JP2009108593A - 水融通運用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ等輸送機器の運転能力を考慮した水融通ポンプ等輸送機器の運転ルールを提案する。
【解決手段】処理場への流入量を一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段8と、流入量、処理可能最大水量および検出された異常情報に基づいて各処理場に設置された融通水輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段7と、輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、複数の運転パターンが選択できる場合には、演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段9と、輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大水量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段10を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つ以上の複数の下水処理場が連結管で連結されてネットワーク化された複数の下水処理場の運用装置に関連し、複数処理場の間で水融通を行う輸送機器(ポンプ等)の運転装置に関する。
従来、下水処理場では各々の処理場単位で放流水の水質基準を守るよう運転を実施してきた。一方で、近年、震災などの異常時のリスク回避や施設更新の円滑化等の観点から、連結管により各処理場間を連結してネットワーク化する計画が進みつつある。なお、以下では、震災などが原因で施設が利用できなくなる状態と、施設更新などで施設が利用できなくなる状態を特に区別しない。これらの違いは、原因が震災など非人為的なものであるか、施設更新などの人為的なものであるかの違いであり、一時的に処理場施設が利用できなくなるという観点からはほぼ同じ状態である。また、施設更新は、一時的に生じる正常な状態と異なる状態であるので、広義には一種の異常状態と考えても良いと思われる。
連結管により各処理場間を連結してネットワーク化する“処理場ネットワーク化構想”では、下水処理場などへの公共投資の縮減に伴って、リスク回避以外にも、管理判断業務の統合化や処理水の集約による維持管理費の削減、ポンプやブロワの予備機の削減・施設統廃合、計画的な施設更新による設備導入費や建設費の抑制などのコスト削減もその効果として見込まれている。また、処理機能低下や豪雨時の簡易放流によって放流水質が悪化したり、渇水時には河川流量の60%以上が下水処理水となって河川水質が悪化する場合がある。この場合、放流先の河川には通常複数の処理場の放流水が流れ込むため、ネットワーク化によってこのような放流水質や河川水質悪化の回避や水質の維持・改善を行う効果も期待されている。
要するに、処理場ネットワーク化に期待される主な効果は、(1)異常時などのリスク回避・低減、(2)維持管理費や建設費などのコスト削減、(3)晴天時・雨天時を通した河川水質の維持・改善の3点である。このリスク回避、コスト削減、水質維持・改善を具体的に行うために、連結管を通して複数の処理場間でどのように水融通を行えば良いかを決定する必要がある。しかし、この具体的な実現方法は、震災などの異常時のリスク回避の場合など、不定期に生じる自明な場合を除いて明らかでなく、上記3つの観点から最も効果的な運用方法は必ずしも確立されたものではない。なお、震災あるいは毒物混入などによるプロセス異常時には、異常が生じた処理場から正常状態の処理場に最大量を融通すればよい。また、設備更新時などで一時的にある処理場が利用できない場合には、利用できない処理場の流入下水を利用できる処理場に最大量融通すればよく、このような場合の水融通方法は、ほぼ自明な事柄である。
これに対し、本願の発明者等は、先に、コスト削減や水質維持を考慮した水融通運用方法を考案した(特開2006−334480号公報「下水処理場制御装置」、以下、特許文献1)。
特許文献1に記載の発明では、コスト削減や放流負荷削減を達成するための複数の水融通方法を考案している。
特開2006−334480号公報
しかし、特許文献1で提案した水融通方法のみでは、実際に連結管に設置された水融通ポンプなどを利用して水融通を行う方法を実現することできない。実際に水融通を行うためには、下記の点を考慮して、具体的な実現方法(≒運転ルール)を構築する必要があるからである。
すなわち、特許文献1の発明では、各処理場への流入下水の分配量の決定方法を考案しているが、この分配量を達成するような具体的な水融通は必ずしも実現できるとは限らない。なぜなら、具体的に融通できる水量は、実際に水融通を行うポンプ等輸送機器の輸送能力や運転可能条件などにより制約されるからである。
特許文献1では、コストを定量的に図る指標として単位処理量あるいは単位負荷量当りの処理コスト、水質維持・改善を図る指標として汚濁物質の除去率、という概念を導入している。そして、単位量あたりの処理コストや除去率の良否に基づいて融通方法を決定する方法を提案している。しかし、ある処理場(処理場A)と別の処理場(処理場B)の単位量あたりの処理コストや除去率はかならずしも一定ではなく、さらに、その大小関係も一定ではないことがある。つまり、「A処理場の処理コスト < B処理場の処理コスト」、あるいは、「A処理場の処理コスト> B処理場の処理コスト」などのような単純な関係ではなく、条件に応じて、大小関係が変化することが生じうる。実施形態でこの具体例を示す。従って、時々刻々を変化する状況の中で、処理コストや除去率を考慮しながら運用方法を決定する必要がある。
特許文献1では、コスト削減 および/または 放流水質/河川水質向上を達成するための水融通方法を開示しているが、処理場ネットワーク化の目的である異常時のリスク回避のための水融通方法については開示していない。上述のように、処理場ネットワーク化では、リスク回避、コスト削減、水質維持・改善を同時に考える必要があり、この中のどの目的(リスク回避、コスト削減、あるいは水質維持・改善)をどのような場合に優先させて水融通を行うのか、あるいは、これらの目的をどのように具体的に水融通を行う運用方法の中に組み込むのか、を決定する必要がある。特許文献1では、この中の異常時の扱いについては全く開示されておらず、コスト削減と水質維持改善の両立についても、総合評価指標を導入することを開示しているに留まっている。
特許文献1では、計画水量を超えるような過大な流入が生じた場合にも各処理場への流入下水の分配量の決定方法を開示しているが、分配された各処理場での処理方法については言及していない。実際の処理場運用においては、計画水量を超えた場合の流入が生じた場合の処理方法についても決定しておく必要がある。
上記のことを検討・考慮して、「水融通の運用概念」というコンセプトから、「水融通を行うポンプ等機器の運転方法」という 実際に実現可能な運転ルールを導くことは、決して単なる設計事項や自明な事柄ではなく、処理場ネットワーク化による効果を具体的に実現するための重要な開発課題である。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、ポンプ等輸送機器の運転能力(最大輸送量、定格流量、運転台数など)を考慮した水融通ポンプ等輸送機器の運転ルールを考案することを目的としている。
また、流入量や流入負荷量などの時々刻々と変化するダイナミックな条件に伴って変化する運転コスト および/または 放流水質/河川水質を考慮した水融通ポンプ等輸送機器の運転ルールを提案する水融通運用装置を提供することを目的としている。
さらに、リスク回避、コスト削減、水質の維持・改善の3つの目的を運転ルールの中に全て考慮した水融通ポンプ等輸送機器の運転ルールを提案する水融通運用装置を提供することを目的としている。
さらに、計画水量(最大処理量)以上の水量が流入した場合の処理方法を考慮した水融通ポンプ等輸送機器の運転ルールを提案する水融通運用装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、各処理場毎の処理可能最大水量を決定する処理可能最大水量決定手段と、各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、前記流入量演算手段によって求められた流入量を少なくとも一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段と、各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、前記流入量演算手段によって求められた流入量、前記処理可能最大水量決定手段によって決定された処理可能最大水量、および前記異常検出手段によって検出された異常情報に基づいて前記各処理場に設置された融通水輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、前記輸送機器運転可能パターンによって決定された輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大水量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段とを有することを特徴としている。
この場合、前記流入量演算手段は、処理場への流入量を計測するセンサによって求められる流入量計測値、または流入量を予測する流入量予測装置によって求められる流入量予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、前記コスト演算手段は、前記流入量演算手段で求められた流入量計測値または流入量予測値を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの風量・流量を推定し、これら機器の運転コストの総和を計算する運転コスト演算手段、または、前記流入量演算手段によって求められた流入量計測値または流入量予測値を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの流量・風量を推定し、求められた流入量計測値または流入量予測値と推定された各種機器の流量・風量とから放流水の汚濁物質濃度×放流水量で表される放流負荷量を推定して放流汚濁負荷を金額換算した水質コストを計算する水質コスト演算手段、または、前記運転コスト演算手段で求められた運転コストと前記水質演算手段で求められた水質コストの総和である総コストを計算する総コスト演算手段、のいずれかである。
また、本発明の他の態様は、各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、各処理場毎の処理可能最大負荷量(=水量×汚濁物質濃度)を決定する処理可能最大負荷量決定手段と、各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、各処理場へ流入する汚濁物質濃度を求める流入汚濁物質濃度演算手段と、前記流入量演算手段で求められた流入量と流入汚濁物質濃度演算手段で求められた流入汚濁物質濃度とから流入負荷量(=流入量×流入汚濁物質濃度)を求める流入負荷量演算手段と、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段と、各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量、前記処理可能最大負荷量決定手段によって決定された処理可能最大負荷量、および前記異常検出手段によって生成された異常情報に基づいて前記各処理場に設置された融通水輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大負荷量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段とを有することを特徴としている。
この場合、前記流入量演算手段は、処理場への流入量を計測するセンサによって求められる流入量計測値、または流入量を予測する流入量予測装置によって求められる流入量予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、流入汚濁物質濃度演算手段は、処理場へ流入する汚濁物質濃度を計測するセンサによって求められる汚濁物質濃度計測値、または汚濁物質濃度予測装置によって求められる汚濁物質濃度予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、前記コスト演算手段は、前記流入負荷量演算手段で求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの風量・流量を推定し、これら機器の運転コストの総和を計算する運転コスト演算手段、または、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの流量・風量を推定し、求められた流入負荷量と推定された各種機器の流量・風量とから放流水の汚濁物質濃度×放流水量で表される放流負荷量を推定して放流汚濁負荷を金額換算した水質コストを計算する水質コスト演算手段、または、前記運転コスト演算手段で求められた運転コストと前記水質演算手段で求められた水質コストの総和である総コストを計算する総コスト演算手段、のいずれかである。
また、本発明のさらに他の態様は、各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成する一方、各処理場には一時的に流入水を貯留しておくための貯留槽または非稼働の反応槽や非稼働の沈殿池などの代用貯留槽と、所定の台数、および所定の輸送能力を持つ貯留水返送輸送機器とを設置し、この貯留水返送輸送機器を用いて、貯留槽に貯留された貯留水を処理槽へ送り返すように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、各処理場毎の処理可能最大水量を決定する処理可能最大水量決定手段と、各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、前記流入量演算手段によって求められた流入量を少なくとも一つの入力として、コストを求めるコスト演算手段と、各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、各処理場の貯留水に貯留された貯留量を求める貯留量演算手段と、前記流入量演算手段と前記処理可能最大水量決定手段、前記異常検出手段、および前記貯留量演算手段から、前記各処理場に設置された融通水輸送機器と貯留水返送輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大水量Qmax (i=1,…,M)を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には前記貯留槽へ貯留を行った後に貯留槽容積を越えた場合に簡易処理後放流あるいは直接放流を行う汚水処理方法決定手段とを有することを特徴としている。
この場合、前記流入量演算手段は、処理場への流入量を計測するセンサによって求められる流入量計測値、または流入量を予測する流入量予測装置によって求められる流入量予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、前記コスト演算手段は、前記流入量演算手段で求められた流入量計測値または流入量予測値を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの風量・流量を推定し、これら機器の運転コストの総和を計算する運転コスト演算手段、または、前記流入量演算手段によって求められた流入量計測値または流入量予測値を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの流量・風量を推定し、求められた流入量計測値または流入量予測値と推定された各種機器の流量・風量とから放流水の汚濁物質濃度×放流水量で表される放流負荷量を推定して放流汚濁負荷を金額換算した水質コストを計算する水質コスト演算手段、または、前記運転コスト演算手段で求められた運転コストと前記水質演算手段で求められた水質コストの総和である総コストを計算する総コスト演算手段、のいずれかである。
また、本発明のさらに他の態様は、各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成する一方、各処理場には一時的に流入水を貯留しておくための貯留槽または非稼働の反応槽や非稼働の沈殿池などの代用貯留槽と、所定の台数、および所定の輸送能力を持つ貯留水返送輸送機器とを設置し、この貯留水返送輸送機器を用いて、貯留槽に貯留された貯留水を処理槽へ送り返すように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、各処理場毎の処理可能最大負荷量(=水量×汚濁物質濃度)を決定する処理可能最大負荷量決定手段と、各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、各処理場へ流入する汚濁物質濃度を求める流入汚濁物質濃度演算手段と、前記流入量演算手段で求められた流入量と流入汚濁物質濃度演算手段で求められた流入汚濁物質濃度とから流入負荷量(=流入量×流入汚濁物質濃度)を求める流入負荷量演算手段と、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段と、各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、各処理場の貯留水に貯留された貯留量を求める貯留量演算手段と、各処理場の貯留水の汚濁物質濃度を求める貯留汚濁物質濃度演算手段と、前記貯留量演算手段と前記貯留汚濁物質濃度演算手段とから計算される貯留負荷量(=貯留量×貯留汚濁物質濃度)を演算する貯留負荷量演算手段と、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量、前記処理可能最大負荷量決定手段によって決定された処理可能最大負荷量、前記異常検出手段によって生成された異常情報、および貯留負荷量演算手段によって求められた貯留負荷量に基づいて前記各処理場に設置された融通水輸送機器および貯留水返送輸送機器の各の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器および貯留水返送輸送機器の各運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大負荷量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には前記貯留槽へ貯留を行った後に貯留槽容積を越えた場合に、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段とを有することを特徴としている。
この場合、前記流入量演算手段は、処理場への流入量を計測するセンサによって求められる流入量計測値、または流入量を予測する流入量予測装置によって求められる流入量予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、流入汚濁物質濃度演算手段は、処理場へ流入する汚濁物質濃度を計測するセンサによって求められる汚濁物質濃度計測値、または汚濁物質濃度予測装置によって求められる汚濁物質濃度予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、前記コスト演算手段は、前記流入負荷量演算手段で求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの風量・流量を推定し、これら機器の運転コストの総和を計算する運転コスト演算手段、または、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの流量・風量を推定し、求められた流入負荷量と推定された各種機器の流量・風量とから放流水の汚濁物質濃度×放流水量で表される放流負荷量を推定して放流汚濁負荷を金額換算した水質コストを計算する水質コスト演算手段、または、前記運転コスト演算手段で求められた運転コストと前記水質演算手段で求められた水質コストの総和である総コストを計算する総コスト演算手段、のいずれかである。
本発明による主たる効果は以下である。
ポンプ等輸送機器の運転能力(最大輸送量、定格流量、運転台数など)を考慮し、
(2)流入量や流入負荷量などの時々刻々とダイナミックに変化する条件に伴って変化する運転コストや 放流水質/河川水質を考慮した上で、(3)異常時等のリスク回避、運転コストの削減、放流水質及び河川水質の維持・改善の3つの水融通を主な目的を取り込んだ具体的な水融通運用が可能になる。さらに、各処理場で、最大処理量以上の水量が流入した場合にも、具体的な有効な処理手順を実行できる。
〈第1の実施形態〉
《第1の実施形態の構成》
第1の実施形態の構成を図1に示す。図1では、2つの処理場AとBを考え、各々N台とN台の水融通ポンプが設置されている。なお、本発明は2つの処理場A,Bに限定されるわけではなく、3つ以上の処理場が相互に連結される構成でも良い。
図1に示すように、河川流域処理場群1と、この河川流域処理場群1からプロセスデータを収集して保存するプロセスデータ収集・保存部2と、各処理場における処理可能な最大水量を決定する処理可能最大水量決定手段3と、処理コストを演算するためのパラメータを設定するコスト演算パラメータ設定手段4と、水融通ポンプの運転条件に応じた流入量を演算する流入量演算手段5と、プロセスの異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段6と、水融通ポンプの実際に運転可能な運転パターンを抽出する輸送機器運転可能パターン決定手段7と、水融通ポンプ運転のパターンに対する予め定義されたコストを計算するコスト演算手段8と、演算したコストが最小に成るような運転パターンを実際の水融通ポンプの運転パターンとして選択する輸送機器運転パターン決定手段9と、流入する汚水の処理方法を決定する汚水処理方法決定手段10とを備えている。
A処理場1A1は、ある河川の左岸に位置しており、A処理場が対象とするA排水区1A2と、A処理場1A1と対岸にあるB処理場1B1との間で相互に水を融通するための連結管結合部1A3と、この連結管結合部1A3に接続されて対岸のB処理場に水を送水するためのA→B連結管1A4と、連結管結合部1A3あるいはA→B連結管1A4に設置された、各々QtrAB (i=1,…,N)の定格容量を持つ、N台のA→B水融通ポンプ1A5と、A処理場に流入する流入量を計測するA処理場流入量センサ1A6と、A処理場で生じる異常を検出するためのプロセス変数を計測するA処理場異常検出用プロセスセンサ1A7と、A処理場から引き抜かれる汚泥濃度を計測するA処理場余剰汚泥濃度センサ1A8と、A処理場のブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプなどのブロワ・ポンプ機器の流量(風量)を計測するA処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1A9とを備えている。
また、B処理場1B1は、前記河川を挟んでA処理場1A1の対岸(右岸)に位置しており、B処理場が対象とするB排水区1B2と、対岸の処理場(A処理場1A1)に水を相互に水を融通するための連結管結合部1B3と、この連結管結合部1B3に接続されて対岸のA処理場に水を送水するめのB→A連結管1B4と、連結管結合部1B3あるいはB→A連結管1B4に設置された、各々QtrBA (i=1,…,N)の定格容量を持つ、N台のB→A水融通ポンプ1B5と、B処理場に流入する流入量を計測するB処理場流入量センサ1B6と、B処理場で生じる異常を検出するためのプロセス変数を計測するB処理場異常検出用プロセスセンサ1B7と、B処理場から引き抜かれる汚泥濃度を計測するB処理場余剰汚泥濃度センサ1B8と、B処理場のブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプなどのブロワ・ポンプ機器の流量(風量)を計測するB処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1B9とを備えている。
プロセスデータ収集・保存部2は、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21と、プロセス情報データ収集・保存部22とから構成されている。プロセスオンライン計測データ収集・保存部21は、河川流域処理場群1の各々の処理場で計測している、A処理場流入量センサ1A6と、A処理場異常検出用プロセスセンサ1A7と、A処理場余剰汚泥濃度センサ1A8と、A処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1A9と、B処理場流入量センサ1B6と、B処理場異常検出用プロセスセンサ1B7と、B処理場余剰汚泥濃度センサ1B8と、B処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1B9とによって計測される各種プロセスデータを所定の周期で収集し、所定のフォーマットに従って保存する。また、プロセス情報データ収集・保存部22は、プロセスの土木構造等のプロセスに関するオフラインで収集可能なデータを収集して保存してある。
処理可能最大水量決定手段3は、少なくとも、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21に保存されたA処理場流入量センサ1A6とB処理場流入量センサ1B6によって計測した各処理場の流入量データと、プロセス情報データ収集・保存部22に保存されたプロセスの土木構造情報を利用して各処理場における処理可能な最大水量を決定する。
コスト演算パラメータ設定手段4は、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21に保存された各種プロセスデータからコストを演算するのに必要となるパラメータを設定する。
流入量演算手段5は、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21に保存されたA処理場流入量センサ1A6とB処理場流入量センサ1B6によって計測した各処理場の流入量データを直接利用するかあるいはこれらを利用した予測流入量を利用して、全ての可能な水融通ポンプの運転条件に応じた流入量を演算する。
異常検出手段6は、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21に保存されたA処理場異常検出用プロセスセンサ1A7とB処理場異常検出用プロセスセンサ1B7の情報を利用してプロセスの異常を検出して異常情報を生成する。
輸送機器運転可能パターン決定手段7は、流入量演算手段5によって計算された全ての可能な水融通ポンプの運転条件に対応した流入量と、異常検出手段6によって生成された異常情報に基づいて、水融通ポンプの実際に運転可能な運転パターンを抽出する。
コスト演算手段8は、コスト演算パラメータ設定手段4で設定したコスト計算に必要となる各種パラメータと、流入量演算手段5で計算した全ての可能な水融通ポンプの運転条件に応じた流入量の中から輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能なパターンに対応する水融通ポンプ運転のパターンに対する予め定義されたコストを計算する。
輸送機器運転パターン決定手段9は、輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能な水融通ポンプの運転パターンの中から、コスト演算手段8で演算したコストが最小に成るような運転パターンを実際の水融通ポンプの運転パターンとして選択する。
汚水処理方法決定手段10は、輸送機器運転パターン決定手段9によって決定された運転パターンに応じたA処理場1A1およびB処理場1B1への想定される流入量に基づいて、流入する汚水の処理方法を決定する。
《第1の実施形態の作用》
次に、図1を参照しつつ第1の実施形態の作用を説明する。
河川流域処理場群1の各処理場(A処理場とB処理場)に設置されたA処理場流入量センサ1A6と、B処理場流入量センサ1B6とによって、所定の周期で各処理場の流入量が計測され、この計測データがプロセスオンライン計測データ収集・保存部21に所定のフォーマットで記録されている。
同様に、各処理場に設置されたA処理場異常検出用プロセスセンサ1A7と、B処理場異常検出用プロセスセンサ1B7によって、所定の周期で各処理場の異常の情報が計測され、この計測データがプロセスオンライン計測データ収集・保存部21に所定のフォーマットで記録されている。A処理場異常検出用プロセスセンサ1A7とB処理場異常検出用プロセスセンサ1B7は、ある特定の異常を検出するための特定のセンサであっても良いし、複数のセンサからある一定の処理を通して異常検出を行う装置のようなものでもよい。前者の具体的な例としては、下水処理プロセス内の微生物の活性度を計測するための呼吸速度計のようなものがある。この呼吸速度計によって、微生物の活性度を計測し、呼吸速度が所定の閾値よりも小さくなった場合や呼吸速度が低下し続ける場合に、処理プロセスに異常が生じたと判断するようなロジックが組み込まれている。
また、このような異常検出を行えるセンサが複数設置されており、これらで検出した異常の論理和を取ったものを異常検出センサとして定義してもよい。また、後者の具体的な例としては、例えば特願2005−249816“プロセス監視装置およびその方法”や、特願2006−139222“プロセス異常診断装置およびプロセス異常診断サービス提供装置”で提案(未公開)したように、オンラインセンサで計測したプロセスの時系列データに多変量解析などの統計処理技術やウェーブレット変換などの信号処理技術を駆使して、異常診断用のデータとして加工する異常診断アルゴリズムが組み込まれていてもよい。この場合には、A処理場異常検出用プロセスセンサ1A7とB処理場異常検出用プロセスセンサ1B7は、必然的に唯一のセンサではなく、プロセス内に設置されている複数のオンラインセンサ情報を利用したものとなる。このように、A処理場異常検出用プロセスセンサ1A7と、B処理場異常検出用プロセスセンサ1B7では、異常を検出するための一つ以上の何らかのセンサと必要に応じて異常を検出するためのロジック(アルゴリズム)が組み込まれており、プロセス内で生じうる異常の有無の情報をオンラインで提供している。
同様に、各処理場に設置されたA処理場余剰汚泥濃度センサ1A8と、B処理場余剰汚泥濃度センサ1B8では、各処理場の余剰汚泥に含まれる汚泥濃度(SS濃度)を所定の周期で計測しており、これがプロセスオンライン計測データ収集・保存部21に所定のフォーマットで記録されている。
全く同様に、A処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1A9と、B処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1B9では、各処理場の、ブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプなどのブロワ・ポンプ機器の流量や風量を所定の周期で計測しており、これがプロセスオンライン計測データ収集・保存部21に所定のフォーマットで記録されている。通常は、A処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1A9と、B処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1B9は、各々のポンプやブロワに個々に設置されているので、実際には、これらは複数の流量・風量センサで構成されるものである。
一方、プロセス情報データ収集・保存部22では、各処理場の土木構造データ(反応槽の容積)、計画水量、計画滞留時間、沈殿池の水面積負荷、通日試験日の運転実績データ、水質データ、などプロセスの物理的な情報や典型的な運転条件や典型的な水質に関する情報が収集され、所定のフォーマットに保存されている。これらのデータは、通常オンラインで得られる計測データではなく、オフラインで調査などに基づいて得た情報である。
これらのプロセスオンライン計測データ収集・保存部21とプロセス情報データ収集・保存部22を併せたものが、プロセスデータ収集・保存部2であり、上記に述べた手順がその作用である。
次に、処理可能最大水量決定手段3では、プロセス情報データ収集・保存部22から供給される土木構造データなどに基づき、また、必要であれば、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21から供給される各処理場の流入量データを用いて、各処理場で処理可能な最大水量Qmax (i=A,B)を決定する。最大水量を決定する方法としては、例えば、以下のような方法によって決定することができる。
(a) 計画水量をそのまま処理可能最大水量とする。
(b) 現在までのプラント運用実績データから、放流水質の水質基準を達成できる限界の水量を処理可能最大水量とする。
(c) 許容可能な最大の水面積負荷を計算し、その値を与える水量を処理可能最大水量とする。
(d) 許容可能な最大の滞留時間(HRT)を計算し、その値を与える水量を処理可能最大水量とする。
(e) 許容可能な最大の好気槽滞留時間(A−HRT)を計算し、その値を与える水量を処理可能最大水量とする。
(f) 許容可能な最大の汚泥滞留時間(SRT)を計算し、その値を与える水量を処理可能最大水量とする。
(g) 許容可能な最大の好気槽汚泥滞留時間(A−SRT)を計算し、その値を与える水量を処理可能最大水量とする。
(h) 上記の決定法の全てを計算し、その中の最小の量を処理可能最大水量とする。
上記のような方法によって、処理可能最大水量決定手段3が実行される。
次に、コスト演算パラメータ設定手段4では、コスト演算手段8でコスト演算を行うために必要となるパラメータを設定する。
この設定において、各処理場の流入量データを用いて、このデータからブロワやポンプなどの各機器の風量や流量を推定した上で各機器のコストを計算できるようにパラメータ設定を行っている点が本発明の特徴的な点である。すなわち、本発明では、以下の点に着目して、流入量から各機器の風量や流量を推定することが極めて有用であることを見出している点に特徴を持っており、コスト演算パラメータ設定手段4では、下記特徴を利用したパラメータの設定を行う。
(i) 流入量を計測するオンラインセンサは、大半の下水処理場に設置されており、オンライン情報として通常ほぼ確実に利用できる。従って、本発明を具体的に実現するための障害要素が無く、多くの下水処理場において、何等特殊な装置や新たなセンサ設置を必要とせずに本発明による水融通を実現することができる。
(j) 流入量は下水として処理される前の水であるため、処理に必要となる運転コストや処理後の放流水質(あるいはそれをコスト換算した水質コスト)を予測・推定するための重要な要因情報である。そのため、フィードフォワードによる一種の運転コストおよび水質コスト予測に基づく運用が可能になる。実際、運転コストや水質コストを最小化する最適な水融通を考える場合には、ある水融通を行ったことを想定した場合の結果(運転コストや水質コスト)を予測することが必要となり、その要因情報として流入量は極めて重要であり、これを利用せずに運転コストを予測することはほぼ不可能である。
(k) 逆に、流入量は運転コストの重要な要因情報の一つであるだけでなく、最大の要因情報であり、流入量のみでかなり高い精度で運転コストを予測できる。実際、流入量と各種ポンプやブロワの流量・風量の間には通常、強い相関がある。このため、流入量がわかるだけで各種ポンプやブロワの流量・風量は多くの場合高い精度で推定可能であり、ブロワ風量やポンプ流量がわかれば運転コストは容易に計算できる。例えば、ブロワやポンプの多くは、比率制御と呼ばれる方法で制御されていることが多く、このような場合、ブロワやポンプの風量・流量は流入量を正確にある定数倍した値になっている。比率制御されていない場合(例えば、ブロワが溶存酸素濃度(DO)一定制御されているような場合)には、比率制御時のように厳密な相関関係は無いが、流入量が多ければ必要となるブロワやポンプの風量・流量も多くなるため、比較的強い相関を持つことが多い。実際、ブロワがDO濃度一定値制御されているような場合であっても、ブロワ風量を流入量に対する比率で表現して記録されている場合も多い。従って、流入量から各種ポンプやブロワの流量や風量を推定することは、極めて現実的かつ有効な方法である。
(l) 放流負荷をコスト換算してコスト評価に考慮する場合には、放流負荷量を推定する必要があるが、放流負荷量は流入負荷量あるいは流入量、および各プロセスのブロワやポンプの運転条件(風量や流量)と相関を持つ。先に述べたように、流入量からブロワやポンプの風量や流量が推定できるので、結局、流入量がわかるだけで放流負荷量をある程度推定できる。従って、流入量のみで水質コストを予測できる。
上記の点に着目して、コスト演算パラメータ設定手段4では、まず、プロセスデータ収集・保存部2に保存されている、A処理場流入量センサ1A6とB処理場流入量センサ1B6で計測した各処理場の流入量と、A処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1A9とB処理場ブロワ・ポンプ流量センサ1B9で計測した、各処理場の、ブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプなどのブロワ・ポンプの流量データとの相関解析を行い、その係数を設定しておく。ブロワやポンプが比率制御されている場合には、図2に示すように完全な線形相関を持ち、その係数(図2の傾き)が流入量からブロワやポンプ流量を推定するための換算係数である。ブロワやポンプが比率制御でない場合、例えばブロワがDO濃度一定制御されている場合には、例えば図3のようなプロットが得られる。このような場合には、得られたプロットを近似する直線を求めて、その傾きを換算係数としてもよいし、非線形の相関と見なして近似曲線を求めて、その係数群を換算係数としてもよい。
このような相関解析を行うことによって、各処理場のポンプやブロワの運転コストを流入量から推定するための換算係数(パラメータ)が設定できる。ブロワやポンプの風量や流量がわかれば、ブロワやポンプの定格電力、定格容量、効率、台数などの情報、ブロワやポンプをどのような順序で起動するのかなどのブロワやポンプの運転方法(制御方法)、および単位電力量当りのコスト、を調査することによって、ブロワやポンプの電力コストが計算できる。
もし、薬品注入などのコストも運転コストに取り入れたい場合にも、ポンプやブロワの電力コストを計算する方法に準じて、薬品注入量と流入量の相関式を求め、単位薬品当りのコスト換算をすることによって考慮することができる。
同様に、運転コストの中にポンプやブロワの電力コストや薬品コストだけでなく、下水処理場から排出される汚泥の処分費を考慮したい場合には、汚泥処分費が、
〔数1〕
汚泥処分費=単位量当りの処分コスト×余剰汚泥流量×余剰汚泥濃度
=単位量当りのコスト×余剰汚泥濃度×相関係数×流入量
であることに注意すると、単位量当りの処分コストは調査によってわかるため、余剰汚泥濃度の情報が入手できれば、流入量から汚泥処分費を推定できる。この余剰汚泥濃度は、A処理場余剰汚泥濃度センサ1A8とB処理場余剰汚泥濃度センサ1B8によって計測されているので、その値を直接コスト演算手段8を実行する場合に利用することができる。もし、A処理場余剰汚泥濃度センサ1A8とB処理場余剰汚泥濃度センサ1B8が設置されていない場合には、例えば、流入量と発生汚泥量(余剰汚泥濃度×余剰汚泥濃度)の相関を予め求めておいて、これを用いて、発生汚泥量を推定する方法を採用してもよい。なお、コスト演算手段8でコスト演算を行う際には、実際の流入量だけでなく水融通を実施した場合の様ような運転パターンに対する想定した流入量も使う必要がある。余剰汚泥濃度は、厳密には流入量が変化すればそれに連動して変化するが、余剰汚泥濃度の変化の速さは流入量の変化の速さより十分に遅い(流入量は分以下の速さで変化するが、余剰汚泥濃度は時間単位あるいは日単位以上の速さで変化する)ので、実際に計測している余剰汚泥濃度で代表させても良いと考えられる。
以上のような方法により、運転コストを計算するためのパラメータを設定できる。
さらに、水質コストを考える場合には、ある汚濁物質X(例:BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、TN(全窒素)、TP(全リン)、SS(浮遊固形物量)など)と、流入量および各種ポンプ・ブロワの運転条件との相関式を予め作成しておく。
例えば、以下のような式で表しておく。
〔数2〕
Xの濃度×放流量(汚濁物質負荷量)=相関係数1×流入量
+相関係数2×ブロワ風量×相関係数3×返送汚泥ポンプ流量+・・・・
このような式で表しておけば、各種ポンプやブロワの流量・風量と流入量の相関は予め作成済であるため、放流水の汚濁物質負荷量も流入量のみから推定できる。従って、放流水の汚濁物質負荷量に対する排水賦課金(あるいは環境税)のようなものを想定して汚濁物質負荷量をコストに換算する係数をさらに設定すれば、水質コストも流入量のみから推定することができる。なお、汚濁物質は必ずしも一つの物質である必要はなく、例えば、BOD、TN、TP、SSなどを各々個別に定義しても良い。もちろん汚濁物質負荷量と流入量の相関は必ずしも線形の相関である必要はなく、非線形の相関であってもよいし、時間的なダイナミクスを持つ相関、例えば、FIR(有限インパルス応答)モデルのようなものを用いた相関であってもよい。
以上をまとめると、コスト(運転コスト および/または 水質コスト)演算を行うためのコスト演算パラメータ設定手段4は、下記項目の中の必要なものを設定する手段である。
(a) ブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプ、あるいは、各種薬品注入ポンプなどのブロワ・ポンプ流量と流入量の相関係数。非線形相関の場合には非線形相関式とその係数群
(b) ブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプ、あるいは、各種薬品注入ポンプなどのブロワ・ポンプの設置台数
(c) ブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプ、あるいは、各種薬品注入ポンプなどのブロワ・ポンプの運転方法(制御方法)を表す式
(d) ブロワ、返送ポンプ、揚水ポンプ、循環ポンプ、余剰汚泥引き抜きポンプ、水融通ポンプ、あるいは、各種薬品注入ポンプなどのブロワ・ポンプの定格電力・定格容量、および効率
(e) 発生汚泥量と流入量の相関係数(余剰汚泥濃度センサが無い場合。ある場合は、余剰汚泥濃度を直接コスト演算手段8で取り込む。)
(f) 単位電力あたりのコスト(電力費)
(g) 単位薬品量当たりのコスト(薬品費)
(h) 単位処理量あたりの汚泥処分コスト(汚泥処分費)
(i) 放流汚濁物質負荷量と、流入量および各種ポンプ・ブロワの流量・風量との相関係数。あるいは非線形相関やダイナミックな相関の相関係数群
(j) 単位汚濁物質負荷量あたりのコスト換算係数(排水賦課金)
これらのパラメータを設定することによって、コスト演算パラメータ設定手段4が実行される。以上が、第1の実施形態におけるコスト演算パラメータ設定手段4の作用である。
以上の処理可能最大水量決定手段3と、コスト演算パラメータ設定手段4は、通常オフラインで予め実行されるものである。但し、状況に応じてオンラインで設定値を変更することを行っても良い。
以下の作用は通常はオンラインで行われるものである。
次に、流入量演算手段5では、プロセスデータ収集・保存部2に保存されている、A処理場流入量センサ1A6と、B処理場流入量センサ1B6で計測された各処理場の流入量データを直接用いるか、あるいは、流入量データから、予め設定した所定の未来の時点に亘る流入量を予測した予測流入量を用いて、A→B水融通ポンプ1A5とB→A水融通ポンプ1B5の全ての運転条件(運転パターン)を実行したと想定した場合の各処理場への流入量あるいは予測流入量を全て計算する。例えば、最も単純な場合として、A→B水融通ポンプ1A5とB→A水融通ポンプ1B5が各々1台であり、それぞれの定格容量がQtrABとQtrBAである場合には、A処理場流入量センサ1A6と、B処理場流入量センサ1B6で計測した流入量を、各々Q in、Q inとすると、A処理場1A1に流入する水量は、Q in、Q in−QtrAB、Q in+QtrBAの3通りのパターンが考えられ、同様に、B処理場1B1に流入する水量は、Q in、Q in−QtrBA、Q in+QtrABの3通りのパターンが考えられる。このように、全ての運転パターンに対する各処理場の流入量を演算しておく。水融通ポンプが可変速のものであり、流量をきめ細かく設定できる場合には、全ての流入量を計算することはできないので、ポンプの運転台数が切り替わる点の各流入量を計算しておく。以上が、第1の実施形態における流入量演算手段5の作用である。
次に、異常検出手段6では、先述したように例えば呼吸速度計のような異常検出センサによる呼吸速度データや多変量解析などを用いた異常検出アルゴリズムによる異常検出用データ(Q統計量やHotellingのT2統計量と呼ばれる)に対して、適切な閾値を設けることによって、A処理場1A1とB処理場1B1の異常を検出する。その他にも、各種ポンプやブロワの故障情報などの異常も検出する。
そして、どの処理場でどのような異常が生じたかを記録している。また、この異常検出手段では、必ずしも、異常の有無という2値的な判断でなく、正常レベル、注意レベル、警告レベル、異常レベル、などの多値的な判断を行っていてもよい。以上が第1の実施形態における異常検出手段6の作用である。
次に、輸送機器運転可能パターン決定手段7では、流入量演算手段5で演算した全ての運転パターンに対する各処理場への流入量と、異常検出手段6による異常情報に基づいて、水融通ポンプの運転可能なパターンを判断する。運転可能パターンを判断は、例えば以下のように実行できる。まず、流入量演算手段5で演算した全ての運転パターンに対する各処理場への流入量と、処理可能最大水量決定手段3で決定した各処理場の処理可能最大水量の大小関係を比較し、その中で最大水量を越えないもののみを選択する。例えば、A処理場1A1に流入できる可能性のある水量の中で、Q in+QtrBAがQmax より大きく、その他のQ inとQ in−QtrABがQmax より小さければ、Q inとQ in−QtrABが選択される。同様にB処理場1B1に流入できる可能性のある水量の中で、Q in、Q in−QtrBA、Q in+QtrABの全てがQmax より小さければ、この3パターンの全てが残される。そして、これらの結果から、可能な水融通ポンプの運転パターンは、(1)融通しない、(2)A処理場からB処理場へ融通する、の2通りであることがわかる。この例は非常に簡単な例であるが、複数台の水融通ポンプが設置されており、それらの定格容量や定格電力が異なる場合には、様々な運転パターンが存在するので、その中から、可能な運転パターンを全て抽出する。
次に、異常検出手段6によって生成された異常情報に基づいて、さらに可能な運転パターンを絞り込む。例えば、水融通ポンプ自身のどれかが故障している場合には、そのポンプの運転は可能な運転パターンから除外される。また、例えばA処理場で処理異常が生じている場合には、「B処理場からA処理場へ水融通を行うことを禁止する」、あるいはそれよりも強く、「A処理場からB処理場へ融通しなければならない」などの条件を与えて、可能な運転パターンを絞り込む。また、異常検出手段6において、異常レベルを多値的に判断している場合には、異常のレベルに応じて、水融通ポンプの運転に与える制約条件変化させておく。例えば、ある処理場での異常レベルが低い場合には、その処理場に対して水融通を行うことを禁止し、異常レベルが高い場合には、他の処理場へ水融通を行わなければならない、などの条件を異常レベルに応じて設定しておく。
いずれにしろ、流入量演算手段5で計算した全ての運転パターンに対する各処理場の流入量と、処理可能最大水量決定手段3で決定した処理可能な最大水量との大小比較と、異常検出手段6で生成された異常情報に基づいて、水融通ポンプの運転可能なパターンを抽出することができる。
なお、上記手順によって、水融通ポンプの運転可能なパターンが一つも存在しなくなった場合には、例えば、
(a) 互いに融通を行わない運転パターン(融通なし)を残す。
(b) 異常情報を優先して、異常情報によって制約される運転パターンだけを除外し、他の運転パターンは許可することとする。
(c) 複数の処理場の処理可能最大水量を越える量が最小になる運転パターンのみを残す。
など、デフォルトの場合の運転方法を決定しておく。このように、デフォルトの運転方法を決定しておくことによって、可能な運転パターンが存在しないという状態には陥らず、少なくとも1つ以上の可能な運転パターンが残される。以上が第1の実施形態における輸送機器運転可能パターン決定手段7の作用である。
次に、コスト演算手段8では、コスト演算パラメータ設定手段4によって設定したコスト演算パラメータと、流入量演算手段5によって演算された各種の運転パターンに対する流入量の中から選択した、輸送機器運転可能パターン決定手段7で運転可能と判断された水融通ポンプの可能な運転パターンに対応する、各処理場の流入量を用いて、水融通ポンプの可能な運転パターンに対応した各処理場のコストを演算する。具体的な実行方法を図4と図5を用いて示す。
図4と図5は、各々A処理場1A1とB処理場1B1の流入量と各種の運転コストの関係式の例を示している。このような流入量と各種の運転コストの関係式は、コスト演算パラメータ設定手段4において、コスト演算パラメータが適切に設定されていれば、予め計算しておくことができる。同様な方法で、運転コストに限らず、水質コストも流入量との関係式として予め計算できる。このように、予め図4と図5のようなコストと流入量の関係式が作成されていれば、水融通ポンプの可能な運転パターンに対応する各処理場の流入量をこれらの関係式に代入することにより水融通ポンプの様ような運転パターンに対応する各処理場の運転コストや水質コストを容易に計算できる。以上が第1の実施形態におけるコスト演算手段8の作用である。
なお、図4と図5より理解できるように、いくつかのある流入量の点でコストが急激に上昇している箇所があることがわかる。この箇所は、ポンプやブロワの運転台数が切り替わる点である。つまり、ポンプやブロワの起動台数が変化する点で急激にコストが変化する。このことは、従来の技術で指摘したように、A処理場あるいはB処理場のいずれか一方が低コストで処理可能な処理場という状況にはなり難いことを示している。実際の水融通においては、水融通を行う時刻の流入量に応じて、ポンプやブロワの総起動台数ができる限り最小になるように融通が行われる場合に最小コストでの処理が可能になる場合が多い。起動台数が最小になるような水融通は、A処理場とB処理場に流入する流入量に強く依存しているため、この流入量に応じて、A処理場からB処理場へ融通する方が良いか、B処理場からA処理場へ融通する方が良いかが時々刻々と変化する。さらに、水融通ポンプの台数が複数台あり、処理場も複数あるような場合には、どの処理場からどの処理場へどのくらいの量を融通することが良いかを決定する必要があり、これは各処理場の流入量や融通ポンプの台数や定格容量に強く依存している。
本実施形態は、この点に着目して、各処理場の流入量に応じて全体のコストが最小になるような水融通方法を探索する方法を提案している点に特徴がある。このようなコストの最小化は、例えば、プロセスシミュレーションモデルなどの複雑な解析モデルを用いれば可能であることは推測できるが、本発明では、このようなプロセスシミュレーションなどによる詳細な解析を用いなくても、実際の処理場の運転データなどから予めコスト演算のためのいくつかのパラメータを設定しておけば、コストに非常に大きく関わるポンプやブロワなどの機器の運転条件を考慮した形で、流入量と運転コストや水質コストの相関式を図4や図5のような形で容易に実現できることを考案している点に特徴をもっている。
次に、輸送機器運転パターン決定手段9では、輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能パターンの中から、コスト演算手段8で演算したコストが最小になるような水融通ポンプの運転パターンを最適な運転パターンとして選択する。もし、輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能パターンが複数の可能な運転パターンを持たずに、一通りに決定している場合には、それをそのまま水融通ポンプの運転パターンとする。以上が第1の実施形態における輸送機器運転パターン決定手段9の作用である。
最後に汚水処理方法決定手段10では、輸送機器運転パターン決定手段9で決定された水融通ポンプの最適な運転パターンに対する各処理場に流入する下水(汚水)の処理方法を決定する。輸送機器運転パターン決定手段9において、コスト演算手段8で演算したコストが最小になるように水融通ポンプの運転パターンが選択されている場合には、通常どおりの下水処理(活性汚泥処理など)が実行される。
一方、輸送機器運転可能パターン決定手段7で唯一の運転パターンしか現れず、輸送機器運転パターン決定手段9において、この運転パターンが選択された場合には、通常どおりの汚水処理ができるとは限らない。
もし、輸送機器運転可能パターン決定手段7で唯一になった理由が、A処理場かB処理場の異常によるものであれば、異常が生じていない処理場では通常通りの処理が行われる。異常が生じた処理場では、最大限の融通を実施した上でもなお流入がある場合には、そのまま処理を継続するか、あるいは、簡易処理をした上で河川へ放流するかが選択される。この選択の基準は異常が生じたままで処理をした場合の放流水質と簡易処理をした場合の放流水質のどちらが良いかを判断することによって、より良い処理を選択する。
もし、輸送機器運転可能パターン決定手段7で唯一になった理由がどのような流入を行ってもA処理場かB処理場の少なくとも一方の処理場の処理可能最大水量を越える場合には、各処理場で処理可能最大水量以内の流入下水は通常どおりの下水処理が実施され、処理可能最大水量を越えた量は、簡易処理をした上で河川へ放流される。このような判断を行う手段が、汚水処理方法決定手段10である。
以上の一連の作用が請求項1、5に対応する第1の実施形態の作用である。
《第1の実施形態の効果》
第1の実施形態の主たる効果は以下の通りである。
第1の実施形態によれば、水融通に要求される異常時等のリスクの回避、コスト削減、および水質維持・改善の3つの目的を同時に考慮して、水融通の具体的な運転ルールを実現できる。特に、実際に水融通を行うポンプ等の輸送機器を具体的に運転する運転パターンをこれら3つの目的を考慮して決定できる。
また、流入量という通常どのような処理場でも計測されているデータを主にオンライン情報として利用し、オンラインで容易に計算可能な時間内で、具体的な水融通ポンプ等の輸送機器の運転ルールを提供することができる。
〈第2の実施形態〉
《第2の実施形態の構成》
第2の実施形態の構成を図6に示す。図6が図1と異なるのは、各処理場に流入する、A処理場流入汚濁物質センサ1A10と、B処理場流入汚濁物質センサ1B10とが実装されている点、処理可能最大水量決定手段3に代えて、処理可能最大負荷量決定手段11を備えている点、流入量演算手段4に代えて、流入負荷量演算手段12を備えている点である。
流入負荷量演算手段12は、流入量演算手段121と流入汚濁物質濃度演算手段122から構成されている。
この部分の作用は請求項2、6に対応するものであり、この点が請求項1、5のものと異なる。従って、以下では、異なる部分の作用を中心に記述する。
《第2の実施形態の作用》
図6を用いて第2の実施形態の作用を説明する。
まず、《第1の実施形態の作用》に加えて、各処理場に設置されたA処理場流入汚濁物質濃度濃度センサ1A10と、B処理場流入汚濁物質濃度濃度センサ1B10では、各処理場に流入する流入水質、例えばBOD、COD、TN、TP、SS、などの濃度を所定の周期で計測しており、これがプロセスオンライン計測データ収集・保存部21に所定のフォーマットで記録されている。
次に、処理可能最大負荷量決定手段11では、プロセス情報データ収集・保存部22から供給される土木構造データなどに基づき、また、必要であれば、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21から供給される各処理場の流入量データと流入汚濁物質濃度データを用いて、各処理場で処理可能な最大負荷量WQmax (i=A,B)を決定する。最大負荷量を決定する方法としては、例えば、以下のような方法によって決定することができる。
(a) 計画水量×放流許容汚濁物質濃度を処理可能最大負荷量とする。
(b) 現在までのプラント運用実績データから、放流水質の水質基準を達成できる限界の負荷量を処理可能負荷水量とする。
(c) 許容可能な最大の水面積負荷を流入負荷に基づいて計算し、その値を与える負荷量を処理可能最大負荷量とする。
(d) 許容可能な最大の汚泥滞留時間(SRT)を流入負荷に基づいて計算し、その値を与える負荷量を処理可能最大負荷量とする。
(e) 許容可能な最大の好気槽汚泥滞留時間(A−SRT)を流入負荷に基づいて計算し、その値を与える負荷量を処理可能最大負荷量とする。
(f) 上記の決定法の全てを計算し、その中の最小の量を処理可能最大負荷量とする。
上記のような方法によって、処理可能最大負荷量決定手段11が実行される。以上が第2の実施形態における処理可能最大負荷量決定手段11の作用である。
次に、コスト演算パラメータ設定手段4では、コスト演算手段8でコスト演算を行うために必要となるパラメータを設定する。《第1の実施形態の作用》との違いは、流入量ではなく、流入負荷量(流入量×汚濁物質濃度)を用いている点である。流入量に替えて流入負荷量を用いることのメリット・デメリットは下記である。
(g) 流入量を計測するオンラインセンサは、大半の下水処理場に設置されており、オンライン情報として通常ほぼ確実に利用できるが、流入汚濁物質濃度は必ずしも設置されているとは限らない。そのため、この方法は、流入汚濁物質濃度を計測できるセンサが設置されているか、新たに設置することを前提とする。但し、CODなどの基本的な汚濁物質濃度を計測するセンサは設置されていることが多い。
(h) 流入負荷量は下水として処理される前の水の負荷量であり、流入量と同様に処理に必要となる運転コストや処理後の放流水質(あるいはそれをコスト換算した水質コスト)を予測・推定するための重要な要因情報である。流入量と比較すると、流入負荷量は、処理しなければならない水の汚濁物質量を直接示しているため、推定精度は向上すると考えられる。
(i) また、流入量と同様な方法で 流入負荷量のみでかなり高い精度で運転コストを予測できる。但し、処理場のブロワやポンプの運転が、流入量に対する比率を指定する比率一定制御が行われている場合には、その運転コスト計算のためには、流入量を用いる方が精度が高い。しかし、比率制御されていない場合には、流入負荷量が処理されるべき全汚濁物質の量を示しているため、流入負荷量を用いる方が高い精度で運転コスト予測を行える可能性が高い。また、比率制御されている場合であっても、もし流入負荷量をオンライン計算できる条件が整っている場合には、制御方法自身を流入負荷量に対する比率制御に変更することによって、放流水質を向上させるとともに流入負荷量とブロワやポンプの流量・風量との相関を高めることも可能である。
(j) 放流負荷をコスト換算してコスト評価に考慮する場合には、放流負荷量を推定する必要があるが、放流負荷量は流入量よりも流入負荷量と強い相関を持つことが多く、また、各プロセスのブロワやポンプの運転条件(風量や流量)と相関を持つ。先に述べたように、流入負荷量からブロワやポンプの風量や流量が推定できるので、結局、流入負荷量がわかるだけで放流負荷量をある程度推定できる。但し、前述したように、ブロワやポンプの風量・流量は負荷量よりも流入量と強い相関を持つことがあるので、このような場合には、流入量からブロワやポンプの風量・流量を推定しておき、推定したブロワやポンプの風量・流量と流入負荷量を用いて、水質コストを予測するという方法を用いることもできる。
上記のように、もし、流入汚濁物質濃度がオンラインで計測できる条件が整っているならば、流入量に替えて流入負荷量を用いるか、あるいは流入量と流入負荷量を目的に応じて使い分けて用いることによって、コスト演算パラメータを設定する方がよい場合がある。このパラメータの具体的な設定方法は、「流入量」を「流入負荷量」に置換するだけであるので、《実施形態の作用》の実施方法に順ずる。そのため、詳細な作用の説明は省略する。
以上が、通常オフラインで実施されるものであるが、以下の作用は、通常オンラインで実施される。
次に、流入負荷量演算手段12では、流入量演算手段5に替えて、A→B水融通ポンプ1A5とB→A水融通ポンプ1B5の全ての運転条件(運転パターン)を実行したと想定した場合の流入量(あるいは予測流入量)ではなく流入負荷量(あるいは予測流入負荷量)を計算する。例えば、最も単純な場合として、A→B水融通ポンプ1A5とB→A水融通ポンプ1B5が各々1台であり、それぞれの定格容量がQtrABとQtrBAである場合には、A処理場流入量センサ1A6と、B処理場流入量センサ1B6で計測した流入量を各々Q in、Q inとし、A処理場流入汚濁物質センサ1A10とB処理場流入汚濁物質センサB10で計測した汚濁物質濃度を各々W in、W inとすると、A処理場1A1に流入する負荷量は、Q in*W in、(Q in−QtrAB)W in、Q in*W in+QtrBA*W inの3通りのパターンが考えられ、同様に、B処理場1B1に流入する水量は、Q in*W in、(Q in−QtrBA)*W in、Q in*W in+QtrAB*W inの3通りのパターンが考えられる。このように、全ての運転パターンに対する各処理場の流入負荷量を演算しておく。このように、流入量ではなくて流入負荷量を演算している点が《実施形態の作用》と異なる。以上が第2の実施形態における流入負荷量演算手段12の作用である。
次に、異常検出手段6では、第1の実施形態と全く同様な方法で異常検出が成されている。
次に、輸送機器運転可能パターン決定手段7では、流入負荷量演算手段12で演算した全ての運転パターンに対する各処理場への流入負荷量と、異常検出手段6による異常情報に基づいて、水融通ポンプの運転可能なパターンを判断する。第1の実施形態との相違点は、可能な運転パターンを抽出する際、水量の比較ではなくて負荷量の比較を実施している点であり、それ以外は第1の実施形態における作用と全く同様な方法で実施することができる。
このようにして、水融通ポンプの運転可能なパターンを抽出することができる。以上が第2の実施形態における輸送機器運転可能パターン決定手段7の作用である。
次に、コスト演算手段8の作用も、第1の実施形態とほぼ同様な方法で実施できる。
相違点は、コスト演算を行う場合には、流入量からコスト予測を行うのではなく、流入負荷量からコスト予測を行う点のみである。すなわち、図4と図5に示したような図の横軸を流入量ではなく、流入負荷量に置き換えたもので実施する点のみである。但し、先述したように、ポンプやブロワの運転コストは流入量から求めて、放流水質の水質コストは流入負荷量から求めるというように、コスト予測精度の高いと思われるものを適宜使い分けてもよい。これが、コスト演算手段8の作用である。
次に、輸送機器運転パターン決定手段9の作用は、第1の実施形態と全く同様である。
最後に汚水処理方法決定手段10の作用も、第1の実施形態とほぼ同様であるが、簡易処理を行うか通常処理を行うかの判断は、最大処理可能水量ではなく、最大処理可能負荷量に基づいて行われる点が異なっている。実際の処理場では、簡易処理を行うか通常処理を行うかは、通常水量に基づいて行っている。しかし、下水処理場から河川へ流出する水が最終的に河川等の水環境に影響することを考えると、実現が可能であれば、負荷量に基づいて行う方が合理的である。第2の実施形態では、このような観点から、もし、流入水の汚濁物質濃度がオンラインで計測できるならば、このような処理の切替の方が合理的であることを踏まえて、その実行方法を示している。これが、汚水処理方法決定手段10であり、これが第2の実施形態の作用である。
以上の一連の作用が請求項2、6に対応する第2の実施形態である。
なお、上記一連の作用において、汚濁物質濃度は、必ずしも、COD、BOD、SS、TN、TPなどのひとつの汚濁物質濃度である必要はなく、これらの合成関数、例えば重み付き線形和、a1COD+a2BOD+a3SS+a4TN+a5TPなどとしてもよい。この場合、その重みは、各汚濁物質が河川環境へ与える影響の大きさに基づいて決定することができる。
《第2の実施形態の効果》
第2の実施形態では主として以下の効果を得ることができる。
前述の第1の実施形態の効果に加えて、もし、流入水の各種汚濁物質濃度をオンラインセンサで計測できるならば、より効果的な水融通ポンプの運用が可能になる。ここで、効果的とは、水融通ポンプの可能な運転パターン抽出の精度が向上することや、コストを最小化する運転の選択法の精度が向上すること、各処理場内での処理方法が、河川環境をより正確に考慮した方法となること、などを示す。
〈第3の実施形態〉
《第3の実施形態の構成》
第3の実施形態の構成を図7に示す。図7が図1と異なるのは、各処理場に流入する下水を処理する処理槽(反応槽)だけでなく、流入下水を一時的に貯留することができるようなA処理場1A11の貯留槽およびB処理場1B11の貯留槽が設置されていることである。このような貯留槽は必ずしも、新たに建設したものである必要はなく、利用していない反応槽や沈殿池などを利用したものであってもよい。また、この貯留槽を設置することに伴い、各貯留槽から処理槽へ一時的に貯留していた下水を送水する、各々Qst Ai(i=1,…,P)およびQst Bi(i=1,…,P)の定格容量を持つ、PA台のA処理場貯留水送水ポンプ1A12およびP台のB処理場貯留水送水ポンプ1B12が併設されている。流入下水が一時貯留槽に送水される場合には、後述する《第3の実施形態の作用》にて示すように、通常はオーバーフローで処理されるため、ポンプ等の輸送機器の設置は想定していないが、もちろん、この部分にもポンプが設置されていてもよい。また、各貯留槽には、各貯留槽の貯留量を計算するためのA処理場貯留槽貯留量センサ1A13とB処理場貯留槽貯留量センサ1B13が設置されている。また、これに伴い、貯留量演算手段13を備えている。これらの点が、図1と異なる点である。
この部分の作用は請求項3、5に対応している。この点において第1の実施形態の作用と異なる。従って、以下では、異なる部分の作用を中心に記述する。
《第3の実施形態の作用》
図7を用いて、第3の実施形態の作用を説明する。
《第1の実施形態の作用》に示した記述に加えて、各処理場に設置されたA処理場貯留量センサ1A13と、B処理場貯留量センサ1B13によって、所定の周期で各処理場の貯留量の情報が計測されており、これが、プロセスオンライン計測データ収集・保存部21に所定のフォーマットで記録されている。この貯留量センサは、貯留量を計算するために必要となる情報を与えるものであればどのようなセンサであってもよく、例えば、各貯留槽の水位計であったり、各貯留槽への流入量計とA処理場貯留水送水ポンプ1A12やB処理場貯留水送水ポンプ1B12の送水流量計との組み合わせであってもよい。
次に、処理可能最大水量決定手段3の作用は、第1の実施形態と全く同様である。
次に、コスト演算パラメータ設定手段4は、コスト演算手段8でコスト演算を行うために必要となるパラメータを設定するが、この作用もほぼ同様である。但し、貯留水送水ポンプが設置されているため、必要に応じて、貯留水送水ポンプの運転コストに必要となるパラメータも設定する。
次に、貯留量演算手段13では、プロセスデータ収集・保存部2に保存されている、A処理場貯留量センサ1A13とB処理場貯留量センサ1B13で計測してきた量から実際の貯留量を演算する。貯留量センサが貯留水への流入流量計と送水流量計から成るものであれば、流入量計の計測値と送水流量計の計測値の差分を運用開始時刻から積分したものが貯留量になる。貯留量センサが、貯留槽の水位計である場合には、貯留槽の土木構造から貯留量に換算して、貯留量を計算する。
次に、流入量演算手段5では、プロセスデータ収集・保存部2に保存されている、A処理場流入量センサ1A6と、B処理場流入量センサ1B6で計測された各処理場の流入量データを直接用いるか、あるいは、流入量データから、予め設定した所定の未来の時点に亘る流入量を予測した予測流入量を用いて、A→B水融通ポンプ1A5とB→A水融通ポンプ1B5、およびA処理場貯留水送水ポンプ1A12およびP台のB処理場貯留水送水ポンプ1B12の全ての運転条件(運転パターン)を実行したと想定した場合の各処理場への流入量あるいは予測流入量を全て計算する。例えば、各々の定格容量がQtrABとQtrBAであるA→B水融通ポンプ1A5とB→A水融通ポンプ1B5が1台づつあり、A処理場とB処理場に各々定格容量がQst とQst の貯留水送水ポンプが一台づつ設置されている場合には、A処理場流入量センサ1A6と、B処理場流入量センサ1B6で計測した流入量を各々Q in、Q inとすると、A処理場1A1に流入する水量は、Q in、Q in−QtrAB、Q in+QtrBA、Q in+Qst 、Q in−QtrAB+Qst 、Q in+QtrBA+Qst の6通りのパターンが考えられ、同様に、B処理場1B1に流入する水量は、Q in、Q in−QtrBA、Q in+QtrAB、Q in+Qst 、Q in−QtrBA+Qst 、Q in+QtrAB+Qst の6通りのパターンが考えられる。このように、全ての運転パターンに対する各処理場の流入量を演算しておく。つまり、第1の実施形態で示した水融通の運転パターンに加えて、貯留水を処理するかしないか、あるいは貯留水をどのくらい処理するか、という運転パターンが加わった全ての運転パターンを列挙しておく。この場合も、水融通ポンプや貯留水送水ポンプが可変速のものであり、流量をきめ細かく設定できる場合には、全ての流入量を計算することはできないので、ポンプの運転台数が切り替わる点の各流入量を計算しておく。これが、第3の実施形態における流入量演算手段5の作用である。
次に、異常検出手段6の作用は、第1の実施形態と同じであるが、貯留水送水ポンプが設置されているため、このポンプに対する故障情報も通常検出することになる。
次に、輸送機器運転可能パターン決定手段7の作用も第1の実施形態と同様である。但し、貯留水送水ポンプが新たに設置されたことにより、運転可能なパターンは増えることになる。また、貯留水送水ポンプを起動できるか否かは、処理槽へ流入する流量と処理可能最大水量との大小関係だけでなく、貯留槽に貯留水がどのくらい存在するかにも関連している。この情報は、貯留量演算手段13から入手する。
次に、コスト演算手段8の作用も第1の実施形態と全く同様である。
次に、輸送機器運転パターン決定手段9も第1の実施形態とほぼ同様であるが、この決定手段の実施方法には、運用戦略に応じて、様々な変法が考えられる。
第1の実施形態と全く同じように、輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能パターンの中から、コスト演算手段8で演算したコストが最小になるような水融通ポンプの運転パターンを最適な運転パターンとして選択するという方法もひとつの戦略である。その他には、貯留槽がそもそも一時的に流入水を貯めておくものであり、できる限りその容量を最大化しておくことを優先的に考えるのであれば、輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能パターンの中から、貯留水を最大に処理できるものを優先的に選び出し、それでもなお、複数の選択肢がある場合に、その中でコストが最小になるような水融通の運転パターンを最適な運転パターンとして選択することもできる。また、複数の処理場群の中のいずれかひとつ以上の処理場において、貯留槽への流入がある場合、すなわち、いずれかひとつ以上の処理場では、処理可能最大水量を超えるような雨天である場合には、どの処理場においても貯留水送水ポンプを起動することは控える、などのルールを入れた上で、それでも複数の選択肢がある場合には、その中でコストが最小になるような水融通の運転パターンを最適な運転パターンとして選択することもできる。
このように、輸送機器運転パターン決定手段9では、最終的に複数の選択肢の中からコストが最小になるような運転パターンを最適な運転パターンとして決定するが、必ずしも輸送機器運転可能パターン決定手段7で決定した運転可能パターン全てに対してコスト最小化の最適化演算を行わなくても、それよりも優先的に決定すべき事(=ある運転パターンを固定してしまうこと)があれば、それを実施したうえで、それでも冗長性(=複数の運転パターンの選択肢)がある場合には、それを選択するということを実施すればよい。
これが、第3の実施形態における輸送機器運転パターン決定手段9の作用である。
最後に汚水処理方法決定手段10では、輸送機器運転パターン決定手段9で決定された水融通ポンプの最適な運転パターンに対する各処理場に流入する下水(汚水)の処理方法を決定するが、この部分の作用は、第3の実施形態では、貯留槽が設置されていることを前提としているため、第1の実施形態の作用とは異なる。まず、輸送機器運転パターン決定手段9において、コスト演算手段8で演算したコストが最小になるように水融通ポンプの運転パターンが選択されている場合には、コスト評価というものを行わなければ運転パターンに冗長性があることを意味しているので、通常どおりの下水処理(活性汚泥処理など)が実行される。
一方、輸送機器運転可能パターン決定手段7で唯一の運転パターンしか現れず、輸送機器運転パターン決定手段9において、この運転パターンが選択された場合には、通常どおりの汚水処理ができるとは限らない。
もし、輸送機器運転可能パターン決定手段7で唯一になった理由が、A処理場かB処理場の異常によるものであれば、異常が生じていない処理場では通常通りの処理が行われる。異常が生じた処理場では、最大限の融通を実施した上でもなお流入がある場合には、まず、一時貯留槽に空き容量がある場合には、一時貯留槽が満杯になるまで、一時貯留槽へ流入水を貯留する。それでも、異常が回復しないなどの理由で流入を継続する場合には、そのまま処理を継続するか、あるいは、簡易処理をした上で河川へ放流するかが選択される。この選択の基準は第1の実施形態の作用の基準と同じである。
もし、輸送機器運転可能パターン決定手段7で唯一になった理由がどのような流入を行ってもA処理場かB処理場の少なくとも一方の処理場の処理可能最大水量を越える場合には、各処理場で処理可能最大水量以内の流入下水は通常どおりの下水処理が実施され、処理可能最大水量を越えた量は、一時貯留槽をバッファとして利用して、一時貯留槽へ貯留される。一時貯留槽が全て利用されて満杯になってもまだ処理可能最大水量を超える流入が継続して、処理が不可能になる場合に、はじめて、簡易処理をした上で河川へ放流される。
以上の一連の作用が、請求項3、5に対応する具体的な実施形態である。第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、本質的に、各処理場に一時貯留槽というバッファが設けられており、これにより、大雨時や異常時に河川へ放流される高負荷の下水をできる限り減少させることができる点である。本発明では、このようなバッファが設けられた場合に、水融通運転ポンプの運転と貯留槽の運用をどのように行えば良いかを示している。
《第3の実施形態の効果》
第3の実施形態では主として以下の効果を得ることができる。
第1の実施形態の効果に加えて、処理場に一時貯留槽が設置されている場合に、水融通と貯留槽の運用を、異常時等のリスクの回避、コスト削減、水質維持・改善の3つの目的を同時に考慮して、実施することができる。
下水処理場には、新しい一時貯留槽が設置されていることはあまり多くは無いが、予備的な反応槽や沈殿池を保有していることが少なくなく、これらの反応槽や沈殿池は、通常利用されずに空いている状態になっていることが多い。このようなケースにおいて、本発明を用いると、第1の実施形態の効果をより高めることができる。つまり、異常時のリスク回避、コスト削減、水質の維持・改善の効果を第1の実施形態の効果をより高めることができる。
〈第4の実施形態〉
《第4の実施形態の構成》
第4の実施形態の構成を図8に示す。図8は、図6の構成に一時貯留槽を持たせたものである。つまり、図1と図7の差と図6と図8の差は同じである。
《第4の実施形態の作用》
この作用は、第1の実施形態の作用、第2の実施形態の作用、および第3の実施形態の作用を組み合わせたものである。第2の実施形態の作用と第1の実施形態の作用の相違点、および第3の実施形態の作用と第1の実施形態の作用の相違点を同時に考慮したものである。そのため、第4の実施形態の具体的手順は省略する。なお、第4の実施形態は、請求項4、6に対応する。
《第4の実施形態の効果》
本実施形態から得られる主たる効果は、以下の効果があげられる。
流入下水の汚濁物質濃度が計測できる場合に、第3の実施形態の効果をより高めることができる。
〈第5の実施形態〉
《第5の実施形態の構成》
第5の実施形態の構成は、図1、図6、図7、図8のいずれかの構成を基本的な構成要素として持ち、これらに付加的に割り込み操作を行わせるものである。具体的な割り込み操作の構成例を図9に示す。
図9は、図1、図6、図7、図8の構成で、オンラインで計算を行う部分が所定の周期で実施されていることを想定している。すなわち、所定の周期で時々刻々と変化する各処理場の流入量あるいは流入負荷量を計測し、これに基づいて、今までに示した各実施形態の通り、水融通運転のパターン決定等が実行されていることを想定している。
図9では、これを基本的な構成として、異常検出手段6と、放流負荷監視手段14と、河川影響度監視手段15と、が付加されている。異常検出手段6は、図1、図6、図7、図8に示したものと同一のものであって良いがオンライン計算を行う所定の周期よりも速い周期で実行されていることを前提としている。
《第5の実施形態の作用》
図9を用いて、第5の実施形態の作用を説明する。
まず、異常検出手段6は、今までの各実施形態で示したとおりに異常の検出を行っているが、オンライン計算を行う所定の周期でのみ行うわけではなく、それよりも速い周期で頻繁に異常検出を行っている。
また、放流負荷監視手段14では、BOD、COD、SS、TN、TPなどの放流水質センサで放流水の汚濁物質濃度を監視し、必要であれば、放流水量を計測する流量センサを用いて、これらの放流負荷量(汚濁物質濃度×放流水量)を計算して、監視している。この監視も、オンライン計算を行う所定の周期より速い周期で監視を行っている。
また、河川影響度監視手段15では、放流負荷量を河川に対する影響度に換算して、監視を行っている。これは、複数の処理場の放流負荷が河川に与える影響が異なることがあるためである。例えば、複数の処理場が上流から下流方向に設置されている場合、一般に上流側の処理場では、河川での自然浄化が期待されるため、ある程度放流負荷が高くても構わない。しかし、下流側の処理場では、河川での自然浄化が期待できないため、できる限り放流負荷を下げておくことが好ましい。河川影響度監視手段は、このような影響を勘案したものであり、放流負荷量あるいは放流汚濁物質濃度に対して予め設定した河川影響度係数を乗じた河川影響度をオンライン計算を行う所定の周期より速い周期で監視を行っている。
一方、第1の実施形態の作用〜第4の実施形態の作用に示したような方法で、水融通ポンプの運転ルールが所定の周期で時々刻々と決定されている。
第5の実施形態では、異常検出手段6、放流負荷監視手段14、あるいは、河川影響度監視手段15を所定の周期よりも速い周期で監視し、異常が検出されたり、放流負荷が悪化したり、河川への環境負荷が高くなった場合に、フィードバックで水融通ポンプの運転方法を変更しようというものである。
変更の方法として、2通りの方法を提案している。
ひとつの方法は、異常検出手段6、放流負荷監視手段14、あるいは、河川影響度監視手段15に対して、予め所定の閾値を設定しておいて、その閾値を越えた場合に、輸送機器運転可能パターン決定手段7に対して割り込みをかける。そして、異常が生じていたり、放流負荷が高くなっていたり、河川への環境影響度が大きくなっているような処理場に対して水を融通することを禁じるなどの割り込み指令を輸送機器の運転可能パターンに対して行い、制約をかける。この際、閾値をひとつだけ設けるのではなく、レベルに応じて複数の閾値を設けて、各々の閾値に対して、輸送機器の運転パターンの制約のかけ方を変更してもよい。
もうひとつの方法は、放流負荷監視手段14、あるいは、河川影響度監視手段15に対して、予め所定の閾値を設定しておいて、その閾値を越えた場合に、輸送機器運転パターン決定手段9において、コストを最小化する評価関数を切り替えるものである。閾値を越えない場合には、運転コストを優先して運転コストOCでの最適化を行い、水融通ポンプ等輸送機器の運転パターンを決定するが、閾値を越えた場合には水質コストECに切り替えて運転パターンを決定する。
以上のように、所定の周期で運用されている水融通ポンプの運転ルールに対して、フィードバック信号による訂正操作を割り込み指令により実施する水融通運用方法が、第5の実施形態の特徴的な作用であり、これが、請求項7〜請求項12に対応する実施形態の作用である。
《第5の実施形態の効果》
第5の実施形態では主として以下の効果を得ることができる。
第1の実施形態〜第4の実施形態は、基本的に流入量あるいは流入負荷をベースにした予測(あるいはフィードフォワード)に基づく水融通運用方法であったのに対し、第5の実施形態では、予測に対する修正・訂正(あるいはフィードバック)要素を負荷して、予測・修正型の水運用方法であるため、各種の異常、放流水質の悪化、河川水質の悪化に応じて迅速に修正操作を行う水融通運転が可能になる。
〈第6の実施形態〉
《第6の実施形態の構成》
第6の実施形態の構成は、図1、図6、図7、図8のいずれかの構成を基本的な構成要素として持ち、必要に応じて図9の構成をも付加的に持った上で、図1、図6、図7、図8の輸送機器運転パターン決定手段9を、図10に示す輸送機器最適運転支援手段16と、輸送機器運転パターン選定手段17に置換した構成を持つものである。輸送機器最適運転支援手段16は、運転可能機器識別表示装置161と、コスト表示装置162と、最適パターン表示装置163とから構成されている。
《第6の実施形態の作用》
図10、図11および図12を用いて、第6の実施形態の作用を説明する。
第6の実施形態は、輸送機器運転パターン決定手段9を自動的に実施するかわりに、運転可能な水融通ポンプや貯留水送水ポンプの運転可能な条件を運転員に提示して、運転員の判断で選択することの補助情報を提供することを目的としている。その部分についてのみ示す。
まず、運転可能機器識別表示装置161では、図11に示すように、全ての輸送機器(水融通ポンプ+貯留水送水ポンプ)を表示した上で、どの輸送機器が現在運転可能な状態であり、どの輸送機器が運転不可能な状態であるかを示す。図11では、青色で示したものが運転可能な状態の輸送機器であり、赤色で示したものが運転不可能な状態の輸送機器である。このように、色分けやその他の手段を利用して、運転可能機器識別表示装置161では、運転員に対して、運転可能・不可能な状態の輸送機器の識別情報を提供する。
次に、コスト表示装置162では、運転可能機器識別表示装置161で運転可能となっている輸送機器を用いて、輸送機器運転可能パターン決定手段7で運転可能となっている全ての運転パターンを表示すると同時に、各運転可能パターンを実行した場合の予想されるコストをコスト演算手段8で計算した上で表示する。この例を図12に示す。
次に、最適パターン表示装置163では、輸送機器運転可能パターン決定手段7で運転可能となった運転パターンの中で、コスト演算手段8で計算したコストが最小となるものを最適パターンであるとして表示する。例えば、図12で示すように、全ての可能な運転パターンの中で最適な運転パターンがどれであるかを識別できるような仕組みを作っておけばよい。
以上の作用によって、輸送機器最適運転支援手段16が実行され、これによって、運転員は、どのような運転が可能であり、各々の運転でどの程度の(予め定義した)コストが必要であるか、また、どの運転がそのコスト評価の観点で最適であるのかを知ることができる。
次に、輸送機器運転パターン選定手段17では、輸送機器最適運転支援手段16によって提示された支援情報に基づいて、運転員が最もよいと判断する運転パターンを選択する。これは、図12に示すように、例えば、チェックボックスのようなものを設けておいて、いずれかの運転パターンを選択できるようにしておけばよい。この際、通常は、輸送機器最適運転支援手段16で最適と判断された運転パターンを選択するが、運転員が各自の判断を加味して、最適と判断された運転パターンで無い別の運転パターンを選択することもできる。
以上が、第6の実施形態の特徴的な作用であり、これが、請求項13に対応する実施形態の作用である。
《第6の実施形態の効果》
第6の実施形態では主として以下の効果を得ることができる。
水融通運用方法を、完全に自動的に実行するのではなく、運転員の判断で実行を行う場合に、運転員に対して、極めて有用な支援情報を提供することができる。
請求項1〜請求項12までで考慮されていないけれども、運用上重要な情報を、完全自動の運用ではなく運転員の判断を運用の中にとり入れることによって、間接的に考慮することができ、より安全で信頼性の高い水融通運用が可能になる。
《第7の実施形態》
《第7の実施形態の構成》
第7の実施形態の構成は、既に今までに示したいずれかの実施形態において、図13あるいは図14のような支援情報を表示する装置を併せ持ったものである。
《第7の実施形態の作用》
図13と図14を用いて、第7の実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、今までに示した各実施形態で水融通ポンプや貯留水送水ポンプの運用方法を決定する際に、その決定した運用に対して、各種のモード名を与えて、そのモードを併せて表示するものである。
図13は、請求項14に示した判断に基づくモードの設定方法の例であり、図14は請求項14に示した判断に基づくモードの設定方法の例である。
請求項14と請求項15の違いは、モードの切り分けの判断基準の違いである。異常モードの判断基準は同じであるが、請求項14では、複数の運転可能パターンが存在する場合にコストを最小化する最適化が実行されることに着目して、コスト運転モードを定義している。異常でなくてコスト最小化が実行されない場合には、各処理場でオーバーフローが生じないように負荷調整を行っているので、(合流式下水の)オーバーフローによる河川放流負荷量を削減するモードとして合流改善モードと定義している。一方、請求項15では、最適な融通を選択した後に最終的に通常の処理量を超えるオーバーフロー(すなわち、簡易放流か一時貯留)が生じたか生じていないかに着目し、オーバーフローが生じた場合には、融通を行っても通常処理が不可能であるほど多量の雨が観測された豪雨モードと定義している。オーバーフローが生じない場合には、晴天であったか、あるいは雨天であっても水融通によりオーバーフローを避けられたと言う意味で非豪雨モードと定義している。
請求項14、15により、モードの切り分けは異なるが、表示を行う部分の作用は同じであり、各請求項のモード切り分けの判断基準に基づいて、モード判断を行った上で、図13あるいは図14に示すように、現在の運用モードを運転員に対して提示する。
以上が、第7の実施形態の特徴的な作用であり、これが、請求項14および請求項15に対応する実施形態の作用である。
《第7の実施形態の効果》
第7の実施形態では主として以下の効果を得ることができる。
運転モードを表示することは、水融通運用にとって必須ではないが、運転モードを定義して、それを運転員に対して表示することにより、水融通ポンプや貯留水送水ポンプが、何故現在の運転パターンで動作しているのかを概念的に運転員に理解させることができる。そのため、運転員が安心して運転を実行することができ、結果的に水融通ポンプや貯留水送水ポンプの運用の信頼性の向上につながる。
《他の実施形態》
なお、各実施形態において、コスト演算手段8は、ポンプやブロアの定格消費電力や性能曲線等の操作機器性能を入力する入力部を有し、設定された機器性能に応じてコスト演算するようにしても良い。このように構成することにより、設備休止、機器休止の条件考慮に関して、機器を変更した場合の各処理場における運転コストの変化をシステムに反映させることが可能となる。
また、各実施形態において、コスト演算手段8は、機器の故障・メンテナンスに起因する稼働不可能なポンプ・機器を自動抽出し、稼働可能ポンプ・機器のみからコスト演算するようにしても良い。このように構成することにより、設備休止、機器休止の条件考慮に関して、機器の故障、メンテナンス状況に応じて実際の運転コストをシステムに反映させることが可能となる。
また、各実施形態において、コスト演算手段8は、稼働系列を設定する稼働系列設定部を有し、設定された稼働系列においてコスト演算を実行するようにしても良い。このように構成することにより、稼働系列数が変わった場合の各処理場における運転コストの変化をシステムに反映させることが可能となる。
また、異常検出手段6は、多変量統計的プロセス監視に基づく異常診断システムを有するようにしても良い。多変量統計的プロセス監視に基づく“プロセス監視装置”については、特開2007−65883号公報に記載の手法を適用すれば良い。このように構成することにより、プロセスで生じる様々な異常、例えば、急激な負荷変動に起因する突発外乱、制御系の異常、プロセスの処理異常、センサ異常等をシステマティックに検出することができ、これによって、水融通ポンプをより適切に動作されることができる。
さらに、上述した各実施形態において、異常検出手段6として流入水質の異常を検出する流入水質異常検出装置を備えるようにしても良い。
この場合、流入水質異常検出装置は以下のような手法が好ましい。
(1)シアン計やバイオセンサ等の毒物センサを設置して流入水の異常を検出する。
(2)曝気槽に設定した呼吸速度計により呼吸活性を検出し、活性が閾値以下に落ちた場合に異常を検出する。
(3)流入水のpHを測定し、pH値が高い閾値以上、低い閾値以下の場合に異常と判定する。
(4)DOと曝気風量のデータを蓄積しておき、曝気風量とDOの関係が崩れ、同等の曝気風量に対するDOが高すぎる場合に生物活性が低下した異常状態と判定する。
(5)流入水をサンプリングしてDO計を配し、所定濃度の活性汚泥を含んだDO計を配した小型槽に導入し、所定量の空気を供給した際の酸素消費速度を計測し、消費速度がある閾値以下になる、または消費速度の変化率が非常に大きい場合に異常と判定する。
(6)上記(1)〜(6)の異常検出において、各曝気槽または汚泥貯留槽の汚泥または別の小型の汚泥培養槽の汚泥を小型槽に導入できるように構成し、異常が生じた場合でも小型槽には流入水を随時サンプリングし、小型槽の汚泥を順次、正常な活性汚泥と入替ながら、酸素消費速度を計測し、消費速度が回復した際に流入水が正常となったと判定する。
(7)流入水をサンプリングして、小魚等の生物を入れたバッチ型の小型槽に導入し、生物の行動を監視し、変化が生じた場合に異常と判定する。
(8)上記(1)〜(7)の手法を組み合わせて異常を判定する。
このように、この実施形態によれば、流入水異常が生じた場合にあっても適切な水融通を行うことができる。なお、流入水の異常は、通常他の処理場へも影響を及ぼすため、請求項7に記載のように、運転可能パターンの制約は、自処理場への融通を止めると同時に他処理場への融通も行わないことにより、結果的に、流入水異常の場合には、その処理場に対する如何なる融通も行わないことになる。
本発明の下水処理場間の水融通運用装置を2処理場間の水運用を前提として実施する場合の構成図(流入量に基づいた場合)。 流入量からブロワやポンプの風量・流量を推定するためのパラメータ設定方法を示す説明図(比率一定制御を前提とした場合)。 流入量からブロワやポンプの風量・流量を推定するためのパラメータ設定方法を示す説明図(比率一定制御を前提としない場合)。 流入量と各種の運転コストの関係式をグラフで表現した例(A処理場)を示す説明図。 流入量と各種の運転コストの関係式をグラフで表現した例(B処理場)を示す説明図。 本発明の下水処理場間の水融通運用装置を2処理場間の水運用を前提として実施する場合の構成図(流入負荷量に基づいた場合)。 本発明の下水処理場間の水融通運用装置を、2処理場間の水運用を前提として実施する場合の構成法図(貯留槽を併用し、かつ、流入量に基づいた場合)。 本発明の下水処理場間の水融通運用装置を、2処理場間の水運用を前提として実施する場合の構成法図(貯留槽を併用し、かつ、流入負荷量に基づいた場合)。 本発明の下水処理場間の水融通運用装置が所定の周期で実行されている場合に、各種のフィードバック情報を取り込んで割り込み処理で実施する方法を示す説明図。 本発明の下水処理場間の水融通運用装置を自動的に実施せずに運転員への支援情報を提供する構成とする場合の装置の変更点を示した構成図。 運転可能な輸送機器(水融通ポンプ+貯留水送水ポンプ)を識別するための表示の例を示す説明図。 運転可能な全てのパターンの表示方法、各パターン毎のコストの表示方法、最適な運転パターンの表示方法、および運転員が運転パターンを選択する方法を表現した例を示す説明図。 現在の運転モードを表示させる例を示す説明図。 現在の運転モードを表示させる例を示す説明図。
符号の説明
1…河川流域処理場群
1A1…A処理場
1A2…A排水区
1A3…連結管結合部
1A4…A→B連結管
1A5…A→B水融通ポンプ
1A6…A処理場流入量センサ
1A7…A処理場異常検出用プロセスセンサ
1A8…A処理場余剰汚泥濃度センサ
1A9…A処理場ブロワ・ポンプ流量センサ
1A10…A処理場流入汚濁物質センサ
1A11…A処理場の貯留槽
1A12…A処理場貯留水送水ポンプ
1A13…A処理場貯留量センサ
1B1…B処理場
1B2…B排水区
1B3…連結管結合部
1B4…B→A連結管
1B5…B→A水融通ポンプ
1B6…B処理場流入量センサ
1B7…B処理場異常検出用プロセスセンサ
1B8…B処理場余剰汚泥濃度センサ
1B9…B処理場ブロワ・ポンプ流量センサ
1B10…B処理場流入汚濁物質センサ
1B11…B処理場の貯留槽
1B12…B処理場貯留水送水ポンプ
1B13…B処理場貯留量センサ
2…プロセスデータ収集・保存部
21…プロセスオンライン計測データ収集・保存部
22…プロセス情報データ収集・保存部
3…処理可能最大水量決定手段
4…コスト演算パラメータ設定手段
5…流入量演算手段
6…異常検出手段
7…輸送機器運転可能パターン決定手段
8…コスト演算手段
9…輸送機器運転パターン決定手段
10…汚水処理方法決定手段
11…処理可能最大負荷量決定手段
12…流入負荷量演算手段
13…貯留量演算手段
14…放流負荷監視手段
15…河川影響度監視手段
16…輸送機器最適運転支援手段
161…運転可能機器識別表示装置
162…コスト表示装置
163…最適パターン表示装置
17…輸送機器運転パターン選定手段

Claims (20)

  1. 各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、
    各処理場毎の処理可能最大水量を決定する処理可能最大水量決定手段と、
    各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、
    前記流入量演算手段によって求められた流入量を少なくとも一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段と、
    各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、
    前記流入量演算手段によって求められた流入量、前記処理可能最大水量決定手段によって決定された処理可能最大水量、および前記異常検出手段によって検出された異常情報に基づいて前記各処理場に設置された融通水輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転可能パターンによって決定された輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大水量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段と、
    を有することを特徴とする水融通運用装置。
  2. 各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、
    各処理場毎の処理可能最大負荷量(=水量×汚濁物質濃度)を決定する処理可能最大負荷量決定手段と、
    各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、
    各処理場へ流入する汚濁物質濃度を求める流入汚濁物質濃度演算手段と、
    前記流入量演算手段で求められた流入量と流入汚濁物質濃度演算手段で求められた流入汚濁物質濃度とから流入負荷量(=流入量×流入汚濁物質濃度)を求める流入負荷量演算手段と、
    前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段と、
    各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、
    前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量、前記処理可能最大負荷量決定手段によって決定された処理可能最大負荷量、および前記異常検出手段によって生成された異常情報に基づいて前記各処理場に設置された融通水輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大負荷量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段と、
    を有することを特徴とする水融通運用装置。
  3. 各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成する一方、各処理場には一時的に流入水を貯留しておくための貯留槽または非稼働の反応槽や非稼働の沈殿池などの代用貯留槽と、所定の台数、および所定の輸送能力を持つ貯留水返送輸送機器とを設置し、この貯留水返送輸送機器を用いて、貯留槽に貯留された貯留水を処理槽へ送り返すように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、
    各処理場毎の処理可能最大水量を決定する処理可能最大水量決定手段と、
    各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、
    前記流入量演算手段によって求められた流入量を少なくとも一つの入力として、コストを求めるコスト演算手段と、
    各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、
    各処理場の貯留水に貯留された貯留量を求める貯留量演算手段と、
    前記流入量演算手段と前記処理可能最大水量決定手段、前記異常検出手段、および前記貯留量演算手段から、前記各処理場に設置された融通水輸送機器と貯留水返送輸送機器の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような輸送機器の運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大水量Qmax (i=1,…,M)を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には前記貯留槽へ貯留を行った後に貯留槽容積を越えた場合に簡易処理後放流あるいは直接放流を行う汚水処理方法決定手段と、
    を有することを特徴とする水融通運用装置。
  4. 各処理場間を連結管を通して相互に連結するとともに、各処理場には所定の台数、および所定の輸送能力を持つ融通水輸送機器を設置し、これらの融通水輸送機器を用いて、各処理場間で前記連結管を通して相互に水融通を行うように構成する一方、各処理場には一時的に流入水を貯留しておくための貯留槽または非稼働の反応槽や非稼働の沈殿池などの代用貯留槽と、所定の台数、および所定の輸送能力を持つ貯留水返送輸送機器とを設置し、この貯留水返送輸送機器を用いて、貯留槽に貯留された貯留水を処理槽へ送り返すように構成した処理場群を対象とした水融通運用装置であって、
    各処理場毎の処理可能最大負荷量(=水量×汚濁物質濃度)を決定する処理可能最大負荷量決定手段と、
    各処理場への流入量を求める流入量演算手段と、
    各処理場へ流入する汚濁物質濃度を求める流入汚濁物質濃度演算手段と、
    前記流入量演算手段で求められた流入量と流入汚濁物質濃度演算手段で求められた流入汚濁物質濃度とから流入負荷量(=流入量×流入汚濁物質濃度)を求める流入負荷量演算手段と、
    前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として各処理場におけるコストを求めるコスト演算手段と、
    各処理場で生じる各種の異常を検出して異常情報を生成する異常検出手段と、
    各処理場の貯留水に貯留された貯留量を求める貯留量演算手段と、
    各処理場の貯留水の汚濁物質濃度を求める貯留汚濁物質濃度演算手段と、
    前記貯留量演算手段と前記貯留汚濁物質濃度演算手段とから計算される貯留負荷量(=貯留量×貯留汚濁物質濃度)を演算する貯留負荷量演算手段と、
    前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量、前記処理可能最大負荷量決定手段によって決定された処理可能最大負荷量、前記異常検出手段によって生成された異常情報、および貯留負荷量演算手段によって求められた貯留負荷量に基づいて前記各処理場に設置された融通水輸送機器および貯留水返送輸送機器の各の運転可能なパターンを決定する輸送機器運転可能パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まる場合にはそれを運転パターンとし、前記輸送機器運転可能パターンが一意に決まらず複数の運転パターンが選択できる場合には、前記コスト演算手段で演算されたコストが最小となるような融通水輸送機器および貯留水返送輸送機器の各運転パターンを決定する輸送機器運転パターン決定手段と、
    前記輸送機器運転パターンによって融通水輸送機器を運転した場合の各処理場への流入量が、各処理場の処理可能最大負荷量を越えない場合には通常処理を行い、越える場合には前記貯留槽へ貯留を行った後に貯留槽容積を越えた場合に、簡易処理後放流または直接放流を行う汚水処理方法決定手段と、
    を有することを特徴とする水融通運用装置。
  5. 請求項1または請求項3に記載の水融通運用装置において、
    前記流入量演算手段は、処理場への流入量を計測するセンサによって求められる流入量計測値、または流入量を予測する流入量予測装置によって求められる流入量予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、
    前記コスト演算手段は、
    前記流入量演算手段で求められた流入量計測値または流入量予測値を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの風量・流量を推定し、これら機器の運転コストの総和を計算する運転コスト演算手段、
    または、前記流入量演算手段によって求められた流入量計測値または流入量予測値を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの流量・風量を推定し、求められた流入量計測値または流入量予測値と推定された各種機器の流量・風量とから放流水の汚濁物質濃度×放流水量で表される放流負荷量を推定して放流汚濁負荷を金額換算した水質コストを計算する水質コスト演算手段、
    または、前記運転コスト演算手段で求められた運転コストと前記水質演算手段で求められた水質コストの総和である総コストを計算する総コスト演算手段、
    のいずれかであることを特徴とする水融通運用装置。
  6. 請求項2または請求項4に記載の水融通運用装置において、
    前記流入量演算手段は、処理場への流入量を計測するセンサによって求められる流入量計測値、または流入量を予測する流入量予測装置によって求められる流入量予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、
    流入汚濁物質濃度演算手段は、処理場へ流入する汚濁物質濃度を計測するセンサによって求められる汚濁物質濃度計測値、または汚濁物質濃度予測装置によって求められる汚濁物質濃度予測値の少なくともいずれかを求める手段であり、
    前記コスト演算手段は、
    前記流入負荷量演算手段で求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの風量・流量を推定し、これら機器の運転コストの総和を計算する運転コスト演算手段、
    または、前記流入負荷量演算手段によって求められた流入負荷量を少なくとも一つの入力として前記処理場のブロワやポンプの流量・風量を推定し、求められた流入負荷量と推定された各種機器の流量・風量とから放流水の汚濁物質濃度×放流水量で表される放流負荷量を推定して放流汚濁負荷を金額換算した水質コストを計算する水質コスト演算手段、
    または、前記運転コスト演算手段で求められた運転コストと前記水質演算手段で求められた水質コストの総和である総コストを計算する総コスト演算手段、
    のいずれかであることを特徴とする水融通運用装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記異常検出手段によって異常が検出された場合に、異常が検出された処理場に対して水融通を行うことを禁止するとともに、検出された異常が自処理場のみに影響するものか他処理場にも影響する者かを判定する判定手段を備え、異常が他処理場へ影響すると判定された場合には、他処理場への水融通を行うことを禁止するよう、割り込み操作によって前記輸送機器運転パターンを修正する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    各処理場からの放流水の汚濁物質濃度または放流汚濁負荷量(放流汚濁物質濃度×放流量)を求める放流負荷演算装置と、
    前記放流水汚濁物質濃度または放流汚濁負荷量が高い(悪い)か低い(良い)かを判断する放流負荷良否判断装置とを更に備え、
    前記放流水汚濁物質濃度または放流汚濁負荷量が前記放流負荷判断装置によって悪いと判断された処理場が存在した場合に、その処理場に対して水融通を行うことを禁止するとともに、検出された異常が自処理場のみに影響するものか他処理場にも影響するものかを判定する判定手段を備え、異常が他処理場へ影響すると判定された場合には、他処理場への水融通を行うことを禁止するよう、割り込み操作によって前記輸送機器運転パターンを修正する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  9. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    各処理場からの放流汚濁負荷量(放流汚濁物質濃度×放流量)を求める放流負荷演算装置と、
    放流汚濁負荷量が河川環境へ与える影響を勘案した河川影響度係数を設定し、各処理場からの放流負荷量と河川影響度係数を掛け合わせた河川影響度を演算する河川影響度演算手段と、
    前記河川影響度演算手段で演算される河川影響度が高い(悪い)か低い(良い)かを判断する河川影響度良否判断装置とを更に備え、
    前記河川影響度が前記河川影響度良否判断装置によって高いと判断された処理場が存在した場合に、その処理場に対して水融通を行うことを禁止し、河川影響度が高くなった原因が自処理場のみに影響するものか他処理場にも影響するものかを判定する判定手段を備え、河川影響度が高くなった原因が処理場へ影響すると判定された場合には、他処理場へ水融通を行うことを禁止するよう、割り込み操作によって前記輸送機器運転パターンを修正する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    異常の有無/放流汚濁負荷量の高低/河川影響度の高低、という2値の判断ではなく、3値以上の判断レベルを持つことを特徴とし、
    異常レベル/放流汚濁負荷量レベル/河川影響度のレベルに応じて、異常の生じた処理場/放流汚濁負荷量の高い処理場/河川影響度の高い処理場に対する水融通を行うことのできる水融通輸送機器台数を制限するように前記輸送機器運転パターンを修正する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    各処理場からの放流水の汚濁物質濃度あるいは放流汚濁負荷量(放流汚濁物質濃度×放流量)を計測するあるいは推定する放流負荷演算装置と、
    前記放流水汚濁物質濃度あるいは放流汚濁負荷量が高い(悪い)か低い(良い)かを判断する放流負荷良否判断装置とを更に備え、
    前記放流水汚濁物質濃度あるいは放流汚濁負荷量が前記放流負荷判断装置によって悪いと判断された処理場では、前記コスト演算手段として、水質コストECあるいは総コストを採用し、良いと判断された処理場では、前記コスト演算手段として運転コストを採用する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  12. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    各処理場からの放流汚濁負荷量(放流汚濁物質濃度×放流量)を計測するあるいは推定する放流負荷演算装置と、
    放流汚濁負荷量が河川環境へ与える影響を勘案した河川影響度係数を設定し、各処理場からの放流負荷量と河川影響度係数を掛け合わせた河川影響度を演算する河川影響度演算手段と、
    前記河川影響度演算手段で演算される河川影響度が高い(悪い)か低い(良い)かを判断する河川影響度良否判断装置とを更に備え、
    前記河川影響度が前記河川影響度良否判断装置によって高いと判断された処理場では、前記コスト演算手段として、水質コストECあるいは総コストTCを採用し、良いと判断された処理場では、前記コスト演算手段として運転コストOCを採用する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  13. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記輸送機器運転パターン決定手段に替えて
    前記輸送機器運転可能パターン決定手段によって決定された運転可能な輸送機器と残りの運転不可能な輸送機器を識別できるように表示する運転可能輸送機器識別表示装置と、
    前記コスト演算手段によって演算された各運転パターン毎のコストを前記表示装置の運転可能な輸送機器に付帯して表示するコスト表示装置と、
    好ましくは、前記コスト演算手段によって演算された最小コストの運転パターンを選択することを助言する最適運転パターン表示装置と、
    を有する輸送機器最適運転支援手段と、
    前記輸送機器最適運転支援手段によって提供されている情報に基づいて、運転員がどの運転パターンを選択するかを決定する輸送機器運転パターン選定手段と、
    を有することを特徴とする水融通運用装置。
  14. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記異常検出手段によって異常が検出されている場合を「異常モード」とし、
    「異常モード」でなく、前記輸送機器運転可能パターン決定手段による運転可能パターンが複数存在する場合を「コスト運転モード」とし、
    「異常モード」でなくかつ「コスト運転モード」でもない場合を「合流改善モード」とし、
    これらの「異常モード」、「コスト運転モード」、「合流改善モード」のどのモードで運用されているかを表示させる運転モード表示装置を有する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  15. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記異常検出手段によって異常が検出されている場合を「異常モード」とし、
    「異常モード」でなく、前記輸送機器運転可能パターン決定手段による運転可能パターンが唯一に決定され、かつ、貯留あるいは簡易放流が生じる場合を「豪雨モード」とし、
    「異常モード」でなくかつ「豪雨モード」でもない場合を「非豪雨モード」とし、
    これらの「異常モード」、「豪雨モード」、「非豪雨モード」のどのモードで運用されているかを表示させる運転モード表示装置を有する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  16. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記コスト演算手段は、ポンプやブロアの定格消費電力や性能曲線等の操作機器性能を入力する入力部を有し、設定された機器性能に応じてコスト演算する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  17. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記コスト演算手段では、機器の故障・メンテナンスに起因する稼働不可能なポンプ・機器を自動抽出し、稼働可能ポンプ・機器のみからコスト演算する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  18. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記コスト演算手段では、稼働系列を設定する稼働系列設定部を有し、設定された稼働系列においてコスト演算を実行する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  19. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記異常検出手段は、多変量統計的プロセス監視に基づく異常診断システムを有する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
  20. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水融通運用装置において、
    前記異常検出手段として、流入水質異常検出装置を有する、
    ことを特徴とする水融通運用装置。
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