JP2009097202A - 塔状構造物の解体工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塔状構造物10の周囲にマスト部材21を長さ方向で接合して作られる塔状構造物10の高さと略同じ程度の高さのマストを4本立て、それらのそれぞれに、足場22を取付け、足場22とマストからなる昇降足場を4組作る。塔状構造物10の解体は、昇降足場20の上から作業員が行う。昇降足場20のうち昇降足場20A〜Cの足場22は、塔状構造物10を分解する際の作業員の足場として用い、昇降足場20Dの足場22は、作業員が、昇降足場20A〜Cの足場22と地上を行き来するためのエレベータとして用いる。
【選択図】図3
Description
例えば、塔状構造物は、塔状構造物の直近にビテイを積み上げて設けられた塔状構造物と同程度の高さの足場から、作業者が塔状構造物を上側から少しずつ崩すことにより解体される場合がある。
塔状構造物は、また、長いアームを有する重機を用いて解体される場合がある。重機の長いアームを塔状構造物の上端まで伸ばし、アームの先に設けられた塔状構造物を解体するための器具により塔状構造物を上側から少しずつ崩すことによって、塔状構造物が解体される。
塔状構造物は、また、互いに連結することのできる短いマストを多数接続して作られた、塔状構造物よりも背の高いマストの上に載せた重機を用いて解体される場合がある。この場合、重機は、塔状構造物の上側から塔状構造物を幾らかずつ崩す。そして、重機が塔状構造物を幾らか崩す度、マストを構成する短いマストを下側から一つずつ抜いて重機を徐々に降ろす。これを繰り返しながら、塔状構造物を上側から崩す。
これらの方法は、それぞれ実用されているものではあるが、改良すべき点を有している。
まず、ビテイを用いる方法であるが、この場合には、作業者に高所まで自力で登ることを強いることになるため、そこまで移動する作業者の負担が大きい。塔状構造物は50m程度の高さのものは普通に存在し、場合によっては100mを超える高さのものも存在するため、作業者がその高さまで登るという行為だけでも、作業者の負担は大きい。
次に、長いアームを有する重機を用いる場合であるが、この場合には、重機のアームの長さによって、解体できる塔状構造物の高さが制限されてしまうという不具合がある。現在日本にある重機は、地上からの到達高さが最大でも50m程度であるので、それ以上の高さの塔状構造物を解体することはできない。
次に、マストの上に重機を載せる場合であるが、この場合には、マストの強度が必要であること、また、重機を載せたマストを、その下に短いマストを接続するために上方に持ち上げるための他の重機が必要であること、また、重機をその上に載せるためのマストは通常重機の安定のために複数本必要であることなどから、コストが嵩みがちであるという点で難がある。
本発明は、高層で筒状の塔状構造物の解体を行う塔状構造物の解体工法である(以下、単に、「解体工法」という場合がある。)。
本発明による解体工法では、前記塔状構造物の周辺に、マスト部材を長さ方向で接合して作られる前記塔状構造物の高さと略同じ程度の高さの第1マスト、及び前記第1マストに沿って上下するための駆動機構を有する板状の第1足場、を有するマストクライミングタイプの昇降足場である第1昇降足場と、マスト部材を長さ方向で接合して作られる前記塔状構造物の高さと略同じ程度の高さの第2マスト、及び前記第2マストに沿って上下するための駆動機構を有する板状の第2足場、を有するマストクライミングタイプの昇降足場である第2昇降足場と、を設け、前記第1昇降足場の前記第1足場を、前記塔状構造物の略上端まで上昇させることにより、前記第1足場を前記塔状構造物の上端付近を解体するための作業者の足場とするとともに、前記第2昇降足場の前記第2足場を、前記第1足場と地上との間を作業者が行き来するためのエレベータとして用い、前記作業者が前記第1足場から前記塔状構造物の上端から適当な範囲である解体範囲を解体する度に、前記塔状構造物が低くなった分ずつ前記第2昇降足場を下降させる。
かかる解体工法では、マストクライミングタイプの昇降足場を少なくとも2つ用い、その中の少なくとも1つ(通常は1つ)を第2昇降足場とするとともに、それ以外を第1昇降足場として用いる。第1昇降足場は、塔状構造物の略上端まで上昇させることにより、塔状構造物の上端付近を解体するための作業者の足場として用いる。他方、第2昇降足場は、第1足場と地上との間を作業者が行き来するためのエレベータとして用いる。本発明の解体工法では、複数の昇降足場に与える役割を、上述のように異なるものとする。
この解体工法では、第1昇降足場を足場としつつ、そこまでの作業者の昇り降りを第2昇降足場によって行うことができる。したがって、作業者の負担を小さく抑えることができる。
また、この解体工法で用いる第1昇降足場と第2昇降足場は、マスト部材を継ぎ足していくことにより、第1マスト又は第2マストの高さを制限なく高くすることができるため(少なくとも、既存の塔状構造物の高さを超えることには何ら問題がない。)、その高さの如何によらず塔状構造物を解体することができる。
また、この解体工法で用いる第1昇降足場及び第2昇降足場は、その上に重い重機を載せることがないため、第1マスト又は第2マストの高い強度を要求されることもなく、コストの面から見ても有利である。
なお、この解体工法で第1昇降足場及び第2昇降足場として用いることのできる昇降足場としては、例えば、日本では、例えば、ガデリウス株式会社が輸入総代理店となっている、アリマック・ヘック社が製造するワークプラットフォーム(商標)を用いることができる。
塔状構造物の孔から、塔状構造物の内部を落下させた解体物を取出すようにする場合、前記第1足場と前記第2足場とが前記塔状構造物の略上端にあるときに、前記塔状構造物の前記解体範囲を含む範囲を板(この板には、第1足場及び第2足場が含まれ得る。)とシートの一方を含む遮蔽材で囲み、その遮蔽材で囲まれた空間の空気を、前記塔状構造物の内部を通じて、前記孔から引くようにすることができる。こうすることにより、塔状構造物の上端付近で生じる塔状構造物の解体範囲を解体した際に発生した埃等を含む空気を孔から引くことができるようになるので、上述の埃等が外部に飛散することを防止しやすくなる。
ところで、塔状構造物を解体するとき、ダイオキシンを始めとする有害物質が飛散するおそれが生じる場合がある。例えば、塔状構造物が焼却炉の煙突である場合には、他の場合よりもダイオキシンの飛散の可能性が大きくなる。シート等からなる遮蔽材を用いる上述の発明によれば、そのような有害物質の流出を効果的に防止できる。もっとも、従来の塔状構造物の解体の場合にも有害物質の流出を防止するための手立ては採られている。有害物質の流出のおそれがある塔状構造物を解体する場合、従来は、有害物質の外部への流出を防止するため、塔状構造物の全体をシートで覆っている。しかしながら、塔状構造物の全体をシートで覆うためには非常に大きな面積のシートが必要であり、また、シートを配するための手間が大きい。本発明の場合であれば、シート等の遮蔽材で囲む範囲は塔状構造物の全体ではないので、有害物質の外部への流出を防止するために要する手間は従来に比して小さい。
なお、この場合における上述の空間の気密性は、塔状構造物の下方にある孔から空間内の空気を引いていることもあり、非常に高いレベルが要求されるというわけではない。空気を引いているにも関わらず上述の空間から有害物質が流出するという事態が実質的に生じないという程度の気密性が、上述の空間には要求される。
第2足場にエアシャワーを設ける場合、前記第2足場に、前記空間と空気の行き来がないように区画され、本発明における空間に対して作業者が出入りすることができるようにされた扉を有する区画空間を設けるとともに、前記空間の前記扉の近辺にエアシャワーを設けることができる。このようにした場合、作業者は、第2足場を降下させることで地上に降りる場合には、第2足場に設けられた区画空間に居ることにする。この区画空間に入る際に、できれば、区画空間に入る前に、作業者がエアシャワーを通過することにすれば、区画空間への有害物質の持ち込みを減らすことができる。
前記第1足場は、例えば、前記第1足場の外側縁から上方に伸びる外壁部と、前記外壁部の上端から内側に伸びる天井部とを備えることで、縦断面形状が略コの字型となるようにすることができる。また、前記第2足場は、例えば、前記第2足場の外側縁から上方に伸びる外壁部と、前記外壁部の上端から内側に伸びる天井部とを備えることで、縦断面形状が略コの字型で前記第1足場と同じ大きさ及び形状となるようにすることができる。この場合、前記第1足場と前記第2足場とが前記塔状構造物の略上端にあるときに、前記第1足場の両端と前記第2足場の両端、前記第1足場の前記外壁部の両端と前記第2足場の前記外壁部の両端、前記第1足場の前記天井部の両端と前記第2足場の前記天井部の両端、のそれぞれを位置合せするとともに、前記第1足場の内側の縁部及び前記第2足場の内側の縁部と前記塔状構造物との隙間を前記遮蔽材で覆い、且つ前記第1足場の天井部の内側の縁部及び前記第2足場の天井部の内側の縁部を前記遮蔽材で覆い、前記空間を前記第1足場、及びその外壁と天井部、前記第2足場、及びその外壁と天井部、並びに前記遮蔽材で囲まれた空間として形成することができる。なお、互いに位置合せされる、前記第1足場の両端と前記第2足場の両端、前記第1足場の前記外壁部の両端と前記第2足場の前記外壁部の両端、前記第1足場の前記天井部の両端と前記第2足場の前記天井部の両端のそれぞれの部分は、上述した空間に要求される気密性が担保されるような常態で接続するのがよい。前記第1足場及び前記第2足場の内側の縁部と遮蔽材、前記遮蔽材と前記塔状構造物の外周、前記第1足場と前記第2足場の天井部の内側の縁部と遮蔽材の接続も同様である。
それらを平面視したときに前記塔状構造物の周囲を囲む形状とされている第1足場と第2足場は、それらを平面視したときに、所定幅の矩形となるようにされていてもよい。このような第1足場と第2足場は、加工がし易い。
第1足場と第2足場が、それらを平面視したときに、所定幅の矩形となるようにされている場合、前記第2足場は、前記矩形の一辺に略相当し、前記第1足場は、前記矩形の前記一辺を除く他の三辺に略相当するようにすることができる。この場合、前記第1足場は、前記矩形の各辺のそれぞれに略相当する3つの第1小足場に分かれており、且つ前記第1マストは、前記第1小足場のそれぞれに対応する3つの第1小マストとされていてもよい。これはつまり、第1昇降足場が、複数の昇降足場により構成されていることを意味する。
前記第1足場は、複数の第1小足場に分かれており、前記第1マストは、前記第1小足場のそれぞれに対応する前記第1小足場と同数の第1小マストとされている場合、前記第1小足場のそれぞれが前記塔状構造物の略上端にあるときに、前記第1小足場のうちの隣接するもの同士を互いに接続するようにしてもよい。これによっても、足場全体の安定を得られる。
塔状構造物10の地上付近には、孔11がある。この孔11は、塔状構造物10の解体にあたって塔状構造物10に新たに穿ったものでもよいが、この実施形態では、焼却炉の炉と塔状構造物10とを連通させるために当初から存在したものである。図1で示された塔状構造物10で焼却炉の炉が図示されていないのは、塔状構造物10の解体に先立って、焼却炉の炉が既に解体、除去された後だからである。
この実施形態では、この塔状構造物10の周囲に、4つのマストクライミングタイプの昇降足場を設ける。4つの昇降足場は、平面視した場合に正方形の頂点にそれらが位置するような位置関係で配され、且つそれらの中心に塔状構造物10が位置するようにされる。
4つの昇降足場のうちの1つが、本発明における第2昇降足場となり、4つの昇降足場のうちの他の3つが、本発明における第1昇降足場となる。
昇降足場の設置の仕方について、図2を用いて簡単に説明する。第1昇降足場、第2昇降足場ともに、昇降足場の設置の仕方は変わらない。したがって、図2で説明する昇降足場の設置の仕方は、4つの昇降足場を設置する場合のすべてに共通である。
昇降足場を設置するには、まず、図2(A)に示したように、地面にマスト部材21を1本立てる。マスト部材21は、所定の長さ(例えば、この実施形態では150cm程度)とされた、柱状の部材である。この実施形態におけるマスト部材21は、金属の棒をトラス構造で組んで作られており、その断面形状は1辺が50cm程度の正方形とされている。マスト部材21は、その両端で、他のマスト部材21と接続できるようになっている。なお、図2(A)では、地面にマスト部材21を単に立てた状態を図示しているが、地面にマスト部材21を立てるにあたって、地面に対するマスト部材21の固定を強固なものとするために土台を設ける等の適切な処置を行うことができるのは当然のことである。なお、後述する2本目以降のマスト部材21にも共通するが、各マスト部材21は、塔状構造物10に固定することも可能である。
次に、マスト部材21に、図2(B)に示したようにして足場22を取付ける。この足場22は、必ずしもその限りではないが、この実施形態では、金属製とされ、板状であり、矩形とされている。足場22には、図示を省略するが、マスト部材21に対して任意の位置で固定を行うことができるとともに、マスト部材21を昇降するための手段が設けられており、また、マスト部材21を貫通させるための開口が設けられている。マスト部材21に対して固定を行い、マスト部材21を昇降するための上述の手段は公知のものであるため、その説明を省略する。足場22をマスト部材21に取付けた後、足場22の上に、作業者が載り込み、図2(B)に示したようにして複数のマスト部材21を載せる。
次に、作業者が操作を行うことで、足場22を地上に立てたマスト部材21の上部まで移動させる。その状態で、作業者は、地上に立てたマスト部材21の上に、足場22に載せられていたマスト部材21を1本接続する(図2(C))。マスト部材21同士の接続は、ボルトとナットを用いるなど、適当な方法で行う。
次に、作業者が操作を行うことで、足場22を地上から2本目のマスト部材21の上部まで移動させる。その状態で、作業者は、2本目のマスト部材21の上に、足場22に載せられていたマスト部材21を1本接続する(図2(D))。
この作業を繰り返して、マスト部材21を継ぎ足しつつ、足場22を上方へ移動させていく。足場22に載せたマスト部材21がなくなった場合には、一旦足場22を地上に降ろしてマスト部材21を足場22に再度載せ、再び足場22を上方へ移動させる。このようにして、マスト部材21を連結して作ったマストを、塔状構造物10と略同程度の高さまで伸ばす。このようにして、昇降足場20が完成する(図2(E))。完成した昇降足場20が備える足場22は、マスト部材21を連結して作ったマストを、その先端から地上まで自由に昇降できる。
負圧室30は、この実施形態では、略直方体形状とされる。負圧室30は、どのようにして構築しても構わない。例えば、負圧室30は、プレハブ式の建築物であってもよいが、この実施形態では、ビテイを積み上げて作った壁の上に、金属製の板を載せたものとされている。負圧室30は、また、その全体を、空気を通さない図示せぬシートにて覆われており、それにより全体として、気密にされている。
負圧室30は、また、この実施形態では、金属製とされた管31により、塔状構造物10の孔11と連通されている。管31は、塔状構造物10の内側と負圧室30を気密な状態で接続する。
負圧室30の4つの壁の1つに、負圧集塵機32が設けられている。不圧集塵機32は、ファンにより、負圧室30内の空気を外部に引くものとなっている。負圧集塵機32には、フィルタが設けられており、負圧室30内の埃や後述する有害物質が外部に流出しないようにされている。
負圧室30の4つの壁の1つに、扉を備えた出入り口33が設けられている。出入り口33は、負圧室30の内部へ、作業者が出入りを行うためのものである。負圧室30の出入り口33の手前には、エアシャワー34が設けられている。出入り口33を通って負圧室30から出ようとする作業者は、エアシャワー34を通過する。これにより、負圧室30から出た作業者の体に付着した有害物質が負圧室30の外部に持ち出されることを防止しうる。
負圧室30には、また、搬出口35が設けられている。搬出口35は、解体された塔状構造物10である解体物を負圧室30から外部へ搬出するために負圧室30の一壁面に設けられた開口である。搬出口35は、開閉自在とされている。
このような形状とされた昇降足場20A〜20Cの各足場22は、内側(塔状構造物10に臨む側)が開放されているので、塔状構造物10を解体する場合の足場として機能する。
壁24と、天井25の構造、素材は適当に選択することができ、例えば、金属製、或いは木製の板でこれを構成することができる。本実施形態の場合には、図5に示したような壁24と天井25の形状を保てるようにした骨組みを足場22から形成した上で、その骨組みに空気を通さないシートを張り渡すことにより、壁24と天井25を形成している。
昇降足場20Dの足場22の、図3における仕切り26より左側の部分は、昇降足場20A〜20Cと同様に断面コの字型とされている。昇降足場20Dの足場22の当該部分は、昇降足場20A〜20Cの場合と同様の壁24と天井25が設けられている。昇降足場20Dの、図3における左端には壁25が設けられている。このような構造により、昇降足場20Dの図3における仕切り26より左側の部分は、昇降足場20A〜20Cと同様、塔状構造物10を解体する場合の足場として機能する。
他方、昇降足場20Dの図3における仕切り26より右側の部分は、昇降足場20A〜20Cが有していた壁24と天井25を有し、更に、内壁28を有することで、断面が矩形形状とされている。内壁24は、昇降足場20Dの足場22の内側(塔状構造物10に臨む側)の縁から、垂直に立ち上げられている。なお、昇降足場20Dの、仕切り26より右側の部分には、内壁28は設ける必要があるが、必ずしも壁24と天井25は必要ない。ただし、この部分の壁24を取去った場合には、その部分の足場22にいる作業者の安全性を確保するために、壁24のあった部分に、柵などの作業者の安全性を確保するための手段を設けるのが好ましい。
昇降足場20Dの足場22の、出入り口27の近辺にはエアシャワー29が設けられている。昇降足場20Dの、図3における仕切り26より左側の部分から右側の部分へ出入り口27を通って移動する作業者は、エアシャワー29を通過するようになっている。なお、エアシャワー29を挟むようにして、仕切り26と同様の仕切りをもう1つ設けておくと、後述するようなエアシャワー29によって得ることのできる有害物質の持出し防止の効果をより一層高められる。
そして、ここから、塔状構造物10の解体を本格的に開始する。
塔状構造物10を解体するにあたっては、まず、図6及び図7に示すように、4つの昇降足場20の足場22をすべて、塔状構造物10の略上端の同じ高さまで上昇させる(なお、図6は、4つの昇降足場20のうち、昇降足場20Cの足場22が上昇途中の状態を示している)。
4つの昇降足場20の足場22のどれから塔状構造物10の略上端まで上昇させるかは自由である。基本的には、4つの足場22のうち、本発明の第1昇降足場に相当する20A〜20Cの足場22をまず塔状構造物10の略上端まで上昇させておき、後から作業者を複数載せた、本発明の第2昇降足場20Dの足場22をそこまで上昇させるのがよい。昇降足場20Dの足場22が上昇するとき、作業者は、昇降足場20Dが有する足場22の図3における仕切り26より右側の部分にいることとする。
作業者は、昇降足場20Dの足場22の図3における仕切り26よりも左側の部分から、昇降足場20A〜20Cの足場22に移る。昇降足場20Dの足場22と、昇降足場20A〜20Cの足場22はすべて面一となっており、昇降足場20Dの足場22のうち仕切り26よりも図3における左側の部分から昇降足場20A〜20Cの各足場22までの間には作業者の移動を遮る壁はないので、作業者はかかる移動を容易に行える。
そして、作業者は、その状態で、4つの昇降足場20のうち隣り合うもの同士を互いに固定する。昇降足場20同士の固定はどのように行っても構わない。ボルトとナット、或いはワイヤなどを適当に用いて、かかる固定を行うことができる。なお、昇降足場20同士の固定を簡単に行えるようにするため、各昇降足場20に、機械的な公知のロック機構を設けておくことも可能である。
次いで、作業者は、図8に示したようにして、各昇降足場20の足場22と、塔状構造物10の外周とを、接続具52を用いて固定する。接続具52は、足場22と塔状構造物10の接続を行えるようなものであればどのようなものでもよいが、例えば、塔状構造物10に打ち込むアンカーと、このアンカーと足場22とを接続することのできる金具とからこれを構成することができる。
次いで、作業者は、各足場22と塔状構造物10との間の隙間を埋めて作業者の安全性を確保するための張出板53を各足場22に適当に固定する(図8参照)。張出板53は、作業者がその上に載って作業を行える程度の強度があれば、その形状、材質等は適当に選択することができる。
このようにして、作業者の安全と、足場22での作業のし易さが確保される。
上幕51は、塔状構造物10の上端よりも上側に張る。上幕51は、その周囲の部分と各昇降足場20の天井25の内側の縁部との間に隙間が生じないようにして、各昇降足場20の天井25の内側の縁部に固定する。
また、作業者は、図9に示したような、シートにより形成の下幕54を張渡す。下幕54は、その内側の縁部と塔状構造物10との間に隙間が生じないように、また、その外側の縁部と各昇降足場20の足場22の内側縁部との間に隙間が生じないようにして張渡す。塔状構造物10に下幕54が取付けられる位置は、昇降足場20がその位置にある状態で壊されることが予定された塔状構造物10の範囲(その位置にある昇降足場20から壊すことのできる塔状構造物10の下方の限界)よりもやや下方としておく。なお、下幕54を張渡す際に接続具52又は張出板53が邪魔になるようであれば、下幕54は、接続具52、張出板53を足場22に取付ける前に張渡せばよい。
なお、上幕51と、下幕54は、埃や有害物質の外部への流出を防止できるものであれば、シートではなく、例えば、板で形成されていてもよい。
作業者は、また、各昇降足場20の隣合う足場22同士、隣合う天井25同士、隣合う壁24同士、また、天井25と足場22に設けられたマスト部材21貫通用の孔などに目張りを行う。また、この実施形態で用いるマスト部材21は、金属の棒をトラス構造で組んだものであり、基本的に中空であるから、マスト部材21の周囲もシートで囲うなどして目張りを行う必要がある。
なお、塔状構造物10を崩すとき、地上にいる作業者は、負圧室30の中の負圧集塵機32を作動させた状態とする。これにより、昇降足場20の足場22、壁24、天井25、仕切り26、内壁28、上幕51、及び下幕54に囲まれた空間の空気は、塔状構造物10の内側のスペースと管31を介して負圧室30に引かれる。したがって、塔状構造物10を崩す作業を行っている際に埃乃至粉塵が生じたとしても、また、その作業の際に仮に有害物質が生じたとしても、それらは負圧室30に集められることになる。したがって、この解体工法によれば、埃や有害物質が外部に流出することはない。有害物質は、負圧室30に引かれ、負圧集塵機32のフィルタに捉えられる。
なお、地上の負圧室30にいる作業者は、塔状構造物10の中を落下して来た解体物を管31を介して負圧室30内に運び込み、必要に応じて搬出口35から外部に搬出する。かかる作業を行うために負圧室30に出入りする作業者は、出入り口33から負圧室30を出る場合には、その前にエアシャワー34を通過するようにする。
作業者は、塔状構造物10を、上端側から下幕54が固定されている部分のやや上側まで崩す。
そして、作業者は、上端側から崩したことにより背が幾らか低くなった塔状構造物10の新たな上端位置と略一致する同じ高さまで4つの昇降足場20の足場22を降下させる。そして、上述した作業を繰り返しつつ、4つの昇降足場20の足場22を地上まで降ろすことにより、塔状構造物10の解体を終了する。
作業者は、地上に降りる場合など、昇降足場20Dの足場22の上で、図3における仕切り26よりも左側の部分から右側の部分に移る場合には、出入り口27を通る前に、エアシャワー29を通過する。これにより、昇降足場20Dの足場22の、図3における仕切り26よりも右側の部分への有害物質の持込みを防止できる。これは、地上への有害物質の持込の防止を達するに有用である。
11 孔
20 昇降足場
21 マスト部材
22 足場
24 壁
25 天井
26 仕切り
29 エアシャワー
30 負圧室
31 管
32 負圧集塵機
34 エアシャワー
51 上幕
54 下幕
Claims (12)
- 高層で筒状の塔状構造物の解体を行う解体工法であって、
前記塔状構造物の周辺に、マスト部材を長さ方向で接合して作られる前記塔状構造物の高さと略同じ程度の高さの第1マスト、及び前記第1マストに沿って上下するための駆動機構を有する板状の第1足場、を有するマストクライミングタイプの昇降足場である第1昇降足場と、マスト部材を長さ方向で接合して作られる前記塔状構造物の高さと略同じ程度の高さの第2マスト、及び前記第2マストに沿って上下するための駆動機構を有する板状の第2足場、を有するマストクライミングタイプの昇降足場である第2昇降足場と、を設け、
前記第1昇降足場の前記第1足場を、前記塔状構造物の略上端まで上昇させることにより、前記第1足場を前記塔状構造物の上端付近を解体するための作業者の足場とするとともに、
前記第2昇降足場の前記第2足場を、前記第1足場と地上との間を作業者が行き来するためのエレベータとして用い、
前記作業者が前記第1足場から前記塔状構造物の上端から適当な範囲である解体範囲を解体する度に、前記塔状構造物が低くなった分ずつ前記第2昇降足場を下降させる、
塔状構造物の解体工法。 - 作業者は、前記塔状構造物の解体された部分である解体物を前記塔状構造物の内部に投入して落下させる、
請求項1記載の解体工法。 - 前記塔状構造物の地上付近に設けられた孔から、前記落下させられた前記解体物を取出すようにするとともに、
前記第1足場と前記第2足場とが前記塔状構造物の略上端にあるときに、前記塔状構造物の前記解体範囲を含む範囲を板とシートの一方を含む遮蔽材で囲み、その遮蔽材で囲まれた空間の空気を、前記塔状構造物の内部を通じて、前記孔から引く、
請求項1記載の解体工法。 - 前記第1足場を、前記第1足場の外側縁から上方に伸びる外壁部と、前記外壁部の上端から内側に伸びる天井部とを備えることで、縦断面形状が略コの字型となるようにするとともに、
前記第2足場を、前記第2足場の外側縁から上方に伸びる外壁部と、前記外壁部の上端から内側に伸びる天井部とを備えることで、縦断面形状が略コの字型で前記第1足場と同じ大きさ及び形状となるようにし、
前記第1足場と前記第2足場とが前記塔状構造物の略上端にあるときに、
前記第1足場の両端と前記第2足場の両端、前記第1足場の前記外壁部の両端と前記第2足場の前記外壁部の両端、前記第1足場の前記天井部の両端と前記第2足場の前記天井部の両端、のそれぞれを位置合せするとともに、前記第1足場の内側の縁部及び前記第2足場の内側の縁部と前記塔状構造物との隙間を前記遮蔽材で覆い、且つ前記第1足場の天井部の内側の縁部及び前記第2足場の天井部の内側の縁部とを前記遮蔽材で覆い、前記空間を前記第1足場、及びその外壁と天井部、前記第2足場、及びその外壁と天井部、並びに前記遮蔽材で囲まれた空間として形成する、
請求項3記載の解体工法。 - 前記第1足場と前記第2足場は、それらを平面視したときに前記塔状構造物の周囲を囲む形状とされている、
請求項1〜4のいずれかに記載の解体工法。 - 前記第1足場と前記第2足場は、それらを平面視したときに、所定幅の矩形となるようにされている、
請求項5記載の解体工法。 - 前記第2足場は、前記矩形の一辺に略相当し、
前記第1足場は、前記矩形の前記一辺を除く他の三辺に略相当する、
請求項6記載の解体工法。 - 前記第1足場は、前記矩形の各辺のそれぞれに略相当する3つの第1小足場に分かれており、且つ前記第1マストは、前記第1小足場のそれぞれに対応する3つの第1小マストとされている、
請求項7記載の解体工法。 - 前記第2足場にエアシャワーを設ける、
請求項3記載の解体工法。 - 前記第2足場に、前記空間と空気の行き来がないように区画され、前記空間に対して作業者が出入りすることができるようにされた扉を有する区画空間を設けるとともに、
前記空間の前記扉の近辺にエアシャワーを設ける、
請求項3記載の解体工法。 - 前記第1足場と前記第2足場とが前記塔状構造物の略上端にあるときに、前記第1足場と前記第2足場とを互いに接続する、
請求項1記載の解体工法。 - 前記第1足場は、複数の第1小足場に分かれており、前記第1マストは、前記第1小足場のそれぞれに対応する前記第1小足場と同数の第1小マストとされており、
前記第1小足場のそれぞれが前記塔状構造物の略上端にあるときに、前記第1小足場のうちの隣接するもの同士を互いに接続する、
請求項1記載の解体工法。
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|---|---|---|---|
| JP2007268445A JP2009097202A (ja) | 2007-10-15 | 2007-10-15 | 塔状構造物の解体工法 |
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|---|---|
| JP2009097202A true JP2009097202A (ja) | 2009-05-07 |
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| JP (1) | JP2009097202A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2015218544A (ja) * | 2014-05-21 | 2015-12-07 | 前田建設工業株式会社 | 建物解体用集塵装置 |
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2007
- 2007-10-15 JP JP2007268445A patent/JP2009097202A/ja active Pending
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