JP2009161602A - 変性ポリ酢酸ビニルを含有するポリビニルアセタール組成物、該ポリビニルアセタール組成物からなるポリビニルアセタールシート及び前記ポリビニルアセタール組成物からなる合わせガラス用中間膜 - Google Patents

変性ポリ酢酸ビニルを含有するポリビニルアセタール組成物、該ポリビニルアセタール組成物からなるポリビニルアセタールシート及び前記ポリビニルアセタール組成物からなる合わせガラス用中間膜 Download PDF

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Abstract

【課題】
シート状にした際に光学歪み等が生じず、かつ低温での耐貫通性に優れたポリビニルアセタール組成物及び該ポリビニルアセタール組成物を成形してなるポリビニルアセタールシートを提供すること。
【解決手段】
ポリビニルアセタールと、側鎖にカルボキシル基を有する変性ポリ酢酸ビニルと、を少なくとも含み、前記変性ポリ酢酸ビニルは、前記ポリビニルアセタール100質量部に対し、0.1〜50質量部含まれるポリビニルアセタール組成物とすること。
【選択図】
なし

Description

本発明は、ポリビニルアセタール組成物に関する。より詳しくは、ポリビニルアセタールと変性ポリ酢酸ビニルとを含むポリビニルアセタール組成物に関する。
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールにアルデヒドを添加してアセタール化反応させることによって得られる樹脂である。ポリビニルアセタールは、合わせガラスの中間膜や塗料、接着剤等の原料として広く使用されている。
その中で、例えばポリビニルアセタールを中間膜として用いた合わせガラスは、石等の飛来物が衝突してガラスが破損した場合でも、ガラスの間に介在させた中間膜が衝撃を吸収し、飛来物の貫通を防止できる。また、中間膜によって貼り合わされたガラスは、破損後も中間膜に貼着したままであるため、飛散することがない。このため、合わせガラスを輸送機関や建造物の窓等に用いることによって、人体に著しい傷害が加わることを防止できる。
しかし、ポリビニルアセタールからなる合わせガラス用中間膜は、0℃以下程度の低温でその弾力性が低下することにより衝撃を吸収する性能が低下し、これによって合わせガラスの耐貫通性が低下するといった問題点があった。
合わせガラスの耐貫通性を改良する手段として、第一に、その構造や可塑剤部数の異なるポリビニルブチラールシートを複数枚積層する技術が開示されている(特許文献1、特許文献2)。また、第二に、ポリビニルブチラールのブチラール化度と可塑剤配合量を変えて得られた貯蔵弾性率の異なるポリビニルブチラールシートを複数枚積層させて耐貫通性を向上させる技術が開示されている(特許文献3)。
しかし、これらの技術では、積層させたポリビニルアセタールシート同士の界面の影響による光学歪みが発生し、合わせガラスを透かして見た像が歪んでしまうという問題があった。また、特に前記第二の技術では、低温での耐貫通性が不十分であるという問題があった。
特開平3−124440号公報 特開平3−124441号公報 特開2004−123423号公報
そこで、本発明は、シート状にした際に光学歪み等が生じず、かつ低温での耐貫通性に優れたポリビニルアセタール組成物及び該ポリビニルアセタール組成物を成形してなるポリビニルアセタールシートを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、まず、ポリビニルアセタールと、側鎖にカルボキシル基を有する変性ポリ酢酸ビニルと、を少なくとも含み、前記変性ポリ酢酸ビニルは、前記ポリビニルアセタール100質量部に対し、0.1〜50質量部含まれるポリビニルアセタール組成物を提供する。前記範囲の量の変性ポリ酢酸ビニルを含むことにより、シート状にした際の光学歪みを抑制し、かつ低温での耐貫通性を向上させることができる。
前記変性ポリ酢酸ビニルの組成は特に限定されないが、酢酸ビニル単位100質量部に対し、0.1〜10質量部のカルボキシル基を含有するものとするのが好適である。前記変性ポリ酢酸ビニルの組成を前記範囲とすることにより、低温でのシートの弾性力が維持される。このため、得られたシートを合わせガラスの中間膜として用いると、氷点下の環境下であっても耐貫通性に優れた合わせガラスを得ることができる。
また、本発明は、前記ポリビニルアセタール組成物を成形してなるポリビニルアセタールシートを提供する。前記ポリビニルアセタール組成物を用いることにより、光学歪みを抑制し、かつ低温での耐貫通性に優れたシートとすることができる。
本発明のポリビニルアセタール組成物によれば、シート状にした際に、光学歪み等が生じず、かつ低温での耐貫通性を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲を狭く解釈されることはない。
まず、本発明に係るポリビニルアセタール組成物の好適な実施形態について、以下に説明する。
本発明に係るポリビニルアセタール組成物は、ポリビニルアセタールと、側鎖にカルボキシル基を有するポリ酢酸ビニルと、を少なくとも含み、前記変性ポリ酢酸ビニルは、前記ポリビニルアセタール100質量部に対し、0.1〜50質量部含まれることを特徴とする。
前記変性ポリ酢酸ビニルを前記の量含むことによって、シート状にして合わせガラスとした際に、ガラスとの光線屈折率の差を小さくすることにより光学歪みを抑制し、かつ低温(−15℃程度)から高温(60℃程度)まで衝撃吸収特性が良いものとすることができる。また、ポリビニルアセタール自体の組成を限定する必要がないため、きわめて簡便に光学歪みの抑制及び耐貫通性の向上が可能であるとともに、要求される物性に応じて、ポリビニルアセタールの組成を自由に変更することができる。
前記変性ポリ酢酸ビニルの添加量は、ポリビニルアセタール100質量部に対して、0.1〜50質量部であれば特に限定されないが、好適には0.5〜20質量部、更に好適には1〜8質量部とするのが望ましい。前記変性ポリ酢酸ビニルの添加量を前記範囲とすることにより、合わせガラスとした際の耐貫通性を一層向上させることができる。前記変性ポリ酢酸ビニルの添加量が0.1質量部に満たない場合は、シート状にした際に、充分な耐貫通性が得られない。一方、前記変性ポリ酢酸ビニルが50質量部を超えた場合は、シート状にした際に弾性率が低下し、特に50℃以上の環境下での耐貫通性が悪化してしまうため好ましくない。
前記変性ポリ酢酸ビニル中のカルボキシル基の含有量は、特に限定されないが、好適には酢酸ビニル単位100質量部に対して0.1〜10質量部とするのが望ましい。変性ポリ酢酸ビニル中のカルボキシル基の含有量を上記の範囲とすることにより、得られるポリビニルアセタールシートは優れた耐貫通性を有しながら、合わせガラス用中間膜として合わせガラスに用いた際にも光学歪みが生じないため望ましい。前記変性ポリ酢酸ビニル中のカルボキシル基の含有量の範囲は好適には0.2〜6部、更に好適には0.5〜3部である。前記変性ポリ酢酸ビニル中のカルボキシル基の含有量を前記範囲とすることにより、合わせガラスとしたときの耐貫通性を一層向上させることができる。
前記変性ポリ酢酸ビニルは、側鎖にカルボキシル基を有するものであれば特に限定されないが、具体例として、例えば、酢酸ビニルとクロトン酸の共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体等が挙げられる。前記変性ポリ酢酸ビニルの重合度は特に限定されないが、好適には重合度は300〜6000のものが望ましい。前記変性ポリ酢酸ビニルの重合度を前記範囲とすることにより、ポリビニルアセタール組成物をシート状に成形する際の溶融粘度を適正な範囲に調整することができる。このため、成形中のポリビニルアセタール組成物に、不必要な剪断力や過剰な熱履歴がかからず、低温での弾性力が維持されたシートを得ることができる。得られたシートは、透明性が高いものであり、このシートを合わせガラスの中間膜として用いると、低温から高温の広範囲で耐貫通性に優れ、さらに透明性が高い合わせガラスを得ることができる。
ポリビニルアセタールは、酸性触媒の存在下において、ポリビニルアルコールとアルデヒドをアセタール化反応させて得られるものである。
ポリビニルアセタールの合成に用いられるポリビニルアルコールは、特に限定されないが、平均重合度300〜3000、好適には500〜2500、更に好適には1000〜2000であるのが望ましい。また、けん化度は80モル%以上、好適には90モル%以上であるのが望ましい。前記ポリビニルアルコールは、アセタール化反応を水媒法で行う場合には、3〜15重量%の水溶液として使用するのが取り扱い上の観点から好適である。
ポリビニルアルコールの重合度及びけん化度を前記範囲とすることにより、得られるポリビニルアセタールの重合度と組成を調整でき、ポリビニルアセタール組成物をシート状に成形する際の溶融粘度を適正な範囲に調整することができる。このため、成形中のポリビニルアセタール組成物に、不必要な剪断力や過剰な熱履歴がかからず、低温での弾性力が維持されたシートを得ることができる。得られたシートは、透明性が高いものであり、このシートを合わせガラスの中間膜として用いると、低温から高温の広範囲で耐貫通性に優れ、さらに透明性が高い合わせガラスを得ることができる。
アセタール化反応に用いるアルデヒドは、特に限定されず、得られるポリビニルアセタールの性能に合わせて、各種のアルデヒドから選択することができる。具体的には、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、ソクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。好適にはブチルアルデヒドやアセトアルデヒドを用いるのが望ましい。
アルデヒドの添加量は、特に限定されず、目的とするポリビニルアセタールのアセタール化度にあわせて適宜設定することができる。
酸触媒は、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。前記酸触媒の添加量は、特に限定されないが、一般に反応液のpHが0.3〜2.0となるように適量添加すればよい。
本発明で用いられるポリビニルアセタールの組成は特に限定されないが、好適にはビニルアルコール単位8〜25質量%と、脂肪酸ビニルエステル単位0.1〜15質量%とを含むものとするのが望ましい。ポリビニルアセタールの組成を前記範囲とすることによって、ポリビニルアセタール組成物から得られるシートは、衝撃吸収に十分な強度や弾性率、ガラスとの接着性、透明性等に優れたものとなる。
また、前記ポリビニルアセタールの平均重合度は、好適には150〜3500とするのが望ましい。ポリビニルアセタールの平均重合度を前記範囲とすることによって、ポリビニルアセタール組成物をシート状に成形する際に、その溶融粘度を適正な範囲に調整することができる。また、得られたシートは、衝撃吸収に十分な強度や弾性率、ガラスとの接着性を有するものになる。
本発明に係るポリビニルアセタール組成物は、前記ポリビニルアセタールと、前記変性ポリ酢酸ビニルと、を少なくとも含むものであればよく、必要に応じて、各種添加剤を1種類もしくは2種類以上添加することができる。
次に、本発明に係るポリビニルアセタールシートの好適な実施形態について、以下に説明する。
前記ポリビニルアセタールシートは、本発明に係るポリビニルアセタール組成物に可塑剤を混合し、混練、溶融してシート状に成形することで得られる。
可塑剤は、特に限定するものではなく、プラスチック用可塑剤として通常使用されるものを用いることができる。好適には分子内にエーテル結合を有するエステル系可塑剤を用いるのが望ましい。
エステル系可塑剤の具体例として、例えば、エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコール−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコール−2−エチルブチレート、1,2−プロピレングリコール−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコール−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−2−エチルヘキソエート、テトラエチレングリコール−2−エチルブチレート等が挙げられる。
ポリビニルアセタール組成物に対する可塑剤の添加量は、特に限定するものではなく、ポリビニルアセタールの平均重合度、アセタール化度及び残存アセチル基量等によって適宜調整することができる。好適にはポリビニルアセタール100質量部に対し可塑剤10〜50質量部程度とするのが望ましい。可塑剤を前記範囲の量添加することによって、溶融成型性を維持しつつ、耐貫通性に優れたポリビニルアセタールシートを得ることができる。可塑剤は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ポリビニルアセタール組成物に可塑剤を混合して混練、溶融する際、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着力調整剤、カップリング剤、界面活性剤、熱安定剤、赤外線吸収剤、蛍光剤、着色剤、脱水剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤を1種類もしくは2種類以上添加してもよい。
紫外線吸収剤は、プラスチック用として通常使用されるものを用いることができ、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等を用いることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤の具体例として、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤の具体例として、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、特に限定されないが、ポリビニルアセタール組成物に対する重量基準で10〜100000ppm、好適には100〜10000ppmの範囲とするのが望ましい。紫外線吸収剤を前記範囲の量添加することによって、製造コストを抑えつつ、得られたシートの耐光性を向上させることができる。紫外線吸収剤は単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤は、特に限定するものではなく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等を用いることができる。好適にはフェノール系酸化防止剤、さらに好適にはアルキル置換フェノール系酸化防止剤とするのが望ましい。
フェノール系酸化防止剤として、アルキル置換フェノール系化合物、アクリレート系化合物、トリアジン基含有フェノール系化合物等を用いることができる。
アルキル置換フェノール系化合物の具体例として、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−)ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等が挙げられる。
アクリレート系化合物の具体例として、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等が挙げられる。
トリアジン基含有フェノール系化合物の具体例として、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤として、モノホスファイト系化合物、ジホスファイト系化合物を用いることができる。好適にはモノホスファイト系化合物を用いるのが望ましい。
モノホスファイト系化合物の具体例として、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン等が挙げられる。
ジホスファイト系化合物の具体例として、例えば、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤の具体例として、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
酸化防止剤の添加量は、特に限定されないが、ポリビニルアセタール組成物100重量部に対して0.001〜5重量部、好適には0.01〜1重量部とするのが望ましい。前記範囲の量の酸化防止剤を添加することによって、溶融成形時の熱劣化や外気との接触による酸化劣化を防止することができる。酸化防止剤は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
接着力調整剤は、特に限定されないが、例えば、有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、変性シリコーンオイル等が挙げられる。有機酸の具体例として、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸等が挙げられる。また、無機酸の具体例として、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。
前記有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び前記無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の具体例として、例えば、各種有機酸及び無機酸のカリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
前記有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び前記無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、特に限定されないが、好適には炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とするのが望ましい。さらに好適には、炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩とするのが望ましい。
炭素数2〜16のカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の具体例として、例えば、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2―エチルブタン酸マグネシウム、2―エチルヘキシル酸カリウム、2―エチルヘキシル酸マグネシウム等が挙げられる。
前記有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び前記無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の添加量は、特に限定されないが、ポリビニルアセタール組成物100重量部に対し、0.0001〜1重量部、好適には0.001〜0.5重量部、更に好適には0.01〜0.2重量部とするのが望ましい。前記有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び前記無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を前記範囲の量添加することによって、合わせガラスの透明性を損なうことなく、ポリビニルアセタールシートの接着性を調整することができる。前記有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び前記無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記変性シリコーンオイルとしては、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させて得られるものであれば、特に限定されない。具体例として、例えば、エポキシ変性シリコーンオイル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
前記変性シリコーンオイルの分子量は、特に限定されないが、分子量が800〜5000、好適には1500〜4000とするのが望ましい。変性シリコーンオイルの分子量を前記範囲とすることによって、本発明に係るポリビニルアセタール組成物との相溶性を維持してポリビニルアセタール中に均一に分散させることができる。
前記変性シリコーンオイルの添加量は、特に限定されないが、ポリビニルアセタール組成物100質量部に対し、0.01〜0.2質量部、好適には0.03〜0.1質量部とするのが望ましい。前記変性シリコーンオイルを前記範囲の量添加することによって、本発明に係るポリビニルアセタール組成物との良好な相溶性を維持しつつ、ポリビニルアセタールシートの接着力を調整することができる。前記変性シリコーンオイルは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係るポリビニルアセタール組成物は、シート状に成形してポリビニルアセタールシートとすることができる。
本発明に係るポリビニルアセタールシートは、特に限定されないが、JIS K 7161に準拠し引張り速度500mm/minで測定を行った際の破断強度が、25MPa以上とするのが好適である。ポリビニルアセタールシートの破断強度を上記範囲とすることにより、合わせガラス用中間膜として用いた際に、充分な強度が得られるため望ましい。
更に好ましいポリビニルアセタールシートの破断強度の範囲は30〜50MPaである。この範囲とすることにより適切な強度と靱性となるため、合わせガラスとしたときには衝撃による応力が狭い範囲に集中することなく、ガラス面全体に分散する。合わせガラスの耐貫通性は更に高いものとなる。
本発明に係るポリビニルアセタールシートを製造する方法は、特に限定するものではなく、公知の成形方法によって製造することができる。具体的には、例えば、押出し成形やプレス成形、ブロー成形、射出成形等によりポリビニルアセタール組成物をシート状に成形することができる。特に、押出機にポリビニルアセタール組成物、可塑剤、その他の添加剤を供給し、混練、溶融しTダイより出し、引取機で引取ってシート状に成形する方法が好適である。
ポリビニルアセタールシートの厚さは、特に限定されないが、好適には0.2〜1.5mmとするのが望ましい。また、強度向上、遮音性、遮熱性、遮光性、装飾等の目的に合わせて同一組成のポリビニルアセタールシートを複数枚積層させたり、他組成のポリビニルアセタールシートを積層させたりすることもできる。ポリビニルアセタールシートを積層させる場合には、最外層側に本発明に係るポリビニルアセタールシートを積層させることで、例えば、ロール状に巻いた状態で保管した際に、表裏同士が接着して一体化すること(以下、「自着」と称する)抑制することができる。
ポリビニルアセタールシートの表面にエンボス加工をすることによって、自着をさらに抑制することができる。また、合わせガラス用中間膜として用いる場合に、エンボス模様の凹凸を通り道にして空気を追い出し、ガラスと中間膜との間の気泡残留を防止することができる。エンボスの深さや形状は特に限定されない。
また、本発明に係るポリビニルアセタール組成物は、シート状に成形して、合わせガラス用中間膜として好適に用いられる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
各特性は以下に示した方法で評価した。
<ポリビニルアセタールシートの破断強度測定>
ポリビニルアセタールシートの破断強度をJIS K 7161に準拠し引張り速度500mm/minで測定を行った。
<ポリビニルアルコールのけん化度の測定法>
JIS K 6726記載の方法に準拠して測定した。
<ポリビニルアルコールの平均重合度の測定法>
JIS K 6726記載の方法に準拠して測定した。
<ポリビニルアセタールの平均重合度の測定法>
JIS K 6728(旧規格)記載の方法に準拠して測定した。
<ポリビニルアセタールのビニルアルコール単位の測定法>
JIS K 6728(旧規格)記載の方法に準拠して測定した。
<ポリビニルアセタールの脂肪酸ビニルエステル単位の測定法>
JIS K 6728(旧規格)記載の方法に準拠して測定した。
<ポリ酢酸ビニルの平均重合度の測定法>
JIS K 6728(旧規格)記載の方法に準拠して測定した。
<ポリ酢酸ビニルのカルボキシル基含有量の測定法>
ポリ酢酸ビニル中のカルボキシル基の含有量は、メタノール:水=4:1(容量比)に調整した溶媒にポリ酢酸ビニルを加え、1wt%のポリ酢酸ビニル溶液を調製した。これを、指示薬としてフェノールフタレインを用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定することによって算出した。
<合わせガラスの作製>
ポリビニルアセタールシートを厚さ3mmのフロートガラス2枚の間に挟み、ロール法で予備圧着した。次いで、140℃のオートクレーブで12kg/cmの圧力で30分間圧着し、透明な合わせガラスを得た。
<合わせガラスの耐貫通性の評価>
合わせガラスの耐貫通性能は、JIS R 3212に準拠し、保存温度を変えた3種類の合わせガラスについて評価した。質量2260±20g、直径約82mmの鋼球を、それぞれ−10℃、25℃、55℃で4時間以上保管した約300×300mmの合わせガラスサンプル上に高さを変えてサンプルの中心部に落下させた。試験は、鋼球の落下高さを高くしていきながら繰り返し行い、同一高さの試験で試験回数の50%に相当する回数貫通が妨げられた最大高さを求め、耐貫通性能とした。
<合わせガラスの光学歪み評価>
合わせガラスを透かした像の光学歪みの有無を評価した。
<実施例1>
(ポリビニルアセタールの合成)
けん化度98mol%、平均重合度1700のポリビニルアルコール100gを蒸留水に溶解し、濃度10質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。この水溶液を40℃に保ってアンカー型攪拌翼で攪拌しながら、35質量%塩酸を32g添加後、ブチルアルデヒド60gを滴下した。水溶液中にポリビニルアセタールが析出した後、更に35質量%塩酸を64g添加しながら50℃まで昇温して4時間攪拌して反応を完了させ、ポリビニルアセタールの分散液を得た。得られた分散液を冷却し、30質量%水酸化ナトリウム水溶液により分散液のpHを7.5まで中和し、ろ過後、対ポリマー20倍量の蒸留水で水洗、乾燥してポリビニルアセタールを得た。
(ポリビニルアセタール組成物の調製)
得られたポリビニルアセタール100質量部に対して、カルボキシル基の含有量が酢酸ビニル単位100質量部に対して4質量部である酢酸ビニル・クロトン酸共重合体(重合度2000)を6質量部混合し、ポリビニルアセタール組成物を得た。
(ポリビニルアセタールシートの作製)
表1に示す作製条件により、厚み0.76mmのポリビニルアセタールシートを得た。
可塑剤にはトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを用い、ポリビニルアセタール組成物100質量部に対して可塑剤40質量部とした。
Figure 2009161602
<実施例2、3>
変性ポリ酢酸ビニルの添加量を0.1質量部(実施例2)、50質量部(実施例3)とした点以外は、実施例1と同様の条件でポリビニルアセタールシートを作製した。
<実施例4〜7>
変性ポリ酢酸ビニルの重合度を200(実施例4)、300(実施例5)、6000(実施例6)、7000(実施例7)とした点以外は、実施例1と同様の条件でポリビニルアセタールシートを作製した。
<実施例8〜14>
変性ポリ酢酸ビニルのカルボキシル基含有量を0.01質量部(実施例8)、0.1質量部(実施例9)、0.2質量部(実施例10)、0.5質量部(実施例11)、3質量部(実施例12)、10質量部(実施例13)、12質量部(実施例14)とした点以外は、実施例1と同様の条件でポリビニルアセタールシートを作製した。
<実施例15〜20>
ポリビニルアセタールの平均重合度を100(実施例15)、300(実施例16)、500(実施例17)、2500(実施例18)、3500(実施例19)、4000(実施例20)とした点以外は、実施例1と同様の条件でポリビニルアセタールシートを作製した。
<比較例1、2>
ポリ酢酸ビニルの添加量を0.01質量部(比較例1)、52質量部(比較例2)とした点以外は、実施例1と同様の条件でポリビニルアセタールシートを作製した。
各実施例及び比較例の合わせガラスの耐貫通性の評価結果及び光学歪みの評価結果を表2乃至5に示す。
Figure 2009161602
Figure 2009161602
Figure 2009161602
Figure 2009161602
<考察>
実施例1乃至20は、シートの接着性及び各温度における合わせガラスの耐貫通性共に良好であり、本発明の目標を達成することができた。

Claims (4)

  1. ポリビニルアセタールと、側鎖にカルボキシル基を有する変性ポリ酢酸ビニルと、を少なくとも含み、
    前記変性ポリ酢酸ビニルは、前記ポリビニルアセタール100質量部に対し、0.1〜50質量部含まれるポリビニルアセタール組成物。
  2. 前記変性ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニル単位100質量部に対し、0.1〜10質量部のカルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のポリビニルアセタール組成物をシート状に成形して得られるポリビニルアセタールシート。
  4. 請求項1又は2に記載のポリビニルアセタール組成物をシート状に成形して得られる合わせガラス用中間膜。
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