JP2009129917A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】負極におけるリチウム金属の析出を防止することができ、よって上記リチウム金属の析出に起因する正極板および負極板間の短絡を確実に防ぐことができるリチウム塩を含む電解液を用いた蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】集電体13の表面に正極14が形成された平板状の正極板10と、集電体15の表面にリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な物質からなる負極16が形成された平板状の負極板12とが、セパレータ11を間に介して複数積層されて、これらの間にリチウム塩を含む電解液が注液されてなり、負極16は、予めリチウムがドープされ、かつ外形寸法が正極14よりも大きく形成されるとともに、複数の正極14は、その外周縁の少なくとも一部が隣接する層の正極14の外周縁と積層方向に一致せず、かつ上記外周縁が負極16の外周縁の内側に位置するように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、セパレータを介して対向配置された複数層の正極板と負極板との間に、リチウム塩を含む電解液が注液されたリチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに関するものである。
近年、リチウム塩を含む電解液を用いた蓄電デバイスの一種であるリチウムイオンキャパシタは、従来のバッテリと比較して小型・軽量であるにも拘わらず、エネルギー容量が極めて大きく、しかも急速な充放電が可能であることから、風力発電の負荷平準化装置、電圧の瞬低対策装置、ハイブリッド電気自動車や燃料電池車等におけるバックアップ用電源装置等の広い分野において使用されつつある。
一方、この種のリチウムイオンキャパシタにおいては、例えば下記特許文献1に見られるように、予め負極にリチウムをドープさせておくことにより、従来の単に電気二重層機能を利用して蓄電するリチウムイオンキャパシタを、より高電圧化させるとともに、エネルギー密度を高めて、一層の小型・軽量化を可能としたものが提案されている。
特許第3485935号公報
ところで、このようなリチウムイオンキャパシタは、一般に、集電体の両面に正極を形成した複数の平板状の正極板と、集電体の両面にリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な物質からなる負極を形成した複数の平板状の負極板とを、セパレータを間に介して交互に積層し、得られた積層体の両端部間に圧縮方向の荷重を付与して一体化するとともに、これらの間にリチウム塩を含む電解液を注液することにより構成されている。
この際に、上記正極と負極とを同寸法形状に形成すると、当該正極の外周縁と負極の外周縁とによってセパレータが挟まれた状態になるために、集電板の加工時に発生する外周縁部のバリや歪みに起因して、セパレータ側に凸状となる外周縁に上記圧縮力による応力が集中し、この結果当該外周縁がセパレータを突き抜けて他方に接触することにより、両者間の短絡が発生するおそれがある。そして、このような弊害は、組立精度が高まって正極および負極の外周縁が積層方向に正確に一致する程、また装置の小型化に伴ってセパレータの厚さが薄くなる程、発生する可能性が高くなる。
このため、上記セパレータに直接当接する正極および負極の一方の外形寸法を、他方よりも小さくすることにより、上記応力集中を緩和する対策が考えられるが、例えば図6に示すように、集電体1の両面に正極2を形成した方形板状の正極板3と、集電体4の両面に負極5を形成した方形板状の負極板6とを、セパレータ7を間に介して積層するに際して、負極5の外形寸法を正極2の外形寸法よりも小さくすると、図中点線で示すように、負極5の外周縁に電流が過度に集中し、この結果、特に負極5に予めリチウムをドープしたものにあっては、容易にリチウム金属が析出してしまうという問題点が生じる。
そこで、図7に示すように、負極5の外形寸法を正極2の外形寸法よりも大きくすれば、上述した負極5の外周縁における過度の電流集中の発生を防止することができる。
ところが、上記構成においては、図8に示すように、多数の正極板3および負極板6を積層した場合に、全ての正極2の外周縁が、積層方向に同じ位置Pとなる。このため、正極2の外周縁に上記圧縮方向の荷重による応力集中が生じ、この結果、負極板6の厚さが薄いと、正極2の外周縁と対向する部分に凹状の撓みが生じて電流集中が起き、当該箇所に同様にリチウム金属が析出してしまうという問題点を生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、負極におけるリチウム金属の析出を防止することができ、よって上記リチウム金属の析出に起因する正極板および負極板間の短絡を確実に防いで、構成部材のより一層の薄肉化を可能とするリチウム塩を含む電解液を用いた蓄電デバイスを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、集電体の表面に正極が形成された平板状の正極板と、集電体の表面にリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な物質からなる負極が形成された平板状の負極板とが、セパレータを間に介して複数積層されるとともに、これらの間にリチウム塩を含む電解液が注液されてなる蓄電デバイスにおいて、上記負極は、予めリチウムがドープされ、かつ外形寸法が上記正極よりも大きく形成されるとともに、上記積層された複数の上記正極板の正極は、その外周縁の少なくとも一部が、隣接する層の上記正極の外周縁と積層方向に一致せず、かつ上記外周縁が上記負極の外周縁の内側に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記正極の外周縁が、全周にわたって隣接する層の上記正極の外周縁と上記積層方向に一致しないように配置されていることを特徴とするものである。
ここで、正極の外周縁が全周にわたって隣接する層の正極の外周縁と一致しないとは、両者の外周縁が積層方向において同一線上に一致しないことを意味するものであり、両者の外周縁が積層方向において交差する点は、上記一致に含まれない。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記複数の正極板が、互いに同形状に形成されるとともに、上記複数の負極板が、互いに同形状に形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記蓄電デバイスが、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とするものである。
請求項1〜4のいずかに記載の発明においては、負極の外形寸法を正極の外形寸法よりも大きく形成するとともに、正極の外周縁が負極の外周縁の内側に位置するように配置しているために、負極の外周縁に電流が過度に集中して当該部分にリチウム金属が析出することを防ぐことができる。
加えて、複数の正極板を積層するに際して、各々の正極板における正極の外周縁の少なくとも一部を、これと隣接する層の正極の外周縁と積層方向に一致しないように配置しているために、全ての正極の外周縁が積層方向に同じ位置になることがなく、よって積層方向に作用する圧縮荷重によって正極の外周縁に応力集中を生じることがない。
このため、上記正極板の外周縁の近傍に対向する負極板に、上記応力集中による局部的な凹状の撓みが生じることがなく、よって当該撓みに起因する電流集中によって当該箇所の負極表面にリチウム金属が析出することも防止することができる。この結果、負極におけるリチウム金属の析出を防止することができ、よって上記リチウム金属の析出に起因する正極板および負極板間の短絡を確実に防ぐことができるために、正極板、負極板およびセパレータといった構成部材のより一層の薄肉化を図ることもできる。
ここで、上記圧縮荷重による正極の外周縁への応力集中を確実に回避するためには、請求項2に記載の発明のように、正極を、その外周縁が全周にわたって隣接する層の正極の外周縁と積層方向に一致しないように配置することが好ましい。
また、請求項1または2に記載の発明においては、積層方向の上下に位置する複数の正極板における正極の外形寸法を、互いに違えることにより対応することも可能であるが、請求項3に記載の発明のように、複数の上記正極板を互いに同形状に形成し、かつ複数の上記負極板を互いに同形状に形成すれば、負極板間に配置される正極板を、積層方向に隣接する層の正極板に対して、上記積層方向と直交する方向に幾分ずらして配置することにより、容易に対応することができる。加えて、装置全体として一種類の形状の正極板および負極板を準備すればよいために、製造コストの増加を招くことが無く、かつ安定した蓄電性能を担保することもできる。
したがって、請求項1〜3に記載の発明は、特に請求項4に記載の発明のように、より一層の高電圧および高エネルギー密度が要請されるリチウムイオンキャパシタに適用した場合に、顕著な効果を奏する。
図1〜図5は、本発明に係る蓄電デバイスをリチウムイオンキャパシタに適用した実施形態を示すものである。
このリチウムイオンキャパシタは、正極板10、セパレータ11および負極板12によって1組の蓄電ユニットが形成され、複数の上記蓄電ユニットが積層されるとともに、これら正極板10、セパレータ11および負極板12間に、リチウム塩を含む電解液が注液されることにより概略構成されたものである。
ここで、正極板10は、ニッケル箔やアルミニウム箔等の耐酸化性を有して化学的に溶出しない金属箔からなる集電体13の両面に、それぞれ炭素材料からなる正極14が形成されたものであり、集電体13の1辺には接続用舌部13aが一体に形成されている。
より具体的に説明すると、この正極板10は、25μm〜35μmの厚さ寸法の上記集電体13の両面に、活性炭YP−17(クラレケミカル株式会社製)、アセチレンブラックHS−100(電気化学工業株式会社製)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の水性デイスバージョン(三井デュポンフルオロケミカル30J)およびCMC(第1製薬株式会社セロゲン4H)の2重量%水溶液を、重量比で88:8:2:2となるように混合し、蒸留水を加えてペースト状に混練することによって正極合剤スラリーを作製し、得られた当該正極合剤スラリーを圧延して、70μm〜90μmの厚さ寸法の正極14を形成した後に、金型を用いて図1に示す形状に打ち抜くことによって作成されたものである。なお、上記PTFEの水性デイスバージョン(三井デュポンフルオロケミカル30J)およびCMC(第1製薬株式会社セロゲン4H)の比率は、固形分の割合である。これにより、この正極板10およびその表面の正極14は、(50mm〜150mm)×(50mm〜150mm)の方形(図では正方形)に形成されている。
また、負極板12は、負極材料である難黒鉛化性炭素材料(呉羽化学株式会社製のPIC)とポリフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学株式会社製のKF#1100)を重量比で95:5に混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリジノンを加えてペースト状に混練した後、厚さ14μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥および圧延操作を行って負極16を形成し、金型を用いて図1に示す形状に打ち抜くことによって作成されたものであり、集電体15の1辺には接続用舌部15aが一体に形成されている。
ちなみに、この負極板12における集電体15の厚さ寸法は、12〜16μmであり、負極16は、36〜40μmの厚さ寸法に形成されている。また、この負極板12における負極16は、(50mm〜150mm)×(50mm〜150mm)の方形(図では長方形)であって、かつ正極14よりも大きな寸法に形成されている。なお、集電体15は、一対の対向辺間の寸法が負極16の形成寸法よりも大きい寸法に形成されており、これにより集電体15一対の対向辺と負極16との間には、集電体の露出部15bが形成されている。
さらに、セパレータ11は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂やガラス繊維等からなる通液性および非電子伝導性を有するシート材からなるもので、負極板12の集電体15と等しい外形寸法の方形(図では長方形)に形成されている。
そして、このリチウムイオンキャパシタは、図5に示すように、複数の同一形状の正極板10と複数の同一形状の負極板12とが、セパレータ11を間に挟んで交互に積層され、正極板10および負極板12の集電体13、15に形成された接続用舌部13a、15aに、それぞれ図1に示すように外部端子17、18が溶接されるとともに、得られた積層体の両端部間に圧縮方向の荷重が付与されることにより一体化され、さらにラミネートフィルム等からなる外装に収納されて、内部にLiI、LiClO4、LiAsF6等のリチウム塩を含む電解液が注液された後に、内部が真空引きされて封止されることにより構成されている。この際に、負極15には、拡散したリチウムイオンがプレドープされている。
ここで、上記リチウムイオンキャパシタにおいては、複数の正極板10が、正極14の外周縁の少なくとも一部が、直下に位置する正極板10の正極14の外周縁と積層方向に一致しないように、順次積層方向と直交する方向にずらした状態で配置されている。なお、この場合においても、全ての正極板10は、それぞれの正極14の外周縁が、負極板12の負極16の外周縁よりも内側に位置するように配置されている。
すなわち、図2に示すように、積層方向の最上段に位置する正極板10aに対して、その直下に位置する正極板10bは僅かに図中右方向にずれた位置に配置され、この正極板10bの直下に位置する正極板10cは、正極板10bに対して僅かに図中下方にずれた位置に配置され、この正極板10cの直下に位置する正極板10dは、正極板10cに対して僅かに図中左方にずれた位置に配置されるとともに、正極板10dの下方に位置する正極板10についても、同様にして順次積層方向と直交する方向に僅かにずれた位置に配置されている。
また、図4に示す他の正極板10の配置例においては、正極板10の直下に位置する正極板10は、直上の正極板10の正極14と4つの角部がすべて一致しないように、すなわち外周縁が全周にわたって直上に位置する正極14の外周縁と積層方向に一致しないように配置されている。
以上の構成からなるリチウムイオンキャパシタによれば、負極16の外形寸法を正極14の外形寸法よりも大きく形成するとともに、正極板10を、正極14の外周縁が負極16の外周縁の内側に位置するように配置しているために、負極16の外周縁に電流が過度に集中して当該部分にリチウム金属が析出することを防ぐことができる。
これに加えて、複数の正極板10を積層するに際して、各々の正極板10における正極14の外周縁の少なくとも一部(図2)または全部(図4)を、その直下に位置する正極板10の正極14の外周縁と積層方向に一致しないように配置しているために、図3および図5に示すように、任意の正極14の外周縁の位置Pに対して、その直下の正極14の外周縁が積層方向と直交する方向にずれた位置になる。
このため、積層方向に作用する圧縮荷重によって、正極14の外周縁に応力集中を生じることがなく、よって正極14の外周縁に対向する負極16の部分に、上記応力集中による局部的な凹状の撓みが生じることがないために、当該撓みに起因する電流集中によって負極16の表面にリチウム金属が析出することも防止することができる。
ここで、上記圧縮荷重による正極の外周縁への応力集中を確実に回避するためには、請求項2に記載の発明のように、正極を、その外周縁が全周にわたって直下に位置する上記正極の外周縁と積層方向に一致しないように配置することが好ましい。
したがって、上記リチウムイオンキャパシタによれば、負極16におけるリチウム金属の析出を防止することができ、よって上記リチウム金属の析出に起因する正極板10および負極板12間の短絡を確実に防ぐことができるために、正極板10、負極板12およびセパレータ11といった構成部材のより一層の薄肉化を図ることもできる。
さらに、複数の正極板10として互いに同一形状のものを用い、かつ複数の負極板12としても互いに同一形状のものを用いているために、負極板12間に配置される正極板10を、その積層方向の直下に位置する正極板10に対して、上記積層方向と直交する方向に幾分ずらして配置することにより、容易に対応することができる。
しかも、装置全体として一種類の形状の正極板10、セパレータ11および負極板12を準備すればよいために、製造コストの増加を招くことが無く、かつ安定した蓄電性能を担保することもできる。
なお、上記実施の形態においては、本発明に係る蓄電デバイスを、リチウムイオンキャパシタに適用した場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、セパレータを介して対向配置された複数層の正極板と負極板との間に、リチウム塩を含む電解液が注液されたリチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに対しても、同様に適用することができる。
本発明の一実施形態における正極板、セパレータおよび負極板の形状を示す平面図である。 上記実施形態における複数の正極板の積層方向の位置関係を示す平面図である。 図1の正極板、セパレータおよび負極板の積層状態を分解して示す正面図である。 図2の正極板の積層方向における位置関係の他の例を示す斜視図である。 図1の正極板、セパレータおよび負極板の積層体を示す正面図である。 リチウムイオンキャパシタにおいて負極を正極より小さく形成した場合の状態を示す正面図である。 リチウムイオンキャパシタにおいて負極を正極より大きく形成した場合の状態を示す正面図である。 図7のリチウムイオンキャパシタを示す正面図である。
符号の説明
10、10a、10b、10c、10d 正極板
11 セパレータ
12 負極板
13、15 導電体
14 正極
16 負極

Claims (4)

  1. 集電体の表面に正極が形成された平板状の正極板と、集電体の表面にリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な物質からなる負極が形成された平板状の負極板とが、セパレータを間に介して複数積層されるとともに、これらの間にリチウム塩を含む電解液が注液されてなる蓄電デバイスにおいて、
    上記負極は、予めリチウムがドープされ、かつ外形寸法が上記正極よりも大きく形成されるとともに、
    上記積層された複数の上記正極板の正極は、その外周縁の少なくとも一部が、隣接する層の上記正極の外周縁と積層方向に一致せず、かつ上記外周縁が上記負極の外周縁の内側に位置するように配置されていることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 上記正極は、その外周縁が全周にわたって隣接する層の上記正極の外周縁と上記積層方向に一致しないように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 上記複数の正極板は、互いに同形状に形成されるとともに、上記複数の負極板は、互いに同形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
  4. 上記蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄電デバイス。
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