JP2009106947A - アルミニウム合金チューブ - Google Patents

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靖憲 兵庫
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Abstract

【課題】Si粉末とZn含有フッ化物系フラックスとを用いたろう付において、チューブに形成されるフィレットの耐食性を向上させる。
【解決手段】アルミニウム合金チューブの表面に、1〜6g/mのSi粉末、0.5〜20g/mのSi含有フッ化物系フラックス、0.5〜20g/mのZn含有フッ化物系フラックスおよびバインダ、さらに所望により1〜6g/mのAl−Si系合金粉末を含む塗膜を表面に形成することで、十分なろうを生成して、チューブ表面にZn拡散層を良好に形成させるとともに、フィレットサイズを増大させてZn濃縮によるフィレットの腐食を抑制して長期に亘って良好な熱交換性能などを維持する。
【選択図】なし

Description

この発明は、好適にはアルミニウム熱交換器用材料として用いられ、ろう付けに供されるアルミニウム合金チューブに関するものである。
ろう付によって製造されるアルミニウム熱交換器では、これまでAl−Si合金ろう材をクラッドしたブレージングシートが広く使用されてきたが、これを用いなくともAl−Si合金粉未やSi粉末をフラックスとバインダとの混合物の形で押出チューブ(以下チューブ)の表面に塗布したものを使用することによって安価に製品が製造できるようになっている。
しかし、ろう付時の加熱でチュープ表面から内部にSiが拡散するため、Si濃度が表面で高く内部で低くなり、チューブには表面の電位が高く内部で低い電位勾配が形成される。このため、チューブに腐食が生じると孔食となり、冷媒漏れや強度低下の原因となっている。
そこで、Siなどの粉末と共にZn含有フラックスを混合・塗布しチューブ表面にZn拡散層を形成させることで、チューブ表面の電位が低く内部で高い電位勾配を形成して、耐孔食性を向上させたものが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2006−348372号公報
しかし、Zn含有フラックスを用いたろう付では、ろうと共にフィンとの接合部であるフィレットへ流動するZnも多く、Zn濃縮したフィレットは、電位が卑になって腐食され易くなる。フィレットが腐食されるとフィンがチューブ表面から脱落するため熱交換性能が低下し、熱交換器として十分な機能を果すことができなくなるという問題が発生している。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、Zn含有フラックスを用いたろう付においてチューブ及びフィレットの腐食を抑えて良好な熱交換性能等を維持することができるアルミニウム合金チューブを提供することを目的とする。
本発明者らの研究によって、フィレットの腐食を抑制するためには、フィレットサイズを増加させZn濃度を希釈(Zn濃縮抑制)させることと腐食代を増大させることとが有効であることが判明した。そこで、Si粉末とSi含有フラックスを混合させ、フィレットサイズを効率よく増加させることで、フィレットの耐食性が向上しフィン脱落を抑制できることが分かり、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明のアルミニウム合金チューブは、1〜6g/mのSi粉末、0.5〜20g/mのSi含有フッ化物系フラックス、0.5〜20g/mのZn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含む塗膜が表面に形成されていることを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム合金チューブは、前記第1の本発明において、前記塗膜に、さらに、1〜6g/mのAl−Si系合金粉末を含むことを特徴とする。
第3の本発明のアルミニウム合金チューブは、前記第1または第2の本発明において、前記粉末および前記フラックスは、それぞれ、平均粒径が0.1〜10μmで、かつ累積頻度90%以上の粒径が30μm以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、Si粉末とSi含有フッ化物系フラックスとZn含有フッ化物系フラックスとが適量の混合量によって塗膜に含まれており、ろう付に際し、Siが効果的に反応することで十分な量のろうが得られ、チューブ表面にZn層を良好に形成するとともにフィレットサイズが増大してフィレットへのZn濃縮を抑制する。以下に、上記塗膜の作用および塗膜量などの限定理由について説明する。
<Si粉末>
Si粉末は、チューブのAlと反応し、ろうを形成する。
Si粉末塗布量:1〜6g/m
Si粉末の塗布量が少ないと、ろう付性が低下し、一方、過剰に塗布すると、Siが未反応となり、それ以上の効果が得られない。このため、塗膜におけるSi粉末の塗布量は1〜6g/mとする。なお、同様の理由で、下限を2g/m、上限を4g/mとするのが望ましい。
Si粉末粒径:平均0.1〜10μm、累積頻度90%以上の粒径が30μm以下
Si粉末の平均粒径が小さすぎると、凝集して不均一分布となりろう付性が低下し、一方、平均粒径が過大になると、著しいエロージョンが生じ、チューブの強度や耐食性が低下する問題がある。このため、Si粉末の平均粒径は0.1〜10μmが望ましい。なお、同様の理由で、下限を1μm、上限を8μmとするのが一層望ましい。
また、累積頻度90%以上の粒径が過大になると、塗膜厚さが厚くなる。塗膜はろう付時に流動し実質的に消滅するため、塗膜厚さ分のろう付前後のチューブ高さ寸法変化が大きくなり、ろう付接合不良が発生する。このため、Si粉末に関し累積頻度90%以上の粒径を30μm以下とするのが望ましい。
<Al−Si系合金粉末>
Al−Si粉末は、それ自身またはチューブのAl、Si粉末と反応し、ろうを形成するので所望により塗膜に含ませる。
Al−Si粉末塗布量:1〜6g/m
Al−Si粉末の塗布量が少ないと、ろう付性が低下し、一方、過剰に塗布すると、未反応Al−Si粉残渣が発生し、それ以上の効果が得られない。このため、所望により塗布する場合、塗膜におけるAl−Si粉末の塗布量は1〜6g/mとする。なお、同様の理由で、下限を2g/m、上限を4g/mとするのが望ましい。
Al−Si粉末粒径:平均0.1〜10μm、累積頻度90%以上の粒径が30μm以下
Al−Si粉末の平均粒径が小さすぎると、凝集して不均一分布となりろう付性が低下し、一方、平均粒径が過大になると、著しいエロージョンが生じ、チューブの強度や耐食性が低下する問題がある。このため、Al−Si粉末の平均粒径は0.1〜10μmが望ましい。なお、同様の理由で、下限を1μm、上限を8μmとするのが一層望ましい。
また、累積頻度90%以上の粒径が過大になると、塗膜厚さが厚くなる。塗膜はろう付時に流動し実質的に消滅するため、塗膜厚さ分のろう付前後のチューブ高さ寸法変化が大きくなり、ろう付接合不良が発生する。このため、Al−Si粉末に関し累積頻度90%以上の粒径を30μm以下とするのが望ましい。
<Si含有フッ化物系フラックス>
Si含有フッ化物系フラックスは、チューブのAlと反応して、ろうを形成し、フィレットサイズを増加させることでフィンの脱落を抑制する効果があり、また、ろう付時にチューブ表面の酸化物を除去し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させるフラックスとしての作用を有する。
Si含有フッ化物系フラックスには、既知のものを用いることができ、好適にはKSiFを例示することができる。Si含有フッ化物系フラックスは一種類でもよく、また、複数種類を混合したものであってもよい。
Si含有フッ化物系フラックス塗布量:0.5〜20g/m
Si含有フッ化物系フラックスの塗布量が少ないと、上記効果が十分に得られず、一方、過剰に塗布するとSi含有フラックスが未反応となり、それ以上の効果が得られない。このため、Si含有フッ化物系フラックスの塗布量を0.5〜20g/mとする。なお、同様の理由で、下限を1g/m、上限を15g/mとするのが望ましい。
Si含有フッ化物系フラックス粒径:平均0.1〜10μm、累積頻度90%以上の粒径が30μm以下
Si含有フッ化物系フラックスの平均粒径が小さすぎると、該フラックスが凝集し不均一分布となり効果が低下する。一方、平均粒径が過大になると、著しいエロージョンが生じ、チューブの強度や耐食性が低下する問題がある。このためSi含有フッ化物系フラックスの平均粒径は、0.1〜10μmが望ましい。なお、同様の理由で、下限を1μm、上限を8μmとするのが一層望ましい。
また、累積頻度90%以上の粒径が過大になると、塗膜厚さが厚くなる。塗膜はろう付時に流動し実質的に消滅するため、塗膜厚さ分のろう付前後のチューブ高さ寸法変化が大きくなり、ろう付接合不良が発生する。このため、Si含有フッ化物系フラックスに関し累積頻度90%以上の粒径を30μm以下とするのが望ましい。
<Zn含有フッ化物系フラックス>
Zn含有フッ化物系フラックスは、ろう付に際し、チューブ表面にZn拡散層を形成し、耐孔食性を向上させる効果があり、また、ろう付時にチューブ表面の酸化物を除去し、ろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させるフラックスとしての作用を有する。
Zn含有フッ化物系フラックスには、既知のものを用いることができ、好適には、KZnF、ZnFなどを例示することができる。Zn含有フッ化物系フラックスは一種類でもよく、また、複数種類を混合したものであってもよい。
Zn含有フッ化物系フラックス塗布量:0.5〜20g/m
Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量が少ないと、Zn拡散層の形成が不十分になり、チューブの耐食性が低下する。一方、塗布量が過剰になると、フィレットのZn濃縮が顕著になり、フィレットの耐食性が低下して、フィン脱落などの問題が発生する。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を0.5〜20g/mとする。なお、同様の理由で、下限を1g/m、上限を15g/mとするのが望ましい。
Zn含有フッ化物系フラックス粒径:平均0.1〜10μm、累積頻度90%以上の粒径が30μm以下
Zn含有フッ化物系フラックスの平均粒径が小さすぎると、凝集して不均一分布となりろう付性が低下し、一方、平均粒径が過大になると、Zn分布が不均一となりチューブの耐食性が低下する問題がある。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの平均粒径は0.1〜10μmが望ましい。なお、同様の理由で、下限を1μm、上限を8μmとするのが一層望ましい。
また、累積頻度90%以上の粒径が過大になると、塗膜厚さが厚くなる。塗膜はろう付時に流動し実質的に消滅するため、塗膜厚さ分のろう付前後のチューブ高さ寸法変化が大きくなり、ろう付接合不良が発生する。このため、Zn含有フッ化物系フラックスに関し累積頻度90%以上の粒径を30μm以下とするのが望ましい。
バインダ
上記塗布物には、Si粉末、Si含有フッ化物系フラックス、Zn含有フッ化物系フラックスに加えて適宜のバインダを含む。バインダの例としては、好適にはアクリル系樹脂などを挙げることができる。該バインダの塗布量は本発明としては、特に限定されるものではない。
<チューブ組成>
上記塗布物が表面に設けられたアルミニウム合金チューブは、通常は押出によってチューブ形状に成形される。該チューブを構成するアルミニウム合金の組成は本発明としては特に限定されるものではないが、以下に、好適な組成を示し、その成分の規定理由について説明する。
チューブ好適組成例:質量%で、Mn:0.05〜0.50%、Si:0.10超〜0.50%未満および必要によりCu:0.001〜0.10%未満、Fe:0.10〜0.50%、Ti:0.01〜0.20%の1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる。該組成により良好な、耐食性、強度、押出性が得られる・
(必須成分)
Mn:0.05〜0.50%
Mnの含有が、0.05%未満であると、耐食性、強度が低下する。一方、0.50%を超えて含有すると押出性が低下するため、Mn含有量は、0.05〜0.50%が好適である。
Si:0.10超〜0.50%未満
Si含有量が0.10%以下であると、耐食性、強度が低下する。一方、0.50%以上含有すると押出性が低下するため、Si含有量は0.10超〜0.50%未満が好適である。
(選択成分)
Cu:0.001〜0.10%未満
Cu含有量が0.001%未満であると、強度が低下し、一方、0.10%以上含有すると耐食性が低下する。このため、Cu含有量は、0.001〜0.10%未満が好適である。
Fe:0.10〜0.50%、Ti:0.01〜0.20%の1種または2種以上
Fe、Tiは、強度、押出性の向上に寄与するので1種以上を含有させる。ただし、Fe0.10%未満、Ti0.01%未満では、これら効果がなく、一方、Feで0.50%、Tiで0.20%を超えると押出性が低下するため、それぞれの含有量は上記範囲が好適である。
<フィン組成>
本発明の塗布物が表面に設けられたアルミニウム合金チューブと組合せるフィンのアルミニウム合金組成は本発明としては特に限定されるものではないが、以下に好適な組成を示し、その成分の規定理由について説明する。
フィン好適組成例:質量%で、Zn:0.3〜5.0%を含有し、必要によりMn:0.8〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、Ti:0.01〜0.20%、Cr:0.01〜0.2%、Fe:0.1〜0.5%、Si:0.1〜1.0%の1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる。
(必須成分)
Zn:0.3〜5.0%
Znの含有によって犠牲防食効果が得られる。ただし、下限未満では効果がなく、上限を超えるとサグ性が低下するので、Zn含有量は0.3〜5.0%が好適である。
(選択成分)
Mn:0.8〜1.5%
Zr:0.01〜0.2%
Ti:0.01〜0.20%
Cr:0.01〜0.2%
Fe:0.1〜0.5%
Si:0.1〜1.0%
これら成分は、高温、室温強度向上に寄与するため、所望により1種又は2種以上を含有させる。それぞれ下限未満では効果がなく、上限を超えると、加工性が低下するため、それぞれ上記含有量範囲が好適である。
以上説明したように、本発明のアルミニウム合金チューブによれば、1〜6g/mのSi粉末、0.5〜20g/mのSi含有フッ化物系フラックス、0.5〜20g/mのZn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含む塗膜が表面に形成されているので、十分なろうが生成されて、チューブ表面にZn拡散層が良好に形成されるとともに、フィレットサイズが増大してZn濃縮によるフィレットの腐食を抑制する効果がある。これにより長期に亘って良好な熱交換性能などを維持することができる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
好適には、質量%で、Mn:0.05〜0.50%、Si:0.10超〜0.50%未満および必要によりCu:0.001〜0.10%未満、Fe:0.10〜0.50%、Ti:0.01〜0.20%の1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を溶製し、適宜の均質加熱処理などを施して熱間押出によってチューブ形状に成形する。なお、アルミニウム合金チューブの製法は本発明としては特に限定されるものではなく、また、得られるチューブ形状も本発明としては特に限定されるものではない。
図1は、アルミニウム合金チューブとして管路1a…1aが複数形成された扁平多穴管1を示すものである。
また、扁平多穴管1にろう付する、好適には、質量%で、Zn:0.3〜5.0%を含有し、必要によりMn:0.8〜1.5%、Zr:0.01〜0.2%、Ti:0.01〜0.20%、Cr:0.01〜0.2%、Fe:0.1〜0.5%、Si:0.1〜1.0%の1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成のフィン用Al合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程などを経て波形形状のフィン3とされる。なお、フィン3の製造方法は、本発明としては特に限定をされるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
上記扁平多穴管1の表面には、ろう付組成物を塗布して塗膜2を形成する。ろう付組成物は、1〜6g/mのSi粉末、0.5〜20g/mのSi含有フッ化物系フラックス、0.5〜20g/mのZn含有フッ化物系フラックスおよびバインダに、水、アルコールなどの適宜材料の溶剤を加えたものである。該ろう付組成物には、さらに、1〜6g/mのAl−Si系合金粉末を含むものであってもよく、これらのSi粉末、Al−Si系合金粉末、Si含有フッ化物系フラックスおよびZn含有フッ化物系フラックスは、それぞれ、平均粒径が0.1〜10μmで、かつ累積頻度90%以上の粒径が30μm以下であるものが望ましい。
このろう付組成物の塗布方法は特に限定されるものではなく、スプレー法、シャワー法、フローコーター法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法などの適宜の方法によって行うことができ、本発明としては塗布方法が特に限定されるものではない。また、ろう付組成物の塗布領域は、扁平多穴管1の全表面としてもよく、また、扁平多穴管1の一部表面とするものであってもよく、要は、少なくともろう付に必要なチューブ表面領域に塗布されるものであればよい。
上記扁平多穴管1とフィン3とは、必要に応じて図示しないヘッダープレートなどとともに互いに組み付けられてろう付けに供される。ろう付けに際しては、不活性雰囲気などの適当な雰囲気で適温に加熱して、ろう付組成物を溶解させる。なお、バインダは通常はろう付加熱によって蒸散する。ろう付の際の加熱温度としては580〜620℃が例示される。また、加熱保持時間としては1〜10分が挙げられる。ただし、これら温度および加熱時間は例示であり、本発明としては特定の条件に限定されるものではない。
ろう付に際しては、扁平多穴管1のマトリックスの一部が上記ろう付組成物と反応してろうとなって、部材同士が良好にろう付される。チューブ表面ではろう付けによってフラックス中のZnが拡散してチューブ内側よりも卑になる。
上記ろう付けに際し、フラックスは、被ろう付け材の表面酸化皮膜を除去し、ろう付け加熱中の酸化を防止し、さらにろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる。
上記ろう付けに際しては、Si粉末の残渣もなく、良好なろう付けがなされ、チューブとフィンとの間に十分なサイズのフィレットが形成される。また、該フィレットのサイズ増大化によって該フィレットへのZn濃縮は抑制される。
得られた熱交換器は、扁平多穴管1の表面に適度なZn層が形成されて孔食が防止され、また、フィレットの腐食が抑制され、長期に亘って扁平多穴管1とフィン3とが確実に接合されたままとなり、良好な熱交換性能が維持される。
表1にチューブ用合金、表2にフィン用合金の組成を示す。なお、各合金の残部はAlと不可避不純物である。
チューブは各合金を溶製し均質化熱処理後、熱間押出で図1に示すような肉厚0.25mmの扁平多穴管とした。一方、フィン用合金は均質化処理後、熱間圧延と冷間圧延にて0.07mm厚さの板とした。
Figure 2009106947
Figure 2009106947
次に、チューブにSi粉末と各フラックスをアクリル系樹脂とイソプロピルアルコールとの混合物としてロール塗布し、乾燥させた。表3にSi粉末と各フラックスの塗布量を示す。なお、各粉末、フラックスの粒径は供試材No.9を除いて以下の通りとした。
Si粉末 平均粒径2.8μm、頻度90%以上の粒径15μm以下
Al−15%Si粉末 平均粒径7.5μm、頻度90%以上の粒径25μm以下
KZnF 平均粒径2.0μm、頻度90%以上の粒径17μm以下
ZnF 平均粒径5.0μm、頻度90%以上の粒径17μm以下
SiF 平均粒径2.0μm、頻度90%以上の粒径17μm以下
供試材No.9での粒径は以下の通りとした。
Si粉末 平均粒径2.8μm、頻度90%以上の粒径15μm以下
Al−15%Si粉末 平均粒径15μm、 頻度90%以上の粒径45μm以下
KZnF 平均粒径2.0μm、頻度90%以上の粒径17μm以下
SiF 平均粒径2.0μm、頻度90%以上の粒径17μm以下
なお、比較のため、Zn含有フッ化物系フラックス量を過小とした例(比較例1)、Zn含有フッ化物系フラックス量を過大とした例(比較例2)、Si含有フッ化物系フラックス量を過小とした例(比較例3)を用意した。さらに、Si粉末を多く含有し、Si含有フッ化物系フラックスを含まない例(比較例4)、Si粉末を含有しない例(比較例5)を用意した。
図2に示すように、上記チューブ材とコルゲート加工したフィン材を組合せてミニコアを組立て、窒素ガス雰囲気の炉中で600℃、2分保持のろう付を行った。
本発明以外の粒径を用いた場合、ろう付後に著しいエロージョンやコア割れ等が発生し評価することができなかった。
これら種々の材料組合せから成るコアをSWAAT22日間の腐食試験に供した。試験後にチューブ材に生じた腐食の深さとフィンの残存率(腐食後残存したフィン長さ/ろう付されていたフィン長×100)を測定した。
表3に結果を示す。本発明の材料の組合せからなるコアでは、いずれもチューブ表面の犠牲層の効果とフィンの犠牲防食効果により、チューブでの著しい腐食やフィンの脱落を抑制することができたのに対し、比較コアではチューブに著しい腐食やフィン脱落が発生した。なお、チューブ腐食深さは100μm以下、フィン残留率は、60%以上を目標値とした。
一方、
比較例1では、KZnF過小のため、チューブの耐食性が低下し、著しい腐食が発生した。
比較例2では、KZnF過大のため、フィレットの耐食性が低下し、著しいフィン脱落が発生した。
比較例3では、KSiF過小のため、フィレットの耐食性が低下し、著しいフィン脱落が発生した。
比較例4、5では、Si粉とKSiFのバランスが取れていないため、フィレットの耐食性低下を抑制できず、著しいフィン脱落が発生した。
Figure 2009106947
本発明の一実施形態のアルミニウム合金チューブを示す図である。 同じく、一実施形態のアルミニウム合金チューブを用いた熱交換器の組み立て体を示す図である。
符号の説明
1 扁平多穴管
2 塗膜
3 フィン

Claims (3)

  1. 1〜6g/mのSi粉末、0.5〜20g/mのSi含有フッ化物系フラックス、0.5〜20g/mのZn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含む塗膜が表面に形成されていることを特徴とするアルミニウム合金チューブ。
  2. 前記塗膜に、さらに、1〜6g/mのAl−Si系合金粉末を含むことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金チューブ。
  3. 前記粉末および前記フラックスは、それぞれ、平均粒径が0.1〜10μmで、かつ累積頻度90%以上の粒径が30μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のアルミニウム合金チューブ。
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