JP2009100185A - 演奏音供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 演奏者の演奏位置とその演奏音が聞こえる方向を一致させるための調整を集中して行うこと。
【解決手段】 ステージ10上の異なる場所に位置するギター2、キーボード4、ベース6及びドラム8の各演奏者の近傍に、対応してギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16、ドラムアンプ18が配置され、供給された演奏音信号を音として再生する。各演奏者の演奏によるギター2、キーボード4、ベース6及びドラム8からの演奏音信号がミキサ22に供給され、供給された前記各演奏音信号を、音量バランス調整して、これら各演奏音信号に対応するアンプ12、14、16、18に供給する。ミキサ22は、操作者の操作に基づいて、各演奏音信号のうち少なくとも1つを、アンプ12、14、16、18のうち非対応のものにも供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ステージ10上の異なる場所に位置するギター2、キーボード4、ベース6及びドラム8の各演奏者の近傍に、対応してギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16、ドラムアンプ18が配置され、供給された演奏音信号を音として再生する。各演奏者の演奏によるギター2、キーボード4、ベース6及びドラム8からの演奏音信号がミキサ22に供給され、供給された前記各演奏音信号を、音量バランス調整して、これら各演奏音信号に対応するアンプ12、14、16、18に供給する。ミキサ22は、操作者の操作に基づいて、各演奏音信号のうち少なくとも1つを、アンプ12、14、16、18のうち非対応のものにも供給する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばステージ上で演奏された複数の楽器の音を、これら楽器に対応して設けた演奏者アンプに供給する演奏音供給システムに関する。
エレキギターやエレキベース等の電気楽器、或いはシンセサイザーや電子ドラムのような電子楽器を演奏する場合、これら楽器から出力された演奏音信号を増幅器で増幅して、スピーカから音として出力する。このための増幅器とスピーカとをセットにしたギターアンプ、ベースアンプ、キーボードアンプ、ドラムアンプ等と称される演奏者アンプが販売されている。
小規模なコンサートでは、各演奏者は演奏者アンプを自分の近くに配置し、自分の演奏による演奏音信号をこの演奏者アンプに供給して、自分の演奏音を自分の演奏者アンプから放音する。各演奏者アンプの音量は、その演奏者アンプを使用する演奏者が、その演奏者アンプに設けられた音量調整操作子を操作して設定する。楽器間の音量のバランスは、客席側に位置する人が各演奏者に音量を指示し、各演奏者は、その指示に従って音量調整操作子を操作して、音量を調整する。
一方、ある規模以上のコンサートの場合には、例えば特許文献1の段落番号0002、0003に記載されているミキシングシステムを利用して、各楽器からの演奏音信号を客席側に設置されたミキシングコンソールに供給して、ここで適宜混合して、アンプによって増幅した後、ステージ両脇に設置されたスピーカから放音される。
上述した演奏者アンプを用いる技術では、上述したように客席側の人の指示によって各演奏者が演奏者アンプの音量を調整しなければならず、音量バランスの調整作業が繁雑であり、また不確実性を伴っている。また、ミキシングコンソールを使用する技術では、聴衆は、演奏者の位置とは異なる位置から放音された音を聞くことになり、不自然な音像定位で音を聴衆が聴くことになる。
本発明は、演奏者が演奏している位置とその演奏音が聞こえる方向が一致して自然な音像定位とすることができる上に、そのための調整を集中して行うことができる演奏音供給システムを提供することを目的とする。本発明は、これに加えて、各演奏音を、対応していない他の演奏者アンプからも放音することによって、演奏者アンプの総合的な再生能力を高めたり、広がり感のある音像を作り出したりすることも目的とする。
本発明の一態様の演奏音供給システムは、演奏者アンプを有している。演奏者アンプは、ステージ上の異なる場所に位置する楽器演奏者の近傍に、前記楽器演奏者が演奏する楽器にそれぞれ対応して配置され、供給された演奏音信号を音として再生する。例えば演奏者アンプは、増幅器とスピーカとから構成されている。各演奏者の楽器演奏による複数の演奏音信号がミキサに供給される。ミキサは、供給された各演奏音信号を、これら各演奏音信号に対応する前記演奏者アンプに供給する。ミキサは、音量のバランス調整機能を有している。このミキサは、このミキサの操作者の操作に基づいて、前記供給された各演奏音信号のうち少なくとも1つを、前記演奏者アンプのうち非対応のものにも供給する。
このように構成された演奏音供給システムでは、各楽器からの演奏音信号は、1カ所に設けられたミキサに集められ、ここで音量バランス調整が行われた後、それぞれ対応する演奏者アンプに供給される。従って、楽器を演奏している位置と、その楽器の音が聞こえる方向とが一致し、自然な音像定位となる。しかも、その際に音量バランス調整も、ミキサ側で集中的に行えるので、調整のための設定が確実にかつ容易に行える。更に、演奏音を、対応していない演奏者アンプからも放音するので、例えば1台の演奏者アンプの特定の周波数成分の再生能力が高くなくても、他の演奏者アンプの再生能力で補ったりすることによって演奏者アンプの総合的な再生能力を高めたり、多チャンネルでの再生によって広がり感のある音像を作り出すことができる。
前記ミキサは、前記ステージ側に設けることができる。この場合、前記ステージから離れた位置にコントローラが設けられる。このコントローラは、前記各演奏音信号をいずれの前記各演奏者アンプへ割り当てるかを設定する操作パネルを備えている。この操作パネルに対する操作者の操作に基づいて前記各演奏音信号が前記各演奏者アンプに割り当てられる。
このように構成すると、演奏音信号は、ステージ側にあるミキサに供給すればよいので、演奏音信号を伝送するためのケーブルを客席側まで敷設する必要がない。
或いは、前記各楽器演奏者の近傍に前記各楽器演奏者が演奏する楽器にそれぞれ対応して複数のモニタ装置を配置することができる。前記各モニタ装置は、供給された演奏音信号を音として再生するように構成されるとともに、前記各楽器の音量バランスを調整する操作パネルを備えている。この操作パネルによって指定された前記各楽器の音量バランスを指定する音量バランス制御信号を各モニタ装置が出力する。前記ミキサは、前記各モニタ装置に対応して、前記各楽器からの演奏音信号を対応する前記モニタ装置から供給された前記音量バランス制御信号に従って音量バランス調整して混合して、複数の演奏音信号を生成し、前記各モニタ装置に対応する混合された演奏音信号を供給する。
このように構成すると、ミキサとは別個に各演奏者に対応してモニタ装置を設けたので、演奏者ごとのモニタ装置それぞれ専用に音量バランス調整した状態で各演奏音信号のミキシング出力信号をモニタ装置に出力することができ、各演奏者は、その望み通りの音量バランスで各演奏音を聞くことができる。
前記ミキサは、少なくとも1つの演奏音信号を、前記演奏者アンプ中の1つに供給すると共に、前記少なくとも1つの演奏音信号の低域成分を、前記演奏者アンプ中の少なくとも1つの別の演奏者アンプに供給することができる。少なくとも1つの別の演奏者アンプは、例えば低音再生能力の高い演奏者アンプとすることができる。或いは、少なくとも1つの別の演奏者アンプとして、複数の演奏者アンプを使用することができる。このように構成すると、1つの演奏音信号が供給された演奏者アンプの1つの低音再生能力が充分でない場合でも、充分な低音再生が可能となる。
前記演奏音信号の少なくとも1つを、多チャンネルの信号にすることができる。例えば1つの電気または電子楽器からステレオの演奏音信号が出力される場合や、1つの電気または電子楽器から複数パートの演奏音信号が出力される場合に、演奏音信号が多チャンネルの信号となる。ミキサは、多チャンネルの演奏音信号の少なくとも1つのチャンネルの信号を、演奏者アンプのうちの1つに供給すると共に、多チャンネルの演奏音信号の別のチャンネルの信号を、前記演奏者アンプ中の少なくとも1つの別の演奏者アンプに供給する。このように構成すると、多チャンネルでの放音により広がり感のある演奏音を再生することができる。
或いは、ミキサは、少なくとも1つの演奏音信号に基づいて多チャンネルの効果音信号を生成するものに構成できる。多チャンネルの効果音信号は、例えば、演奏音信号に効果、例えば残響を付加して多チャンネル化したものである。この多チャンネルの演奏音信号のうち1つのチャンネルの効果音信号を、前記演奏者アンプのうちの少なくとも1つに供給すると共に、別のチャンネルの効果音信号を、前記演奏者アンプのうちの少なくとも1つの別の演奏者アンプに供給する。このように構成すると、効果が付与された多チャンネルの信号が複数の演奏者アンプから放音されるので、多チャンネルによる広がり感のある演奏音を再生することができる。
以上のように、本発明によれば、ステージ上での楽器演奏において自然な音像定位を得ることができ、また各楽器間の音量バランスを最適なものとするための調整を集中して行なうことができ、しかも、演奏者アンプの総合的な再生能力を高めたり、広がり感のある音像を作り出すことができる。
本発明の1実施形態の演奏音供給システムは、複数、例えば4人の演奏者が、複数の電気または電子楽器、例えば電気ギター2、キーボード4、電気ベース6及び電子ドラム8を演奏する場合のものである。
図1に示すように、ステージ10上の異なる位置に、演奏者が演奏する電気ギター2、キーボード4、電気ベース6及び電子ドラム8が配置されている。これら楽器の近傍に、これら楽器に対応する演奏者アンプ、例えばギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16、ドラムアンプ18が配置されている。ギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16、ドラムアンプ18は、音が客席に向けて放音される向きに配置されている
電気ギター2、キーボード4、電気ベース6及び電子ドラム8が演奏者による演奏によって発生した演奏音信号は、ステージ10の脇に設置されている収集器20に集められる。収集器20で集められた各演奏音信号は、ステージ10から離れた客席に設置されているミキサ22に供給される。
ミキサ22では、このミキサ22の操作者の操作に応じて、各演奏音信号の音量バランスを調整したり、混合したり、周波数特性を変更したり、効果、例えば残響成分を付加したりして、ギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16、ドラムアンプ18の総数に等しい数のミキサ出力信号を、ステージ10の脇に設置した分配器24に供給する。分配器24は、各ミキサ出力信号をギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16、ドラムアンプ18に供給する。なお、収集器20とミキサ22との間では複数の演奏音信号が伝送され、ミキサ22と分配器24との間でも複数のミキサ出力信号が伝送される。
これら伝送には、演奏音信号の数に等しい数のケーブルや、ミキサ出力信号の数に等しい数のケーブルをそれぞれ束にしたマルチケーブルを使用することもできるし、或いは、演奏音信号やミキサ出力信号を時分割やパケット化によって多重化して、それぞれ1本のケーブルで伝送することができる。時分割やパケット化による多重化の場合にはデジタル形式での伝送が必要であるが、マルチケーブルでの伝送ではデジタル形式でもアナログ形式いずれの伝送でも使用することができる。
ミキサ22は、操作パネル26(図3参照)を有している。この操作パネル26では、操作パネル26が備える表示装置に表示される設定画面を操作することによって、各種パラメータを設定することができる。図2(a)、(b)に設定画面の一例を示す。
図2(a)、(b)に示すように設定画面は、表形式で示され、行は各楽器を表し、列は各演奏者アンプを表している。ディスプレイ装置は、タッチパネルに構成され、行と列との交わる箇所を押すことによって、その箇所の設定内容を編集できる状態になる。編集状態になった箇所は枠表示される(図2(a)のギターとギターアンプの交差箇所参照)。ミキサの操作者は、或る楽器の演奏音信号を特定の演奏者アンプに供給しようとするとき、上記或る楽器の行と上記特定の演奏者アンプの列との交差する箇所にタッチする。そして、操作パネル26に設けられた操作子(図示せず)を操作して、演奏者アンプに供給する演奏音信号のレベル、供給する演奏音信号の周波数特性等の設定を行う。また、ミキサ22の操作者は、各楽器の演奏音信号に付加される残響成分を、どの演奏者アンプにどのレベルで供給するかの設定も行う。
図2(a)は、各楽器からの演奏音信号を各演奏者アンプにどのように割り当てるかを定める設定画面である。この例では、ギター2からの演奏音信号がギターアンプ12に100のレベルで供給されると共に、その低域成分がベースアンプ16に20のレベルで供給されている。同様に、キーボード4からの多チャンネル、例えばL、Rのステレオ信号である演奏音信号のうちL信号がキーボードアンプ14に50のレベルで供給され、R信号がドラムアンプ18に50のレベルで供給されている。ベース6の演奏音信号は、ベースアンプ16に100のレベルで供給されている。ドラム8の演奏音信号は、ドラムアンプ18に100のレベルで供給されると共に、低域成分がベースアンプにレベル20で供給されている。
この設定から明らかなように、各楽器の演奏音信号は、対応する演奏者アンプに供給されている。従って、ステージ上での楽器演奏において自然な音像定位とすることができる。また、各楽器の演奏音信号の対応する演奏者アンプでのレベルを調整することによって、音量バランスを調整することができる。この調整は、客席側にあるミキサにおいて集中的に行うことができる。又、ギター2及びドラム8の演奏音信号の低域成分が、充分な低域再生能力を持つベースアンプ16に供給されている。低域成分をベースアンプ6に供給することで、ギターアンプ12やドラムアンプ18が、充分な低域再生能力を有していない場合であっても、充分に低域成分を再生することができる。ギター2の演奏音及びドラム8の演奏音の低域成分は、対応するギターアンプ12及びドラムアンプ18とは異なるベースアンプ16から再生されるが、人間の聴覚は低域成分に対する音像の定位に関して鈍感であるので、定位感が損なわれることはない。また、演奏音信号がステレオ形式であるキーボード4の演奏音は別々の演奏者アンプ(キーボードアンプ14とドラムアンプ18)から再生されるので、広がり感のある音を再生できる。
図2(b)は、各楽器からの演奏音信号に残響成分を付加する残響信号をどのように各演奏者アンプに割り当てるかを設定する画面である。このミキサでは、ベース6を除く各楽器の演奏音信号に対してそれぞれ多チャンネル、例えばステレオの残響成分を生成でき、ベース6についてはモノチャンネルで残響成分を生成でき、これら残響成分も、各演奏者アンプに任意に供給することができる。図2(b)の例では、ギター2用の残響成分のLチャンネル信号が20のレベルでキーボードアンプ14に供給され、かつギター2用の残響成分のRチャンネル信号が20のレベルでギターアンプ12に供給されている。キーボード4用残響成分のLチャンネル信号が20のレベルでキーボードアンプ14に供給され、キーボード4用残響成分のRチャンネル信号が20のレベルでドラムアンプ18に供給されている。ベース6用残響成分がベースアンプ16に供給されている。ドラム8用残響成分のLチャンネル信号がキーボードアンプ14に20のレベルで供給され、Rチャンネル信号がドラムアンプ18に20のレベルで供給されている。このように、残響成分は、対応する演奏者アンプに供給すると共に、対応する演奏者アンプ以外の演奏者アンプにも供給している。これによって、広がり感のある音を再生することができる。
図3にミキサ22の概略構成を示す。ミキサ22は、収集器20から入力された演奏音信号がDSP28に供給される。DSP28では、入力された各演奏音信号に対してレベル制御、周波数特性制御、残響音付加、混合の各処理を行い、各演奏者アンプ用のミキサ出力信号を生成し、分配器24に供給する。また、CPU30は、操作パネル26で設定された設定内容を操作パネル26のディスプレイに表示すると共に、その設定内容に従って、DSP28での信号処理内容を制御する。
図4は、図2(a)の設定に従って、DSP28が行う処理内容を示すブロック図で、ギター2、キーボード4、ベース6及びドラム8からの演奏音信号は、これらに対応する入力チャンネル32、34R、34L、36、38に入力される。これら入力チャンネルと交差するようにギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16及びドラムアンプ18への出力チャンネル40、42、44、46が配置され、これら出力チャンネル40、42、44、46から対応する演奏者アンプにミキサ出力信号が出力される。入力された演奏音信号のレベルを制御するレベル制御器48や、入力された演奏音信号の低域成分を通過させるローパスフィルタ50が設けられ、レベル制御器48には、対応する入力チャンネルからの演奏音信号が供給され、ローパスフィルタ50には、レベル制御器48でレベル制御された演奏音信号が供給される。これらレベル制御器48またはローパスフィルタ50の出力信号は、加算器52を介して対応する出力チャンネルに供給される。レベル制御器48のレベル調整は、操作パネル26の操作子の操作に応じた与えられたレベル制御信号に基づいて行われ、ローパスフィルタ50の遮断周波数等が、操作パネルの操作子の操作に応じて与えられた特性制御信号に基づいて行われる。
操作パネル26での設定が変更されると、変更された設定内容に応じて、DSP28による処理内容が変更され、レベル制御器48やローパスフィルタ50の配置位置、個数、レベル制御信号、特性制御信号の値が変更される。
第2の実施形態の演奏音供給システムにおいてDSP28が行う残響成分を生成する処理内容を示すブロック図を図5に示す。この実施形態では、1つの演奏音信号から複数種類の残響成分を生成するものである。他の構成は、第1の実施形態と同一であるので詳細な説明は省略する。残響成分として、4種類の初期反射音成分と、2種類の後部残響音成分とを生成する。1つの演奏音信号が、4つの初期反射音生成部54a、54b、54c、54d及び2つの後部残響音生成部56a、56bに供給される。初期反射音生成部54a、54b、54c、54dによって生成される初期反射音がそれぞれ異なる遅延時間を持つように初期反射音生成部54a、54b、54c、54dが設定されている。後部残響音生成部56a、56bによって生成される後部残響音が異なる遅延時間、残響減衰時間をそれぞれ持つように後部残響音生成部56a、56bが設定されている。
初期反射音生成部56aの初期反射音成分と後部残響音生成部58aの後部残響音成分とはレベル調整器48と加算器52とをそれぞれ介して出力チャンネル60に供給され、ギターアンプ12、キーボードアンプ14、ベースアンプ16及びドラムアンプ18のうち適切な演奏者アンプ1に供給される。初期反射音生成部56bの初期反射音成分は、レベル調整器48と加算器52とを介して出力チャンネル62に供給され、上述した各アンプのうち演奏者アンプ1とは別の演奏者アンプ2に供給される。初期反射音生成部56cの初期反射音成分も、レベル調整器48と加算器52とを介して出力チャンネル64に供給され、上述した各アンプのうち演奏者アンプ1、2とは別の演奏者アンプ3に供給される。初期反射音生成部56dの初期反射音成分と後部残響音生成部58bの後部残響音成分とはレベル調整器48と加算器52とをそれぞれ介して出力チャンネル66に供給され、上述した各アンプのうち演奏者アンプ1、2、3とは別の演奏者アンプ4に供給される。
このように残響音成分を、残響音成分ごとに異なる演奏者アンプに供給することで、広がり感のある残響音を得ることができる。なお、この実施形態では、1つの演奏音信号についての残響音成分についてのみ説明したが、他の演奏音信号についても、同様に多チャンネルの残響音成分を生成して、再生することができる。
本発明の第3の実施形態を図6に示す。この実施形態は、第1の実施形態において、演奏者アンプから放音される音とは別に演奏者が演奏音をモニタできるモニタシステムを導入したものである。第1の実施形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、また第1の実施形態と同一の信号経路は図6では省略してある。
各演奏者の近傍には、モニタ装置72、74、76、78が配置されている。各モニタ装置72、74、76、78には、操作パネルと、ミキサ22から供給されたモニタ出力信号を音として再生するためのアンプと、ヘッドホンまたはスピーカなどが設けられている。操作パネルはミキサ22からそのモニタ装置に供給されるモニタ出力信号に含まれる各楽器の演奏音の音量バランスを演奏者が調整するために使用される。また、スピーカが設けられる場合には、モニタ装置の向きは、モニタ装置のスピーカからの音が客席ではなく演奏者に向けて放音されるように設定される。例えばモニタ装置72では、それの操作パネルによって指定された各楽器の音量バランスを指定する音量バランス制御信号が出力される。他のモニタ装置74、76、78でも、同様にそれらの操作パネルによって指定された各楽器の音量バランスを指定する音量バランス制御信号が、各モニタ装置74、76、78で独自に出力される。各モニタ装置72、74、76、78からの音量バランス制御信号は収集器20に集められ、収集器20からミキサ22に供給される。ミキサ22は、各モニタ装置からの音量バランス制御信号に従って各楽器からの演奏音信号を、対応する各モニタ装置72、74、76、78それぞれ専用に混合して、各モニタ装置72、74、76、78専用のモニタ出力信号を生成する。このとき、各モニタ装置72、74、76、78のモニタ出力信号における各楽器の音量バランスは、それぞれ異なったものとすることができる。生成された各モニタ装置72、74、76、78用のモニタ出力信号は、分配器24を介して各モニタ装置72、74、76、78に供給される。
図7に、ミキサ22内において行われる各モニタ装置用のモニタ出力信号を生成する処理を示す。各楽器からの演奏音信号は、対応する入力チャンネル32、34、36、38に供給される。各入力チャンネル32、34、36、38のいずれもが、各モニタ装置72、74、76、78に対応するモニタ出力チャンネル80、82、84、86に、レベル調整器88及び加算器90を介して接続されている。各レベル調整器88におけるレベル調整は、各モニタ装置72、74、76、78から供給された音量バランス制御信号に従って行われ、各加算器90によって混合が行われる。
このように構成すると、例えばギター用のモニタ装置72では、各演奏音信号をミキシングした再生を行えるが、ギター演奏者が望む音量バランスで各演奏音をミキシングしたものをモニタすることができ、他のモニタ装置74、76、78でも、これらの近傍に位置する演奏者の望み通りの音量バランスでミキシングした演奏音信号をモニタすることができる。
上記の実施形態では、各楽器からの演奏音信号を演奏者アンプを介さずにミキサに供給するようにしたが、各楽器からの演奏音信号をその楽器に対応する演奏者アンプを介してミキサに供給するようにしてもよい。一般に演奏者アンプには、放音する音の音質や歪み具合などを調整できる機能が備えられており、演奏者は自分の好みに合わせて演奏者アンプに設けられている操作子を操作して音質や歪み具合などを調整する。本発明においても、楽器からの演奏音信号を演奏者アンプに供給し、演奏者アンプにおいて音質や歪み具合が調整された演奏音信号をミキサに供給することで、放音される演奏音に演奏者の好みを反映させることができる。この場合、演奏者アンプでは楽器から供給された演奏音信号を直接放音せず、ミキサから供給されたミキサ信号を放音する。演奏者アンプは、従来の演奏者アンプと同様に楽器からの演奏音信号を直接放音する放音態様と前述の本発明に対応する放音態様とが切り換えられるようになっているのが望ましい。演奏者が音質や歪み具合などを調整する際にはミキサを介さずに調整が行なえるように従来の演奏者アンプと同様の放音態様とし、調整後には前述の本発明に対応する放音態様とするとよい。
上記の各実施形態では、収集器20、分配器24を別々の装置としたが、これらを1つの筐体に収容することもできる。また、上記の各実施形態では、客席側に配置したミキサ22によって各演奏音を各演奏者アンプに分配するように演奏音信号を処理したが、ミキサ22をステージ側に配置し、客席側にはミキサ22を制御するコントローラを配置するようにしてもよい。この場合、コントローラにはミキサ22と同様の操作パネルを設け、この操作パネルによる設定内容を示す制御信号をコントローラからミキサに送信する。ミキサ22はコントローラから供給された制御信号に基づいて、演奏音信号を処理して、分配器24に供給する。また、収集器20、ミキサ22及び分配器24を1つの筐体内に収容することもできる。
上記の実施形態では、充分な低音を再生するために低域成分の再生能力の高いベースアンプ16を使用したが、ベースアンプ16に代えて低域成分のみを放音するサブウーハーを備えた専用のアンプを演奏者アンプとして使用することもできる。或いは、低域成分の再生能力が通常レベルである複数の演奏者アンプを使用するようにすることもできる。これは、個々の演奏者アンプの低域成分の再生能力が余り高く無い場合でも、複数の演奏者アンプを併用することで低域再生能力を向上させることができるからである。
第1の実施形態では、キーボード4を例として、広がり感のある音像を得るためにステレオの2つのチャンネルの信号を別々の演奏者アンプに供給する場合について説明したが、ステレオ以外の場合や、3チャンネル以上の場合など、他の態様においても本発明を実施することができる。また、1つの楽器から複数パートの演奏音信号が出力される場合には、各パートの信号を別々の演奏者アンプに供給するようにしてもよい。例えばキーボード4では、右手パートと左手パートで別々の音色の演奏音信号を生成することが可能で、右手パートの演奏音信号と左手パートの演奏音信号を別々の演奏者アンプに供給することで音の立体感を得ることができる。また、演奏中に演奏者がステージ上で移動する場合には、その移動に応じて音像が移動するように、移動中の演奏者に最も近い位置の演奏者アンプに、その演奏者の演奏音信号を供給するようにしてもよい。或いは、複数の演奏者アンプに演奏音信号を供給する場合、個々の演奏者アンプに供給する演奏音信号のレベルや位相を制御して、音像の位置を変更するようにしてもよい。
第1及び第2の実施形態では、楽音に付加される効果音の成分を複数の演奏者アンプに供給する際の効果の例として、残響成分を取り上げたが、これに限らず、コーラス効果等の成分を複数の演奏者アンプに供給するようにしてもよい。前記の各実施形態では、電気楽器、電子楽器から出力された演奏音信号を扱う例を示したが、これに限ったものではなく、例えばアコースティックギターや管楽器のような自然楽器から放音された楽器音や、或いは人間の歌声などをマイクロフォンで収音した信号を演奏音信号として使用して、本発明を実施することもできる。
2 電気ギター(楽器)
4 キーボード(楽器)
6 電気ベース(楽器)
8 電子ドラム(楽器)
10 ステージ
12 ギターアンプ(演奏者アンプ)
14 キーボードアンプ(演奏者アンプ)
16 ベースアンプ(演奏者アンプ)
18 ドラムアンプ(演奏者アンプ)
22 ミキサ
4 キーボード(楽器)
6 電気ベース(楽器)
8 電子ドラム(楽器)
10 ステージ
12 ギターアンプ(演奏者アンプ)
14 キーボードアンプ(演奏者アンプ)
16 ベースアンプ(演奏者アンプ)
18 ドラムアンプ(演奏者アンプ)
22 ミキサ
Claims (6)
- ステージ上の異なる場所に位置する楽器演奏者の近傍に、前記楽器演奏者が演奏する楽器にそれぞれ対応して配置され、供給された演奏音信号を音として再生する複数の演奏者アンプと、
前記各演奏者の楽器演奏による複数の演奏音信号が供給され、供給された前記各演奏音信号を、客席に位置する操作者の操作に基づいて音量バランス調整して、これら各演奏音信号に対応する前記演奏者アンプに供給するミキサとを、
備え、このミキサは、前記操作者の操作に基づいて、前記供給された各演奏音信号のうち少なくとも1つを、前記演奏者アンプのうち非対応のものにも供給する演奏音供給システム。 - 請求項1記載の演奏音供給システムにおいて、前記ミキサは、前記ステージ側に設けられ、前記ステージから離れた位置にコントローラを設け、このコントローラは、前記各演奏音信号をいずれの前記各演奏者アンプへ割り当てるかを設定する操作パネルを備え、この操作パネルに対する操作者の操作に基づいて前記各演奏音信号を前記各演奏者アンプに割り当てる演奏音供給システム。
- 請求項1記載の演奏音供給システムにおいて、前記各楽器演奏者の近傍に前記各楽器演奏者が演奏する楽器にそれぞれ対応して複数のモニタ装置を配置し、前記各モニタ装置は、供給された演奏音信号を音として再生するように構成されるとともに、前記各楽器の音量バランスを調整する操作パネルを備え、この操作パネルによって指定された前記各楽器の音量バランスを指定する音量バランス制御信号を出力し、前記ミキサは、前記各モニタ装置に対応して、前記各楽器からの演奏音信号を対応する前記モニタ装置から供給された前記音量バランス制御信号に従って音量バランス調整して混合して、複数の演奏音信号を生成し、前記各モニタ装置に対応する混合された演奏音信号を供給する演奏音供給システム。
- 請求項1記載の演奏音供給システムにおいて、前記ミキサは、少なくとも1つの演奏音信号を、前記演奏者アンプ中の1つに供給すると共に、前記少なくとも1つの演奏音信号の低域成分を、前記演奏者アンプ中の少なくとも1つの別の演奏者アンプに供給する演奏音供給システム。
- 請求項1記載の演奏音供給システムにおいて、前記演奏音信号の少なくとも1つは、多チャンネルの信号からなり、前記ミキサは、前記多チャンネルの演奏音信号の少なくとも1つのチャンネルの信号を、前記演奏者アンプのうちの1つに供給すると共に、前記多チャンネルの演奏音信号の別のチャンネルの信号を、前記演奏者アンプ中の少なくとも1つの別の演奏者アンプに供給する演奏音供給システム。
- 請求項1記載の演奏音供給システムにおいて、前記ミキサは、少なくとも1つの演奏音信号に基づいて多チャンネルの効果音信号を生成し、この多チャンネルの効果音信号のうち1つのチャンネルの効果音信号を、前記演奏者アンプのうちの少なくとも1つに供給すると共に、別のチャンネルの効果音信号を、前記演奏者アンプのうちの少なくとも1つの別の演奏者アンプに供給する演奏音供給システム。
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