JP2009108228A - 非ハロゲン系高分子化合物の製造方法 - Google Patents

非ハロゲン系高分子化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非ハロゲン系高分子化合物を効率よく製造することができる高分子化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーと第一の金属触媒とが存在する系中に、下記式(10):
Ar−B(OH)2 (10)
(式中、Arはアリール基を表す。)
で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して、該分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーを反応させる工程を有する高分子化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、非ハロゲン系高分子化合物の製造方法に関する。
残留ハロゲン元素の濃度を低減した非ハロゲン系高分子化合物の製造には、ハロゲン原子を含む化合物を重合する方法が用いられる。こうして得られた非ハロゲン系高分子化合物を有機エレクトロルミネッセンス素子、有機トランジスタ等の電子デバイスの材料として用いた場合、残留ハロゲン元素が該電子デバイスの特性低下を招くことがあるため、残留ハロゲン元素の濃度をより低減した非ハロゲン系高分子化合物の製造方法が求められていた。一般的には、この残留ハロゲン元素の濃度を低減した非ハロゲン系高分子化合物は、ハロゲン原子を含む高分子化合物に対して、再結晶、セライトやシリカゲル等によるカラム精製等の処理を行うことにより、製造される。
しかし、前記処理では、高分子化合物に付着・混合した不純物の量を低減することはできるが、該高分子化合物の分子中に存在する不純物(例えば、ハロゲン元素)の濃度を十分に低減することは困難である。
そこで、本発明は、該高分子化合物の分子中に存在する不純物であるハロゲン元素の濃度を十分に低減し、分子中に存在するハロゲン元素の濃度を低減した高分子化合物(本明細書において、「非ハロゲン系高分子化合物」という)を効率よく製造することができる高分子化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーと第一の金属触媒とが存在する系中に、下記式(10):
Ar−B(OH)2 (10)
(式中、Arはアリール基を表す。)
で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して、該分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーを反応させる工程を有する高分子化合物の製造方法を提供する。
本発明の製造方法により、非ハロゲン系高分子化合物を効率よく製造することができる。こうして得られる非ハロゲン系高分子化合物は、通常、ハロゲン元素量が重量基準で100ppm未満のものである。従って、本発明の製造方法により得られた非ハロゲン系高分子化合物は、有機薄膜トランジスタ等の製造に有用である。
<非ハロゲン系高分子化合物の製造方法>
−第一の末端処理工程−
本発明の製造方法は、分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーと第一の金属触媒とが存在する系中に、前記式(10)で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して、該分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーを反応させる工程(例えば、分子鎖末端等の脱ハロゲンを伴うカップリング反応であり、以下、「第一の末端処理工程」という)を有する高分子化合物(即ち、非ハロゲン系高分子化合物)の製造方法である。
・分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマー
前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーは、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機トランジスタ等の電子デバイスの材料用途であれば、電荷輸送性の観点から、フルオレンに由来する骨格(以下、「フルオレン骨格」という)を有する高分子化合物であることが好ましい。ここで、「フルオレン骨格を有する高分子化合物」とは、分子中に下記式(1):
Figure 2009108228
で表されるフルオレン骨格を1種以上有する(特には、繰り返し単位中に有する)高分子化合物を意味する。
前記フルオレン骨格を有する高分子化合物としては、溶解性及び高分子化合物の配向性の観点から、下記式(2)、(3)又は(4):
Figure 2009108228

Figure 2009108228

Figure 2009108228
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキニル基、アルケニル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表すか、R1、R2、R3及びR4は、互いに結合して環を形成する。これらの基は、置換基を有していてもよい。)
で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が好ましい。
なお、1価の複素基とは、複素環式化合物から1個の水素原子を取り除いた原子団を意味する。
前記フルオレン骨格を有する高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性を向上させる観点から、前記式(2)〜(4)中、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは水素原子以外の基であることが好ましく、そのような高分子化合物の具体例としては、下記式(A)〜(H)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2009108228
前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーは、さらにその他の骨格(特には、チオフェンに由来する骨格(以下、「チオフェン骨格」という))を有していてもよく、該その他の骨格を繰り返し単位として有していることが好ましい。
前記その他の骨格を繰り返し単位として有する場合、該繰り返し単位としては、下記式で表されるものが挙げられるが、電荷注入及び電荷輸送の観点から、チオフェン骨格を含むものが好ましい。なお、以下に例示する繰り返し単位は、置換基を有していてもよい。
Figure 2009108228
前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーに含有されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、大気、光等に対する安定性の観点から、臭素原子が好ましい。また、前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーは、反応活性の観点から、分子鎖末端に臭素原子を有する臭素含有ポリマーであることが好ましい。
また、前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーは、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は1価の複素環基と結合している構造を有するもの(例えば、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基を有するもの)等が挙げられる。
なお、分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーは、如何なる方法で合成されたものであってもよいが、高分子量化及び反応位置選択性の観点から、一種又は二種以上のハロゲン含有モノマー(分子中にハロゲン原子を有するモノマー)、前記その他の骨格を有する繰り返し単位を与えるモノマー等を第一の金属触媒の存在下で重合して得られるものが好ましい。この重合は、Yamamotoカップリング等のニッケル触媒を用いる反応であっても、Suzukiカップリング等のパラジウム触媒を用いる反応であってもよい。また、前記重合には、前記ハロゲン含有モノマー以外の成分を併用してもよい。なお、前記ハロゲン含有モノマーから前記ハロゲン含有ポリマーを合成するステップにより系中に残存した第一の金属触媒を、第一の末端処理工程において必要とされる第一の金属触媒として使用することが好ましい。
本発明の製造方法において、前記反応の反応温度は、通常、30〜150℃、好ましくは60〜110℃であり、反応時間は、通常、1〜200時間、好ましくは2〜24時間である。
前記第一の金属触媒及び第二の金属触媒を構成する金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銅等の貴金属;ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、チタン等の卑金属等が挙げられ、重合活性の観点から、貴金属が好ましく、パラジウムがより好ましい。前記第一の金属触媒及び第二の金属触媒としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等の貴金属触媒;ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4−シクロオクダジエン)]ニッケル等の卑金属触媒が挙げられ、重合活性と触媒の空気、光に対する安定性の観点から、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好ましい。なお、第一の金属触媒と第二の金属触媒は、同一であっても異なっていてもよいが、同一であること(特には、いずれもパラジウム触媒であること)が好ましい。
なお、前記第一の金属触媒、前記第二の金属触媒は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記式(10)中、Arで表されるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレン−イル基、ナフタレン−イル基、アントラセニル基、ピレン−イル基、ペリレン−イル基、フェナンスレニル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。なお、これらのアリール基は置換基を有していてもよい。
前記式(10)で表される処理剤としては、分子鎖末端の安定性及び溶解性の兼ね合いの観点から、フェニルホウ酸、4−ビフェニルホウ酸、4−ターフェニルホウ酸が好ましく、フェニルホウ酸がより好ましい。
なお、前記式(10)で表される処理剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記第二の金属触媒は、前記式(10)で表される処理剤と同時に前記系中へ添加してもよいし、前記式(10)で表される処理剤を添加する前又は添加した後に前記系中へ添加してもよいが、通常、前記式(10)で表される処理剤と同時に前記系中へ添加する。
なお、前記式(10)で表される処理剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
また、前記反応では、前記ハロゲン含有ポリマーを、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒に溶解させて反応に供することが好ましい。
なお、前記溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法では、前記反応の際に、第一の金属触媒と第二の金属触媒を共存させることになる。これは、第一の金属触媒しか存在しない場合には、反応が十分に進行しないことがあり、分子中のハロゲン元素量を十分に低減することができないことがある。
この第一の末端処理工程により得られた化合物は、必要に応じて、精製を行ってもよいし、後述の第二の末端処理工程に供してもよい。
この第一の末端処理工程により、得られる化合物(高分子化合物)は、所望の特性(例えば、該高分子化合物を有機トランジスタに用いた場合の高移動度;該高分子化合物を溶媒に溶解させた溶液の高安定性等)に応じて、分子鎖末端の少なくとも一方が、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基、式量90以上のアリール基等の芳香族末端基を有することが好ましい。複数の分子鎖末端に前記芳香族末端基を有する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
−第二の末端処理工程−
本発明の製造方法の好ましい実施形態では、前記第一の末端処理工程で得られた化合物に、さらに、前記式(10)で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して反応させる工程(例えば、分子鎖末端等の脱ハロゲンを伴うカップリング反応であり、以下、「第二の末端処理工程」という)を有することができる。
第二の末端処理工程における反応の反応温度、反応時間、第二の金属触媒、前記式(10)で表される処理剤、並びに第二の金属触媒及び前記式(10)で表される処理剤を前記系中へ添加するタイミングは、第一の末端処理工程の項で説明した内容と同様であるが、さらに、第一の末端処理工程で得られた化合物に対して、カラム処理、貧溶媒中への滴下沈殿等の処理を行った後、再び溶媒に溶解させて第二の末端処理工程に供してもよい。この工程により、本発明の製造方法の反応効率を低下させるおそれがあるオリゴマー、低分子等を除去することができるため、よりハロゲン元素量の低減された非ハロゲン系高分子化合物が得られる。
この第二の末端処理工程により得られた化合物は、必要に応じて、精製を行ってもよい。また、第二の末端処理工程を複数回繰り返してもよいが、得られる非ハロゲン系高分子化合物の安定性とコストの観点から、第二の末端処理工程は、1〜3回とすることが好ましく、1〜2回とすることがより好ましい。
・非ハロゲン系高分子化合物
本発明の製造方法により得られる非ハロゲン系高分子化合物は、ポリスチレン換算の数平均分子量が、通常、1×103〜1×108、好ましくは1×104〜1×106であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常、1×103〜1×108、好ましくは1×104〜1×106である。
本発明の製造方法により得られる非ハロゲン系高分子化合物は、分子中のハロゲン元素量が重量基準で、通常、100ppm未満、典型的には65ppm未満である。そして、前記第二の末端処理工程を繰り返すことにより、前記非ハロゲン系高分子化合物の分子中のハロゲン元素量を重量基準で、通常、25ppm未満、典型的には10ppm未満、より典型的には5ppm未満と著しく低減することができる。
<有機薄膜トランジスタ>
前記非ハロゲン系高分子化合物は、有機電界効果トランジスタ、有機静電誘導型トランジスタ等の有機トランジスタ(特には、有機薄膜トランジスタ)の活性層の材料として特に有用である。以下、有機薄膜トランジスタの活性層に用いた場合について、場合により図面を参照しつつ、説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。なお、前記活性層の材料として用いられる前記非ハロゲン系高分子化合物は、一種のみであっても二種以上の組み合わせであってもよい。
前記有機薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁層、活性層、ソース電極及びドレイン電極を備える。図1〜図7はそれぞれ、好ましい有機薄膜トランジスタを示す模式断面図である。以下、これらの図の説明をする。
図1は第1の有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図1に示す有機薄膜トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図2は第2の有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図2に示す有機薄膜トランジスタ110は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6と、活性層2及びドレイン電極6上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図3は第3の有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図3に示す有機薄膜トランジスタ120は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5の一部及びドレイン電極6の一部を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2とを備えるものである。
図4は第4の有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図4に示す有機薄膜トランジスタ130は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ソース電極5の一部を覆うようにして絶縁層3上に形成された活性層2と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図5は第5の有機薄膜トランジスタ(静電誘導型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図5に示す有機薄膜トランジスタ140は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って複数形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の全てを覆うようにして活性層2上に形成された活性層2a(活性層2aを構成する材料は、活性層2と同一でも異なっていてもよい)と、活性層2a上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図6は第6の有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図6に示す有機薄膜トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5の一部及びドレイン電極6の一部を覆うようにして活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5が下部に形成されている絶縁層3の領域とドレイン電極6が下部に形成されている絶縁層3の領域とをそれぞれ一部覆うように、絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図7は第7の有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図7に示す有機薄膜トランジスタ160は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように形成された活性層2と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
第1〜第7の有機薄膜トランジスタにおいて、活性層2及び/又は活性層2aは、前記非ハロゲン系高分子化合物を含有しており、ソース電極5とドレイン電極6の間の電流通路(チャネル)となる。また、ゲート電極4は、電圧を印加することにより活性層2及び/又は活性層2aにおける電流通路(チャネル)を通る電流量を制御する。
このような電界効果型有機薄膜トランジスタは、例えば、特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。また、静電誘導型有機薄膜トランジスタは、例えば、特開2004−006476号公報記載の方法により製造することができる。
以下、上述の第1〜第7の有機薄膜トランジスタにおける各層の好ましい態様について説明する。
(基板)
基板1は、有機電界効果トランジスタとしての特性を阻害しないものであればよく、例えば、ガラス基板、フレキシブルなフィルム基板、プラスチック基板、シリコン基板等を用いることができる。このような基板1の厚さは10〜2000μmであることが好ましい。
(ゲート電極)
ゲート電極4としては、金、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属や錫酸化物、酸化インジウム及びインジウム・錫酸化物(ITO)等の材料を用いることができる。これらの材料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このようなゲート電極4は、例えば、蒸着、スパッタリング、めっき、CVD等の方法を用いて形成することができる。このようなゲート電極4の厚さは、0.05〜100μmであることが好ましい。なお、ゲート電極4としては、高濃度にドープされたn−型シリコン基板を用いることも可能である。高濃度にドープされたn−型シリコン基板は、ゲート電極としての性質とともに基板としての性質も有する。このように基板としての性質をも有するゲート電極4を用いた場合には、第1及び第2の有機薄膜トランジスタにおいて、基板1を省略することも可能である。
(絶縁層)
絶縁層3としては、無機絶縁体や有機絶縁体からなる絶縁膜を用いることができる。無機絶縁体の具体例としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンが挙げられる。また、有機絶縁体の具体例としては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、有機ガラス、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリパラキシリレン、ポリアクリロニトリルが挙げられる。これらの無機絶縁体及び有機絶縁体は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このような絶縁層3は、例えば、CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法、スピンコーティング法、ディッピング法、ノズルコート法、キャピラリーコート法、クラスタイオンビーム蒸着法及びLB法等により形成することができる。このような絶縁層3の厚さは50〜1000nmであることが好ましい。なお、ゲート電極4として、高濃度にドープされたn−型シリコン基板を用いる場合には、その表面を熱酸化することにより酸化シリコンの膜を形成することが可能であり、この膜を絶縁層3として用いることもできる。
(活性層)
本発明の有機電界効果トランジスタにおける活性層2は、本発明の製造方法により得られた非ハロゲン系高分子化合物(通常、ハロゲン元素量が重量基準で100ppm未満の高分子化合物)を含有するが、ハロゲン元素量が重量基準で65ppm未満の高分子化合物を含有することが好ましく、ハロゲン元素量が重量基準で25ppm未満の高分子化合物を含有することがより好ましく、ハロゲン元素量が重量基準で10ppm未満の高分子化合物を含有することがさらに好ましく、ハロゲン元素量が重量基準で5ppm未満の高分子化合物を含有することが特に好ましい。かかる範囲を満たすと、有機薄膜トランジスタの電流のオン・オフ比が向上し、且つ長期間の駆動に伴う最大電流値の減少や、閾値電圧の変動が少ない。
(ソース電極及びドレイン電極)
ソース電極5及びドレイン電極6は、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、例えば、金、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム及びモリブデン等を、その材料として用いることができる。これらの材料は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。このような導電層5及び6の厚さは、0.05〜1000μmであることが好ましい。
(有機薄膜トランジスタの特徴)
前記有機薄膜トランジスタの一種である有機電界効果トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子等に有用である。
この有機電界効果トランジスタの活性層に、前述のとおり、前記非ハロゲン系高分子化合物を用いることにより、該有機電界効果トランジスタを長期間駆動した場合にも閾値電圧の変動を少なくすることができる。さらに、この有機電界効果トランジスタは、通常、電流のオン・オフ比、長期間駆動した場合の最大電流値の減少が少ないこと等の特性を有するため、輝度ムラが実質的にないディスプレイの製造に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、不純物元素の分析はICP−MS法を用いて行った。
<実施例1>
2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(4.63g、8.75mmol)、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン(2.93g、9.04mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5.90mg、0.008mmol)、及びトリカプリリルメチルアンモニウム クロリド(商品名:Aliquat336、1.00g、2.47mmol)を予め窒素バブリングしたトルエン75mlに溶解させ、55℃に加温して2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液17.5mlを滴下し、105℃で24時間加熱還流したところ、分子鎖末端に臭素原子を有する臭素含有ポリマーが得られた。
次いで、この分子鎖末端に臭素原子を有する臭素含有ポリマーとジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)とが存在する系中に、フェニルホウ酸(0.50g、4.10mmol)とTHF10mlとジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5.90mg、0.008mmol)とを加えて、さらに24時間加熱還流した。トルエンを加えて希釈後、60℃のイオン交換水で3回水洗し、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物とイオン交換水を加え、80℃で16時間撹拌した。水層を除去後、60℃の2重量%酢酸で3回洗浄し、さらに60℃のイオン交換水で3回水洗した。有機層をメタノールに滴下し、析出した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄後、真空乾燥した。得られた固体を80℃のメシチレンに溶解させ、セライト、シリカゲル、中性アルミナを充填したカラムに通液した。溶液を濃縮した後、メタノールに滴下し、析出した沈殿をろ過、メタノールで2回、アセトンで2回、さらにメタノールで2回洗浄し、真空乾燥して、高分子化合物Aを得た。この高分子化合物Aのポリスチレン換算の数平均分子量Mnは2.9×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは5.8×104であった。また、ICP−MS法により求めた臭素濃度は重量基準で60ppmであった。
<実施例2>
高分子化合物A2.05gを予め窒素バブリングしたトルエン36mlに加え、55℃で1時間撹拌した。そこに、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(12.5mg、0.02mmol)、トリカプリリルメチルアンモニウム クロリド(商品名:Aliquat336、0.41g、1.02mmol)、フェニルホウ酸(0.21g、1.72mmol)及び予め窒素バブリングしたTHF4mlを加え、再び55℃に加温した。撹拌しつつ、2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液0.6mlを滴下し、95℃で24時間加熱環流した。トルエンを加えて希釈後、60℃のイオン交換水で3回水洗し、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物とイオン交換水を加え、80℃で16時間撹拌した。水層を除去後、60℃の2重量%酢酸で3回洗浄し、さらに60℃のイオン交換水で3回水洗した。有機層をメタノールに滴下し、析出した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄後、真空乾燥した。得られた固体を80℃のメシチレンに溶解させ、セライト、シリカゲル、中性アルミナを充填したカラムに通液した。溶液を濃縮した後、メタノールに滴下し、析出した沈殿をろ過、メタノールで2回、アセトンで2回、さらにメタノールで2回洗浄し、真空乾燥して、高分子化合物Aを得た。この高分子化合物Aの分子量は実施例1と同様であった。また、ICP−MS法により求めた臭素濃度は重量基準で20ppmであった。
<比較例1>
2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(17.8g、33.6mmol)、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン(11.7g、36.2mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.02g、0.03mmol)、及びトリカプリリルメチルアンモニウム クロリド(商品名:Aliquat336、4.01g、20.0mmol)を予め窒素バブリングしたトルエン300mlに溶解させ、55℃に加温して2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液60mlを滴下し、105℃で24時間加熱還流したところ、臭素含有ポリマーが得られた。
次いで、この臭素含有ポリマーが存在する系中に、フェニルホウ酸(2.00g、16.4mmol)とTHF60mlを加えて、さらに24時間加熱還流した。トルエンを加えて希釈後、60℃のイオン交換水で3回水洗し、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物とイオン交換水を加え、80℃で16時間撹拌した。水層を除去後、60℃の2重量%酢酸で3回洗浄し、さらに60℃のイオン交換水で3回水洗した。有機層をメタノールに滴下し、析出した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄後、真空乾燥した。得られた固体を80℃のメシチレンに溶解させ、セライト、シリカゲル、中性アルミナを充填したカラムに通液した。溶液を濃縮した後、メタノールに滴下し、析出した沈殿をろ過、メタノールで2回、アセトンで2回、さらにメタノールで2回洗浄し、真空乾燥して、高分子化合物Cを得た。この高分子化合物Cの収量は13.8gであり、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは1.8×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは3.4×104であった。また、ICP−MS法により求めた臭素濃度は重量基準で390ppmであった。
<参考例1>
ガラス基板を、アセトンで5分、2−プロパノールで5分洗浄し、蒸着法により厚さ1000nmのソース電極及びドレイン電極を形成した。このときのソース電極及びドレイン電極は金(Au)で形成し、チャネル幅は2mm、チャンネル長は20μmであった。次に0.5重量%の高分子化合物Bのクロロホルム溶液を調製し、1000rpmで60秒間スピンコートすることにより、厚さ100nmの活性層を形成した。その後、絶縁膜としてポリパラキシリレンを厚さ200nmに化学蒸着(CVD)し、さらにゲート電極としてアルミニウム(Al)を厚さ500nmに蒸着することにより、前述の第1(実施形態)の有機電界効果トランジスタを得た。なお、上述の操作において、蒸着は真空で行い、それ以外は全て窒素雰囲気下で行った。
得られた有機電界効果トランジスタの伝達特性等を空気中で測定した。移動度は0.007cm2/V・s、オン・オフ比は8×105、閾値電圧は−16Vで良好な値を示した。また、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧−40Vにおけるドレイン電流は−1.4×10-6Aであった。次に、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧を−40Vと一定にして20分間保持した。その後、再びトランジスタ特性を測定した。この時の移動度は、0.007cm2/V・s、オン・オフ比は5×105、閾値電圧は−16Vであり、有機電界トランジスタの長時間駆動後であっても、劣化は実質的に認められなかった。また、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧−40Vにおけるドレイン電流も−1.5×10-6Aであり、有機電界トランジスタの長時間駆動後であっても、変化は実質的に認められなかった。
<参考例2>
参考例1において、高分子化合物Bに代えて高分子化合物Aを用いた以外は参考例1と同様にして有機電界効果トランジスタを作製した。
得られた有機電界効果トランジスタの伝達特性等を空気中で測定した。移動度は0.006cm2/V・s、オン・オフ比は7×105、閾値電圧は−19Vで良好な値を示した。また、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧−40Vにおけるドレイン電流は−1.2×10-6Aであった。次に、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧を−40Vと一定にして20分間保持した。その後、再びトランジスタ特性の測定を行った。この時の移動度は0.006cm2/V・s、オン・オフ比は2×104、閾値電圧は−21Vであり、有機電界トランジスタの長時間駆動後であっても、移動度や閾値電圧の劣化は実質的に認められなかった。また、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧−40Vにおけるドレイン電流も−1.0×10-6Aであり、有機電界トランジスタの長時間駆動後であっても、変化は実質的に認められなかった。
<参考例3>
参考例1において、高分子化合物Bに代えて高分子化合物Cを用いた以外は参考例1と同様にして有機電界効果トランジスタを作製した。
得られた有機電界効果トランジスタの伝達特性等を空気中で測定した。移動度は0.005cm2/V・s、オン・オフ比は5×104、閾値電圧は−15Vで、オン・オフ比がやや低いものの他は良好な値を示した。また、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧−40Vにおけるドレイン電流は−1.9×10-6Aであった。次に、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧を−40Vと一定にして20分間保持した。その後、再びトランジスタ特性の測定を行った。この時の移動度は0.005cm2/V・s、オン・オフ比は9×102、閾値電圧は−22Vであり、有機電界トランジスタの長時間駆動後には、オン・オフ比や閾値電圧の劣化が認められた。また、ゲート電圧を−40V、ソース電極とドレイン電極の間の電圧−40Vにおけるドレイン電流も−9.5×10-7Aであり、有機電界トランジスタの長時間駆動後には、著しい変化が認められた。
第1の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第2の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第3の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第4の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第5の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第6の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第7の有機薄膜トランジスタの模式断面図である。
符号の説明
1…基板、2…活性層、2a…活性層、3…絶縁層、4…ゲート電極、5…ソース電極、6…ドレイン電極、100…第1の有機薄膜トランジスタ、110…第2の有機薄膜トランジスタ、120…第3の有機薄膜トランジスタ、130…第4の有機薄膜トランジスタ、140…第5の有機薄膜トランジスタ、150…第6の有機薄膜トランジスタ、160…第7の有機薄膜トランジスタ

Claims (9)

  1. 分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーと第一の金属触媒とが存在する系中に、下記式(10):
    Ar−B(OH)2 (10)
    (式中、Arはアリール基を表す。)
    で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して、該分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーを反応させる工程を有する高分子化合物の製造方法。
  2. 分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーと第一の金属触媒とが存在する系中に、前記式(10)で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して、該分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーを反応させる工程により化合物を合成し、得られた化合物に、さらに、前記式(10)で表される処理剤と第二の金属触媒とを添加して反応させる工程を有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーが、分子鎖末端に臭素原子を有する臭素含有ポリマーである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーが、フルオレン骨格を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーが、さらにチオフェン骨格を有する請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記式(10)で表される処理剤が、フェニルホウ酸である請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記第一の金属触媒及び前記第二の金属触媒が、いずれも貴金属触媒である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記貴金属触媒が、パラジウム触媒である請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記分子鎖末端にハロゲン原子を有するハロゲン含有ポリマーが、ハロゲン含有モノマーを第一の金属触媒の存在下で重合して得られたものである請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
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