JP2009095573A - クッション材及びクッション材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長期間の使用に対しても弾性が損なわれず耐久性の高いクッション材、及びそのようなクッション材の製造方法を提供する。
【解決手段】 クッション材1は、乾燥後の蚕繭2の内容物を抽出した当該蚕繭(蚕繭ガラ)2の内部に小穴2bより真綿3が充填され、蚕繭2の表面全体(外郭2aの全表面)にセルシンの被膜5が形成されてなる。真綿3は、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシン(ニカワ)を付着させたものである。真綿3は、蚕繭2の内壁に強固に付着するとともに、真綿3の繊維同士も強固に接着して固まる。これにより、長期間の使用でも真綿3が蚕繭2の内部で移動することはなく、真綿3が蚕繭2の内部に均一に詰まった当初の状態が維持される。
【選択図】 図1
【解決手段】 クッション材1は、乾燥後の蚕繭2の内容物を抽出した当該蚕繭(蚕繭ガラ)2の内部に小穴2bより真綿3が充填され、蚕繭2の表面全体(外郭2aの全表面)にセルシンの被膜5が形成されてなる。真綿3は、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシン(ニカワ)を付着させたものである。真綿3は、蚕繭2の内壁に強固に付着するとともに、真綿3の繊維同士も強固に接着して固まる。これにより、長期間の使用でも真綿3が蚕繭2の内部で移動することはなく、真綿3が蚕繭2の内部に均一に詰まった当初の状態が維持される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、布団や枕等の寝具、座布団、自動車のシートや椅子の背もたれ具、暖簾、腰ベルト、バンダナ等の広範囲に使用されるクッション材、及びその製造方法に関する。
従来、布団や枕等のクッション材としては、真綿、ウレタンフォーム等、多種類の弾性材が使用されている。そのようなクッション材として、繭を使用したものがある。例えば、内部の蛹を脱除するために端部を切断した2つの繭の開口面(切断端部)を嵌合接着して、俵型形状に近い単一の繭を形成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されたクッション材では、繭の内部(蛹を脱除した内部空間)に、弾性資材(例えば真綿、羽毛、糸屑、ビニールビーズ、発泡スチロール等)が充填されており、用途に応じて充填物を変えることが記載されている。
特開平1−113006号公報
上記特許文献1に記載されたクッション材では、繭内に発泡スチロールや綿等を充填した場合には、蓄熱効果が向上すると記載されているが、繭内に真綿をそのまま充填しただけの場合、繭内で真綿が固定されないため、クッション材の長期使用に連れて真綿が繭内で移動し、偏ってしまうことがある。
このような場合、繭内に部分的に空間が生じたり、真綿の充填密度が部分的に小さくなるため、クッション材の弾性が部分的に損なわれたり、凹んだままで復元しなかったりすることが起こり得る。このため、より高品質で耐久性に優れたクッション材が要望されている。
この発明は、そのような実情に鑑みてなされたもので、長期間の使用に対しても弾性が損なわれず耐久性の高いクッション材、及びそのようなクッション材の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のクッション材は、乾燥後の蚕繭の内容物を抽出した当該蚕繭の内部に、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシンを付した当該真綿を充填してなることを特徴とする。
このクッション材によれば、蚕繭(蚕繭ガラ)内部に充填される真綿にはセルシンが付されているので、充填後の真綿はセルシンにより蚕繭の内壁に強固に付着するだけでなく、真綿の繊維同士も互いに強固に接着して固まる。これにより、長期間の使用でも真綿が蚕繭内部で移動することはなく、真綿が蚕繭内部に均一に詰まった当初の状態が維持される。
このクッション材において、充填真綿は脱臭・防腐材を添加したものであることが好ましい。脱臭・防腐材としては、セラミック粉、炭粉、竹粉等である。また、真綿充填後の蚕繭の表面にセルシンの被膜が形成されてなることが好ましい。
このようなクッション材は、そのままの状態で使用してもよいが、複数個を連結して使用してもよい。この場合、上記クッション材に貫通孔を形成し、この貫通孔に連結具を通し、連結具により複数個のクッション材を連結する。連結具としては、例えば腰ベルトやバンダナ等のように伸縮性を有する方が使い勝手が良い場合は、ゴム紐を用い、寝具、座布団、背もたれ具、暖簾等のように伸縮性が無くても不都合が無い場合は、糸、布、革等からなる紐を用いればよい。
また、本発明のクッション材の製造方法は、乾燥後の蚕繭の端部に小穴を形成し、小穴より蚕繭の内容物を抽出し、この蚕繭の内部に、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシンを付した当該真綿を充填することを特徴とする。
この製造方法においても、充填前の真綿には脱臭・防腐材を添加することが好ましい。また、真綿充填後の蚕繭の表面にセルシンの被膜を形成することが好ましい。
請求項1,5記載の発明によれば、長期間の使用でも真綿が蚕繭内部で移動することがないので、真綿が蚕繭内部に均一に詰まった当初の状態が保持され、長期間の使用に対しても弾性が損なわれず耐久性の高いクッション材を提供できる。
請求項2,6記載の発明によれば、防臭、防腐効果が高まり、快適性、耐久性がより向上する。
請求項3,7記載の発明によれば、クッション材の表面、すなわち蚕繭の表面がセルシンの被膜で固化されるので、蚕繭全体がより強固になるだけでなく、クッション材の表面のほつれも起こらなくなる。
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
その実施形態に係るクッション材を図1に示す。図1の(a)はクッション材の拡大断面図を示し、(b)はそのクッション材に連結具を通した状態の拡大断面図を示す。図1の(a)に示すクッション材1は、蚕繭(蚕繭ガラ)2の内部に小穴2bより真綿3が充填され、蚕繭2の表面全体(外郭2aの全表面)にセルシンの被膜5が形成されてなる。図1の(b)に示すクッション材1は、上記クッション材1に長径方向の貫通孔を形成し、この貫通孔に連結具(例えば紐)10を挿通したものである。
このようなクッション材1の製造方法について図2〜図5を参照して説明する。まず図2の(a)において、十分に乾燥させた蚕繭2の端部を例えばハンダゴテ20により加熱し、端部に直径6mm程度(次の内容物の吸引に使用する管21を挿入できる程度)の小穴2bを形成する。加熱時に蚕繭2の組成であるセルシン(ニカワ)で小穴2bの周囲の繊維が互いに付着するので、形状のしっかりした小穴2bが形成される。なお、加熱時には、蚕繭2の内部には、まだ蛹7やその吐出物等の内容物が入っている。
次に、図2の(b)に示すように、吸引用の管21を蚕繭2の小穴2bより挿入し、管21に接続された真空ポンプ(図示せず)等により、蚕繭2の内部の内容物(蛹7等)を吸引する。このとき、蛹7が大き過ぎてそのままでは吸引できない場合は、管21の先端により蛹7を潰して細かくし、この砕片7aを吸い取るようにする。この吸引時に、管21により石鹸水、水等を注入して内容物を吸引することにより、蚕繭2の内部を綺麗に洗浄することができる。蛹7等の内容物を吸引した蚕繭2は蚕繭ガラとなる。
次いで、図3の(a)に示すように、例えば工具として先端が細い特殊ニッパ22を用いて、内部を洗浄した蚕繭(蚕繭ガラ)2の内部に、その小穴2bより真綿3を押し込むようにして充填する。充填真綿3は、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシン(ニカワ)を付着させたものである。
ここに、蚕繭を基にして真綿を生成するため、蚕繭ガラを80〜100℃の湯で60分程煮ることにより、ドロドロ状のセルシン(ニカワ)と、繊維の塊の真綿とに分離する。1個の蚕繭には、他の20個分の蚕繭ガラを上記のように煮沸して得た真綿を詰める。この真綿3の充填時に、防臭、防腐効果を高め、快適性、耐久性をより向上させる目的で、真綿3に前記脱臭・防腐材(セラミック粉、炭粉、竹粉等)を添加してもよい。
充填後は、真綿3が蚕繭2の内部にぎっしり詰まった状態になる〔図3の(b)〕。真綿3はセルシンにより蚕繭2の内壁に強固に付着するだけでなく、真綿3の繊維同士も互いに強固に接着して固まる。このため、長期間の使用でも真綿3が蚕繭2の内部で移動することはなく、真綿3が蚕繭2の内部に均一に詰まった当初の状態が維持される。勿論、真綿3は小穴2bから外部に出るようなことはない。これにより、長期間の使用に対しても弾性が損なわれず耐久性の高いクッション材1を提供できる。
真綿3を充填した状態の蚕繭2をそのままクッション材として利用してもよいが、より好ましくは、図4の(a)に示すように、蚕繭2(すなわち外郭2a)の表面全体に、上記のようにして得たセルシン30を例えばノズル23により噴霧し、蚕繭2の全表面にセルシンの被膜5を形成してもよい〔図4の(b)の部分拡大断面図参照〕。これにより、クッション材1の表面、すなわち蚕繭2の表面がセルシンの被膜5で固化されるので、蚕繭2全体がより強固になるだけでなく、クッション材1の表面のほつれも起こらなくなる。
セルシンの被膜5を形成した状態の蚕繭2が図1の(a)に示すクッション材1となる。このクッション材1をそのままの状態で使用してもよいが、複数個を連結して使用してもよい。この場合の加工方法を図5に示す。図5の(a)、(b)に示すように、クッション材1としての蚕繭2に、例えばドリル24により長径方向の貫通孔15を形成する。この貫通孔15に連結具(例えば紐)10を通した状態の蚕繭2が図1の(b)に示すクッション材1となる。
なお、貫通孔15は必ずしも長径方向に形成する必要はなく、用途によっては短径方向又は斜め方向に形成してもよい。
また、貫通孔15の断面形状も円形である必要はないが、貫通孔15の大きさによりクッション材1の弾性、堅さ(柔らかさ)、保温性、放熱性、重さ等の性質を調整することが可能である。すなわち、例えば貫通孔15の断面形状が円形であるとすると、図6の(a)に示すような小径の貫通孔15aの場合は、蚕繭2の表面から貫通孔15aまでの厚さ(最大厚さ)t1を大きく取れるので(貫通孔15aによる空隙が小さいので)、蚕繭2の内部の真綿3の充填量も多く確保でき、貫通孔15aを形成しないときのクッション材1に比べて、遜色の無い上記性質が維持される。
これに対して、図6の(b)に示すような大径の貫通孔15bの場合は、蚕繭2の表面から貫通孔15bまでの厚さ(最大厚さ)t2が小さくなるので(貫通孔15bによる空隙が大きいので)、蚕繭2の内部の真綿3の充填量が少なくなり、貫通孔15bを形成しないときのクッション材1に比べて、弾性や保温性が低下し、放熱性が向上し、柔らかくなり、軽量になる。
従って、弾性、堅さ、保温性を必要とする用途の場合は、貫通孔15のサイズを小さくし、反対に柔らかさ、放熱性、軽さを必要とする用途の場合は、貫通孔15のサイズを大きくすることで、クッション材1としての性質を調節することができる。
貫通孔15を形成したクッション材1は、例えば図7のように複数個を連結して利用する。図7の(a)では、複数個のクッション材1を連結具10で連結したものである。勿論、複数個のクッション材1を直線状に連結してもよいし、数珠状に連結してもよい。連結具10は、前記したように例えば腰ベルトやバンダナ等のように伸縮性を要する用途の場合は、ゴム紐を用いる。
図7の(b)では、複数個のクッション材1を連結具10で直線状に連結したものを更に別の連結具11で並べて平面状に連結したものである。連結具10,11は、例えば寝具、座布団、背もたれ具、暖簾等のように伸縮性が無くても不都合が無い用途の場合は、糸、布、革等からなる紐を用いる。
このように、本実施形態のクッション材1は広範な用途に適用することが可能である。前例以外にも、例えば棒の先端に1個のクッション材1を取り付け、指圧に使用してもよい。又は、複数個のクッション材1を直線状に連結したものを足踏み具として用いたり、その高耐久性からマッサージ器具のローラとして使用し、足裏、ふくらはぎ、太股等のマッサージに用いることもできる。
或いは、蚕繭が膚に優しい自然素材であることを活かし、クッション材1で顔等の皮膚を撫でる美容器具として利用することも可能である。
また、上記の通り、貫通孔15のサイズを大きくすると、クッション材1の1個当たりの重さが軽くなるので、このクッション材1を図7の(b)のように平面状に連結したものを布団の中材として用いれば、軽い布団を提供できる。勿論、貫通孔15のサイズの大小により布団の重さを自由に調節できる。
1 クッション材
2 蚕繭
2a 外郭
2b 小穴
3 真綿
5 セルシンの被膜
10,11 連結具
15 貫通孔
15a 小径の貫通孔
15b 大径の貫通孔
2 蚕繭
2a 外郭
2b 小穴
3 真綿
5 セルシンの被膜
10,11 連結具
15 貫通孔
15a 小径の貫通孔
15b 大径の貫通孔
Claims (7)
- 乾燥後の蚕繭の内容物を抽出した当該蚕繭の内部に、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシンを付した当該真綿を充填してなることを特徴とするクッション材。
- 前記充填真綿は脱臭・防腐材を添加したものであることを特徴とする請求項1記載のクッション材。
- 前記真綿充填後の蚕繭の表面にセルシンの被膜が形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクッション材。
- 請求項1、請求項2又は請求項3記載のクッション材に貫通孔を形成し、この貫通孔に連結具を通し、連結具により複数個のクッション材を連結してなることを特徴とするクッション材。
- 乾燥後の蚕繭の端部に小穴を形成し、小穴より蚕繭の内容物を抽出し、この蚕繭の内部に、他の蚕繭ガラより得た真綿にその蚕繭ガラより分離して得られるセルシンを付した当該真綿を充填することを特徴とするクッション材の製造方法。
- 前記充填前の真綿には脱臭・防腐材を添加することを特徴とする請求項5記載のクッション材の製造方法。
- 前記真綿充填後の蚕繭の表面にセルシンの被膜を形成することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のクッション材の製造方法。
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2007
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