JP2009140657A - 燃料電池用電極触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、十分な触媒活性を得ること電極触媒の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、担体物質と、前記担体物質上に形成された触媒成分薄膜とを含む電極触媒であって、
前記触媒成分薄膜の膜厚方向に対する(110)面の結晶配向比率を、
Figure 2009140657

で表したとき、前記(110)面の結晶配向比率が1を超えることを特徴とする電極触媒を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極触媒、特に燃料電池用の電極触媒に関するものである。
固体高分子型燃料電池(PEFC)は、他のリン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)などの燃料電池と比較しても常温で起動でき電解質の逸散・保持の問題が少なくメンテナンスが容易である。しかし、電極反応に使用される触媒成分としての白金は、資源供給量に問題があり、白金触媒量の一層の低減や白金に替わる触媒の開発が必要とされている。
電極反応はいわゆる三相界面(電解質−触媒電極−反応ガス)でおこるが、PEFCでは電解質が固体膜であるために、反応場所が電極と膜との接触界面に限定され、白金の利用率が低下する傾向にある。このため、一般的に、燃料電池の電極触媒に用いられる触媒物質の形態は、カーボンブラック等の導電性担体粒子の表面に白金を含む触媒粒子を高分散に配置し、高い触媒表面積をもつような形状を有している。
しかしながら、カーボンブラック等の導電性担体粒子に白金を担持させる際に還元処理及び熱処理を行う必要があり、これらの条件によっては、白金の結晶性の低下や結晶粒子の粗大化を招き十分な触媒活性が得られなくなるといった問題があった。
そのため、かかる問題を解決する技術として特許文献1がある。特許文献1では、物理的成膜法によって導電性粉体の表面に膜状に触媒を付着させることによって、低温で結晶性の良好な触媒となり、より少ない白金量で優れた触媒活性が得られたとしている。
特開2005−222736号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような、ただ単に膜状に触媒を付着させるだけでは十分な触媒活性を得ることはできなかった。
そこで本発明は、担体物質と、前記担体物質上に形成された触媒成分薄膜とを含む電極触媒であって、前記触媒成分薄膜の膜厚方向に対する(110)面の結晶配向比率を、
Figure 2009140657
で表したとき、前記(110)面の結晶配向比率が1を超えることを特徴とする電極触媒により上記課題を解決する。
本発明では、触媒形状を粒子状ではなく薄膜状とし、さらには担体物質と薄膜作製条件により特定の方向に配向した触媒成分薄膜を作製し、特に(110)面方向に強く結晶配向した触媒成分薄膜とすることで、触媒活性を大幅に向上できることを見出した。これにより、固体高分子型燃料電池の電池性能の向上を実現できる。
本発明の第一は、担体物質と、前記担体物質上に形成された触媒成分薄膜とを含む電極触媒であって、前記触媒成分薄膜の膜厚方向に対する(110)面の結晶配向比率を、
Figure 2009140657
で表したとき、前記(110)面の結晶配向比率が1を超えることを特徴とする電極触媒である。
これにより、特に低指数面として(110)方向に強く結晶配向した触媒薄膜を作製することが、触媒活性の大幅な向上に寄与する。その結果、触媒自身が持つ比活性が大幅に向上するため、触媒活性の向上が可能となり、当該電極触媒を搭載した固体高分子型燃料電池は、良好な電池性能を示す固体高分子型燃料電池を提供することができる。
なお、本明細書における「電極触媒」とは、触媒成分と担体物質とを含むものであり、カソード電極触媒およびアノード電極触媒をいう。さらに、「電極触媒層」とは、カソード電極触媒(層)/アノード電極触媒(層)(以下、単に「電極触媒(層)」とも称する)には、上記電極触媒の他に、高分子電解質が含まれる。また、本明細書における「膜−電極接合体」は、高分子電解質膜の片面にアノード電極触媒層が配置され、他方の面にカソード電極触媒層が配置され、さらにアノード電極触媒層およびカソード電極触媒層の他方の面にガス拡散層が配置されているものをいう。
本発明に係る各結晶面の配向は、例えばX線回折により求められた回折ピーク強度比を用いることで確認することができる。また、前記触媒成分薄膜の膜厚方向に対する(110)面の結晶配向比率は、X線回折で測定した(220)面のピーク強度I(220)と、他の(111)面のピーク強度I(111)および(200)面のピーク強度I(200)の和が、
Figure 2009140657
の関係であることが好ましい。
なお、X線回折で測定される(200)及び(220)面は、低指数面である(100)面及び(110)面の倍周期であるため等価である。
なお、本発明においてのX線回折に用いたXRD測定装置は、マック・サイエンス社製 X線回折装置(MXP18VAHF型) 電圧・電流:40kV、300mA X線波長:CuKαである。また、上記ピーク強度の算出法は、上記装置を用いて、試料にX線を照射したとき、その入射X線に対してブラッグの条件を満たす角度だけ傾けたとき、ある格子面によって回折される。この原理を利用して、Ptなどの触媒成分の各結晶面の回折ピークデータベースを用い、試料のもつ各結晶面のピーク強度を算出している。
本明細書において「薄膜状」とは、担持体表面に対し粒子状ではなく、薄い膜厚で連続的または断続的に配置されている状態を指す。薄膜状に触媒を形成する際、担体構造や担持手法により、特定の結晶配向に制御することができ、例えば担体表面の結晶構造を変えることにより、その上に形成される薄膜状触媒の結晶配向を制御することができる。粒子状では困難であった(110)面の結晶配向の割合を増加することができる。
これにより、高い触媒活性を得ることができ、かつ耐久性の向上に寄与することが可能となり、高耐久かつ良好な固体高分子型電池性能を示す燃料電池を提供することができる。
本発明に係る触媒成分薄膜に用いられる触媒成分は、カソード電極触媒(層)では、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく、公知の触媒が同様にして使用できる。また、アノード電極触媒(層)では、酸素の還元反応に触媒作用を有する機能以外に水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びそれらの合金等などから選択される。これらのうち、本発明に係る触媒成分薄膜に用いられる触媒成分は、少なくともPt、あるいはPtを含む合金であることが好ましい。
前記合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金が30〜90原子%、合金化する金属が10〜70原子%とするのがよい。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。
合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがある。しかし、本発明ではいずれであってもよい。
また、触媒成分薄膜は複数の層で形成されていてもよく、例えばPt層とPt合金層からなる二層構造やその他の金属が含まれる多層構造であってもよい。
さらに、本発明に係る触媒成分薄膜の厚みは、担体物質に対し触媒成分を薄膜状に形成させる際、触媒成分薄膜の厚みを1〜200nmの範囲にすることが好ましく、1〜20nmの範囲とすることがより好ましく、2〜10nmの範囲にすることが特に好ましい。
当該触媒成分薄膜の厚みが、1〜200nmの範囲であると、触媒活性と触媒使用量の両立を図ることが可能となる。一方、薄膜厚みが本範囲を外れ、厚すぎると必然的に触媒使用量の増加を招くこととなり、コスト増になる可能性がある。また、さらには電極触媒層の空隙を埋めてしまう可能性があり、ガス拡散性の阻害や触媒利用率の低下を招く恐れがある。上記に記載の厚み範囲にあればよく、より好ましくは酸化還元活性の高いPtあるいはPt合金金属薄膜が1〜20nmの範囲にあるとよい。また、本発明の触媒成分薄膜自体は、薄膜で形成されているため、粒子状の触媒と比べ、比表面積が小さいことから、燃料電池の運転モード、例えば負荷サイクル運転などで顕著化する白金溶出を抑制・防止することができる。
なお、本発明に係る触媒成分薄膜の厚みは、透過型電子顕微鏡TEMにて観察し測定している。
これにより、高い触媒活性を得ることができ、かつ耐久性の向上に寄与することが可能となり、高耐久かつ良好な固体高分子型電池性能を示す燃料電池を提供することができる
本発明に係る触媒成分薄膜を形成する担体物質は、導電性担体物質および導電性高分子を表面に被覆している導電性担体物質からなる群から選択された少なくとも一つを200〜3000℃で熱処理して得られることが好ましく、1000〜3000℃で熱処理して得られることがより好ましく、特に2000〜3000℃で熱処理して得られることが好ましい。
これにより、本発明の担体物質上に形成される触媒成分薄膜が、(110)面の結晶配向の割合を増加することができる。
本発明に係る導電性高分子は、特に限定されることはないが、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−2,5−ジアミノアントラキノン、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリ(イソキノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等の導電性高分子材料を挙げることができ、これらの導電性高分子は種々の置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の該置換基の具体例としては、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホン酸基、ジアルキルアミノ基、等を挙げることができる。
本発明に係る導電性担体物質は、具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン材料、より具体的には、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ブラックパール、黒鉛化アセチレンブラック、黒鉛化バルカン、黒鉛化ケッチェンブラック、黒鉛化カーボン、黒鉛化ブラックパール、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、及びカーボンフィブリル、繊維状炭素などから選ばれる少なくとも一種を主成分として含む炭素材料や、ニッケル、金等の金属材料などを挙げることができる。なお、本発明に係る担体物質は、上記例示した担体物質を1種以上含んでもよい。これにより、触媒自身が持つ比活性が大幅に向上するため、触媒活性の向上が可能となり、良好な電池性能を示す固体高分子型燃料電池を提供することができる
なお、本発明において「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。導電性担体に、上記に挙げた炭素材を本発明に係る電極に使用することによって、ロスの少ない高性能アノード極が得られる。
本発明に係る導電性担体物質の形状は、特に制限されるものではなく、粒子状のもの、繊維状物質、フィブリル形状、メッシュ形状、平板状など挙げられるが、中でも薄膜状の触媒成分を担持するには、導電性担体物質の形状としては例えば繊維状物質やフィブリル形状、メッシュ形状を持つものである方がより好ましい。
前記導電性担体が粒子状の場合の大きさは、特に限定されず、担持の容易さ、触媒利用率、電極触媒(層)の厚みを適切な範囲で制御するなどの観点から、1次粒子径が2〜100nm、好ましくは20〜50nm程度とするのがよい。
当該導電性材料1次粒子径が2nm以上であれば、触媒成分粒子径に対して小さすぎることなく、高分散担持を維持することが容易になり、100nm以下だと担体として十分な比表面積が得られるため触媒成分の凝集が生じることなく十分な電極性能が得られる。
また、本発明に係る導電性担体の空孔率は、5〜80体積%が好ましく、10〜70体積%がより好ましい。
本発明に係る導電性担体が粒子状の場合の1次粒子径の測定方法としては、透過型電子顕微鏡像の任意の8視野中に観察される導電性材料の1次粒子の粒径をすべて測定し(総計N>60)、その粒径の中央値を1次粒子径とする条件で行なった。しかし、この測定方法に限らず公知の方法で1次粒子径を算出することができる。なお、本明細書において「1次粒子」とは、導電性担体、例えば上記のカーボンブラックなどの炭素材は、一般的に複数凝集しているが、その個々の粒子をいい、凝集体を構成する個々の粒子をいう。
本発明に係る担体物質の形状は、特に制限されるものではなく、粒子状のもの、繊維状物質、フィブリル形状、メッシュ形状、平板状など挙げられるが、中でも薄膜状の触媒成分を担持するには、担体物質の形状としては例えば繊維状物質やフィブリル形状、メッシュ形状を持つものである方がより好ましい。
また、当該担体物質の選択によっては、形成される触媒成分薄膜の結晶配向等を制御することが可能となる。特に、触媒成分薄膜を形成するPtあるいはPt合金等と格子定数が近い金属材料等を用いることで、触媒成分薄膜の結晶配向制御をより容易にすることが可能となる。触媒自身が持つ比活性が大幅に向上するため、触媒活性の向上が可能となり、良好な電池性能を示す固体高分子型燃料電池を提供することができる。
本発明に係る触媒成分薄膜は、溶液還元、電析、真空蒸着、スパッタリング、およびCVDからなる群から選択される方法により作製されることが好ましい。
上記の担体物質上に触媒成分薄膜を形成する方法として、溶液還元法や電析等の湿式法やスパッタリング等の蒸着による乾式法を選択できるが、薄膜形状を有する触媒金属の作製には乾式法がより適している。特に、スパッタリング法は蒸着する際の金属粒子のエネルギーが大きく、より緻密な薄膜形成を行うことができるため、本発明においてより効果的である。用いる担体物質としては上記の材料を用い、特に触媒となる金属と格子定数が近い金属材料等を用いることで、触媒成分薄膜の結晶配向制御をより容易にすることが可能になる。例えば担体表面構造が(110)面に配向している傾向が強いものを選択することにより、その表面上に形成される触媒成分薄膜の結晶配向を(110)面に配向させることが容易になる。
またこれにより、触媒自身が持つ比活性が大幅に向上するため、触媒活性の向上が可能となり、良好な電池性能を示す固体高分子型燃料電池を提供することができる。
本発明に係る導電性担体物質の表面に導電性高分子を被覆する方法は、重合することにより上記導電性高分子を形成する単量体を、溶媒に好ましくは0.01〜5mol/l、より好ましくは0.1〜1mol/lで溶解させた後、当該単量体を含有する溶液を調製する。次いで、当該溶液に導電性担体物質を含浸させ、陽極に導電性担体物質を、陰極にグラファイト棒を用いて、室温、5〜100分間で電解酸化重合により厚さ1〜30μmの導電性高分子層を形成する。
上記溶媒は、重合することにより上記導電性高分子を形成する単量体を溶解できる溶媒であれば特に制限されることはなく、重合条件などで適宜選択されるものであるが、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(AN)、 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、水、ヘキサンなどが挙げられる。
その他の本発明に係る導電性担体物質の表面に導電性高分子を被覆する方法は、導電性高分子を溶媒に溶解させた後ディッピング法、スピンコーティング法、含浸法、噴霧熱分解法など公知の方法で塗布・乾燥をして導電性高分子層を形成できる。
本発明に係る導電性担体物質を熱処理する時間は、1〜30分間が好ましく、5〜20分間がより好ましい。
本発明に係る担体物質は比表面積が10〜500m/gの範囲にあることが好ましく、20〜250m/gの範囲にあることがより好ましく、25〜200m/gの範囲にあることがより好ましい。10m/g未満の場合、所望の触媒成分量を得る際に、触媒層全体の厚み増加を招き、良好な電池性能を得られにくくなる可能性がある。一方、500m/gを超える場合、薄膜状触媒金属の有効利用率が低下するといった可能性がある。
なお、本発明における「比表面積」とは、BET比表面積であり、一般的に比表面積の測定方法は、透過法(Kozeny Carman法)、容量法、重量法、流動法、定流量法、定容法、定圧法などの物理吸着法や化学吸着法など挙げられる。
なお、本発明に係る「比表面積」は、具体的にはまず試料を試料管に入れ250〜350℃で加熱しながら真空排気し表面の清浄処理を行い、その後の試料重量を測定する。再び装置に吸着セルを取りつけ、試料を液体窒素温度にまで冷却しセル内に窒素ガスを送り込む。試料表面に窒素ガスが吸着し、吹きこむガスの量を増やしていくと試料表面はガス分子で覆われていく。そしてガス分子が多重に吸着していく様子を圧力の変化に対する吸着量の変化としてプロットする。このグラフから試料表面にだけ吸着したガス分子吸着量をBET吸着等温式より求める。窒素分子はあらかじめ吸着占有面積がわかっているのでガス吸着量より試料の表面積を測定することができる。実際に本発明については、Quantachrome社のChemBET3000を用いて装置の標準的な測定法に従って求めている。
これにより、触媒自身が持つ比活性が大幅に向上するため、触媒活性の向上が可能となり、良好な電池性能を示す固体高分子型燃料電池を提供することができる。
(電極触媒層)
本発明は、電極触媒を備える燃料電池用電極触媒層であることが好ましく、本発明に係る電極触媒と高分子電解質とを含む電極触媒層である。
本発明の触媒成分薄膜で電極触媒層を構成することによって固体高分子型燃料電池の電池性能の向上かつ高耐久化を実現することができる。また、これにより、上記電極触媒層を燃料電池に搭載した場合、高耐久かつ良好な電池性能を示す固体高分子型燃料電池を提供することができる。
本発明に係る電極触媒層における高分子電解質は、特に限定されず公知のものを用いることができるが、高分子電解質膜に用いられたものと同様の材料が挙げられ、少なくとも高いプロトン伝導性を有する材料であればよい。この際使用できる高分子電解質は、高分子骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質と、高分子骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質とに大別される。
前記フッ素系電解質として、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系高分子、パーフルオロカーボンホスホン酸系高分子、トリフルオロスチレンスルホン酸系高分子、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系高分子、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系高分子などが好適な一例として挙げられる。
前記炭化水素系電解質として、具体的には、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸、ポリフェニルスルホン酸等が好適な一例として挙げられる。
高分子電解質は、耐熱性、化学的安定性などに優れることから、フッ素原子を含むのが好ましく、なかでも、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などのフッ素系電解質が好ましく挙げられる。
尚、本発明に係る電極触媒層を膜−電極接合体(MEA)として用いる場合において、高分子電解質膜と電極触媒層とで用いる高分子電解質は、異なってもよいが、膜と電極との接触抵抗などを考慮すると同じものを用いるのが好ましい。また、本発明に係る電極触媒を膜−電極接合体(MEA)として用いる場合の電極触媒層の厚さは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μm程度とするのがよい。
前記高分子電解質は、接着の役割をする高分子として電極触媒を被覆しているのが好ましい。これにより、電極の構造を安定に維持できるとともに、電極反応が進行する三相界面を十分に確保して、高い触媒活性を得ることができる。
本発明に係る電極触媒層中に含まれる前記高分子電解質の含有量は、特に限定されないが、触媒成分の全量に対して10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%とするのがよい。
本発明に係る電極触媒層中に含まれる導電性担体物質の含有量は、特に限定されないが、触媒成分の全量に対して20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%とするのがよい。
本発明に係る電極触媒層中に含まれる導電性高分子の含有量は、特に限定されないが、触媒成分の全量に対して20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%とするのがよい。
前記電極触媒層の空孔率は、30〜70%が好ましく、より好ましくは35〜50%である。空孔率が30%未満では、ガスの拡散が十分ではなく、高電流域でのセル電圧が低下する。また、空孔率が70%超では、電極触媒層の強度が十分ではなく、転写プロセスにおいて空孔率が低下する。
(膜−電極接合体)
本発明の第三は、高分子電解質膜の両側に一対の本発明に係る電極触媒層を挟持し、かつ前記電極触媒層の両側に一対のガス拡散層を挟持してなる膜−電極接合体である。
本発明の膜−電極接合体に用いられる高分子電解質膜としては、特に限定されず、電極触媒層に用いたものと同様の高分子電解質からなる膜が挙げられる。また、デュポン社製の各種のNafion(デュポン社登録商標)やフレミオンに代表されるパーフルオロスルホン酸膜、ダウケミカル社製のイオン交換樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体樹脂膜、トリフルオロスチレンをベース高分子とする樹脂膜などのフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂系膜など、一般的に市販されている高分子型電解質膜、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜、多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。前記高分子電解質膜に用いられる高分子電解質と、各電極触媒層に用いられる高分子電解質とは、同じであっても異なっていてもよいが、各電極触媒層と高分子電解質膜との密着性を向上させる観点から、同じものを用いるのが好ましい。
前記高分子電解質膜の厚みとしては、得られる膜電極接合体の特性を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μm、特に好ましくは5〜30μmである。製膜時の強度や膜電極接合体作動時の耐久性の観点から1μm超であることが好ましく、膜電極接合体作動時の出力特性の観点から50μm未満であることが好ましい。
また、上記高分子電解質膜としては、上記したようなフッ素系高分子電解質や、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂による膜に加えて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などから形成された多孔質状の薄膜に、リン酸やイオン性液体等の電解質成分を含浸したものを使用してもよい。
本発明に係るガス拡散層(以下GDLと称する)に用いられる材料としては、カーボンペーパ、不織布、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルトなどからなるシート状材料が提案されている。GDLが優れた電子伝導性を有していると、発電反応により生じた電子の効率的な運搬が達成され、燃料電池の性能が向上する。またGDLが優れた撥水性を有していると、生成した水が効率的に排出される。
高い撥水性を確保するために、GDLを構成する材料を撥水処理する技術も提案されている。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を含む溶液中にカーボンペーパなどのGDLを構成する材料を含浸させ、大気中または窒素などの不活性ガス中に乾燥させる。場合によっては、親水化処理がGDLを構成する材料に施されてもよい。
その他に、上記のカーボンペーパ、不織布などからなるシート状GDL上に、カーボン粒子およびバインダーを配置して、両者をガス拡散層として使用してもよく、カーボン粒子およびバインダーからなるフィルム自体をガス拡散層として使用してもよい。この結果、フィルム自体に均一に撥水材料、カーボン粒子が形成されているため、上記の塗布に比較して撥水効率の上昇がみられる。
前記撥水材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、フッ素系樹脂が好ましい。
尚、「バインダー」とは接着の役割を有する物質をいう。また、本発明に係る実施例では、バインダーの役割および撥水性の役割を兼ね備えたフッ素系樹脂を使用しているが、必ずしもこれに限定されず、バインダーおよび撥水材料を個々独立した物質で混合して使用しても良い。
本発明に係る膜−電極接合体において、必要に応じて使用される添加剤、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)、水、撥水剤、バインダーの量は、諸条件によって適宜選択されるものである。
次に、以下、本発明に係る担体物質がフィブリル状の場合における膜−電極接合体の製造方法の好ましい態様を説明する。なお、以下の態様は、本発明の好ましい態様を示したものであり、本発明の膜−電極接合体の製造方法が下記方法に限定されるものではない。
重合することにより上記導電性高分子を形成する単量体を、溶媒に溶解させた後、当該単量体を含有する溶液を調製する。次いで、当該溶液に導電性担体物質を含浸させ、陽極に導電性担体物質を、陰極にグラファイト棒を用いて、電解酸化重合により導電性高分子層をフィブリル状の導電性担体物質の表面に形成する。その後200〜3000℃で5〜60分間熱処理することで本発明に係る担体物質を得ることができる。
なお、本発明に係る導電性高分子層を導電性担体物質上に形成させない場合も、導電性担体物質を200〜3000℃で5〜60分間熱処理することで本発明に係る担体物質を得ることができる。
次いで、溶液還元、真空蒸着、スパッタリング、およびCVDからなる群から選択される少なくとも一つの方法で、フィブリル状の導電性担体物質の表面に形成された当該導電性高分子層上に、触媒成分薄膜を形成する。その後、担体物質に触媒成分薄膜を形成させた電極触媒、ならびにナフィオンなどのイオン伝導性物質を必要に応じて水またはアルコールなどの溶剤に添加して、触媒スラリーを調整する。
本発明の触媒スラリーを転写用台紙上に塗布・乾燥して、電極触媒層を形成する。この際、転写用台紙としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、ポリエステルシートなどの公知のシートが使用できる。なお、転写用台紙は、使用する触媒スラリー(特にインク中のカーボン等の導電性担体物質)の種類に応じて適宜選択される。また、上記工程において、電極触媒層の厚みは、水素の酸化反応(アノード側)及び酸素の還元反応(カソード側)の触媒作用が十分発揮できる厚みであれば特に制限されず、従来と同様の厚みが使用できる。具体的には、電極触媒層の厚みは、1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。
転写用台紙上への触媒スラリーは、特に制限されず、スクリーン印刷法、沈積法、あるいはスプレー法などの公知の方法が同様にして適用できる。また、塗布された電極触媒層乾燥条件もまた、電極触媒層から極性溶剤を完全に除去できる条件であれば特に制限されない。具体的には、触媒スラリーの塗布層(電極触媒層)を真空乾燥機内にて、室温〜100℃、より好ましくは50〜80℃で、30〜60分間、乾燥する。この際、触媒層の厚みが十分でない場合には、所望の厚みになるまで、上記塗布・乾燥工程を繰り返す。次に下記の工程に進む。
すなわち、このようにして作製された電極触媒層に固体高分子電解質膜を挟持した後、当該積層についてホットプレスを行なう。この際、ホットプレス条件は、電極触媒層及び固体高分子電解質膜が十分密接に接合できる条件であれば特に制限されないが、110〜150℃、より好ましくは120〜140℃で、電極面に対して1〜5MPaのプレス圧力で行なうのが好ましい。これにより固体高分子電解質膜および電極触媒層との接合性を高めることができる。
ホットプレスを行なった後、転写用台紙を剥がすことにより、電極触媒層および固体高分子電解質膜の複合体(いわゆるCCM)を得ることができる。
また、本発明に係る膜−電極接合体を用いた燃料電池の作成方法については、膜−電極接合体の両側に一対のガス拡散層を設ける必要がある。このガス拡散層の作製は、必要に応じてカーボンペーパなどを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を含む溶液中含浸させ、大気中または窒素などの不活性ガス中に乾燥させた後、ガス拡散層作製する。
そして、上記に作製したガス拡散層2枚を用いて電極触媒層および固体高分子電解質膜を含む電極を挟持することにより膜−電極接合体を作製する。
本発明の触媒スラリーにおいて、電極触媒は、所望の作用、即ち、水素の酸化反応(アノード側)及び酸素の還元反応(カソード側)を触媒する作用を十分発揮できる量であればいずれの量で、使用されてもよい。電極触媒が、触媒スラリー中、5〜75質量%、より好ましくは10〜60質量%となるような量で存在することが好ましい。
本発明の触媒スラリーには、電極触媒、高分子電解質、及び溶剤に加えて、必要があればポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体といった撥水性高分子、増粘剤などが含まれてもよい。これにより、得られる電極触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。
増粘剤の使用は、触媒スラリーなどが転写用台紙上にうまく塗布できない場合などに有効である。この際使用できる増粘剤は、特に制限されず、公知の増粘剤が使用できるが、例えば、グリセリン、(EG(エチレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール))などが挙げられる。増粘剤を使用する際の、増粘剤の添加量は、本発明の上記効果を妨げない程度の量であれば特に制限されないが、触媒スラリーの全質量に対して、好ましくは0〜10質量%である。さらに、本発明で使用される触媒スラリーを構成する溶剤としては、特に制限されず、触媒層を形成するのに使用される通常の溶剤が同様にして使用できる。具体的には、水、シクロヘキサノールやエタノールや2−プロパノール等の低級アルコールが使用できる。
本発明で使用される溶剤の量は、電解質を完全に溶解できる量であれば特に制限されないが、電解質が、溶剤中、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%の濃度になるような量である。この際、電解質の濃度が20質量%以下であれば、電解質を完全には溶解し、コロイドが形成される可能性が低い。また、0.1質量%以上であると、含まれる電界質量が適量であるため、電解質高分子の分子鎖がよく絡まりあう。このため、形成される電極触媒層の機械的強度が優れる。また、触媒スラリーにおいて、電極触媒および固体高分子電解質などを合わせた固形分の濃度は、触媒スラリー中、5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量程度%とするのがよい。
本発明の触媒スラリーは、カソード側電極触媒層またはアノード側電極触媒層のいずれか一方のみに使用されてもあるいは双方に使用されてもよい。しかし、カソード側は特に出力変動による生成水量の変化により乾湿の変化を受けて、初期状態における電極触媒層の多孔構造が崩れ、空隙率が低下して、電極触媒層への反応ガス供給量が低下する危険性が高い。そのため少なくともアノード側電極触媒層に使用されることが好ましい。
本発明に係るガス拡散層は、上記方法において、転写用台紙を剥がし、得られた接合体をさらにガス拡散層で挟持することによって、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接合後にさらに各電極触媒層に接合することが好ましい。または、電極触媒層を予めガス拡散層表面上に形成して電極触媒層−ガス拡散層接合体を製造した後、上記したのと同様にして、この電極触媒層−ガス拡散層接合体で固体高分子電解質膜をホットプレスにより挟持・接合することもまた好ましい。
なお、前記のホットプレス方法以外に、ガス拡散層上に逐次塗布により電極触媒層−高分子電解質膜−電極触媒層−ガス拡散層を積層する方法を用いても良い。
本発明の第3は、前記膜−電極接合体を含む燃料電池である。前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では高分子電解質型燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池に代表される酸型電解質の燃料電池、ダイレクトメタノール型燃料電池、マイクロ燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能であるから、固体高分子電解質型燃料電池が好ましく挙げられる。また、前記燃料電池は、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源の他、定置用電源などとして有用である。特にシステムの起動/停止や出力変動が頻繁に発生する自動車用途で特に好適に使用できる。
前記高分子電解質型燃料電池は、定置用電源の他、搭載スペースが限定される自動車などの移動体用電源などとして有用である。なかでも、比較的長時間の運転停止後に高い出力電圧が要求されることによるカーボン担体の腐食、および、運転時に高い出力電圧が取り出されることにより高分子電解質の劣化が生じやすい自動車などの移動体用電源として用いられるのが特に好ましい。
前記燃料電池の構成としては、特に限定されず、従来公知の技術を適宜利用すればよいが、一般的には膜電極接合体をセパレータで挟持した構造を有する。
前記セパレータとしては、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、従来公知のものであれば制限なく用いることができる。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するための流路溝が形成されてもよい。セパレータの厚さや大きさ、流路溝の形状などについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
また、各電極触媒層に供給されるガスが外部にリークするのを防止するために、ガスケット層上の電極触媒層が形成されていない部位にさらにガスシール部が設けられてもよい。前記ガスシール部を構成する材料としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、ガスシール部の厚さとしては、2mm〜50μm、望ましくは1mm〜100μm程度とすればよい。
さらに、燃料電池が所望する電圧等を得られるように、セパレータを介して膜電極接合体を複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
以下、実施例および比較例により本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において採用した分析方法および分析機器は下記の通りである。
(実施例1)
0.1Mアニリン水溶液の入った容器を設置し、カーボン基材(ガス拡散基材(GDL):カーボン繊維でできた板状のもの、を陽極、対極としてグラファイト棒を用い電流を印加し、アニリンの電解酸化重合により基材上にポリアニリンの層(触媒層の厚みが30μm)を形成した。さらにこのポリアニリン形成基材を2500℃以上の高温焼成を10分間、真空雰囲気で施し、その後アルゴンガス(不活性ガス)を投入し、さらに圧力を下げてフィブリル状(繊維状)の電極基材を作製した。このときBET法により測定した結果、担体物質の比表面積は25m/gであった。
上記作製電極をスパッタ装置に設置し、ターゲット金属としてPtを用い、出力40W、5Paとして、150秒間スパッタリング操作を行うことにより、Pt薄膜の厚さ14nm、Pt量0.05mg/cmとなる触媒担持電極を得た。このときマック・サイエンス社製 X線回折装置(MXP18VAHF型)により測定した結果、(110)面の結晶配向比率は1.5であった。
上記触媒金属を担持した試料電極を評価用作用極、酸素ガスを飽和した0.5mol/L硫酸水溶液を電解液とした、三電極式ガラスセルを用いて評価を行った。
試料電極を電解液に浸し、自然電位から低電位側に、電位を1mV/秒の速度で操作する。このときの電位−電流曲線から0.85V時の電流値を測定し、Pt含有量を除したものを酸素還元反応に対する白金の質量活性とした。
(実施例2)
カーボンブラック粉末とテフロン(登録商標)分散液を混合したインクを、カーボンブラックとPTFEのうちPTFEが10%となるように、カーボンペーパ(GDL)上に塗布厚みが50μmとなるように塗布し、300℃以上、3時間、空気雰囲気で熱処理することで電極基材(カーボンブラック粒子が集まって形成された多孔質状のもの)を作製した。このときBETにより測定した結果、担体物質の比表面積は250m/gであった。
上記作製電極をスパッタ装置に設置し、ターゲット金属としてPtを用い、出力40W、5Paとして、150秒間スパッタリング操作を行うことにより、Pt薄膜の厚さ6nm、Pt量0.05mg/cmとなる触媒担持電極を得た。このときマック・サイエンス社製 X線回折装置(MXP18VAHF型)により測定した結果、(110)面の結晶配向比率は1.5であった。
上記触媒金属を担持した試料電極を評価用作用極、酸素ガスを飽和した0.5mol/L硫酸水溶液を電解液とした、三電極式ガラスセルを用いて評価を行った。
試料電極を電解液に浸し、自然電位から低電位側に、電位を1mV/秒の速度で操作する。このときの電位−電流曲線から0.85V時の電流値を測定し、Pt含有量を除したものを酸素還元反応に対する白金の質量活性とした。
(比較例1)
スパッタ法を用い、カーボン粉体の表面にPtを膜状に付着させた。ここで、カーボン粉体に対して50wt%となるように白金量を調整した。こうしてできたPt担持カーボン粉末を、フラレノール、撥水材樹脂及び造孔材(CaCO)とともに混練し、 Ptを0.05mg/cmとなるようにカーボン基材に塗布した。次に、酸処理により造孔材を除去することで、触媒担持電極を作製した。
上記触媒金属を担持した試料電極を評価用作用極、酸素ガスを飽和した0.5mol/L硫酸水溶液を電解液とした、三電極式ガラスセルを用いて評価を行った。
試料電極を電解液に浸し、自然電位から低電位側に、電位を1mV/秒の速度で操作する。このときの電位−電流曲線から0.925V時の電流値を測定し、Pt含有量を除したものを酸素還元反応に対する白金の質量活性とした。
Figure 2009140657

Claims (8)

  1. 担体物質と、前記担体物質上に形成された触媒成分薄膜とを含む電極触媒であって、
    前記触媒成分薄膜の膜厚方向に対する(110)面の結晶配向比率を、
    Figure 2009140657
    で表したとき、前記(110)面の結晶配向比率が1を超えることを特徴とする電極触媒。
  2. 前記触媒成分薄膜の膜厚方向に対する(110)面の結晶配向比率は、X線回折で測定した(220)面のピーク強度I(220)と、他の(111)面のピーク強度I(111)および(200)面のピーク強度I(200)の和が、
    Figure 2009140657
    の関係である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極触媒。
  3. 前記触媒成分薄膜は、少なくともPt、あるいはPtを含む合金である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極触媒。
  4. 前記担体物質は、炭素材料、導電性高分子材料、および金属材料からなる群から選択される導電性材料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極触媒。
  5. 前記担体物質は、比表面積が10〜500m/gである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極触媒。
  6. 前記担体物質は、導電性担体物質および表面に導電性高分子を被覆している導電性担体物質からなる群から選択される少なくとも一方を200〜3000℃で熱処理して得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極触媒の製造方法。
  7. 前記触媒成分薄膜は、溶液還元、電析、真空蒸着、スパッタリング、およびCVDからなる群から選択される少なくとも一つの方法で形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極触媒の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極触媒、または請求項6または7の製造方法から得られた電極触媒を備える燃料電池用電極触媒層。
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