JP2009097405A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Akihito Hosoi
章仁 細井
Hideo Kobayashi
日出夫 小林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Toshihisa Sugiyama
敏久 杉山
Kenichi Yamada
賢一 山田
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Akira Michikawauchi
亮 道川内
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Abstract

【課題】暖機中にウォータジャケット内の冷却水を抜き取るエンジンにおいて、冷却装置内におけるエアの流通を確保することにより、エアと冷却水の入れ替えを行い、暖機と冷却とを促進させるエンジンの冷却装置を提供することを課題とする。
【解決手段】冷却装置1は、ウォータジャケット3内から抜き取った冷却水を貯留する第一タンク5と、このウォータジャケット3と第一タンク5との間で冷却水を移送する電動ポンプ6と、エアを貯留する第二タンク7と、第一タンク5内に形成される空間と第二タンク7内に形成される空間とを接続してエアを流通させる第一通路8と、ウォータジャケット3内と第二タンク7内とを接続してエアを流通させる第二通路9と、前記ウォータジャケット3内から前記第一タンク5内へ冷却水を抜き取る前に、前記ポンプ5を作動させるECU24と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関し、特に、暖機時にエンジンのウォータジャケットから冷却水を抜き取るエンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンの冷却装置においてウォータポンプによって圧送される冷却水は、シリンダブロック、シリンダヘッドなどの冷却を必要とする部位へ送られ、このような冷却対象部位から熱を奪う。冷却対象部位から熱を奪った冷却水はラジエータへ送られて、ラジエータにおいて熱を大気中に放出する。このように、エンジンは、エンジン内を循環する冷却水の熱交換により冷却されている。このような冷却水を循環させるエンジンでは、暖機の時間を短縮するため、暖機時にエンジン本体への冷却水の流通を抑制する構成のものがある。このような構成のエンジンでは、冷却水による熱の持ち去りが抑制されるため、暖機の促進が見込まれる。
ところが、このようなエンジンの冷却装置のウォータジャケットは常に冷却水で満たされているため、エンジンの暖機時にシリンダブロック、シリンダヘッドとともにウォータジャケット内の冷却水も温めなければならず、暖機に時間を要していた。そこで、このような暖機時間の短縮を図ったエンジンの冷却装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたエンジンの冷却装置は、暖機運転時にウォータジャケット内の冷却水をタンクへ抜き取り、ウォータジャケット内へエアを供給する。これにより、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルを下げ、冷却水の熱容量を減らすことで、暖機性能が向上するという効果が得られる。この冷却装置は、暖機が完了すると抜き取った冷却水をウォータジャケットへ戻すとともに、エアをタンクへ戻す。こうしてウォータジャケット内に戻された冷却水は、ウォータポンプの駆動によりエンジン内部を循環する。
実公平3−26255号公報
このように、エンジンの冷却装置はウォータジャケット内へ冷却水を戻す際に、ウォータジャケット内のエアとタンク内の冷却水とを入れ替えなければならない。ところが、移送される冷却水が、ウォータジャケットとタンクとを接続する管路内に残存し、エアの通路が遮断されることがある。このようにウォータジャケットとタンクとの間のエアの通路が遮断されると、ウォータジャケットとタンクとの間でエアと冷却水の入れ替えが行われないため、エンジンの効率的な暖機や冷却効果が損なわれてしまうことが考えられる。
そこで、本発明は、エンジンの冷却装置内におけるエアの流通を確保することにより、エアと冷却水の入れ替えを行い、暖機と冷却とを促進させるエンジンの冷却装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンの冷却装置は、エンジン内部に形成されたウォータジャケット内から抜き取った冷却水を貯留する第一タンクと、前記ウォータジャケットと前記第一タンクとの間で冷却水を移送するポンプと、エアを貯留する第二タンクと、前記第一タンク内に形成される空間と前記第二タンク内に形成される空間とを接続し、エアが流通する第一通路と、前記ウォータジャケット内と前記第二タンク内とを接続し、エアと冷却水とが流通する第二通路と、前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る前に、前記ポンプを作動させる制御手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、第一通路内に浸入した冷却水を取り除き、エアの通路を確保することができる。冷却装置は、ポンプを作動させることにより、第一タンク内の圧力が低下するため、第一タンクに接続された第一通路内の冷却水が第一タンク内に吸引される。このように、第一通路内の冷却水が除去されるので、第一タンク内からエアを排出する通路が確保される。これにより、第一タンク内からエアを排出し、エアを排出して形成される空間にウォータジャケット内の冷却水を流入させることができる。このため、ウォータジャケット内から冷却水を抜き取り、暖機を促進することができる。
このようなエンジンの冷却装置は、前記第一通路内に浸入する冷却水を検知する第一検知手段を備えた構成とすることができる(請求項2)。さらに、このようなエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記第一検知手段により冷却水の浸入が検知された場合に前記ポンプを作動させる(請求項3)。このように、第一通路内に冷却水が浸入している場合に、ポンプによる吸引を利用して第一通路内の冷却水を取り除くことができる。一方、第一通路内に冷却水が浸入していない場合には、ポンプを作動させる必要がないため、ポンプの作動によるエネルギーの損失を抑制することができる。
また、本発明のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記第一タンク内から前記ウォータジャケット内へ冷却水が供給される際に、前記第一タンク内に冷却水を残留させて前記ポンプを停止させる構成とすることができる(請求項4)。これにより、ポンプの作動時にエアの混入が抑制されるので、ポンプの作動により、効果的に第一タンク内の圧力を低下させ、第一通路内の冷却水を吸引することができる。これにより、エアの通路が確保されるので、冷却水の移送を円滑に行うことができる。
このようなエンジンの冷却装置は、前記第一タンク内の冷却水を検知する第二検知手段を備え、前記制御手段は、前記第二検知手段により冷却水が検知されない場合、前記ポンプを停止する構成とすることができる(請求項5)。これにより、冷却装置は第一タンク内に冷却水を残留させることができる。第二検知手段が冷却水を検知しなくなると直ちにポンプを停止することにより、冷却水の流出を防ぎ、冷却水を第一タンク内に残留させる。
このようなエンジンの冷却装置において、前記ウォータジャケット内と前記第一タンク内とを接続し、前記ポンプが配置される第三通路と、当該第三通路に配置された水温センサを備え、前記制御手段は、前記水温センサから取得される冷却水温度に基づいて、前記第一タンク内から前記ウォータジャケット内へ流れる冷却水の流量を算出するとともに、算出した冷却水の流量に基づいて、前記ポンプを停止する構成とすることができる(請求項6)。これにより、第一タンク内に冷却水を残留させることができる。冷却水の流量は水温に起因した冷却水の粘性の相違の影響を受けて変化するため、水温の異なる状態でポンプの作動時間が同一であると、流量に差が生じてしまう。そこで、冷却装置は、水温による流量の差を考慮して、ポンプの作動時間を変更させることにより、水温の違いに関わらず一定の流量を確保することができる。このようにポンプにより移送する冷却水の流量を、第一タンク内に貯留されている冷却水の全量より少なくすることにより、第一タンク内に冷却水を残留させることができる。また、このような水温センサは、第三通路を流れる冷却水の温度と相関関係を得ることができるならば、他の部位に配置することができる。例えば、このようなセンサとして、ウォータジャケット内の冷却水温を計測する温度センサがある。
このようなエンジンの冷却装置は、前記ウォータジャケット内と前記第一タンク内とを接続し、前記ポンプが配置される第三通路と、当該第三通路に配置された流量計を備え、前記制御手段は、前記流量計により計測された前記第一タンク内から前記ウォータジャケット内へ流れる冷却水の流量に基づいて、前記ポンプを停止する構成とすることができる(請求項7)。このような構成とすることにより、第一タンク内に冷却水を残留させることができる。
また、本発明のエンジンの冷却装置は、前記第一通路に配置され、前記第一通路に浸入した冷却水を貯留する水溜室と、前記ウォータジャケット内と前記第一タンク内とを接続し、前記ポンプが配置される第三通路と、前記第一タンクをバイパスして前記水溜室の底部と前記第三通路とを接続する第四通路と、当該第四通路における前記第三通路側から前記水溜室側へ向かう冷却水を遮断する逆止弁と、を備えた構成とすることができる(請求項8)。このような構成とすることにより、第一通路に浸入した冷却水を水溜室に溜めることができるため、エアの通路を確保することができる。また、ポンプを駆動することにより、水溜室に溜められた冷却水を、積極的に排出することができる。これにより、エアの流通する通路を確保し、冷却水の移動を円滑にすることができる。
本発明のエンジンの冷却装置は、ウォータジャケット内から第一タンク内へ冷却水を抜き取る前に、ポンプを作動させて第一通路内の冷却水を取り除くことにより、エアの通路を確保し、冷却水の移送を円滑に行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例の冷却装置1の組み込まれたエンジン2の概略構成を示した説明図である。冷却装置1はウォータジャケット3、第一タンク5、本発明のポンプに相当する電動ポンプ6、第二タンク7、第一通路8、第二通路9を備えている。ウォータジャケット3は、エンジン本体(図示しない)に形成された冷却水の通路であり、ウォータジャケット3内の冷却水はエンジン本体と熱交換を行う。
第一タンク5は、開口部を下に向けた蓄熱タンクであり、ウォータジャケット3内から抜き出した冷却水を収容できる容積を有している。また、この第一タンク5は、第一タンク5の天板5aがウォータジャケット3の底面3aよりも下側になるように配置されている。要は冷却水がウォータジャケット3から自由落下し、第一タンク5へ流入するように第一タンク5が配置されている。
また、この第一タンク5内には本発明の第二検知手段に相当する水位センサ25が配置されている。図2は第一タンク5内部と第一タンク5内に取り付けられた水位センサ25の概略構成を示した説明図である。水位センサ25は、ストッパ25a、軸25b、フロート25c、スイッチ付ストッパ25dを備えている。軸25bは、第一タンク5の下部5bから内部へ向かって突き出している。フロート25cは軸25bに遊嵌されている。このフロート25cは、冷却水に浮き、冷却水の上昇、下降に伴って、軸25bに沿って移動する。ストッパ25aは、軸25bの先端に接続されており、フロート25cの離脱を防いでいる。また、フロート25cよりも下側にスイッチ付ストッパ25dが固定されている。すなわち、第一タンク5内の水位がスイッチ付ストッパ25dの位置よりも低下する場合、フロート25cは、スイッチ付ストッパ25dと接触することになる。このとき、スイッチ付ストッパ25dは、フロート25cがスイッチ付ストッパ25dよりも下部へ移動することを抑止するとともに、スイッチがONとなる。このようにスイッチがONとなると、水位センサ25と電気的に接続されているECU(Electronic Control Unit)24に信号が伝達される。ECU24は、このような信号を受け取り、第一タンク5内の冷却水の水位がスイッチ付ストッパ25dの位置よりも低下していることを判断する。なお、このようなECU24は、本発明の制御手段に相当する。また、スイッチ付ストッパ25dは、第一タンク5の底部5bよりも上方に配置されている。
次に、図1に示すように、電動ポンプ6は、ウォータジャケット3内の底部3aと前記第一タンク5内とを接続する第三通路11に配置されている。この電動ポンプ6は、電気で駆動される圧送ポンプで、第一タンク5内の冷却水をウォータジャケット3内へ圧送する。また、電動ポンプ6は、作動していない場合でも冷却水を流通することができるように構成されている。すなわち、電動ポンプ6は第三通路11を遮断しないため、電動ポンプ6が停止している場合に、冷却水は第三通路11内をウォータジャケット3から第一タンク5へ向けて流通することができる。また、第三通路11のウォータジャケット3と電動ポンプ6との間に第一電磁弁4が配置されている。
第二タンク7は、エアと冷却水とを貯留するリザーブタンクであり、ウォータジャケット3よりも上側に配置されている。第一通路8は、第一タンク5内と第二タンク6内とを接続している。第一タンク5側の第一通路8の端部8aは、第一タンク5の底面から第一タンク5の上方に向かって挿入されており、第一タンク5内の空気層に開口するように設置されている。第二通路9は、前記ウォータジャケット3内の上部と前記第二タンク7内とを接続している。第二タンク7における第一通路8の接続口8bは、第二通路9の開口部9aよりも上側で、第二タンク7内の空気層に開口するように接続されている。また、第一通路8上の第一タンク5の底部5b近傍に、フロート式の冷却水検知センサ10が備えられている。この冷却水検知センサ10は、本発明の第一検知手段に相当し、第一通路8内に冷却水が流入すると、フロート(図示しない)が冷却水に浮かび、スイッチがONとなる。このようにスイッチがONとなると、電気的に接続されたECU24へ伝達され、ECU24は、第一通路8内の冷却水の浸入を検知する。
さらに、第二タンク7の底部には、第五通路12が接続されている。この第五通路12の他端は、ウォータジャケット3に接続されている。また、第五通路12には、第二タンク7に近い側から順に、一方弁13、ウォータポンプ14、三方弁15が配置されている。一方弁13は、第五通路内12の第二タンク7へ向かう流れを遮断する逆止弁である。また、一方弁13は、第五通路12内の上流側、すなわち、第二タンク7側の圧力が下流側の圧力よりも所定値P高くなる場合に開弁し、冷却水が第二タンク7側からウォータジャケット3側へ向かって流れる構成となっている。この所定値Pは、エンジン2の諸元、運転状態によって予め設定される値である。本発明ではウォータポンプ14の作動により吸引され、一方弁13の下流側が減圧されることにより生じる一方弁13の上流側と下流側の圧力差をPとしている。
ウォータポンプ14は、クランク軸(図示しない)から動力を得る機械式のポンプであり、ウォータジャケット3へ冷却水を圧送する。また、このウォータポンプ14をバイパスするように第六通路16が配置されている。この第六通路16の一端はウォータポンプ14の上流側12aに接続し、他端は三方弁15に接続している。三方弁15は、冷却水をウォータジャケット3へ流通させる経路と、冷却水をウォータポンプ14の上流側へ流通させる経路、すなわち、第六通路16へ流通させる経路とを切替える切替弁である。
さらに、冷却装置1はラジエータ17を備えている。ラジエータ17には、第七通路19と第八通路20とが接続されている。第七通路19の他端は第二通路9に接続している。第八通路20の他端は第五通路12に接続している。また、冷却装置1には、ラジエータ17をバイパスし、第七通路19と第八通路20とを接続する第九通路21が備えられている。このような第九通路21内を、冷却水は第七通路19から第八通路20へと流れる。また、第九通路21には、ヒータコア18が配置され、車内を暖気するのに用いられる。
また、第九通路21が第八通路20に接続する箇所にサーモスタット22が備えられている。サーモスタット22は、常時、第九通路21と第八通路20の第五通路12側とを接続する経路を開通している。また、サーモスタット22は、冷却水の温度がエンジン2の暖機完了の温度以下の場合、ラジエータ17側からの冷却水の通路を遮断する。一方、冷却水の温度がエンジン2の暖機が完了する温度となる場合、サーモスタット22は、ラジエータ17側からの冷却水の経路を開通する。さらに、第八通路20のサーモスタット22の下流側には、第二電磁弁23が配置されている。第二電磁弁23が開弁される場合、第九通路21、ヒータコア18内に冷却水が流通する。
また、エンジン2は、壁温センサ26、水温センサ27を備えている。壁温センサ26は、エンジン本体に配置され、エンジン本体の温度を測定する。壁温センサ26は、ECU24と電気的に接続されており、壁温センサ26で測定されたエンジン本体の温度情報がECU24へ伝達される。水温センサ27は、ウォータジャケット3内に配置され、ウォータジャケット3内の冷却水の温度を測定する。水温センサ27は、ECU24と電気的に接続されており、水温センサ27で測定された冷却水の温度情報がECU24へ伝達される。また、ECU24は、電動ポンプ6、三方弁15、第一電磁弁4、第二電磁弁23と電気的に接続している。ECU24は、壁温センサ26及び水温センサ27から取得される温度情報に基づいて、電動ポンプ6の作動を決定し、電動ポンプ6へ信号を送信する。また、ECU24は、壁温センサ26及び水温センサ27から取得される温度情報に基づいて、三方弁15、第一電磁弁4、第二電磁弁23の開閉状態を決定し、これらの弁へ信号を送信する。
次に、エンジン2の冷却装置1の暖機開始から運転停止に亘って冷却水の移送の概要を説明する。図3は、暖機開始から運転停止後までのウォータジャケット3と第一タンク5との間における冷却水の移送の状態を示した説明図である。図3(a)はエンジン2の始動前の状態(「初期」状態)を示し、図3(b)はエンジン2においてイグニションをONとすることによって第一タンク5からウォータジャケット3へ冷却水を供給している状態(「供給」状態)を示し、図3(c)はクランキングを行い、エンジン2を始動させた状態(「始動」状態)を示している。図3(d)はエンジン2の始動後に、再び、ウォータジャケット3から第一タンク5へ冷却水を抜き取る状態(「排水」状態)を示し、図3(e)はエンジン2の暖機が完了して、第一タンク5からウォータジャケット3へ冷却水を再度供給している状態(「再供給」状態)を示し、図3(f)は、ウォータジャケット3への冷却水の供給が完了し、暖機が完了した状態(「暖機後」状態)を示し、図3(g)は、エンジン2を停止した後に、ウォータジャケット3から第一タンク5へ冷却水を抜き取る状態(「回収」状態)を示している。
図4は、エンジン2の暖機開始前から運転停止に亘って停止後に亘るシリンダブロックの壁温及び冷却水温度の温度変化を示した説明図である。図4の縦軸は温度、横軸は時間を示し、細線がシリンダブロックの壁温の変化を表し、太線が冷却水温度の変化を表している。図4の横軸上に示した「初期」、「供給」、「始動」、「排水」、「再供給」、「暖機後」、「回収」におけるエンジン2の状態は、それぞれ図3(a)の「初期」状態、図3(b)の「供給」状態、図3(c)の「始動」状態、図3(d)の「排水」状態、図3(e)の「再供給」状態、図3(f)の「暖機後」状態、図3(g)の「回収」状態に対応させて示されている。
次に、時間とともに変化するウォータジャケット3と第一タンク5との間の冷却水の移送の様子をエンジン1の始動前から停止後に亘って詳細に説明する。まず、「初期」状態において、冷却装置1は冷却水を第一タンク5内に貯留している。このような冷却水は、高温の状態で第一タンク5内へ回収されており、第一タンク5内でエンジン2の始動まで保温されている。このとき、ウォータジャケット3内の冷却水はほぼ空の状態となっており、エアで満たされている。このような「初期」状態から、イグニションがONとされると「供給」状態に進む。
「供給」状態では、冷却水が電動ポンプ6によって第一タンク5内からウォータジャケット3内へ移送される。このとき、図3(b)に示すように、第一タンク5で保温されていた冷却水は、ウォータジャケット3内へ供給されることによって、エンジン本体の温度を上昇させることができる。
ここで、「供給」状態における冷却装置1内の冷却水の流れについて図5を参照しつつ説明する。図5中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「供給」状態では、電動ポンプ6が作動し、また、第一電磁弁4を開弁状態とする。駆動された電動ポンプ6は、第一タンク5内の冷却水を第三通路11へ吸引し、ウォータジャケット3内へ圧送する。このように、ウォータジャケット3内へ冷却水が供給されるとともに、ウォータジャケット3内を占めていたエアが第二通路9へ排出される。また、第一タンク5内は、冷却水が吸引されて内部の圧力が低下する。これにより、第一タンク5内は第二タンク7内より圧力が低下するため、第二タンク7内のエアが第一通路8を通じて第一タンク5へ流れようとする。このため、第二タンク7内のエアが第一通路8を通じて、第一タンク5内へ流入する。そして、第二タンク7内エアが抜けた空間に第二通路9からエアが流入する。このように、「供給」状態では、冷却装置1内において、ウォータジャケット3、第二タンク7、第一タンク5の順にエアが流れる。
ここで、この「供給」状態におけるECU24の制御について説明する。図6は、「供給」状態のECU24の制御フローを示したものである。ECU24はステップS1で、給水要求があるか否かを判断する。給水要求とは、第一タンク5内からウォータジャケット3内への冷却水の供給についての要求であり、「供給」状態、及び、「再供給」状態において要求される。ECU24は、ステップS1でYESと判断する場合、すなわち、給水要求があると判断すると、ステップS2へ進む。
ECU24はステップS2で、電動ポンプ6を作動させる。次に、ECU24は、ステップS3の処理を行う。ECU24はステップS3で、第一電磁弁4を開弁状態とする。これらの処理により、冷却水が第三通路11を第一タンク5内からウォータジャケット3内へ向けて流れることとなる。なお、このステップS2とステップS3の順序を入れ替えても良く、また、これらの処理を同時に行っても良い。ECU24は、ステップS3の処理を終えると、ステップS4へ進む。
ECU24はステップS4で、水位センサ25のスイッチがONとなっているか否かを判断する。水位センサ25のスイッチがONである場合、このまま電動ポンプ6が継続して作動すると、第一タンク5内の冷却水がほぼ全量抜けてしまう。このように冷却水のほぼ全量が抜けると、後述する「排水」状態において作動する電動ポンプ6へエアが混入し、電動ポンプ6は効果的に作動することができない。ECU24は、ステップS4でYESと判断する場合、すなわち、水位センサ25のスイッチがONとなっていると判断すると、ステップS5へ進む。
ECU24はステップS5で、電動ポンプ6を停止する。これにより、第一タンク5内の冷却水の減少が止まる。また、ステップS5の次にECU24は、ステップS6を行う。ECU24はステップS6で、第一電磁弁4を閉弁状態とする。この処理により、第一タンク5内に電動ポンプ6内に冷却水を貯留しておくことができる。なお、ステップS5とステップS6との順序を入れ替えても良く、また、これらの処理を同時に行っても良い。ECU24はステップS6の処理を終えるとリターンする。
ところで、ECU24がステップS1でNOと判断する場合、すなわち、給水要求がないと判断すると、次にステップS5、ステップS6へ進む。給水要求がない場合は、ウォータジャケット3へ冷却水を供給する状態ではないので、直ちに電動ポンプ6を停止し、第一電磁弁4を閉弁状態とする。また、ECU24がステップS4でNOと判断する場合、すなわち、水位センサ25のスイッチがOFFとなっていると判断する場合、ステップS4の処理を繰り返し、ウォータジャケット3への冷却水の供給を継続させる。
このようなECU24の処理により、第一タンク5内に冷却水を残留させることができる。
「供給」状態では、初期状態で第一タンク5内に貯留されていた冷却水が、ウォータジャケット3内へ供給される。このように供給された冷却水は、エンジン本体よりも温度が高いので、エンジン本体を暖機する。ウォータジャケット3内が冷却水で満水になると、なお、この「供給」状態では、ウォータポンプ14が停止しているので、一方弁13は閉弁状態である。また、第二電磁弁23も閉弁状態である。このため、第五通路12、第七通路19、第八通路20、第九通路21内の冷却水の流れが停止している。
「供給」状態において、冷却水がウォータジャケット3内へ供給され、しばらく経過した後、例えば、30秒後に、冷却装置1はエンジン2の「始動」状態へ進む。このように冷却水の供給とエンジン2の始動との間に時間差を設けることにより、エンジン本体の温度が上昇してからエンジン2を始動することができる。これにより、エンジン2の始動直後の燃焼ガス内に含まれる有害成分の排出量を減少することができる。また、温度の上昇に伴い潤滑性が向上するので、エンジン2の燃費を改善することができる。
「始動」状態では、スタータ(図示しない)を回転させて、エンジン2を始動させる。エンジン2を始動させたときの冷却装置1内の冷却水の流れについて図7を参照しつつ説明する。図7中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
図7に示す状態では、ECU24は、第一電磁弁4を閉弁し、電動ポンプ6を停止している。このため、第一通路8のエア、第三通路11の冷却水の流れは停止している。また、エンジン2が始動しているため、クランク軸から動力が伝達されてウォータポンプ14は作動している。これにより、一方弁13の下流側が上流側よりも減圧され、一方弁13の上流側と下流側との間に圧力差Pが生じる。このため、一方弁13が開弁し、冷却水が第五通路12を第二タンク7側からウォータジャケット3側へ向かって流れる。また、ウォータポンプ14に吸引された冷却水は、ウォータジャケット3内へ流入する。これにより、ウォータジャケット3内の圧力が上昇し、ウォータジャケット3内の冷却水は第二通路9へ流れ出ようとする。さらに、第二タンク7から冷却水が流れ出ることにより、第二タンク7内の圧力が低下し、第二通路9内の冷却水を吸引しようとする。これにより、冷却水は第二通路9をウォータジャケット3内から第二タンク7内へ向かって流れることになる。このように、「始動」の状態では、冷却水は第二タンク7、第五通路12、ウォータジャケット3、第二通路9の順に流れ、再び第二タンク7へ戻るように循環する。
エンジン2が始動し、しばらく経過すると、燃焼熱により、エンジン本体は冷却水よりも高温となる。ECU24は、壁温センサ26と水温センサ27から取得する温度情報から、エンジン本体の温度がウォータジャケット3内の冷却水の温度を超えたと判断すると、「排水」状態に進む。
「排水」状態では、再び、ウォータジャケット3から第一タンク5へ冷却水を抜き取る。エンジン2が始動して、エンジン本体の温度が冷却水の温度よりも高温となると、冷却水からエンジン本体への熱の伝達が無くなるだけでなく、却ってエンジン2の燃焼から発生する熱量が冷却水に奪われることになるため、シリンダブロック5の暖機遅延の一因となる。このため、「排水」状態では、冷却水をウォータジャケット3から第一タンク5へ抜き取り、暖機時間を短縮させる。
ここで、冷却装置1の「排水」の状態におけるECU24の制御について説明する。図8は、「排水」の状態におけるECU24の制御フローを示している。
ECU24はステップS11で、排水要求があるか否かを判断する。排水要求とは、ウォータジャケット3内から第一タンク5内へ冷却水を抜き取る要求であり、冷却装置1の「排水」状態、及び「回収」状態において要求される。ECU24は、ステップS11でYESと判断する場合、すなわち、排水要求があると判断すると、ステップS12へ進む。
ECU24はステップS12で、冷却水感知センサ10のスイッチがt秒以上ONとなっているか否かを判断する。冷却水感知センサ10のスイッチがONであるということは、第一通路8内に冷却水が残留しているということである。また、検知時間をt秒以上としているのは、振動等により瞬間的に冷却水感知センサ10のスイッチがONとなる場合を除外するためである。ECU24は、ステップS12でYESと判断する場合、すなわち、冷却水感知センサ10のスイッチがt秒以上ONとなっていると判断すると、次にステップS13へ進む。
ECU24はステップS13で、電動ポンプ6を作動させる。電動ポンプ6が作動することにより、第一タンク5内に残留していた冷却水が第三経路11内に吸引される。これにより、第一タンク5内の圧力が低下する。第一タンク5内の圧力が低下することにより、第一通路8内に浸入していた冷却水が第一タンク5内に吸引される。このように、電動ポンプ6を駆動することにより、ウォータジャケット3から第一タンク5への冷却水の排水前に、第一通路8内のエアの通路が確保される。また、「供給」状態において第一タンク5内に冷却水を残留させたので、第一通路8内の冷却水を除去することができる。なお、このとき、ECU24は第一電磁弁4を開弁状態としても良い。ECU24はステップS3の処理を終えると、もう一度ステップS12へ進み、冷却水感知センサ10のスイッチがONであるか否かを判断する。
ECU24はステップS12で、NOと判断する場合、すなわち、冷却水感知センサ10のスイッチがt秒以上ONとなっていないと判断すると、ステップS14へ進む。スイッチがt秒以上ONとなっていなければ、第一通路8内には冷却水が残留していないと判断する。
ECU24はステップS14で、電動ポンプ6を停止する。電動ポンプ6が継続して作動していると、第一タンク5内からウォータジャケット3内へ冷却水が移動してしまうため、第一通路8内の冷却水を抜き取った後は、電動ポンプ6を停止する。ECU24はステップS14の処理を終えると、次にステップS15へ進む。
ECU24はステップS15で、第一電磁弁4を開弁状態とする。これにより、ウォータジャケット3内から第一タンク5へ冷却水が移送される。また、このステップ15とステップ14とは順序を入れ替えても良く、また、これらの処理を同時に行っても良い。ECU24はステップ15の処理を終えると、リターンする。
ここで、「排水」状態における冷却装置1内の冷却水の流れについて図9を参照しつつ説明する。図9は、排水中の冷却装置1内の冷却水の流れの状態を示した説明図である。図9中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「排水」状態では、ECU24が第一電磁弁4を開弁状態とするので、ウォータジャケット3内と第一タンク5内とが連通する。このとき、電動ポンプ6は停止されている。また、前述したとおりECU24の制御により、第一通路8内の冷却水が除去され、エアの通路が確保されているので、第一タンク5内へ冷却水が流入することができる。これにより、ウォータジャケット3内の冷却水はウォータジャケット3よりも下側に配置されている第一タンク5へ自由落下により排出される。
さらに、冷却水が第一タンク5内に流入するので、第一タンク5内を占めていたエアが第一通路8へ排出される。このとき、第一タンク5内のエアは第二タンク7へ押し出される。また、ウォータジャケット3内は、冷却水が抜け出ることにより内部の圧力が低下する。これにより、ウォータジャケット3内は第二タンク7内より圧力が低下するため、第二タンク7内のエアがウォータジャケット3内へ流入する。すなわち、冷却装置1内において、第一タンク5、第二タンク7、ウォータジャケット3の順にエアが流れる。
また、ECU24は、ウォータポンプ14から送られる冷却水が第六通路16へ流入するよう三方弁15の経路を変更する。これにより、ウォータポンプ14から送られる冷却水は、ウォータジャケット3内へ流入しなくなる。このため、ウォータジャケット3内から冷却水を排出することができる。また、三方弁15の経路が変更されることにより、ウォータポンプ14から送られる冷却水は、第六通路16を通り、ウォータポンプ14の上流側に送られ、再びウォータポンプ14へ流入する。このようにウォータポンプ14を通過する循環経路を冷却水が流通するので、ウォータポンプ14の摺動部の焼付き及び騒音の発生が抑制される。なお、「排水」状態では、第二電磁弁23が閉弁状態であるため、第七通路19内、第八通路20内、第九通路21内の冷却水は、流れが停止した状態である。
ところで、図8の制御フローにおいて、ECU24がステップS11で、NOと判断する場合、すなわち、排水要求がないと判断すると、次に、ステップS16へ進む。ECU24はステップS16で、電動ポンプ6を停止する。排水要求がなければ、電動ポンプ6を作動する必要がないからである。
このように「排水」状態では、第一通路8内の冷却水の有無を判断し、第一通路8内に冷却水が浸入している場合には、電動ポンプ6を作動させて第一通路8内の冷却水を除去する。これにより、エアの通路が確保され、第一タンク5内からエアが抜けるので、ウォータジャケット3から第一タンク5内への冷却水の排水が効率的に行われる。また、「供給」状態において、ECU24は第一タンク5内に冷却水を残留させていたので、電動ポンプ6の作動時に、第一タンク5内を低圧化し、第一通路8内の冷却水を吸引することができる。
上記のとおり、「排水」状態では、ウォータジャケット3内の冷却水が排出され、エアがウォータジャケット3内に流入する。このように排水が完了した場合、冷却装置1内の冷却水の流れは図10に示すような状態となる。ECU24は、排水が完了したと判断すると、第一電磁弁4を閉弁する。これにより、第一通路8、第二通路9、第三通路11の冷却水又はエアの流れは停止する。すなわち、排水完了時では、ウォータポンプ14を循環する冷却水が流れているのみである。このようにウォータジャケット3内の冷却水が排出されることにより、エンジン2は、第一タンク5へ抜き取った冷却水に相当する熱容量が減少する。これにより、エンジン本体の暖機が促進される。
このような排水完了の状態において、ECU24が、壁温センサ26から取得されるエンジン本体の温度が暖機完了の温度に到達したと判断すると、冷却装置1は、「再供給」の状態へ進む。図11は、「再供給」状態の冷却装置1の冷却水の流れの様子を示した説明図である。「再供給」状態では、冷却装置1は、第一タンク5内の冷却水をウォータジャケット3へ再度供給する。
ここでの冷却水の流れは図5の「供給」状態とほぼ共通する。但し、「再供給」状態では、ウォータポンプ14が作動している点で、「供給」状態と異なっている。「再供給」状態では、ウォータポンプ14が作動しているため、一方弁13が開弁し、冷媒が第五通路を流通する。また、ECU24は、ウォータポンプ14が送る冷却水がウォータジャケット3内へ送られるように三方弁15の経路を変更する。これにより、冷却水は、第五通路12を第二タンク内7からウォータジャケット3内へ向かって流通する。
また、ECU24は、「再供給」状態において、図6で示した制御フローの処理を行う。このため、「再供給」状態を終えるとき、冷却水が第一タンク5内に残留している。
冷却装置1は、この冷却水の再供給が完了すると、「暖機後」状態へ進む。ここで、「暖機後」状態における冷却装置1内の冷却水の流れについて図12、図13を参照して説明する。図12は、「暖機後」の状態でヒータコア18に通水した状態を示している。図13は、図12の状態からさらにラジエータ17に通水した状態を示している。なお、図12、図13中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「暖機後」状態では、ウォータジャケット3内は冷却水で満たされている。この冷却水はエンジン2の燃焼熱を吸収して高温となる。ECU24は、図12に示すように、第二電磁弁23を開弁状態とし、第九通路21、すなわち、ヒータコア18へ高温となった冷却水を流通させる。これにより、冷却水がエンジン本体から吸収した熱がヒータコア18に伝達され、ひいては室内の温度を上昇させる。
また、第九通路21内を冷却水が流通するようになると、サーモスタット22へ冷却水が通過することになる。サーモスタット22を通過する冷却水の温度が暖機完了時の温度以上であれば、サーモスタット22は、ラジエータ17側の経路を開弁し、冷却装置1の冷却水の流れが図13の状態となる。これにより、ラジエータ17内に冷却水が流通することになるので、冷却水が冷却される。このように、ラジエータ17で冷却された冷却水が循環することにより、エンジン2が運転に適した温度に冷却される。
次に、エンジン2が停止した場合、冷却装置1は「回収」状態へ進む。図14は、「回収」の状態の冷却装置1の冷却水の流れの状態を示した説明図である。なお、図14中の太線で示した通路は、冷却水またはエアの流通している通路を示し、白抜きで示した通路は、流体の流れが停止している通路を示している。
「回収」状態は、「排水」状態とほぼ共通している。但し、このとき、エンジン2は停止しており、ウォータポンプ14が停止しているので、第五通路12を冷却水が流通しない点で「排水」状態と異なっている。「回収」状態において、ECU24は図8で示した制御を行い、第一通路8内のエアの通路を確保し、第一電磁弁4を開弁する。これにより、ウォータジャケット3内の加熱された状態の冷却水が自由落下により、第一タンク5へ移送される。移送された冷却水は第一タンク5において次のエンジン2の始動まで保温され、次の始動の際、エンジン本体の暖機に利用される。また、「回収」状態では、ECU24は、第二電磁弁23を閉弁し、第七通路19、第八通路20、第九通路21の冷却水の流れを停止し、ラジエータ17やヒータコア18で冷却された冷却水が第一タンク5に流入することを抑制する。
以上のように、冷却装置1は、「排水」状態、及び、「回収」状態において、第一通路8内に冷却水が浸入している場合、電動ポンプ6を作動させることにより、第一タンク5内に残留させていた冷却水を吸引する。これにより、第一タンク5内の圧力が低下し、第一通路8内に浸入した冷却水を吸引し、エアの通路を確保する。こうして、第一通路8をエアが通過できるので、第一タンク5内のエアが抜け、ウォータジャケット3内の冷却水を円滑に回収することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。図15は本実施例の冷却装置51を組み込んだエンジン52の概略構成を示した説明図である。本実施例の冷却装置51は、実施例1の冷却装置1とほぼ同様の構成をしている。但し、本実施例の冷却装置51は、水位センサ25に代えて、第三通路11の第一タンク5と電動ポンプ6との間に水温センサ53を備えている点で実施例1の冷却装置1と相違している。この水温センサ53は、ECU24と電気的に接続されており、ECU24は、水温センサ53から冷却水温度を取得する。また、エンジン52の暖機から運転停止後に冷却装置51は、実施例1のエンジン2の暖機から運転停止後に亘る冷却装置1の行う冷却水の移送と同様の冷却水の移送を行う。
冷却装置51に備わるECU24は、「供給」状態、及び「再供給」状態において、以下に述べる制御処理をする。図16は、ECU24の制御フローを示したものである。
ECU24はステップS21で、給水要求があるか否かを判断する。ECU24は、ステップS21でYESと判断する場合、すなわち、給水要求があると判断すると、次にステップS22へ進む。
ECU24はステップS22で、水温センサ53から冷却水の水温を取得する。ECU24はステップS22の処理を終えると次に、ステップS23へ進む。
ECU24はステップS23で、取得した冷却水の水温に基づいて、電動ポンプ6が吸引する冷却水の流量を算出し、電動ポンプ6がその流量を圧送するための時間tを算出する。冷却水は温度により粘性が変化し、粘性が変化することにより、管路を通過する冷却水の流量が変化する。すなわち、冷却水の温度に応じて第三通路11を通過する冷却水の流量に差異が生じる。ECU24は、このような水温に応じた流量の差異を考慮して電動ポンプ6の作動時間を決定し、水温に依らずに決まった量の冷却水を供給させる。さらに、電動ポンプ6の作動以前に、所定の冷却水を第一タンク5内に貯留しておくことにより、水温に関わらず、常に定量の冷却水が第一タンク5内に残留する。このように第一タンク5内に残留させた冷却水は、「排水」状態及び「回収」状態において電動ポンプ6を作動させる際に電動ポンプ6に吸引されて、第一タンク5内を減圧し、第一通路8内に浸入した冷却水を除去することができる。ECU24はステップS23の処理を終えると、ステップS24へ進む。
ECU24はステップS24で、電動ポンプ6を作動させる。次に、ECU24は、ステップS25を行う。ECU24はステップS25で、第一電磁弁4を開弁させる。なお、このステップS24の処理とステップS25の処理との順序を入れ替えても良く、また、これらの処理は同時に行っても良い。ECU24は、ステップS25の処理を終えると、ステップS26へ進む。
ECU24はステップS26で、電動ポンプ6が作動してから時間tが経過したか否かを判断する。電動ポンプ6が作動されてから時間tが経過すると、第一タンク5内からウォータジャケット3内へ適量の冷却水が供給されるため、電動ポンプ6を停止する。ECU24は、ステップS26でYESと判断する場合、すなわち、電動ポンプ6が作動してから時間tが経過したと判断すると、ステップS27へ進む。
ECU24はステップS27で、電動ポンプ6を停止する。また、ステップS27の次にECU24は、ステップS28を行う。ECU24はステップS28で、第一電磁弁4を閉弁状態とする。これらの処理により、第一タンク5内に冷却水を貯留しておくことができる。なお、ステップS27の処理とステップS28の処理との順序を入替えても良く、また、これらの処理は同時に行っても良い。ECU24はステップS28の処理を終えるとリターンする。
ところで、ECU24がステップS21でNOと判断する場合、すなわち、給水要求がないと判断すると、次にステップS27へ進む。給水要求がない場合は、ウォータジャケット3へ冷却水を供給する状態ではないので、直ちに電動ポンプ6を停止する。また、ECU24がステップS26でNOと判断する場合、すなわち、電動ポンプ6が作動してから時間tが経過していないと判断すると、ステップS26の処理に戻る。
このようなECU24の制御処理により、冷却水が第一タンク5内に残留する。
なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、このような構成要素からなる装置の動作、冷却水の流れる様子は、実施例1と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の実施例3について説明する。図17は本実施例の冷却装置61を組み込んだエンジン62の概略構成を示した説明図である。本実施例の冷却装置61は、実施例1の冷却装置1とほぼ同様の構成をしている。但し、本実施例の冷却装置61は、水溜室63、第四通路64、逆止弁65を配置した点、冷却水検知センサ10を備えていない点で実施例1の冷却装置1と相違している。
水溜室63は、第一通路8上に配置され、第一通路8に流入した冷却水を貯留するようになっている。水溜室63は、第一タンク5より下方になるように第一通路8に配置されている。また、この水溜室63内における第一通路8の開口部8c及び8dは、水溜室63内の上側に形成され、水溜室63内の空気層に開口している。すなわち、第一通路8の開口部8c及び8dは、水溜室63に溜まる冷却水の水面から露出するように形成されている。このように、水溜室63は、第一通路8の最下部に配置されているので、第一通路8内に冷却水が浸入した場合に、浸入した冷却水が水溜室63へ流入し貯留される。これにより、第一通路8と水溜室63の空気層とを通過するエアの通路が確保される。第四通路64は、水溜室63の底部63aと第三通路11内とを接続している。また、第四通路64は、第三通路11よりも小径に形成されている。逆止弁65は、第四通路64に配置されて、第三通路11側から水溜室63側へ向かう冷却水を遮断する。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、このような冷却装置61は、実施例1の冷却装置1と同様に冷却水の移送を行う。
冷却装置61では、電動ポンプ6が作動することにより、第四通路64の逆止弁65の第三通路11側は、水溜室63側よりも圧力が低下する。このため、逆止弁65が開弁する。これにより、第四通路64は、水溜室63側から第三通路11側へ向けて冷却水が流れるようになる。すなわち、水溜室63内に貯留されている冷却水が第三通路11へ向けて排出される。これにより、水溜室63内にエアの占める空間が確保され、第一通路8内のエアの流通する通路が確保される。このため、「供給」状態において、ウォータジャケット3内と第一タンク5内との間の冷却水とエアとの入れ替えが効率的に行われる。但し、第四通路64は、第三通路11よりも小径であるため、流通する冷却水は絞られ少量となる。このため、水溜室63内の冷却水が完全に排出されることが抑制されている。これにより、水溜室63内から第三通路11へのエアの侵入が抑制され、ひいては、ウォータジャケット3へのエアの侵入が抑制される。
なお、その他冷却水の移送、冷却水の流れる様子は、実施例1と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば、本発明の第一通路内において残留する冷却水の検知手段は、重量センサとすることができる。このような重量センサは、第一通路内の冷却水の質量を検知し、冷却水の残留を検知することができる。
実施例1の冷却装置の組み込まれたエンジンの概略構成を示した説明図である。 第一タンク内部と第一タンク内に取り付けられた水位センサの概略構成を示した説明図である。 暖機開始前から運転停止に亘るウォータジャケット内と第一タンク内との冷却水の供給状態を示した説明図であって、(a)は「初期」状態を示し、(b)は「供給」状態を示し、(c)は「始動」状態を示し、(d)は「排水」状態を示し、(e)は「再供給」状態を示し、(f)は「暖機後」状態を示し、(g)は「回収」状態を示した説明図である。 暖機開始前から運転停止に亘るシリンダブロックの壁温及び冷却水温度の温度変化を示した説明図である。 「供給」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「供給」状態、「再供給」状態におけるECUの行う制御を示したフロー図である。 エンジンを始動させた状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「排水」状態、「回収」状態におけるECUの行う制御を示したフロー図である。 「排水」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 排水の完了した状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「再供給」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「暖機後」状態においてヒータコアに通水した場合の冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「暖機後」状態においてラジエータに通水した場合の冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 「回収」状態における冷却装置内の冷却水の流れを示した説明図である。 実施例2の冷却装置を組み込んだエンジンの概略構成を示した説明図である。 実施例2において「供給」状態、「再供給」状態のECUの行う制御を示したフロー図である。 実施例3の冷却装置を組み込んだエンジンの概略構成を示した説明図である。
符号の説明
1、51、61 冷却装置
2、52、62 エンジン
3 ウォータジャケット
4 第一電磁弁
5 第一タンク
6 電動ポンプ
7 第二タンク
8 第一通路
9 第二通路
10 冷却水検知センサ
11 第三通路
13 一方弁
14 ウォータポンプ
15 三方弁
24 ECU
25 水位センサ
53 水温センサ
63 水溜室
64 第四通路
65 逆止弁

Claims (8)

  1. エンジン内部に形成されたウォータジャケット内から抜き取った冷却水を貯留する第一タンクと、
    前記ウォータジャケットと前記第一タンクとの間で冷却水を移送するポンプと、
    エアを貯留する第二タンクと、
    前記第一タンク内に形成される空間と前記第二タンク内に形成される空間とを接続し、エアが流通する第一通路と、
    前記ウォータジャケット内と前記第二タンク内とを接続し、エアと冷却水とが流通する第二通路と、
    前記ウォータジャケット内から前記第一タンク内へ冷却水を抜き取る前に、前記ポンプを作動させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第一通路内に浸入する冷却水を検知する第一検知手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第一通路内に浸入する冷却水を検知する第一検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第一検知手段により冷却水の浸入が検知された場合に前記ポンプを作動させることを特徴としたエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記制御手段は、前記第一タンク内から前記ウォータジャケット内へ冷却水が供給される際に、前記第一タンク内に冷却水を残留させて前記ポンプを停止させることを特徴としたエンジンの冷却装置。
  5. 請求項4記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第一タンク内の冷却水を検知する第二検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第二検知手段により冷却水が検知されない場合、前記ポンプを停止することを特徴としたエンジンの冷却装置。
  6. 請求項4記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ウォータジャケット内と前記第一タンク内とを接続し、前記ポンプが配置される第三通路に配置された水温センサを備え、
    前記制御手段は、前記水温センサから取得される冷却水温度に基づいて、前記第一タンク内から前記ウォータジャケット内へ流れる冷却水の流量を算出するとともに、算出した冷却水の流量に基づいて前記ポンプを停止することを特徴としたエンジンの冷却装置。
  7. 請求項4記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ウォータジャケット内と前記第一タンク内とを接続し、前記ポンプが配置される第三通路に配置された流量計を備え、
    前記制御手段は、前記流量計により計測された前記第一タンク内から前記ウォータジャケット内へ流れる冷却水の流量に基づいて前記ポンプを停止することを特徴としたエンジンの冷却装置。
  8. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記第一通路に配置され、前記第一通路に浸入した冷却水を貯留する水溜室と、
    前記ウォータジャケット内と前記第一タンク内とを接続し、前記ポンプが配置される第三通路と、
    前記第一タンクをバイパスして前記水溜室の底部と前記第三通路とを接続する第四通路と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
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