JP2009149111A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2系統のブレーキラインの独立性を確保しながら、簡易な構成で自動制動の機能を追加できるようにする。
【解決手段】ブレーキペダル7の踏み込み時にフロント及びリアのエアタンク3,5内の加圧エアを前輪側及び後輪側にそれぞれ供給する第1及び第2連通路101,102と、いずれか一方のエアタンクに連通接続された第3連通路103と、第3連通路103内を連通又は遮断する切換弁23と、第3連通路103の下流側にそれぞれ接続された第4及び第5連通路104,105と、第1連通路101及び第4連通路104から供給されるエアのうち圧力の高い方を選択して出力する第1ダブルチェックバルブ19と、第2連通路102及び第5連通路105から供給されるエアのうち圧力の高い方を選択して出力する第2ダブルチェックバルブ21とを備えて構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に自動的に制動を行う自動ブレーキに用いて好適の、車両用ブレーキ装置に関するものである。
従来より、車両の制動時に車輪がロックするのを防止するようにしたアンチロックブレーキシステム(ABS)が開発,実用化されるとともに、このようなABSの改良に関する種々の技術が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)
また、車両のブレーキ装置に自動制動の機能を付加した技術も種々提案されている(例えば、下記特許文献3参照)。この特許文献3に開示された技術では、通常の制動用のエアを蓄えたエアタンク以外に自動制動時用のエアリザーバタンクを設け、上記リザーバタンクをフロント及びリアのブレーキ作動流体の流通路上にそれぞれ接続した技術が開示されている。また、リザーバタンクからの連通路との接続部にコントローラ等により開度を変更可能なバルブ(プロポーショナルバルブ)をフロント、リアとにそれぞれ設け、これらのバルブの開度を調整することにより、自動制動を行うことが開示されている。
特開平10−129447号公報 特開平8−324401号公報 特開2003−276585号公報
しかしながら、特許文献3に開示された技術では、自動制動の機能を付加するために2つのプロポーショナルバルブを追加する必要がありコスト増を招いてしまう。また、特許文献1及び2に開示されたような従来のABSに関する技術に自動制動の機能を付加する場合においても、やはりフロント及びリアの独立した2つのブレーキ系統にそれぞれバルブが必要になるという課題がある。
このような課題を図3及ぶ図4を用いてもう少し詳しく説明すると、図3は、エアを作動流体として用いるエアブレーキシステムの基本構成を示す模式図である。図示するように、自動車のブレーキ装置では安全性を確保する目的で独立した2系統のブレーキラインから構成されており、図3では前輪側に制動力を付与するフロントブレーキと後輪側に制動力を付与するリアブレーキとの2系統から構成されている。
そして、ドライバがブレーキペダル7を踏み込むことにより、ブレーキバルブ9が開き、フロントエアタンク3から連通路2を介して前輪側ホイールブレーキ11,13に加圧エアが供給されるとともに、リアエアタンク5から連通路4を介して後輪側ホイールブレーキ15,17に加圧エアが供給される。なお、図中の符号25,27は滑りやすい路面でのホイールロック時に、供給されるエア圧を低減又は開放することによりホイールロックを解除するABSバルブである
このように構成されたエアブレーキシステムに2系統のブレーキラインの独立性を保持しながら自動ブレーキの機能を追加しようとすると、例えば図4に示すような構成となる。この場合、フロント及びリアの各エアタンク3,5から自動制動用のエアを供給するためのエア供給路6,8を設け、これらのエア供給路6,8をダブルチェックバルブ19,21を介して通常制動用のエア供給路2,4に接続する。なお、ダブルチェックバルブ19,21は圧力の高い側の流路を開いて出力ポートと連通するようなバルブである。
そして、各自動制動用のエア供給路6,8にそれぞれ図示しないコントローラからの制御信号に基づいて開閉状態を切り換えるバルブ(電磁弁)22,24を設け、自動制動時にはこれらのバルブ22,24をともに開くことにより自動制動を実現することができる。
ただし、この場合には上述したように、バルブ22,24が2つ必要になり、コスト増を招くことになる。また、ブレーキ装置にはABSバルブや、トラクションコントロールバルブ等複数のバルブ(電磁弁)が設けられており、コントローラ側の仕様や規格によっては、コントローラからの出力ポートに余裕がなく2つの電磁弁を追加することができなかったり、或いは2つの電磁弁を追加するためにコントローラ自体を変更する必要が生じるという課題がある。
また、自動車のブレーキ装置は法規上の要求からも2系統のブレーキラインが独立している必要があるが、図4に示す自動制動用のバルブを単に1つにまとめてしまうと、バルブのフェイル時に、フロントとリアとのブレーキラインの系統が共通になってしまい、独立性を保持できなくなる恐れがある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、2系統のブレーキラインの独立性を確保しながら、簡易な構成で自動制動の機能を追加できるようにした、車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の車両用ブレーキ装置は、車両の前輪側及び後輪側とで独立した2つのブレーキ系統を有し、該前輪側及び該後輪側にそれぞれ作動流体としての加圧エアを供給することにより制動力を付与する車両用ブレーキ装置であって、ブレーキペダル踏み込み時にフロントエアタンク内の加圧エアを前輪側に供給する第1連通路と、該ブレーキペダル踏み込み時にリアエアタンク内の加圧エアを後輪側に供給する第2連通路と、該フロントエアタンク又は該リアエアタンクのいずれか一方に連通接続された第3連通路と、該第3連通路上に設けられて該第3連通路内を少なくとも上流側と下流側とを連通させる連通状態又は上流側を遮断するとともに下流側を大気開放する遮断状態に切り換え可能な切換弁と、該第3連通路の下流側で分岐した第4連通路及び第5連通路と、該第1連通路及び該第4連通路に接続され該2つの連通路から供給されるエアのうち圧力の高い方を選択して下流側の前輪側に出力する第1ダブルチェックバルブと、該第2連通路及び該第5連通路に接続され該2つの連通路から供給されるエアのうち圧力の高い方を選択して下流側の後輪側に出力する第2ダブルチェックバルブとを有することを特徴としている(請求項1)。
また、該車両の後輪側が前後に車軸を有する後2軸式の車両として構成されるとともに、該後2軸のうち前側車軸がエンジンからの駆動力が伝達される駆動軸、後側車軸が該駆動力が伝達されない被駆動軸として構成されているのが好ましい(請求項2)。
また、制動時に該被駆動軸側に供給されるエア圧を該車両の荷重に応じて減圧する減圧回路と、ドライバの制動操作に関わらず該駆動軸及び該被駆動軸の左右輪にそれぞれ制動力を個別に付与することで車両の挙動を制御する車両挙動制御回路とを備え、該第2チェックバルブが該減圧回路の上流側に設けられるとともに、該切換弁を連通状態に切り換える際には、同時に該車両挙動制御回路を作動させて該車両挙動制御回路にエアを供給するのが好ましい(請求項3)。
また、該切換弁の作動を制御する制御手段を有するとともに、該制御手段は、該車両の前方の障害物を検出する障害物検出手段と、該車両が該障害物に衝突するまでの時間を予測する衝突時間予測手段とをそなえ、該衝突時間予測手段により予測された衝突時間が所定時間以下になると、該切換弁を連通状態に切り換えて自動的に制動力を付与するのが好ましい(請求項4)。
本発明の車両用ブレーキ装置によれば、前輪側と後輪側とで独立した2系統のブレーキ系統を有するブレーキ装置において、1つの切換弁を追加することで自動ブレーキの機能付加することができ、コスト増を大幅に抑制できる利点がある。また、2系統のブレーキ系統が互いに干渉したり影響したりすることがないので、一方のブレーキ系統にエア漏れ等のフェイルが生じても他方のブレーキ系統に影響を与えることがなく、信頼性の高いシステムを構築することができる。また、構成が簡素であるため、このような面からも信頼性の高いシステムを構築することができるという利点がある(以上、請求項1)。
また、車両の後輪側が前後に車軸を有する後2軸式の車両として構成され、後2軸のうち前側車軸がエンジンからの駆動力が伝達される駆動軸、後側車軸が該駆動力が伝達されない被駆動軸として構成されている車両に適用した場合には、1つの切換弁を追加するのみで前輪を含む3軸全てに自動制動による制動力を付与することができるという利点がある(請求項2,3)。
また、上記の利点に加えて、車両前方に障害物があり衝突が予測されるような場合、自動的に制動力を付与することで車両の衝突を回避、又は衝撃を軽減することができ、安全性の高い車両を実現することができるという利点がある(請求項4)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
・第1実施形態の説明
まず、本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ装置について説明すると、図1はその要部構成を示す模式図である。
車両1には、前輪側と後輪側とにそれぞれ独立して作動流体を供給可能な2系統のブレーキラインから構成されるブレーキ装置が設けられている。また、本実施形態においては、車両1は前後にそれぞれ1つの車軸を有するトラックであって、ブレーキ装置の作動流体としてエアが適用されている。このため、車両1には、前輪側ホイールブレーキ11,13に加圧エアを供給するエア源としてのフロントエアタンク3と、後輪側ホイールブレーキ15,17に加圧エアを供給するエア源としてのリアエアタンク5とを有している。
また、これらの各エアタンク3,5には、いずれも図示しないエンジン駆動のコンプレッサが接続されており、このコンプレッサにより所定の圧力に加圧されたエアが各エアタンク3,5に供給されるようになっている。
また、各エアタンク3,5には、それぞれ第1連通路101及び第2連通路102が接続されており、これらの連通路101,102にはブレーキペダル7と一体のブレーキバルブ9が介装されている。ここで、ブレーキバルブ9は、ブレーキペダル7の非踏み込み時には連通路101,102をいずれも遮断するとともに、ブレーキペダル7の踏み込み時には、踏み込み量に応じて連通路101,102を開放する公知のデュアルブレーキバルブであって、ブレーキバルブ9が開くことにより、エアタンク3,5からの加圧エアが各ホイールブレーキ11〜17に供給されるようになっている。
また、車両1にはブレーキ配管109,110が配設されており、このうちブレーキ配管109は前輪側ホイールブレーキ11,13に接続されるとともに、ブレーキ配管110は後輪側ホイールブレーキ15,17に接続されている。
そして、ブレーキ配管109には、後述する第1ダブルチェックバルブ19及び連通路(第6連通路)106を介して第1連通路101が接続され、また同様に、ブレーキ配管110には、第2ダブルチェックバルブ21及び連通路(第7連通路)107を介して第2連通路102が接続されている。
ここで、これらのダブルチェックバルブ(以下、DCVと記す)19,21はいずれも2つの入力ポートと1つの出力ポートとを有する公知の弁であって、2つの入力ポートから入力される作動流体のうち、圧力の高いほうを選択して出力するように構成されている。具体的には、2つの入力ポートからの作動流体の圧力の差により、内部の弁体が圧力の高い作動流体により押されて圧力の低い方の入力ポート(低圧側入力ポート)を塞ぐように構成されており、また、低圧側の入力ポートが閉塞されたときに、他方の入力ポート(高圧側の入力ポート)と出力ポートとが連通接続するように構成されている。
そして、上記第1DCV19の一方の入力ポートに第1連通路101の下流端が接続され、第1DCV19の出力ポートと前輪側ブレーキ配管109とが連通路106により連通接続されている。また、同様に、第2DCV21の一方の入力ポートに第2連通路102の下流端が接続され、第2DCV21の出力ポートと後輪側ブレーキ配管110とが連通路107により接続されている。
また、図示するように、リアエアタンク5には、第2連通路102とは別の連通路(第3連通路)103が接続されており、第3連通路103にはこの連通路103の内部を連通状態又は遮断状態に切り換え可能な切換弁23が介装されている。なお、ここでは、第3連通路103はリアエアタンク5に接続しているが、リアエアタンク5の代わりにフロントエアタンク3に接続しても良いし、他に設けたタンクに接続しても良い。
また、切換弁23は後述するABS−ECU(制御手段)33からの制御信号に基づいてその作動状態が制御されるようになっている。なお、この切換弁23は、電気信号のオンオフに基づいて作動するソレノイドタイプの開閉弁であって、通常時(作動信号オフ時)には連通路103内を遮断するノーマルクローズタイプの弁として構成されている。また、通常時には、切換弁23よりも下流側を大気開放するように構成されている。
また、第3連通路103は、その下流側で2つの連通路に分岐しており、これらの分岐した連通路に第4連通路104及び第5連通路105が接続されている。そして、このうち第4連通路104の下流端が、上記第1DCV19の他方の入力ポートに接続され、また、第5連通路105の下流端は第2DCV21の他方の入力ポートに接続されている。
また、前輪側ブレーキ配管109には、前輪のロックを防止するためのABSバルブ25,27が設けられており、このブレーキABSバルブ25,27がオンすることにより前輪側ブレーキ配管109が大気開放されて、前輪側ホイールブレーキ11,13へのエアの供給を低減又は遮断することができるようになっている。なお、後輪側にも前輪側と同様の機能を有するABSバルブがブレーキ回路上に設けられているが、これについては図示を省略する。そして、前輪側のABSバルブ25,27についても、やはりABS−ECU33からの制御信号に基づいてその作動状態が制御されるようになっている。
ここで、ABS−ECU33について説明すると、このABS−ECU33には、いずれも図示を省略するが、双方向性バスによって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、TIM(タイマー)、CPU(マイクロプロセッサ)、入力ポート及び出力ポート等が設けられている。また、このECU33には、各車輪毎に設けられた車輪速センサ(図示省略)やドライバのブレーキペダル操作を検出するブレーキスイッチ(図示省略)等のセンサが接続されている。
そして、ABS−ECU33では、制動時に車輪のロックを検出すると、ロックした車輪のABSバルブを作動させてエア圧を低減し、該車輪のロックを防止するようになっている。
ところで、この車両1には、前方の障害物を検知して車両に衝突の可能性があると判定するとシートベルトを巻き上げるような衝突時被害軽減システムや、この衝突時被害軽減システムの一部として機能する自動ブレーキ装置が装備されている。
そして、これらのシステムの作動を制御する衝突時被害軽減システム用ECU35や自動ブレーキECU37が設けられており、ABS−ECU33は、これらのECU35,37に対しても相互通信可能に構成されている。そして、これらのECU33,35,37により制御手段が構成されている。
このうち、自動ブレーキ装置は、主に上述した連通路103〜105,第1及び第2DCV19,21,切換弁23及び自動ブレーキECU37から構成されており、自動ブレーキECU37からの指令信号に基づいてABS−ECU33から切換弁23へ作動制御信号が出力されると、この切換弁23が開くことにより、エアが各ホイールブレーキ11〜17に供給されて、自動的に車両1に制動力が付与されるようになっている。
具体的には、衝突時被害軽減システム用ECU35には図示しないレーザレーダやステレオカメラ等が接続されており、衝突時被害軽減システム用ECU35に設けられた障害物検出手段(図示省略)において、これらのセンサからの情報に基づき車両1の前方の障害物が検出されるようになっている。また、障害物が検出されると、衝突時間予測手段(図示省略)において、車速センサ等の情報に基づき障害物との相対速度を求め、障害物に衝突する時間を予測する。
そして、衝突時間予測手段により予測された衝突時間が所定時間以下になると、車両1の衝突が回避できないと判定するようになっており、衝突時被害軽減システム用ECU35からの作動制御信号に基づいて図示しない衝突時被害軽減システムが作動するとともに、この情報が衝突時被害軽減システム用ECU35から自動ブレーキABS37に伝達される。そして、自動ブレーキABS37では、この情報に基づいてABS−ECU33に対して自動ブレーキを作動させるよう指令信号を出力するようになっている。
これにより、切換弁23が連通状態に切り換えられて前輪側及び後輪側の車輪に自動的に制動力が付与されるようになっている。
本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ装置は上述のように構成されているので、その作用を説明すると以下のようになる。まず、通常の運転時(自動ブレーキ装置が作動しない非制動時)には、ブレーキバルブ9がオフとなっているため、連通路101,102はともに遮断状態となる。したがって、ブレーキバルブ9よりも下流側にはエアは供給されない。また、切換弁23もオフとなっているため連通路103も遮断状態となり、切換弁23よりも下流側にはエアは供給されない。
このため、各DCV19,21にはいずれの経路からもエアが供給されず、ホイールブレーキ11〜17は非作動状態となり、各車輪に制動力は作用しない。
一方、通常の制動時(自動ブレーキ装置が作動しない制動時)には、ドライバがブレーキペダル7を踏むことにより、ブレーキバルブ9が開いてフロントエアタンク3からは第1連通路101を介して第1DCV19にエアが供給され、また、リアエアタンク5からは第2連通路102を介して第2DCV21にエアが供給される。
このとき、切換弁23はオフとなっているため、第3連通路103は遮断され、切換弁23よりも下流側にはエアは供給されない。また、第4連通路104及び第5連通路105は大気開放されているので、第1DCV19では第1連通路101と第6連通路106とが連通接続し、ブレーキ配管109を介して前輪側の各ホイールブレーキ11,13にエアが供給されて、ブレーキペダル7の踏み込みに応じた制動力が前輪に作用する。また、同様に、第2DCV21では第2連通路102と第7連通路107とが連通接続し、ブレーキ配管110を介して後輪側の各ホイールブレーキ15,17にエアが供給されて、ブレーキペダル7の踏み込みに応じた制動力が後輪に作用する。
また、本実施形態に係る構成においては、前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統とが第1DCV19,第4通路104,第5通路105,第2DCV21によって物理的に連通しているが、第4通路104及び第5通路105は、切換弁23により大気開放されているため、両ブレーキ系統は互いに独立している。したがって、仮に一方のブレーキ系統に失陥が生じても、他方のブレーキ系統には失陥の影響を及ぼすことがない。
次に自動制動時の作用について説明すると、例えば図示しないレーザレーダやステレオカメラ等からの情報に基づいて衝突時被害軽減システム用ECU35が、車両の衝突が回避できないと判定すると、この衝突時被害軽減システム用ECU35からの作動制御信号に基づいて図示しない衝突時被害軽減システムが作動するとともに、この情報が衝突時被害軽減システム用ECU35から自動ブレーキABS37に伝達される。そして、自動ブレーキABS37では、この情報に基づいてABS−ECU33に対して自動ブレーキを作動させるよう指令信号を出力する。
ABS−ECU33は、この自動ブレーキ信号を受け取ると、切換弁23に対して制御信号を出力し、これにより切換弁23が開弁して、第3通路103内が連通状態に切り換えられる。これにより、第3連通路103及び第4連通路104を介してリアエアタンク5と第1DCV19とが接続されるとともに、第3連通路103及び第5連通路105を介してリアエアタンク5と第2DCV21とが連通接続される。
この場合、ドライバがブレーキペダル7を操作していなかったとしても、DCV19,21の機能により、前輪側においては第4連通路104と第6連通路106とが連通接続されるとともに、後輪側においては第5連通路105と第7連通路107とが連通接続される。
このため、ドライバのブレーキ操作に関わらず、エアタンク5からエアが各ホイールブレーキ11〜17に供給されて、各車輪に強制的に制動力が作用する。また、このような自動制動時であっても、車輪のロックが検出されるとABSが機能して車輪のロックが回避される。
したがって、本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ装置によれば、前輪側と後輪側とで独立した2系統のブレーキ系統を有するブレーキ装置において、1つの切換弁23を追加することで自動ブレーキの機能の加えることができる利点がある。すなわち、各ブレーキ系統の独立性を保持したまま自動ブレーキを成立させるには、通常は前輪側と後輪側とにそれぞれエアタンクとホイールブレーキとを短絡する経路を設け、この経路上にそれぞれ切換弁を設けることが考えられるが、このように構成した場合には、切換弁が前輪側と後輪側とでそれぞれ必要になるため、計2つの切換弁が必要になり、コスト増を招くという課題がある。
これに対して、本装置では切換弁23を1つ設けるという簡素な構成としながら、それぞれ2つのブレーキ系統の独立性を保持して自動ブレーキを実現することができ、このためコスト増を抑制することができるという利点がある。つまり、本装置では1つの切換弁23で2系統のブレーキラインに作動流体としてのエアを供給しているが、フロントのブレーキ系統とリアのブレーキ系統とが互いに干渉することなく、且つ影響しあうことがないように構成されているので、一方のブレーキ系統にエア漏れ等のフェイルが生じても他方のブレーキ系統に影響を与えることがない。したがって、信頼性の高いシステムを構築することができる利点がある。また、本装置は構成自体が極めて簡素であるため、このような面からも信頼性の高いシステムを構築することができるという利点がある。
また、車両1の前方に障害物があり衝突が予測されるような場合には、自動的に制動力を付与することで車両1の衝突を回避、或いは衝突した場合には被害を軽減することができ、車両の安全性を高めることができる利点がある。
・第2実施形態の説明
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキ装置について説明すると、図2はその要部構成を示す模式図である。
図示するように、本第2実施形態が適用される車両は、後輪の車軸が2軸で形成された、いわゆるダブルアクスルタイプ(後2軸式)の車両であって、後輪の前側車軸であるリアフロント軸39と、後輪の後側車軸であるリアリア軸41とを有しており、このうち、リアフロント軸39が図示しないエンジンから駆動力が伝達される駆動軸であって、リアリア軸41は駆動力が伝達されない被駆動軸(従動軸)である。
また、このような車両1においても、第1実施形態と同様に前輪側と後輪側とにそれぞれ独立して作動流体を供給可能な2系統のブレーキラインを有するブレーキ装置が設けられている。また、後輪側においては、リアフロント軸39にホイールブレーキ15,17が、リアリア軸41にホイールブレーキ16,18がそれぞれ設けられており、後輪側のブレーキ系統には、これらの4つのホイールブレーキ15〜18が設けられている。
また、図2に示すように、車両1にはフロントエアタンク3とリアエアタンク5とが設けられている。また、第1実施形態と同様に、エアタンク3,5には、それぞれ連通路101(第1連通路)及び連通路102aが接続されており、これらの連通路101,102aにブレーキペダル7と一体のブレーキバルブ9が介装されている。なお、ブレーキバルブ9は第1実施形態で説明したものと同様に構成された公知のデュアルブレーキバルブである。
また、車両1にはブレーキ配管109〜111が配設されており、このうちブレーキ配管109は前輪側ホイールブレーキ11,13に接続されている。また、後輪側の一方のブレーキ配管110はリアフロント軸39のホイールブレーキ15,17に接続され、他方のブレーキ配管111はリアリア軸41のホイールブレーキ16,18に接続されている。
そして、通常の制動時にはフロントエアタンク3から前輪側ホイールブレーキ11,13に作動流体としての加圧エアが供給され、また、リアエアタンク5から後輪側ホイールブレーキ15〜18に作動流体としての加圧エアが供給されるようになっている。
また、前輪側のブレーキ配管109には、第1ダブルチェックバルブ(第1DCV)19及び連通路(第6連通路)106を介して第1連通路101が接続されている。
また、リアエアタンク5には、連通路102a以外にも連通路102bが接続されていており、これらの連通路102a,102bの下流端はいずれもリレーバルブ36に接続されている。このうち、連通路102aの下流端はリレーバルブ36の信号入力ポートに接続され、連通路102bの下流端はリレーバルブ36の入力ポートに接続されている。
また、リレーバルブ36には2つの出力ポートが設けられており、これらの出力ポートに、それぞれ連通路102c,102dが接続されている。そして、このうちの一方の連通路102cよりも下流側は、後輪の左車輪のホイールブレーキ15,16にエアを供給するための経路であって、他方の連通路102dよりも下流側は、右車輪のホイールブレーキ17,18にエアを供給するための経路として構成されている。
ここで、リレーバルブ36は、リア側へのエア供給時のレスポンスを高めるために設けられたものであって、本実施形態では、連通路102aから信号圧が入力されると、入力ポートを開いて連通路102bと連通路102c,102dとを連通接続するように構成されている。
また、連通路102dでは途中において連通路102eが分岐しており、この連通路102eはその下流側において第2ダブルチェックバルブ(第2DCV)21の一方の入力ポートに接続されている。また、他方の入力ポートには後述する第5連通路105が接続されている。そして、これら連通路102a〜102eにより第2連通路が構成されている。また、第2DCVの出力ポートには第7連通路107が接続されている。
ところで、リレーバルブ36よりも下流側のブレーキ系統には、積載荷重の軽減に伴い被駆動軸であるリアリア軸41が制動時にロックするのを防止するための減圧回路61と、車両1の挙動が不安定な傾向にあると判定すると、左右の制動力を個別に制御することで車両1の不安定な挙動を防止する車両挙動制御回路63とが設けられている。
これらの回路61,63については公知の技術であるが、以下簡単に説明する。減圧回路61は主にロードセンシングプロポーショニングバルブ(以下、単にLSPVと記す)43により構成される。また、このLSPV43は第7連通路107を介して第2DCV21の出力ポートに接続されている。
ここで、LSPV43は、リアサスペンションのたわみ量(即ち、後輪側の荷重)を機械的に検出し、後輪側荷重の軽減にともないブレーキ圧を低減するように構成されている。そして、前後輪の制動力配分を適正にすることによって、後輪、特にリアリア軸の41のロック現象を防止し、制動時の安定性を保つようになっている。このため、LSPV43はリレーバルブ36よりも下流側に設けられており、リレーバルブ36を介して出力されるエア圧をLSPV43で減圧してリアリア軸41のホイールブレーキ16,18に出力するようになっている
なお、図2では、LSPV43に入力される連通路102eは右輪側の連通路102dから分岐しているが、左輪の連通路102cから分岐させても良い。また、リレーバルブ36の出力ポートに空きがあれば、連通路102eを直接リレーバルブ36に接続しても良い。
また、LSPV43よりも下流側では左右輪へのエア圧供給経路は独立しており、LSPV43には左輪側の減圧路112と右輪側の減圧路113とがそれぞれ接続されている。また、これらの減圧路112,113はいずれも公知のダブルカットオフバルブ(DCOV)45,47の入力ポートに接続されている。
ここでダブルカットオフバルブ(DCOV)45,47は、第1実施形態において説明したダブルチェックバルブ(DCV)19,21とは反対の機能を有する弁として構成されている。即ち、DCV19,21が2つの入力ポートから入力される作動流体のうち圧力の高い方を選択して出力するように構成されているのに対し、DCOV45,47は2つの入力ポートから入力される作動流体のうち、圧力の低い方を選択して出力するように構成されている。
また、DCOV45,47のもう一方の入力ポートには車両挙動制御回路63を介して出力されたエアを供給する連通路114,115が接続されている。また、これらの連通路114,115にはABSバルブ49,51がそれぞれ介装されており、各ABSバルブ49,51よりも下流側において連通路114,115から連通路116,117が分岐している。そして、これらの分岐した連通路116,117が前輪側のホイールブレーキ15,17に接続されている。
なお、ブレーキABSバルブ49,51がオンすることにより下流側の連通路が大気開放されて、エアの供給を低減又は遮断して、制動力を低減することができるようになっている。
一方、DCOV45,47の出力ポートにはそれぞれ連通路121,122が接続されており、これらの連通路121,122はブレーキ配管111を介してリアリア軸41のホイールブレーキ16,18に接続されている。
したがって、リアリア軸41のホイールブレーキ16,18には、LSPV43によって減圧されたエア圧と車両挙動制御回路63を介して供給されるエア圧のいずれか低いほうのエア圧がブレーキ圧として作用することになり、後輪荷重に応じたエア圧よりも高圧のエア圧がリアリア軸41のホイールブレーキ16,18供給されるのを防止して、リアリア軸41の車輪のロックを回避することができるようになっている。
さて、次に車両挙動制御回路63について簡単に説明すると、この車両挙動制御回路63は主に2つのDCV53,55とASRバルブ57とから構成されている。ここでリレーバルブ36から出力されたエアは連通路102c,102dを介してそれぞれDCV53,55の一方の入力ポートに入力されるようになっている。
また、リアエアタンク5に接続された連通路102bは、その下流端近傍で連通路118が分岐しており、この連通路118にASRバルブ57が介装されている。また、連通路118は、ASRバルブ57よりも下流側において2つの連通路119,120に分岐しており、これらの分岐した連通路119,120の下流端がDCV53,55の他方の入力ポートに接続されている。
ここで、ASRバルブ57は、電気信号のオンオフに基づいて作動するソレノイドタイプの開閉弁であって、通常時(作動信号オフ時)には連通路118を遮断している。そして、ABS−ECU33により、車両1の挙動が不安定な傾向(例えばスピン傾向)にあると判断されると、ASRバルブ57を開くように制御信号を出力して、ASRバルブ57が開弁するようになっている。これにより、車両1の挙動が不安定な傾向になると、リレーバルブ36の作動状態に関わらずリヤエアタンク5からの加圧エアをDCV53,55に供給するとともに、DCV53,55よりも下流側の連通路115,116にエアを供給することができるようになっている。また、この場合には必用に応じてABSバルブ49,51の作動も個別に制御され、左右輪で所望の制動状態となるように車両1の姿勢制御が実行されるようになっている。
ところで、本第2実施形態においては、フロントエアタンク3には第1連通路101とは異なる第3連通路103が接続されている。第3連通路103には、第1実施形態においても説明したように、第3連通路103の内部を連通状態又は遮断状態に切り換え可能な切換弁23が介装されている。
また、切換弁23はABS−ECU33からの制御信号に基づいてその作動状態が制御されるようになっている。なお、この切換弁23は、電気信号のオンオフに基づいて作動するソレノイドタイプの開閉弁であって、通常時(作動信号オフ時)には連通路103内を遮断するノーマルクローズタイプの弁として構成されている。また、通常時には、切換弁23よりも下流側を大気開放するように構成されている。
また、第3連通路103は、その下流側で2つの連通路(第4連通路,第5連通路)104,105に分岐しており、このうち第4連通路104の下流端が、上記第1DCV19の他方の入力ポートに接続され、また、第5連通路105の下流端は第2DCV21の他方の入力ポートに接続されている。
また、前輪側ブレーキ配管109には、前輪のロックを防止するためのABSバルブ25,27が設けられており、このブレーキABSバルブ25,27がオンすることにより前輪側ブレーキ配管109が大気開放されて、前輪側ホイールブレーキ11,13へのエアの供給を低減又は遮断することができるようになっている。
また、この第2実施形態においても、ABS−ECU33に加えて第1実施形態と同様に、衝突時被害軽減システム用ECU35や自動ブレーキECU37が設けられているが、これらについては第1実施形態と同様の構成となっているので、重複する説明は省略する。なお、本実施形態ではASRバルブ57が設けられているが、このASRバルブ57もABS−ECU33からの制御信号に基づいてその作動が制御されるようになっている。
本発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキ装置は上述のように構成されているので、その作用を説明すると以下のようなる。
まず、通常の運転時(非制動時)には、ブレーキバルブ9がオフとなっているため、連通路101,102aはともに遮断状態となる。したがって、ブレーキバルブ9よりも下流側にはエアは供給されない。このため、リレーバルブ36もオフとなり、リレーバルブ36よりも下流側についてもエアは供給されない。
また、切換弁23もオフとなっているため連通路103も遮断状態となり、切換弁23よりも下流側にはエアは供給されない。このため、各DCV19,21にはいずれの経路からもエアが供給されず、ホイールブレーキ11〜18は非作動状態となり、各車輪に制動力は作用しない。
一方、通常の制動時には、ドライバがブレーキペダル7を踏むことにより、ブレーキバルブ9が開いてフロントエアタンク3からは第1連通路101を介して第1DCV19にエアが供給される。また、リアエアタンク5からは連通路102aを介してリレーバルブ36に入力信号が入力されリレーバルブ36がオンとなる。
これにより、エアが連通路102b,リレーバルブ36,連通路102d,連通路102eを介して第2DCV21に供給される。
このとき、切換弁23はオフとなっているため、第3連通路103は遮断され、切換弁23よりも下流側にはエアは供給されない。また、第4連通路104及び第5連通路105は大気開放されているので、第1DCV19では第1連通路101と第6連通路106とが連通接続し、ブレーキ配管109を介して前輪側の各ホイールブレーキ11,13にエアが供給されて、ブレーキペダル7の踏み込みに応じた制動力が前輪に作用する。
また、第2DCV21では連通路102eと連通路107とが連通接続し、LSPV43で後輪荷重に応じて減圧されたエアが連通路112,113を介してDCOV45,47の一方の入力ポートに供給される。また、DCOV45,47の他方のポートにはDCV53,55を介して出力されるエアが供給される。この場合、ABSバルブ49,51が作動しない限りLSPV43を介して供給されるエア圧のほうが低くなるので、DCOV45,47ではLSPV43で減圧されたエアを連通路121,122を介してリアリア軸41のホイールブレーキ16,18に供給する。
また、リアフロント軸39側では、DCV53,55を介して出力されたエアが連通路114,115及び連通路116,117を介してホイールブレーキ15、17に出力される。
以上より、通常ブレーキ時には、前輪及び後輪のリアフロント軸39側にはブレーキペダル7の踏み込みに応じたエアが供給されるとともに、リアリア軸41には荷重に応じて減圧されたエアが供給されて、車両1に制動力が作用する。
また、このときも第1実施形態と同様、前輪側のブレーキ系統と後輪側のブレーキ系統とが第1DCV19,第4通路104,第5通路105,第2DCV21によって物理的に連通しているが、第4通路104及び第5通路105は、切換弁23により大気開放されているため、両ブレーキ系統は互いに独立しており、両ブレーキ系統が失陥によって互いに影響を及ぼしあうことがない。
また、自動制動時には、第1実施形態と同様に、衝突時被害軽減システム用ECU35において車両1の衝突が回避できないと判定すると、この衝突時被害軽減システム用ECU35からの作動制御信号に基づいて図示しない衝突時被害軽減システムが作動するとともに、この情報が衝突時被害軽減システム用ECU35から自動ブレーキABS37に伝達される。そして、自動ブレーキABS37では、この情報に基づいてABS−ECU33に対して自動ブレーキを作動させるよう指令信号を出力する。
ABS−ECU33は、この自動ブレーキ信号を受け取ると、切換弁23に対して制御信号を出力し、これにより切換弁23が開弁して、第3通路内が連通状態に切り換えられる。これにより、ドライバがブレーキペダル7を操作していなかったとしても、第3連通路103及び第4連通路104を介してフロントエアタンク3と第1DCV19とが接続されて、前輪側のホイールブレーキ11,13にエアが供給される。
また、第3連通路103及び第5連通路105を介してフロントエアタンク3と第2DCV21とが連通接続される。これにより、やはりドライバがブレーキペダル7を操作していなくても、DCV21の機能により後輪側においては第5連通路105と第7連通路107とが連通接続されて、LSPV43で減圧されたエアが連通路112,113を介してDCOV45,47に供給される。また、DCOV45,47には、後述するようにASRバルブ57を開くことにより減圧されていないエアも供給される。
そして、圧力の低い側を選択して出力するというDCOV45,47の機能により、DCOV45,47からリアリア軸41のホイールブレーキ16,18に積載荷重に応じて減圧されたエアが供給される。
一方、このような自動制動時には、切換弁23のオンと同時にASRバルブ57が同時にオンに切り換えられる。そして、このようにASRバルブ57を制御することにより、ASRバルブ57を自動制動を実現するための切換弁として機能させることが可能になる。すなわち、ASRバルブ57をオンにすると、ブレーキペダル7の操作の有無に関わらず、リアエアタンク5内のエアが連通路102b,連通路118,連通路119,120,連通路114,115,DCV53,55,連通路114,115及び連通路115,116を介してリアフロント軸39のホイールブレーキ15,17に供給される。したがって、リアフロント軸39の車輪に対しても自動的に制動力を作用させることができる。
したがって、自動制動時に切換弁23とともにASRバルブ57も同時に開弁することにより、ドライバのブレーキ操作に関わらず、エアタンク3から各ホイールブレーキ11〜18にエアが供給されて、全車輪に強制的に制動力が作用して大きな制動力を得ることができる。また、このような自動制動時であっても、車輪のロックが検出されるとABSが機能するので、車輪のロックも確実に回避することができる。
以上詳述したように、本発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキ装置によれば、前輪側と後輪側とで独立した2系統のブレーキ系統を有するブレーキ装置において、1つの切換弁を追加することで自動ブレーキの機能の加えることができ、コスト増を抑制することができる利点があるほか、構成が簡素であるため、信頼性の高いシステムを構築することができるという利点がある。
特に本第2実施形態のように後2軸の3軸車両であって、且つリアフロント軸39が駆動軸、リアリア軸41が被駆動軸として構成された車両では、リアリア軸41のロックを防止するためにLSPV43を含む減圧回路が必用になるため、後輪の2つの車軸に供給されるエア圧が異なる。このため、後2軸に対して一つの切換弁を設けて自動制動時に同時にエアを供給するように構成するのが困難となる。
このような課題に対しては、リアフロント軸39及びリアリア軸41に対してそれぞれ一つずつ切換弁を設けて対処することも考えられるが、このように構成すると前輪側と合わせて3つの切換弁が必要になってしまい、コストが上昇する。さらに、このような場合には、切換弁を制御するECU側にはそれぞれの切換弁に対応するために3つの出力ポートが必要となるが、その分コストアップとなる。
これに対して、本実施形態のように、1つの切換弁で前輪側とリアリア軸41とにエアを供給可能に構成するとともに、リアフロント軸39に対してはもともと備えているASRバルブ57を利用することにより、ECUに何ら変更を伴うことなく3軸全てに自動制動による制動力を付与することができるという利点がある。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、切換弁23は上述した各実施形態では、第3連通路103を連通状態又は遮断状態に切り換えるようなオンオフ弁として構成されているが、切換弁23は少なくとも連通状態又は遮断状態を切り換え可能であれば良く、全開から全閉までの間で開度を適宜調整可能な弁を適用しても良いし、又はオンオフ弁をデューティー制御することにより実質的に開度調整するように構成してもよい。
また、ブレーキ回路の細部の構成についても種々変形可能である。例えば第1実施形態においても、ブレーキ作動時のレスポンスを高めるためにリレーバルブを用いてブレーキ回路を構成して良いし、第2実施形態の前輪側にリレーバルブを用いてブレーキ回路を構成してもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ装置の要部構成を説明する模式的なブレーキ回路図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキ装置の要部構成を説明する模式的なブレーキ回路図である。 一般的な車両のブレーキ回路を説明する図である。 本願の創案過程において案出されたブレーキ回路図であって、本願の課題を説明する図である。
符号の説明
1 車両
3 フロントエアタンク
5 リアエアタンク
7 ブレーキペダル
9 ブレーキバルブ
11,13,15〜18 ホイールブレーキ
19 第1ダブルチェックバルブ
21 第2ダブルチェックバルブ
23 切換弁
33 ABS−ECU(制御手段)
35 衝突時被害軽減システム用ECU(制御手段)
37 自動ブレーキECU(制御手段)
39 リアフロント軸(前側車軸)
41 リアリア軸(後側車軸)
61 減圧回路
63 車両挙動制御回路
101 第1連通路
102 第2連通路
103 第3連通路
104 第4連通路
105 第5連通路

Claims (4)

  1. 車両の前輪側及び後輪側とで独立した2つのブレーキ系統を有し、該前輪側及び該後輪側にそれぞれ作動流体としての加圧エアを供給することにより制動力を付与する車両用ブレーキ装置であって、
    ブレーキペダル踏み込み時にフロントエアタンク内の加圧エアを前輪側に供給する第1連通路と、
    該ブレーキペダル踏み込み時にリアエアタンク内の加圧エアを後輪側に供給する第2連通路と、
    該フロントエアタンク又は該リアエアタンクのいずれか一方に連通接続された第3連通路と、
    該第3連通路上に設けられて該第3連通路内を少なくとも上流側と下流側とを連通させる連通状態又は上流側を遮断するとともに下流側を大気開放する遮断状態に切り換え可能な切換弁と、
    該第3連通路の下流側にそれぞれ接続された第4連通路及び第5連通路と、
    該第1連通路及び該第4連通路に接続され、該2つの連通路から供給されるエアのうち圧力の高い方を選択して下流側の前輪側に出力する第1ダブルチェックバルブと、
    該第2連通路及び該第5連通路に接続され、該2つの連通路から供給されるエアのうち圧力の高い方を選択して下流側の後輪側に出力する第2ダブルチェックバルブとを有する
    ことを特徴とする、車両用ブレーキ装置。
  2. 該車両の後輪側が前後に車軸を有する後2軸式の車両として構成されるとともに、該後2軸のうち前側車軸がエンジンからの駆動力が伝達される駆動軸、後側車軸が該駆動力が伝達されない被駆動軸として構成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 制動時に該被駆動軸側に供給されるエア圧を該車両の荷重に応じて減圧する減圧回路と、
    ドライバの制動操作に関わらず該駆動軸及び該被駆動軸の左右輪にそれぞれ制動力を個別に付与することで車両の挙動を制御する車両挙動制御回路とを備え、
    該第2チェックバルブが該減圧回路の上流側に設けられるとともに、
    該切換弁を連通状態に切り換える際には、同時に該車両挙動制御回路を作動させて該車両挙動制御回路にエアを供給する
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 該切換弁の作動を制御する制御手段を有するとともに、
    該制御手段は、
    該車両の前方の障害物を検出する障害物検出手段と、
    該車両が該障害物に衝突するまでの時間を予測する衝突時間予測手段とをそなえ、
    該衝突時間予測手段により予測された衝突時間が所定時間以下になると、該切換弁を連通状態に切り換えて自動的に制動力を付与する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ装置。
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