては、例えば、ジブチル錫触媒を用いることができる。しかし、ジブチル錫触媒は毒性が強く、比較的高価であり、反応条件も厳しいため、工業的に有利とは言えない。そこで、触媒としては、固体酸点を有する化合物からなる担体に、強酸を担持させてなるものを用いるのが好ましい。
このとき、固体酸点を有する化合物とは、種々の固体、特には金属の酸化物(Al23、V25等)、硫化物(ZnS等)、硫酸塩(NiSO4、CuSO4等)、リン酸塩(AlPO4、Tiリン酸塩等)、塩化物(AlCl3、CuCl2等)、粘土鉱質、ゼオライト等をいい、固体酸が酸塩基触媒作用を行うものをいう。本実施形態においては、特に、ZrO2、Al23、TiO2を用いることが好ましい。
また、担持させる強酸としては、SO4 2-又はPO4 3-を用いることが好ましい。しかし、これ以外にも強酸であれば、上記担体に担持させることができる。SO4 2-又はPO4 3-としては、H2SO4、H3PO4、(NH42SO4、(NH43PO4由来のものを用いることができる。
反応器20から排出された炭酸ジメチルとアセトンの混合物は、高圧状態のまま、CO2ストリッパ30に送り込まれる。このとき、反応器20で未反応のアセトンジメチルアセタール及び二酸化炭素が混在している。また、アセトンジメチルアセタールは、後述するように、メタノール及びアセトン反応させて製造される。そのため、上記混合物中には、メタノール及びアセトンも含まれている。
CO2ストリッパ30では、常圧より高く、かつ反応器20で反応を行う圧力より低い所定の圧力(第二の圧力)、例えば4MPaの圧力下で、二酸化炭素を、混合物から分離する。
このようなCO2ストリッパ30は、液体を加熱する熱源を備えている。
CO2ストリッパは、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔と同様の構成を有するもので、高圧下で炭酸ジメチル、アセトン、アセトンジメチルアセタール、メタノール、二酸化炭素等の混合物を焚き上げることで、液成分である二酸化炭素だけが上昇する。そして、所定の圧力、例えば4MPaの圧力で、二酸化炭素だけを分離し、CO2ストリッパ30の上部から排出し、他の成分を液の状態のまま底部から排出して脱ガス塔40に送る。
なお、CO2ストリッパに代替してフラッシュタンクを用いることもできる。フラッシュタンクは、高圧の液体を蒸発させ、低圧の蒸気と低圧の凝縮液に分離する装置であり、CO2ストリッパと同様、二酸化炭素を分離し、炭酸ジメチル及びアセトン等を液の状態のまま脱ガス塔40に送る。
脱ガス塔40は、底部を加熱し、150℃付近とし、軽質ガスを排出する。他のアセトンジメチルアセタールの未反応物、アセトン、炭酸ジメチル及びメタノールを含む混合物は、液の状態でDMC精製塔50に送られる。
DMC精製塔50には、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔を採用することができる。DMC精製塔50では、上記混合液を導入すると、塔底の混合液をリボイラで加熱し、DMC精製塔50に戻す。これにより、DMC精製塔50内の混合物のうち沸点の低い物質から蒸発し、塔内を上昇する。DMC精製塔50に新たに導入されて塔内を落下する混合液と、上昇する蒸気とが気液接触する。
加熱操作によって、DMC精製塔50の上部側では、混合液のうち沸点の低い物質であるアセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの濃度が高くなり、下部側では沸点の高い物質である炭酸ジメチルの濃度が高くなるという濃度分布が生じる。そして、DMC精製塔50の上部から、アセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの蒸気を排出し、排出された蒸気を、冷却器(コンデンサ)で凝縮させることで、これらを液体の状態とする。一方、DMC精製塔50の下部から、炭酸ジメチルを液体の状態で回収することができる。
このDMC精製塔50では、他で用意したエントレーナ抽出溶媒を加えることなく、炭酸ジメチルを100wt%又はそれに近い濃度で取り出すことができ、かつ排出される蒸気中にも炭酸ジメチルが残留しないようにすることができる。これは、未反応分であるアセトンジメチルアセタール及びアセトンがエントレーナの役割を果たすためである。これは、本発明の特徴部分であり、本発明では、この実施の形態のように、アセトンジメチルアセタール及びアセトンの分離工程を経ることなく炭酸ジメチルを分離することとしている。
なお、本明細書中及び特許請求の範囲の記載で、分離操作というときは、単離操作も含む概念である。
そして、冷却器で冷却して得られるアセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの混合物は、液体として、ADA回収塔60に送られる。ADA回収塔60では、DMC精製塔50と同様、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔を採用することができる。DMC精製塔50と同様にして、液状で回収したアセトンジメチルアセタールを反応器20にリサイクルする。ADA回収塔60の上部から、アセトン、及びメタノールの蒸気を排出し、排出された蒸気を、冷却器で凝縮させることで、これらを液体の状態とする。
ADA回収塔60から排出されたメタノール及びアセトンは、外部から供給されたメタノール及びアセトンと混合され、ADA生成器70に導入される。ADA生成器70で、アセトンとメタノールを反応させるとことによって、アセトンジメチルアセタールと水が生成される。
ADA生成器70から排出されたアセトンジメチルアセタールと水の混合液は、蒸留塔81において原料であるアセトン、メタノールの一部が分離され、ADA生成器70にリサイクルされる。アセトンジメチルアセタールと水は、脱水塔80に送り込まれる。脱水塔80にて、水は下部から排水として除去され、塔頂のアセトンジメチルアセタールはライン22を介して反応器20に送られる。
また、CO2ストリッパ30から排出された高圧の二酸化炭素も、ライン22に循環される。
ここで二酸化炭素は、所定の圧力30MPaGまでコンプレッサ31により圧縮される。
図1の実施において、アセトンジメチルアセタールと二酸化炭素とを反応させた際、アセトンジメチルアセタールの未反応物が存在しないように、反応器20を制御することもできる。この制御は、反応器温度を低く設定し、その温度における平衡組成を変化させ、又は反応器内において生成する水を随時分離除去させること等により行う。これによって、循環させる未反応物の量が減少し,循環ポンプの負荷低減させる効果を期待することができる。
図2は、本発明に係るメタノールと炭酸ジメチルの分離方法を実施する炭酸ジメチルの製造装置10の他の実施の形態を説明する図である。
図1の実施の形態に対し、ADA回収塔60を省略し、DMC精製塔50で、アセトンジメチルアセタールも同時に分離するように構成している。
このDMC精製塔50にも、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔を採用することができる。DMC精製塔50では、図1について示したと同様の混合液を導入すると、塔底の混合液をリボイラで加熱し、DMC精製塔50に戻す。これにより、DMC精製塔50内の混合物のうち沸点の低い物質から蒸発し、塔内を上昇する。DMC精製塔50に新たに導入されて塔内を落下する混合液と、上昇する蒸気とが気液接触する。
加熱操作により、DMC精製塔50の上部側では、混合液のうち沸点の低い物質であるアセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの濃度が高くなり、下部側では沸点の高い物質である炭酸ジメチルの濃度が高くなるという濃度分布が生じる。そして、DMC精製塔50の上部から、アセトン、及びメタノールの蒸気を排出し、排出された蒸気を、冷却器で凝縮させることで、これらを液体の状態とする。一方、DMC精製塔50の中段から、アセトンジメチルアセタールの蒸気を回収することができる。DMC精製塔50の下部から、炭酸ジメチルを液体の状態で回収することができる。
この実施の形態は、機器点数が少なくてすむという利点を有する。
なお、図2で示すDMC精製塔とADA回収塔60以外の要素は、実質的に同一の構成・作用・効果を有する。
本発明に関し、メタノールと炭酸ジメチルの分離方法を実施する炭酸ジメチルの製造装置の一実施の形態を説明する概念図である。 本発明に関し、メタノールと炭酸ジメチルの分離方法を実施する炭酸ジメチルの製造装置の他の実施の形態を説明する概念図である。
符号の説明
10 炭酸ジメチルの製造装置
20 DMC(炭酸ジメチル)反応器
30 CO2ストリッパ
40 脱ガス塔
50 DMC(炭酸ジメチル)精製塔
60 ADA(アセトンジメチルアセタール)回収塔
70 ADA(アセトンジメチルアセタール)生成器
80 脱水塔

Claims (10)

  1. ケトンとアルコールとを反応させてケタールを得るケタール生成器と、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造する反応器と、上記ケタール生成器でのケタール生成反応において生成された未反応のケトン及び/又は生成したケタールと上記反応器で生成された炭酸エステルを含む混合物から炭酸エステルを分離するための炭酸エステルの精製塔とを備え、該精製塔で上記ケタール生成反応における未反応のケトン及び/又は生成したケタールをエントレーナとして炭酸エステルを分離することを特徴とする炭酸エステルの製造装置。
  2. ケタールと二酸化炭素とを反応させた際、ケタールの未反応物が存在しないようにしたことを特徴とする請求項1の炭酸エステルの製造装置。
  3. 上記混合物が40wt%以下のケタール及び30〜55wt%のケトンを含むことを特徴とする請求項1又は2の炭酸エステルの製造装置。
  4. 炭酸エステルを分離する際、単一の精製塔で、ケタールも分離することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの炭酸エステルの製造装置。
  5. 上記ケタールがアセトンジメチルアセタールであり、上記アルコールがメタノールであり、上記ケトンがアセトンであり、上記炭酸エステルが炭酸ジメチルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの炭酸エステルの製造装置。
  6. ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法で実施される炭酸エステルの分離方法であって、ケタール生成反応における未反応のケトン及び/又は生成したケタールをエントレーナとして、炭酸エステルを分離するようにしたことを特徴とするアルコールと炭酸エステルの分離方法。
  7. ケタールと二酸化炭素とを反応させた際、ケタールの未反応物が存在しないようにしたことを特徴とする請求項6のアルコールと炭酸エステルの分離方法。
  8. 上記混合物が40wt%以下のケタール及び30〜55wt%のケトンを含むことを特徴とする請求項6又は7のアルコールと炭酸エステルの分離方法。
  9. 炭酸エステルを分離する際、単一の精製塔で、ケタールも分離することを特徴とする請求項6〜8のいずれかのアルコールと炭酸エステルの分離方法。
  10. 上記ケタールがアセトンジメチルアセタールであり、上記アルコールがメタノールであり、上記ケトンがアセトンであり、上記炭酸エステルが炭酸ジメチルであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかのアルコールと炭酸エステルの分離方法。
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