JP2009123731A - セラミック多層基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性を向上させたセラミック多層基板の製造方法を提供する。
【解決手段】分散助剤Ibを含む導電性微粒子Isの分散系を液滴にしてグリーンシート
GSに吐出することによりグリーンシートGSに液状パターンを描画する工程と、液状パ
ターンから分散媒を蒸発させることによって乾燥パターンPDを形成する工程と、乾燥パ
ターンPDを有したグリーンシートGSを積層して圧縮することにより圧着体を形成し、
圧着体を焼成することによってLTCC多層基板を形成する工程とを有し、分散助剤Ib
を溶解し、かつ、導電性微粒子Isを溶解しない洗浄液31を用いて、グリーンシートG
Sを積層する前に乾燥パターンPDを洗浄する。
【選択図】図6

Description

本発明は、セラミック多層基板の製造方法に関する。
低温焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics )技術は、グリ
ーンシートと金属との一括焼成を可能にすることから、セラミックの層間に各種の受動素
子を組み込んだ素子内蔵基板を具現できる。システム・オン・パッケージ(SOP)の実
装技術においては、電子部品の複合化や表面実装部品に発生する寄生効果の低減を図るた
め、この素子内蔵基板(以下単に、LTCC多層基板と言う。)に関わる製造方法が鋭意
開発されている。
LTCC多層基板の製造方法においては、複数のグリーンシートの各々に受動素子や配
線等のパターンを描画する描画工程と、該パターンを有する複数のグリーンシートを積層
して圧着する圧着工程と、圧着体を一括焼成する焼成工程とが順に実施される。グリーン
シートにパターンを描画する描画工程には、パターンの高密度化を図るために、導電性イ
ンクを微小な液滴にして吐出させる、いわゆるインクジェット法が提案されている(例え
ば、特許文献1)。インクジェット法は、数ピコリットル〜数十ピコリットルの液滴を用
いることから、液滴の吐出位置の変更によってパターンの微細化や狭ピッチ化を図ること
ができる。
インクジェット法においては、微小な液滴を吐出させるために、ノズルの内部に貯留す
る導電性インクの気液界面(メニスカス)を強制的に振動させる。ノズルに形成されるメ
ニスカスは、長期間にわたってノズルの待機状態が続く場合に、導電性インクに含まれる
分散媒を揮発し続けることから、導電性インクの増粘を招いて液滴の吐出不良を来たして
しまう。一方、グリーンシートに着弾した液滴の粘度が低すぎる場合には、グリーンシー
トの表面に沿って液滴が濡れ広がることから、パターンの微細化や狭ピッチ化の妨げとな
ってしまう。そこで、導電性インクには、従来から、ノズルの内部における乾燥抑制と、
グリーンシートの表面における乾燥促進とを図るため、分散媒に添加する各種分散助剤が
提案されている。
例えば、キシリトールやアラビニトール等、室温下で固体を呈する糖アルコールは、糖
アルコールと水との相互作用、例えば水素結合やファンデルワールス結合によって、水系
分散媒の乾燥を抑制できる。また、糖アルコールと導電性微粒子との間の相互作用、例え
ば配位結合は、一旦凝集あるいは析出した導電性微粒子の再分散を促進させる。そして、
室温下で固体を呈する糖アルコールは、分散媒の揮発に伴い速やかに析出することから、
液滴の過剰な濡れ広がりを抑えることができる。このため、室温下で固体を呈する糖アル
コールは、水系の導電性インクにおける分散助剤として期待されている。
特開2005−57139号公報
しかしながら、室温下で固体を呈する分散助剤を用いる場合、乾燥後のパターンの表面
に分散助剤が析出することから、パターンとグリーンシートとの間の密着性の劣化を招き
、終にはパターンとセラミック基板との間の剥がれやマイグレーションを発生させてしま
う。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、信頼性を向上
させたセラミック多層基板の製造方法を提供することである。
本発明のセラミック多層基板の製造方法は、分散助剤を含む導電性微粒子の分散系を液
滴にして複数のグリーンシートの各々に吐出することにより前記各グリーンシートに液状
パターンを描画する工程と、前記液状パターンから分散媒を蒸発させることによって前記
各グリーンシートに乾燥パターンを形成する工程と、前記乾燥パターンを有した前記グリ
ーンシートを積層して圧着することにより圧着体を形成し、前記圧着体を焼成することに
よって前記セラミック多層基板を形成する工程とを有し、前記分散助剤を溶解し、かつ、
前記導電性微粒子を溶解しない洗浄液を用いて、前記グリーンシートを積層する前に前記
乾燥パターンを洗浄する。
本発明のセラミック多層基板の製造方法は、乾燥パターンに析出した分散助剤を洗浄液
によって洗浄することから、パターンとグリーンシートとの間の密着性を向上できる。し
たがって、本発明に記載のセラミック多層基板の製造方法は、セラミック基板の剥がれや
内部配線におけるマイグレーション等を抑制できることから、セラミック多層基板の信頼
性を向上できる。
このセラミック多層基板の製造方法は、前記導電性微粒子が銀微粒子であり、前記分散
媒が水を主成分とする分散媒であり、前記分散助剤が糖アルコールであり、前記洗浄液が
水を主成分とする洗浄液であっても良い。
このセラミック多層基板の製造方法は、マイグレーション耐性の低い銀微粒子を用いる
場合であっても、析出する糖アルコールを水系の洗浄液によって洗浄することから、パタ
ーンの微細化とマイグレーション耐性の向上とを図ることができ、ひいてはセラミック多
層基板の信頼性を向上できる。
このセラミック多層基板の製造方法は、前記液滴を吐出する前に、前記グリーンシート
の表面と前記導電性微粒子との間に密着性を与える密着層を形成する構成が好ましい。
このセラミック多層基板の製造方法は、前記液滴を吐出する前に、前記グリーンシート
の表面にカップリング剤を塗布することによって前記密着層を形成する構成が好ましい。
上記セラミック多層基板の製造方法によれば、密着層がグリーンシートと導電性微粒子
との間に密着性を与えることから、乾燥パターンを洗浄する際に、乾燥パターンの剥がれ
や侵食を抑制できる。したがって、このセラミック多層基板の製造方法によれば、セラミ
ック多層基板の信頼性を、より確実に向上できる。
このセラミック多層基板の製造方法は、前記乾燥パターンを洗浄する前に、前記液状パ
ターンを加熱することによって前記液状パターンに含まれる前記導電性微粒子を互いに融
着させても良い。
このセラミック多層基板の製造方法によれば、乾燥パターンに含まれる導電性微粒子が
互いに融着することから、乾燥パターンを洗浄する際に、乾燥パターンの剥がれや侵食を
、より確実に抑制できる。したがって、このセラミック多層基板の製造方法によれば、よ
り確実に信頼性を向上できる。
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図7に従って説明する。図1は、本発
明の製造方法を用いて製造したセラミック多層基板を有する回路モジュールの断面図であ
る。
図1において、回路モジュール10は、セラミック多層基板としての低温焼成セラミッ
ク(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics )多層基板11と、LTCC多層基
板11に接続された半導体チップ12とを有する。LTCC多層基板11の各LTCC基
板13は、それぞれグリーンシートの焼結体であって、厚みが数十μ〜数百μmで形成さ
れている。各LTCC基板13の層間には、それぞれ抵抗素子、容量素子、コイル素子等
の各種の内部素子14と、各内部素子14に電気的に接続する内部配線15とが内蔵され
、各LTCC基板13には、それぞれスタックビア構造やサーマルビア構造を成すビア配
線16が形成されている。内部素子14、内部配線15、及びビア配線16は、それぞれ
導電性微粒子の焼結体であり、導電性インクを用いるインクジェット法によって形成され
る。
次に、上記LTCC多層基板11の製造方法を図2〜図7に従って説明する。図2はL
TCC多層基板11の製造方法を示すフローチャートであり、図3は、各工程におけるグ
リーンシートの温度を示すタイムチャートである。図4〜図7はそれぞれLTCC多層基
板11の製造方法を示す工程図である。
図2において、LTCC多層基板11の製造方法では、LTCC基板13の前駆体であ
るグリーンシートに液状パターンを描画する描画工程(ステップS11)と、該液状パタ
ーンを乾燥する乾燥工程(ステップS12)とが順に実行される。また、LTCC多層基
板11の製造方法では、乾燥したパターンを洗浄する洗浄工程(ステップS13)と、複
数のグリーンシートを積層して圧着する圧着工程(ステップS14)と、圧着したグリー
ンシートを焼成する焼成工程(ステップS15)とが順に実行される。
図3においては、描画工程、及び乾燥工程におけるグリーンシートの温度を、それぞれ
描画温度Tp、及び乾燥温度Tdとし、洗浄工程、圧着工程、及び焼成工程におけるグリ
ーンシートの温度を、それぞれ洗浄温度Tw、圧着温度Tc、及び焼成温度Taと言う。
本実施形態における描画温度Tp、乾燥温度Td、洗浄温度Tw、圧着温度Tc、及び焼
成温度Taは、いずれも室温(20℃)よりも高い温度である。
図4において、描画工程では、キャリアフィルムBSと、キャリアフィルムBSに塗布
されたグリーンシートGSとからなる積層シートTSと、液滴吐出装置22とが用いられ
る。
キャリアフィルムBSは、描画工程、乾燥工程、洗浄工程においてグリーンシートGS
を支持するためのフィルムであり、例えばグリーンシートGSとの剥離性や各工程におけ
る機械的耐性に優れたプラスチックフィルムを用いることができる。キャリアフィルムB
Sには、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィ
ルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムを用いることができる。
グリーンシートGSは、ガラスセラミック粉末やバインダ等を含むガラスセラミック組
成物からなる層である。グリーンシートGSの膜厚は、内部素子14としてコンデンサ素
子を形成する場合に数十μmで形成され、他の層においては100μm〜200μmで形
成される。
グリーンシートGSの表面には、チオール基やアミノ基を有したカップリング剤からな
る密着層GSaが塗布形成されている。密着層GSaは、導電性微粒子Isとの間で密着
性を発現する層であり、導電性微粒子Isからなるパターンの剥がれを抑制する。
ガラスセラミック粉末は、0.1μm〜5.0μmの平均粒径を有する粉末であり、例
えばアルミナやフォルステライト等のセラミック粉末にホウ珪酸系ガラスを混合したガラ
ス複合セラミックを用いることができる。また、ガラスセラミック粉末としては、ZnO
−MgO−Al−SiO系の結晶化ガラスを用いた結晶化ガラスセラミック、B
aO−Al−SiO系セラミック粉末やAl−CaO−SiO−MgO
−B系セラミック粉末等を用いた非ガラス系セラミックを用いても良い。
バインダは、ガラスセラミック粉末の結合剤としての機能を有し、焼成工程で分解して
容易に除去できる有機高分子である。バインダとしては、例えばブチラール系、アクリル
系、セルロース系等のバインダ樹脂を用いることができる。アクリル系のバインダ樹脂と
しては、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリレート化合物の単独重合体を用いることができる。また、アクリ
ル系のバインダ樹脂としては、該(メタ)アクリレート化合物の2種以上から得られる共
重合体、あるいは(メタ)アクリレート化合物と不飽和カルボン酸類等の他の共重合性単
量体から得られる共重合体を用いることができる。なお、バインダは、例えばアジピン酸
エステル系可塑剤、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)フ
タル酸エステル系可塑剤、グリコールエステル系可塑剤等の可塑剤を含有しても良い。
積層シートTSの縁には、所定孔径からなる円形孔(以下単に、位置決め孔Hと言う。
)が打ち抜き加工によって形成されている。各位置決め孔Hには、載置プレート21の位
置決めピン21Pが挿入され、密着層GSaの各位置が液滴吐出装置22に対して位置決
めされる。
グリーンシートGSには、打ち抜き加工やレーザ加工によって、数十μm〜数百μmの
孔径からなる円形孔や円錐孔(以下単に、ビアホールVHと言う。)が貫通形成されてい
る。ビアホールVHには、導体性ペーストを用いたスキージ法や導電性インクを用いたイ
ンクジェット法等によって、銀、金、銅、パラジウム等の導電材料が前工程で充填されて
いる。
液滴吐出装置22は、積層シートTSを載置するための載置プレート21と、導電性イ
ンクIkを貯留するインクタンク23と、インクタンク23の導電性インクIkを密着層
GSaに吐出する液滴吐出ヘッド24とを有する。
載置プレート21は、積層シートTSと略同じサイズの剛性材料からなる板材であって
、積層シートTSを位置決めするための位置決めピン21Pと、積層シートTSを加熱す
るためのヒータ21Hとを有する。積層シートTSが載置プレート21に載置されるとき
、位置決めピン21Pが位置決め孔Hに挿通され、密着層GSaが載置プレート21に位
置決め固定される。また、積層シートTSが載置プレート21に載置されるとき、載置プ
レート21がヒータ21Hを駆動し、積層シートTSが描画温度Tpに加熱される。
導電性インクIkは、導電性微粒子Isを分散媒Iaに分散させた導電性微粒子Isの
分散系であり、導電性微粒子Isを分散媒Iaに均一に分散させるための分散助剤Ibを
含む。
導電性微粒子Isには、数nm〜数十nmの粒径を有する微粒子であり、例えば金、銀
、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、コ
バルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム等の金属、あ
るいはこれらの合金を用いることができる。
分散媒Iaには、分散助剤Ibを含む系で導電性微粒子Isを均一に分散するものであ
れば良く、水、あるいは水を主成分とする水溶液を用いることができる。分散媒Iaは、
導電性インクIkの粘度を調整するため、必要に応じて水溶性の有機溶媒を含んでも良い
。水溶性有機溶媒には、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、
イソプロパノール等のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、等のグリコールエーテル類を挙げること
ができ、これらを混合して用いても良い。
分散助剤Ibは、分散媒Iaに容易に溶解するとともに、導電性微粒子Isに配位して
導電性微粒子のコロイド状態を安定化させるものである。分散助剤Ibには、カルボキシ
ル基と水酸基とを官能基として有するヒドロキシ酸又はヒドロキシ酸塩を含む。ヒドロキ
シ酸には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を挙げることができ、これらを混合して用いて
も良い。ヒドロキシ酸塩には、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウ
ム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム等を挙げることができ、これらを混合して用
いても良い。
分散助剤Ibには、アルコールの価数が3〜6の多価アルコールであって、標準状態(
25℃、1気圧の状態)の下で固体を呈する多価アルコールが含まれている。多価アルコ
ールとしては、単糖類、二糖類、オリゴ糖及び多糖類のカルボニル基を還元した糖アルコ
ール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,3−ヘキサント
リオール、1,2,3−ヘプタントリオール等を用いることができる。糖アルコールには
、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール
、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリ
トール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシト
ール、マルチトール、ラクチトール等を挙げることができ、これらの混合物を用いても良
い。
なお、多価アルコールの濃度は、導電性インクIkの全質量に対して5重量%〜20重
量%であり、好ましくは10重量%以上である。多価アルコールの濃度が5重量%よりも
低くなると、多価アルコールによる分散媒Iaの保湿効果が低下し、ノズル26の内部で
の乾燥抑制が不十分になる。一方、多価アルコールの濃度が20重量%よりも高くなると
、導電性微粒子Isの分散が不安定となる。
導電性インクIkが所定の貯留室に貯留されるとき、分散助剤Ibと水との間の相互作
用、例えば水素結合やファンデルワールス結合等は、分散媒Iaの蒸発を抑制させる。ま
た、分散助剤Ibと導電性微粒子Isとの間の相互作用、例えば配位結合等は、一旦凝集
あるいは析出した導電性微粒子Isを再び分散媒Iaに分散させる、すなわち再分散させ
る。
導電性インクIkが液滴として吐出されて対象物に着弾するとき、導電性微粒子Isの
再分散は、導電性インクIkの乾燥状態を均一にすることから、乾燥状態の差異によって
生じるクラックを抑制させる。そして、対象物に着弾した導電性インクIkから分散媒I
aが揮発あるいは蒸発し続けると、導電性インクIkの表面に分散助剤Ibが順次析出し
、対象物上に析出する分散助剤Ibが、導電性インクIkの濡れ広がりを抑える。
液滴吐出ヘッド24は、インクタンク23に連通するキャビティ25と、キャビティ2
5に連通するノズル26と、キャビティ25に連結される圧力発生素子27とを有する。
キャビティ25は、インクタンク23からの導電性インクIkを受けてノズル26に該導
電性インクIkを供給する。ノズル26は、インクタンク23からの導電性インクIkを
収容して気液界面、すなわちメニスカスを形成する。圧力発生素子27は、キャビティ2
5の容積を変更する圧電素子や静電容量素子、あるいはキャビティ25の温度を変更する
抵抗加熱素子であり、キャビティ25の内部に所定圧力を発生させる。圧力発生素子27
が駆動するとき、ノズル26は、導電性インクIkのメニスカスを振動させ、該導電性イ
ンクIkを数ピコリットル〜数十ピコリットルの液滴Dにして吐出する。
図4において、描画工程では、積層シートTSと液滴吐出ヘッド24とが密着層GSa
の面方向に沿って相対移動し、ノズル26から吐出される複数の液滴Dが、それぞれ密着
層GSaに着弾して合一することにより、所定方向に連続する液状パターンPLを形成す
る。密着層GSaに形成された液状パターンPLは、グリーンシートGSの温度が描画温
度Tpに加熱されることから、グリーンシートGSからの熱量を受け、分散助剤Ibを順
次析出させることにより、その濡れ広がりを抑制できる。
なお、描画温度Tpが過剰に高くなると、キャリアフィルムBSとグリーンシートGS
とが熱変形を来たし、液滴Dの着弾精度が損なわれてしまう。そのため、描画温度Tpは
、例えば40℃〜80℃であって、液状パターンPLの表面で分散媒Iaの一部を蒸発で
きる下限の温度であれば良く、液滴Dの着弾精度を十分に確保できるように、積層シート
TSの組成や導電性インクIkの組成に応じて適宜選択される構成が好ましい。
図5において、乾燥工程では、描画工程後の積層シートTSが乾燥炉等の乾燥装置に搬
入され、液状パターンPLを有するグリーンシートGSが乾燥温度Tdに加熱される。
乾燥温度Tdは、液状パターンPLから分散媒Iaを実質的に取り除くための温度であ
る。分散媒Iaを実質的に取り除いた状態とは、分散媒Iaを完全に取り除いた状態(分
散媒Iaが無い状態)と比べて、パターンの剥がれの頻度やパターンの変形の程度等に関
して変動を来たさない状態である。なお、乾燥温度Tdが過剰に高くなると、キャリアフ
ィルムBSとグリーンシートGSとが熱変形を来たし、圧着工程時における位置精度が損
なわれてしまう。そのため、乾燥温度Tdは、例えば40℃〜80℃であって、圧着工程
時の位置精度を確保できるように、積層シートTSの組成や導電性インクIkの組成に応
じて適宜選択される構成が好ましい。
グリーンシートGSが乾燥温度Tdに加熱されると、液状パターンPLに含まれる分散
媒Iaが実質的に取り除かれる。この結果、導電性微粒子Isからなる集合体と、その集
合体の表面に析出した分散助剤Ibとからなる乾燥パターンPDが密着層GSaの上に形
成される。密着層GSaの上に形成された乾燥パターンPDは、密着層GSaと導電性微
粒子Isとの間の結合力と、導電性微粒子Isの凝集力とによって密着層GSaに定着す
る。
図6において、洗浄工程では、乾燥工程後の積層シートTSが洗浄装置に搬入され、乾
燥パターンPDを有するグリーンシートGSに向けて洗浄液31が供給される。洗浄液3
1の供給方法としては、洗浄液31が循環する洗浄槽にグリーンシートGSを浸漬させて
も良く、あるいは洗浄ノズルから密着層GSaに向けて定常的に洗浄液31を吹付けても
良い。
洗浄液31は、分散助剤Ibを溶解し、かつ、導電性微粒子Isを溶解しないものであ
れば良い。洗浄液31としては、水、あるいは水を主成分とする水溶液を用いることがで
きる。洗浄液31は、分散助剤Ibの溶解度を調整するため、必要に応じて水溶性の有機
溶媒を含んでも良い。水溶性有機溶媒には、例えば、エタノール、メタノール、ブタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール等のアルキルアルコール類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、等のグリコールエー
テル類を挙げることができ、これらを混合して用いても良い。また、洗浄液31は、乾燥
パターンPDへの浸透性、または乾燥パターンPDの洗浄性を高めるため、サーフィノー
ル(登録商標)等の界面活性剤を含む構成であっても良い。なお、導電性インクIkとし
て有機溶剤系のインクを用いる場合には、分散助剤Ibを溶解し、かつ、導電性微粒子I
sを溶解しない有機溶剤を洗浄液31として用いても良い。
グリーンシートGSに洗浄液31が供給されると、乾燥パターンPDに析出した分散助
剤Ibが洗浄液31の中に溶出して乾燥パターンPDから実質的に取り除かれる。この結
果、導電性微粒子Isからなる乾燥パターンPDが密着層GSaの上に形成される。この
際、乾燥パターンPDは、密着層GSaと導電性微粒子Isとの間の結合力と、導電性微
粒子Isの凝集力とによって密着層GSaに定着しているため、洗浄液31との接触に関
わらず、その形状を十分に維持できる。なお、分散助剤Ibが実質的に取り除かれた状態
とは、分散助剤Ibが完全に取り除かれた状態(分散助剤Ibが無い状態)と比べて、パ
ターンの剥がれの頻度やパターンの変形の程度等に関して変動を来たさない状態である。
洗浄工程では、乾燥パターンPDから分散助剤Ibが取り除かれると、積層シートTS
が乾燥炉等の乾燥装置に搬入され、乾燥パターンPDを有するグリーンシートGSが洗浄
温度Twに加熱される。洗浄温度Twは、グリーンシートGSから洗浄液31を蒸発させ
て取り除くための温度である。
グリーンシートGSが洗浄温度Twに加熱されると、グリーンシートGS及び乾燥パタ
ーンPDに付着する洗浄液31が蒸発し、グリーンシートGS及び乾燥パターンPDから
取り除かれる。
図7において、圧着工程では、複数のグリーンシートGSを積層するためのベースプレ
ート32と、複数のグリーンシートGSを押圧するためのカバープレート33と、複数の
グリーンシートGSを真空包装するための真空包装袋35とが用いられる。
ベースプレート32は、複数のグリーンシートGSを位置決めする位置決めピン32P
を有し、位置決めピン32Pが各グリーンシートGSの位置決め孔Hに挿通されることに
よって、各グリーンシートGSがベースプレート32に位置決めされる。カバープレート
33は、各位置決めピン32Pを挿通可能にする複数の挿通孔33hを有し、位置決めピ
ン32Pがカバープレート33の挿通孔33hに挿通されることによって、複数のグリー
ンシートGSからなる積層体34がベースプレート32とカバープレート33とによって
挟持される。
真空包装袋35は、ベースプレート32、カバープレート33、及び積層体34を封入
可能な柔軟性を有する包装袋である。ベースプレート32とカバープレート33は、積層
体34を挟持した状態で真空包装袋35に収容され、シーラ等を用いた吸引によって真空
包装袋35の内部に真空封入される。真空封入された積層体34は、所定の静水圧プレス
装置に搬入され、圧着温度Tcに加熱された状態で静水圧を受ける。静水圧を受ける積層
体34は、乾燥パターンPDの略全体を等方的に加圧することから、乾燥パターンPDの
形状を維持した状態で各グリーンシートGS間を圧着し、複数のグリーンシートGSから
なる圧着体を形成する。
焼成工程では、圧着工程で得られる圧着体がベースプレート32から取り出され、所定
の焼成炉に搬入されて焼成される。焼成温度Taは、例えば800℃〜1000℃であっ
て、グリーンシートGSの組成に応じて適宜変更される。乾燥パターンPDとしてCuを
用いる場合には、酸化防止のため還元雰囲気中で焼成するのが好ましい。銀、金、白金、
パラジウム等を用いる場合には大気中で焼成しても良い。
次に、上記のように構成した第一実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第一実施形態は、分散助剤Ibを溶解し、かつ、導電性微粒子Isを溶解しない
洗浄液31を用いて、各グリーンシートGSを積層する前に乾燥パターンPDを洗浄する
。したがって、乾燥パターンPDに析出した分散助剤Ibを取り除けることから、乾燥パ
ターンPDと、積層されるグリーンシートGSとの間の密着性を向上できる。この結果、
LTCC基板13の剥がれや内部配線15のマイグレーション等を抑制でき、ひいてはL
TCC多層基板11の信頼性を向上できる。
(2)第一実施形態は、グリーンシートGSの表面にカップリング剤を塗布することに
よって、グリーンシートGSと導電性微粒子Isとの間に密着性を与える密着層GSaを
形成する。したがって、密着層GSaがグリーンシートGSと導電性微粒子Isとの間に
密着性を与えることから、乾燥パターンPDを洗浄する際に、乾燥パターンPDの剥がれ
や侵食を抑制できる。この結果、LTCC多層基板11の信頼性を、より確実に向上でき
る。
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図8及び図9に従って説明する。第二実施形
態は、第一実施形態における乾燥工程と洗浄工程との間で工程を変更したものである。そ
のため、以下においては、その変更点について詳しく説明する。
図8において、LTCC多層基板11の製造方法では、乾燥工程と圧着工程との間に、
仮焼成工程(ステップ12a)が実行される。本実施形態では、仮焼成工程におけるグリ
ーンシートGSの温度を、仮焼成温度Tx(図9参照)と言う。
仮焼成工程では、乾燥工程後の積層シートTSが仮焼成炉等の仮焼成装置に搬入され、
乾燥パターンPDを有する状態で仮焼成温度Txに加熱される。仮焼成温度Txは、導電
性微粒子Isを融着させる温度であって、かつ、グリーンシートGSに含まれるバインダ
の分解温度よりも低い温度である。
グリーンシートGSが仮焼成温度Txに加熱されると、乾燥パターンPDに含まれる導
電性微粒子Isの一部が融着を開始する。この結果、導電性微粒子Is同士の結合力や乾
燥パターンPDと密着層GSaとの間の密着力が増大することから、乾燥パターンPDの
剥がれや侵食を、より確実に抑制できる。
なお、仮焼成温度Txが過剰に高くなると、キャリアフィルムBSとグリーンシートG
Sが熱変形を来たし、圧着工程時における他の積層シートTSとの位置精度が損なわれ、
またグリーンシートGSに含まれるバインダが分解を開始してしまう。そこで、仮焼成温
度Txは例えば80℃〜100℃であり、圧着工程における位置精度とグリーンシートG
S間の密着性を確保できるように、積層シートTSの組成や導電性微粒子Isの元素に応
じて適宜選択される構成が好ましい。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、導電性インクIkの分散媒Iaを水系の分散媒に具体化したが、
これに限らず、導電性インクIkの分散媒Iaを有機溶剤系の分散媒に具体化しても良い
。すなわち、本発明は、分散媒Iaの蒸発に伴って分散助剤Ibを析出させる導電性イン
クIkを用い、乾燥パターンPDに析出した分散助剤Ibを洗浄液で洗浄する構成であれ
ば良い。
・上記実施形態の焼成工程は、バインダを酸素雰囲気の下で分解・飛散させた後に、乾
燥パターンPDを水素の還元雰囲気の下で焼成することにより、酸化した導電性パターン
を還元する構成であっても良い。すなわち、本発明は、焼成工程の温度、時間、雰囲気等
に限定されるものではない。
回路モジュールを示す断面図。 セラミック多層基板の製造方法を示すフローチャート。 各製造工程におけるグリーンシートの温度を示す図。 セラミック多層基板の製造方法を示す工程図。 セラミック多層基板の製造方法を示す工程図。 セラミック多層基板の製造方法を示す工程図。 セラミック多層基板の製造方法を示す工程図。 第二実施形態の製造方法を示すフローチャート。 第二実施形態の各製造工程におけるグリーンシートの温度を示す図。
符号の説明
D…液滴、GS…グリーンシート、Ia…分散媒、Ib…分散助剤、Ik…導電性イン
ク、Is…導電性微粒子、PD…乾燥パターン、PL…液状パターン、11…セラミック
多層基板としてのLTCC多層基板、23…グリーンシート、31…洗浄液。

Claims (5)

  1. セラミック多層基板の製造方法であって、
    分散助剤を含む導電性微粒子の分散系を液滴にして複数のグリーンシートの各々に吐出
    することにより前記各グリーンシートに液状パターンを描画する工程と、
    前記液状パターンから分散媒を蒸発させることによって前記各グリーンシートに乾燥パ
    ターンを形成する工程と、
    前記乾燥パターンを有した前記グリーンシートを積層して圧着することにより圧着体を
    形成し、前記圧着体を焼成することによって前記セラミック多層基板を形成する工程とを
    有し、
    前記分散助剤を溶解し、かつ、前記導電性微粒子を溶解しない洗浄液を用いて、前記グ
    リーンシートを積層する前に前記乾燥パターンを洗浄することを特徴とするセラミック多
    層基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法であって、
    前記導電性微粒子は銀微粒子であり、
    前記分散媒は水を主成分とする分散媒であり、
    前記分散助剤は糖アルコールであり、
    前記洗浄液は水を主成分とする洗浄液であることを特徴とするセラミック多層基板の製
    造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のセラミック多層基板の製造方法であって、
    前記液滴を吐出する前に、前記グリーンシートの表面と前記導電性微粒子との間に密着
    性を与える密着層を形成することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。
  4. 請求項3に記載のセラミック多層基板の製造方法であって、
    前記液滴を吐出する前に、前記グリーンシートの表面にカップリング剤を塗布すること
    によって前記密着層を形成することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のセラミック多層基板の製造方法であって、
    前記乾燥パターンを洗浄する前に、前記液状パターンを加熱することによって前記液状
    パターンに含まれる前記導電性微粒子を互いに融着させることを特徴とするセラミック多
    層基板の製造方法。
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