JP2009091165A - 水素供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型、且つ、高容量で、高純度の水素を安定して供給することが可能であり、燃料電池で生成される水が水素貯蔵タンク内へ流入することを抑制できるバッファタンクを備える水素供給システムを提供する。
【解決手段】水素貯蔵タンク7と、該水素貯蔵タンクから送られる水素を一時的に貯蔵するバッファタンク10と、を備える水素供給システムにおいて、バッファタンクの内部に水素貯蔵材料1を備えることを特徴とする、水素供給システム100とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型、且つ、高容量で、高純度の水素を安定して供給することが可能であり、燃料電池で生成される水が水素貯蔵タンク内へ流入することを抑制できるバッファタンクを備える水素供給システムに関する。
水素は様々な原料から製造することが可能であり、無尽蔵に存在する。また、水素は燃焼や燃料電池などでの反応後に有毒物質をほとんど発生しない。そのため、大気汚染や地球温暖化の抑制に繋がるクリーンなエネルギー源として注目を集めている。
水素をエネルギー源として利用する装置の具体例としては、燃料電池、水素エンジン、ニッケル水素蓄電池などを挙げることができる。そして、これらの装置に水素を供給する方法としては、水素を高圧圧縮水素として貯蔵した高圧ボンベから供給する方法、水素を液体水素として貯蔵した低温貯蔵タンクから供給する方法、水素を放出することができる水素化物から供給する方法などがある。これらの方法のうち、高密度で水素を貯蔵できるという観点からは、水素化物から供給する方法が望ましい。
しかし、上記のような方法で水素を供給する際には、以下のような問題があった。まず、水素を利用する装置へと水素を供給する際に、水素に不純物が混合されるという問題があった。また、水素化物から水素を供給する場合に、瞬時に水素が放出されない熱分解系(水素を放出する際に加熱を要する)の水素化物を用いると、始動時や多量の水素を必要とする時などの応答性が良くなかった。
上記問題を解決するための手段として、例えば、特許文献1には、タンクから放出された水素ガスを備蓄するバッファタンクを備えることで、始動時や高負荷時に対応するための技術が開示されている。具体的には、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続されて、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクの双方又は一方から可変的に水素が負極側に供給される燃料電池スタックと、前記水素吸蔵タンク、前記水素高圧バッファタンク、及び前記タンク連結配管の少なくとも1箇所に設けられた水素充填部と、を備えることを特徴とする燃料電池システムに関する技術が開示されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、水素含有ガスから不純物を除去する技術が開示されている。具体的には、特許文献2には、天然ガス、ガソリン、メタノール等炭化水素系燃料を水蒸気改質法または部分酸化法によって水素を含む改質燃料に変換し、水素吸蔵合金のもつ選択的水素吸蔵機能を用いてこの改質燃料から高純度水素ガスを分離するとともにCO、HO、N等の主要な不純物ガスを別に排出または回収して、燃料供給系統を閉鎖系とした燃料電池に水素ガスのみを加圧供給することを特徴とする燃料電池発電装置に関する技術が開示されており、特許文献3には、水素吸蔵合金式水素貯蔵タンクに水素ガスを充填する装置であって、前記水素貯蔵タンクと水素ガス注入口とを連結するパイプの途中に、水素吸蔵合金を含有するフィルター装置が着脱自在に取り付けられていることを特徴とする水素ガス充填装置に関する技術が開示されている。
特開2004−253258号公報 特開2000−12061号公報 特開2002−54798号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、水素を高圧で圧縮してバッファタンクに貯蔵しており、バッファタンクを小型化することが困難であった。また、特許文献2及び特許文献3に開示されている技術では、水素含有ガスから不純物を除去して燃料電池などの装置に水素を送ることは可能であるが、燃料電池で生成される水(水蒸気)から水素貯蔵タンク内の水素化物を護ることができない。水(水蒸気)が水素貯蔵タンク内に流入すると、水素貯蔵タンク内の水素化物が水と反応し、吸蔵能力(吸蔵量)の低下を招く虞があった。
そこで本発明は、小型、且つ、高容量で、高純度の水素を安定して供給することが可能であり、燃料電池で生成される水が水素貯蔵タンク内へ流入することを抑制できるバッファタンクを備える水素供給システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、水素貯蔵タンクと、該水素貯蔵タンクから送られる水素を一時的に貯蔵するバッファタンクと、を備える水素供給システムにおいて、バッファタンクの内部に水素貯蔵材料を備えることを特徴とする、水素供給システムである。
本発明において、「水素貯蔵タンク」とは、水素の貯蔵、及び、バッファタンクへ水素を送ること、ができる容器であれば特に限定されるのもではない。また、本発明において、「水素貯蔵材料」とは、熱や圧力を利用して、水素を可逆的に吸蔵/放出できる材料を意味する。
また、上記本発明の水素供給システムにおいて、水素貯蔵材料が、複数種類の水素吸蔵合金を備えており、複数種類の水素吸蔵合金が、それぞれ異なる圧力下で水素の吸蔵及び放出を行えることが好ましい。
また、上記本発明の水素供給システムにおいて、水素貯蔵タンクから送られて、バッファタンクの内部に備えられる水素貯蔵材料に吸蔵された後に、該水素貯蔵材料から放出される水素を供給できることが好ましい。
ここに、「水素貯蔵タンクから送られてバッファタンクの内部に備えられる水素貯蔵材料に吸蔵された後に該水素貯蔵材料から放出される水素を供給できる」とは、水素貯蔵タンクからバッファタンクに送られた水素を、一旦、バッファタンクの内部に備えられる水素貯蔵材料に吸蔵させ、その水素貯蔵材料に吸蔵された水素を、水素貯蔵材料から放出させることによって、燃料電池などの水素を利用する装置に水素を供給できることを意味する。かかる形態の具体例としては、一端が燃料電池などの水素を利用する装置へと繋がっており、他端部がバッファタンク内の水素貯蔵材料によって囲まれた空間内にある配管によって、バッファタンクから燃料電池などへと水素を供給する形態などを挙げることができる。
また、上記本発明の水素供給システムにおいて、水素貯蔵タンクに複数のバッファタンクが並列に連結されており、水素供給中には、複数のバッファタンクのうち一部のバッファタンクは専ら水素貯蔵タンクから送られる水素を吸蔵するとともに、他の一部のバッファタンクは専ら水素を供給していることが好ましい。
ここに、「水素貯蔵タンクに複数のバッファタンクが並列に連結されており」とは、水素貯蔵タンクと燃料電池などとの間に、配管を介して複数のバッファタンクが並列に連結されており、水素貯蔵タンクから燃料電池などに送られる水素が、その複数のバッファタンクのうち、いずれかのバッファタンクを介して、燃料電池などに供給される形態であることを意味する。また、「水素供給中には、複数のバッファタンクのうち一部のバッファタンクは専ら水素貯蔵タンクから送られる水素を吸蔵するとともに、他の一部のバッファタンクは専ら水素を供給している」とは、本発明の水素供給システムから燃料電池などに水素が供給される際には、専ら燃料電池などへと水素を供給しているバッファタンクと、専ら水素貯蔵タンクから送られてくる水素を内部の水素貯蔵材料で吸蔵している又は水素の供給も吸蔵もしていないバッファタンクと、があることを意味する。
本発明の水素供給システムによれば、バッファタンク内に水素貯蔵材料が備えられることによって、高密度で水素を貯蔵することができるバッファタンクを得ることができる。したがって、本発明によれば、小型、且つ、高容量のバッファタンクを備える水素供給システム提供することができる。
また、水素貯蔵材料が、複数種類の水素吸蔵合金を備えており、その複数種類の水素吸蔵合金が、それぞれ異なる圧力下で水素の吸蔵及び放出を行えることで、水素を安定して供給することが可能なバッファタンクを得られる。したがって、本発明によれば、小型、且つ、高容量で水素を安定して供給できるバッファタンクを備える水素供給システム提供することができる。
また、一旦、バッファタンク内の水素貯蔵材料に吸蔵された水素を燃料電池などに供給する形態とすることによって、高純度の水素を燃料電池などに供給することができる。さらに、本発明の水素供給システムで燃料電池に水素を供給する場合には、燃料電池と水素貯蔵タンクとの間のガス流通経路にバッファタンク内の水素貯蔵材料が介在する形態となることによって、燃料電池で生成された水が水素貯蔵タンクへと流入することを抑制できる。したがって、本発明によれば、小型、且つ、高容量で、高純度の水素を安定して供給することが可能であり、燃料電池で生成される水が水素貯蔵タンク内へ流入することを抑制できるバッファタンクを備える水素供給システムを提供することができる。
また、複数のバッファタンクが備えられることによって、水素を安定して供給することが容易な水素供給システムを提供することができる。
<水素供給システム>
以下、図面を参照しつつ、本発明の水素供給システムについて、具体的に説明する。
図1は、本発明にかかる水素供給システム100を燃料電池6に使用した場合の一例を概略的に示した図である。バッファタンク10については、内部の構造を理解し易くするため、断面を概略的に示している。
図1に示すように、本発明の水素供給システム100には、水素貯蔵タンク7、及びバッファタンク10が備えられている。バッファタンク10には、水素貯蔵材料1、水素貯蔵材料1と熱交換できる熱交換器20、及び圧力計Pの圧力計測部が備えられている。そして、水素貯蔵材料1は、平衡圧が低い水素吸蔵合金である低圧MH材2と、平衡圧が高い水素吸蔵合金であって、低圧MH材2を覆うように配設されている高圧MH材3を備えている。また、水素貯蔵材料1の内部には周囲を低圧MH材2で覆われた空間4が形成されており、バッファタンク10内は、水素貯蔵材料1によって空間4と空間5に分断されている。そして、バッファタンク10には、空間4に一端部を有する配管13が接続されており、その配管13によってバッファタンク10と燃料電池6とが連結されている。さらに、バッファタンク10と水素貯蔵タンク7の間には、配管を介してブースター8が配設されており、水素貯蔵タンク7とブースター8は配管11で、ブースター8とバッファタンク10は配管12で、それぞれ連結されている。さらに、バッファタンク10の底部には、バッファタンク10の外部へと不純物を排出させることができる配管14が接続されており、その配管14の先には反応器9が備えられている。
本発明に用いることができる水素貯蔵タンク7は、水素の貯蔵、及び、バッファタンクへ水素を送ること、ができる容器であれば特に限定されるものではない。ただし、そもそもバッファタンクを備える目的が、燃料電池の始動時や燃料電池に多量の水素を供給する必要が生じた際の応答性の向上を図ることであるということや、本発明のバッファタンクを備える目的が、高純度の水素を燃料電池に供給することであるということからは、水素貯蔵タンク7には水素を放出するまでに時間がかかるタンク、水素とともに不純物が流出する虞のあるタンクであるときに大きな効果を得られるといえる。そのようなタンクの具体例としては、LiHとNHの反応によって水素を得るタンク、BHNHから水素を得るタンク、NaBHとHOの反応から水素を得るタンク、Zr(BHから水素を得るタンク、メタノール改質器から水素を得るタンクなどを挙げることができる。これらの材料や反応から水素を得るタンクの場合、水素が放出されるまでに時間がかかり、反応ガスや反応に伴って生じる不純物ガスを水素と一緒に放出してしまう虞がある。
水素貯蔵タンク7からバッファタンク10へと送られる水素を含むガス(以下、単に「水素含有ガス」という。)は、まず配管11を介してブースター8へと達する。水素貯蔵タンク7から放出された時点での水素含有ガスは低圧(例えば、100℃、0.1MPa程度)であるため、ブースター8によって、水素貯蔵材料1が水素を吸蔵できる圧力(例えば、20〜25MPa程度)まで昇圧される。そして、ブースター8によって昇圧された水素含有ガスは、配管12を介してバッファタンク10へと送られる。
配管12からバッファタンク10へと送られる水素含有ガスは、まず空間5に充満する。水素貯蔵タンク7からバッファタンク10へと送られる水素含有ガスには、上述したように、水素の他に水素貯蔵タンク7で水素を得るために行った反応での反応ガスや反応に伴って生じた不純物ガスを含む場合がある。これらの不純物は、空間5において水素と分離することができる。具体的には、これらの不純物は水素より重いため、バッファタンク10の底部に繋げられた配管14から、バッファタンク10の外部へと排出させることができる。さらに、配管14から排出された不純物を、反応器9で完全に燃焼等の処理を行う、又は、水素貯蔵タンク7へと戻すなどの処理を行うことが可能である。
一方、水素貯蔵タンク7からバッファタンク10へと送られる水素は、ブースター8によって昇圧されているため、圧力の増大により、温度も上昇している(例えば、約150℃)。この高温高圧の水素は、水素貯蔵材料1に吸蔵される。まず、高温高圧の水素は高圧MH材3へと吸蔵され、高圧MH材3に吸蔵された水素は、平衡圧を維持したまま高圧MH材3を通過(拡散)し、低圧MH材2へと吸蔵される。高圧MH材3、及び低圧MH材2に水素が吸蔵された後、すなわち、バッファタンク10内の圧力を圧力計Pでモニターして高圧MH材3、及び低圧MH材2が水素を吸蔵したことを確認した後、水素貯蔵タンク7からバッファタンク10への水素含有ガスの流入が止められる。
このように、バッファタンク10は内部に水素貯蔵材料1を備えることによって、高密度で水素を貯蔵することが可能である。したがって、バッファタンク10は小型、且つ、高容量のバッファタンクとすることができる。
バッファタンク10内で高圧MH材3、及び低圧MH材2に吸蔵された水素は、高圧MH材3、及び低圧MH材2から放出されて、空間4から配管13を介して燃料電池6へと供給される。より具体的には、熱交換器20を加熱し、加熱された熱交換器20から熱が高圧MH材3、及び低圧MH材2へと伝えられ、高圧MH材3、及び低圧MH材2から水素が放出される。そして、高圧MH材3、及び低圧MH材2から放出された水素は、空間4から配管13を介して、燃料電池6へと供給される。
高圧MH材3、及び低圧MH材2から水素が放出される際には、まず高圧MH材3から放出され始める。高圧MH材3から水素が放出され始めると、高圧MH材3から低圧MH材2へと水素が拡散され、しばらくして、高圧MH材3からは水素がほぼ放出されきって、低圧MH材2には大量の水素が吸蔵されている状態となる。バッファタンク10内の圧力を圧力計Pでモニターすることによって、高圧MH材3からは水素がほぼ放出されきり、低圧MH材2には大量の水素が吸蔵されている状態を、容易に把握することができる。したがって、水素供給システム100では、バッファタンク10に貯蔵されている水素がなくなってしまう前に、バッファタンク10に貯蔵されている水素の残量が減少してきたことを容易に把握できるため、安定して水素を供給することができる。
本発明に用いることができる高圧MH材3としては、例えば、TiCrVMo、TiCrMnなどを挙げることができる。また、低圧MH材2としては、例えば、TiMn1.8系合金、TiCrなどを挙げることができる。
上述したように、水素供給システム100では、水素貯蔵タンク7からバッファタンク10へと送られる水素含有ガスは、バッファタンク10で不純物と水素とに分離され、水素貯蔵材料1に一旦吸蔵された水素が、水素貯蔵材料1によって囲われた空間4から、配管13を介して燃料電池6へと供給される。かかる形態とすることによって、高純度の水素を燃料電池6へと供給することができる。
例えば、100ppmのアンモニアを含むガスをバッファタンク10(空間5)へ送ると、配管13から燃料電池6へと供給されるガス中では、アンモニアは検出できない程度に減少している。微量(1%以下)のCO、COを含むガスについても同様に、バッファタンク10(空間5)へ送ると、配管13から燃料電池6へと供給されるガス中では、CO、COは検出できない程度に減少している。仮に高濃度の上記のような不純物を含むガスがバッファタンク10へと供給された場合は、水素貯蔵材料1自体の腐食が始まるため、工業製品への適用は難しい。
一方、燃料電池6から生じた水蒸気については、燃料電池6と水素貯蔵タンク7との間のガス流通経路に水素貯蔵材料1が介在するため、水素貯蔵タンク7へは到達できない。したがって、水蒸気が水素貯蔵タンク7への流入することを防ぐことができる。かかる形態とすることによって、水素貯蔵タンク7内の水素化物が水と反応し、吸蔵能力(吸蔵量)が低下することを防ぐことができる。
図2は、バッファタンク10を複数備えた形態の、本発明にかかる水素供給システム200を燃料電池6に使用した場合の一例を概略的に示す図である。図2において、図1と同じ構成を採るものには、図1で用いた符号と同符号を付し、説明を適宜省略する。
図2に示すように、水素供給システム200は、2つのバッファタンク10(以下、区別する必要があるときは、「バッファタンク10a」及び「バッファタンク10b」という。)を備えている。図1と同様に、バッファタンク10については、断面を概略的に示している。
図2に示すように、水素供給システム200では、ブースター8とバッファタンク10の間に配管を介して三方弁21が配設されている。ブースター8と三方弁21は配管15で、三方弁21とバッファタンク10aは配管16aで、三方弁21とバッファタンク10bは配管16bで、それぞれ連結されている。また、バッファタンク10と燃料電池6とは、バッファタンク10a及びバッファタンク10b内にそれぞれ形成されている空間4に端部を有する配管17によって連結されている。
水素貯蔵タンク7からバッファタンク10へと送られる水素含有ガスは、まず配管11を介してブースター8へと達する。水素貯蔵タンク7から放出された時点での水素含有ガスは低圧(例えば、100℃、0.1MPa程度)であるため、ブースター8によって、水素貯蔵材料1が水素を吸蔵できる圧力(例えば、20〜25MPa程度)まで昇圧される。そして、ブースター8によって昇圧された水素含有ガスは、配管15を介して三方弁21へと達し、三方弁21からは、配管16a、又は配管16bを介してバッファタンク10a、又はバッファタンク10bへと選択的に送られる。
以下に、水素含有ガスが三方弁21から配管16aを介してバッファタンク10aへと送られる場合について説明する。
バッファタンク10aへと送られる水素含有ガスは、まず空間5に充満する。この水素含有ガスは、上述したように、空間5において水素と不純物とに分離することができる。分離された水素は、ブースター8によって昇圧されているため、圧力の増大により、温度も上昇している(例えば、約150℃)。この高温高圧の水素は、水素貯蔵材料1に吸蔵される。まず、高温高圧の水素は高圧MH材3へと吸蔵され、高圧MH材3に吸蔵された水素は、平衡圧を維持したまま高圧MH材3を通過(拡散)し、低圧MH材2へと吸蔵される。高圧MH材3、及び低圧MH材2に水素が吸蔵された後、すなわち、バッファタンク10内の圧力を圧力計Pでモニターして高圧MH材3、及び低圧MH材2が水素を吸蔵したことを確認した後、三方弁21が閉じられ、水素貯蔵タンク7からバッファタンク10aへの水素の流入が止められる。
バッファタンク10a内で高圧MH材3、及び低圧MH材2に吸蔵された水素は、高圧MH材3、及び低圧MH材2から放出されて、空間4から配管17を介して燃料電池6へと供給される。より具体的には、熱交換器20を加熱し、加熱された熱交換器20から熱が高圧MH材3、及び低圧MH材2へと伝えられ、高圧MH材3、及び低圧MH材2から水素が放出される。そして、高圧MH材3、及び低圧MH材2から放出された水素は、空間4から配管17を介して、燃料電池6へと供給される。
高圧MH材3、及び低圧MH材2から水素が放出される際には、まず高圧MH材3から水素が放出され始める。高圧MH材3から水素が放出され始めると、高圧MH材3から低圧MH材2へと水素が拡散され、しばらくして、高圧MH材3からは水素がほぼ放出されきり、低圧MH材2には大量の水素が吸蔵されている状態となる。バッファタンク10a内の圧力を圧力計Pでモニターすることによって、高圧MH材3からは水素がほぼ放出されきり、低圧MH材2には大量の水素が吸蔵されている状態を、容易に把握することができる。そのため、水素供給システム200では、バッファタンク10aにはまだ十分に水素が吸蔵されている段階で、燃料電池6へと水素を供給しているバッファタンクを、バッファタンク10aからバッファタンク10bへと余裕を持って切り替えることが可能である。
水素含有ガスが三方弁21から配管16bを介してバッファタンク10bへと送られる場合も、水素含有ガスがバッファタンク10aへと送られる場合と同様の過程を経る。すなわち、水素貯蔵タンク7から放出されてバッファタンク10bへと達した水素は、バッファタンク10b内の水素貯蔵材料1に吸蔵され、その水素貯蔵材料1から放出された水素が燃料電池6へと供給される。そして、高圧MH材3からは水素がほぼ放出されきり、低圧MH材2には大量の水素が吸蔵されている段階で、燃料電池6へと水素を供給しているバッファタンクを、バッファタンク10bからバッファタンク10aへと余裕を持って切り替えることが可能である。
<燃料電池自動車>
燃料電池自動車に搭載される燃料電池に水素を供給するための水素供給システムとして、バッファタンクを備えた水素供給システムを用いる場合、そのバッファタンクには、常時数100〜数1000NLの水素(自動車が数10分走行するのに必要は水素量に相当する。)が確保されていることが望まれる。したがって、バッファタンクをよりコンパクトにするという観点からは、バッファタンク内に高圧MH材のみを備えることが好ましいとも考えられる。高圧MH材のみを備えた場合、1000Lの水素を1L程度の容量のバッファタンクで貯蔵することが可能である。しかし、バッファタンク内に高圧MH材のみを備えた場合、バッファタンクから水素を放出している最中にバッファタンク内の圧力が低下し始めた段階で、既にそのバッファタンク内の水素はなくなりかけている。すなわち、バッファタンク内に高圧MH材のみを備えた場合では、バッファタンク内の水素の残量が減少してきていることを把握するのが困難である。そのため、燃料電池に水素を供給しているバッファタンクを、余裕を持って他のバッファタンクへと切り替えられず、燃料電池自動車の走行に支障をきたす虞があった。
以下に、燃料電池自動車に搭載される燃料電池に水素を供給するための水素供給システムとして、本発明の水素供給システム200を用いた場合について説明する。
水素供給システム200では、バッファタンク10に備えられる水素貯蔵材料1が高圧MH材3及び低圧MH材2を備えているので、燃料電池へと水素の供給を行っている一方のバッファタンク10a(又は10b)内の圧力を圧力計Pでモニターすることによって、上述したように、燃料電池へと水素の供給を行っているバッファタンクを、一方のバッファタンク10a(又は10b)から他方のバッファタンク10b(又は10a)へと時間的な余裕を持って切り替えることができる。
燃料電池に水素を供給しているバッファタンクをバッファタンク10a(又は10b)からバッファタンク10b(又は10a)へと切り替える過程、及びバッファタンク10に水素を充填する過程について、以下に具体的に説明する。
バッファタンク10a及びバッファタンク10bには、それぞれ水素貯蔵材料1が備えられ、水素貯蔵材料1には高圧MH材3及び低圧MH材2が備えられる。この高圧MH材3及び低圧MH材2が吸蔵できる水素量が互いに同程度となるように高圧MH材3及び低圧MH材2を備え、バッファタンク10a及びバッファタンク10bに貯蔵できる水素量を、水素供給システム200全体が貯蔵できる最大水素量(以下、「トータル容量」という。)の10%程度とした場合について考える。この場合、バッファタンク10a及びバッファタンク10bは、それぞれトータル容量の5%程度ずつ貯蔵でき、バッファタンク10に備えられる高圧MH材3及び低圧MH材2はそれぞれトータル容量の2.5%程度(燃料電池自動車を12km程度走行させることができる水素量に相当すると考えられる。)ずつ貯蔵できることになる。
水素貯蔵タンク7から水素を送り出せるまでに5分程度の時間を要し、その水素をブースター8で昇圧して、上記仮定の容量のバッファタンク10に水素を充填させるのに10分程度の時間を要するとすると、一方のバッファタンク10a(又は10b)に水素の充填を開始しようとしてから、そのバッファタンク10a(又は10b)から燃料電池へと水素の供給を開始させるまでに要する時間は、約15分ということになる。バッファタンク10では、低圧MH材2と高圧MH材3が備えられているため、バッファタンク10内の圧力をモニターすることで、高圧MH材3からはほぼ水素が放出されきり、低圧MH材2には水素が十分に吸蔵されている状態を容易に把握することができる。上述したように、低圧MH材2のみが水素を十分に吸蔵している状態では、燃料電池自動車を約12km走行させることが可能である。したがって、燃料電池自動車の平均速度が時速48km(12km/15分)以下である場合は、高圧MH材3からはほぼ水素が放出されきった段階から他方のバッファタンク10b(又は10a)への水素の充填を開始したとしても、時間的に余裕を持ってバッファタンクの切り替えを行うことができる。
平均時速が48km以上での走行時(高速走行時)では、ブースター8の出力を最大にし、バッファタンク10の切り替え頻度を増すことで対応できる。ブースター8の出力を最大にすることで、バッファタンク10に5分程度で水素を充填することが可能であるとし、さらに、バッファタンク10の切り替え頻度を増すことで水素貯蔵タンク7の起動状態を保ち、水素貯蔵タンク7から水素を送り出させるまでの時間を1分程度に短縮できるとすると、一方のバッファタンク10a(又は10b)に水素の充填を開始しようとしてから、そのバッファタンク10a(又は10b)から水素の供給を開始させるまでに要する時間は、約6分ということになる。上述したように、低圧MH材2のみが水素を十分に吸蔵している状態では、燃料電池自動車を約12km走行させることが可能である。したがって、燃料電池自動車の平均速度が時速120km(12km/6分)以下である場合は、水素を供給している一方のバッファタンク10a(又は10b)内の高圧MH材3からはほぼ水素が放出されきった段階から他方のバッファタンク10b(又は10a)への水素の充填を開始したとしても、時間的に余裕を持ってバッファタンクの切り替えを行うことができる。
これまでの本発明の説明では、1つの水素貯蔵タンクと1つの燃料電池に対して、1つ又は2つのバッファタンクが備えられる形態を例示して説明したが、これらの数は本発明を何ら限定するものではなく、使用状況に応じて適宜変更できるものである。
また、これまでの本発明の説明では、図1及び図2に示すように、バッファタンクから燃料電池へと水素を供給する配管の端部が水素貯蔵材料によって囲われている形態を例示したが、本発明の水素供給システムに備えられるバッファタンク及び配管の配設方法はかかる形態に限定されるものでない。本発明の水素供給システムでは、水素貯蔵タンクからバッファタンクへと送られた水素が、必ずバッファタンク内に備えられる水素貯蔵材料に一旦吸蔵され、その水素貯蔵材料から放出された水素が燃料電池などへと供給される形態であれば良い。本発明の水素供給システムに備えられるバッファタンクの他の形態例を図3に概略的に示す。
図3は、本発明の水素供給システムに備えられるバッファタンク30の断面、及びバッファタンク30に接続されている配管を概略的に示す図である。図3では、バッファタンク30を構成する主要部材である水素貯蔵材料31と、バッファタンク30内で水素貯蔵材料31に分断された空間34及び空間35と、バッファタンク30に接続されている配管36、配管37、及び配管38と、だけを示しており、他の部材は省略している。水素貯蔵材料31は低圧MH材32及び高圧MH材33を備えており、配管36は水素貯蔵タンク(不図示)からバッファタンク30へと水素含有ガスを送る配管であって、配管37はバッファタンク30と燃料電池(不図示)とを結ぶ配管である。また、配管38は一端がバッファタンク30の底部に連結されている配管である。
水素含有ガスは、配管36を介してバッファタンク30内の空間35へと送られる。そして、空間35へと送られた水素含有ガスは、水素と不純物に分離され、不純物は配管38から排出される。一方、水素は、高圧MH材33及び低圧MH材32へと吸蔵され、高圧MH材33及び低圧MH材32へと吸蔵された水素が、高圧MH材33及び低圧MH材32から放出されて、空間34から配管37を介して燃料電池へと供給される。かかる形態とすることによって、水素貯蔵タンクからバッファタンク30へと送られた水素が、必ずバッファタンク30内で水素貯蔵材料31を介して燃料電池へと供給されることになる。ただし、水素貯蔵材料の水素の吸蔵及び放出を効率良く行わせるという観点からは、図1及び図2に示したように、水素貯蔵材料の表面積を大きくする形態が好ましい。
本発明の水素供給システム100の使用例を概略的に示す図である。 本発明の水素供給システム200の使用例を概略的に示す図である。 本発明の水素供給システムに備えられるバッファタンクの他の形態例を概略的に示す図である。
符号の説明
1、31 水素貯蔵材料
2、32 低圧MH材
3、33 高圧MH材
4、5、34、35 空間
6 燃料電池
7 水素貯蔵タンク
8 ブースター
9 反応器
10、10a、10b、30 バッファタンク
11、12、13、14、15、16a、16b、17 配管
20 熱交換器
21 三方弁
100、200 水素供給システム
P 圧力計

Claims (4)

  1. 水素貯蔵タンクと、該水素貯蔵タンクから送られる水素を一時的に貯蔵するバッファタンクと、を備える水素供給システムにおいて、
    前記バッファタンクの内部に水素貯蔵材料を備えることを特徴とする、水素供給システム。
  2. 前記水素貯蔵材料が、複数種類の水素吸蔵合金を備えており、前記複数種類の水素吸蔵合金が、それぞれ異なる圧力下で水素の吸蔵及び放出を行えることを特徴とする、請求項1に記載の水素供給システム。
  3. 前記水素貯蔵タンクから送られて、前記バッファタンクの内部に備えられる前記水素貯蔵材料に吸蔵された後に、前記水素貯蔵材料から放出される水素を供給する、請求項1又は2に記載の水素供給システム。
  4. 前記水素貯蔵タンクに複数の前記バッファタンクが並列に連結されており、
    水素供給中には、複数の前記バッファタンクのうち一部の前記バッファタンクは専ら前記水素貯蔵タンクから送られる水素を吸蔵するとともに、他の一部の前記バッファタンクは専ら水素を供給していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素供給システム。
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