JP2009092002A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒下流側の排気センサ(酸素センサ)の出力に基づいて空燃比をフィードバック制御するシステムにおけるエミッションを改善する。
【解決手段】触媒が劣化無しと判定されている場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとを異ならせて空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで非対称となる第1の空燃比フィードバック制御を実行する。一方、触媒劣化と判定されている場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとの差を第1の空燃比フィードバック制御の場合よりも小さく又は0にして空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで対称となる第2の空燃比フィードバック制御を実行する。更に、触媒の劣化無しと判定されている場合は、補正ゲインを大きなゲイン(高応答ゲイン)に設定して応答性を速め、触媒劣化と判定されている場合は、補正ゲインを小さなゲイン(低応答ゲイン)に変更して応答性を遅くする。
【選択図】図3

Description

本発明は、排気浄化用の触媒の下流側に設置した排気センサの出力に基づいて内燃機関に供給する混合気の空燃比をフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置に関する発明である。
近年の電子制御化が進んだ自動車は、内燃機関の空燃比制御や触媒の劣化診断を行うために、排気通路に排気センサ(酸素センサや空燃比センサ等)を設置している。一般に、空燃比制御と触媒の劣化診断の両方を行う場合は、触媒の上流側と下流側にそれぞれ排気センサを設置し、上流側の排気センサ(又は上下両側の排気センサ)の出力に基づいて、触媒上流側の排気ガスの空燃比が触媒の浄化ウインド(排気浄化率が高い空燃比範囲)に収まるように内燃機関の供給空燃比(燃料噴射量)をフィードバック制御し、触媒を通過した排気ガスの浄化状態(リッチ/リーン)に応じて出力が変化する下流側の排気センサの出力に基づいて触媒の劣化診断を行うようにしたものが多い。
しかし、上記構成では、触媒の上流側と下流側にそれぞれ排気センサを設ける必要があるため、高価なシステム構成となる欠点がある。
そこで、安価なシステム構成とするために、触媒の下流側のみに排気センサを設けて、この下流側の排気センサの出力に基づいて空燃比を制御する技術が幾つか提案されている(下流側の排気センサがあれば触媒の劣化診断も可能である)。
例えば、特許文献1(特開昭64−66441号公報)では、下流側の排気センサの出力の平均値を演算し、この出力の平均値に基づいて空燃比ディザ制御の中心値を変化させるようにしている。ここで、空燃比ディザ制御では、空燃比補正係数FAFを所定周期でリッチ側とリーン側とに交互に振幅させるようにしている(特許文献1の3B図参照)。
この空燃比制御方法では、触媒上流側の排気ガスの空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されている条件下では、触媒のストレージ効果による下流側の排気センサの応答遅れの影響で、実際には空燃比を補正する必要がない制御状態になっていても空燃比を補正してしまい、却ってエミッションを悪化させてしまう場合がある。
このような問題を解決するために、特許文献2(特開平2−230936号公報)に記載されているように、触媒上流側の排気ガスの空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されているか否かを下流側の排気センサの出力の反転周期に基づいて判定し、排気センサの出力の反転周期が所定値以下になった時点で、空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されていると判断して、スキップ量を固定(ホールド)して空燃比の過補正を防止するようにしたものがある。
また、特許文献3(特許第2666528号公報)に記載されているように、下流側の排気センサの出力に基づいて触媒の劣化の有無を判定し、触媒の劣化無しと判定される場合は、排気センサの出力の反転周期が所定値以下になった時点で、空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されていると判断して、空燃比補正量の積分制御を禁止し、触媒の劣化無しと判定される場合は、排気センサの出力のリッチ・リーンデューティ比が所定値となった時点で、空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されていると判断して、空燃比補正量の積分制御を禁止するようにしたものがある。
特開昭64−66441号公報 特開平2−230936号公報 特許第2666528号公報
しかしながら、空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されているか否かは、内燃機関の運転条件によって逐次変化するため、上記特許文献2,3のように、触媒のストレージ効果によって応答性が遅くなっている下流側の排気センサの出力の反転周期やリッチ・リーンデューティ比に基づいて空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されているか否かを判定すると、実際の空燃比制御状態に対して補正の切り換えタイミングが遅れてしまい、結果的にエミッション悪化につながるという問題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、触媒下流側の排気センサの出力に基づいて空燃比をフィードバック制御するシステムにおけるエミッションを従来より改善することができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の排気通路に排気浄化用の触媒を設置すると共に、前記触媒の下流側に排気センサを設置した内燃機関の空燃比制御装置において、前記排気センサの出力に基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比制御手段と、前記排気センサの出力に基づいて前記触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定手段とを備え、前記空燃比制御手段は、前記触媒劣化判定手段により前記触媒の劣化無しと判定されている場合はリッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとを異ならせて空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで非対称となる第1の空燃比フィードバック制御を実行し、前記触媒の劣化有りと判定されている場合はリッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとの差を前記第1の空燃比フィードバック制御の場合よりも小さく又は0にして前記空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで対称となる第2の空燃比フィードバック制御を実行するようにしたものである。
一般に、触媒上流側の排気ガスの空燃比が触媒の浄化ウインド内に制御されている条件下で、下流側の排気センサの出力に基づいて空燃比フィードバック制御を行った場合に、エミッションを悪化させる要因となるものは、主に新品触媒(劣化無しの触媒)におけるNOxであり、HCやCO等のリッチ成分によるエミッション悪化は少ない。これは、新品触媒の酸素ストレージ量が多いためと考えられる。
従って、本発明のように、触媒の劣化無しと判定されている場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとを異ならせて空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで非対称となる第1の空燃比フィードバック制御を実行すれば、劣化無しの触媒(新品触媒)の場合は、例えば、HCやCO等のリッチ成分の浄化能力を確保できる範囲内で、空燃比を少しだけリッチ側にずらしてNOxの排出量を低減するように制御することが可能となり、劣化無しの触媒(新品触媒)の場合のNOx等のエミッションを従来より改善することができる。
一方、劣化した触媒は、酸素ストレージ量が少なくなるため、空燃比が触媒の浄化ウインドを外れたときには、HCやCO等のリッチ成分に関しても、NOxと同様に、浄化能力の低下が顕著に現れる。
従って、本発明のように、触媒の劣化有りと判定されている場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとの差を第1の空燃比フィードバック制御の場合よりも小さく又は0にして空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで対称となる第2の空燃比フィードバック制御を実行するようにすれば、HCやCO等のリッチ成分とNOxとをほぼ均等に浄化するように空燃比を制御することが可能となり、劣化した触媒の場合のエミッション悪化を防止することができる。
また、請求項2のように、触媒の劣化無しと判定されている場合と触媒の劣化有りと判定されている場合とで空燃比フィードバック制御の補正ゲインを変更するようにしても良い。例えば、触媒の劣化無しと判定されている場合は、補正ゲインを大きなゲイン(高応答ゲイン)に設定して応答性を速めれば、新品触媒(劣化無しの触媒)の場合に、NOx排出量が増加し始めたときに、応答良く空燃比をリッチ側に補正してNOx排出量の増加を抑制することができる。また、触媒の劣化有りと判定されている場合は、補正ゲインを小さなゲイン(低応答ゲイン)に変更して応答性を遅くすれば、空燃比の過補正を防止でき、劣化した触媒の場合のエミッション悪化を防止することができる。
上記請求項1に係る発明と請求項2に係る発明とを組み合わせて実施すれば(請求項3)、触媒の劣化の有無に応じたより適切な空燃比制御を行うことができる。
また、請求項4のように、前記補正ゲインをスキップ量ゲインと積分量ゲインとを用いて算出し、前記スキップ量ゲイン及び/又は前記積分量ゲインを前記触媒の劣化の有無に応じて変更するようにすれば良い。このようにすれば、一般的な空燃比フィードバック制御システムに本発明を適用する場合に、スキップ量ゲインや積分量ゲインを触媒の劣化の有無に応じて変更するだけで良く、本発明を容易に実施することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側には、スロットルバルブ15が設けられている。更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。この吸気管圧力センサ18によって吸気管圧力を検出すると共に、この吸気管圧力検出値から吸入空気量を演算する。尚、スロットルバルブ15の上流側に吸入空気量を計測するエアフロメータを設けても良い。
また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。
一方、エンジン11の排気管21(排気通路)の途中には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を低減させる三元触媒等の触媒22が設置され、この触媒22の下流側には、排気ガスのリッチ/リーンに応じて出力が反転する酸素センサ23(排気センサ)が設置されている。尚、酸素センサ23の代わりに、排気ガスの空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出力する空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)を設置しても良い。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ27や、エンジン回転速度を検出するクランク角センサ28等が取り付けられている。
これら各種のセンサ23,27,28の出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)29に入力される。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶されたエンジン制御用の各ルーチンを実行することで、燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ24の点火時期等を制御する。
更に、ECU29は、後述する図2の空燃比フィードバック補正ゲイン算出ルーチンを実行することで、触媒22の下流側の酸素センサ23の出力に基づいて空燃比フィードバック制御の補正ゲイン(フィードバック補正係数)を算出し、図3に示すように、一定の振幅且つ一定の周期で空燃比補正量をリッチ側とリーン側とに交互に振幅させる空燃比ディザ制御を実行する際に、ディザ波形状の空燃比補正量の中心値を補正ゲインに応じてオフセットさせる空燃比フィードバック制御を実行する。更に、ECU29は、酸素センサ23の出力に基づいて触媒22の劣化の有無を判定する機能も備えている。
ところで、触媒22上流側の排気ガスの空燃比が触媒22の浄化ウインド内に制御されている条件下で、下流側の酸素センサ23の出力に基づいて空燃比フィードバック制御を行った場合に、エミッションを悪化させる要因となるものは、主に新品触媒(劣化無しの触媒)におけるNOxであり、HCやCO等のリッチ成分によるエミッション悪化は少ない。これは、新品触媒の酸素ストレージ量が多いためと考えられる。
そこで、本実施例では、図3(a)に示すように、触媒22が劣化していない場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとを異ならせて空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで非対称となる第1の空燃比フィードバック制御を実行する。具体的には、触媒22が劣化無しの触媒(新品触媒)の場合は、HCやCO等のリッチ成分の浄化能力を確保できる範囲内で、空燃比を少しだけリッチ側にずらしてNOxの排出量を低減するように制御する。
一方、触媒22が劣化している場合は、酸素ストレージ量が少なくなるため、空燃比が触媒の浄化ウインドを外れたときには、HCやCO等のリッチ成分に関しても、NOxと同様に、浄化能力の低下が顕著に現れる。
そこで、本実施例では、図3(b)に示すように、触媒22が劣化している場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとの差を第1の空燃比フィードバック制御の場合よりも小さく又は0にして空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで対称となる第2の空燃比フィードバック制御を実行する。これにより、HCやCO等のリッチ成分とNOxとをほぼ均等に浄化するように空燃比を制御することが可能となる。
更に、本実施例では、触媒22の劣化無しと判定されている場合と触媒22の劣化有りと判定されている場合とで空燃比フィードバック制御の補正ゲインを変更するようにしている。具体的には、触媒22の劣化無しと判定されている場合は、補正ゲインを大きなゲイン(高応答ゲイン)に設定して応答性を速めることで、触媒22の劣化が無い場合に、NOx排出量が増加し始めたときに、応答良く空燃比をリッチ側に補正してNOx排出量の増加を抑制する。また、触媒22の劣化有りと判定されている場合は、補正ゲインを小さなゲイン(低応答ゲイン)に変更して応答性を遅くすることで、空燃比の過補正を防止して、触媒22の劣化時のエミッション悪化を防止する。
更に、本実施例では、補正ゲインをスキップ量SKIPと積分量ABSとを用いて算出し、スキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSの両方を触媒22の劣化の有無に応じて変更するようにしている。
以上説明した本実施例の空燃比フィードバック制御に対する補正ゲインの設定は、ECU29によって図2の空燃比フィードバック補正ゲイン算出ルーチンに従って次のように実行される。
図2の空燃比フィードバック制御ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう空燃比制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、触媒劣化判定処理ルーチン(図示せず)を実行して、酸素センサ23の出力に基づいて触媒22の劣化の有無を判定する。
一般に、触媒22が劣化すると、下流側の酸素センサ23の出力の振幅と周波数が増加することから、例えば、次の[1]〜[5]のいずれかの方法で触媒22の劣化の有無を判定すれば良い。
[1]酸素センサ23の出力の軌跡長を用いる方法
触媒22が劣化すると、下流側の酸素センサ23の出力の振幅と周波数が増加して、酸素センサ23の出力の軌跡長が増加する特性を利用して、触媒22の劣化の有無を判定する。
[2]酸素センサ23の出力の面積(出力と目標値との差の積算値)を用いる方法
触媒22の劣化により、酸素センサ23の出力の振幅と周波数が増加すると、酸素センサ23の出力の面積(出力と目標値との差の積算値)が増加する特性を利用して、触媒22の劣化の有無を判定する。
[3]酸素センサ23の出力のリッチ/リーンの反転回数(周波数、周期)を用いる方法
触媒22が劣化すると、酸素センサ23の出力の周波数(リッチ/リーンの反転回数)が増加し、周期が短くなる特性を利用して、触媒22の劣化の有無を判定する。
[4]酸素センサ23の出力の振幅を用いる方法
触媒22が劣化すると、酸素センサ23の出力の振幅が増加する特性を利用して、触媒22の劣化の有無を判定する。
[5]酸素センサ23の応答遅れ時間を用いる方法
触媒22が劣化すると、触媒22のストレージ量(排出ガス成分の飽和吸着量)が減少するため、触媒22で浄化されずに通り抜ける排気ガス成分が増加する。この関係で、目標空燃比のリッチ/リーンを反転させてから酸素センサ23の出力のリッチ/リーンが反転するまでの応答遅れ時間は、触媒22が劣化すると短くなる。従って、酸素センサ23の応答遅れ時間が所定の判定値以下であるか否かで、触媒22の劣化の有無を判定することができる。このステップ101の処理が特許請求の範囲でいう触媒劣化判定手段としての役割を果たす。
触媒劣化判定処理後に、ステップ102に進み、上記ステップ101の触媒劣化判定処理結果に基づいて触媒22が劣化しているか否かを判定し、触媒22が劣化していると判定されれば、ステップ103に進み、補正ゲインフラグXSGAINを低応答ゲイン(Low)を意味する「1」にセットし、触媒22が劣化していないと判定されれば、ステップ104に進み、補正ゲインフラグXSGAINを高応答ゲイン(High)を意味する「0」にセットする。
この後、ステップ105に進み、酸素センサ23の出力のリッチ/リーンが前回の状態から反転したか否かを判定し、リッチ/リーンが反転していなければ、ステップ111に進み、スキップ量ゲインSKIPを「0」にセットし、次のステップ112で、積分量ゲインABSも「0」にセットする。
上記ステップ105で、酸素センサ23の出力のリッチ/リーンが前回の状態から反転したと判定されれば、ステップ106に進み、補正ゲインフラグXSGAINが1(低応答ゲイン)であるか否かを判定し、補正ゲインフラグXSGAINが1(低応答ゲイン)であれば、ステップ107に進み、スキップ量ゲインSKIPを低応答ゲイン「1」にセットし、次のステップ108で、積分量ゲインABSも低応答ゲイン「0.1」にセットする。
上記ステップ106で、補正ゲインフラグXSGAINが1(低応答ゲイン)ではなく、0(高応答ゲイン)であると判定されれば、ステップ109に進み、スキップ量ゲインSKIPを高応答ゲイン「2」にセットし、次のステップ110で、積分量ゲインABSも高応答ゲイン「0.2」にセットする。
以上のようにして、スキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSをセットした後、ステップ113に進み、現在の酸素センサ23の出力がリーンであるか否かを判定し、現在の酸素センサ23の出力がリーンであれば、ステップ114に進み、前回の補正ゲインSGAIN(i-1) から今回のスキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSを差し引いて今回の補正ゲインSGAINを求める。
SGAIN=SGAIN(i-1) −SKIP−ABS
これに対して、上記ステップ113で、現在の酸素センサ23の出力がリーンではなく、リッチであると判定されれば、ステップ115に進み、補正ゲインフラグXSGAINが1(低応答ゲイン)であるか否かを判定し、補正ゲインフラグXSGAINが1(低応答ゲイン)であれば、ステップ116に進み、前回の補正ゲインSGAIN(i-1) に今回のスキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSを加算して今回の補正ゲインSGAINを求める。
SGAIN=SGAIN(i-1) +SKIP+ABS
一方、上記ステップ115で、補正ゲインフラグXSGAINが1(低応答ゲイン)ではなく、0(高応答ゲイン)であると判定されれば、ステップ117に進み、前回の補正ゲインSGAIN(i-1) に今回のスキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSのそれぞれの2倍のゲインを加算して今回の補正ゲインSGAINを求める。
SGAIN=SGAIN(i-1) +(SKIP+ABS)×2
尚、「SKIP+ABS」の例えば1.5倍、2、5倍、3倍等の値を前回の補正ゲインSGAIN(i-1) に加算して今回の補正ゲインSGAINを求めるようにしても良い。
以上説明した図2の空燃比フィードバック補正ゲイン算出ルーチンによって補正ゲインを算出した後、図3に示すように、空燃比ディザ制御における一定の振幅且つ一定の周期で振幅するディザ波形状の空燃比補正量の中心値に補正ゲインを反映させて、該空燃比補正量の中心値を補正ゲインに応じてオフセットさせる。
この場合、図3(a)に示すように、触媒22が劣化していない場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとを異ならせて空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで非対称となる第1の空燃比フィードバック制御を実行するようにしたので、触媒22が劣化無しの触媒(新品触媒)の場合は、例えば、HCやCO等のリッチ成分の浄化能力を確保できる範囲内で、空燃比を少しだけリッチ側にずらしてNOxの排出量を低減するように制御することが可能となり、劣化無しの触媒(新品触媒)の場合のNOx等のエミッションを従来より改善することができる。
一方、図3(b)に示すように、触媒22の劣化有りと判定されている場合は、リッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとの差を第1の空燃比フィードバック制御の場合よりも小さく又は0にして空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで対称となる第2の空燃比フィードバック制御を実行するようにしたので、HCやCO等のリッチ成分とNOxとをほぼ均等に浄化するように空燃比を制御することが可能となり、触媒22が劣化した場合のエミッション悪化を防止することができる。
更に、本実施例では、触媒22の劣化無しと判定されている場合は、補正ゲインを大きなゲイン(高応答ゲイン)に設定して応答性を速めるようにしているので、触媒22が新品触媒(劣化無しの触媒)の場合に、NOx排出量が増加し始めたときに、応答良く空燃比をリッチ側に補正してNOx排出量の増加を抑制することができる。また、触媒22が劣化有りと判定されている場合は、補正ゲインを小さなゲイン(低応答ゲイン)に変更して応答性を遅くするようにしたので、空燃比の過補正を防止でき、触媒22が劣化している場合のエミッション悪化を防止することができる。
尚、本実施例では、スキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSの両方を触媒22の劣化の有無に応じて変更するようにしたが、スキップ量ゲインSKIPと積分量ゲインABSのいずれか一方のみを触媒22の劣化の有無に応じて変更するようにしても良い。
その他、本発明は、図1に示すような吸気ポート噴射エンジンに限定されず、筒内噴射エンジンにも適用して実施できる。
本発明の一実施例を示すエンジン制御システム全体の概略構成図である。 空燃比フィードバック補正ゲイン算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は触媒劣化無し時の酸素センサ出力と補正ゲインと空燃比補正量の挙動の一例を示すタイムチャートであり、(b)は触媒劣化時の酸素センサ出力と補正ゲインと空燃比補正量の挙動の一例を示すタイムチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、20…燃料噴射弁、21…排気管(排気通路)、22…触媒、23…酸素センサ(排気センサ)、29…ECU(空燃比制御手段,触媒劣化判定手段)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に排気浄化用の触媒を設置すると共に、前記触媒の下流側に排気センサを設置した内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記排気センサの出力に基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比制御手段と、
    前記排気センサの出力に基づいて前記触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定手段とを備え、
    前記空燃比制御手段は、前記触媒劣化判定手段により前記触媒の劣化無しと判定されている場合はリッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとを異ならせて空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで非対称となる第1の空燃比フィードバック制御を実行し、前記触媒の劣化有りと判定されている場合はリッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインとの差を前記第1の空燃比フィードバック制御の場合よりも小さく又は0にして前記空燃比補正量の挙動がリッチ側とリーン側とで対称となる第2の空燃比フィードバック制御を実行することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 内燃機関の排気通路に排気浄化用の触媒を設置すると共に、前記触媒の下流側に排気センサを設置した内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記排気センサの出力に基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御を実行する空燃比制御手段と、
    前記排気センサの出力に基づいて前記触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定手段とを備え、
    前記空燃比制御手段は、前記触媒劣化判定手段により前記触媒の劣化無しと判定されている場合と前記触媒の劣化有りと判定されている場合とで前記空燃比フィードバック制御の補正ゲインを変更することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記空燃比制御手段は、前記触媒劣化判定手段により前記触媒の劣化無しと判定されている場合と前記触媒の劣化有りと判定されている場合とでリッチ側の補正ゲインとリーン側の補正ゲインを個別に変更する手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記空燃比制御手段は、前記補正ゲインをスキップ量ゲインと積分量ゲインとを用いて算出し、前記スキップ量ゲイン及び/又は前記積分量ゲインを前記触媒の劣化の有無に応じて変更することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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