JP2009149055A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット記録ヘッドの長手方向(電気熱変換素子の配列方向)における端部と中央部との温度差を低減する。
【解決手段】 本発明のインクジェット記録へッドは、記録素子基板H1100を冷却するための液体の流路H1213が記録素子基板を支持する支持板H1200の内部に記録素子基板の記録素子列に沿って設けられ、支持板の端部側の流路と記録素子との最短距離が、支持板の中央部における流路と記録素子との最短距離より大きい。
【選択図】 図7
【解決手段】 本発明のインクジェット記録へッドは、記録素子基板H1100を冷却するための液体の流路H1213が記録素子基板を支持する支持板H1200の内部に記録素子基板の記録素子列に沿って設けられ、支持板の端部側の流路と記録素子との最短距離が、支持板の中央部における流路と記録素子との最短距離より大きい。
【選択図】 図7
Description
本発明は、インクを吐出して記録動作を行うインクジェット記録装置、及び記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドに関する。
従来、インクジェット記録装置は、カラー画像のランニングコストが安く、装置の小型化も可能であることから、コンピュータ関係の出力機器等に幅広く利用され、商品化されている。
近年では、より高速に高詳細の画像の記録を実現するため、より記録幅(吐出口列長)が長い記録ヘッドの実現も望まれている。具体的には、記録ヘッドの長さが4インチ〜13インチなどの長さのものも要求されてきている。
このように記録ヘッドが長尺化・高速化していくとインクジェット記録ヘッドへの投入エネルギーが増大し、記録中の記録ヘッド温度上昇が大きくなる。これによりページ毎の吐出量変動、高温における吐出の不安定等、連続記録性の低下等、記録信頼性への対応が必要になる。
従来のインクジェット記録ヘッドの冷却は、記録ヘッド外部からの空冷や記録ヘッドに冷却管を装着する等の方法が取られている(特許文献1、2)。
特開平08−150711号公報
特開平08−276574号公報
しかしながら、従来のインクジェット記録へッドは、図18に示すような課題を有していた。図18は、記録ヘッドの吐出口列に沿って冷却液を流通させる冷却液流路を設けた場合の記録実行直後の温度分布を示し、横軸は記録ヘッドの記録素子(電気熱変換体としてのヒータ等)列方向の位置を表し、縦軸は記録素子近傍の温度を表す。このように、インクジェット記録ヘッドの端部近辺では、端部に近づけば近づくほど中央部に比べて温度が低くなることが実験によって判明している。
一方、インクジェット記録ヘッドの記録素子近傍の温度が上がると、吐出されるインク滴の量が多くなることも分かっている。例えば、1℃温度が上昇すると、インク滴の量が0.5〜1.0%増加する。
したがって、記録ヘッド端部の温度が中央部に比べて低くなると、記録ヘッド端部の吐出口から吐出されたインク滴の量が記録ヘッド中央部の吐出口から吐出されたインク滴の量より少なくなる。その結果、記録媒体上に同じ濃度の画像を形成しようとした場合に、端部画像の濃度が中央部画像の濃度よりも薄くなってしまう。
特許文献2には「プリントヘッドの温度に分布を生じ得る方向に液体が流れるように流路部を設け、該流路部を流れる液体に生じ得る前記温度分布に応じて、前記流路部の当該流れの方向に対する断面積を異ならせて流速の分布を生じさせる」ことが記載されている。特許文献2に記載の記録ヘッドでは、このような構成とすることにより上記の温度分布を解消するものである。例えば、流路部の最上流側の断面積は大きく、下流側にいくにしたがって断面積が小さくなり、中央部以降は最小でかつ一定の断面積とする。このような構成により上記温度分布を解消できるとしている。
しかしながら、この方法で実際に温度分布を解消するためには最上流部の断面積はかなり大きくする必要があり、記録ヘッドの大型化を招くものであった。
そこで、本発明は、上述のような従来技術の有する問題点に鑑み、長手方向における記録ヘッドの端部の記録素子近傍温度と記録ヘッドの中央部の記録素子近傍温度との差を小さくすることができるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数記録素子で構成される記録素子列を備える記録素子基板と、該記録素子基板を支持する支持板と、を備えるインクジェット記録ヘッドであって、前記支持板は、前記記録素子の配列方向に沿って、前記記録素子基板を冷却するための液体の流路を備えており、前記配列方向における前記支持板の端部側に配される前記記録素子と前記流路との最短距離の方が、前記配列方向における前記支持板の中央部に配される前記記録素子と前記流路との最短距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、長手方向における記録ヘッド端部の記録素子近傍温度と記録ヘッド中央部の記録素子近傍温度の差が小さくなることにより、記録ヘッドの端部と中央部との温度差が吐出に与える影響を低減可能な記録ヘッドを提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1から図9は、本発明が実施もしくは適用される好適なインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置を説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各部構成の説明しながら、全体を説明する。
図1から図9は、本発明が実施もしくは適用される好適なインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置を説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各部構成の説明しながら、全体を説明する。
図1に示すインクジェット記録ヘッドH1000は、記録素子として電気信号に応じて熱エネルギーを生成する電気熱変換体(電気熱変換素子H1102)を用いて記録を行う方式の記録ヘッドである。そして、インクジェット記録ヘッドH1000は、図2の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1001とインク供給ユニットH1002のインク供給部材H1500とから構成される。さらに、図3の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1001は、記録素子基板H1100、支持板H1200、電気配線部材H1300、プレートH1400及びフィルター部材H1600で構成されている。
図4(a)は、記録素子基板H1100の構成を説明する図であり、図4(b)は図4(a)におけるIV B−IV B断面図である。記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSi基板H1108で形成されている。また、インク流路として矩形状の貫通口からなるインク供給口H1101が形成され、インク供給口H1101の両側に記録素子としての電気熱変換素子H1102がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されている。つまり、開口形状が矩形のインク供給口H1101の長手方向に沿って、両側に記録素子である電気熱変換素子H1102の列が形成されている。また、図3に示すように、記録ヘッドの長手方向に沿って、記録素子列としての電気熱変換素子の列が連続するように、複数の記録素子基板が支持板に配置されている。この電気熱変換素子H1102、及びAl等の電気配線は、成膜技術により形成されている。また、その電気配線に電力を供給するための電極H1103が設けられている。
インク供給口H1101は、Si基板H1108の結晶方位を利用して、異方性エッチングを行うことで、約54.7度の角度を有する開口が形成される。この方法を用いて、所望の深さにエッチングする。
また、Si基板H1108上には、流路形成部材H1110が具備され、電気熱変換素子H1102に対応したインク流路H1104、吐出口H1105及び発泡室H1107がフォトリソ技術により形成されている。また、吐出口H1105は電気熱変換素子H1102に対向するように設けられており、インク供給口H1101から供給されたインクを電気熱変換素子H1102により気泡を発生させてインクを吐出させるものである。
支持板H1200は、例えば、厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al2O3)材料で形成されている。なお、支持板の素材は、アルミナに限られることなく、記録素子基板H1100の材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、かつ、記録素子基板H1100材料の熱伝導率と同等もしくは同等以上の熱伝導率を有する材料で作られてもよい。支持板H1200の素材は、例えば、シリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のうちいずれであってもよい。
支持板H1200には、記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1101が形成されており、記録素子基板H1100のインク供給口H1101が支持板H1200のインク供給口H1201に対応している。また、記録素子基板H1100は、支持板H1200に対して位置精度良く接着固定される。また、支持板H1200は、位置決め基準となるX方向基準H1204、Y方向基準H1205、Z方向基準H1206を有している。
記録素子基板H1100は、図1に示すように、支持板H1200上に千鳥状に配置され、同色インクの吐出により、同一色による幅広の記録を可能としている。例えば、吐出口列の長さが少なくとも1インチ以上の4つの記録素子基板H1100a、H1100b、H1100c、H1100dを千鳥状に配置し、4インチ幅の記録を可能にしている。
また、図1に示すように千鳥状に配置された各記録素子基板は、記録ヘッド全体として吐出口列が途切れないように、吐出口の配列方向に沿って吐出口列の端部の吐出口が重複している。例えば、吐出口列H1106aと吐出口列H1106bは、重複領域L有する。
電気配線部材H1300は、記録素子基板H1100に対してインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100を組み込むための開口部を有しており、裏面にはプレートH1400が接着固定される。また、電気配線部材H1300は、記録素子基板H1100の電極H1103に対応する電極端子H1302と、この配線端部に位置し、記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301を有している。電気配線部材H1300と記録素子基板H1100とは電気的に接続されている。その接続方法は、例えば、記録素子基板H1100の電極H1103と電気配線部材H1300の電極端子H1302を金ワイヤー(不図示)を用いたワイヤーボンディング技術によりにより電気的に接続される。電気配線部材H1300の素材としては、例えば、配線が二層構造のフレキシブル配線基板が使用され、表層はポリイミドフィルムで覆われている。
プレートH1400は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSUS板で形成されている。なお、プレートの素材は、SUSに限られることなく、耐インク性を有し、良好な平面性を有する材料で作られてもよい。そして、プレートH1400は、支持板H1200に接着固定された記録素子基板H1100を取り込む開口部を有し、支持板H1200に接着固定される。
プレートの開口部H1402と記録素子基板H1100の側面とによって形成される溝部には、第1の封止剤H1304が充填され、電気配線部材H1300の電気実装部を封止している。また、記録素子基板の電極H1103は第2の封止剤H1305でよって封止され、電気接続部分はインクによる腐食や外的衝撃から保護されている。
また、支持板H1200の裏面側インク供給口H1201には、インク中に混入された異物を取り除くためのフィルター部材H1600が接着固定される。
インク供給部材H1500は、例えば、樹脂成形により形成され、共通液室H1501と、Z方向基準面H1502を具備している。そして、Z基準面H1502は、記録素子ユニットを位置決め固定するとともに、記録ヘッドH1000のZ基準となっている。
図2に示した通り、インクジェット記録ヘッドH1000は、記録素子ユニットH1001をインク供給部材H1500に結合することにより完成する。
結合は以下のように行われる。
インク供給部材H1500の開口部と記録素子ユニットH1001を第3の封止剤H1503により封止し、共通液室H1501を密閉する。そして、インク供給部材のZ基準H1502に記録素子ユニットH1001のZ基準H1502を、例えば、ビスH1900等により位置決め固定する。また、記録素子ユニットH1001の外部信号入力端子H1301部分は、例えば、インク供給部材H1500の裏面に位置決め固定される。
本発明の各実施形態に係るインクジェット記録へッドを搭載するインクジェット記録装置M4000は、図5に示すように、例えば、写真画質の記録に対応して6色分の記録ヘッドが具備されている。記録ヘッドH1000Bkは、ブラックインク用の記録ヘッドであり、記録ヘッドH1000Cはシアンインク用、記録ヘッドH1000Mマゼンタインク用、記録ヘッドH1000Yはイエローインク用である。また、記録ヘッドH1000LCはライトシアンインク用、記録ヘッドH1000LMはライトマゼンタインク用である。これらのインクジェット記録ヘッドH1000を、記録装置本体M4000に載置されているヘッド搭載部M4001の位置決め手段及び電気的接点M4002によって固定支持する。
そして、これらの記録ヘッドを、不図示の駆動回路によって制御し、記録媒体に対して記録を行うものである。なお、図5の記録装置では、インクジェット記録ヘッドが記録媒体の幅分の吐出口列長を有するフルラインタイプであり、インクジェット記録ヘッドは固定で、記録媒体が矢印の方向に走査することで記録を行う方式である。
これに対して、図6の記録装置では、インクジェット記録ヘッドがヘッド搭載部M4001であるキャリッジに搭載され、主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動しながら記録を行うシリアル駆動方式の記録装置である。
図17は、インクジェット記録装置のインクおよび冷却液の供給システムを示す摸式図である。
インクジェット記録装置の供給システムは、図17に示すように、インク15を収容したインクタンク8を備えており、インクタンク8内には、2本のチューブ216,217が配設されている。このうち一方のチューブ217は、記録ヘッド14の一端部に接続されて、記録ヘッド14の共通液室内に通じている。また、他方のチューブ216は、ポンプ9を介して記録ヘッド14の他端部に接続されて記録ヘッド14の共通液室へ通じている。
インクジェット記録ヘッド14は複数個のインク吐出口列を有している。もし、インク流路内に気泡が存在しても、ポンプ11を駆動させてインクを循環させることによって、気泡はインクタンク8から排出することができる。記録時などインクジェット記録ヘッド14からのインク吐出時には、インクタンク8からチューブ217、あるいはチューブ216を介して記録ヘッド14に毛管力によってインクが供給される。
10は冷却液のタンクであり、冷却液タンク10内には、2本のチューブ218、219が配設されている。このうち一方のチューブ218は、インクジェット記録ヘッド14の一端部に接続されて、インクジェット記録ヘッド14の支持板H1200内の冷却液流路に通じている。また、他方のチューブ219は、ポンプ11を介してインクジェット記録ヘッド14の他端部に接続され、インクジェット記録ヘッド14の支持板H1200内冷却液流路へ通じている。インクジェット記録ヘッド14が昇温したときは、ポンプ11が駆動され、冷却液タンク10内の冷却液がチューブ218、支持板H1200内、チューブ219の順で循環し、インクジェット記録ヘッド14は冷却される。
さらに、この冷却液供給システムは、不図示の制御装置を備えており、インクジェット記録ヘッドの冷却流路の内に冷却液体を流し、インクジェット記録ヘッドの昇温を抑える制御を行なう。この制御装置は、冷却水の流量・入口温度・出口温度・ヘッド温度(記録素子基板内臓センサー等)・環境温度等の検出データ、冷却液によるヘッドからの排熱量、記録条件等の諸条件から冷却条件を設定しヘッド温度を制御する。その他にも制御装置は、冷却液体の流れ方向・流体温度・流速の少なくとも一つを独立に制御することができ、複数の記録素子基板間の記録dutyの相違に応じた細かな制御を行うことが可能となる。
図7は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図7(b)は、図7(a)におけるVIIB−VIIB断面図である。支持板H1200は、2部材H1211、H1212で構成されている。支持板H1212に冷却液が通る溝を設け、2枚を張り合わせることにより冷却用の流路(冷却液流路)H1213、H1214が形成される。つまり、記録素子基板H1100を冷却するための液体の流路が支持板H1200の内部に記録素子基板H1100の記録素子H1102の列に沿って設けられている。冷却液の流入出口は、インク供給部材H1500の記録素子基板H1100と反対側に取り出されている(不図示)。流路H1213、H1214は、2本独立に冷却液を流せるように形成されている。冷却液流路H1213、H1214の断面は、本実施形態では幅2mm、深さ1.5mmで一定とした。冷却液の流量は20ml/min〜300ml/min程度とした。記録条件、ヘッド仕様(電力、吐出量等)により条件にあった流量を設定する。支持板H1200の記録素子基板H1100と反対側には共通のインク液室H1501が設けられ、支持板H1200に設けられた各インク供給口を通り、記録素子基板H1100へインクが供給される。
このように冷却用流路を複数に分けた場合、冷却液の流れ方向や使用する本数などにより、インクジェット記録ヘッドの温度を細かくコントロールすることができる。
図8は、インクジェット記録ヘッドの記録実行直後の温度分布を示す。横軸は記録ヘッドの記録素子(電気熱変換体としてのヒータ等)列方向の位置を表し、縦軸は吐出口近傍の温度を表す。グラフの中の実線部分は、図7(b)の冷却液流路を斜線部に示すように短くした場合の温度分布である。また、図8の破線部分は、図7(b)の記録ヘッドにおいて、冷却液流路を最大記録領域幅(すなわち記録素子列長若しくは吐出口列長)にほぼ等しい図中破線部分まで延ばした場合の温度分布を示す。ここで、両端部以外は実線に一致するので省略する。
本実施形態では、Y方向に沿った支持板の端部側でのXY平面における電気熱変換素子と冷却液流路との最短距離L1XYが、Y方向に沿った支持基板の中央部でのXY平面における最短距離L2XYよりも大きい構成としている。なお、本実施形態では支持板の主面に平行な面(XY平面)に沿って、電熱変換体と冷却液流路との距離を異ならせている。そして、Z方向についての支持基板の端部側および中央部の電気熱変換素子と冷却液流路と最短距離(L1Z、L2Z、不図示)はほぼ同じ値で一定である。よって、L1XYとL2XYとの関係で、L1XY>L2XYならば、電気熱変換素子と冷却液流路とのXYZ空間における支持板の端部側での最短距離L1と、支持基板の中央部での最短距離L2について、L1>L2という関係を満たす。
上述のような構成とすることで記録ヘッドの両端部が過剰に冷却されることが低減され、記録ヘッドの両端部の温度と記録ヘッドの中央部の温度との差が小さくなり、記録ヘッドの全長に渡ってほぼ均等な温度にすることができる。
なお、記録素子基板における電気熱変換素子の位置は、図7(b)のX方向について、記録素子基板の中央部とみなすものとする。これは、電気熱変換素子による発熱が、記録素子基板のX方向における中央部で発生するものとみなせるためである。したがって、L1XYは、Y方向における支持板の端部側に近い記録素子基板の端部のX方向における中央部と、支持板の端部側に近い冷却液流路との距離を示す。また、L2XYは、Y方向における支持板の中央部において、冷却液流路に近接している記録素子基板のX方向における中央部と、該冷却液流路との距離を示す。
支持板の端部側の電気熱変換素子と冷却液流路との最短距離L1XYは、記録素子基板H1100の最大発熱量、冷却液流路と電気熱変換素子列との距離、支持板H1200の熱伝導率、冷却液流量などのパラメータを変えることによって異なった距離となる。ここまでは、複数の記録素子基板H1100を千鳥状に並べたインクジェット記録ヘッドを例に説明したが、図9に示すように、長い一体の記録素子基板H1210を用いたインクジェット記録ヘッドにも適用できる。図9は、長い一体の記録素子基板H1210を用いたインクジェット記録ヘッドの、図7(b)に対応する部分的断面を模式的に示した図である。
また、本実施形態では2本の冷却液流路H1213、H1214を例にとって説明したが、冷却液流路の本数はこれに限らない。また記録ヘッド全長に渡って連続する冷却液流路を例にとって説明したが、例えば長さ方向に複数に分割されていてもよい。
また、図7や図9に示すように、記録素子基板の配列方向に垂直な方向について、少なくとも2本の冷却液流路の間にインク供給口が配置されている構成では、冷却液流路H1213、H1214の冷却液を流す方向は、逆方向にすることが好ましい。冷却液流路内の冷却液の温度は上流側より下流側が高くなるため、Y方向に沿って、冷却液流路内の冷却液に温度勾配が発生する。よって、上記のように流す方向を決めると、Y方向について支持板の両側で、逆の温度勾配となることにより、全体として冷却効果を均一にすることができる点で望ましい。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の他の実施形態を説明するためにインクジェット記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図10(b)は、図10(a)におけるXB−XB断面図である。図10(c)は、図10(b)におけるXC−XC断面図(記録ヘッドを冷却液流路に沿って切った断面図)である。
図10は、本発明の他の実施形態を説明するためにインクジェット記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図10(b)は、図10(a)におけるXB−XB断面図である。図10(c)は、図10(b)におけるXC−XC断面図(記録ヘッドを冷却液流路に沿って切った断面図)である。
支持板H2200は2部材H2211、H2212で構成され、支持板H2212に冷却液が通る溝を設け、2枚を張り合わせることにより冷却液流路H2213、H2214が形成される。冷却液の流入出口はインク供給部材H2500の記録素子基板H2100と反対側に取り出されている(不図示)。冷却液流路は2本独立に冷却液を流せるように形成されている。流路の断面は本実施形態では幅2mm、深さ1.5mmで一定とした。冷却液の流量は20ml/min〜300ml/min程度とした。記録条件、ヘッド仕様(電力、吐出量等)により条件にあった流量を設定することができる。支持板H2200の記録素子基板H2100と反対側には共通のインク液室H2501が設けられ、支持板H2200に設けられた各インク供給口を通り記録素子基板H2100へインクが供給される。
冷却液流路H2213、H2214と記録素子基板H2100とのZ方向の距離(冷却液流路と電位熱変換素子とのZ方向の距離、L1Z、L2Z)は1mmで一定とした。この距離は、小さいほど冷却効果は大きくなる。ここで、Z方向とは、記録素子基板または支持板の厚さ方向を表している。
冷却液流路H2213、H2214のY方向の長さは第1の実施形態の記録へッドより長く、最大記録領域幅にほぼ等しい。冷却液流路H2213、H2214は、それぞれY軸に平行な平行部H2216、H2218と、Y軸と一定角度で傾いた傾斜部H2215、H2217からなる。傾斜部H2215、H2217と支持板H2200のインク供給口H2201とのX方向の距離は、端部において最も大きく中央部に向かって徐々に小さくなる。すなわち、図10(b)に示すように、Y方向に沿った支持板の端部側での、XY平面における電気熱変換素子と冷却液流路との最短距離L1XYが、支持基板の中央部での最短距離L2XYよりも大きい構成としている。第1の実施形態と同様に、L1ZおよびL2Zについては、ほぼ同じ値で一定である。よって、L1XYとL2XYとの関係で、L1XY>L2XYならば、電気熱変換素子と冷却液流路とのXYZ空間における支持板の端部側での最短距離L1と、支持基板の中央部での最短距離L2について、L1>L2という関係を満たす。
冷却液流路H2213内の冷却液は、主に記録素子基板H2100a、H2100cを冷却するのに効果を発揮する。一方、冷却液流路H2214内の冷却液は、主に記録素子基板H2100b、H2100dを冷却するのに効果的である。
このような構成にしたことで、記録素子基板H2100の電気熱変換素子と冷却液流路H2213、H2214の距離は、支持板のY方向に沿った端部側において最も大きく中央部に向かって徐々に小さくなり、中央部では一定に保たれる。
冷却液流路H2213、H2214の傾斜部H2215、H2217と反対側の端部は、記録素子基板H2100との距離が大きいので、あまり記録素子基板H2100への冷却には寄与しないため、本実施形態ではY軸に平行とした。
図11は、本実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの記録実行直後の温度分布を示す。横軸はヘッド記録素子列(電気熱変換素子列)方向の位置を表し、縦軸は吐出口近傍の温度を表す。冷却液流路の端部を記録素子基板の電気熱変換素子列と離すことで記録ヘッドの両端部の冷却効果が低下し温度が、記録ヘッドの中央部に比べて高くなるため、記録ヘッドの全長に渡ってほぼ均等な温度にすることができる。第1の実施形態に比べ、端部での冷却効果を徐々に低下させることができるので、より細かい温度分布のコントロールが可能である。
傾斜部の角度、長さは、記録素子基板の最大発熱量、冷却液流路と電気熱変換素子列との距離、支持板の熱伝導率、冷却液流量などのパラメータを変えることによって異なった角度及び長さとなる。
ここまでは、複数の記録素子基板H2100を千鳥状に並べたインクジェット記録ヘッドを例に説明したが、図12に示すように、長い一体の記録素子基板H2110を用いたインクジェット記録ヘッドにも適用できる。この場合は、Y方向について2本の冷却液流路H3213、H3214を電気熱変換素子列に沿って、配置している。よって、記録素子基板の両側から冷却液流路により冷却することができ、記録素子基板の片側から冷却する構成に比べて、冷却効果を高めることができる。また、2本の冷却液流路ともY方向における両端に、図12に示すように傾斜部を設けることで、ほぼ均等な温度分布を得ることができる。
また、本実施形態では2本の冷却液流路H3213、H3214を例にとって説明したが、冷却液流路の本数はこれに限らない。また記録ヘッド全長に渡って連続する冷却液流路を例にとって説明したが、例えば長さ方向に複数に分割されていてもよい。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、冷却液流路の端部が記録素子基板の電気熱変換素子列からX方向へ離れるように配置した。
第2の実施形態では、冷却液流路の端部が記録素子基板の電気熱変換素子列からX方向へ離れるように配置した。
本実施形態では、図13に示すように、2本の冷却液流路H4213、H4214の端部をZ方向へ離れる(記録素子基板から離れる方向)ように配置した以外は、第2の実施形態と同様である。図13(b)は、図13(a)におけるXIIIB−XIIIB断面図である。
図13(b)に示すように、本実施形態においては、Y方向に沿った支持板の端部側での、Z方向における電気熱変換素子と冷却液流路との最短距離L1Zが、Y方向に沿った支持基板の中央部での、Z方向における最短距離L2Zよりも大きい構成としている。
本実施形態の構成のように、Z方向へ離れるように冷却液流路を配置した場合であっても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。もちろん、X方向成分、Z方向成分の両方とも増加する方向に離してもよいのはいうまでもない。
(第4の実施形態)
第2、第3の実施形態では、冷却液流路の断面積を一定に保ちながら冷却液流路の端部を記録素子基板の電気熱変換素子列と離す構成とした。
第2、第3の実施形態では、冷却液流路の断面積を一定に保ちながら冷却液流路の端部を記録素子基板の電気熱変換素子列と離す構成とした。
本実施形態では、図14に示すように、2本の冷却液流路H5213、H5214を直線状に配置しながら端部では徐々に断面積を小さくする構成としている。このような構成とすることで冷却液流路と記録素子基板の電気熱変換素子列との距離について、L2XYよりもL1XYの方が大きい構成とすることができる。この場合は、冷却液流路と電気熱変換素子列との距離が離れることによる冷却効果の低下に、冷却液流路の単位長さあたりの表面積が小さくなることによる冷却効果の低下が加わる。そのため、電気熱変換素子の配列方向全般に渡って、記録ヘッドはほぼ均等な温度分布を得ることができる。
(第5の実施形態)
図15(a)、(b)は、本発明の第5の実施形態を説明するために記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図15(b)は、図15(a)におけるX V B−X V B断面図である。
図15(a)、(b)は、本発明の第5の実施形態を説明するために記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図15(b)は、図15(a)におけるX V B−X V B断面図である。
この実施形態では、第2の実施形態に対してX方向について支持板の中央部にも冷却用の流路H5230を付加し、より冷却能力を高めている。冷却液流路H5230は、Y軸に平行な平行部H5231と、Y軸と一定角度で傾いた傾斜部H5232、H5233とからなり、4つの記録素子基板H5100a〜H5100dの中央側を冷却する。
支持板H5200のうち、冷却対象である記録素子基板が配置されていない領域については、冷却液路を設けなくても良い。すなわち、4つの記録素子基板H5100a〜H5100dが設けられている部分のみに対応して、冷却液路を設けても良い。そのため、冷却液流路H5213、H5214のY軸に平行な平行部H5216、H5218は、図15(b)に示すように記録素子基板H5100b、H5100cの端部まで短縮されていてもよい。また、平行部H5216、H5218の短縮した側の端部は、図15(b)の破線で示すように傾斜を持たせてもよい。
このような構成では、中央の冷却液流路H5230の冷却液を流す方向と、外側の冷却液流路H5213、H5214の冷却液を流す方向は、逆方向にすることが好ましい。すなわち、X方向について隣接して配置される冷却液流路において冷却液を流す方向を逆方向にすることが好ましい。第1の実施形態で説明した場合と同様に、冷却液流路内の冷却液の温度は上流側より下流側が高くなるため、Y方向に沿って、冷却液流路内の冷却液に温度勾配が発生する。よって、上記のように流す方向を決めると、Y方向について逆の温度勾配となることにより、記録ヘッド全体として温度勾配が発生しにくくなるという効果を奏する。
(第6の実施形態)
図16(a)、(b)は、本発明の第6の実施形態を説明するために記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図16(b)は、図16(a)みおけるX VI B−X VI B断面図である。本実施形態では、支持板のX方向についての中央部に冷却液流路H6230を配置している。冷却液流路H6230は、Y軸に平行な平行部H6231と、Y軸と一定角度で傾いた傾斜部H6232、H6233とからなる。
図16(a)、(b)は、本発明の第6の実施形態を説明するために記録ヘッドの部分的断面を模式的に示した図である。図16(b)は、図16(a)みおけるX VI B−X VI B断面図である。本実施形態では、支持板のX方向についての中央部に冷却液流路H6230を配置している。冷却液流路H6230は、Y軸に平行な平行部H6231と、Y軸と一定角度で傾いた傾斜部H6232、H6233とからなる。
支持板の主面に平行なXY平面における記録素子基板H6100aとH6100dの電気熱変換素子列と冷却液流路H6232、H6233の、Y方向に垂直なX方向における距離は、Y方向における支持板の端部にいくほど、大きくなる。よって、Y方向に沿った支持板の両端部での冷却効果が軽減され、記録ヘッドの全長に渡ってほぼ均等な温度にすることができる。
本実施形態においては、第1の実施形態から第5の実施形態で説明した構成例に比較し、記録ヘッド全体としての冷却効果はやや低下するが、X方向について、支持板の寸法を小さくすることができる。したがって、X方向について、記録ヘッドの幅を小さくすることができ、記録ヘッドの小型化が可能となる。
H1000 記録ヘッド
H1001 記録素子ユニット
H1002 インク供給ユニット
H1100 記録素子基板
H1102 電気熱変換素子
H1200 支持板
H1213、H1214 冷却流路
H2216、H2218 冷却流路
H3213、H3214 冷却流路
H4213、H4214 冷却流路
H5213、H5214 冷却流路
H1001 記録素子ユニット
H1002 インク供給ユニット
H1100 記録素子基板
H1102 電気熱変換素子
H1200 支持板
H1213、H1214 冷却流路
H2216、H2218 冷却流路
H3213、H3214 冷却流路
H4213、H4214 冷却流路
H5213、H5214 冷却流路
Claims (9)
- インクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の記録素子で構成される記録素子列を備える記録素子基板と、該記録素子基板を支持する支持板と、を備えるインクジェット記録ヘッドであって、
前記支持板は、前記記録素子の配列方向に沿って、前記記録素子基板を冷却するための液体の流路を備えており、
前記配列方向における前記支持板の端部側に配される前記記録素子と前記流路との最短距離の方が、前記配列方向における前記支持板の中央部に配される前記記録素子と前記流路との最短距離よりも大きいことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記インクジェット記録ヘッドは、複数の前記記録素子基板を有しており、
前記記録素子列が前記配列方向に沿って連続するように、前記複数の記録素子基板が配列している請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。 - 前記複数の前記記録素子基板は、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記配列方向における前記支持板の端部から中央部に向かって、前記記録素子と前記流路との最短距離が小さくなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記流路は、前記支持板の主面に平行な面に沿って、前記記録素子との距離が異なるように配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記流路は、前記支持板の厚さ方向に沿って、前記記録素子との距離が異なるように配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記支持板は、前記記録素子基板にインクを供給するための供給口と、少なくとも2つの前記流路とを備え、
前記支持板の主面に平行で前記配列方向に垂直な方向について、前記少なくとも2つの流路の間に前記供給口が配置されている請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。 - 前記支持板は、前記記録素子基板にインクを供給するための少なくとも2つ供給口を備え、
前記支持板の主面に平行で前記配列方向に垂直な方向について、前記少なくとも2つの供給口の間に前記流路が配置されている請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録へッドと、前記流路に前記液体を流す手段を備えるインクジェット記録装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008281870A JP2009149055A (ja) | 2007-11-30 | 2008-10-31 | インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 |
| US12/324,438 US8033642B2 (en) | 2007-11-30 | 2008-11-26 | Ink jet recording head and ink jet recording apparatus |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007309699 | 2007-11-30 | ||
| JP2008281870A JP2009149055A (ja) | 2007-11-30 | 2008-10-31 | インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2009149055A true JP2009149055A (ja) | 2009-07-09 |
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ID=40918805
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008281870A Pending JP2009149055A (ja) | 2007-11-30 | 2008-10-31 | インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2009149055A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014024323A (ja) * | 2012-06-18 | 2014-02-06 | Canon Inc | 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 |
| KR101779246B1 (ko) * | 2013-09-24 | 2017-09-18 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 헤드 |
| KR101779247B1 (ko) * | 2013-09-24 | 2017-09-18 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 헤드 |
| CN118024756A (zh) * | 2024-04-15 | 2024-05-14 | 湖南至简复印机再制造有限公司 | 一种基于压缩空气主动冷却的热敏打印头散热系统 |
-
2008
- 2008-10-31 JP JP2008281870A patent/JP2009149055A/ja active Pending
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