JP2009200112A - Iii族元素添加酸化亜鉛の生成方法及び基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶性の高いIII族元素添加酸化亜鉛を生成する。
【解決手段】亜鉛含有化合物とIII族元素含有化合物と酸素源とキャリアとを含む原料ガスを、第1の放電空間23に通す(予備励起工程)。次に、原料ガスを、第2の放電空間33に通し、該第2放電空間33の内部又は外部に配置された基板9に接触させる(本放電処理工程)。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族元素が添加された酸化亜鉛を生成する方法及び該方法により成膜処理された基板に関する。
例えば、特許文献1には、酸化亜鉛にIII族元素であるガリウムをドープし、導電性を付与する方法が記載されている。
ガリウムドープ酸化亜鉛の導電性は結晶性が良好なほど高くなることが知られている。酸化亜鉛の結晶は六方晶系であり、(002)面への配向性が高いほど良質である。
特開2007−115656号公報
亜鉛含有化合物と酸素を含む原料ガスをプラズマ化し、基板に接触させると、酸化亜鉛の結晶を生成できる。発明者らの実験によれば、原料ガス中の酸素濃度を大きくすることで酸化亜鉛中の酸素の欠損が低減され、酸化亜鉛の結晶が(002)面に優先配向し結晶性が良好になることがX線回折で確認された。ところが、結晶にIII族元素であるガリウムをドープすべく、原料ガスにガリウム含有化合物を更に含ませた場合、図5に示すように、原料ガス中の酸素濃度を大きくするにしたがって、(002)配向が崩れ(100)配向が強くなり、結晶性がかえって劣化した。
本発明は、上記事情に鑑み、ガリウムをはじめとするIII族元素を添加した酸化亜鉛を生成するにあたり、その結晶性を高めることを目的とする。
発明者らは、鋭意研究の結果、含ガリウムガスを沿面放電等により予備励起させた後、グロー放電させて基板に接触させると、図6に示すように、ガリウムドープ酸化亜鉛の結晶性が良くなることを発見した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、基板の表面に、III族元素がドープされた酸化亜鉛を生成する方法であって、
亜鉛含有化合物とIII族元素含有化合物と酸素源とを含む原料ガスを、第1の放電空間に通す予備励起工程と、
前記第1放電空間を通過後の原料ガスを、第2の放電空間に通し、該第2放電空間の内部又は外部に配置された基板に接触させる本放電処理工程と、
を実行することを特徴とする。
これによって、III族元素添加酸化亜鉛の結晶性を良好にでき、導電性を高めることができる。
前記亜鉛含有化合物は、亜鉛のアルコキシド化合物、亜鉛のβジケトン化合物、亜鉛のカルボン酸塩化合物、亜鉛のシクロペンタジニエル化合物、亜鉛のアルキル化合物からなる群から選択され、好ましくは亜鉛のβジケトン化合物である。
前記III族元素含有化合物は、アルミニウム又はガリウムのアルコキシド化合物、アルミニウム又はガリウムのβジケトン化合物、アルミニウム又はガリウムのカルボン酸塩化合物、アルミニウム又はガリウムのシクロペンタジニエル化合物、アルミニウム又はガリウムのアルキル化合物からなる群から選択され、好ましくはアルミニウム又はガリウムのβジケトン化合物である。
また、本発明は、上記の方法にて生成したIII族元素添加酸化亜鉛が表面に被膜された基板を特徴とする。
本発明によれば、(002)面に優先配向した高い結晶性を持つIII族元素添加酸化亜鉛を生成することができる。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本発明は、(002)面に優先配向した高い結晶性を持つIII族元素添加酸化亜鉛を生成するものである。III族元素として例えばガリウムやアルミニウムが挙げられる。III族元素添加酸化亜鉛として例えばガリウムがドープ(添加)されたガリウムドープ酸化亜鉛やアルミニウムがドープ(添加)されたアルミニウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。ここでは、例えばガリウムドープ酸化亜鉛を生成する。
ガリウムドープ酸化亜鉛やアルミニウムドープ酸化亜鉛等のIII族元素添加酸化亜鉛は、基板の表面に成膜される。基板は、シリコンウェハでもよく、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)等に用いられるガラス基板でもよく、フレキシブル基板等に用いられる有機フィルムでもよい。
図1は、基板9にIII族元素添加酸化亜鉛を成膜する装置M1の一例を模式的に示したものである。成膜装置M1は、原料ガス供給系10と、予備励起部20と、本放電処理部30とを備えている。
原料ガス供給系10は、所定組成の原料ガスを生成し、この原料ガスを予備励起部20へ供給する。原料ガスは、亜鉛含有化合物(Zn源)と、III族元素含有化合物(III族元素源)と、酸素源と、キャリアとを含んでいる。
亜鉛含有化合物として、亜鉛のアルコキシド化合物、亜鉛のβジケトン化合物、亜鉛のカルボン酸塩化合物、亜鉛のシクロペンタジニエル化合物、アルキル亜鉛化合物等が挙げられ、好ましくは亜鉛のβジケトン化合物が挙げられる。原料ガス中の亜鉛含有化合物の流量比は、1×10-6〜1×10-4vol%が好ましい。
III族元素含有化合物として、ガリウム含有化合物(Ga源)やアルミニウム含有化合物(Al源)が挙げられる。
ガリウム含有化合物として、ガリウムのアルコキシド化合物、ガリウムのβジケトン化合物、ガリウムのカルボン酸塩化合物、ガリウムのシクロペンタジニエル化合物、ガリウムのアルキル化合物等が挙げられ、好ましくはガリウムのβジケトン化合物が挙げられる。
アルミニウム含有化合物として、アルミニウムのアルコキシド化合物、アルミニウムのβジケトン化合物、アルミニウムのカルボン酸塩化合物、アルミニウムのシクロペンタジニエル化合物、アルミニウムのアルキル化合物等が挙げられ、好ましくはアルミニウムのβジケトン化合物が挙げられる。
原料ガス中のIII族元素含有化合物の流量比は、1×10-7〜1×10-5vol%が好ましい。
酸素源としては、酸素(O)、酸素含有化合物、HO、アルコールなどが挙げられ、好ましくは酸素(O)を用いる。
原料ガス中の酸素源(ここでは酸素(O))の流量比は、約5〜95vol%が好ましい。
キャリアは、上記亜鉛含有化合物やIII族元素含有化合物を担持して輸送可能であって、上記亜鉛含有化合物やIII族元素含有化合物に対して不活性なガスであり、好ましくはプラズマ源ともなるガスを用いる。このようなガスとして、He、Arが挙げられる。HeやArは、プラズマ放電を生成しやすい。キャリアとしてNやHを用いてもよく、NとHの混合ガスを用いてもよい。上記亜鉛含有化合物やIII族元素含有化合物が液体の場合は、その液体にキャリアであるガスを通過させたり、その液体を貯留する容器にキャリアガスを通過させたりすればよい。
原料ガス中のキャリアの流量比は、約5〜95vol%が好ましい。
予備励起部20は、一対の電極21,22を有している。一方の電極21は電源6に接続され、他方の電極22は電気的に接地されている。電源6からの電圧供給によって、電極21,22どうしの間に放電が生成され、電極21,22どうし間の空間が予備励起空間23(第1放電空間)になる。
電極21,22間への印加電圧は、1〜20kV程度が好ましい。電極21,22間の距離は、0.5〜2.0mm程度が好ましい。予備励起空間23の圧力は、10〜100kPaが好ましく、50kPa程度がより好ましい。予備励起空間23の放電形態は、沿面放電でもよく、コロナ放電でもよく、グロー放電でもよい。より好ましいのは沿面放電やコロナ放電などの見た目不均一な放電である。
この予備励起空間23に原料ガスが導入される。これにより、原料ガスがプラズマ化(分解、電離、励起、活性化、ラジカル化、イオン化など)される(予備励起工程)。
予備励起空間23には基板が配置されない。
予備励起部20の下流側に本放電処理部30が連なっている。本放電処理部30は、一対の電極31,32を有している。一方の電極31は電源7に接続され、他方の電極32は電気的に接地されている。電源7からの電圧供給によって、電極31,32どうしの間に放電が生成され、電極31,32どうし間の空間が本放電空間33(第2放電空間)になる。
一対の電極31,32間への印加電圧は、2〜15kV程度が好ましい。電極31,32間の距離は、0.2〜2.0mm程度が好ましい。本放電空間33の圧力は、10〜100kPaが好ましく、50kPa程度がより好ましい。本放電空間33の放電形態は、見た目均一なグロー放電が好ましい。
本放電空間33の内部には基板9を配置しておく。基板9はヒータ8で加熱する。基板9の温度は、室温〜400℃が好ましい。
本放電空間33に予備励起空間23の下流端が連なっている。
これにより、予備励起空間23でプラズマ化された原料ガスが本放電空間33に導入される。そして、本放電空間33内において、原料ガスが更にプラズマ化(分解、電離、励起、活性化、ラジカル化、イオン化など)される。このプラズマ化された原料ガスが基板9に接触する。これにより、基板9の表面に良好な結晶性を有するガリウムドープ酸化亜鉛やアルミニウムドープ酸化亜鉛等のIII族元素添加酸化亜鉛の膜を生成することができる(本放電処理工程)。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図2に示す成膜装置M2のように、基板9が本放電空間33の外部に配置されていてもよい。原料ガスは、予備励起空間23及び本放電空間33で二段階にわたりプラズマ化(分解、電離、励起、活性化、ラジカル化、イオン化など)された後、本放電空間33の下流端に連なる噴出口34から噴出され、基板9に接触される。これにより、基板9の表面に良好な結晶性を有するガリウムドープ酸化亜鉛やアルミニウムドープ酸化亜鉛等のIII族元素添加酸化亜鉛の膜を生成できる。
図2において符号5は、基板9を配置するステージ(基板配置部)である。基板配置部5として、ローラコンベア等の移動機構を兼備したものを用いてもよい。
図3に示す成膜装置M3のように、本放電空間33を生成する一対の電極によって、予備励起空間23をも生成するようになっていてもよい。
成膜装置M3は、上下に対向する電極ユニット50,60を備えている。上部電極ユニット50は、金属製の電極51を有している。電極51に電源7が接続されている。電極51はAlN等の誘電体からなる電極ホルダ52に収容されている。ホルダ52の周囲には石英等からなるフレーム53が設けられている。フレーム53の左右外側にAl等の誘電体からなるガス誘導板54,55が設けられている。
下部電極ユニット60は、金属製の電極61を有している。電極61は電気的に接地されている。電極61の内部にヒータ8が設けられている。電極61の上部に基板設置部を兼ねたプレート62が設けられている。プレート62はAlN等の誘電体で構成されている。このプレートに基板9がセットされている。プレートの左右外側にAlN,Al等の誘電体からなるガス誘導板64,65が設けられている。左側の上下のガス誘導板54,64どうしの間にガス導入路6aが画成されている。
成膜装置M3によれば、電源7から電極51に電圧を供給するとともに、原料ガス供給系10によって原料ガスをガス導入路6aに導入する。ここで、原料ガス中のキャリア成分として放電しやすいHeやArを用いる。或いは、不安定な放電になりやすい酸素をキャリアとして用いる。また、通常のグロー放電生成時より供給電圧を大きくしたり、基板温度を高くしたり、電極ユニット50,60間の空間の圧力を低くしたりする。これにより、上下の電極51,61どうし間にグロー放電が生成されるとともに、このグロー放電の外側に沿面放電が生成される。これによって、ホルダ52と基板9との間の空間の中央部は、グロー放電が生成された本放電空間33になるとともに、この本放電空間33の左右外側部は、沿面放電が生成された予備励起空間23となる。
導入路6aからの原料ガスは、沿面放電空間23でプラズマ化された後、本放電空間33に導入されて更にプラズマ化され、基板9に接触する。これにより、基板9の表面に良好な結晶性及び導電性を有するガリウムドープ酸化亜鉛やアルミニウムドープ酸化亜鉛等のIII族元素添加酸化亜鉛の膜を生成できる。その後、原料ガスは、右側のガス誘導板55,65どうしの間に画成された排気路6bを経て、排出される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者に自明な範囲内において種々の改変をなすことができる。
例えば、酸素(O)をキャリアとして用いてもよい。酸素(O)を酸素源として用いるとともにキャリアとしても用いることにしてもよい。
図1、図2の実施形態において、予備励起用の電源6と本放電処理用の電源7を互いに共通の単一電源にしてもよい。
実施例を説明する。本発明はこの実施例に限定されるものではない。
図3の装置M3を用いて、ガリウムドープ酸化亜鉛の成膜を行なった。
原料ガスの成分及び流量は以下の通り。
亜鉛含有化合物としてZn(THD)を9.7x10-3sccm
ガリウム含有化合物としてGa(THD)を4.5x10-4sccm
酸素(O)を550sccm
キャリアとしてNを80sccm
基板9は、シリコン基板を用いた。基板9のサイズは、25mm×25mmであった。基板9の温度は、350℃とした。
上下の電極ユニット50,60間の空間の圧力は、50kPaとした。
供給電圧は、6kVとした。
電源電極51の下面と接地電極61の上面との距離は1mmとした。
電極51,61間への電圧印加によってグロー放電33の両側に沿面放電23が形成された。
図4に示すように、基板9の左側の縁と中央部にガリウムドープ酸化亜鉛の膜9a,9bが形成された。左側縁のガリウムドープ酸化亜鉛膜9aは、沿面放電23のみで形成されたものであり、中央部のガリウムドープ酸化亜鉛膜9bは、沿面放電(予備励起)を経た後、正規のグロー放電によって形成されたものである。
左側縁のガリウムドープ酸化亜鉛膜9aのガリウム濃度は、3.0atm%であった。中央部のガリウムドープ酸化亜鉛膜9bのガリウム濃度は、3.2atm%であった。
膜9a,9bをX線回折にて分析したところ、図6に示すように、左側縁のガリウムドープ酸化亜鉛膜9aは、(100)方向と(101)方向に配向を示すものの結晶性に乏しい膜となった。これに対し、中央部のガリウムドープ酸化亜鉛膜9bは、(002)方向のみに極めて強い配向を示し、高い結晶性を持つ膜となった。したがって、予備励起後、本放電を行なうことにより、結晶配向性が極めて良好なガリウムドープ酸化亜鉛膜を得ることができることが判明した。
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイなどの透明電極に適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る成膜装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る成膜装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る成膜装置の概略構成図である。 実施例1によって成膜処理した基板の平面図である。 従来方法で成膜処理した酸化亜鉛(ZnO)とガリウムドープ酸化亜鉛(Ga:ZnO)のX線回折チャートである。 実施例1によって成膜処理したガリウムドープ酸化亜鉛(Ga:ZnO)のX線回折チャートである。
符号の説明
M1,M2,M3 成膜装置
9 基板
10 原料ガス供給系
20 予備励起部
23 予備励起空間(第1放電空間)
30 本放電処理部
33 本放電空間(第2放電空間)

Claims (4)

  1. 基板の表面に、III族元素がドープされた酸化亜鉛を生成する方法であって、
    亜鉛含有化合物とIII族元素含有化合物と酸素源とを含む原料ガスを、第1の放電空間に通す予備励起工程と、
    前記第1放電空間を通過後の原料ガスを、第2の放電空間に通し、該第2放電空間の内部又は外部に配置された基板に接触させる本放電処理工程と、
    を実行することを特徴とするIII族元素添加酸化亜鉛の生成方法。
  2. 前記亜鉛含有化合物は、亜鉛の、アルコキシド化合物、βジケトン化合物、カルボン酸塩化合物、シクロペンタジニエル化合物、およびアルキル化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の生成方法。
  3. 前記III族元素含有化合物は、アルミニウム又はガリウムの、アルコキシド化合物、βジケトン化合物、カルボン酸塩化合物、シクロペンタジニエル化合物、およびアルキル化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の生成方法。
  4. 請求項1〜3の何れかの方法にて生成したIII族元素添加酸化亜鉛が表面に被膜されたことを特徴とする基板。
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