JP2009185689A - 圧縮着火エンジン及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮着火エンジンにおいて、高負荷運転時のスモークの低減と燃焼騒音の抑制とを両立させる。
【解決手段】ディーゼルエンジン1の燃焼室2の一部を構成するピストン5の頂面にはキャビティ51が形成されている。燃焼室2の上方には、高セタン価燃料をキャビティ底面51aの中央部又はその近傍に向けて噴射する一方、低セタン価燃料をキャビティ周壁面51b又はキャビティ底面51aとキャビティ周壁面51bとの境界部に向けて噴射する燃料噴射弁10が設けられている。ECM20は、圧縮上死点近傍の時期に高セタン価燃料を噴射すると共に、該高セタン価燃料の噴射開始と同時又はこれよりも遅れて低セタン価燃料の噴射を開始するように燃料噴射弁10を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高セタン価燃料と低セタン価燃料とを用いる圧縮着火エンジン及びその制御方法に関する。
特許文献1には、圧縮着火エンジンにおいて、低セタン価燃料と高セタン価燃料とを使用し、低負荷運転時には低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に高セタン価燃料を燃焼室の外周部に配置して圧縮行程の終点前に外周部から始まる燃焼を用いる一方、高負荷運転時には低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に高セタン価燃料をキャビティに配置して圧縮行程の終点後にキャビティから始まる燃焼を用いることが記載されている。
特開2004−76736号公報
しかし、上記特許文献1に記載の圧縮着火エンジンでは、低セタン価燃料を燃焼室全体に分布させた上で高セタン価燃料を供給するものであるため、低セタン価燃料は拡散燃焼を主体とした燃焼を行い難く、また、局所的に燃料濃度の高い部分が発生し空気が不足した状態で燃焼するおそれがある。このため、特に高負荷運転時における燃焼騒音の抑制やスモークの低減の面で課題が残っていた。
本発明は、このような課題に着目したものであり、圧縮着火エンジンにおいて、特に高負荷運転時におけるスモークの低減と燃焼騒音の抑制とを両立させることを目的とする。
そのため、本発明では、圧縮着火エンジンにおいて、圧縮上死点近傍の時期にピストン頂面に形成されたキャビティの底面の中央部又はその近傍に向けて高セタン価燃料を噴射すると共に、該高セタン価燃料の噴射開始と同時又はこれよりも遅れた時期にキャビティ内における高セタン価燃料の噴射領域の外側に向けて低セタン価燃料の噴射を開始する。
本発明に係る圧縮着火エンジン及びその制御方法によれば、高セタン価燃料は噴射後の比較的早い段階で自着火し、該高セタン価燃料と同時又はこれに遅れて噴射が開始される低セタン価燃料は、高セタン価燃料の噴霧との干渉が抑制されると共に、燃焼室上部や周辺部の空気を有効利用した拡散燃焼を行うことができる。これにより、特に高負荷運転時におけるスモークの発生を低減できる共に燃焼騒音を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)の概略構成を示している。図1において、エンジン1の燃焼室2は、シリンダヘッド3の下面と、シリンダブロック4に摺動可能に挿入されたピストン5とによって形成される。シリンダヘッド3には、燃焼室2に開口する吸気ポート6及び排気ポート7が形成されている。吸気ポート6は図示しない吸気マニホールドに接続されて吸気通路を形成し、排気ポート7は図示しない排気マニホールドに接続されて排気通路を形成する。
また、シリンダヘッド3には、吸気ポート6の開口部を開閉する吸気バルブ8、排気ポート7の開口部を開閉する排気バルブ9、高セタン価燃料及び低セタン価燃料をそれぞれ独立して燃焼室2内に直接噴射できる燃料噴射弁10が設けられている。
吸気バルブ8及び排気バルブ9は、各バルブの上方に設けられる吸気カム及び排気カム(いずれも図示省略)によって開閉駆動される。
燃焼室2の一部を構成するピストン5は、図示しないコネクティングロッドを介して同じく図示しないクランク軸に接続されている。ピストン5の頂面のほぼ中央には、噴射された燃料を受け入れる凹部(キャビティ)51が形成されている。このキャビティ51は、ピストン5上方から見てほぼ円形となっており、キャビティ底面51aとキャビティ周壁面51bとから構成される。本実施形態において、キャビティ底面51aは、中央部が最も高く、該中央部から離れる(キャビティ周壁面51bに近づく)に従って低くなる(キャビティ深さが大きくなる)ように形成されている。
燃料噴射弁10は、ピストン5の頂面に対向するように、燃焼室2の上方に設けられている。この燃料噴射弁10には高セタン価燃料及び低セタン価燃料がそれぞれ供給される。高セタン価燃料は、高セタン価燃料タンク11から燃料ポンプ12によって送出され、高セタン価燃料供給路13を介して燃料噴射弁10に供給される。同様に、低セタン価燃料は、低セタン価燃料タンク14から燃料ポンプ15によって送出され、低セタン価燃料供給路16を介して燃料噴射弁10に供給される。
図2は、燃料噴射弁10の構造を説明するための図である。図2(a)は図1のA部の拡大断面図、図2(b)は図2(a)のY視図、図2(c)は図2(a)のX−X断面図である。
図2に示すように、燃料噴射弁10は、その先端部の中央に設けられる高セタン価燃料用噴孔101と、該高セタン価燃料用噴孔101の周囲に設けられた複数(本実施形態では6つ)の低セタン価燃料用噴孔102とを有する。低セタン価燃料用噴孔102は、高セタン価燃料用噴孔101の中心から所定の距離だけ離れて円状に所定の間隔を有して設けられている。
また、燃料噴射弁10の内部には、高セタン価燃料用流路103と、低セタン価燃料用流路104とが設けられている。
高セタン価燃料用流路103は、一端が高セタン価燃料供給路13に接続しており、燃料噴射弁10のほぼ中央を軸線方向に高セタン価燃料用噴孔101まで延びている。高セタン価燃料用流路103の内部には、高セタン価燃料用流路103と高セタン価燃料用噴孔101との接続部を開閉するニードルバルブ105が設けられている。このニードルバルブ105を上方(矢印B方向)に移動し高セタン価燃料用流路103と高セタン価燃料用噴孔101との接続部を開放すると、燃料噴射弁10は高セタン価燃料を噴射する。
一方、低セタン価燃料用流路104は、一端が低セタン価燃料供給路16に接続し高セタン価燃料用流路103に平行に延びる直線状流路104aと、この直線状流路104aの他端と接続し燃料噴射弁10の軸線に直交するように設けられる環状流路104bとを有し、この環状流路104bが各低セタン価燃料用噴孔102に接続している。
直線状流路104aの内部には、直線状流路104aと接続部を開閉するニードルバルブ106が設けられている。このニードルバルブ106が上方(矢印C方向)に移動し直線状流路104aと環状流路104bとの接続部を開放すると、低セタン価燃料が環状流路104bを介して各低セタン価燃料用噴孔102に供給され、燃料噴射弁10は低セタン価燃料を噴射する。
図3は、燃料噴射弁10から噴射される高セタン価燃料及び低セタン価燃料の様子を示している。燃料噴射弁10は、高セタン価燃料をキャビティ底面51aのほぼ中央部又はその近傍に向けて小さい噴霧角で噴射し、低セタン価燃料をキャビティ周壁面51b又はキャビティ周壁面51bとキャビティ底面51aとの境界部に向けて大きい噴霧角で中空円錐状に噴射する。
燃料噴射弁10は、上記したような構成により、低セタン価燃料をキャビティ51内における高セタン価燃料の噴射領域よりも外側に向けて噴射することができる。また、ニードルバルブ105とニードルバルブ106とを独立して駆動することが可能であり、高セタン価燃料の噴射量及び噴射時期と低セタン価燃料の噴射量及び噴射時期とをそれぞれ制御することができる。
燃料噴射弁10の動作は、エンジンコントロールユニット(ECM)20によって制御される。ECU20は、各種センサから出力される検出信号を入力し、これら検出信号に基づいて燃料噴射弁10による燃料噴射(噴射量、噴射時期)を制御する。上記各種センサとしては、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ21、機関1の吸入空気量Qaを検出するエアフローメータ22、機関1の冷却水温度Twを検出する水温センサ23、機関1の回転速度Neを検出する回転速度センサ24などがある。
次に、本実施形態における燃焼制御について説明する。
本実施形態では、高セタン価燃料をキャビティ底面51aの近傍(キャビティ底面51aに到達する直前から到達直後までの間)にて、好ましくはキャビティ底面51aの直前にて自着火させる(燃焼を開始させる)と共に、この高セタン価燃料の自着火(燃焼開始)が低セタン価燃料の噴射前又は噴射中に行われるようにして、低セタン価燃料に拡散燃焼を主体とした燃焼を行わせる。
このため、ECU20は、エンジン運転状態に基づいて高セタン価燃料及び低セタン価燃料の噴射量を設定し、高セタン価燃料を圧縮上死点(TDC)近傍の時期に噴射すると共に、該高セタン価燃料の噴射開始と同時又はこれよりも遅れた時期に低セタン価燃料の噴射を開始するように燃料噴射弁10を制御する。ここで、高セタン価燃料及び低セタン価燃料の噴射量は、エンジン運転状態(エンジン負荷)によって可変とされる。
図4は、本実施形態における燃料噴射量の設定テーブルの一例を示している。
本実施形態では、高セタン価燃料(図4において破線で示す)についてはエンジン負荷にかかわらずほぼ一定の噴射量とし、低セタン価燃料(図4において実線で示す)についてはエンジン負荷が高くなるほど噴射量を増加させる。この結果、低負荷運転時においては噴射される燃料のうち高セタン価燃料の割合が多く、高負荷運転時においては噴射される燃料のうち低セタン価燃料の割合が多くなる。
図5は、本実施形態における燃料噴射タイミングの一例を示している。
図5は、低セタン価燃料の噴射量(噴射期間)よりも高セタン価燃料の噴射量(噴射期間)が多い(長い)場合、すなわち、中・高負荷運転時の燃料噴射タイミングを示している(図4参照)。この場合、図5に示すように、高セタン価燃料の噴射開始時期と低セタン価燃料の噴射開始時期とを同一にすれば、低セタン価燃料の噴射中に高セタン価燃料を自着火させることができる。ここで、図5に示す例では、高セタン価燃料及び低セタン価燃料を圧縮上死点(TDC)近傍の期間に、更に言えば、圧縮上死点(TDC)を跨ぐように噴射している。
但し、これは一例であり、低セタン価燃料の噴射開始時期を高セタン価燃料の噴射開始時期よりも遅らせてもよい。この場合も、低セタン価燃料の噴射中に高セタン価燃料を自着火させることができるからである。なお、低セタン価燃料の噴射量(噴射期間)が高セタン価燃料の噴射量(噴射期間)よりも少ない(短い)場合には、その差に応じて低セタン価燃料の噴射開始時期を高セタン価燃料の噴射開始時期よりも遅らせるようにする。この場合には、高セタン価燃料については圧縮上死点(TDC)を跨ぐように噴射し、低セタン価燃料については高セタン価燃料よりも少し遅れて圧縮上死点(TDC)を跨ぐように又は圧縮上死点(TDC)後に噴射することになる。
図6は、燃焼室2内の温度解析結果を示しており、図5に示す燃料噴射タイミングで高セタン価燃料及び低セタン価燃料を噴射したときの温度等値面(1400K)のイメージ図である。
図6において、圧縮上死点(TDC)の直前にて高セタン価燃料及び低セタン価燃料が同時に噴射開始される。上述したように、高セタン価燃料は、キャビティ底面51aの中央部又はその近傍に向けて噴射され、低セタン価燃料は、キャビティ周壁面51b又はキャビティ底面51aとキャビティ周壁面51bとの境界部に向けて噴射される(図6(a))。なお、ここでは、図5に示すように、高セタン価燃料及び低セタン価燃料が圧縮上死点(TDC)を跨いで噴射される。
噴射された高セタン価燃料は、着火性が良いことからその噴霧がキャビティ底面51aの近傍(図では、キャビティ底面51aの直前)にて自着火し、ほぼ圧縮上死点(TDC)において燃焼を開始する(図6(b))。
高セタン価燃料は上記燃焼開始後も噴射され、この噴射された高セタン価燃料は速やかに燃焼し、燃焼した高セタン価燃料(高温の噴霧)がキャビティ51内をキャビティ底面51aに沿ってキャビティ周壁面51b方向へと移動する。このとき、低セタン価燃料はキャビティ周壁面51b又はキャビティ底面51aとキャビティ周壁面51bとの境界部に向けて噴射されており、該低セタン価燃料の噴霧はキャビティ周壁面51bの近傍にて高セタン価燃料の燃焼による高温の噴霧に接触して燃焼を開始する(図6(c))。これにより、高セタン価燃料の噴霧と低セタン価燃料の噴霧との干渉が抑制されると共に、キャビティ51内の中央下部と周辺部とに高温部が形成される。
低セタン価燃料はその後も噴射され、噴射された低セタン価燃料は、燃焼室2内の上部や周辺部にある空気導入しつつ拡散燃焼を主体とした燃焼行い、燃焼室2内の周辺部(外側)から燃焼が拡がっていく(図6(d))。
本実施形態において、燃料噴射弁10及びECM20が本発明の「燃料噴射手段」として機能を有する。
本実施形態によると、圧縮上死点(TDC)近傍の時期にキャビティ底面51aの中央部又はその近傍に向けて高セタン価燃料を噴射する一方、該高セタン価燃料の噴射開始と同時又はこれよりも遅れた時期にキャビティ51内における高セタン価燃料の噴射領域の外側に向けて低セタン価燃料の噴射を開始する。これにより、高セタン価燃料は低セタン価燃料の噴射前又は噴射中にキャビティ底面51aの近傍にて自着火すると共に、この燃焼を開始した高セタン価燃料の噴霧はキャビティ底面51aに沿ってキャビティ周壁面51bの方向に移動し、噴射された低セタン価燃料は、燃焼した高セタン価燃料によってキャビティ周壁面51bの近傍にて燃焼を開始し、その燃焼は周辺部から拡がることになる。
ここで、高セタン価燃料がキャビティ底面51aの近傍にて自着火(燃焼を開始)することによって高セタン価燃料の噴霧と低セタン価燃料の噴霧との干渉(混合)が効果的に抑制され、また、低セタン価燃料の噴射中に高セタン価燃料が自着火(燃焼を開始)することによって、低セタン価燃焼は、着火遅れの増大を招くことなく、燃焼室2内の上部や周辺部に存在する空気を積極的に利用して拡散燃焼を行うことができる。これにより、特に高負荷運転時におけるスモーク及び燃焼騒音を低減することができる。
また、本実施形態では、運転状態(エンジン負荷)に応じて高セタン価燃料と低セタン価燃料との割合を可変とする(図4参照)。より具体的には、高セタン価燃料についてはエンジン負荷にかかわらず略一定量とし、低セタン価燃料についてはエンジン負荷が高くなるほど増加させる。この結果、低負荷運転時には着火性のよい高セタン価燃料の割合が多くなって未燃HCを低減することができ、また、エンジン負荷の増大に伴って低セタン価燃料の割合を増加させることによって、燃焼室2内の上部や周辺部の空気導入が積極的に行われてスモークが低減できると共に、低セタン価燃料は拡散燃焼を主体として燃焼を行うために燃焼騒音も低減できる。
なお、燃料噴射弁10は、低セタン価燃料を高セタン価燃料の噴霧に干渉しないように噴射できる構造を有していればよく、図2に示す構造に限られない。
例えば、図7に示すように、ピストン5側から見て、複数の噴孔を径の異なる2つの同心円状に千鳥配置した燃料噴射弁110とし、内側に設けられた各低セタン価燃料用噴孔111から低セタン価燃料をキャビティ周壁面51b又はキャビティ周壁面51bとキャビティ底面51aとの境界部に向けてそれぞれ噴射し、外側に設けられた各高セタン価燃料噴孔112から高セタン価燃料をキャビティ底面51aの中央部又はその近傍に向けて噴射するようにしてもよい。この場合、燃料噴射弁110は、上記燃料噴射弁10とは高セタン価燃料用通路と低セタン価燃料用通路とが逆になり、内部にニードルバルブ113が設けられ燃料噴射弁10のほぼ中央を軸線方向に延びる低セタン価燃料用通路114と、内部にニードルバルブ115が設けられ低セタン価燃料用通路114に平行な直線状流路116aと環状流路116bとからなる高セタン価燃料用通路116とを有することになる。このような構造とすれば、高セタン価燃料と低セタン価燃料とが周方向で交互に噴射されることになり、低セタン価燃料のより安定した拡散燃焼を実現できる。
次に、本発明の他の実施形態(第2実施形態)を説明する。
図8は、本発明の他の実施形態に係るエンジンの概略構成を示している。上記第1実施形態(図1)との主な相違点は、上記第1実施形態が高セタン価燃料と低セタン価燃料とを1つの燃料噴射弁によって噴射するのに対し、本実施形態では高セタン価燃料用噴射弁と低セタン価燃料用噴射弁とを備えることである。以下説明するが、図1と同要素については同一の番号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態では、図1の燃料噴射弁10に代えて、高セタン価燃料用燃料噴射弁10a及び低セタン価燃料用燃料噴射弁10bが設けられている。高セタン価燃料は、高セタン価燃料タンク12から燃料ポンプ13によって送出され、高セタン価燃料供給路14を介して高セタン価燃料用燃料噴射弁10aに供給される。低セタン価燃料は、低セタン価燃料タンク15から燃料ポンプ16によって送出され、低セタン価燃料供給路17を介して低セタン価燃料用燃料噴射弁10bに供給される。高セタン価燃料用燃料噴射弁10a及び低セタン価燃料用燃料噴射弁10bの動作はECM20によって制御される。なお、基本的な制御については上記第1実施形態と同様である。
図9は、高セタン価燃料用燃料噴射弁10a及び低セタン価燃料用燃料噴射弁10bから噴射される高セタン価燃料及び低セタン価燃料の様子を示している。高セタン価燃料用燃料噴射弁10aは、高セタン価燃料をピストン5のキャビティ底面51aの中央部又はその近傍に向けて噴射する。一方、低セタン価燃料用燃料噴射弁10bは、低セタン価燃料をピストン5のキャビティ周壁面51b又はキャビティ底面51aとキャビティ周壁面51bとの境界部に向けて噴射する。これにより、上記第1実施形態と同様、低セタン価燃料は、キャビティ51内における高セタン価燃料の噴射領域の外側に向けて噴射されることになる。
本実施形態においても、高セタン価燃料をキャビティ底面51a又はその直前にて自着火させる(燃焼を開始させる)と共に、この高セタン価燃料の燃焼が低セタン価燃料の噴射前又は噴射中に開始されるようにし、低セタン価燃料に拡散燃焼を主体とした燃焼を行わせる。このため、高セタン価燃料用燃料噴射弁10aは、圧縮上死点(TDC)近傍の時期に高セタン価燃料を噴射し、該高セタン価燃料の噴射が終了すると、低セタン価燃料用燃料噴射弁10bが低セタン価燃料を噴射する。ここで、高セタン価燃料の噴射を終了してから低セタン価燃料を噴射するのは、両噴霧の干渉(衝突)を防止するためである。したがって、低セタン価燃料用噴射弁10bが、高セタン価燃料の噴射領域を避けて低セタン価燃料を噴射できる構成である場合には、高セタン価燃料と低セタン価燃料との噴射を同時に開始してもよいことはもちろんである。
本実施形態において、高セタン価燃料用燃料噴射弁10aが本発明の「第1燃料噴射弁」に、低セタン価燃料用燃料噴射弁10bが本発明の「第2燃料噴射弁」に、高セタン価燃料用燃料噴射弁10a、低セタン価燃料用燃料噴射弁10b及びECM20が本発明の「燃料噴射手段」に相当する。そして、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、低負荷運転時における未燃HCを低減することができると共に、特に高負荷運転時においてスモーク及び燃焼騒音を低減することができる。
本発明の実施形態(第1実施形態)に係るディーゼルエンジンの概略構成を示す図である。 第1実施形態における燃料噴射弁の構造を説明するための図である。 第1実施形態における燃料噴射の様子を説明するための図である。 燃料噴射量(高セタン価燃料及び低セタン価燃料)の設定テーブルの一例を示す図である。 燃料噴射タイミングの一例を示す図である。 燃焼室内の温度等値面のイメージ図である。 他の燃料噴射弁の構造を説明するための図である。 第2実施形態に係るディーゼルエンジンの概略構成を示す図である。 第2実施形態における燃料噴射の様子を説明するための図である。
符号の説明
1…ディーゼルエンジン、2…燃焼室、5…ピストン、10…燃料噴射弁、10a…高セタン価燃料用燃料噴射弁、10b…低セタン価燃料用燃料噴射弁、20…エンジンコントロールユニット(ECM)、51…ピストンキャビティ、51a…キャビティ底面、51b…キャビティ周壁面、101…高セタン価燃料用噴孔、102…低セタン価燃料用噴孔、110…燃料噴射弁、111…低セタン価燃料用噴孔、112…高セタン価燃料用噴孔

Claims (11)

  1. 燃焼室の一部を構成し、頂面にキャビティが形成されたピストンと、
    前記燃焼室内に高セタン価燃料及び低セタン価燃料を直接噴射する燃料噴射手段と、
    を備え、
    前記燃料噴射手段は、圧縮上死点近傍の時期に前記キャビティの底面の中央部又はその近傍に向けて前記高セタン価燃料を噴射する一方、該高セタン価燃料の噴射開始と同時又はこれよりも遅れた時期に前記キャビティ内における前記高セタン価燃料の噴射領域の外側に向けて前記低セタン価燃料の噴射を開始することを特徴とする圧縮着火エンジン。
  2. 前記燃料噴射手段は、前記低セタン価燃料の噴射前又は噴射中に前記高セタン価燃料が自着火するように前記高セタン価燃料及び前記低セタン価燃料を噴射することを特徴とする請求項1記載の圧縮着火エンジン。
  3. 前記燃料噴射手段は、前記キャビティの底面の近傍にて自着火するように前記高セタン価燃料を噴射することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧縮着火エンジン。
  4. 運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、
    前記燃料噴射手段は、運転状態に応じて前記高セタン価燃料の噴射量と低セタン価燃料の噴射量との割合を可変とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の圧縮着火エンジン。
  5. 前記燃料噴射手段は、負荷が高くなるほど前記低セタン価燃料の噴射量を増加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の圧縮着火エンジン。
  6. 前記燃料噴射手段は、負荷にかかわらず、前記高セタン価燃料の噴射量をほぼ一定とすることを特徴とする請求項5記載の圧縮着火エンジン。
  7. 前記燃焼噴射手段は、前記高セタン価燃料及び前記低セタン価燃料を噴射可能な1つの燃料噴射弁を備え、該燃料噴射弁は、前記高セタン価燃料を前記キャビティの底面の中央部又はその近傍に向けて小さい噴霧角で噴射する一方、前記低セタン価燃料を前記キャビティの周壁面又は前記キャビティの底面と周壁面との境界部に向けて大きい噴霧角で中空状に噴射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の圧縮着火エンジン。
  8. 前記燃料噴射手段は、前記高セタン価燃料を前記キャビティの底面の中央部又はその近傍に向けて噴射する第1燃料噴射弁と、前記低セタン価燃料を前記キャビティの周壁面又は前記キャビティの底面と周壁面との境界部に向けて噴射する第2燃料噴射弁と、を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の圧縮着火エンジン。
  9. 高セタン価燃料及び低セタン価燃料を燃焼室に噴射可能な圧縮着火エンジンにおいて
    圧縮上死点近傍の時期に、ピストン頂面に形成されたキャビティの底面の中央部又はその近傍に向けて前記高セタン価燃料を噴射するステップと、
    前記高セタン価燃料の噴射開始と同時又はこれよりも遅れた時期に、前記キャビティ内における前記高セタン価燃料の噴射領域の外側に向けて前記低セタン価燃料の噴射を開始するステップと、
    を含むことを特徴とする圧縮着火エンジンの制御方法。
  10. 前記高セタン価燃料は、前記低セタン価燃料の噴射前又は噴射中に自着火することを特徴とする請求項9記載の圧縮着火エンジンの制御方法。
  11. 前記高セタン価燃料が前記キャビティ底面の近傍にて自着火し、前記低セタン価燃料が拡散燃焼を行うことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の圧縮着火エンジンの制御方法。
JP2008026353A 2008-02-06 2008-02-06 圧縮着火エンジン及びその制御方法 Pending JP2009185689A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017155735A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 三菱重工業株式会社 クロスヘッド式内燃機関
CN117552881A (zh) * 2023-10-27 2024-02-13 中国科学院广州能源研究所 适用于液氨-柴油缸内直喷式内燃机的高效点火控制方法

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JP2017155735A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 三菱重工業株式会社 クロスヘッド式内燃機関
CN117552881A (zh) * 2023-10-27 2024-02-13 中国科学院广州能源研究所 适用于液氨-柴油缸内直喷式内燃机的高效点火控制方法

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