JP2009191177A - 添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベース材料に添加剤を添加して組成物を得る場合に、組成物を効果的に改質することができる添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物を提供する。
【解決手段】添加剤となる単一又は複数の成分からなる原料を二酸化炭素で加圧処理した後、減圧することによって得た添加剤。添加剤の原料としては、好ましくは(A)単一又は複数の成分かならなる粒体又は粉体、(B)単一又は複数の成分かならなる粒体又は粉体の表面に、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、又は非相溶混合液体を付着させたもの、(C)単一成分からなる液体、複数の成分からなる均一混合液体、複数の成分からなる不均一混合液体、又は液体と固体の混合物が挙げられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物に関する。
樹脂で成形品を製造する場合、一般的に、目的に応じて材料の混合や複合化を行ったり、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を添加して改質を行う。例えば、添加剤を添加して樹脂の成形加工を行う場合、(1)材料を加熱して流れ易い状態とし、各種添加剤や他の高分子を加えて均一化する工程と、(2)型に流し込んで所定の形状にする工程と、(3)形状が変化しないように冷却又は硬化反応を行う工程を経ることになる。
強度等の改善を目的として、例えば、結晶性樹脂と非結晶性樹脂を混合したアロイ樹脂に、二酸化炭素を添加して可塑化し、結晶性樹脂単体の融点よりも低い温度で成形する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、添加剤を樹脂中にできるだけ均一に混合して成形する方法として、例えば、熱可塑性樹脂と添加剤とを予備加熱して混合する予備工程を行った後、予備工程を経た後の混合物を予備工程終了後の温度を保って加熱混練する方法が開示されている(特許文献2参照)。また、カテーテルやコンタクトレンズ等の医療用具において添加剤の溶出を抑制するポリマー基材の改質方法として、ポリマー基材と、このポリマー基材に溶解しない添加剤と、二酸化炭素等の超臨界流体に可溶でポリマー基材に含浸可能なポリマー膨潤助剤を圧力容器に入れ、超臨界流体を圧力容器内に入れて添加剤とポリマー膨潤助剤をポリマー基材に含浸させる方法が開示されている(特許文献3参照)。
特開2003−211483号公報 WO2004/033538号公報 特開平11−255925号公報
本発明は、ベース材料に添加剤を添加して組成物を得る場合に、組成物を効果的に改質することができる添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物が提供される。
<1> 添加剤となる単一又は複数の成分からなる原料を、二酸化炭素で加圧処理した後、減圧することによって得たことを特徴とする添加剤。
<2> 前記原料が、単一又は複数の成分からなる粒体又は粉体であることを特徴とする<1>に記載の添加剤。
<3> 前記原料が、単一又は複数の成分からなる粒体又は粉体の表面に、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、又は非相溶混合液体が付着したものであることを特徴とする<1>に記載の添加剤。
<4> 前記原料が、単一成分からなる液体、複数の成分からなる均一混合液体、複数の成分からなる不均一混合液体、又は液体と固体の混合物であることを特徴とする<1>に記載の添加剤。
<5> 前記原料が、前記不均一混合液体であって、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、又は非相溶混合液体であることを特徴とする<4>に記載の添加剤。
<6> 前記原料となる不均一混合液体が、さらに界面活性剤又は粘度調整剤を含むことを特徴とする<5>に記載の添加剤。
<7> 前記原料が、前記液体と固体の混合物であって、さらに界面活性剤又は分散安定剤を含むことを特徴とする<4>に記載の添加剤。
<8> <1>〜<7>のいずれかに記載の添加剤を含む組成物。
<9> 添加剤となる単一又は複数の成分からなる原料を二酸化炭素で加圧処理する工程と、
前記二酸化炭素による加圧処理後、減圧する工程と、
を含むことを特徴とする添加剤の製造方法。
本発明によれば、ベース材料に添加剤を添加して組成物を得る場合に、組成物を効果的に改質することができる添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら本発明について具体的に説明する。
本発明者らは、添加剤となる原料を二酸化炭素で加圧処理した後、減圧することにより、添加剤の濡れ性や粘度等の物性が大きく変化することを見出し、さらに、このような二酸化炭素の加圧処理を施して得られた添加剤をベース材料に添加して組成物を製造することで、光透過性、結晶化度、強度等、組成物を効果的に改質することができることを見出した。
<添加剤>
本発明の対象となる添加剤は、目的の組成物を製造する際、その主成分となるベース材料の性質を改良(改質)したり、ベース材料に他の機能を付与するために添加するものであれば特に限定されず、固体であっても液体であってもよい。例えば、ベース材料としてポリマーを用いて樹脂組成物を製造する場合、添加剤としては、充填剤、発泡剤、潤滑油、結晶化促進剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、熱安定剤、劣化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光沢剤、艶消し剤、可塑剤、滑剤、離型剤、結晶化促進剤、ブロッキング剤、着色剤(染料、顔料)などが挙げられる。本発明は、これらの添加剤又は他の添加剤に対して適用することができる。
本発明に係る添加剤の原料としては、単一成分からなるものでもよいし、複数の成分からなるものでもよく、固体であっても液体であってもよい。
添加剤の原料は、好ましくは、(A)単一又は複数の成分かならなる粒体又は粉体、(B)単一又は複数の成分かならなる粒体又は粉体の表面に、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、又は非相溶混合液体を付着させたもの、(C)単一成分からなる液体、複数の成分からなる均一混合液体、複数の成分からなる不均一混合液体、又は液体と固体の混合物が挙げられる。
例えば、不均一混合液体となる原料としては、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、及び非相溶混合液体が挙げられる。エマルションとしては、油滴が水に分散する水中油滴(O/W型)エマルションでもよいし、油中に水滴が分散する(W/O型)エマルションでもよい。また、グリセリン等の含水性の液体中に油滴が分散しているものや、二層以上に別れている非相溶混合液体でもよい。
また、水などの分散媒に、目的に応じた物質を内包したリポソームが分散したものでもよい。
不均一混合液体は、分散性の向上、表面張力の減少、粘性の低下等を図るため、さらに界面活性剤又は粘度調整剤を含んでいてもよい。
界面活性剤の種類は特に限定されず、非イオン、陰イオン、陽イオン、両性の各界面活性剤を使用することができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム等の脂肪酸系(陰イオン);直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の直鎖アルキルベンゼン系;アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム等の高級アルコール系;アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム等のアルファオレフィン系;アルキルスルホン酸ナトリウム等のノルマルパラフィン系が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩系が挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム等のアミノ酸系;アルキルベタイン等のベタイン系;アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド系が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル型;エステル・エーテル型、脂肪酸アルカノールアミド等その他の非イオン界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤を一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
粘度調整剤の種類も特に限定されず、いずれの粘度調整剤も使用することができる。
例えば、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸コポリマー、ポリアクリル酸塩コポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリメタクリル酸コポリマー、ポリメタクリル酸塩コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、流動パラフィン、ポリアクリル酸ナトリウム、増粘多糖類、グリセリン、糖リン酸エステル又はその塩、ペクチン、セルロース、キトサン等の粘度調整剤が挙げられ、これらを一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
また、原料が、例えばサスペンジョンのような液体と固体の混合物である場合は、液体成分(分散媒)に対する固体成分(分散質)の分散性の向上を図るため、さらに界面活性剤又は分散安定剤を含んでいてもよい。
界面活性剤の種類は特に限定されず、非イオン、陰イオン、陽イオン、両性の各界面活性剤を使用することができ、例えば、前記不均一混合液体に含み得る前出の界面活性剤を用いることができる。
分散安定剤の種類も特に限定されず、いずれの分散安定剤も使用することができる。例えば、前記した界面活性剤各種及び粘度調整剤各種、シリカ微粒子等の固体微粒子等が挙げられる。
<二酸化炭素による加圧処理>
本発明では、上記のような添加剤の原料を二酸化炭素で加圧処理した後、減圧する。これにより、ベース材料に対する分散性が優れた添加剤を得ることができる。
加圧処理に用いる二酸化炭素としては、気体又は液体のほか、超臨界状態又は臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素を好適に使用することができる。ここで、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)および臨界圧力(7.38MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素とは、臨界温度だけ、あるいは臨界圧力だけが臨界条件を超えた条件下の二酸化炭素(温度及び圧力のうち一方は臨界条件を超えていないもの)を意味する。以下、超臨界状態または臨界点以上の温度もしくは圧力条件下の二酸化炭素を「超臨界二酸化炭素」と総称する。
添加剤となる原料を二酸化炭素で加圧処理する際の装置は特に限定されず、例えば、耐圧容器内に添加剤の原料を収容した後、耐圧容器内に二酸化炭素を含む流体を所定量供給することでCOによる加圧処理を施すことができる。なお、加圧処理の間、攪拌手段によって原料を攪拌すれば、原料全体を満遍なくCOと接触させることができ、処理時間の短縮化などを図ることもできる。
加圧の方法は、回分式、連続式を問わず、ここで、耐圧容器内に供給する二酸化炭素を含む流体は、二酸化炭素の濃度が高いことが好ましく、処理対象となる組成物と二酸化炭素を含む流体中の二酸化炭素の量の比は、処理対象となる組成物への飽和溶解度以上の二酸化炭素が存在することが望ましい。このとき、二酸化炭素を含む流体は、二酸化炭素を処理対象物の飽和濃度以上含んでいれば、固体、固気混相体、気液混相体、気体の種類を問わない。
流体中の二酸化炭素の濃度を好ましくは5容積%以上、より好ましくは10容積%以上、特に好ましくは二酸化炭素だけを含む流体を用いる。
また、原料を二酸化炭素で加圧処理する際の圧力及び温度は、処理する原料(添加剤)の種類や流体中の二酸化炭素の濃度等にもよるが、二酸化炭素の加圧処理を効果的に施す観点から、高圧容器の内部の二酸化炭素の圧力は大気圧以上とし、温度は処理中の被対象物の主たる成分が固化しない温度とする。例えば、被処理物が水を主として含むエマルションであれば0℃以上である。圧力は大気圧以上、好ましくは1MPa以上、より好ましくは5MPa以上である。
また、加圧処理時間は、流体中の二酸化炭素の濃度、圧力及び温度、また、処理する原料(添加剤)の種類及び量等に影響するため、一概に規定できないが、二酸化炭素による効果と生産性の観点から、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上である。
添加剤となる原料に対し、二酸化炭素、好ましくは超臨界二酸化炭素による加圧処理を施した後、減圧する。このとき、大気圧下まで徐々に減圧することが好ましく、内容物が同伴して出てこない程度の減圧速度、例えば0.1〜1MPa/分の減圧速度とすることが好ましい。
以上のようにして二酸化炭素を含む流体による加圧処理後、減圧して得られる添加剤は、未処理の添加剤に比べ、ベース材料に対する分散性が向上するものと考えられる。その理由は定かでないが、本発明者らの実験によれば、添加剤となる原料を二酸化炭素により加圧処理した後、減圧することにより、濡れ性の向上や粘度の低下が見られる。従って、このような二酸化炭素による加圧処理によって得られた添加剤を組成物のベース材料(ポリマー等)に添加して混合すると、ベース材料がペレット等の固形物の場合は、その表面に添加剤が薄く広がり易くなり、一方、ベース材料が液状物である場合は、添加剤とベース材料との相溶性が向上するなどして混ざり易くなるものと推測される。
すなわち、図10(A)に示すようにベース材料40中に無処理の添加剤42aを加えたときに、添加剤42a同士が凝集するなどして分散し難い場合でも、本発明に係るCO加圧処理を施して添加すれば、図10(B)に示すように添加剤42bがベース材料40中で均一に分散し、添加剤42bによる機能を最大限に発揮することが可能になると考えられる。
<ベース材料>
本発明に係る添加剤をベース材料に添加して組成物を製造(調製)する場合、ベース材料は目的(用途)に応じて適宜選択すればよく、液体でも固体でもよい。
例えば、本発明により得た添加剤を添加してプラスチック等の樹脂成形品を製造する場合、ベース材料としては、公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から目的や用途に応じて適宜選択すればよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、AS(アクリロニトリル−スチレン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PVA(ポリビニルアルコール)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PBD(ポリブタジエン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の汎用プラスチック、並びに、PA(ポリアミド)、POM(ポリアセタール)、PC(ポリカーボネート)、PPE(変性ポリフェニレンエーテル)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、GF−PET(GF強化ポリエチレンテレフタレート)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール、尿素、メラミン、アルキド、不飽和ポリエステル、エポキシ、ジアリルテレフタレート、ポリウレタン、シリコーン等が挙げられる。
上記のようなポリマーから目的に応じてベース材料を選択すればよく、複数の種類の高分子材料を混ぜ合わせたポリマーアロイを用いてもよい。例えば、光透過性の向上又は強度の向上を目的とする場合には、エンジニアプラスチックのように結晶性を有するものを好適に用いることができる。
そして、前記したように添加剤となる原料を二酸化炭素で加圧処理した後、減圧して得た添加剤を、目的に応じてベース材料に所定の割合で添加して混合する。そして、成形品とする場合には、添加剤とベース材料を混合後、目的に応じて成形加工を行えばよい。成形方法は特に限定されず、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、トランスファー成形、ブロー成形、熱成形、積層成形、発泡成形、回転成形、注型、ディップ成形などの公知の成形方法から選択すればよい。なお、本発明によるCO加圧処理を施した添加剤を含むマスターバッチとし、これをベース材料と混ぜ合わせて目的の成形品を製造してもよい。
本発明に係る添加剤を添加して混合し、さらに必要に応じて成形することにより得た組成物は、添加剤の分散性に優れ、二酸化炭素の加圧処理を施していない通常の添加剤を添加したものに比べ、添加剤による効果が顕著に現れたものとなる。そのため、本発明に係るCO加圧処理を施した添加剤を用いれば、品質の向上を図ることができるほか、通常の添加剤よりも少量で同等の改質効果を得ることもでき、製造コスト(材料コスト)の削減を図ることも可能である。
以下、実施例について説明する。
<添加剤のCO加圧処理>
松本シリコーンソフナー#302(ジメチルポリシロキサン乳化物:樹脂加工用助剤、松本油脂製薬株式会社製、以下「MS302」と略称する。)に対し、二酸化炭素による加圧処理を行った。図1に示すようにCOボンベ12、冷却手段14、ポンプ16、圧力計18、耐圧容器20、ヒーター22、マグネチックスターラー24、温度制御手段26、バルブ28a,28b,28c等を備えたCO加圧処理装置10を用い、耐圧容器20内にMS302を収容した後、COを導入して所定の圧力及び温度に保ちつつ攪拌した。所定の時間攪拌した後、1MPa/分で減圧した。
<成形品の製造>
ベース材料としてナイロン(PA6:PA66=4:1)を用い、下記の条件で押出成形して成形品A〜Eを製造した。なお、ベース材料に添加剤を加えて成形する場合は、図2に示すように、ナイロン1kgに対して添加剤(MS302)を3gの割合で混ぜてコンパウンドとし、これを押出成形機に入れて成形加工を行った。
冷却槽温度:65℃
押出回転速度:270rpm
押出温度:230℃
成形品A:ナイロンのみで成形したもの
成形品B:ナイロンにMS302(無処理)を混ぜ合わせて成形したもの
成形品C:MS302に50℃、10MPaでCO加圧処理を15分間施した後、Nバブリングを15分間施し、これをナイロンに混ぜ合わせて成形したもの
成形品D:MS302に、前記したCO加圧処理(10MPa、15分間)を施した後、減圧し、これをナイロンに混ぜ合わせて成形したもの
成形品E:MS302にNバブリング(15分間)を施した後、さらに前記したCO加圧処理(10MPa、15分間)を施し、これをナイロンに混ぜ合わせて成形したもの
<評価>
成形品A〜Eについて、結晶化度及び光透過度を測定した。
(a)結晶化度の測定
示差走査熱量計(DSC、SEIKO社製)を用い、成形品A〜Eの結晶化度を測定した。測定条件は以下の通りである。
昇温速度:10℃/min
測定範囲:25−250℃
リファレンス:α−アルミナ
結晶化度は、以下の式によって算出した。
結晶化度Xc=(Hc/Hc0)×100
Hc:DSC曲線の融解熱[J/g]
Hc0:結晶化度100%の場合の融解熱[J/g]
(b)光透過度の測定
光透過度の測定は、図3に示すように、試料30(径:2mm、長さ:3cm)の周囲を黒色テープ36で覆い、光源32の光を試料30の一端から入射し、他端に透過した光の強さを光量子センサー34により測定した。試料30を入れずに光源32と光量子センサー34との間を中空にした場合の光の強さをI[mA]、試料30を通過した光の強さをI[mA]とし、光透過度を以下の式により算出した。
光透過度(%)=I/I
各試料(成形品A〜E)の結晶化度及び光透過率を図4に示す。成形品A〜Eの結晶化度はほぼ同等であったが、光透過度は、成形品A〜Cは極めて小さかったのに対し、CO加圧処理した成形品D及びEでは光透過度が10%を超えており、特にNバブリング後にCO加圧処理した成形品Eでは光透過度が20%を超えていた。
<結晶化度及び結晶子サイズの処理温度依存性評価>
MS302を、25℃でCO加圧処理したものと、40℃でCO加圧処理したものを用意した。なお、処理圧力と処理時間は、ともに12MPa、15分間である。
各添加剤を、原料(ナイロン)に所定量添加して射出成形し、成形品の結晶化度と結晶子サイズを測定した。その結果をそれぞれ図5、図6に示す。これらの図から分かるように、結晶化度及び結晶子サイズは、添加剤の処理温度や添加量によらずほぼ一定であった。
<光透過度>
上記成形品の光透過度を測定したところ、図7に示すように、未処理の添加剤を添加した成形品では、添加量によらず光透過率は低かったが、CO加圧処理した添加剤を添加した成形品では、特に添加量が0.5〜1g/kg原料の場合に高い光透過率を示した。
<添加剤の粘度・界面張力>
CO加圧処理直後のMS302について、音叉型振動式粘度計(A&D Company,Limited JAPAN社製、商品名:VIBRO VISCOMETER SV−10)を用いて添加剤の粘度を測定した。
また、図8に示すように、テフロン(登録商標)シート50上にCO加圧処理直後のMS302(添加剤52)を滴下し、θ/2法を用いてシート50の表面における接触角θを測定した。
図9に粘度と接触角の測定結果を示す。CO加圧処理したMS302は、無処理のものに比べて接触角が小さくなっており、濡れ性が向上していることがわかる。
実施例において添加剤の二酸化炭素加圧処理に用いた装置の構成を示す概略図である。 実施例における成形品の製造工程を示す概略図である。 成形品の光透過度を測定する方法を示す概略図である。 成形品A〜Eの光透過度と結晶化度を示すグラフである。 温度を変えてCO加圧処理した添加剤を加えた成形品について測定した結晶化度を示すグラフである。 温度を変えてCO加圧処理した添加剤を加えた成形品について測定した結晶子サイズを示すグラフである。 温度を変えてCO加圧処理した添加剤を加えた成形品について測定した光透過度を示すグラフである。 テフロン(登録商標)シート上に滴下した添加剤の接触角を測定した方法を示す図である。 温度を変えてCO加圧処理した添加剤の接触角と粘度を示すグラフである。 ベース材料に添加された添加剤の分散状態をモデル化した図である。(A)無処理の添加剤を加えた場合 (B)CO加圧処理した添加剤を加えた場合
符号の説明
10・・・CO加圧処理装置
12・・・COボンベ
14・・・冷却手段
16・・・ポンプ
18・・・圧力計
20・・・耐圧容器
22・・・ヒーター
24・・・マグネチックスターラー
26・・・温度制御手段
28a,28b,28c・・・バルブ

Claims (9)

  1. 添加剤となる単一又は複数の成分からなる原料を、二酸化炭素で加圧処理した後、減圧することによって得たことを特徴とする添加剤。
  2. 前記原料が、単一又は複数の成分からなる粒体又は粉体であることを特徴とする請求項1に記載の添加剤。
  3. 前記原料が、単一又は複数の成分からなる粒体又は粉体の表面に、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、又は非相溶混合液体が付着したものであることを特徴とする請求項1に記載の添加剤。
  4. 前記原料が、単一成分からなる液体、複数の成分からなる均一混合液体、複数の成分からなる不均一混合液体、又は液体と固体の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の添加剤。
  5. 前記原料が、前記不均一混合液体であって、連続相となる成分に分散相となる成分が分散したエマルション、マイクロエマルション、又は非相溶混合液体であることを特徴とする請求項4に記載の添加剤。
  6. 前記原料となる不均一混合液体が、さらに界面活性剤又は粘度調整剤を含むことを特徴とする請求項5に記載の添加剤。
  7. 前記原料が、前記液体と固体の混合物であって、さらに界面活性剤又は分散安定剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の添加剤。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の添加剤を含む組成物。
  9. 添加剤となる単一又は複数の成分からなる原料を二酸化炭素で加圧処理する工程と、
    前記二酸化炭素による加圧処理後、減圧する工程と、
    を含むことを特徴とする添加剤の製造方法。
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