JP2009143459A - 車載エレクトロニクス・システム及び自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな問題が発生する前に、ユーザへの情報伝達を行える機構が必要とされる。
【解決手段】複数のLSIボードからなる車載システムにおいて、直接画像や音声などのユーザ・インタフェースを直接制御できないLSI(MC1,MC2)は、ユーザ・インタフェースを制御する車載情報制御LSI(IC1)に、自らの状態を搭乗者へ通知させるコマンドを、ネットワーク(MCNW,ICNW)を介して発行し、情報制御LSI(IC1)がこの要求を受けメッセージを出力する。LSI状態情報通知に関する処理の優先度を機器制御処理に対して低く設定する機構を、LSIとネットワークに持ち機器制御処理のリアルタイム性を維持する。また、LSI状態情報通知に対するネットワーク負荷を減らすため、メッセージ内容そのものは車載情報処理部のメモリに記憶させておき、メッセージ内容を識別するIDのみを伝達する。
【選択図】図1
【解決手段】複数のLSIボードからなる車載システムにおいて、直接画像や音声などのユーザ・インタフェースを直接制御できないLSI(MC1,MC2)は、ユーザ・インタフェースを制御する車載情報制御LSI(IC1)に、自らの状態を搭乗者へ通知させるコマンドを、ネットワーク(MCNW,ICNW)を介して発行し、情報制御LSI(IC1)がこの要求を受けメッセージを出力する。LSI状態情報通知に関する処理の優先度を機器制御処理に対して低く設定する機構を、LSIとネットワークに持ち機器制御処理のリアルタイム性を維持する。また、LSI状態情報通知に対するネットワーク負荷を減らすため、メッセージ内容そのものは車載情報処理部のメモリに記憶させておき、メッセージ内容を識別するIDのみを伝達する。
【選択図】図1
Description
本発明は、多数の半導体集積回路を含む車載エレクトロニクス・システムに関する。
現在、車のエレクトロニクス化が進行しており、エンジン、ブレーキなどをはじめとして、これまでは機械制御していた部分が電子制御に置き換わる。車載システムにとって信頼性の確保は最重要項目であり、車載エレクトロニクス・システムには高い信頼性が求められる。この車載エレクトロニクスの核をなすLSIも同様であり、十分な信頼性を確保する設計が行われる。しかしながら、初期テストでは判断できない問題も起こりうる。周辺環境が想定以上の高温状態となることによる熱暴走や動作速度劣化、経年劣化による劣化などがある。
このような問題を解決する一手段として、温度や動作速度などLSIの状態を観測する回路をLSI内に集積し、その値に応じた制御を行うことがある。また、温度に関する制御として、高温時には性能を低下させ信頼性の確保を行う手法が提案されている。特許文献1では、LSIの温度がある一定温度を超えた場合に、処理を省き動作周波数を低下させることで、信頼性を確保する手法について記載がある。また、その場合には、警告灯を点灯させることが記載されている。また、特許文献2では、ナビゲーション機能、オーディオ機能、緊急通知機能、更にエアコン制御機能等が集約された車載情報システムで、冷却ファンの異常が検出された場合に、処理内容を制限し発熱を抑えるソフトウェア手法に関して記載がある。また、処理内容を制限したことを表示または音声でユーザに伝達することにも触れられている。
上記のように、初期テストでは判断できない問題に対して、LSIに観測回路を集積しLSIの状態に合せてその動作を制御する手法は有効である。しかしながら、その動作はあくまで補助的なものであり、特にブレーキ、エンジン等の機器制御側に障害が発生した場合には、本質的には修理が必要になる。ここで、特許文献1では、自分で制御可能な警告灯を点灯することで搭乗者に伝達する。一方、特許文献2においては、冷却ファン等に異常が発生し、温度上昇が観測された場合に、機能制御処理を行われたことを、自分で制御可能な機能を用いてユーザに告知する。即ち、両特許文献とも、そのLSIが制御しているものの異常を検出し、そのLSIが制御可能な手段を用いて、ユーザに異常を伝達している。現在の車載システムでは、ブレーキやエンジン等の制御を行うLSIと、表示や音声を出力するカーナビゲーションやオーディオ機器の制御を行うLSIは異なるLSIで構成される。従って、カーナビゲーションやオーディオ機器等、より詳細に異常を伝達する手段を有しているにもかかわらず、特許文献1に示されるようにブレーキやエンジン等の機器制御を行っているLSIに異常があった場合は、警告灯等の簡単な告知手段を用いている。ここで、警告等の簡単な告知手段ではなく、カーナビゲーンやオーディオ機器等にて詳細に情報を伝達できれば、よりユーザの利便性は向上するが、現状、その手段が提供されていない。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
車載エレクトロニクス・システムまたは自動車において、自身の温度情報又は動作速度情報を観測する観測回路を有し、対応する可動機器部品を制御する複数の機器制御部LSIと、画像表示デバイス又は音声出力デバイスを制御する複数の情報処理LSIと、前記複数の機器制御部に接続される機器制御系ネットワークと、前記情報処理LSIに接続される情報処理系ネットワークと、前記機器制御系ネットワーク及び前記情報処理系ネットワークとの間に接続されるゲートウェイLSIとを具備し、前記複数の機器制御部LSIは、前記観測回路による観測結果に基づいて動作異常を検出した場合に、前記機器制御系ネットワークを介して前記ゲートウェイLSIに第1異常情報を通知し、前記ゲートウェイLSIは、前記複数の機器制御部LSIの一つから前記第1異常情報を受け取った場合に、前記第1異常情報に基づく第2異常情報を前記情報処理系ネットワークを介して前記情報処理LSIに通知し、前記情報処理LSIは、前記第2異常情報を受け取った場合に、前記第2異常情報に基づくメッセージを前記画像表示デバイス又は前記音声出力デバイスに出力するように構成すると良い。
更には、前記第1異常情報及び第2異常情報をメッセージそのものでなく、コード化し、情報処理部において、テーブルを参照して、出力すべきメッセージを決定するようにするとよい。
また、当該第1異常情報を出力するタスクは、通常動作のタスクよりその実行優先度を低くするとよい。
また、機器制御系ネットワークに、各機器制御部LSIに予め定めた周期に使用権を与える調停方式1と優先度に従って使用権を与える調停方式2を準備し、当該調停方式2を用いて前記第1異常情報を伝達するようにするとよい。この場合、第1異常情報の優先度は、通常の通信の優先度より低くするとよい。
また、機器制御LSIに対応するサブLSIを設け、機器制御LSIに異常があった場合に、その一部の処理をサブLSIに実行させるように構成するとよい。
また、機器制御LSIは、観測回路により観測された温度情報を記憶し、第1異常情報は、所定の温度異常の積算時間が所定の値を超えた場合に出力されるようにするとよい。
また、上記温度情報は、不揮発性メモリに格納し、メンテナンス時に外部から読み出せるようにするとよい。
車載システムの信頼性を向上することができる。
図1には本発明の第一の実施例に係る車載エレクトロニクス・システムの構成が示される。本システムは、エンジンやブレーキなどの可動機器部品の制御を行う機器制御システムと、オーディオ、ナビゲーションシステム等ユーザインターフェースである画像表示デバイス又は音声出力デバイスを制御する情報処理システムと、それの間に位置するゲートウェイ部(GW1)からなる。機器制御システムは、夫々の可動機器部品に対応して複数の機器制御部MC1とMC2を有する。また、情報処理システムは、夫々のユーザインターフェースに対応して複数の情報処理部IC1とIC2を有する。また、複数の機器制御部(MC1、MC2)とゲートウェイ部は、機器制御系ネットワーク(MCNW)で接続され、複数の情報処理部(IC1、IC2)とゲートウェイ部(GW1)は、情報系ネットワーク(ICNW)で接続される。ここで、情報処理システムとは、画像や音声データを扱う部分を指し、それらが接続されるネットワークを情報系ネットワークと呼ぶ。カーナビゲーション機器や、オーディオ機器などが情報処理システムに相当する。機器制御システムとは、エンジン、ブレーキ、ハンドル、ドアなど可動部分を制御する部分を指し、それらが接続されるネットワークを機器制御系ネットワークと呼ぶ。これらのネットワーク両方に接続され、情報を通す役割を担う部分をゲートウェイ部と呼ぶ。なお、夫々のネットワークを構成する機器は、上記に列挙したものに限らないし、また、例えば、ドア等の可動部分の制御部が情報系ネットワークに接続されても良い。ここでは、カーナビゲーション機器やオーディオ機器等、画像・音声データを外部出力する機器を有するネットワークを情報系ネットワーク(あるいは、情報処理システム)と呼び、それ以外のネットワークを機器制御系ネットワーク(あるいは、機器制御システム)と呼ぶ。
機器制御部は制御対象機器に合せて複数からなり、図1においては機器制御部MC1とMC2からなる。MC1は、主に制御を行うメインLSI(LSI-M1M)と、その動作を補助するサブLSI(LSI-M1S)と、メモリ(MEM-M1)を含む。LSI-M1Mは、機器制御系ネットワークに接続するための通信IF(IF-MC)、CPU、LSIの温度や動作速度などを観測するためのLSI状態観測回路(SNS)、内蔵メモリ(MEM)、ADコンバータ(ADC)、専用回路ASICを含む。LSI-M1Sは、機器制御系ネットワークに接続するための通信IF(IF-MC)、CPU、LSI状態観測回路(SNS)、内蔵メモリ(MEM)、その他回路ブロック(OTH)を含む。メモリMEM-M1もLSIの温度や動作速度などを観測するためのLSI状態観測回路(SNS)を含む。MC2は、主に制御を行うLSI(LSI-M2M)と、その動作を補助するLSI(LSI-M2S)と、メモリ(MEM-M2)、LSI-M2MやLSI-M2Sを制御対象機器と接続をするためのLSIであるLSI-M2A1、LSI-M2A2を含む。LSI-M2Mは、通信IF(IF-MC)、CPU、LSI状態観測回路(SNS)、その他の回路ブロックOTHを含む。ここで、上記のLSI状態観測回路(SNS)は、機器制御部内のCPUからSNSの観測したLSI状態値を参照できる機構を持つ。機器制御系ネットワークに接続するための通信IF(IF-MC)を持つLSIは、上記のSNSから参照したLSI状態を元にコマンドを生成し、通信IF(IF-MC)内のレジスタに書き込むことにより生成したコマンドを送信することができる。
ゲートウェイ部のLSIは、機器制御系ネットワークに接続するための通信IF(IF-MC)と、情報ネットワークに接続するための通信IF(IF-IC)と、CPU、割り込みコントローラINT、その他の回路ブロックOTHを有する。
情報処理システムも複数からなり、図1においては機器制御部IC1とIC2からなる。IC1は、主に処理行うLSI(LSI-I1M)と、その動作を補助するLSI群(LSI-I1S、LSI-SNDC、LSI−KEY、LSI-CAMC、LSI-RF)と、メモリ(MEM-I1、MEM-I2)を含む。LSI-I1Mは、情報系ネットワーク(ICNW)に接続するための通信IF(IF-IC)、CPU、LSI状態観測回路(SNS)、画面表示を行うための画面表示制御ブロック(DISPC)と、スピーカへ音声を出力するためのサウンド/音声入出力制御ブロック(SNDC)、その他の回路ブロック(OTH)を含む。ここで、DISPはディスプレイ、MICはマイクロフォン、SPKはスピーカ、KEYはキーボード、CAMはカメラ、WLは無線用アンテナ、HDDはハードディスク、USBはUSBポートをさす。IC2は主に処理行うLSI(LSI-I2M)と、メモリMEM-I3からなる。
ここで、機器制御部MC1にて異常が発生した場合の動作について説明する。なお、夫々の動作については、後に詳述するものとし、ここでは全体的な流れのみを説明する。機器制御部MC1は、LSI状態観測回路による観測結果に基づいて動作異常を検出した場合に、通信IF(IF-MC)、機器制御系ネットワークを介してゲートウェイ部に異常情報を出力する。ゲートウェイ部GW1では、機器制御部MC1から送信された異常情報に基づいて、通信IF(IF-IC)、情報処理系ネットワークを介して情報処理部IC1に異常情報を出力する。異常情報を受け取った情報処理部IC1は、対応する表示デバイスに異常情報に基づくメッセージを表示させるか、又は、対応する音声出力デバイスに異常情報に基づくメッセージを出力させる。
上記の構成により、機器制御システム内LSIが自身の温度や動作速度などの情報を、機器制御系ネットワーク、ゲートウェイ部、情報処理系ネットワーク、情報処理システムを介して、警告灯等の簡単な公知手段ではなく、メッセージ等のよい詳細な情報を搭乗者に知らせることができる。従って、搭乗者は早期にメンテナンスを受けるために、例えば、車販売会社に行くことが可能となる。以下に各構成要素の動作について記載する。
図2は、機器制御部の一例を示す(図1の機器制御部MC2に対応)。メインLSI(LSI-M2M)と信頼性確保用のサブLSI(LSI-M2S)の主な役割は、機器の動作状態をセンシングした情報(MC2IN)をもとに、制御対象機器への制御信号(MC2OUT)を出力することであり、強い信頼性が求められる。LSI-M2Sは、2つのCPU(CPU0/1)、専用回路ブロック(ASIC)、タイマ(TMU)、オンチップRAM、オンチップROM、メモリ制御コントローラ(MEMC)、割り込みコントローラ(INTC)、通信IF(IF-MC)、クロック制御部CLKC、各種出力インタフェース(OTHIF)、ADコンバータ(ADC)を含む。また、LSI-M2Mは、LSI状態観測回路(図1のSNSに対応)として、LSIの温度をセンシングする温度観測回路TS、LSIの動作速度を観測するための動作速度検出回路DSを持つ。温度観測回路TSは、設定した温度を跨いだ温度変化が発生した時に、割込み制御回路INTCを通してメインLSI内のCPU(CPU0またはCPU1)に温度起因性能抑制/抑制解除割込みを発行する。設定温度を超えた温度上昇が発生した場合に発行される温度起因性能抑制割込みと、設定温度をまたぐ温度下降が発生した場合に発行される温度起因性能抑制解除割込みがある。また、動作速度観測回路DSは、プロセス劣化などによるLSIの動作速度の劣化を観測するためのものであり、予め設定した値を跨ぐLSIの動作速度の変化が発生した場合にDSはメインLSI内のCPUに動作速度変化割込みを発行する。また、DS、TSが複数あるのは、LSI内の複数のポイントを観測するためである。
図3(b)は機器制御部メインLSI内CPUの処理の優先度の例を示す。機器制御部のメインLSI(LSI-M2M)では、エンジンやブレーキなど機器制御のタスクだけでなく、信頼性を高めるための冗長演算タスクや、各機能が正常に動作するかどうかを検査する診断タスクが実行される。本発明においては、これらに加えてLSI状態反映タスクが実行される。本タスクは、温度観測回路TSから得られる温度情報や動作速度観測回路DSから得られる動作速度情報などに基づき、情報処理システムへのLSI状態通知コマンドの生成/発行、自身のLSIの処理性能(動作クロック周波数や電源電圧)の制御を行う。LSI状態反映タスクは、リアルタイムで制御すべき機器制御タスクや冗長演算タスクより優先度は低く、機器制御タスクや冗長演算タスクの実行中はLSI状態反映タスクの実行は待たされる。逆に、LSI状態反映タスク実行中に機器制御タスクや冗長演算タスクを実行するための割り込みが来た場合は、LSI状態反映タスクは中断され、機器制御タスクや冗長演算タスクが実行される。また、LSI状態反映タスクは、診断処理タスクより優先度が高く、診断処理タスクの実行中でも割込みLSI状態反映タスクが実行され、また逆にLSI状態反映タスク実行中には優先度の低い診断処理タスクは待たされる。これにより、走行に必要なタスク等リアルタイム性が要求されるタスクはLSI状態反映タスクの追加の影響を受けずに実行可能となる。これらのタスクは、図2の例においては、不揮発メモリMEM-M2に格納されている。上記の機器制御タスク、冗長演算タスク、診断タスクはユーザプログラム(USRPGM)に含まれ、LSI状態反映タスクはCTRLPGMに対応する。
図3(a)はLSI状態反映タスク(CTRLPGM)の動作フローを示す。本タスクは、設定した温度を跨いだ温度変化が発生した時に発行される温度起因性能抑制/性能抑制解除割込みを受け付けた時、あるいは、設定した動作速度指標値を跨いだ動作速度変化が発生した時に発行される動作速度変化通知割込みを受け付けた場合に実行される。例えば、温度起因性能抑制割込みを受け付けると、メインCPU(CPU0) はまず温度観測回路TSから得られる値を読出す。次にその温度値に基づき、空調制御部へ冷風を機器制御部へ送るよう要求を出す。次に、動作温度関連情報をユーザへ通知するためのコマンドを発行するための処理を行う。複数の温度に対応するコマンドをメモリ(MEM-M2)に予め用意しておき、その中から得られた温度値に対応するコマンドを選択する。選択されたコマンドを機器制御系ネットワーク通信IF回路(IF-MC)に書き込む。IF-MCはネットワークのプロトコルにあわせてフォーマット変換し、LSI状態通知コマンドとして機器制御系ネットワーク(MCNW)に送信する。最後に、検出温度に応じて動作周波数や動作電圧を制御する。温度の上昇に伴い動作周波数および動作電圧を下げる。このとき動作周波数に応じた処理内容の変更も必要であり、機器制御タスクの一部や冗長演算タスクの一部を簡略処理とし、診断タスクの頻度を下げる。現在の機器制御タスクは、一昔前とくらべ非常に高機能なものとなっており演算量も多い。例えばエンジン制御を考えても環境性能、運動性能最適化のために処理量が増加しているが、一時的に環境性能や運動性能を低下させることで簡略処理は可能である。
また、LSI状態反映タスクは動作速度変化割込みによっても起動される。この場合、メインCPU(CPU0)は、まず動作速度観測回路DSから得られる値を読出す。次にその動作速度関連情報をユーザへ通知するためのコマンドを発行するための処理を行う。動作速度指標値に対応するコマンドをメモリ(MEM-M2)に予め用意しておき、その中から得られた動作速度指標値に対応するコマンドを選択する。選択されたコマンドを機器制御系ネットワーク通信IF(IF-MC)に書き込む。IF-MCは、ネットワークのプロトコルにあわせてフォーマット変換し、コマンドを送信する。最後に動作周波数を制御する。動作周波数を低下させる場合には、温度起因性能抑制/性能抑制解除割込み時と同様に処理内容の簡略化、頻度低下、省略などを行う。処理内容を簡略化する際の簡易処理プログラム(SMPLPGM)はMEM-M2内に予め用意しておく。
また、図9に示す実行温度履歴情報(HIST)を元にして、あるLSIの温度がある値以上となるトータル時間が指定した値を超えた場合に、LSI状態反映タスク(CTRLPGM)を実行することもできる。実行温度履歴情報(HIST)は、図2の例ではMEM-M2に格納される。LSI状態反映タスクは、上記と同様に対応するLSI状態を搭乗者に通知するためのコマンドを情報処理部に発行する。LSIが高温状態である時間が信頼性に大きく影響するため、信頼性の低下の可能性を搭乗者に通知できる本機能は有効である。
また、機器制御部は、信頼性確保用サブLSI(図2においてはLSI-M2S)を有するものも多く、メインLSI(LSI-M2M)の処理量を削減する方法として、LSI-M2Sに一部の処理を移管ことも考えられる。そのために、LSI-M2S内のROM領域の一部に移管対象となる処理の簡易処理プログラム(SMPLPGM2)を用意しておく(図2)。処理の移管を行う際には、メインLSIからサブLSIに割込みを発生させ、サブLSIに処理の開始を要求する。これにより、メインLSIに異常が発生したとしてもサブLSIにて補償することが可能となり、走行不能等の緊急事態を回避することが可能となり、搭乗者はメンテナンスを受ける場所まで走行可能となる。しかしながら、サブLSIを用いた状態は、一部処理を簡略化しているため、メインLSIのみで通常の処理を行っている場合と比較すると異常な状態であるとも言える。本発明では、メインLSIに異常が発生したことを、情報処理システムを介して具体的に搭乗者に伝えることが可能であるため、搭乗者は直ぐにメンテナンスを受けることが可能となり、修理をうけることで通常の状態に早期に復帰することが可能となる。
機器制御部が送信するLSI状態通知コマンドの一例を図8に示す。LSI状態通知コマンドには、機器制御系ネットワーク内での送信先と送信元を示すコードと、機器制御系ネットワークでの優先度と、仲介するゲートウェイ部が使用する転送コマンドと、情報処理部で使用するLSI状態通知コマンドと、LSI状態通知コマンドの送信先と送信元を示すコードと、出力メッセージコードを含む。即ち、機器制御部は、情報処理システムのユーザーインターフェースを用いて搭乗者に知らせるためのメッセージそのものは送信せず、それをコード化したものを送信する。搭乗者により詳細な情報を与えるためには、そのメッセージのデータ量を多くする必要がある。しなしながら、大量のデータを送信することは、機器制御系ネットワークの負荷を大きくすることになり、特にエンジン制御やブレーキ制御などリアルタイム性が要求される機器制御部が多く接続される機器制御ネットワーク系に与える影響が大きくなる。そこで、本発明では、メッセージをコード化することにより少量のデータのみを転送することなり、機器制御系ネットワークの隙間を利用して送信することが可能となる。
機器制御系ネットワーク
図1の機器制御系ネットワークは、一定時間内に処理を実施するという機器制御のリアルタイム処理特性を満たすための機構を持つ。本例における機器制御系ネットワークは、各機器制御部が定常的に行う通信のリアルタイム性を確保するための調停方式1と、定常的でない通信を行うための調停方式2を備え、これらの調停方式を周期的に切り替えて用いる。調停方式1は、予め決めた時間周期で各ネットワーク・ノード(機器制御部またはゲートウェイ部)にネットワーク使用権を与える。調停方式2では、ネットワークを使用するネットワーク・ノードを予め決めることなく、調停方式2が選択されている時間帯に、機器制御部LSI及びゲートウェイLSIの夫々が出力した優先度信号のうち最も高い優先度のネットワーク使用要求(優先度信号)を発行したネットワーク・ノードにネットワーク使用権を与える。
図1の機器制御系ネットワークは、一定時間内に処理を実施するという機器制御のリアルタイム処理特性を満たすための機構を持つ。本例における機器制御系ネットワークは、各機器制御部が定常的に行う通信のリアルタイム性を確保するための調停方式1と、定常的でない通信を行うための調停方式2を備え、これらの調停方式を周期的に切り替えて用いる。調停方式1は、予め決めた時間周期で各ネットワーク・ノード(機器制御部またはゲートウェイ部)にネットワーク使用権を与える。調停方式2では、ネットワークを使用するネットワーク・ノードを予め決めることなく、調停方式2が選択されている時間帯に、機器制御部LSI及びゲートウェイLSIの夫々が出力した優先度信号のうち最も高い優先度のネットワーク使用要求(優先度信号)を発行したネットワーク・ノードにネットワーク使用権を与える。
機器制御部は、機器制御系ネットワークを介してLSI状態通知コマンドを送信する際、調停方式2を用いる。機器制御系ネットワークを流れる情報の多くは機器制御部間の通信であり、車体の状況に合せてエンジンを制御するなどリアルタイム性の強いものである。LSI状態関連情報通知コマンドは人間への通知であり上記の機器制御部間の通信に比べてリアルタイム性が低くてよい、そのため優先度を機器制御部間の通信にくらべて優先度をさげて通信を行う。また、調停方式2を使用することで自由に優先度を決めることが可能となる。即ち、緊急性の高い異常が発生した場合、緊急度の低い機器制御間の通信より優先して機器制御系ネットワークを用いることができる。また、リアルタイム性が要求される機器制御間の通信は、優先して機器制御系ネットワークを使用できるため、リアルタイム性が要求される機器制御部間の通信に対する影響を小さくすることが可能となる。
ゲートウェイ部
ゲートウェイ部の構成は図1に示すように、機器制御系ネットワーク用の通信インタフェース回路(IF-MC)と、情報系ネットワーク用の通信インタフェース回路(IF-IC)と、CPU、割り込みコントローラ(INTC)を含む。機器制御システムから、機器制御系ネットワークを介してLSI-G1M内のIF-MCへの書き込みが発生すると、ゲートウェイ部LSI(LSI-M1M)内のCPUにデータ受信完了割込みが発生する。この時、CPUは、受信データがLSI状態通知コマンドかどうかを判断し、そうである時は情報処理部に転送する。
ゲートウェイ部の構成は図1に示すように、機器制御系ネットワーク用の通信インタフェース回路(IF-MC)と、情報系ネットワーク用の通信インタフェース回路(IF-IC)と、CPU、割り込みコントローラ(INTC)を含む。機器制御システムから、機器制御系ネットワークを介してLSI-G1M内のIF-MCへの書き込みが発生すると、ゲートウェイ部LSI(LSI-M1M)内のCPUにデータ受信完了割込みが発生する。この時、CPUは、受信データがLSI状態通知コマンドかどうかを判断し、そうである時は情報処理部に転送する。
処理フローを図4(a)に示す。CPUが処理優先度に従いデータ受信完了割込み割込みを受け付けると、まず通信内容識別プログラム(IDPGM)が起動される。通信内容識別プログラムは、受信したデータからコマンド部分を抜き出し、これをメモリ内に予め用意した機器制御系ネットワークポート・コマンドテーブルのコードと比較し、コマンド内容を判別する。このコマンドテーブルには、コマンドコードと対応するプログラム情報が記載される(図8)。LSI状態通知転送コマンドと判別された場合、コマンドテーブルが指示するLSI状態通知転送プログラムを実行する。このプログラムは、受信したLSI状態通知コマンドに対して情報系ネットワークに適応するようフォーマット変換を行い、IF-ICへの書き込みを行う。
ゲートウェイ部が送信するLSI状態通知コマンドの一例を図8に示す。コマンドには、情報系ネットワーク内での送信先と送信元を示すコードと、情報系ネットワークでの優先度と、情報処理部で使用するLSI状態通知コマンドと、LSI状態通知コマンドの送信先と送信元を示すコードと、出力メッセージコードを含む。
ゲートウェイ部メインLSIの処理優先度を図4(b)に示す。本例において、ゲートウェイ部は、メーター機器などを制御するタスクや異なるネットワーク間の通信タスクなどの通常タスクや、故障箇所がないかどうかを確認する診断タスクを実行する。通常処理タスクのリアルタイム性を低下させないよう、LSI状態通知転送プログラムによるLSI状態通知転送タスクの優先度は、通常処理タスクより優先度を低く、診断タスクより優先度を高く設定する。
情報系ネットワーク
情報系ネットワークは、機器制御系ネットワークの調停方式2に同様の制御で使用権が与えられる。また、情報系ネットワークは、画像情報など比較的大容量のデータをリアルタイムに送信することを特徴し、機器制御系ネットワークと比較して長い転送長を持つ転送が可能である。情報処理系のデータ量と比較して、LSI状態通知コマンドのデータ量は非常に小さいため、情報処理系コマンドに対しては、LSI状態通知コマンドの優先度を同等以上とする。このようにLSI状態通知コマンドの優先度は、機器制御系ネットワークと、情報系ネットワークで異なり、ゲートウェイ部のLSIによって優先度の付け替えが行われる。これにより、異なる2つのネットワークを介して通信する場合であっても、夫々のネットワークにあわせた優先度を持つことが可能となり、望ましいタイミングでのデータ転送が可能となる。
情報系ネットワークは、機器制御系ネットワークの調停方式2に同様の制御で使用権が与えられる。また、情報系ネットワークは、画像情報など比較的大容量のデータをリアルタイムに送信することを特徴し、機器制御系ネットワークと比較して長い転送長を持つ転送が可能である。情報処理系のデータ量と比較して、LSI状態通知コマンドのデータ量は非常に小さいため、情報処理系コマンドに対しては、LSI状態通知コマンドの優先度を同等以上とする。このようにLSI状態通知コマンドの優先度は、機器制御系ネットワークと、情報系ネットワークで異なり、ゲートウェイ部のLSIによって優先度の付け替えが行われる。これにより、異なる2つのネットワークを介して通信する場合であっても、夫々のネットワークにあわせた優先度を持つことが可能となり、望ましいタイミングでのデータ転送が可能となる。
情報処理部
図5は、情報処理部の一例を示す。図1のIC1に相当する。本部は、メインLSI(LSI-I1M)と、機能を補うサウンドLSI(LSI-SNDC)、キー入力LSI(LSI-KEY)、カメラLSI(LSI-CAMC)、無線用LSI(LSI-RM)、USBなどの製品依存部品を搭載するサブLSI(LSI-I1S)、メインLSIに付随するメモリ(MEM-I1-1、MEM-I1-2)、サブLSIに付随するメモリ(MEM-I2-1、MEM-I2-2)を含む。MEM-I1-1、MEM-I2-1は不揮発メモリであり、MEM-I1-2、MEM-I2-2はSDRAMである。メインLSIは、2つのCPU(CPU0、CPU1)、専用回路ブロック(ASIC)、MPEG-Codecなどの動画処理回路(MV)、グラフィックスコントローラ(GPU)、画面表示制御ブロック(DISPC) 、サウンド/音声入出力制御ブロック(SNDC)、クロック制御回路(CLKC)、その他インタフェース回路(OTHIF)、GPSブロック、メモリコントローラ(MEMC)、割り込みコントローラ(INTC)、情報系ネットワークに接続するための通信IF(IF-IC)を有する。本LSI自体も、LSI状態観測回路(SNS)として、LSIの温度をセンシングする回路TS、LSIの動作速度を観測するための回路DSを持つ。
図5は、情報処理部の一例を示す。図1のIC1に相当する。本部は、メインLSI(LSI-I1M)と、機能を補うサウンドLSI(LSI-SNDC)、キー入力LSI(LSI-KEY)、カメラLSI(LSI-CAMC)、無線用LSI(LSI-RM)、USBなどの製品依存部品を搭載するサブLSI(LSI-I1S)、メインLSIに付随するメモリ(MEM-I1-1、MEM-I1-2)、サブLSIに付随するメモリ(MEM-I2-1、MEM-I2-2)を含む。MEM-I1-1、MEM-I2-1は不揮発メモリであり、MEM-I1-2、MEM-I2-2はSDRAMである。メインLSIは、2つのCPU(CPU0、CPU1)、専用回路ブロック(ASIC)、MPEG-Codecなどの動画処理回路(MV)、グラフィックスコントローラ(GPU)、画面表示制御ブロック(DISPC) 、サウンド/音声入出力制御ブロック(SNDC)、クロック制御回路(CLKC)、その他インタフェース回路(OTHIF)、GPSブロック、メモリコントローラ(MEMC)、割り込みコントローラ(INTC)、情報系ネットワークに接続するための通信IF(IF-IC)を有する。本LSI自体も、LSI状態観測回路(SNS)として、LSIの温度をセンシングする回路TS、LSIの動作速度を観測するための回路DSを持つ。
LSI状態通知に関わる処理フローを図7に示す。LSI状態通知に関わる処理は、情報系ネットワークIF回路(IF-IC)からのデータ受信完了割込みを受け付けた場合、情報処理部LSI自身の温度起因性能抑制/抑制解除割込みを受け付けた場合、情報処理部LSI自身の動作速度変化割込みを受け付けた場合に発生する。
情報処理部LSI内のCPUが処理優先度に従いデータ受信完了割込み割込みを受け付けると、まず通信内容識別プログラム(IDPGM)が起動される。通信内容識別プログラムは、受信したLSI状態情報通知コマンドから、情報処理部用LSI状態通知出力コマンド(図8)を抜き出し、これをメモリ内に予め用意した情報系ネットワークポート・コマンドテーブルのコードと比較し、コマンド内容を判別する。このコマンドテーブルには、コマンドコードと対応するプログラム情報が記載される(図8)。LSI状態通知コマンドと判別された場合、コマンドテーブルが指示するメッセージ出力プログラム(MOUTPGM)を実行する。メッセージ出力プログラムは、受信したLSI状態通知コマンドに含まれる出力メッセージコードを抜き出し、これをインデックスとしてメモリ内に予め用意した出力メッセージ・テーブル(MOUTDATA)を検索する。対応するメッセージをコード抜き出し、これを画像表示デバイスやスピーカから出力しユーザに通知する。
情報処理部LSI自身の温度起因性能抑制/抑制解除割込みを受け付けると、上記の機器制御部の場合と同様に、LSI状態反映タスクが実行される(図8)。LSIの温度値を読み出し制限温度内に抑えるための電力予算を算出し、その予算に応じて実行する処理の選択、および、動作周波数や電圧の制御を行う。図6は、情報処理部のLSIがもつ、処理の管理テーブル(図5のPRTBLに相当)の例を示す。このテーブルには、それぞれの処理を実行した時の電力、処理を実行できるモジュール(CPUなど)、処理の優先度などが記載される。本例においては、電力予算が小さく処理性能が抑制される場合、制御部との通信処理、搭乗者による機器操作に対する対応などユーザ入力対応処理、LSI状態通知処理は優先度高く実行するが、TVや音楽生成などエンタテイメント処理の優先度は低い。このとき、優先度の低い処理は、搭乗者に通知したうえで、中断、停止となる場合がある。
また、処理性能が抑制される場合には、処理内容の簡易化も行う。具体的な方法の例として、すべてのフレーム画像の演算(デコード、エンコードなど)/表示処理をせず、選択されたフレーム画像のみ処理する(フレームレートを削減する)という方法もある。動画圧縮技術では、フレームのなかには、一つのフレーム情報のみからなる基準フレームと、自身のフレームだけではなく基準フレームの情報も用いるフレームが含まれることが多く、フレームレートを削減する際には基準フレームの処理を優先的に選択する。画面表示機能や音声出力機能をもつ情報処理部のLSIの場合は、ネットワークを介さず自身が表示デバイスなどを制御し搭乗者への通知を行う。
また、情報処理部LSI自身の動作速度変化割込みを受け付けると、LSI状態反映タスクが実行される。図8に示すように、機器制御部の場合と類似の処理を行うが、画面表示機能や音声出力機能をもつLSIの場合にはネットワークを介さず自身が表示デバイスなどを制御し搭乗者への通知を行う。
ユーザへの通知内容
ユーザへの通知内容の例を下記に列挙する。
・走行制御系に問題が発見されました。至急メンテナンスを受けてください。
・ダッシュボードが高温状態のため、しばらくの間TV表示ができません。エアコンをつけてお待ちください。
・ただいま、情報処理部が高温のため一部の処理が行えません。下記の処理のうちの一つを選択ください。
ユーザへの通知内容の例を下記に列挙する。
・走行制御系に問題が発見されました。至急メンテナンスを受けてください。
・ダッシュボードが高温状態のため、しばらくの間TV表示ができません。エアコンをつけてお待ちください。
・ただいま、情報処理部が高温のため一部の処理が行えません。下記の処理のうちの一つを選択ください。
その他のLSI状態観測手段
LSI状態観測手段としてLSI配線の断線故障を観測するための回路を含む場合もある。この断線故障観測回路BSは、出荷時に用いられる断線故障テスト回路を利用し断線を検出する。また断線が検出された場合には、断線が検出されたことを、LSI状態反映タスクと同様の方法で機器制御系ネットワークを介して他の機器制御部や情報処理部に通知する。さらに、機器制御部内の信頼性補償用サブLSIに対して通知を発行し、サブLSIはメインLSIに変わって機器制御情報を生成する。
LSI状態観測手段としてLSI配線の断線故障を観測するための回路を含む場合もある。この断線故障観測回路BSは、出荷時に用いられる断線故障テスト回路を利用し断線を検出する。また断線が検出された場合には、断線が検出されたことを、LSI状態反映タスクと同様の方法で機器制御系ネットワークを介して他の機器制御部や情報処理部に通知する。さらに、機器制御部内の信頼性補償用サブLSIに対して通知を発行し、サブLSIはメインLSIに変わって機器制御情報を生成する。
LSI状態の外部読出し
また、本発明の車載エレクトロニクス・システムは、LSI状態情報を外部から取り出す機能も備える。この構成により、メンテナンスを行う際に、どのような状態でエラーが出たのかを判別でき、効率よく修理を行うことが可能となる。図9では、LSI状態履歴読出し用外部機器(MHIST)をゲートウェイ部に接続し、機器制御部LSIのLSI状態履歴を読み出すための構成図である。
また、本発明の車載エレクトロニクス・システムは、LSI状態情報を外部から取り出す機能も備える。この構成により、メンテナンスを行う際に、どのような状態でエラーが出たのかを判別でき、効率よく修理を行うことが可能となる。図9では、LSI状態履歴読出し用外部機器(MHIST)をゲートウェイ部に接続し、機器制御部LSIのLSI状態履歴を読み出すための構成図である。
LSI状態履歴読出し用外部機器(MHIST)は、ゲートウェイ部の外部機器ポート(MPORT)を介して、ゲートウェイ部のメインLSI(LSI-G1M)にLSI状態履歴取得要求を送信する。このLSI-G1Mは、LSI内のCPUに割込みを発行し、そのCPUはLSI状態履歴取得要求生成プログラムを実行する。このプログラムは、機器制御系ネットワークを介し、LSI状態履歴読出し用外部機器からの受信データ中に含まれる機器制御部LSIに対してLSI状態履歴取得要求を発行する。
これを実現するために、機器制御部のLSI(LSI-M2M)は、LSI状態観測回路(温度観測回路TSや動作速度観測回路DS)を用いて得られた情報を不揮発メモリに保持する。保持内容の例を図9に示す。実行温度履歴情報と実行速度履歴情報が含まれる。実行温度履歴はLSI温度帯毎の実行時間を記録した温度履歴情報(HIST-TMP)を持ち、実行速度履歴はLSIの動作速度指標値毎の実行時間を記録した動作速度履歴情報(HIST-DLY)を持つ。LSI-M2Mは、LSI状態履歴取得要求を受信すると、これらの履歴情報をLSI-G1Mに送信する。
本実施例では、LSI状態履歴を機器制御部に持たせ、ゲートウェイ部から機器制御系ネットワークを介して読み出す構成とする。この構成により、複数の機器制御部は、自分の状態履歴を機器制御系ネットワークに流す必要が無くなり、ネットワーク負荷を軽減できる。また、ゲートウェイ部に小さな不揮発性メモリを準備し、その中に図8で示されるLSI状態通知コマンドを発行した機器制御部の機器制御系ネットワーク用送信元識別コードを格納する構成としてもよい。現在の機器制御系ネットワーク、ブレーキ制御、エンジン制御等多数の機器制御部が接続されている。従って、機器制御ネットワーク用送信元識別コードを格納しておくことで、どの機器制御部に不具合が発生したのかをメンテナンスを始める前に確認することで、すべての機器制御部について、LSI状態履歴を検討する必要がなくなる。
図10は、本発明を適用した自動車の図である。機器制御部MCは、夫々制御対象となっている可動機器部品(本図でいえば、ブレーキやエンジン)の近辺に配置され、情報処理部ICは、夫々対応するユーザインターフェース(カーナビゲーションやオーディオ機器)の近辺に配置される。本実施例では、ゲートウェイ部は、コンソールボックスの中に配置されている。本実施例の自動車では、例えばブレーキ制御を行う機器制御部に異常が発生した場合、ゲートウェイGWを介して情報制御部ICに伝達され、カーナビゲーションやオーディオ機器を用いて、搭乗者にメッセージを伝達する。なお、本図は、説明のために簡略化しており、自動車内に設けられる機器制御部MCや情報処理部ICは、これ以上のものを含んでも良いし、また、そのネットワーク構成もこれに限られない。
以上、実施例に従って説明してきたが、本明細書で説明される発明の主な効果は以下の通りである。車載エレクトロニクスの安全性およびパフォーマンスを向上させることが可能となる。車載制御の電子化が進行しており、これら車載エレクトロニクス機器には非常に高い信頼性が求められる。しかしながら、エレクトロニクス機器が100%の信頼性を補償するのは不可能である。これら機器の中のLSIも同様である。本発明は、LSIが想定外の状況で問題が発生した場合、問題の発生の可能性が高まっている場合に、搭乗者にその状況を通知し、メッセージとして、メンテナンスを早急に受けることを通知することで安全性を向上させる。また、信頼性を気にするあまり過度な対策がなされそれが性能を落とす要因になっている面もある。例えば、LSIの温度上昇を抑えるために必要以上に性能抑制をおこなったり、部品の温度を上昇させないための放熱機構が過度になり車体重量を増やしたりということがある。本発明による信頼性の向上によりこの問題も解消される。
MC,MC1,MC2…機器制御部、IC,IC1,IC2…情報処理部、GW1…ゲートウェイ部、機器制御系ネットワーク…MCNW、情報処理系ネットワーク…ICNW、LSI−M1M,LSI-M2M,LSI-I1M,LSI-I2M…メインLSI、LSI−M1S,LSI-M2S,LSI-I1S…サブLSI、IF-MC,IF-IC…通信インターフェース回路(通信IF)、CPU…中央処理装置(CPU)、MEM…メモリ、SNS…LSI状態観測回路、ADC…ADコンバータ、OTH…その他の回路ブロック、INTC…割り込みコントローラ、LSI−SNDC…サウンドLSI、LSI−KEY…キー入力LSI、LSI−CAMC…カメラ用LSI、LSI−RF…無線通信用LSI、DISPC…画面表示制御ブロック、SNDC…サウンド/音声入出力制御ブロック、DISP…ディスプレイ、MCI…マイクロフォン、SPK…スピーカ、WL…無線用アンテナ、KEY…キーボード、HDD…ハードディスク、USB…USBポート、ASIC…専用回路ブロック、TMU…タイマ、CLKC…クロック制御部、OTHIF…各種インターフェース、TS…温度観測回路、DS…動作速度観測回路、ROM…オンチップROM、RAM…オンチップRAM、MEMC…メモリコントローラ、USRPGM…ユーザプログラム、CTRLPGM…LSI状態反映タスク、SMPLPGM…簡易処理プログラム、HIST…実行温度履歴情報、IDPGM…通信内容識別プログラム、GPS…GPSブロック、GPU…グラフィックスコントローラ、MV…動画処理回路、MOUTPGM…メッセージ出力プログラム、MOUTDATA…出力メッセージ・テーブル、PRTBL…管理テーブル、MHIST…LSI状態履歴読出し用外部機器、MPORT…外部機器ポート、HIST−TMP…温度履歴情報、HIST−DLY…動作速度履歴情報。
Claims (12)
- 自身の温度情報又は動作速度情報を観測する観測回路を有し、対応する可動機器部品を制御する複数の機器制御部LSIと、
画像表示デバイス又は音声出力デバイスを制御する複数の情報処理LSIと、
前記複数の機器制御部に接続される機器制御系ネットワークと、
前記情報処理LSIに接続される情報処理系ネットワークと、
前記機器制御系ネットワーク及び前記情報処理系ネットワークとの間に接続されるゲートウェイLSIとを具備し、
前記複数の機器制御部LSIは、前記観測回路による観測結果に基づいて動作異常を検出した場合に、前記機器制御系ネットワークを介して前記ゲートウェイLSIに第1異常情報を通知し、
前記ゲートウェイLSIは、前記複数の機器制御部LSIの一つから前記第1異常情報を受け取った場合に、前記第1異常情報に基づく第2異常情報を前記情報処理系ネットワークを介して前記情報処理LSIに通知し、
前記情報処理LSIは、前記第2異常情報を受け取った場合に、前記第2異常情報に基づくメッセージを前記画像表示デバイス又は前記音声出力デバイスに出力することを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項1において、
前記第1及び第2異常情報は、内容識別コードを含み、
前記情報処理LSIは、前記内容識別コードに対応するメッセージを関連付けるテーブルを有し、前記内容識別コードと前記テーブルを参照し、前記内容識別コードに対応するメッセージを出力するように前記画像表示デバイス又は前記音声出力デバイスを制御することを特徴とする車載エレクトロニクス・デバイス。 - 請求項1において、
前記複数の機器制御LSIの夫々は、前記可動機器部品を制御するための機器制御タスクと前記第1異常情報を前記ゲートウェイLSIに送信するためのLSI状態反映タスクを実行し、
前記機器制御タスクの優先度は、前記LSI状態反映タスクの優先度より高く、前記LSI状態反映タスク実行中に、前記機器制御タスクを実行するための割り込みが通知された場合には、前記LSI状態反映タスクの実行は中断され、前記機器制御タスクが実行されることを特徴とする車載エレクトロニクス・デバイス。 - 請求項1において、
前記機器制御系ネットワークは、前記機器制御系ネットワークに接続された前記複数の機器制御部LSI及びゲートウェイLSIの夫々に予め定められた時間周期で使用権を与える第1調停方式と、前記機器制御系ネットワークに接続された前記複数の機器制御部LSI及びゲートウェイLSIの夫々が出力する優先度信号に応じて使用権を与える第2調停方式とを切り換えて使用し、
前記第1異常情報は、前記第2調停方式を使用している際に、前記機器制御ネットワークに送信されることを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項4において、
前記機器制御系ネットワークは、前記複数の機器制御部LSIのうち第1機器制御部LSIが前記第1異常情報を送信するための第1要求を出し、前記複数の機器制御部LSIのうち第2機器制御部LSIが他の機器制御部LSIの所定の情報を送信するための第2要求を出した場合に、前記第2要求を優先的に受け付けることを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項1において、
前記複数の機器制御LSIのうち対応する機器制御LSIに接続される複数のサブLSIを更に具備し、
前記複数の機器制御LSIの夫々は、前記観測回路による観測結果に基づいて動作異常を検出した場合に、動作周波数又は動作電圧を低下させると共に、処理すべきタスクに対応する第1プログラムを処理量が小さい簡易プログラムに置き換え実行すると共に、前記複数のサブLSIのうち対応するサブLSIに前記第1プログラムの一部の処理を実行させることを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項1において、
前記複数の機器制御LSIの夫々は、前記観測回路により観測された温度毎の動作時間履歴情報を取得し、所定の温度異常の積算実行時間が所定の値を超えた場合に、前記第1異常情報を送信することを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項1において、
前記複数の機器制御LSIの夫々に対応する複数の不揮発性メモリを更に具備し、
前記複数の機器制御LSIの夫々は、前記観測回路により観測された温度毎の動作時間履歴情報を前記複数の不揮発性メモリのうち対応する不揮発性メモリに格納し、
前記複数の不揮発性メモリは、前記複数の機器制御LSI、前記情報処理LSI又は前記ゲートウェイLSIのいずれかに含まれる外部出力ポートよりアクセスされ、前記動作時間履歴情報を出力することを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項1において、
前記複数の機器制御LSIの夫々に対応する複数の第1不揮発性メモリと、
前記ゲートウェイに対応する第2不揮発性メモリとを更に具備し、
前記複数の機器制御LSIの夫々は、前記観測回路により観測された温度毎の動作時間履歴情報を前記複数の不揮発性メモリのうち対応する不揮発性メモリに格納し、
前記第1異常情報には、前記複数の機器制御LSIのうち送信元である機器制御LSIを特定する送信元情報が含まれ、
前記ゲートウェイLSIは、前記第1異常情報を受けた場合に、前記送信元情報を前記第2不揮発性メモリに格納することを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項9において、
前記動作時間履歴情報及び前記送信元情報は、前記ゲートウェイLSIに設けられた外部出力ポートよりアクセスされることを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 請求項1において、
前記機器制御系ネットワークは、前記複数の機器制御部LSIのうち第1機器制御部LSIが前記第1異常情報を送信するための第1要求を出し、前記複数の機器制御部LSIのうち第2機器制御部LSIが他の機器制御部LSIの所定の情報を送信するための第2要求を出した場合に、前記第2要求を優先的に受け付け、
前記情報処理系ネットワークは、前記ゲートウェイLSIが前記第2異常情報を送信するための第3要求を出し、前記複数の情報処理LSIのうち第1情報処理LSIが他の情報処理LSIに所定の情報を送信するための第4要求を出した場合に、前記第3要求を優先的に受け付けることを特徴とする車載エレクトロニクス・システム。 - 自身の温度情報又は動作速度情報を観測する観測回路を有し、対応する可動機器部品を制御する複数の機器制御部LSIと、
画像表示デバイス又は音声出力デバイスを制御する複数の情報処理LSIと、
前記複数の機器制御部に接続される機器制御系ネットワークと、
前記情報処理LSIに接続される情報処理系ネットワークと、
前記機器制御系ネットワーク及び前記情報処理系ネットワークとの間に接続されるゲートウェイLSIとを具備し、
前記複数の機器制御部LSIは、前記観測回路による観測結果に基づいて動作異常を検出した場合に、前記機器制御系ネットワークを介して前記ゲートウェイLSIに第1異常情報を通知し、
前記ゲートウェイLSIは、前記複数の機器制御部LSIの一つから前記第1異常情報を受け取った場合に、前記第1異常情報に基づく第2異常情報を前記情報処理系ネットワークを介して前記情報処理LSIに通知し、
前記情報処理LSIは、前記第2異常情報を受け取った場合に、前記第2異常情報に基づくメッセージを前記画像表示デバイス又は前記音声出力デバイスに出力することを特徴とする自動車。
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