JP2009165238A - 同期モータの逆回転防止機構 - Google Patents

同期モータの逆回転防止機構 Download PDF

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Abstract

【課題】逆回転防止部材としての逆回転防止リングの配設スペースを有利に確保することが出来る、新規な構造の同期モータの逆回転防止機構を提供することを、目的とする。
【解決手段】ロータ14が正回転方向に回転する場合には、逆回転防止リング10をロータ14に接近変位せしめて、逆回転防止リング10をステータ側係合突起80の上方に位置せしめることにより、ロータ14の正回転方向への回転を許容する一方、ロータ14が逆回転方向に回転する場合には、逆回転防止リング10をロータ14から離隔変位せしめて、逆回転防止リング10とステータ側係合突起80を係合せしめるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期モータのロータが起動時に逆方向に回転し始めることを防止する同期モータの逆回転防止機構に関するものである。
良く知られているように、同期モータは、(1)電源周波数を変化させることにより回転数を変化させることが出来る、(2)回転ムラやトルクムラが少ない、(3)小型軽量である等の利点を備えている。そこで、ギヤードモータ等のモータを利用したアクチュエータの駆動源として、従来から、同期モータの採用が検討されている。
ところで、同期モータは、コイルが装着されたステータと永久磁石が組み付けられたロータとを備えており、コイルへの通電によって発現されるステータの磁極とロータの磁極との相互の磁力作用に基づいてロータがステータに対して回転作動せしめられる。また、電気的に一方向に回転させる手段をもたない同期モータおいては、ロータが起動時に正回転方向と逆回転方向の何れの回転方向に回転し始めるかが不確定であるという特性を有している。そこで、このような同期モータでは、起動時に目的とする方向にロータを回転させるために、一般的に、ロータが逆回転方向に回転し始めるとこれを強制的に停止させて正回転方向へ回転を修正する逆回転防止機構が設けられている。
具体的には、特許文献1乃至5に記載されているように、逆回転防止部材としてのレバー状部材を一軸回りに回動可能な状態で配設し、ロータが正回転方向へ回転する際には、レバー状部材をロータの正回転方向への回転を許容する位置に退避させる一方、ロータが逆回転方向へ回転する際には、レバー状部材をロータの逆回転方向への回転を阻止する位置に移動させる逆回転防止機構が提案されている。
しかしながら、特許文献1乃至5に記載の逆回転防止機構においては、レバー状部材をロータの回転中心軸線に直交する平面内で移動させる必要があることから、レバー状部材の駆動スペースを考慮してレバー状部材の配設スペースを確保しなければならないという問題があった。
実公昭60−22788号公報 実開平6−13369号公報 特開平6−62546号公報 特開2002−10572号公報 特許第3066804号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、逆回転防止部材としての逆回転防止リングの配設スペースを有利に確保することが出来る、新規な構造の同期モータの逆回転防止機構を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明は、コイルが装着されたステータと磁極形成用の永久磁石を有するロータを備えておりコイルへの通電に基づいてステータに形成された磁極部に発現する磁極とロータの磁極との相互作用に基づいてロータを回転駆動せしめる同期モータの起動時においてロータの逆回転を防止する同期モータの逆回転防止機構であって、(a)ロータの下面に設けられて、ロータの軸方向下方に突出するロータ側係合突起と、(b)ステータにおいてロータの軸方向でロータの下面と離隔して対向位置する部分に設けられており、ロータの下面に向かって突出するステータ側係合突起と、(c)ロータの中心孔に挿通されているロータ支軸の回りに回転可能な状態で、ロータとステータの軸方向間に配設されている逆回転防止リングと、(d)逆回転防止リングに形成されて、ロータの正回転方向でロータ側係合突起と係合することにより、逆回転防止リングをロータの正回転方向にロータと一体的に回転駆動せしめる正方向係合面と、(e)逆回転防止リングの下面に形成されて、ロータの正回転方向でロータの軸方向上方に向かって傾斜しており、ロータ側係合突起と正方向係合面が係合して逆回転防止リングがロータの正回転方向に回転している状態でステータ側係合突起と接触せしめられて、逆回転防止リングをステータ側係合突起の上方へ誘導することにより、逆回転防止リングを軸方向でロータに接近変位せしめる下側ガイド面と、(f)逆回転防止リングの上面に形成されて、ロータの逆回転方向でロータの軸方向上方に向かって傾斜しており、ロータが逆方向へ回転してロータ側係合突起が摺接することにより、逆回転防止リングを軸方向でロータから離隔変位せしめる上側ガイド面と、(g)逆回転防止リングに形成されて、ロータの逆回転方向でロータ側係合突起と係合することにより、逆回転防止リングをロータの逆回転方向にロータと一体的に回転駆動せしめる上側逆方向係合面と、(h)逆回転防止リングに形成されて、ロータ側係合突起と上側逆方向係合面が係合して逆回転防止リングがロータの逆回転方向にロータと一体的に回転駆動されている状態でステータ側係合突起と係合することにより、逆回転防止リングの逆回転を阻止する下側逆方向係合面とを、備えていることを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた同期モータの逆回転防止機構においては、ロータが正回転方向に回転し始めると、ロータに設けられたロータ側係合突起と逆回転防止リングに形成された正方向係合面が係合することにより、逆回転防止リングがロータの正回転方向でロータと一体的に回転駆動せしめられる。
そして、ロータ側係合突起と正方向係合面が係合して逆回転防止リングがロータの正回転方向にロータと一体的に回転駆動せしめられると、逆回転防止リングの下面に形成された下側ガイド面がステータに設けられたステータ側係合突起と接触せしめられることにより、逆回転防止リングがステータ側係合突起の上方へ誘導されて、軸方向でロータに接近変位せしめられる。その結果、ロータの正回転方向への回転が許容される。
一方、ロータが逆回転方向に回転し始めると、ロータ側係合突起が逆回転防止リングの上面に形成された上側ガイド面に摺接することにより、逆回転防止リングが軸方向でロータから離隔変位せしめられる。また、逆回転防止リングが軸方向でロータから離隔変位せしめられた状態で、逆回転防止リングに形成された上側逆方向係合面とロータ側係合突起が係合することにより、逆回転防止リングがロータの逆回転方向にロータと一体的に回転駆動せしめられる。
そして、ロータ側係合突起と上側逆方向係合面が係合して逆回転防止リングがロータの逆回転方向にロータと一体的に回転駆動せしめられていると、逆回転防止リングに形成された下側逆方向係合面とステータ側係合突起が係合することにより、逆回転防止リングの逆回転が阻止されるようになっている。その結果、ロータの逆回転も防止されることとなる。
そこにおいて、本発明に係る同期モータの逆回転防止機構にあっては、ロータの正回転の許容とロータの逆回転の防止が、ロータの中心孔に挿通されるロータ支軸の回りに回転可能な状態でロータとステータの軸方向間に配設されている逆回転防止リングの軸方向変位に基づいて行われるようになっていることから、ロータ支軸の軸直角方向に逆回転防止リングを駆動させる必要がなくなる。
従って、本発明に係る同期モータの逆回転防止機構においては、逆回転防止リングの配設スペースを有利に確保することが出来る。
また、本発明に係る同期モータの逆回転防止機構においては、ロータの回転速度やロータ側係合突起において正方向係合面と係合する面の摩擦係数,正方向係合面の摩擦係数等を適当に設定することにより、ロータの正回転方向への回転に際して、逆回転防止リングの下側ガイド面とステータ側係合突起が一度接触して、逆回転防止リングが軸方向でロータに接近変位せしめられると、その状態を維持することが可能となる。換言すれば、ロータが正回転方向に回転している最中に、逆回転防止リングの下側ガイド面とステータ側係合突起が何度も接触しないようにすることが可能となる。その結果、ロータの正回転方向への回転に際して、逆回転防止リングの下側ガイド面とステータ側係合突起が何度も接触することに起因する異音の発生を抑えることが可能となる。
また、本発明に係る同期モータの逆回転防止機構においては、ロータの下面に開口する凹所が形成されており、かかる凹所の上底面にロータ側係合突起が設けられていることが望ましい。これにより、逆回転防止リングをロータに形成された凹所内に配設することが可能となる。その結果、逆回転防止リングの配設スペースを一層有利に確保することが可能となる。換言すれば、このような凹所に収容配置可能な逆回転防止リングであっても、起動時におけるロータの逆回転を有利に防止することが出来るのである。
更にまた、本発明に係る同期モータの逆回転防止機構においては、ステータ側係合突起がステータに対して別体形成されていることが望ましい。これにより、ステータ側係合突起がステータから切り起こされて形成されている場合に比して、ステータ側係合突起の強度を有利に確保することが可能となる。その結果、ステータ側係合突起の耐久性を有利に確保することが可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態としての逆回転防止機構を構成する逆回転防止リング10が配された同期モータ12が示されている。同期モータ12は、従来から公知の交流同期モータであって、ロータ14と、円環形状のコイル16が巻き回されたステータ18を備えている。なお、同期モータ12は、適当なハウジングに収容されて、ロータ14の回転駆動力を、減速歯車列等で構成された減速手段を介して、プーリやロッド等で構成された出力部材に伝達せしめることにより、出力部材を駆動変位せしめるようになっている。
より詳細には、ロータ14は、図2乃至4に示されているように、永久磁石20に対して、出力軸22が一体的に組み付けられた構造とされている。永久磁石20は、全体として厚肉円筒形状を呈しており、本実施形態では、外周面にN極とS極が交互に4極ずつ、合計8極着磁されている。一方、出力軸22は、合成樹脂材料によって形成されており、ロータ支軸24が挿通される中心孔26を備えた厚肉円筒形状を呈している。また、出力軸22の軸方向中間部分には、ロータピニオン28が設けられている。
このような構造とされた出力軸22は、軸方向一端(図2における軸方向下端)が永久磁石20の中央孔30に対して軸方向他端側(軸方向上端側)から挿し込まれるようにして、永久磁石20に組み付けられている。特に本実施形態では、出力軸22は、永久磁石20の軸方向中間部分から軸方向上端に亘って、永久磁石20の中央孔30に挿し込まれるようにして、永久磁石20に組み付けられている。これにより、ロータ14の下面中央部分には、軸方向下方に開口する凹所32が形成されている。
かかる凹所32内には、組付部材34が収容位置せしめられている。組付部材34は、合成樹脂材料によって形成されており、厚肉円環板形状を呈する本体部36を備えている。また、組付部材34には、軸方向下側(厚さ方向一方)の面において、軸方向下方に突出するロータ側係合突起38が形成されている。
そこにおいて、本実施形態のロータ側係合突起38は、本体部36に形成されている中央孔40を挟んで径方向で対向位置せしめられるように、一対形成されている。特に本実施形態では、各ロータ側係合突起38の周方向両端面は、それぞれ、本体部36の径方向に沿って広がっている。換言すれば、各ロータ側係合突起38の周方向両端面は、それぞれ、本体部36の同心円において周方向端面と交差する位置での接線に直交する方向に広がっているのである。
上述の如き構造とされた組付部材34は、出力軸22の軸方向下端面に設けられた支持突起42が本体部36に形成されている中央孔40に挿通されて、出力軸22の軸方向下端面と本体部36の上面が重ね合わせられた状態で、凹所32内に収容位置せしめられている。これにより、組付部材34に設けられた一対のロータ側係合突起38,38は、それぞれ、凹所32の上底となる組付部材34の本体部36の下面からロータ14の軸方向下方に向かって突出しているのである。
なお、本実施形態では、組付部材34の本体部36の上面に位置決め突部44,44が設けられており、出力軸22の軸方向下端面と本体部36の上面が重ね合わされた状態で、出力軸22の軸方向下端面に開口形成された位置決め凹部46,46内に位置決め突部44,44が位置せしめられることにより、組付部材34のロータ14に対する周方向位置が規定されている。
そこにおいて、本実施形態では、上述の如く組付部材34が凹所32内に収容位置せしめられた状態で、組付部材34に設けられた一対のロータ側係合突起38,38は、永久磁石20に着磁された磁極の境界線上に位置せしめられている。また、各ロータ側係合突起38,38の突出端面は、軸方向下方に向かって開口する凹所32の開口端面よりも軸方向上方に位置せしめられている。換言すれば、各ロータ側係合突起38,38は、凹所32の開口端面から軸方向下方へ突出していないのである。更にまた、支持突起42の突出端面は、本体部36の下面よりも僅かに軸方向下方に位置せしめられている。換言すれば、支持突起42は、本体部36の下面から軸方向下方に向かって僅かに突出しているのである。
一方、ステータ18は、上側ステータ構成部材48と下側ステータ構成部材50によって構成されている。上側ステータ構成部材48は、鉄等の磁性材料によって形成されており、円環板形状を呈する円環板状部52を備えている。また、上側ステータ構成部材48の円環板状部52の内周縁部には、径方向内方に突出する上側磁極板部54が周方向に等間隔に複数(本実施形態では、四つ)設けられている。なお、本実施形態では、これら四つの上側磁極板部54の周方向長さは、互いに同じとされている。また、各上側磁極板部54の基端部分には、曲げ加工が施されている。これにより、各上側磁極板部54は円環板状部52の厚さ方向一方の側(図1における軸方向下方の側)へ突出している。
下側ステータ構成部材50は、鉄等の磁性材料で形成されており、図5及び図6にも示されているように、浅底の大径な有底円筒形状を呈している。なお、本実施形態では、下側ステータ構成部材50の周壁部分56は、適当な形状に切り欠かれている。
また、下側ステータ構成部材50には、その底壁57から切り起こされた下側磁極板部58が複数(本実施形態では、四つ)設けられている。そこにおいて、本実施形態では、これら四つの下側磁極板部58のうち二つは、上側ステータ構成部材48に設けられた上側磁極板部54と同じ周方向長さを有する幅広下側磁極板部60とされている。一方、残り二つの下側磁極板部58,58は、上側ステータ構成部材48に設けられた上側磁極板部54や幅広下側磁極板部60よりも周方向長さが短くされた幅狭下側磁極板部62とされている。そして、これら四つの下側磁極板部58は、幅広下側磁極板部60と幅狭下側磁極板部62が周方向で交互に並ぶように設けられている。
そこにおいて、一対の幅広下側磁極板部60,60の対向方向と一対の幅狭下側磁極板部62,62の対向方向は直交していない。換言すれば、一対の幅狭下側磁極板部62,62は、それぞれ、一対の幅広下側磁極板部60,60の対向方向に対する直交方向の位置から中心軸線回りで周方向一方の側へ同じ角度だけずれた位置で、対向位置せしめられているのである。
また、下側ステータ構成部材50の底壁57の中央には、底壁57を厚さ方向に貫通する貫通孔64が形成されている。そして、この貫通孔64に対して、嵌込部材66が組み付けられている。この嵌込部材66は、合成樹脂材料によって形成されており、中心孔68を有する厚肉の段付円筒形状を呈している。具体的には、本実施形態の嵌込部材66には、軸方向中間部分において、軸方向に離隔した位置に二つの段差面70,72が形成されており、それによって、嵌込部材66は、軸方向中間部分に位置する本体部74よりも軸方向一方の側が本体部74よりも小径の突出軸部76とされている一方、本体部74よりも軸方向他方の側が本体部74よりも大径の当接部78とされている。
また、嵌込部材66には、本体部74の上面において、軸方向上方に向かって突出するステータ側係合突起80が、突出軸部76を挟んで径方向で対向位置せしめられるようにして、一対設けられている。そこにおいて、本実施形態では、各ステータ側係合突起80の周方向両端面は、それぞれ、嵌込部材66の径方向に広がっている。換言すれば、各ステータ側係合突起80の周方向両端面は、それぞれ、嵌込部材66の同心円において周方向端面と交差する位置での接線に対して直交する方向に広がっているのである。
このような形状とされた嵌込部材66は、下側ステータ構成部材50の底壁57の下面側から本体部74が貫通孔64に嵌め入れられることによって、下側ステータ構成部材50に組み付けられている。なお、本実施形態では、当接部78の上面に突設された位置決め突起82,82が下側ステータ構成部材50の底壁57の下面に開口形成された位置決め凹部84,84に嵌め入れられることにより、一対のステータ側係合突起80,80の周方向位置が規定されている。因みに、本実施形態では、各ステータ側係合突起80の周方向一端面が、一対の幅広下側磁極板部60,60の対向方向に広がるように、一対のステータ側係合突起80,80の周方向位置が規定されている。
そして、上述の如く嵌込部材66が組み付けられた下側ステータ構成部材50と上側ステータ構成部材48で上下に挟まれるようにして、コイル16が巻き回されたボビン86が組み付けられている。これにより、コイル16が装着されたステータ18が構成されている。なお、上述の如く、コイル16が巻き回されたボビン86に対して、下側ステータ構成部材50と上側ステータ構成部材48が組み付けられた状態で、四つの上側磁極板部54や一対の幅広下側磁極板部60,60は、それぞれ、ステータ18における同心円の八等分のピッチ上に周方向中心が位置せしめられている一方、一対の幅狭下側磁極板部62,62は、それぞれ、ステータ18における同心円の八等分のピッチ上からずれた位置に周方向中心が位置せしめられている。即ち、本実施形態では、四つの上側磁極板部54や一対の幅広下側磁極板部60,60のそれぞれによって、正極が構成されている一方、一対の幅狭下側磁極板部62,62のそれぞれによって、補極が構成されているのである。
また、上述の如くコイル16が装着されたステータ18に対して、ロータ14が組み付けられている。具体的には、ロータ14に設けられた支持突起42がステータ18に取り付けられた嵌込部材66における突出軸部76の突出端面に載置された状態で、ロータ14の外周面に形成された磁極が、ステータ18の上側磁極板部54や下側磁極板部58に対して、ロータ14の中心軸線に直交する方向で、所定の隙間を隔てて対向位置せしめられている。
更にまた、上述の如くロータ14の支持突起42がステータ18に設けられた突出軸部76の突出端面に載置されることにより、ロータ14の中心孔26とステータ18に設けられた嵌込部材66の中心孔68が繋がっている。そして、これらの中心孔26,68にロータ支軸24が挿通されることによって、ロータ14がロータ支軸24回りに回転可能な状態で、ステータ18に組み付けられている。なお、本実施形態のロータ支軸24は、嵌込部材66の中心孔68に圧入固定されることによって、嵌込部材66、延いては、ステータ18と一体的に取り扱い可能とされている。
また、ロータ14の底面と下側ステータ構成部材50の底壁57の間には、逆回転防止リング10が配設されている。逆回転防止リング10は、合成樹脂材料によって形成されており、図7乃至9に示されているように、全体として厚肉の円環板形状を呈している。そこにおいて、逆回転防止リング10の上面には、周方向一方向(ロータ14の正回転方向であって、図8における反時計回りの方向)で軸方向上方に向かって傾斜している上側ガイド面88が形成されている。また、上側ガイド面88の下流側には、低位置面90が形成されている一方、上側ガイド面88の上流側には、高位置面92が形成されている。更に、高位置面92の周方向一端には、軸方向上方に広がる高位置側段差面94が形成されており、かかる高位置側段差面94よりも周方向一方の側には、高位置面92よりも軸方向上方に位置せしめられた上端面96が形成されている。更にまた、上端面96の周方向一端には、軸方向下方に広がる低位置側段差面98が形成されており、かかる低位置側段差面98よりも周方向一方の側には、逆回転防止リング10の中心軸線を挟んで一方の低位置面90と対向位置せしめられる、他方の低位置面90が形成されている。
すなわち、本実施形態では、低位置面90や上側ガイド面88,高位置面92,高位置側段差面94,上端面96,低位置側段差面98は、それぞれ、逆回転防止リング10の中心軸線を挟んで対向位置せしめられるようにして、一対形成されているのである。
また、逆回転防止リング10の下面には、周方向他方向(ロータ14の逆回転方向であって、図8の時計回りの方向)で軸方向上方に向かって傾斜する下側ガイド面100が形成されている。そして、下側ガイド面100の下流側には、下端面102が形成されている一方、下側ガイド面100の上流側には、上底面104が形成されている。また、上底面104の周方向他端には、軸方向下方に広がる下側段差面106が形成されており、かかる下側段差面106よりも周方向他方の側には、逆回転防止リング10の中心軸線を挟んで一方の下端面102と対向位置せしめられる、他方の下端面102が形成されている。
すなわち、本実施形態では、下端面102や下側ガイド面100,上底面104,下側段差面106は、それぞれ、逆回転防止リング10の中心軸線を挟んで対向位置せしめられるようにして、一対形成されているのである。
このような形状とされた逆回転防止リング10は、上端面96がロータ14側に位置するようにして、下側ステータ構成部材50の底壁57に組付固定された嵌込部材66の突出軸部76に外挿配置される。これにより、逆回転防止リング10は、嵌込部材66の突出軸部76、延いては、嵌込部材66の中心孔68に挿通されるロータ支軸24回りで回転可能に配設されている。
上述の如き構造とされた同期モータ12は、コイル16に交番電流が流れると、上側磁極板部54や下側磁極板部58に発現する磁極とロータ14の磁極との相互作用により、ロータ14が回転し始める。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、上側磁極板部54及び下側磁極板部58のそれぞれによって、磁極部が構成されている。
そこにおいて、ロータ14が正回転方向(周方向一方向)に回転し始めると、図10に示されているように、ロータ14に設けられたロータ側係合突起38が逆回転防止リング10に形成された低位置側段差面98と係合して、逆回転防止リング10がロータ14の正回転方向にロータ14と一体的に回転駆動せしめられる。
このようにして、ロータ14の正回転方向にロータ14と一体的に回転駆動せしめられている逆回転防止リング10は、図11に示されているように、下側ガイド面100がステータ側係合突起80に接触せしめられると、ロータ14の回転の勢いによって軸方向上方へ跳ね上がるように変位せしめられる。これにより、図12に示されているように、逆回転防止リング10がステータ側係合突起80の上方へ誘導されて、逆回転防止リング10が軸方向でロータ14に接近変位せしめられる。その結果、ロータ14の正回転方向への回転時には、逆回転防止リング10がロータ14の正回転方向への回転を邪魔しないようになっている。
一方、ロータ14が逆回転方向(周方向他方向)に回転し始めると、図13に示されているように、ロータ14に設けられたロータ側係合突起38が逆回転防止リング10に形成された上側ガイド面88に摺接することにより、逆回転防止リング10が軸方向でロータ14から離隔変位せしめられる(図1参照)。
また、このようにして、逆回転防止リング10が軸方向でロータ14から離隔変位せしめられた状態で、ロータ14が逆回転方向に回転すると、図14に示されているように、ロータ14に設けられたロータ側係合突起38が逆回転防止リング10に形成された高位置側段差面94と係合して、逆回転防止リング10がロータ14の逆回転方向にロータ14と一体的に回転駆動せしめられる。
そして、このようにしてロータ14の逆回転方向にロータ14と一体的に回転せしめられている逆回転防止リング10は、図15に示されているように、逆回転防止リング10に形成された下側段差面106がステータ側係合突起80と係合することにより、逆回転防止リング10の逆回転を阻止するようになっている。その結果、逆回転防止リング10と一体的に回転駆動せしめられているロータ14の逆回転も阻止されるようになっている。
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、低位置側段差面98によって正方向係合面が構成されており、高位置側段差面94によって上側逆方向係合面が構成されており、下側段差面106によって下側逆方向係合面が構成されている。そして、本実施形態では、上側ガイド面88と低位置側段差面98と高位置側段差面94と下側ガイド面100と下側段差面106が形成された逆回転防止リング10と、ロータ側係合突起38と、ステータ側係合突起80によって、同期モータ12の逆回転防止機構が構成されている。
上述の如き構造とされた同期モータ12においては、ロータ14の正回転時において逆回転防止リング10が軸方向上方(ロータ14側)へ変位してロータ14の正回転を邪魔しないようになっている一方、ロータ14の逆回転時において逆回転防止リング10が軸方向下方(下側ステータ構成部材50の底壁57側)へ変位してロータ14の逆回転を阻止するようになっていることから、ロータ支軸24に直交する方向に逆回転防止リング10を駆動変位せしめる必要がなくなる。従って、逆回転防止リング10の配設スペースを確保する際に、逆回転防止リング10の軸直角方向への駆動スペースを考慮する必要がなくなるから、逆回転防止リング10の配設スペースを有利に確保することが可能となる。
特に本実施形態では、ロータ14の下面に形成された凹所32内に逆回転防止リング10が収容配置されていることから、逆回転防止リング10の配設スペースを有利に確保することが可能となる。
また、本実施形態では、ステータ側係合突起80が下側ステータ構成部材50に組み付けられた嵌込部材66に設けられていることから、ステータ側係合突起80が下側ステータ構成部材50の底壁57から切り起こされて形成されている場合に比して、ステータ側係合突起80の強度を有利に確保することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前期実施形態において、ステータ側係合突起80を下側ステータ構成部材50の底壁57から切り起こして形成しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としての同期モータの逆回転防止機構を構成する逆回転防止リングが配された同期モータを示す縦断面図。 図1の同期モータを構成するロータの縦断面図。 同ロータの平面図。 同ロータの底面図。 図1の同期モータのステータを構成する下側ステータ構成部材の縦断面図。 同下側ステータ構成部材の平面図。 図1の同期モータに配されている逆回転防止リングの縦断面図。 同逆回転防止リングの平面図。 同逆回転防止リングの底面図。 ロータ側係合突起と逆回転防止リングの低位置側段差面が係合している状態を説明するための平面図。 ステータ側係合突起と逆回転防止リングの下側ガイド面の接触状態を説明するための側面図。 逆回転防止リングがロータに接近変位せしめられた状態を説明するための縦断面図。 逆回転防止リングの上側ガイド面にロータ側係合突起が摺接している状態を説明するための側面図。 ロータ側係合突起と逆回転防止リングの高位置側段差面が係合している状態を説明するための平面図。 ステータ側係合突起と逆回転防止リングの下側段差面が係合している状態を説明するための平面図。
符号の説明
10:逆回転防止リング,12:同期モータ,14:ロータ,16:コイル,18:ステータ,20:永久磁石,24:ロータ支軸,26:中心孔,38:ロータ側係合突起,54:上側磁極板部,58:下側磁極板部,80:ステータ側係合突起,88:上側ガイド面,94:高位置側段差面,98低位置側段差面,100:下側ガイド面,106:下側段差面

Claims (3)

  1. コイルが装着されたステータと磁極形成用の永久磁石を有するロータを備えており該コイルへの通電に基づいて該ステータに形成された磁極部に発現する磁極と該ロータの磁極との相互作用に基づいて該ロータを回転駆動せしめる同期モータの起動時において該ロータの逆回転を防止する同期モータの逆回転防止機構であって、
    前記ロータの下面に設けられて、該ロータの軸方向下方に突出するロータ側係合突起と、
    前記ステータにおいて前記ロータの軸方向で該ロータの下面と離隔して対向位置する部分に設けられており、該ロータの下面に向かって突出するステータ側係合突起と、
    前記ロータの中心孔に挿通されているロータ支軸の回りに回転可能な状態で、前記ロータと前記ステータの軸方向間に配設されている逆転防止リングと、
    該逆転防止リングに形成されて、前記ロータの正回転方向で前記ロータ側係合突起と係合することにより、該逆転防止リングを該ロータの正回転方向に該ロータと一体的に回転駆動せしめる正方向係合面と、
    前記逆転防止リングの下面に形成されて、前記ロータの正回転方向で該ロータの軸方向上方に向かって傾斜しており、前記ロータ側係合突起と前記正方向係合面が係合して該逆転防止リングが該ロータの正回転方向に回転している状態で前記ステータ側係合突起と接触せしめられて、該逆転防止リングを該ステータ側係合突起の上方へ誘導することにより、該逆転防止リングを軸方向で該ロータに接近変位せしめる下側ガイド面と、
    前記逆転防止リングの上面に形成されて、前記ロータの逆回転方向で該ロータの軸方向上方に向かって傾斜しており、該ロータが逆方向へ回転して前記ロータ側係合突起が摺接することにより、該逆転防止リングを軸方向で該ロータから離隔変位せしめる下側ガイド面と、
    前記逆転防止リングに形成されて、前記ロータの逆回転方向で前記ロータ側係合突起と係合することにより、該逆転防止リングを該ロータの逆回転方向に該ロータと一体的に回転駆動せしめる上側逆方向係合面と、
    前記逆転防止リングに形成されて、前記ロータ側係合突起と前記上側逆方向係合面が係合して該逆転防止リングが該ロータの逆回転方向に該ロータと一体的に回転駆動されている状態で前記ステータ側係合突起と係合することにより、該逆転防止リングの逆回転を阻止する下側逆方向係合面と
    を、備えていることを特徴とする同期モータの逆回転防止機構。
  2. 前記ロータの下面に開口する凹所が形成されており、該凹所の上底面に前記ロータ側係合突起が設けられている請求項1に記載の同期モータの逆回転防止機構。
  3. 前記ステータ側係合突起が前記ステータに対して別体形成されている請求項1又は2に記載の同期モータの逆回転防止機構。
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