JP2009113166A - フィルム状物裁断用治具、フィルム状物裁断装置、及びフィルム状物裁断方法 - Google Patents

フィルム状物裁断用治具、フィルム状物裁断装置、及びフィルム状物裁断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便な構造でありながらも、フィルム状物を高精度で裁断することができるフィルム状物裁断用治具を提供する。
【解決手段】 フィルム状物裁断用治具10は、フィルム状物を裁断する裁断カッターの刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となるフィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材11と、差し込まれた裁断カッターの刃を裁断方向に案内する案内溝22が穿設された部材でありフィルム状物の裁断位置を画定する可動部材21とを備える。可動部材21は、本体部材11に連結されており、延在領域に延在させたフィルム状物の上方に案内溝22を位置させるように本体部材11に対して可動とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィルム状物を裁断する際に用いて好適なフィルム状物裁断用治具及びフィルム状物裁断装置、並びに、これらフィルム状物裁断用治具及びフィルム状物裁断装置を用いてフィルム状物を裁断するフィルム状物裁断方法に関する。
フィルム状物からなる製品を製造するにあたっては、製品の仕様や次製品への切り替え時に対応するために、当該製品としてのフィルム状物を裁断し、別のフィルム状物を繋いで製造ラインの運転を再開するという作業を繰り返し行っている。この繋ぎの作業は、例えば図11に示すような専用の作業テーブル100を治具として用い、その作業テーブル100上で行われるのが通常である。具体的には、この作業は、裁断用の案内溝101が穿設された作業テーブル100上にフィルム状物Fを固定した上で、裁断カッター102の刃を案内溝101に差し込むようにして当該案内溝101に沿って移動させ、フィルム状物Fを裁断することによって行われている。
また、板状物を裁断するための治具として、特許文献1に記載された板状物切断加工用作業台が提案されている。この板状物切断加工用作業台は、電動カッターの切断刃を受け入れ可能な一定幅と深さとを有する切断刃通過溝を板状物載置台盤に設けるとともに、この板状物載置台盤を用いて構成された所定の切断加工治具台上に、電動カッターを案内するガイド部材を設けたものである。
特開平4−320801号公報
しかしながら、従来の治具においては、例えば図12に示すように、裁断カッター102の刃を案内溝101に差し込むようにしてフィルム状物Fを裁断することから、その裁断位置においては当該フィルム状物Fを支持するものが存在しない状態となる。したがって、従来の治具においては、裁断カッター102の刃先をフィルム状物Fに当接させた際に当該フィルム状物Fが案内溝101に入り込んでしまい、これに起因して、当該フィルム状物Fの損傷や裁断面の歪みが発生する事態を招来し、精度のよい裁断加工を行うことができないという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、簡便な構造でありながらも、精度のよい裁断加工を実現することができるフィルム状物裁断用治具及びフィルム状物裁断装置、並びに、これらフィルム状物裁断用治具及びフィルム状物裁断装置を用いてフィルム状物を高精度に裁断するフィルム状物裁断方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかるフィルム状物裁断用治具は、フィルム状物を裁断する際に用いられるフィルム状物裁断用治具であって、上記フィルム状物を裁断する裁断刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となる上記フィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材と、差し込まれた上記裁断刃を裁断方向に案内する貫通案内溝が穿設された部材であり上記フィルム状物の裁断位置を画定する可動部材とを備え、上記可動部材は、上記本体部材に連結されており、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させるように上記本体部材に対して可動とされることを特徴としている。
また、上述した目的を達成する本発明にかかるフィルム状物裁断装置は、フィルム状物を裁断するフィルム状物裁断装置であって、上記フィルム状物を裁断する裁断刃と、上記裁断刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となる上記フィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材と、差し込まれた上記裁断刃を裁断方向に案内する貫通案内溝が穿設された部材であり上記フィルム状物の裁断位置を画定する可動部材とを備え、上記可動部材は、上記本体部材に連結されており、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させるように上記本体部材に対して可動とされることを特徴としている。
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかるフィルム状物裁断方法は、フィルム状物を裁断するフィルム状物裁断方法であって、上記フィルム状物を裁断する裁断刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となる上記フィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材に、当該フィルム状物を延在させる工程と、差し込まれた上記裁断刃を裁断方向に案内する貫通案内溝が穿設されて上記本体部材に連結された部材であり上記フィルム状物の裁断位置を画定する可動部材を、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させるように上記本体部材に対して可動させる工程と、少なくとも上記可動部材によって押さえた上記フィルム状物の領域については張力をもった状態となるように、当該フィルム状物を当該可動部材によって固定する工程と、上記貫通案内溝に差し込まれた上記裁断刃の刃先を上記フィルム状物に当接させて上記貫通案内溝に沿って移動させ、当該フィルム状物を裁断する工程とを備えることを特徴としている。
このような本発明にかかるフィルム状物裁断用治具、フィルム状物裁断装置、及びフィルム状物裁断方法においては、裁断刃の差し込み側とは反対側に貫通案内溝を位置させるのではなく、延在領域に延在させたフィルム状物に対する裁断刃の差し込み側に貫通案内溝を位置させる。したがって、本発明にかかるフィルム状物裁断用治具、フィルム状物裁断装置、及びフィルム状物裁断方法においては、裁断時に、裁断刃の刃先をフィルム状物に当接させた際に当該フィルム状物が貫通案内溝に入り込んでしまうのを回避することができる。
本発明によれば、裁断時に裁断刃の刃先をフィルム状物に当接させた際に当該フィルム状物が貫通案内溝に入り込んでしまうのを回避することができることから、フィルム状物の損傷や裁断面の歪みが発生するのを確実に回避することができ、簡便な構造でありながらも、高精度の裁断加工を実現することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、例えば接着フィルム等の多層フィルムをはじめとする各種フィルム状物を裁断する際に用いられるフィルム状物裁断用治具である。特に、このフィルム状物裁断用治具は、差し込まれた裁断カッターの刃を裁断方向に案内するための案内溝を、裁断対象となるフィルム状物に対する当該裁断カッターの刃の差し込み側に位置させる構造を有するものである。
図1にフィルム状物裁断用治具10の斜視図を示し、図2にフィルム状物裁断用治具10の平面図を示し、図3にフィルム状物裁断用治具10の側面図を示す。フィルム状物裁断用治具10は、その主形状が本体部材11によって形成される。
本体部材11は、内部が中空とされた矩形状に形成された枠部材であり、後述するように、裁断対象となるフィルム状物を延在させる延在領域を画定する部材である。なお、本体部材11は、単一の部材として形成される必要はなく、例えば矩形の各辺毎に異なる部材によって形成し、これら部材をネジ等によって接続することによって形成されてもよい。図1乃至図3には、矩形の各辺をそれぞれ部材11a,11b,11c,11dによって形成し、これら部材11a,11b,11c,11dをネジ12によって接続した本体部材11を具体例として示している。勿論、これら部材11a,11b,11c,11d自体も、それぞれ、単一部材ではなく、複数の部材を組み合わせて形成してもよい。すなわち、ここでの本体部材11は、全体として矩形状の枠体として形成された部材を意味する。
また、フィルム状物裁断用治具10は、フィルム状物の裁断位置を画定する部材として、本体部材11に連結された柱状の可動部材21を備える。この可動部材21は、本体部材11の1辺の略中央部から、その辺と対向する辺の略中央部にわたって横架可能に構成される。図1乃至図3には、本体部材11の矩形を形成する部材11cの略中央部から、この部材11cと対向する部材11dの略中央部にわたって、当該本体部材11を横切るように可動部材21が横架されている様子を示している。このような可動部材21は、図4に示すように、その基端21aが部材11cの略中央部に回動自在に連結されており、同図中矢印Aで示すように、この基端21aを回動軸として回動操作されることにより、起立姿勢と横架姿勢との間で姿勢を変化させることが可能に構成される。
また、この可動部材21には、横架姿勢のときに上面となる面から下面となる面にかけて貫通するように案内溝22が穿設されている。この案内溝22は、後述するように、フィルム状物を裁断する手動式又は電動式の裁断カッターの刃を差し込んで裁断方向に案内するために設けられるものである。具体的には、この案内溝22は、図5(A)に断面図を示すように、裁断カッター50の刃を差し込みやすいように、横架姿勢のときに上面となる面側に、刃の肉厚よりも広い幅からテーパ状や斜状にその幅が漸減するように形成された差し込み口22aが設けられるとともに、この差し込み口22aから横架姿勢のときに下面となる面側に連通して、刃の肉厚と略同一の幅からなる直線状溝22bが設けられて構成される。ここで、直線状溝22bの幅は、裁断カッター50の刃の肉厚と略同一の幅からなるが、裁断精度を向上させるために、あそびが生じないような幅、具体的には図5(B)に示すように、裁断カッター50の刃先以外の刃の肉厚と同一幅とするのが最も望ましい。具体的には、裁断カッター50の刃先以外の刃の肉厚が0.4mmであった場合には、直線状溝22bの幅も0.4mmとするのが最も望ましい。可動部材21においては、直線状溝22bの幅を裁断カッター50の刃先以外の刃の肉厚と同一幅とすることにより、直線状溝22bを形成する両面により、当該裁断カッター50の刃先以外の刃面を押さえることができ、差し込まれた裁断カッター50の刃がブレてしまうのを防止することができる。また、このような裁断カッター50の刃のブレを防止するために、可動部材21には、裁断カッター50に応じて直線状溝22bの幅を調整するために、すりわり付き止めネジ(イモネジ)等、所定の溝幅調整機構を設けるのが望ましい。さらに、可動部材21においては、フィルム状物の裁断長が決められている場合には、その裁断長に合わせて可動部材21の長手方向に沿った直線状溝22bの長さを調整するために、直線状溝22bを所定長だけ開閉するスライド式の目盛り付き開閉蓋等、所定の溝長調整機構を設けてもよい。さらにまた、可動部材21においては、裁断カッター50の刃先以外の刃面を、直線状溝22bを形成する両面によって確実に押さえるために、直線状溝22bの長さをある程度確保した方が望ましい。具体的には、可動部材21においては、差し込み口22a及び直線状溝22bからなる案内溝22の全長を20mm程度とするのが望ましい。
さらに、この可動部材21には、図4に示すように、横架姿勢のときに下面となる面における案内溝22の両側に、固定用ゴム材23が貼着されている。この固定用ゴム材23は、フィルム状物を裁断するために当該可動部材21を横架姿勢としたときに、当該フィルム状物に接触する部材であり、当該可動部材21と当該フィルム状物との滑り止めの機能を果たす部材である。可動部材21においては、この固定用ゴム材23を設けることにより、フィルム状物と当該固定用ゴム材23との摩擦力により、当該フィルム状物を確実に押さえて固定することができ、また、当該フィルム状物の損傷を防止することができる。
このような各部材から構成されるフィルム状物裁断用治具10は、クリーンルーム等において使用可能とするために、塵埃を生じさせず且つ導電性対策を施しやすい材料を用いて構成するのが望ましい。例えば、本体部材11や可動部材21、その他のネジ類等は、例えばステンレス鋼等の導電性対策を施しやすい金属材料や樹脂材を用いて形成するのが望ましく、また、固定用ゴム材23は、所定の硬度を有する導電性ゴムを用いて形成するのが望ましい。
さて、このようなフィルム状物裁断用治具10においては、本体部材11及び可動部材21により、フィルム状物を延在させる延在領域が画定される。具体的には、図2及び図3に示すように、本体部材11の横方向の長さX、本体部材11の縦方向の長さY、及び、本体部材11の部材11a,11bの上縁と横架姿勢とされた可動部材21の下縁との間の長さZによって形成される空間が、フィルム状物を延在させる延在領域となる。
そして、フィルム状物裁断用治具10においては、裁断時には、例えば図6に示すように、可動部材21を起立姿勢とした上で、フィルム状物を延在させる延在領域のうち、少なくとも可動部材21を横架姿勢としたときの当該可動部材21の下方位置に、上面が平坦面とされたプレート材30を載置する。このプレート材30は、裁断カッター50の刃を受ける刃受け台として用いられる部材である。そのため、プレート材30の平坦面は、裁断カッター50の刃の硬度よりも大きい硬度を有する材料を用いて構成するのが望ましい。また、プレート材30の高さは、可動部材21を横架姿勢としたときに、可動部材21に貼着された固定用ゴム材23が当該プレート材30の平坦面に触れる程度の高さとされる。なお、フィルム状物裁断用治具10は、予めプレート材30を本体部材11に一体的に固設していてもよい。いずれにせよ、フィルム状物裁断用治具10は、本体部材11を介して刃受け台に固定された状態で使用される形態であればよい。ただし、フィルム状物裁断用治具10は、予め刃受け台に相当する部材を設けた構成の場合には、当該部材の重量だけ重くなり、取り扱い性の低下を招来することになる。また、フィルム状物裁断用治具10は、特に図示しないが、プレート材30を本体部材11に着脱可能に取り付けるように構成してもよい。これにより、フィルム状物裁断用治具10においては、刃受け台としてのプレート材30の平坦面の劣化状況等に応じて、当該プレート材30を交換することができ、裁断精度の向上を図ることができる。
フィルム状物裁断用治具10においては、このようなプレート材30を配設した状態で、例えば図7に示すように、図示しないローラから繰り出されて水平方向に流れてきた長尺状のフィルム状物Fをプレート材30の上方に延在させるように延在領域内において配置させ、図8に示すように、可動部材21を回動させて本体部材11の上方において横架姿勢とする。すなわち、フィルム状物裁断用治具10においては、延在領域に延在させたフィルム状物Fの上方に案内溝22を位置させるように本体部材11に対して可動部材21を回動させる。これにより、フィルム状物裁断用治具10においては、横架姿勢とされた可動部材21により、フィルム状物Fの裁断位置を画定することができる。このとき、フィルム状物Fは、可動部材21に貼着された固定用ゴム材23によって確実に固定され、少なくとも可動部材21によって押さえられた領域については張力をもった状態とされる。換言すれば、フィルム状物裁断用治具10においては、フィルム状物Fにおける少なくとも裁断部分の付近のみに張力を与えればよく、ローラから繰り出されたフィルム状物Fの全体にわたって張力を与える必要がない。そのため、フィルム状物裁断用治具10においては、フィルム状物Fを繰り出すための制御が簡便となり、裁断用の全体機構としても簡便な構成とすることができる。
このように、フィルム状物裁断用治具10においては、可動部材21を横架姿勢としてフィルム状物Fの裁断位置を画定すると、当該可動部材21の案内溝22に上方から裁断カッター50の刃を差し込み、当該裁断カッター50の刃先をフィルム状物Fに当接させて案内溝22に沿って移動させることにより、フィルム状物Fを裁断することができる。
また、フィルム状物裁断用治具10においては、プレート材30の代わりに通常の作業台を利用してフィルム状物Fの裁断を行うようにしてもよい。
すなわち、フィルム状物Fを裁断するにあたっては、例えば図9に示すように、天板が平坦面とされた作業台40を用いる。この作業台40は、裁断カッター50の刃を受ける刃受け台として用いられる。そのため、作業台40の平坦面は、裁断カッター50の刃の硬度よりも大きい硬度を有する材料を用いて構成するのが望ましい。また、この作業台40の平坦面には、フィルム状物裁断用治具10を挿嵌するための固定用溝41が穿設されている。この固定用溝41は、フィルム状物裁断用治具10の外縁形状に応じた形状に穿設されており、挿嵌された当該フィルム状物裁断用治具10を作業台40に固定する機能を果たす。なお、固定用溝41の深さは、可動部材21を横架姿勢としたときに、可動部材21に貼着された固定用ゴム材23が作業台40の平坦面に触れる程度の深さとされる。
フィルム状物裁断用治具10は、このような作業台40の固定用溝41に挿嵌されることにより、当該作業台40に固定される。これにより、作業台40の平坦面のうち固定用溝41に囲まれた領域は、本体部材11の中空部分に臨むことになる。フィルム状物裁断用治具10においては、この本体部材11の中空部分に臨んだ領域を刃受け台として利用する。すなわち、フィルム状物裁断用治具10は、本体部材11を介して刃受け台に固定された状態で使用される。フィルム状物裁断用治具10においては、このようにして作業台40に固定された状態で、例えば図10に示すように、図示しないローラから繰り出されて水平方向に流れてきた長尺状のフィルム状物Fを作業台40の上方に延在させるように延在領域内において配置させ、可動部材21を回動させて本体部材11の上方において横架姿勢とする。これにより、フィルム状物裁断用治具10においては、横架姿勢とされた可動部材21により、フィルム状物Fの裁断位置を画定することができる。この場合においても、フィルム状物Fは、可動部材21に貼着された固定用ゴム材23によって確実に固定され、少なくとも可動部材21によって押さえられた領域については張力をもった状態とされる。
このように、フィルム状物裁断用治具10においては、作業台40を用いた場合であっても、可動部材21を横架姿勢としてフィルム状物Fの裁断位置を画定すると、当該可動部材21の案内溝22に上方から裁断カッター50の刃を差し込み、当該裁断カッター50の刃先をフィルム状物Fに当接させて案内溝22に沿って移動させることにより、フィルム状物Fを裁断することができる。
以上のように、フィルム状物裁断用治具10は、プレート材30又は作業台40のいずれを用いた場合であっても、本体部材11を介して、裁断カッター50の刃を受ける刃受け台に固定された状態で使用される。そして、フィルム状物裁断用治具10は、従来のように、差し込まれた裁断カッターの刃を裁断方向に案内するための案内溝をフィルム状物の下方に位置させるような構造ではなく、延在領域に延在させたフィルム状物の上方に案内溝を位置させる構造とされる。より換言すれば、フィルム状物裁断用治具10は、フィルム状物Fの延在領域を画定する部材(本体部材11及び可動部材21)と、この延在領域の上方から差し込まれた裁断カッター50の刃を裁断方向に案内する案内溝22とを主要要素とした構造とされる。
このようなフィルム状物裁断用治具10においては、案内溝22がフィルム状物Fの下方に位置することがない。したがって、フィルム状物裁断用治具10においては、裁断時に、フィルム状物Fの損傷や裁断面の歪みが発生するのを確実に回避することができ、簡便な構造でありながらも、高精度の裁断加工を実現することができる。また、フィルム状物裁断用治具10においては、可動部材21の回動操作という極めて容易な操作のみでフィルム状物Fの裁断位置を画定することができ、裁断加工を行う操作者の負担を大幅に軽減し、手順よく裁断加工を行うことが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施の形態では、フィルム状物裁断用治具の主形状が本体部材によって形成されるものとして説明したが、本発明は、刃受け台に固定可能でありフィルム状物の延在領域を画定する部材を本体部材とすればよいことから、矩形以外の形状であってもよく、また、平板等の枠体以外の部材であってもよい。
また、上述した実施の形態では、上述した本体部材及び可動部材の双方によってフィルム状物の延在領域を画定するものとして説明したが、本発明は、例えば、本体部材のみによってフィルム状物の延在領域を画定するように構成したり、他の部材を用いたりする等してもよく、フィルム状物の延在領域を画定する部材の構成に限定されるものではない。
さらに、上述した実施の形態では、フィルム状物を固定するために、可動部材に固定用ゴム材を貼着するものとして説明したが、本発明は、フィルム状物を固定できる部材であれば任意の部材を適用することができる。例えば、本発明においては、可動部材や、これと接触するプレート材や作業台が所定の金属体から構成されている場合には、磁石を用いるのが好適である。このような磁石からなる固定用部材を設けた可動部材においては、金属体と当該固定用部材との間の磁力により、フィルム状物を確実に押さえて固定することができ、また、当該フィルム状物の損傷を防止することができる。
さらにまた、上述した実施の形態では、延在領域に延在させたフィルム状物の上方に案内溝を位置させる構造であるものとして説明したが、本発明において、フィルム状物と案内溝との位置関係は、上下方向の位置関係に限定されるものではない。すなわち、本発明は、従来のように裁断カッターの刃の差し込み側とは反対側に案内溝を位置させるような構造ではなく、延在領域に延在させたフィルム状物に対する裁断カッターの刃の差し込み側に案内溝を位置させる構造であればよく、これにより、裁断時に裁断カッターの刃先をフィルム状物に当接させた際に当該フィルム状物が案内溝に入り込んでしまうのを回避することができる。
この観点から、本発明は、延在領域に延在させたフィルム状物に対する裁断カッターの刃の差し込み側に案内溝を位置させる構造であれば、可動部材の可動方式や可動方向、可動域についての限定もない。すなわち、上述した実施の形態では、可動部材が、起立姿勢と横架姿勢との間で姿勢を変化させるように、垂直面内で略90°回動自在とされるものとして説明したが、本発明は、延在領域に延在させたフィルム状物に対する裁断カッターの刃の差し込み側に案内溝を位置させる構造であれば、例えば鉛直方向及び/又は水平方向への移動といったように、回動以外の可動方式によって可動する可動部材であってもよい。また、本発明は、可動部材が回動する場合であっても、例えば横架姿勢のまま同一水平面内で所定角度だけ回動するといったように、延在領域に延在させたフィルム状物の主面に対して垂直な面内での回動操作以外の回動方向及び可動域としてもよい。ただし、例えば横架姿勢のまま同一水平面内で所定角度だけ回動する可動部材のように、可動部材の可動域が、延在領域に延在させたフィルム状物の主面と水平な同一面内のみであるタイプの場合には、当該可動部材を移動させた際にフィルム状物と当接してしまう場合が想定される。そのため、可動部材の可動方向や可動域は、延在領域に延在させたフィルム状物の主面に対して垂直な面内において鉛直方向とするのが最も望ましい。また、本発明においては、このような可動部材とすることにより、延在領域に延在させたフィルム状物の上方に案内溝を位置させることができるが、このようにフィルム状物の上方に案内溝を位置させた場合には、可動部材の自重によって確実にフィルム状物を押さえることができるとともに、操作者が上方から目視で裁断位置を容易に確認することができ、操作性も良好となる。
また、フィルム状裁断用治具は、従来使用されている裁断用の案内溝が穿設された専用の作業台を用いた場合にも使用することができる。この場合、フィルム状裁断用治具は、特に図示しないが、作業台に穿設されている案内溝を埋めるための金属板等からなる既設溝埋め用部材を、本体部材に対して一体化した部材又は別体の部材として設けておけばよい。そして、フィルム状裁断用治具においては、裁断時に、作業台に穿設されている案内溝に既設溝埋め用部材を挿嵌し、当該作業台の上面を段差がない平坦面とした状態で、フィルム状裁断用治具を作業台に固定して裁断加工を行えばよい。これにより、本発明においては、従来使用されている裁断用の案内溝が穿設された専用の作業台を用いなければならない場合であっても、容易に適用することができ、高精度の裁断加工を実現することができる。
さらに、上述した実施の形態では、裁断カッターを別個の部材としたフィルム状物裁断用治具について説明したが、本発明は、フィルム状物裁断用治具に裁断カッターを備えさせたフィルム状物裁断装置としてもよい。すなわち、かかるフィルム状物裁断装置は、裁断カッターの刃をフィルム状物裁断用治具の案内溝に差し込み可能なように、当該案内溝と当該裁断カッターの刃とを位置決めして一体化することによって構成される。このようなフィルム状物裁断装置においても、案内溝がフィルム状物の下方に位置することがないことから、裁断時に、フィルム状物の損傷や裁断面の歪みが発生するのを確実に回避することができ、簡便な構造でありながらも、高精度の裁断加工を実現することができる。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する平面図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する側面図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図であり、可動部材を起立姿勢とした様子を説明する図である。 可動部材の案内溝の形状を説明する断面図である。 可動部材の案内溝の形状を説明する断面図であり、裁断カッターの刃を案内溝に差し込んだ様子を説明する図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図であり、可動部材を起立姿勢としてプレート材を載置した様子を説明する図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図であり、図6に示す状態からフィルム状物を配置させた様子を説明する図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図であり、図7に示す状態から可動部材を横架姿勢とした様子を説明する図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図であり、可動部材を起立姿勢としたフィルム状物裁断用治具を作業台に固定した様子を説明する図である。 本発明の実施の形態として示すフィルム状物裁断用治具の構成を説明する斜視図であり、図9に示す状態からフィルム状物を配置させ、可動部材を横架姿勢とした様子を説明する図である。 従来の治具の構成を説明する概略側面図である。 従来の治具の構成を説明する概略側面図であり、裁断カッターの刃を案内溝に差し込んだ様子を説明する図である。
符号の説明
10 フィルム状物裁断用治具
11 本体部材
11a,11b,11c,11d 部材
12 ネジ
21 可動部材
21a 基端
22 案内溝
22a 差し込み口
22b 直線状溝
23 固定用ゴム材
30 プレート材
40 作業台
41 固定用溝
50 裁断カッター
F フィルム状物

Claims (11)

  1. フィルム状物を裁断する際に用いられるフィルム状物裁断用治具であって、
    上記フィルム状物を裁断する裁断刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となる上記フィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材と、
    差し込まれた上記裁断刃を裁断方向に案内する貫通案内溝が穿設された部材であり上記フィルム状物の裁断位置を画定する可動部材とを備え、
    上記可動部材は、上記本体部材に連結されており、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させるように上記本体部材に対して可動とされること
    を特徴とするフィルム状物裁断用治具。
  2. 上記可動部材は、その基端が上記本体部材に回動自在に連結されており、上記基端を回動軸として回動されて姿勢を変化させ、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させること
    を特徴とする請求項1記載のフィルム状物裁断用治具。
  3. 上記可動部材は、上記基端を回動軸として回動されて上記本体部材の上方において横架姿勢とされ、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物の上方に上記貫通案内溝を位置させること
    を特徴とする請求項2記載のフィルム状物裁断用治具。
  4. 上記貫通案内溝は、その幅が上記裁断刃の肉厚と略同一の幅からなること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項記載のフィルム状物裁断用治具。
  5. 上記貫通案内溝には、上記裁断刃の差し込み側に、当該裁断刃の肉厚よりも広い幅からその幅が漸減して当該裁断刃の肉厚と略同一の幅からなる領域に連通するように形成された差し込み口が設けられていること
    を特徴とする請求項4記載のフィルム状物裁断用治具。
  6. 上記可動部材には、上記貫通案内溝の幅を調整する溝幅調整機構が設けられていること
    を特徴とする請求項4又は請求項5記載のフィルム状物裁断用治具。
  7. 上記可動部材には、フィルム状物の裁断長に合わせて上記貫通案内溝の長さを調整する溝長調整機構が設けられていること
    を特徴とする請求項6記載のフィルム状物裁断用治具。
  8. 上記可動部材には、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させたときに当該フィルム状物に接触する領域に、当該フィルム状物を固定する固定用部材が設けられていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項記載のフィルム状物裁断用治具。
  9. 裁断用の案内溝が穿設された専用の作業台に固定して当該フィルム状物裁断用治具を用いる場合に、上記案内溝を埋めるための既設溝埋め用部材を備えること
    を特徴とする請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項記載のフィルム状物裁断用治具。
  10. フィルム状物を裁断するフィルム状物裁断装置であって、
    上記フィルム状物を裁断する裁断刃と、
    上記裁断刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となる上記フィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材と、
    差し込まれた上記裁断刃を裁断方向に案内する貫通案内溝が穿設された部材であり上記フィルム状物の裁断位置を画定する可動部材とを備え、
    上記可動部材は、上記本体部材に連結されており、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させるように上記本体部材に対して可動とされること
    を特徴とするフィルム状物裁断装置。
  11. フィルム状物を裁断するフィルム状物裁断方法であって、
    上記フィルム状物を裁断する裁断刃を受ける刃受け台に固定される部材であり裁断対象となる上記フィルム状物を延在させる延在領域を画定する本体部材に、当該フィルム状物を延在させる工程と、
    差し込まれた上記裁断刃を裁断方向に案内する貫通案内溝が穿設されて上記本体部材に連結された部材であり上記フィルム状物の裁断位置を画定する可動部材を、上記延在領域に延在させた上記フィルム状物に対する上記裁断刃の差し込み側に上記貫通案内溝を位置させるように上記本体部材に対して可動させる工程と、
    少なくとも上記可動部材によって押さえた上記フィルム状物の領域については張力をもった状態となるように、当該フィルム状物を当該可動部材によって固定する工程と、
    上記貫通案内溝に差し込まれた上記裁断刃の刃先を上記フィルム状物に当接させて上記貫通案内溝に沿って移動させ、当該フィルム状物を裁断する工程とを備えること
    を特徴とするフィルム状物裁断方法。
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