JP2009084330A - オパール加工用インクセットおよびそれを用いたオパール加工布帛の製造方法 - Google Patents

オパール加工用インクセットおよびそれを用いたオパール加工布帛の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット方式による安定した連続加工が可能であり、かつ、インクジェット方式により抜蝕と染色がなされ、意匠性に優れた、絹や合成繊維等の耐酸性繊維と綿やレーヨン等のセルロース系繊維との混用布帛のオパール加工布帛を得ることが出来る、オパール加工用インクセットおよびそれを用いたオパール加工布帛の製造方法を提供することである。
【解決手段】インクジェット捺染に用いられるインクセットであって、硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクと、耐酸性繊維の染色用インクの少なくとも2つのインクを備えることを特徴とするオパール加工用インクセットである。
【選択図】なし

Description

本発明は、オパール加工用インクセットおよびそれを用いたオパール加工布帛の製造方法に関するものである。
オパール加工法としては、例えば、絹や合成繊維等の耐酸性繊維と綿やレーヨン等のセルロース系繊維との混用布帛に対して、硫酸バンド等の強酸性の物質を含む捺染糊で印捺して、次いで熱処理をすることによりセルロース系繊維を炭化させ、炭化した部分を除去することで所望の透かし模様を得る方法がよく知られている。
さらにはこの方法に着色剤を含む捺染糊を併用して、炭化したセルロース系繊維を除去した後に残る耐酸性繊維を着色するという、オパール加工(抜蝕)と着色を同時におこなうことが、例えば、特許文献1等に開示されており、オパール加工布帛の意匠性をさらに向上させる方法が研究されている。
しかしながら、上述した方法では、捺染スクリーンの型作りから始める必要があり、時間やコストの面において、少ない数量の加工への対応が極めて難しいという問題がある。また、薬剤を含有する捺染糊は高粘度であり、布帛への浸透性が悪く、例えば、パイル長の長い立毛布帛や厚手の布帛に対しては、薬剤が布帛内部まで行き届かず、結果的に、オパール加工が不充分となるおそれもある。
このような問題や近年のオパール加工布帛の高意匠化という要求を解決する方法として、インクジェット方式を利用したオパール加工法が検討されている。
インクジェット方式を用いる利点としては、捺染スクリーンの型作りの必要もなく、少ない数量の加工への対応も可能であり、また、必要な部分に必要な量だけ薬剤を噴射して布帛に付与すればよいため、時間やコストの面、さらには安全面おいても、従来法に比べて優位である。さらには、インクジェット方式を用いれば、布帛に更に細かな柄、模様を表現でき、オパール加工布帛の高意匠化にも大きく貢献できる。
特許文献2には、パイル布帛に対して、繊維収縮剤の吹き付けを先におこなった後に、染料を吹き付けることにより凹凸模様を表現する方法が開示されており、そこでこの方法を、上述した絹や合成繊維等の耐酸性繊維と綿やレーヨン等のセルロース系繊維との混用布帛に対してオパール加工を行う場合に適用できないかと検討をおこなったが、硫酸アルミニウム等の強酸性の物質を含むインクと染料を含むインクが同一箇所に付与されると、強酸性の物質が染料の染着性を阻害もしくは染料を破壊してしまい、鮮明で濃度の高いオパール加工布帛を得ることが困難であるという新たな問題が生じた。また、インクジェット装置のメンテナンスという点からも、強酸性の物質を含むインクはインクジェット装置の劣化を著しく進行させ、安定した連続加工が出来ないというおそれも出てきた。
特開2002−061070号公報 特開平10−298863号公報
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インクジェット方式による安定した連続加工が可能であり、かつ、インクジェット方式により抜蝕と着色がなされ、意匠性に優れた、絹や合成繊維等の耐酸性繊維と綿やレーヨン等のセルロース系繊維との混用布帛のオパール加工布帛を得ることが出来る、オパール加工用インクセットおよびそれを用いたオパール加工布帛の製造方法を提供することである。
本発明は、セルロース系繊維のオパール加工用インクの薬剤として、これまでのように硫酸バンド等の強酸性の物質を使用するのではなく、硫酸アンモニウムを使用することにより、上述したような問題は解消されるとの知見に基づきなされたものである。
すなわち本発明は、(1)インクジェット捺染に用いられるインクセットであって、硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクと、耐酸性繊維の染色用インクの少なくとも2つのインクを備えることオパール加工用インクセットに関する。
そして本発明は、(2)さらに、セルロース系繊維の染色用インクと、セルロース系繊維の染色補助インクを備えることが好ましい。
また本発明は、(3)耐酸性繊維とセルロース系繊維との混用布帛のオパール加工された布帛を製造する方法において、該混用布帛に、(1)または(2)のオパール加工用インクセットを使用してインクジェット捺染をおこなった後、湿熱処理およびソーピング処理をおこなうオパール加工布帛の製造方法に関する。
そして本発明は、(4)さらに、ソーピング処理の前もしくは後に、ウォータージェット処理をおこなうことが好ましい。
本発明によれば、インクジェット方式による安定した連続加工が可能であり、かつ、インクジェット方式により抜蝕と染色がなされ、意匠性に優れた、絹や合成繊維等の耐酸性繊維と綿やレーヨン等のセルロース系繊維との混用布帛のオパール加工布帛を得ることが出来る、オパール加工用インクセットおよびそれを用いたオパール加工布帛の製造方法を提供できる。
本発明において最も特徴的な効果としては、インクジェット方式にて、硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクによりセルロース系繊維を除去(抜蝕)し、その除去された部分(柄、模様として認識される部分)の耐酸性繊維を染色する、という抜蝕と染色を同一工程にておこなうことができ、また、得られるオパール加工布帛も鮮明で濃度が高く、意匠性に優れたものとなる、ということである。
また本発明において、得られるオパール加工布帛のオパール加工が施されている部分のすべてにおいて、その部分の耐酸性繊維が染色されている必要はなく、少なくとも一部において、その部分の耐酸性繊維が染色されていればよく、その割合については、柄、模様のデザイン等に基づいて決定されるものであり、任意である。
さらには、オパール加工布帛のオパール加工が施されている部分以外の耐酸性繊維とセルロース系繊維の染色については、両繊維のすべてあるいは一部が染められていてもよく、他方の繊維のみがすべてあるいは一部染められていてもよく、あるいはまた、両繊維共に染められていなくてもよく、これについても柄、模様のデザイン等に基づいて決定されるものであり、任意である。
またその場合の染色方法については、本発明のインクジェット捺染工程にて同時に染められてもよく、本発明のインクジェット捺染工程の前あるいは後の工程にて染められてもよく、これについても任意でよいが、時間、コストを考えると、本発明のインクジェット捺染工程にて同時に染められることが好ましい。
本発明のインクセットを使用してインクジェット方式によりオパール加工される対象となる布帛は、耐酸性繊維とセルロース系繊維との混用布帛である。
耐酸性繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル系繊維、ウール、絹、等が例示でき、セルロース系繊維としては、綿、麻、等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、等の再生繊維、リヨセル、等の精製繊維、等が例示でき、混用布帛は、これらの繊維が混紡、混繊、交撚、交織、交編、等の形で使用されていればよく、その繊維種については3種類以上であってもよい。混用布帛の形態については、織物、編物、不織布、等が例示できる。
本発明においては上述した混用布帛に対してインクジェット方式によりオパール加工されるが、そのインクジェット捺染の前処理として、混用布帛にインク受理層が形成されることが好ましい。このインク受理層はノズルから混用布帛に吐出されたインクを瞬時に受け止め、適度に保持して滲ませないようにするためのもので、通常、水溶性高分子を主成分として形成されるものである。水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷん、グアガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、等を挙げることができ、これらを2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、インク受理層には、必要に応じて、還元防止剤、界面活性剤、防腐剤、等を含有させてもよい。
本発明においては、硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクと、耐酸性繊維の染色用インクの少なくとも2つのインクを備えたオパール加工用インクセットを用いてインクジェット捺染をおこなう。
硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクとは、硫酸アンモニウムを水に溶解させたものであり、その含有量としては、インクの5〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。含有量が5重量%未満であると、セルロース系繊維を十分に炭化することができなくなるおそれがあり、また含有量が40重量%を超えると、硫酸アンモニウムが析出し易くなり、インクの保存安定性、吐出安定性が低下するおそれがあるためである。
また硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクは、ナイロン繊維、ポリエステル系繊維の着色用pH調整剤としても作用するので、この点おいても優位である。
耐酸性繊維の染色用インクとは、対象となる耐酸性繊維の種類により違うものとなるが、例えば、ナイロン繊維の場合には、反応性染料、酸性染料、金属錯塩型染料、等を水に溶解させたインクであり、反応性染料としては、特に、反応基としてモノクロロトリアジン基、モノフロロトリアジン基、ジフロロモノクロロピリミジン基、トリクロロピリミジン基などから選択される1種を少なくとも1つ有する置換型反応性染料がよい。その理由については、アルカリ存在下でも反応性が小さく、反応基の加水分解が起こり難いからである。
また、例えば、ポリエステル系繊維の場合には、堅牢度、鮮明性および発色性に優れる分散染料を水分散させたインクを使用することができる。分散染料の種類としては、特に限定されるものではないが、その色素母体に、アントラキノン系、アゾ系、キヌロフタロン系の構造をもつものが挙げられる。
また本発明においては、インクジェット捺染工程にて、セルロース系繊維も同時に染められる場合には、上述した硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクと、耐酸性繊維の染色用インクの2つのインクに加えて、さらに、セルロース系繊維の染色用インクと、セルロース系繊維の染色補助インクの2つが追加されたインクセットとして使用することが好ましい。
セルロース系繊維の染色用インクとは、反応性染料を水に溶解させたものであり、なかでも、上述したナイロン繊維の場合と同様の理由により、置換型反応性染料が好ましい。その含有量としては、インクの1〜25重量%であることが好ましい。含有量が1重量%未満であると、濃度不足で染色が出来ないおそれがあり、また含有量が25重量%を超えると、インクが高粘度で吐出安定性が低下するおそれがあるためである。
なお、耐酸性繊維の染色用インクとして反応性染料を水に溶解させたものを使用する場合(染色対象となる耐酸性繊維がナイロン繊維等の場合)には、セルロース系繊維の染色用インクの代用として耐酸性繊維の染色用インクを使用して、セルロース系繊維の染色をおこなってもよく、この場合には、必ずしもセルロース系繊維の染色用インクをインクセットに追加する必要はない。
セルロース系繊維の染色補助インクとは、飽和水溶液におけるpHが7〜10であるアルカリ剤を水に溶解させたインクである。アルカリ剤として具体的には、炭酸水素ナトリウム(重曹)、セスキ炭酸ナトリウム、等を挙げることができ、これらを2種類以上組み合わせて用いてもよい。飽和水溶液のpHが7未満であると、セルロース系繊維がうまく染色されないおそれがあり、また、飽和水溶液のpHが10を超えると、反応性染料が加水分解をおこすおそれがある。その含有量としては、アルカリ剤がインクの1〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。含有量が1重量%未満であると、セルロース系繊維がうまく染色されないおそれがあり、また、含有量が20重量%を超えると、アルカリ剤が析出し易くなり、インクの保存安定性、吐出安定性が低下するおそれがあるためである。
なお上述した各インクには、必要に応じて、乾燥防止剤、防腐剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、分散剤、溶媒、補助溶媒、消泡剤、等を含有させてもよい。
またインクジェット捺染工程にて使用されるインクジェット装置については、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式、等の連続方式や、ピエゾ方式、静電吸引方式、等のオンデマンド方式のいずれも採用可能であるが、なかでも、インク吐出量の安定性、連続吐出性に優れ、比較的安価で製造できるという理由から、ピエゾ方式が好ましい。
本発明においては、インクジェット捺染をおこなった後、湿熱処理をおこなう。具体的には、HTスチーマーを用い、140〜180℃で5〜30分間処理することが好ましく、さらには、150〜160℃で10〜20分間処理することがより好ましい。処理温度が140℃あるいは処理時間が5分未満であると、セルロース系繊維の炭化が不十分となるおそれがあり、また、処理温度が180℃あるいは処理時間が30分を超えると、混用布帛が黄変したり、反応染料の染色性が低下したりするおそれがある。また、HTスチーマーを用いる理由については、セルロース系繊維の炭化に寄与するエネルギーが大きく、オパール加工性が著しく向上し、また、蒸気状態に多少バラツキが生じてもそれがオパール加工布帛の品質に大きく影響することがないためである。さらに、処理時間も短縮できるので量産に適した方法であるといえる。
さらに湿熱処理後、炭化したセルロース系繊維、未固着染料、前処理剤、等の除去を目的としてソーピング処理をおこなう。ソーピング処理については、従来公知の方法で行えばよく、例えば、アニオンまたはノニオン系界面活性剤を1〜5g/L含むソーピング浴中で、50〜85℃、5〜20分間処理すればよい。またこのときに、必要に応じて、中和(酸洗い)を組み合わせてもよい。
また本発明においては、セルロース系繊維のオパール加工の薬剤として強酸性の物質を使用するのではなく、硫酸アンモニウムを使用しているので、混用布帛の形態や柄、模様等のデザインや加工条件などによっては、炭化したセルロース系繊維が通常のソーピング処理では落ちにくい場合があり、この場合には、ソーピング処理の前もしくは後に、ノズルより水に圧力をかけて布帛に噴射することにより水圧で強制的に炭化したセルロース系繊維を除去するウォータージェット処理をおこなえばよい。
ウォータージェット処理は、複数のノズルが直線状に配列され、その複数のノズルから同時に高圧水が噴射されるウォータージェット処理装置を使用して、この高圧水が布帛に対して垂直に当たるように処理するとより効果的である。また、噴射水圧としては、0.5〜12MPaが好ましく、さらには1〜8MPaがより好ましい。水圧が0.5MPaよりも小さくなると除去効果が充分ではなく、また水圧が12MPaよりも大きくなると布帛にダメージを与えてしまうおそれがある。
次に本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中の「%」は、「重量%」をあらわす。
実施例1
(セルロース系繊維のオパール加工用インクの作製)
下記組成物を混合し、スターラーを用いて1時間攪拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙(株)製)にて減圧濾過後、真空脱気処理し、セルロース系繊維のオパール加工用インクを作製した。
硫酸アンモニウム 30%
尿素(溶解安定剤) 5%
ジエチレングリコール(乾燥防止剤) 5%
水 60%
(耐酸性繊維の染色用インクの作製)
下記組成物を混合し、ホモジナイザーを用いて1時間攪拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙(株)製)にて減圧濾過後、真空脱気処理し、ポリエステル系繊維染色用3原色インクを作製した。
(Blueインク)
Kiwalon Polyester Blue BGF 10%
(紀和化学工業(株)製、C.I.Disperse Blue 73)
Disper TL 2%
(明成化学工業(株)製、アニオン系界面活性剤)
ジエチレングリコール 5%
水 83%
(Redインク)
Kiwalon Polyester Red BFL 10%
(紀和化学工業(株)製、C.I.Disperse Red 92)
Disper TL 2%
ジエチレングリコール 5%
水 83%
(Yellowインク)
Kiwalon Polyester Yellow 6GF 10%
(紀和化学工業(株)製、C.I.Disperse Yellow 114)
Disper TL 2%
ジエチレングリコール 5%
水 83%
作製したセルロース系繊維のオパール加工用インクとポリエステル系繊維染色用3原色インクをセットとし、本発明のオパール加工用インクセットを得た。
実施例2
(セルロース系繊維のオパール加工用インクの作製)
実施例1と同様にして作製した。
(耐酸性繊維の染色用インクの作製)
下記組成物を混合し、スターラーを用いて1時間攪拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙(株)製)にて減圧濾過後、真空脱気処理し、ポリエステル繊維染色用3原色インクを作製した。
(Blueインク)
Cibacron Blue P−3R liq.40% 40%
(CibaSC社(製)、C.I.Reactive Blue 49、
モノクロロトリアジン型反応性染料)
尿素(溶解安定剤) 5%
水 55%
(Redインク)
Kayacion Red P−4BN liq.33% 50%
(日本化薬(株)製、C.I.Reactive Red 3;1、
モノクロロトリアジン型反応性染料)
尿素 5%
水 45%
(Yellowインク)
Cibacron Yellow P−6GS liq.33% 50%
(CibaSC社製、C.I.Reactive Yellow 95、
モノクロロトリアジン型反応性染料)
尿素 5%
水 45%
作製したセルロース系繊維のオパール加工用インクとナイロン繊維染色用3原色インクをセットとし、本発明のオパール加工用インクセットを得た。
比較例1
(セルロース系繊維のオパール加工用インクの作製)
下記組成物を混合し、スターラーを用いて1時間攪拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙(株)製)にて減圧濾過後、真空脱気処理し、セルロース系繊維のオパール加工用インクを作製した。
硫酸アルミニウム 30%
尿素(溶解安定剤) 5%
ジエチレングリコール(乾燥防止剤) 5%
水 60%
(耐酸性繊維の染色用インクの作製)
実施例1と同様にして作製した。
作製したセルロース系繊維のオパール加工用インクとポリエステル系繊維染色用3原色インクをセットとし、オパール加工用インクセットを得た。
(セルロース系繊維の染色用インクの作製)
下記組成物を混合し、スターラーを用いて1時間攪拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙(株)製)にて減圧濾過後、真空脱気処理し、セルロース系繊維の染色用3原色インクを作製した。
(Blueインク)
Cibacron Blue F−R 5%
(CibaSC社製、C.I.Reactive Blue 182、
モノフロロトリアジン型反応性染料)
尿素(溶解安定剤) 5%
水 90%
(Redインク)
Cibacron Red F−B 5%
(CibaSC社製、C.I.Reactive Red 184、
モノフロロトリアジン型反応性染料)
尿素 5%
水 90%
(Yellowインク)
Cibacron Yellow F−4G 5%
(CibaSC社製、C.I.Reactive Yellow 143、
モノフロロトリアジン型反応性染料)
尿素 5%
水 90%
(セルロース系繊維の染色補助インクの作製)
下記組成物を混合し、スターラーを用いて1時間攪拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙(株)製)にて減圧濾過後、真空脱気処理し、セルロース系繊維の染色補助インクを作製した。
重曹(アルカリ剤、飽和水溶液におけるpH8.8) 10%
尿素(溶解安定剤) 5%
水 85%
(耐酸性繊維とセルロース系繊維との混用布帛の準備)
ポリエステル系繊維(東レ(株)製、単糸繊度0.7dtex、33dtex/48f)および綿(日清紡績(株)製、100%紡績糸20番双糸)からなるトリコットハーフ経編(ポリエステル系繊維 65%、綿 35%)の混用布帛に対して、下記処方により前処理をおこなってインク受理層を形成した混用布帛Aを準備した。
(前処理処方)
下記組成物を混合してホモジナイザーを用い1時間攪拌して得られた処理液を固形分換算で2g/m2になるようにディップニップ法で付与した後、170℃で2分間乾燥した。
DKSファインガムHEL−1 2%
(第一工業製薬(株)製、エーテル化カルボキシメチルセルロース)
MSリキッド 5%
(明成化学工業(株)製、ニトロベンゼンスルホン酸塩、還元防止剤)
水 93%
ナイロン繊維(東レ(株)製、単糸繊度0.7dtex、33dtex/48f)および綿(日清紡績(株)製、100%紡績糸20番双糸)からなるトリコットハーフ経編(ナイロン繊維 60%、綿 40%)の混用布帛に対して、混用布帛Aと同様の前処理をおこなってインク受理層を形成した混用布帛Bを準備した。
実施例3
実施例1のインクセットに、作製したセルロース系繊維の染色用インクとセルロース系繊維の染色補助インクを更に追加した本発明のオパール加工用インクセットを用いて、準備した混用布帛Aに対してインクジェット捺染をおこなった。なお、インクジェット捺染の条件は以下の通りである。
捺染装置:オンデマンド方式シリアル走査型インクジェット装置(ピエゾ)
ノズル径:50μm
駆動電圧:100V
周波数:5kHz
解像度:360dpi
なお、インクジェット捺染の図柄については、図1のデザインとし、図1の各部分については、
A部(オパール加工+耐酸性繊維の染色部分)
セルロース系繊維のオパール加工用インクと耐酸性繊維の染色用インクをそれぞれ40g/m2で付与、
B部(オパール加工部分)
セルロース系繊維のオパール加工用インクを40g/m2で付与、
C部(セルロース系繊維の染色部分)
セルロース系繊維の染色用インクとセルロース系繊維の染色補助インクをそれぞれ40g/m2で付与した。
そして布帛を乾燥させた後、HTスチーマーを用い175℃で10分間の湿熱処理をした。さらに、トライポールTK(第一工業製薬(株)製、ノニオン界面活性剤)を2g/L、ソーダ灰を2g/Lを含むソーピング浴にて、50℃で10分間処理して洗浄した。その後、サンライフE−48(日華化学(株)製、アニオン系フィックス剤)を2g/Lを含むフィックス浴にて、50℃で10分間処理し、その後、ウォータージェット処理(水圧:5MPa)をおこない、乾燥してオパール加工布帛を得た。
得られたオパール加工布帛を以下の評価方法にて評価した結果を表1に示す。
・オパール加工実施部分の耐酸性繊維の染色鮮明性
色柄の鮮明性は目視により、下記基準に従って判定した。
○ 染料本来の色が表現できている
△ 染料本来の色に比べ、若干くすんでいる
× 明らかに染料本来の色に比べ、くすんでいる
・インクジェット装置の劣化評価
またインクジェット装置の劣化の程度を評価する目的で、本実施例のインクジェット捺染を1日8時間で7日間実施し、7日間経過後のインクジェット装置の金属部材の劣化を
下記基準に従って判定した。
○ 変化無し
△ 金属部材にくすみが見られる
× 金属部材に錆が発生した
実施例4
実施例2のインクセットに、作製したセルロース系繊維の染色補助インクを更に追加した本発明のオパール加工用インクセットを用いて、準備した混用布帛Bに対してインクジェット捺染をおこなった。なおセルロース系繊維の染色には、セルロース系繊維の染色用インクの代用として耐酸性繊維の染色用インクを用いた。また、その他の条件については実施例3と同様にしてオパール加工布帛を得た。得られたオパール加工布帛を評価した結果を表1に示す。
比較例2
比較例1のインクセットに、作製したセルロース系繊維の染色用インクとセルロース系繊維の染色補助インクを更に追加したオパール加工用インクセットを用いて、準備した混用布帛Aに対してインクジェット捺染をおこなった。また、その他の条件については実施例3と同様にしてオパール加工布帛を得た。得られたオパール加工布帛を評価した結果を表1に示す。
Figure 2009084330
実施例においてインクジェット捺染おこなった図柄のデザインを説明した図である。
符号の説明
A オパール加工+耐酸性繊維の染色部分
B オパール加工部分
C セルロース系繊維の染色部分
D 未実施部分

Claims (4)

  1. インクジェット捺染に用いられるインクセットであって、硫酸アンモニウムを含むセルロース系繊維のオパール加工用インクと、耐酸性繊維の染色用インクの少なくとも2つのインクを備えることを特徴とするオパール加工用インクセット。
  2. さらに、セルロース系繊維の染色用インクと、セルロース系繊維の染色補助インクを備えることを特徴とする請求項1記載のオパール加工用インクセット。
  3. 耐酸性繊維とセルロース系繊維との混用布帛のオパール加工された布帛を製造する方法において、該混用布帛に、請求項1または2記載のオパール加工用インクセットを使用してインクジェット捺染をおこなった後、湿熱処理およびソーピング処理をおこなうことを特徴とするオパール加工布帛の製造方法。
  4. さらに、ソーピング処理の前もしくは後に、ウォータージェット処理をおこなうことを特徴とする請求項3記載のオパール加工布帛の製造方法。
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