JP2009200178A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光取り出し効率が向上した半導体発光素子を提供する。
【解決手段】半導体発光素子1は支持構造体6と発光構造体5とを備え、支持構造体6は、支持基板20と、支持基板20の表面上方に設けられる支持基板側接合層200とを有し、発光構造体5は、支持基板側接合層200と接合する発光構造側接合層170と、発光構造側接合層170の支持基板20の反対側に設けられる反射領域と、反射領域の発光構造側接合層170の反対側に設けられる発光層135と、発光層135の反射領域の反対側において光を乱反射させる光取り出し面とを含む半導体積層構造130とを有し、反射領域は、半導体積層構造130の屈折率よりも低い屈折率を有する材料からなる透明層140と反射層150とを含み、透明層140は、透明層140に入射した光の多重反射による干渉が抑制される厚さを有する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。特に、本発明は、光取り出し効率を向上させた半導体発光素子に関する。
従来の光取り出し効率を向上させた半導体発光素子として、伝導性ホルダと、金属からなる反射層及び複数の界面電極を含み、厚さdがλ/(4n)である透明層を介して伝導性ホルダの上方に設けられ、発光層を含む複数の半導体層を有する半導体積層構造と、半導体積層構造上に形成される表面電極とを備え、複数の界面電極が、表面電極の直下を除く領域に設けられている半導体発光素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、λは、発光層が発する光の波長であり、nは、透明層の屈折率である。
ここで、半導体発光素子を構成する半導体層の屈折率は誘電体からなる透明層の屈折率よりも大きい。よって、半導体層と透明層との界面に入射する光のうち、全反射臨界角より大きい入射角を有する光は素子の外部に向かって放射されない。半導体層と透明層との界面に垂直に入射する光のみに着目すると、特許文献1に係る半導体発光素子のように、反射層と半導体積層構造との間に半導体積層構造を構成する半導体層の屈折率よりも低い屈折率を有する透明層を挟んで構成される反射領域の反射率は、透明層の厚さをdとすると、d=λ/(4n)の場合に最大となる。
特許文献1に係る半導体発光素子によれば、発光層が発した光が反射層により外部に向けて反射されると共に、透明層の厚さをd=λ/(4n)に規定することにより、透明層と金属層とからなる反射領域に垂直に入射した光に対する反射特性を向上させることができるので、光取り出し効率を向上させることができる。また、この半導体発光素子の半導体積層構造の表面に粗面化処理を施すことにより光取り出し効率を向上させることができる。
特表2005−513787号公報
しかし、特許文献1に係る半導体発光素子は、透明層の厚さを、反射領域に垂直に入射した光に対して最適化しているだけであり、反射領域に斜めに入射する光の成分についての最適化がなされていない。したがって、特許文献1に係る半導体発光素子では、反射領域に斜めに入射した光が反射領域内で多重反射することによりその強度が減衰することがあり、発光層が発する光のうち、反射領域に斜めに入射する光を半導体発光素子の外部に効率的に取り出すことが困難な場合がある。
したがって、本発明の目的は、反射領域に垂直及び斜めに入射した光を効率よく外部に放射させることにより、光取り出し効率が向上した半導体発光素子を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、支持構造体と発光構造体とを備える半導体発光素子において、支持構造体は、支持基板と、支持基板の一の表面の上方に設けられる支持基板側接合層とを有し、発光構造体は、支持基板側接合層と接合する発光構造側接合層と、発光構造側接合層の支持基板の反対側に設けられる反射領域と、反射領域の発光構造側接合層の反対側に設けられ、所定の波長の光を発する発光層と、発光層の反射領域の反対側において光を乱反射させる光取り出し面とを含む半導体積層構造とを有し、反射領域は、半導体積層構造の屈折率よりも低い屈折率を有する材料からなる透明層と金属材料からなる反射層とを含み、透明層は、透明層に入射した光の多重反射による干渉が抑制される厚さを有する半導体発光素子が提供される。
また、上記半導体発光素子は、透明層は、発光層が発する光の中心波長を、透明層の屈折率で除した値の略半分以上の厚さを有してもよい。また、透明層は、約1.3から約3.0の間の屈折率を有し、発光層が発する光の中心波長を、屈折率で除した値の略4分の3以上の厚さを有してもよい。あるいは、透明層は、約1.2から約3.0の間の屈折率を有し、発光層が発する光の中心波長を、屈折率で除した値の略4分の5以上の厚さを有してもよい。
また、上記半導体発光素子は、発光構造体は、反射層と半導体積層構造との間の一部分に、半導体積層構造の光取り出し面の反対側の面と反射層とを電気的に接続する界面電極を有し、半導体積層構造は、光取り出し面が設けられる側の表面の一部に表面電極を有し、支持基板は、支持基板側接合層が設けられる面の反対側に裏面電極を有してもよい。
また、上記半導体発光素子は、半導体積層構造は、第1導電型の半導体層と第1導電型とは異なる導電型の第2導電型の半導体層との間に発光層を含み、光取り出し面が設けられる側の第1導電型の半導体層の表面の一部に第1電極を有し、第2導電型の半導体層の表面の一部に第2電極を有してもよい。
また、上記半導体発光素子は、界面電極は、界面電極と半導体積層構造の反射層側の面とが接する部分の面積の割合が、半導体積層構造の反射層側の面の面積に対して、30%以下に形成されてもよい。また、光取り出し面は、算術平均面粗さが光の波長を光取り出し面を構成する半導体層の屈折率で除した値の略4分の1以上であり、当該光取り出し面の平均面の法線と、当該光取り出し面の表面の法線とが少なくとも1つの零でないなす角を持つ非平滑面を含んでもよい。
また、上記半導体発光素子は、光取り出し面は、凹状又は凸状の略半球形状を含む三次元構造体を複数有してもよい。また、上記半導体発光素子は、反射層は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)、若しくは金、銀、銅、及びアルミニウムよりなる群から選択された金属を少なくとも1つ含む合金から形成してもよい。
本発明の半導体発光素子によれば、反射領域に垂直及び斜めに入射した光を効率よく外部に放射させることにより、光取り出し効率が向上した半導体発光素子を提供することができる。
を提供できる。
[第1の実施の形態]
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子の断面の概要を示す。また、図1Bの(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子の上面図の一例を示しており、図1Bの(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子を透明層において切断した場合の切断上面図の一例を示す。
(半導体発光素子1の構成)
本発明の実施の形態に係る半導体発光素子1は、所定の波長の光を発する活性層としての発光層135を含む半導体積層構造130と、半導体積層構造130の一の表面の一部と電気的に接続する表面電極110と、表面電極110の上に設けられるワイヤボンディング用のパッド電極100とを備える。
更に、半導体発光素子1は、半導体積層構造130の一の表面の反対側の他の表面の一部と電気的に接続する界面電極120と、界面電極120が設けられている領域を除く半導体積層構造130の他の表面を覆う透明層140と、界面電極120及び透明層140の半導体積層構造130の他の面と接する面の反対側に設けられる反射層150とを備える。ここで、透明層140と反射層150とで反射領域が構成される。更に、半導体発光素子1は、反射層150の界面電極120及び透明層140と接する面の反対側に設けられるバリア層160と、バリア層160の反射層150と接する面の反対側に設けられる発光構造体側接合層170とを備える。
そして、半導体発光素子1は、発光構造体側接合層170と電気的・機械的に接合する支持基板側接合層200と、支持基板側接合層200の発光構造体側接合層170と接合している面の反対側に設けられるコンタクト電極210と、コンタクト電極210の支持基板側接合層200と接する面の反対側に設けられる電気導電性の支持基板20と、支持基板20のコンタクト電極210が設けられている面の反対側の面に設けられるダイボンディング用電極としての裏面電極220とを備える。
本実施の形態に係る半導体発光素子1は、図1B(a)に示すように、上面視にて略正方形に形成される。一例として、半導体発光素子1の平面寸法は、縦寸法L1及び横寸法L1がそれぞれ略300μmである。また、半導体発光素子1の厚さは、一例として、略300μmに形成される。
本実施形態に係る半導体積層構造130は、透明層140に接する位置に設けられるp型コンタクト層139と、p型コンタクト層139の透明層140と接している面の反対側の面に設けられるp型クラッド層137と、p型クラッド層137のp型コンタクト層139と接している面の反対側の面に設けられる発光層135と、発光層135のp型クラッド層137と接している面の反対側の面に設けられるn型クラッド層133と、n型クラッド層133の発光層135と接している面の反対側の面の略中央部分に設けられるn型コンタクト層131とを有する。
ここで、n型クラッド層133は、発光層135と接している面の反対側に、発光層135が発した光の一部を乱反射する乱反射発生部180を含む光取り出し面を有する。乱反射発生部180は、n型クラッド層133の表面を粗面化して形成される形状を有する部分である。光取り出し面が含む乱反射発生部180は、不規則構造又は所定の規則性を有する構造を含む。また、乱反射発生部180は、平滑面及び非平滑面を有して形成される。粗面化形状を含む乱反射発生部180を設けることにより、発光層135が発した光が光取り出し面に到達した場合に、光の反射角に変動がもたらされ、光が乱反射する。この光の乱反射により、半導体発光素子1の外部に向かう方向にその伝搬方向を変動させられる光が増加する。
なお、半導体積層構造130は、一例として、III−V族化合物半導体としてのAlGaInP系の化合物半導体のダブルへテロ構造を有する。具体的に、半導体積層構造130は、AlGaInP系の化合物半導体を含んで形成されるアンドープのバルク層としての発光層135を、第1導電型の化合物半導体としてのn型AlGaInPを含んで形成されるn型クラッド層133と、第1導電型とは異なる第2導電型の化合物半導体としてのp型AlGaInPを含んで形成されるp型クラッド層137とで挟んだ積層構造を含む。発光層135は、外部から電流が供給されると所定の波長の光を発する。一例として、発光層135は、発光波長が630nmの赤色光を発するように形成される。
なお、本実施形態において、アンドープ(un−dope)とは、発光層135等を含む化合物半導体層への不純物の添加を積極的には実施しないことを意味する。したがって、半導体積層構造130を製造する工程において不可避的に混入する不純物成分の含有は排除されない。半導体積層構造130を構成する化合物半導体層に不可避的に混入する不純物成分の濃度は、一例として、1013/cmから1016/cm程度の濃度である。
更に、半導体積層構造130は、n型クラッド層133の発光層135の反対側に、n型GaAsを含んで形成されるn型コンタクト層131と、p型クラッド層137の発光層135の反対側にp型GaPを含んで形成されるp型コンタクト層139とを含む。ここで、n型コンタクト層131及びn型クラッド層133はそれぞれ、所定のn型不純物を所定の濃度含む。同様に、p型クラッド層137及びp型コンタクト層139はそれぞれ、所定のp型不純物を所定の濃度含む。なお、n型不純物としては、一例としてSi、Se、Te等を用いることができ、p型不純物としては、例えば、Mg、Zn、C等を用いることができる。
なお、半導体積層構造130は、例えば、有機金属気相成長(Metal Organic Vapor Phase epitaxy:MOVPE)法、有機金属化学気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、液相成長(Liquid Phase Epitaxy:LPE)法等を用いて形成する。MOVPE法又はMOCVD法を用いる場合、MOVPE法又はMOCVD法に用いる半導体積層構造130の原料としては、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)等の有機金属化合物、アルシン(AsH)、ホスフィン(PH)等の水素化物ガスを用いる。
また、n型用の不純物の添加物の原料としては、モノシラン(SiH)、セレン化水素(HSe)、ジエチルテルル(DETe)、ジメチルテルル(DMTe)等を用いる。また、p型用の不純物の添加物の原料としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)、ジメチルジンク(DMZn)、ジエチルジンク(DEZn)等を用いる。
表面電極110は、半導体積層構造130の上に所定の形状を有して形成される。例えば、表面電極110は、n型コンタクト層131上において、十字付きの円形状に形成される。一例として、表面電極110は、図1B(a)に示すように、所定の直径(φ1)を有する円形部分と、長さL2、幅W1を有する複数の足部分とを有して形成される。例えば、表面電極110は、長手方向の方向が互いに90度ずれた方向に向いている4本の足部分が、円形部分に付加された形に形成される。円形部分の直径φ1は、一例として100μmであり、足部分の長さL2は100μm、幅W1は15μmである。そして、4本の足部分はそれぞれ、半導体発光素子1の上面視における略矩形の表面の各角の方向に長手方向を向けて形成される。
表面電極110は、n型コンタクト層131とオーミック接合する導電性材料から形成され、例えば、n型用電極材料としてのAu、Ge、及びNi等の金属材料を含んで形成される。一例として、表面電極110は、n型コンタクト層131の側からAuGe(50nm厚)/Ni(10nm厚)/Au(300nm厚)の順に積層されて形成される。また、パッド電極100は、上面視にて直径φ1を有する略円形状又は略多角形状に形成される。そして、パッド電極100の中心を表面電極110の円形部分の中心と略一致させて、表面電極110上にパッド電極100は設けられ、表面電極110と電気的に接続する。
パッド電極100を略円形状に形成する場合、パッド電極100の直径φ1は、一例として100μmである。なお、パッド電極100の直径φ1は、パッド電極100に超音波接合するAuワイヤの端部のボール部分の直径に応じて、表面電極110の円形部分の直径よりも小さく形成することもできる。パッド電極100は、Ti、Pt、Au等の金属材料を含んで形成され、一例として、表面電極110の側からTi(50nm)/Au(1000nm)の順に積層されて形成される。そして、パッド電極100及び表面電極110の円形部分の中心は、n型クラッド層133の略中央に対応しており、パッド電極100、及び表面電極110の円形部分、並びに表面電極110の足部分の直下を除く領域に、界面電極120が形成されることとなる。
反射領域の一部としての機能を有する透明層140は、半導体積層構造130と反射層150との間に設けられる。具体的に、透明層140は、p型コンタクト層139の発光層135が形成されている側の面の反対側の略全面に形成され、p型コンタクト層139と接する面の反対側において反射層150と接する。そして、透明層140の一部の領域には、透明層140を貫通する所定形状の開口部120aが設けられる。透明層140に設けられる開口部120aは、例えば、1つ又は複数の略円形状、1つ又は複数の略多角形状、若しくは、1つ又は複数の溝状に形成される。透明層140には、一例として、図1B(b)に示すように、六方最密充填構造状に所定のピッチで複数の開口部120aが形成される。ここで、開口部120aは、図1B(b)に表面電極の位置111と示した領域外、すなわち、表面電極110の直下を除く領域に形成される。なお、表面電極110の直下を除く領域に開口部120aが設けられる限り、開口部120aの配置は、マトリックス状等の規則的な配列、又はランダムな配列のいずれであってもよい。
また、透明層140は、半導体積層構造130を構成する各半導体層の屈折率よりも低い屈折率を有する材料から形成される。そして、透明層140は、発光層135が発する光に対して略透明である材料及び/又は電気絶縁性を有する材料から形成される。すなわち、透明層140は、発光層135が発する光の波長に対して光学的に透明な材料から形成される。透明層140は、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、五酸化タンタル、フッ化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、又はこれらの酸化物材料を80wt%以上の濃度で含む金属酸化物から形成される。
そして、本実施の形態に係る透明層140は、透明層140に入射した光の多重反射による干渉が抑制される厚さに形成される。具体的に、透明層140は、発光層135が発する光の中心波長を、透明層140を構成する材料の屈折率で除した値の略半分以上の厚さを有して形成される。すなわち、透明層140は、発光層135が発する光の中心波長をλ、透明層140を構成する材料の屈折率をnとした場合、λ/(2n)以上の厚さに形成される。
一例として、透明層140は、約1.3から約3.0の間の屈折率を有する材料から形成され、発光層135が発する光の中心波長を、この屈折率で除した値の略4分の3以上の厚さを有して形成される。また、透明層140は、一例として、約1.2から約3.0の間の屈折率を有する材料から形成することもでき、発光層135が発する光の中心波長を、この屈折率で除した値の略4分の5以上の厚さを有して形成することができる。
本実施の形態に係る透明層140は、容易に形成でき、発光層135が発する光の波長に対して良好な透過特性(光の波長の吸収損失が低い特性)を発揮する材料から形成することを目的として、一例として、二酸化ケイ素(屈折率n:1.45)から形成される。また、透明層140に接する反射層150との密着性を向上させ、透明層140と反射層150との界面においてボイド等の発生を抑制することを目的とする場合においても、一例として、二酸化ケイ素から形成される。
界面電極120は、半導体積層構造130と反射層150とを電気的に接続する。具体的に、界面電極120は、透明層140に形成された開口部120aに所定の金属材料を充填して形成される。界面電極120は、例えば、1つ又は複数の略円形状、1つ又は複数の略多角形状、若しくは、1つ又は複数の溝状に形成された開口部120aを、金属材料で充填することにより形成される。図1B(b)に示すように、界面電極120は、一例として、直径φ2(例えば、15μm)の略円形状のドット状に形成される。そして、複数の界面電極120の中央間のピッチP1は、一例として、40μmである。界面電極120は、p型コンタクト層139とオーミック接合する導電性材料から形成され、例えば、p型用電極材料としてのAu、Zn、又はBe等の金属材料を含んで形成される。一例として、界面電極120は、AuZn合金からなる金属材料から形成される。
反射層150は、発光層135が発した光に対して所定値以上の反射率を有する導電性金属材料から形成される。一例として、反射層150は、Auから主として形成される金属層である。また、反射層150は、界面電極120と電気的に接続する。反射層150は、半導体発光素子1の光取り出し効率を向上させることを目的として、発光層135が発した光に対する反射率が所定値以上であれば、Al、Au、Cu、又はAg等の金属材料、若しくはこれらの金属材料の少なくとも1つを含む合金材料から形成することもできる。
バリア層160は、反射層150と電気的に接続する導電性材料から形成される。一例として、バリア層160は、Ptから主として形成される金属層である。バリア層160は、支持基板側接合層200を構成する材料が反射層150に拡散することを抑制して、反射層150の反射特性が低下することを抑制する。発光構造体側接合層170は、所定の厚さを有した導電性材料から形成される。発光構造体側接合層170は、バリア層160と電気的に接続する。発光構造体側接合層170は、発光構造体側接合層170と支持基板側接合層200との界面の酸化を抑制することができ、発光構造体側接合層170と支持基板側接合層200とを強固に接合することを目的として、一例として、Auから主として形成される。
また、支持基板側接合層200は、発光構造体側接合層170と同様の目的から、同様の材料から形成される。そして、支持基板側接合層200は、発光構造体側接合層170と電気的・機械的に接合する。具体的には、発光構造体側接合層170と支持基板側接合層200とは、熱圧着法によって貼り合わせることによって電気的・機械的に接続される。なお、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200はそれぞれ、Au、Ag、Al等の金属材料、又はこれらの金属材料のうち少なくとも1種類の金属材料を80wt%以上含む合金材料から形成することもできる。そして、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さはそれぞれ、0.5μm以上2μm以下に形成される。
コンタクト電極210は、支持基板20とオーミック接合すると共に、支持基板20を構成する材料と支持基板側接合層200を構成する材料とが互いに拡散することを抑制することができる導電性材料から形成される。一例として、コンタクト電極210はTiから主として形成され、支持基板側接合層200と電気的に接続する。
支持基板20は、所定の熱伝導率及び機械的強度を有すると共に、電気導電性を有する材料から形成される。支持基板20は、一例として、厚さが300μm程度のSi等の半導体材料から形成される。支持基板20を半導体材料から形成する場合、支持基板20に形成するコンタクト電極210及び裏面電極220と支持基板20との間の接触抵抗値を低減させ、半導体発光素子1の動作電圧を低減させることを目的として、支持基板20の抵抗率は少なくとも0.1Ω・cm以下にして形成される。なお、支持基板20は電気導電性を有している限り、導電型はn型又はp型のいずれであってもよい。
裏面電極220は、コンタクト電極210が接触している支持基板20の面の反対側の面において、支持基板20に電気的に接続する。具体的に、裏面電極220は、支持基板20とオーミック接合する金属電極である。一例として、裏面電極220は、TiとAuとから形成される。
半導体発光素子1は、所定の位置に半導体発光素子搭載部と、半導体発光素子搭載部と絶縁部を介して電気的に絶縁する第1リードと、半導体発光素子搭載部と電気的に接続する第2リードとを備えるステムに実装することができる。ステムは、良好な電気導電性、伝熱特性、機械的特性を発揮するCu、Al、Fe等の金属材料を含む材料から形成される。例えば、ステムとしては、TO−18ステム、TO−46ステム等を用いることができるが、これらのステムに限定されるものではない。例えば、所定のリードフレームに、本実施の形態に係る半導体発光素子1を搭載することもできる。
半導体発光素子1は、Agペースト等の導電性材料、又はAuSn等のハンダ材料等を介してステムの半導体発光素子搭載部に搭載される。機械的強度を向上させる観点からは、Agペースト等の導電性接着剤の硬化温度より高い共晶温度を有するAuSn等の材料を用いることができる。そして、半導体発光素子1のパッド電極100と第1リードとが、Auワイヤを介して電気的に接続される。これにより、第1リード及び第2リードを介して半導体発光素子1に所定の電力が供給され、半導体発光素子1が発光する。
以上の構成を備える本実施形態の半導体発光素子1は、赤色領域の波長の光を発するLEDである。例えば、半導体発光素子1は、順方向電圧が2V程度であり、順方向電流が20mAの場合におけるピーク波長が630nm付近の光を発する赤色LEDである。
図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る界面電極の占有面積率に対する発光出力の関係の一例を示す。
本実施の形態において、界面電極120の占有面積率とは、半導体積層構造130の界面電極120が接している表面(例えば、p型コンタクト層130の表面)の表面積に対して、半導体積層構造130の表面に接する界面電極120の表面積の割合を指す。発光層135が発した光のうち、反射層150(反射領域)の側に放射された光の一部は界面電極120に到達する。界面電極120の表面と半導体積層構造130の表面とは合金化により接合されており、この接合界面は、反射層150の反射率よりも反射率が低い領域である。したがって、この接合界面に到達した光の一部は半導体発光素子の外部に向かって反射されずに吸収される。よって、半導体発光素子1の発光出力の低下を抑制することを目的として、界面電極120の占有面積率を所定値以下にして、界面電極120を形成する。
ここで、図2Aを参照する。図2Aは、第1の実施の形態に係る半導体発光素子1と同様の構成を備える半導体発光素子において、界面電極の占有面積率を様々に変化させた場合における発光出力の変動を示す。界面電極の占有面積率が30%を超えた場合(例えば、占有面積率が50%の場合)、半導体発光素子の発光出力は2mW未満である。一方、界面電極120の占有面積率が30%以下の場合、半導体発光素子の発光出力はいずれも2mW以上である。特に、界面電極120の占有面積率が10%以下の場合、発光出力が4mW以上である。したがって、第1の実施の形態においては、界面電極120の占有面積率を、発光出力の向上及び動作電圧が実用上用いることができる範囲内において低下させることを目的として、一例として、30%以下にする。また、半導体発光素子の発光出力の更なる向上を目的として、界面電極120の占有面積率を、10%以下にすることもできる。
図2Bは、本発明の第1の実施の形態に係る反射層を構成する材料の反射率を示す。
反射領域の一部を構成する反射層150は、発光層135が発した光に対して所定値以上の反射率を有する導電性金属材料から形成される。反射層150をAuから形成した場合、この反射層150は、波長600nmから700nmの光に対して約90%以上の反射率を有する。また、反射層150をAlから形成した場合、この反射層150は、波長が400nmから700nmにわたって、約85%以上の反射率を有する。更に、反射層150をAgから形成した場合、この反射層150は、波長が400nmから700nmにわたって、略100%の反射率を有する。
(透明層140の厚さの詳細)
本発明の実施の形態に係る透明層140は、光取り出し面に乱反射発生部180が含まれるので、乱反射発生部180において伝搬方向が変化されて反射領域に斜めに入射した光を効率よく半導体発光素子1の外部に放射させることを目的として、光の多重反射による干渉が抑制される厚さに形成される。ここで、透明層140は、発光層135が発する光の中心波長を、透明層140の屈折率で除した値の略半分以上の厚さにすることが好ましい。このような厚さに規定した理由は以下のとおりである。
まず、金属の膜(本実施の形態に係る反射層150)と半導体の層(本実施の形態に係る半導体積層構造130)との界面に、半導体の屈折率よりも低い屈折率を有する透明層(本実施の形態に係る透明層140)を設け、金属の膜と透明層とからなる反射領域に半導体の層の側から光を入射した場合の反射率Rは次の式1で表わされる。
Figure 2009200178
但し、δは以下の式2で表わされる。
Figure 2009200178
ここで、nは透明層を形成する透明材料の屈折率、nは半導体層の屈折率、dは透明層の厚さ、θは光の入射角、λは光の波長を表す。また、r1及びr2はそれぞれ、透明材料界面及び金属層界面での振幅反射率であり、その値は、次の式3(S偏光)と式4(P偏光)とで表わされる。
Figure 2009200178
Figure 2009200178
ここで、Ns、Nt、Nmはそれぞれ、半導体、透明材料、金属の複素屈折率を表す。なお、式1乃至4は光の干渉を考慮した式であり、光路長がコヒーレンス長より短い場合にこれらの式は成立する。
また、入射角θの時のS偏光及びP偏光の反射領域での反射率をRs(θ)及びRp(θ)とした場合、入射角が0°(垂直入射)からθcまでの光の平均反射率は次の式5で表される。
Figure 2009200178
半導体積層構造130を構成する半導体と半導体発光素子1の外部の媒体(空気、樹脂モールドを構成する樹脂等)との臨界角以上の入射角で半導体積層構造130に入射した光は全反射するので、半導体発光素子1の外部に放出されない。半導体積層構造130の表面が平滑である場合、この表面に入射した光が多重反射を繰り返してもその角度が変化することはほとんどない。よって、臨界角以上の入射角で半導体積層構造130に入射する光は、多重反射を繰り返すうちに半導体中及び/又は反射領域により吸収されて熱として外部に放出される。したがって、半導体積層構造130の表面が平滑である場合、光取り出し効率の向上に寄与する反射領域の反射率平均値は、式5におけるθcの値として、例えば、半導体と半導体発光素子1の外部の媒体との臨界角とすれば算出できる。なお、半導体積層構造130の表面が平滑であるので、表面に入射する光の入射角と反射領域に入射する光の入射角とは略一致する。
一方、半導体積層構造130の表面に乱反射を発生させる構造が存在している場合、乱反射を発生させる構造を有する表面(以下、乱反射面という)に入射した光は、入射した面が平坦である場合とは異なる角度に反射される。この場合において、乱反射面に入射した光の一部には、半導体積層構造130と半導体発光素子1の外部の媒体との臨界角以下の入射角を有する光も生じる。したがって、発光層135が全方向に発した光が半導体積層構造130の乱反射面と反射領域との間で多重反射を繰り返す回数に応じて、半導体積層構造130から半導体発光素子1の外部に放出される光の量が増加することとなる。このような場合、光取り出し効率の向上に寄与する反射領域の反射率平均値は、式5におけるθcの値として90°まで考慮することを要する。
そこで、半導体積層構造130を構成する半導体層の屈折率として3.2、光の波長を630nm、半導体発光素子1の外部の媒体としての樹脂モールドを形成する樹脂の屈折率として1.45、反射領域の反射層150を構成する金属としてAu、Ag、Cu、Alとして、半導体積層構造130の表面が平滑な場合(θc:樹脂モールドと半導体積層構造130との臨界角)と、半導体積層構造130の表面が乱反射面である場合(θc:90°)について、反射領域の平均反射率を計算した。
図3(a)は、透明層の屈折率が1.45の場合の反射領域の平均反射率の計算結果を示し、(b)は、透明層の屈折率が2.0の場合の反射領域の平均反射率の計算結果を示す。
まず、図3(a)を参照する。反射層150をAuから形成した場合、半導体積層構造130の表面が平滑であると、透明層140の厚さdが、λ/(4n)の場合に最も反射率が大きいことが示された。ここで、nは、発光層135の発光波長(λ)に対する透明層40を構成する材料の屈折率を示す。一方、半導体積層構造130の表面が乱反射面を有する場合、透明層140の厚さdが、λ/(2n)以上の場合に、透明層140の厚さdが、λ/(4n)の場合の平均反射率よりも大きくなった。特に、透明層140の厚さdが、3λ/(4n)以上の場合、平均反射率は飽和傾向を示した。
したがって、本実施の形態に係る透明層140は、発光層135が発する光の中心波長を、透明層140の屈折率で除した値の略半分以上の厚さに形成することが好ましいことが示された。より具体的には、透明層140が、約1.3から約3.0の間の屈折率を有する場合、発光層135が発する光の中心波長を透明層140の屈折率で除した値の略4分の3以上の厚さに透明層140を形成することが好ましい。
また、半導体積層構造130を構成する半導体層の屈折率として3.2、光の波長を630nm、半導体発光素子1の外部の媒体としての樹脂モールドを形成する樹脂の屈折率として1.45、反射領域の反射層150を構成する金属としてAu、Ag、Cu、Alとして、半導体積層構造130の表面が平滑な場合(θc:樹脂モールドと半導体積層構造130との臨界角)と、半導体積層構造130の表面が乱反射面である場合(θc:90°)について、反射領域の平均反射率を計算した。その結果を図3(b)に示す。
図3(b)を参照すると、計算に用いたいずれの金属においても、半導体積層構造130の表面が平滑である場合、透明層140の厚さdが、λ/(4n)の場合に最も反射率が大きいことが示された。一方、半導体積層構造130の表面が乱反射面を有する場合、透明層140の厚さdが、λ/(2n)以上の場合に、透明層140の厚さdが、λ/(4n)の場合の平均反射率よりも大きくなった。特に、透明層140の厚さdが、3λ/(4n)以上の場合、平均反射率は飽和傾向を示した。
以上の結果をまとめると、以下の点が分かる。すなわち、透明層140の厚さが増加するにつれて、反射領域の反射率平均は、透明層140の内部での光の多重反射による干渉を考慮しないインコヒーレント光学系で得られる反射率平均値に徐々に近づくことが示された。これは、透明層140の厚さが増加することにより透明層140内の干渉効果が減少する点からも定性的に理解できる。ここで、半導体積層構造130の表面(光取り出し面側及び反射領域側双方の表面)が平滑である場合、透明層140の厚さをλ/(4n)に設定した場合に、インコヒーレント光学系に比べて干渉効果により反射率平均が増加する。一方、半導体積層構造130の表面が乱反射面を有する場合、透明層140がインコヒーレント光学系である場合に、反射率平均が略最大となることが分かる。
すなわち、半導体積層構造130の表面が平滑な場合は、反射領域に垂直に入射するような光の入射角近辺では、透明層140内において干渉効果を発生させると反射領域の反射率平均値を向上させることができる。一方、半導体積層構造130の表面が平滑でない場合には、透明層140内で干渉効果をなるべく発生させない方が、反射率平均値が向上する。したがって、本実施の形態に係る半導体発光素子1においては、透明層140の厚さを、透明層140内で干渉効果が実質的に低減するような厚さ、又はなくなるような厚さ、すなわち、λ/(2n)以上の厚さに規定したものである。
(半導体発光素子1の変形例)
本実施形態に係る半導体発光素子1は、発光波長が630nmの赤色領域の光を発するが、半導体発光素子1の発光波長はこの波長に限定されない。半導体積層構造130の発光層135の構造を制御して、所定の波長範囲(例えば、発光波長が560nm前後から660nm前後)の光を発する半導体発光素子1を形成することもできる。また、本実施形態に係る発光層135の構造を、バルク層の構造ではなく、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造、又は歪み多重量子井戸構造とすることもできる。また、本実施形態に係る半導体積層構造130は、上述した化合物半導体層に他の層(中間層)、分布型ブラック反射層(DBR層)等を更に加えて構成することもできる。更に、本実施形態に係る半導体積層構造130を構成する各半導体層は、AlGaInP系の化合物半導体から形成することに限られず、GaAs系、GaP系、InP系、AlGaAs系、InGaP系、GaN系等の他の化合物半導体から形成することもできる。
また、本実施形態に係る半導体積層構造130は、n型の化合物半導体層がパッド電極100側に位置しているが、n型とp型との導電型を逆にすることもできる。すなわち、変形例においては、パッド電極100側から反射層150側に向かって、p型コンタクト層139、p型クラッド層137、発光層135、n型クラッド層133、n型コンタクト層131の順に形成できる。この場合、表面電極110は、n型の半導体とオーミック接合する材料から形成され、界面電極120は、p型の半導体とオーミック接合する材料から形成される。
更に、本実施形態に係る半導体発光素子1は、パッド電極100側から裏面電極220に向かって電力が供給される上下面電極構造を有して形成されているが、変形例においては、化合物半導体層130のp型コンタクト層139の一部を露出させ、露出した部分にp型用電極を設けることにより、いわゆる、上面2電極構造とすることもできる。すなわち、変形例においては、半導体積層構造130は、少なくとも第1導電型の半導体層と第1導電型とは異なる導電型の第2導電型の半導体層とを有し、第1導電型の半導体層(例えば、n型クラッド層133)と第2導電型の半導体層(例えば、p型クラッド層137)との間に発光層135を含んで形成され、半導体積層構造130の光取り出し面が設けられる側の第1導電型の半導体層の表面の一部に第1電極としての表面電極110を有し、第2導電型の半導体層の表面の一部に第2電極を有して形成することができる。
また、半導体発光素子1の平面寸法は上記の実施形態に限られない。例えば、半導体発光素子1の平面寸法は、縦寸法及び横寸法がそれぞれ略350mmとなるように設計することもでき、また、半導体発光素子1の使用用途に応じて、縦寸法及び横寸法を適宜変更して半導体発光素子1を形成することもできる。更に、半導体発光素子1の形状は、四角形に限られず、多角形(例えば、三角形、五角形、・・・N角形:Nは正の整数)に形成することもできる。
また、支持基板20は、Ge、GaP、GaAs、InP、GaN、SiC等の半導体基板、電気導電材料であるCu、Fe、Al等の金属材料から形成される金属板、又はCu−W、Cu−Mo等の合金材料から形成される合金板から形成することもできる。また、支持基板20は、Cu、Al、W、Mo、C、又はAg等の金属材料、若しくはこれらの金属材料のうち少なくとも1種類の金属材料を50wt%以上含有した合金材料から形成することもできる。また、支持基板20は、耐食性の向上、又はコンタクト電極210及び裏面電極220と支持基板20との間の接触抵抗を低減することを目的として、複数の導電性材料が積層された多層構造を有する基板から形成することもできる。
(半導体発光素子1の製造方法)
図4Aから図4Eは、本発明の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程の流れを示す。
まず、図4A(a)に示すように、成長基板10(一例として、直径3インチのn型GaAs基板)の上に、例えば、MOVPE法によって複数の半導体層を含むエピタキシャル成長層としての半導体積層構造130aを形成する。なお、本実施の形態に係る半導体積層構造130aのMOVPE法によるエピタキシャル成長は、一例として、成長基板10を加熱する成長温度を650℃、成長圧力を50Torr、複数の半導体層それぞれのエピタキシャル成長速度を0.3nmから1.0nm/sec、V/III比を約200前後にして実施できる。なお、V/III比とは、TMGa、TMAl等のIII族原料のモル数を分母として、AsH、PH等のV族原料のモル数を分子とした場合の比率(商)である。
具体的には、成長基板10の上に、エッチングストップ層190と、n型コンタクト層131と、n型クラッド層133と、発光層135と、p型クラッド層137と、p型コンタクト層139とをこの順にエピタキシャル成長する。これにより、成長基板10の上に複数のエピタキシャル成長層を含む半導体積層構造130aが形成されたエピタキシャルウエハ3が得られる。
MOVPE法による半導体積層構造130aの形成をした後、MOVPE装置からエピタキシャルウエハ3を取り出す。そして、エピタキシャルウエハ3のp型コンタクト層139のp型クラッド層137と接している面の反対側の面の略全面に、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)、プラズマCVD法、真空蒸着法、又はスパッタ法等を用いて、所定の厚さの透明層140を形成する。具体的に、発光層135の発光波長λに対する透明層140を構成する材料の屈折率をnとした場合に、透明層140の厚さdがλ/(2n)以上となるように、透明層140を形成する。透明層140を形成する材料は、一例として、二酸化ケイ素である。
次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いて所定のレジストパターンを透明層140上に形成して、図4A(b)に示すように、透明層140に開口部120aを形成する。なお、開口部120aを形成する場合であって、透明層140がSiOから形成されている場合、フッ化水素酸を純水で所定の濃度に希釈したエッチャントを用いてエッチングする。これにより、開口部120aからp型コンタクト層139の表面が露出する。
次に、真空蒸着法又はスパッタ法等を用いて、レジストパターンの上及び透明層140の開口部120aに、AuZnを含む金属合金材料(一例として、95wt%のAuと5wt%のZnとからなるAuZn合金)を蒸着する。続いて、リフトオフ法を用いて、開口部120a内に蒸着された金属合金材料だけ残存させる。これにより、図4A(c)に示すように、透明層140に形成された開口部120aに金属合金材料が充填されて界面電極120が形成される。なお、界面電極120は、後の工程で透明層140と界面電極120との上に形成する反射層150との電気的接続を確実にすることを目的として、その厚さを、透明層140の厚さと同程度か、又は透明層140の厚さより10%から20%厚くして形成する。
続いて、図4B(d)に示すように、界面電極120及び透明層140の上に、真空蒸着法又はスパッタ法を用いて、反射層150(一例として、400nm厚のAu)と、バリア層160(一例として、50nm厚のPt)と、発光構造体側接合層170(一例として、500nm厚のAu)とをこの順に形成する。反射層150と、バリア層160と、発光構造体側接合層170とは真空蒸着装置又はスパッタ装置中において1回で連続して形成することができる。また、反射層150と、バリア層160と、発光構造体側接合層170とはそれぞれ、真空蒸着装置又はスパッタ装置により別々に形成することもできる。これにより、主として化合物半導体の積層構造から形成される発光構造体5が得られる。
次に、支持基板20としてのSi基板表面に、電気導電性を有するTiから主として形成されるコンタクト電極210(一例として、50nm厚のTi)と、Auから主として形成される支持基板側接合層200(一例として、500nm厚のAu)とを真空蒸着法又はスパッタ法により形成する。これにより、主として支持基板20から形成される支持構造体6が得られる。なお、支持基板20としてのSi基板として、一例として、直径が3インチであり、p型の導電性を有するSi基板を用いることができる。
続いて、図4B(e)に示すように、発光構造体5の発光構造体側接合層170の接合表面170aと、支持構造体6の支持基板側接合層200の接合表面200aとを向かい合わせて重ね、この状態を所定の冶具で保持する。そして、発光構造体5と支持構造体6とが重なり合った状態を保持している冶具をウエハ貼合せ装置内に導入する。そして、ウエハ貼合せ装置内を所定圧力(一例として、0.01Torr)にする。そして、冶具を介して互いに重なり合っている発光構造体5と支持構造体6とに所定の圧力(一例として、15kgf/cm)を均一に加える。次に、所定温度(一例として、350℃)まで所定の昇温速度で冶具を加熱する。
冶具の温度が350℃程度に達した後、冶具を当該温度で所定時間(例えば、30分間)保持する。その後、冶具を徐冷する。冶具の温度を、例えば室温まで十分に低下させる。冶具の温度が低下した後、冶具に加わっている圧力を開放する。そして、ウエハ貼合せ装置内の圧力を大気圧にして冶具を取り出す。これにより、発光構造体5と支持構造体6とが熱圧着により貼り合わされる。
なお、本実施形態に係る発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さは、一例として、それぞれ0.5μm以上2.0μm以下の範囲で形成される。この理由は以下のとおりである。
すなわち、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さが所定値以上の場合、貼り合わせ時に発光構造体側接合層170の表面と支持基板側接合層200の表面との界面に異物が存在している場合であっても、発光構造体側接合層170及び/又は支持基板側接合層200中にこの異物が取り込まれ、発光構造体側接合層170及び/又は支持基板側接合層200が、いわば、発光構造体側接合層170と支持基板側接合層200との界面の接合を維持する緩衝層として機能する。これにより、発光構造体側接合層170と支持基板側接合層200との界面に存在する異物を起因として、接合不良部としてのボイドが発生することを抑制できる。
したがって、ボイドの発生が抑制された半導体発光素子1を歩留り良く製造することを目的として、本実施の形態においては、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さを所定値以上、一例として、0.5μm以上に形成する。また、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の原料の費用の増加を防止することを目的として、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さは所定値以下に形成される。すなわち、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さが厚いほどボイド発生の抑制効果の向上が望めるものの、厚さの増加に応じて原料の費用も増加する。したがって、発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200の厚さを、半導体発光素子1を歩留り良く得られる範囲(一例として、2.0μm)以下にして発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200を形成する。
これにより、図4C(f)に示すように、発光構造体5と支持構造体6とが発光構造体側接合層170と支持構造体側接合層200との間において機械的・電気的に接合された、貼り合せウエハ7が形成される。なお、本実施形態において、発光構造体5は、バリア層160を有している。したがって、発光構造体5と支持構造体6とを接合させた場合であっても、反射層150が貼り合わせ時の圧力等により変形することを抑制できる。また、バリア層160は、貼り合わせ時の圧力・熱により発光構造体側接合層170及び支持基板側接合層200を形成する材料が反射層150に拡散することを抑制して、反射層150の反射特性が劣化することを抑制する。
次に、所定の貼り付け用ワックスで貼り合せウエハ7を所定の機械的強度を有するセラミックス等から形成された研磨用の支持板に貼りつける。そして、成長基板10の厚さが所定の厚さ、例えば約30μmになるまで成長基板10を研磨する。続いて、研磨後の貼り合せウエハ7を研磨用の支持板から取り外して、貼り合せウエハ7の支持基板20の表面に付着しているワックスを洗浄除去する。
そして、図4C(g)に示すように、研磨後の貼り合せウエハ7を、所定のエッチャントを用いてエッチングする。成長基板10がGaAs基板である場合、この所定のエッチャントは、一例として、アンモニア水と過酸化水素水とを所定の比率で混合した混合エッチャントを用いることができる。そして、貼り合せウエハ7から成長基板10を選択的に完全に除去して、エッチングストップ層190が露出した貼り合せウエハ7aを形成する。なお、成長基板10は、研磨工程を経ずに、エッチングのみによって除去することもできる。
次に、エッチングストップ層190をウエットエッチングにより除去することにより、図4D(h)に示すように、n型コンタクト層131を露出させる。エッチングストップ層190が、例えば、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pから形成されている場合、エッチングストップ層190を除去するエッチャントとしては、塩酸を用いることができる。
次に、露出したn型コンタクト層131の表面に、フォトリソグラフィー法を用いて、表面電極110を形成する。表面電極110は、一例として、n型コンタクト層131の側から、50nm厚の金ゲルマニウム合金(AuGe)、10nm厚のNi、300nm厚のAuをこの順で順次蒸着することにより形成する。そして、形成した表面電極110をマスクとして用い、表面電極110の直下を除くn型コンタクト層131を選択的にエッチングする。これにより、図4D(i)に示すように、n型クラッド層133の表面(n型クラッド層表面133a)が露出した貼り合せウエハ7cが得られる。なお、n型コンタクト層131がGaAs系の半導体層であり、n型クラッド層133がAlGaInP系の半導体層である場合、n型コンタクト層131は、一例として、硫酸と過酸化水素水と水とを所定の比率で混合した混合エッチャントにより選択的にエッチングすることができる。
次に、フォトリソグラフィー法を用いて、フォトレジストからなる直径が1μmの周期的なドットパターンを、n型クラッド層133としてのn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層の表面に形成する。なお、各ドットのピッチは2μmに設定すると共に、各ドットを正方格子状に配置する。続いて、ドット状の開口を有するフォトレジストパターンが表面に形成されたn型クラッド層133を含む貼り合せウエハ7cを、塩酸と純水とを所定の比率で混合したエッチャントにディップする(例えば、約30秒間ディップ)。
これにより、ドット状の開口を有するn型クラッド層133の粗面化処理を実施する。なお、この粗面化処理によりエッチングされる深さは、最も深い部分で約1μmである。そして、粗面化処理により、図4E(j)に示すように、半導体積層構造130の光取り出し面としての表面に乱反射を発生させる非平滑面としての乱反射発生部180が形成される。この乱反射発生部180は、算術平均面粗さが、発光層135が発する光の波長の略4分の1以上であり、光取り出し面の平均面の法線と、当該光取り出し面の表面の法線とが少なくとも1つの零でないなす角を持つ非平滑面を有する。すなわち、乱反射発生部180は、n型クラッド層133と発光層135との界面を基準面とした場合に、この基準面の法線に対して平行でない方向に向く法線を有する領域を有する。換言すると、光取り出し面は複数の領域を含んでおり、複数の領域のうち少なくとも一部分は、基準面の法線から傾いていることとなる。
続いて、フォトレジストパターンを有機溶剤による洗浄によって除去する。これにより、図4E(j)に示すように、乱反射発生部180を有する貼り合せウエハ7dが得られる。
次に、支持基板20のコンタクト電極210が形成されている面の反対側に裏面電極220を形成する。裏面電極220は、一例として、Ti(一例として、100nm厚)、Au(一例として、400nm厚)をこの順に支持基板20のコンタクト電極210が形成されている面の反対側の略全面に蒸着することにより形成する。裏面電極220は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法等により形成することができる。
そして、表面電極110及び裏面電極220を形成した後、表面電極110及び裏面電極220が形成された貼り合せウエハ7dを、アロイ装置に搬入する。アロイ装置は、電極の合金化を実施する装置であり、所定の雰囲気下、所定の温度下において、所定の時間、合金化処理を実施する装置である。本実施形態に係るアロイ装置は、例えば、重力方向に沿って上下方向に複数の独立ヒータ(上部ヒータ及び下部ヒータ)と、ウエハを搭載するグラファイト製のトレーとを備え、下部ヒータは、トレーを設置する下部プレートを有する。
本実施の形態においては、表面電極110及び裏面電極220が形成された貼り合せウエハ7dを、一例として、不活性雰囲気としての窒素ガス雰囲気中において、所定の温度で加熱すると共に当該温度で所定時間、熱処理を実施する。この場合に、表面電極110とn型コンタクト層131との間、界面電極120とp型コンタクト層139との間、コンタクト電極210と支持基板20との間、及び裏面電極220と支持基板20との間をそれぞれオーミック接合させるべく、熱処理の温度及び時間を設定する。合金化処理は、一例として、窒素雰囲気中において400℃まで昇温して、400℃下で表面電極110及び裏面電極220が形成された貼り合せウエハ7dを5分間保持することにより実施する。
次に、フォトリソグラフィー法及び真空蒸着法を用いて、貼り合せウエハ7dの表面電極110の略中央部分と一致する領域に、パッド電極100を形成する。パッド電極100は、一例として、直径が100μmの円形状を有しており、表面電極110の略中央部分の円形部分と略一致する形状を有する。また、パッド電極100は、一例として、表面電極110側からTi(一例として、50nm厚)、Au(一例として、1000nm厚)の順に形成する。
次に、表面電極110の円形部分が上面視にて略中央に配置される位置を規定して、パッド電極100を備える貼り合せウエハ7dをダイシング装置で切断することにより、複数の半導体発光素子1を形成する。これにより、図4E(k)に示すように、外部に露出していたn型クラッド層133の表面が粗面化処理されて形成される乱反射発生部180を備える半導体発光素子1が形成される。なお、パッド電極100を形成した後、貼り合せウエハ7d及び半導体発光素子1に合金化処理は施さない。
なお、貼り合せウエハ7dを複数の半導体発光素子1に分離する場合、エッチング処理、又はハーフダイスを用いたメサ分離プロセスにより、複数の素子構造に分離することもできる。そして、メサ分離プロセス後の貼り合せウエハ7dにダイシング処理を施すことにより、複数の半導体発光素子1を形成することもできる。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る半導体発光素子1によれば、光取り出し面を粗面化すると共に、発光構造体6と支持構造体5との間に設ける透明層140の厚さを制御して、透明層140に入射した光の多重反射による干渉を低減させることができる。これにより、粗面化した光取り出し面によって反射され、透明層140及び反射層150からなる反射領域に斜めに入射した光も、半導体発光素子1の外部に放射される方向に反射される確率が向上するので、半導体発光素子1の光取り出し効率を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子の断面の概略を示す。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子1は、パッド電極100側から裏面電極220に向かって電力が供給される上下面電極構造を有して形成されているが、第2の実施の形態に係る半導体発光素子1aは、化合物半導体層130のp型クラッド層137の一部を露出させ、露出した部分にp型用電極を設けることにより、いわゆる、上面2電極構造とした点を除き、第1の実施の形態に係る半導体発光素子1と略同様の構成を備える。したがって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
(半導体発光素子1aの構造)
第2の実施の形態に係る半導体発光素子1aは、発光層135を含む半導体積層構造130と、半導体積層構造130の一の表面の一部と電気的に接続するn型用電極としての第1電極112と、第1電極112の上に設けられるパッド電極100とを備える。更に、半導体発光素子1aは、半導体積層構造130の一の表面の反対側の他の表面を覆う透明層140と、透明層140の半導体積層構造130の他の面と接する面の反対側に設けられる反射層150とを備える。ここで、透明層140と反射層150とで反射領域が構成される。更に、半導体発光素子1aは、反射層150の透明層140と接する面の反対側に設けられる接続層230と、接続層230を介して反射層140と接続する支持基板20とを備える。
本実施形態に係る半導体積層構造130は、透明層140に接する位置に設けられるp型コンタクト層139と、p型コンタクト層139の透明層140と接している面の反対側の面に設けられるp型クラッド層137と、p型クラッド層137のp型コンタクト層139と接している面の反対側の面に設けられる発光層135と、発光層135のp型クラッド層137と接している面の反対側の面に設けられるn型クラッド層133と、n型クラッド層133の発光層135と接している面の反対側の面に設けられるn型コンタクト層131とを有する。なお、第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光素子においては、半導体積層構造130を、p型コンタクト層139を有さずに形成することもできる。
そして、p型クラッド層137の一部を外部に露出させ、露出したp型クラッド層137上に、p型クラッド層137とオーミック接続するp型用電極としての第2電極222が設けられる。また、n型クラッド層133は、発光層135と接している面の反対側に、発光層135が発した光の一部を乱反射する乱反射発生部180を含む光取り出し面を有する。乱反射発生部180は、第1の実施の形態に係る乱反射発生部180と略同一の機能・作用を奏するので詳細な説明は省略する。なお、接続層230は、例えば、所定厚のAuから形成される。また、接続層230は、反射層150側と支持基板20側との双方に分割して設けることができ、この場合、支持基板20の接続層230の一部と、反射層150側の接続層230の一部とを熱圧着することにより一体化して接続層230は形成される。
第2の実施の形態において、支持基板20は、必ずしも導電性を有する材料から形成することを要さない。すなわち、本実施の形態に係る支持基板20は、例えば、10Ω・cm以上の抵抗率を有する高抵抗材料、又は、一例として、ガラス基板、サファイア基板等の絶縁基板から形成することができる。なお、高抵抗材料としては、10Ω・cm以上の抵抗率を有するGaAs、Si、Ge、GaP、InP、SiC、GaN、SiO、Al、AlN、MgO、又はZnO等を用いることができる。
第2の実施の形態に係る半導体発光素子1aは要するに、支持基板20と、支持基板の一の表面の上方に設けられる接続層230と、接続層230と接合する反射領域と、反射領域の接続層230の反対側に設けられ、所定の波長の光を発する発光層135と、発光層135の反射領域の反対側において発光層135が発した光を乱反射させる光取り出し面とを含む半導体積層構造130とを備え、反射領域は、半導体積層構造130の屈折率よりも低い屈折率を有する材料からなる透明層140と金属材料からなる反射層150とを含み、透明層140は、透明層140に入射した光の多重反射による干渉が抑制される厚さを有し、更に、半導体積層構造130は、第1導電型の半導体層としてのn型クラッド層133と、第1導電型とは異なる導電型の第2導電型の半導体層としてのp型クラッド層137との間に発光層135を含んでおり、光取り出し面が設けられる側の第1導電型の半導体層の表面の一部に第1電極112を有し、第2導電型の半導体層の表面の一部に第2電極222を有するものである。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態に係る半導体発光素子1aは、第1の実施の形態と異なり、界面電極120を備えていないので、反射領域において界面電極120の占有面積率を零にすることができる。これにより、第2の実施の形態に係る半導体発光素子1aは、光取り出し効率を向上させることができる。
本発明の実施例1に係る半導体発光素子は、本発明の第1の実施の形態で説明した半導体発光素子1の製造方法により製造した。具体的に、以下の構成を備える半導体発光素子を、実施例1に係る半導体発光素子として製造した。
すなわち、実施例1に係る半導体発光素子の半導体積層構造130aは、成長基板10としてのn型GaAs基板(直径3インチ)側から、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pエッチングストップ層(Siドープ、200nm厚、キャリア濃度1×1018/cm)、n型GaAsコンタクト層(Siドープ、100nm厚、キャリア濃度1×1018/cm)、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(Siドープ、2000nm厚、キャリア濃度1×1018/cm)、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P発光層(300nm厚)、p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(Mgドープ、400nm厚、キャリア濃度1.2×1018/cm)、p型GaPコンタクト層(Mgドープ、100nm厚、キャリア濃度1×1018/cm)の順にMOVPE法により形成した。これにより、実施例1に係る複数のエピタキシャルウエハ3を製造した。
エピタキシャルウエハ3に形成する反射領域の一部としての透明層140は、SiOから形成した。ここで、実施例1においては、膜厚のそれぞれ異なる透明層140(SiO膜)を備える合計6種類の半導体発光素子を製造した。すなわち、透明層140の厚さを、220nm、330nm、440nm、550nm、660nm、及び770nmの6種類にして、6種類の半導体発光素子を製造した。これらの透明層140のそれぞれの膜厚設定は、SiOの膜厚をd、半導体発光素子の発光ピーク波長をλ(実施例1においては、630nm)、半導体発光素子の発光波長に対する透明層140の屈折率(すなわち、SiOの屈折率)をn(SiOの場合1.45)とした場合に、d=λ/(4×n)を基準として、d=2λ/(4×n)、d=3λ/(4×n)、d=4λ/(4×n)、d=5λ/(4×n)、d=6λ/(4×n)、d=7λ/(4×n)と基準の倍数にした値に設定した。
界面電極120は、6種類の半導体発光素子のそれぞれにおいて、それぞれの透明層140の厚さと同程度の厚さとした。なお、界面電極120を構成する材料としは、AuZn合金(Au:95wt%、Zn:5wt%)を用いた。そして、界面電極120(直径15μm)の配置は、実施の形態の図1Bで説明した配置とした。更に、反射領域の一部の反射層150として400nm厚のAu、バリア層160として50nm厚のPt、発光構造体側接合層170として500nm厚のAuを形成して発光構造体5を得た。一方、支持基板20としては、p型のSi基板(直径3インチ)を用い、Si基板上に50nm厚のTiと500nm厚のAuとを形成して支持構造体6を得た。
そして、発光構造体5と支持構造体6とを第1の実施の形態で説明したように熱圧着法によって貼り合せ、実施の形態で説明した製造方法を経ることにより、実施例1に係る乱反射発生部180を備える半導体発光素子を製造した。なお、裏面電極220としては、100nm厚のTiと400nm厚のAuを形成した。そして、パッド電極100としては、50nm厚のTiと1000nm厚のAuを形成した。
[比較例]
本発明の比較例に係る半導体発光素子は、透明層140の厚さを110nmにした点を除き、実施例1と同様に製造したので、詳細な説明は省略する。なお、比較例に係る半導体発光素子の透明層140の厚さは、実施例1において基準としたd=λ/(4×n)から算出した値に設定したものである。
実施例1及び比較例に係る半導体発光素子の発光の特性評価は、TO−18ステムにダイボンディング及びワイヤボンディングにより半導体発光素子を実装して、20mA通電により実施した。すなわち、実施例1及び比較例においては、いわゆるベアチップ状態において半導体発光素子の初期特性を評価した。なお、実施例1及び比較例に係る半導体発光素子共に、「粗面化処理未実施」とは、粗面化処理をして乱反射発生部180を形成する前の状態での特性を示し、「粗面化処理実施」とは、粗面化処理を施し、乱反射発生部180を形成した後の状態での特性を示す。
表1は、実施例1及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表1を参照すると、比較例に係る半導体発光素子は、20mA通電時(評価時)の特性は、粗面化処理未実施の場合、発光出力が3.95mW、順方向動作電圧が2.02Vであり、粗面化処理実施の場合、発光出力が6.68mW、順方向動作電圧が2.04Vであった。すなわち、光取り出し面を有するn型クラッド層133(n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層)の表面に乱反射発生部180を形成しない場合と、乱反射発生部180を形成した場合とを比較すると、粗面化処理工程によって乱反射発生部180を形成した場合に、発光出力が約1.7倍に向上していることが確認された。
また、表1を参照すると、透明材料としてのSiOから形成される透明層140の膜厚を厚くすることによって、粗面化処理を実施した後において、実施例1に係る半導体発光素子の発光出力の出力倍率(透明層140の厚さが110nmの場合における発光出力に対する実施例1に係る半導体発光素子の発光出力の比)が、徐々に高くなった。また、発光出力の絶対値についても、透明層140の膜厚が220nm以上となった場合、比較例(透明層140の膜厚:110nm)よりも高くすることが可能であることが示された。
このように、実施例1においては、透明層140の膜厚が増加するにつれて発光出力が比較例より向上した。これは、図3(a)において説明したように、透明層140の膜厚を厚くすると、反射領域での平均反射率が向上するので、この平均反射率の向上により半導体発光素子の発光出力の向上が引き起こされたものであることを裏付けていると考えられる。
実施例2に係る半導体発光素子は、実施例1に係る半導体発光素子とは表面電極110及び界面電極120の形状、並びに配置が異なる点を除き、実施例1に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
図6は、本発明の実施例2に係る表面電極と界面電極の配置とを示す。
図6に示すように、実施例2に係る表面電極110は、半導体発光素子の上面視における表面(以下、上部表面という)の略中央に位置する円形部分(直径φ1が100μm)と、円形部分の中央から上部表面の一の辺に沿った方向に延びる直線状の細線110a(円形部分の端部からの長さL3が70μm)と、細線110aの長手方向に対して90度で交差して互いに等間隔に設けられる細線110b、110c、及び110dとを含む。細線110b、110c、及び110dはそれぞれ、細線110aの一の端、略中央、他の端から上部表面の他の辺に沿った方向に伸びた形状を有する。
また、実施例2に係る界面電極120は、直径φ3を5μmとした。そして、実施例1と同様に、表面電極110の直下を除く領域に設けた。但し、実施例1とは異なり、表面電極110の複数の細線(細線110b、110c、及び110d)の長手方向に沿って、これらの細線からの上面視における距離が一定となる位置に、複数の界面電極120のそれぞれを設けた。すなわち、細線110bの側方から界面電極120までの上面視における距離と、細線110cの側方から界面電極120までの上面視における距離と、細線110dの側方から界面電極120までの上面視における距離とがそれぞれ一定となる位置に、複数の界面電極120を設けた。なお、各界面電極120間のピッチP2は略20μmとした。そして、実施例2に係る1つの半導体発光素子が備える界面電極120は、数十個であった。
なお、実施例2においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、表面電極110及び界面電極120の配置が実施例2と同様な、実施例2の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表2は、実施例2及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表2を参照すると、実施例1と同様に、粗面化処理を実施した後、透明層140としてのSiO膜の膜厚の増加と共に発光出力の出力倍率が徐々に増加した。この場合において、粗面化処理未実施時及び粗面化処理実施時の発光出力の絶対値が実施例1の場合よりも向上しているのは、表面電極100及び界面電極120のパターン並びに配置の違いによるものである。
ここで、発光出力の増大に大きな影響を与える要因は、界面電極120の総面積及び界面電極120の個々のサイズである。すなわち、本発明の実施例2に係る半導体発光素子においては、界面電極120の直径は5μmであり、反射率の低い領域が、界面電極120の直径が15μmである実施例1に比べて低減されているためである。なお、実施例2に係る界面電極120の直径は、半導体発光素子の動作電圧の上昇の抑制と発光出力の向上との兼ね合いから、3μmから5μmの範囲で規定する。
また、表面電極110の細線の側方から界面電極120までの上面視における距離を一定(均等)にする位置関係に、表面電極110と全ての界面電極120との位置関係を設定することにより、半導体発光素子の面内における発光を均一化することができる。これにより、電流密度がいずれかの界面電極120に集中することを抑制でき、半導体発光素子の信頼性の向上、及び大電流通電時の半導体発光素子の局所加熱を抑制できる。したがって、実施例2に係る半導体発光素子によれば、電流―発光出力特性が向上する。
このように、実施例2においても実施例1と同様に、図3(a)における計算結果と同じ傾向を示した。したがって、実施例2に係る半導体発光素子の特性結果は、実施例2に係る半導体発光素子の発光出力の向上が、透明層140の膜厚を厚くしたことによる反射領域の平均反射率の向上に起因することを裏付けているものと考えられる。
実施例3に係る半導体発光素子は、実施例2に係る半導体発光素子とは界面電極120の形状、並びに配置が異なる点を除き、実施例2に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
図7は、本発明の実施例3に係る表面電極と界面電極の配置とを示す。
実施例3に係る界面電極120は、単一の形状を有して形成される。実施例3に係る界面電極120は、櫛形状の表面電極110と上面視にてかみ合う形で、櫛形状の形状を含んで形成される。実施例3に係る界面電極120は、線幅を5μmにして形成した。なお、界面電極120と表面電極110の細線110b、110c、及び110dとの上面視における位置関係は、実施例2と同様にした。
なお、実施例3においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、表面電極110及び界面電極120の配置が実施例3と同様な、実施例3の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表3は、実施例3及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表3を参照すると、実施例1及び2と同様に、粗面化処理を実施した後、透明層140としてのSiO膜の膜厚の増加と共に発光出力の出力倍率が徐々に増加する傾向を示した。この場合において、粗面化処理未実施時及び粗面化処理実施時の発光出力の絶対値が実施例1よりも向上しているのは、表面電極100及び界面電極120のパターン並びに配置の違いによるものである。
実施例2に係る半導体発光素子と比較すると、実施例3に係る半導体発光素子の発光出力は多少低下しているものの、界面電極120の面積の増加を考慮すると、大幅には低下しなかった。これは、界面電極120の線幅が5μmであり、光取り出し面180の面積に対して、反射率の低い界面電極120と半導体積層構造130との接触領域の面積が比較的小さいためである。なお、実施例3に係る界面電極120の線幅は、半導体発光素子の動作電圧の上昇の抑制と発光出力の向上との兼ね合いから、3μmから5μmの範囲で規定する。
このように、実施例3においても実施例1及び2と同様に、図3(a)における計算結果と同じ傾向を示した。したがって、実施例3に係る半導体発光素子の特性結果は、実施例3に係る半導体発光素子の発光出力の向上が、透明層140の膜厚を厚くしたことによる反射領域の平均反射率の向上に起因することを裏付けているものと考えられる。
実施例4に係る半導体発光素子は、実施例3に係る半導体発光素子とは反射層140の材質がAgである点を除き、実施例3に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
なお、実施例4においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、表面電極110及び界面電極120の配置が実施例4と同様であり、反射層140の材質も同一の、実施例4の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表4は、実施例4及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表4を参照すると、粗面化処理を実施した後、透明層140としてのSiO膜の膜厚が220nm以上においては、220nmから440nmにかけて透明層140の膜厚が増加すると共に発光出力が徐々に増加した。また、透明層140の膜厚が330nm以上では、比較例(膜厚:110nm)の発光出力に比べて発光出力が向上した。そして、実施例4に係る半導体発光素子においても、透明層140の膜厚が220nm以上では、透明層140の膜厚の増加に伴い、粗面化後の発光出力の出力倍率が高くなり、膜厚が330nm以上では飽和傾向を示した。なお、透明層140の膜厚が330nmから770nmまでの粗面化処理後の発光出力を参照すると、発光出力の増加は飽和傾向を示していた。また、実施例3に比べて実施例4に係る発光素子の方が全体的に発光出力が大きいのは、実施例3に係るAuからなる反射層150よりも実施例4に係るAgからなる反射層140の方が高い反射率を示すからである。
実施例4に用いたAgからなる反射層150の平均反射率は、図3(a)に示すように、半導体積層構造130の表面が平滑な場合、d=λ/(4n)の場合に最も大きくなる。一方、半導体積層構造130の表面が乱反射面を有する場合、d=3λ/(4n)以上の場合に、d=λ/(4n)の場合のより高いことが分かる。そして、d=3λ/(4n)以上の場合、平均反射率は飽和傾向を示すので、透明層140の厚さはd=3λ/(4n)以上であることが好ましいことが分かる。
表4を参照すると、図3(a)に示した計算結果と同様の傾向を示すことが分かる。したがって、実施例4においては、透明層140の膜厚を増加させたことによって反射領域の平均反射率が増加して、実施例4に係る半導体発光素子の発光出力が向上したものであることが裏付けられる。
実施例5に係る半導体発光素子は、実施例3及び4に係る半導体発光素子とは反射層140の材質がCuである点を除き、実施例3及び4に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
なお、実施例5においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、表面電極110及び界面電極120の配置が実施例5と同様であり、反射層140の材質も同一の、実施例5の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表5は、実施例5及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表5を参照すると、粗面化処理を実施した後、透明層140としてのSiO膜の膜厚が220nm以上においては、透明層140の膜厚が増加するに伴い、発光出力の出力倍率も徐々に高くなる傾向が示された。また、透明層140の膜厚が330nm以上では、比較例(膜厚:110nm)の発光出力に比べて発光出力が向上した。
実施例5に用いたCuからなる反射層150の平均反射率は、図3(a)に示すように、半導体積層構造130の表面が平滑な場合、d=λ/(4n)の場合に最も大きくなる。一方、半導体積層構造130の表面が乱反射面を有する場合、d=3λ/(4n)以上の場合に、d=λ/(4n)の場合のより高いことが分かる。そして、d=3λ/(4n)以上の場合、平均反射率は飽和傾向を示すので、透明層140の厚さはd=3λ/(4n)以上であることが好ましいことが分かる。
表5を参照すると、図3(a)に示した計算結果と同様の傾向を示すことが分かる。したがって、実施例5においては、透明層140の膜厚を増加させたことによって反射領域の平均反射率が増加して、実施例5に係る半導体発光素子の発光出力が向上したものであることが裏付けられる。
実施例6に係る半導体発光素子は、実施例3に係る半導体発光素子とは反射層140の材質がAlである点を除き、実施例3に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
なお、実施例6においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、表面電極110及び界面電極120の配置が実施例6と同様であり、反射層140の材質も同一の、実施例6の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表6は、実施例6及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表6を参照すると、粗面化処理を実施した後、透明層140としてのSiO膜の膜厚が220nm以上においては、透明層140の膜厚が増加するに伴い、発光出力の出力倍率も徐々に増加する傾向が示された。また、透明層140の膜厚が330nm以上では、比較例(膜厚:110nm)の発光出力に比べて発光出力が向上した。
実施例6に用いたAlからなる反射層150の平均反射率は、図3(a)に示すように、半導体積層構造130の表面が平滑な場合、d=λ/(4n)の場合に最も大きくなる。一方、半導体積層構造130の表面が乱反射面を有する場合、d=3λ/(4n)以上の場合に、d=λ/(4n)の場合のより高いことが分かる。そして、d=3λ/(4n)以上の場合、平均反射率は飽和傾向を示すので、透明層140の厚さはd=3λ/(4n)以上であることが好ましいことが分かる。
表6を参照すると、図3(a)に示した計算結果と同様の傾向を示すことが分かる。したがって、実施例6においては、透明層140の膜厚を増加させたことによって反射領域の平均反射率が増加して、実施例6に係る半導体発光素子の発光出力が向上したものであることが裏付けられる。
実施例7に係る半導体発光素子は、実施例3に係る半導体発光素子とは乱反射発生部180を形成する際のエッチャントが異なる点を除き、実施例3に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
実施例7においては、図4E(j)において説明したように、n型クラッド層133(n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層)の表面に粗面化処理を施す際のエッチャントに純水で希釈した塩酸を用いるのではなく、等方性エッチャントとしての臭化水素酸と過酸化水素水と純水との混合エッチャントを用いた。具体的に、混合エッチャントは、臭化水素酸:過酸化水素水:純水=20:1:100となる割合で、臭化水素酸と過酸化水素水と純水とを混合して調製した。粗面化処理は、エッチング時間を2分間にして実施した。粗面化処理によりn型クラッド層133の表面がエッチングされた深さは約1μmであった。
実施例7において実施した粗面化処理により、n型クラッド層133の表面には、乱反射発生部180としての凹状の略半球形の三次元構造体としての形状が複数形成された。乱反射発生部180としてのこの凹状の略半球状の形状において、n型クラッド層133を含む半導体積層構造130内を伝搬して乱反射発生部180に到達した光は、乱反射した。なお、所定の粗面化処理により、n型クラッド層133の表面には、乱反射発生部180としての凸状の略半球形の三次元構造体としての形状を複数形成することもできる。半導体積層構造130内を伝搬してこの凸状の形状に到達した光も、乱反射することとなる。
なお、実施例7に係る粗面化処理によりn型クラッド層133の表面に形成される凹状又は凸状に形成された略半球形状の構造体は、n型クラッド層133の表面に複数個、並べられて形成される。具体的に、凹状又は凸状に形成された略半球形状の構造体は、n型クラッド層133の表面に形成されたレジストパターンの開口部分の配列に応じて、n型クラッド層33の表面に規則的な周期を持った配列として形成される。
なお、実施例7においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、実施例7と同様の粗面化処理を施した、実施例7の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表7は、実施例7及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表7を参照すると、粗面化処理を実施した後、透明層140の膜厚が増加するに伴い、発光出力の出力倍率も徐々に増加する傾向が示された。また、透明層140の膜厚が220nm以上では、比較例(膜厚:110nm)の発光出力に比べて発光出力が向上した。
表7を参照すると、図3(a)に示した計算結果と同様の傾向を示すことが分かる。したがって、実施例7においては、透明層140の膜厚を増加させたことによって反射領域の平均反射率が増加して、実施例7に係る半導体発光素子の発光出力が向上したものであることが裏付けられる。
実施例8に係る半導体発光素子は、実施例3に係る半導体発光素子とは乱反射発生部180を形成する際のエッチングの方法が異なる点を除き、実施例3に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
実施例8においては、n型クラッド層133としてのn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層を露出させた後、貼り合せウエハ7cを塩酸と酢酸との混酸エッチャントにディップした。すなわち、第1の実施の形態に係る半導体発光素子1の製造方法において説明したように、図4D(i)に示す貼り合せウエハ7cを形成した後、n型クラッド層133上にフォトレジストからなるドットパターンを形成せずに、混酸エッチャントによりn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層の表面に粗面化処理を施した。そして、粗面化処理の後、第1の実施の形態に係る半導体発光素子1の製造方法において説明したのと同様に、パッド電極100及び裏面電極220を形成した。
なお、塩酸と酢酸との混合比は、塩酸が約1に対して酢酸が約2の割合とした。また、貼り合せウエハ7cの混酸エッチャントへのディップ時間は、60秒とした。そして、この粗面化処理後のn型クラッド層133の表面を観察したところ、算術平均粗さが310nmの不規則な非平滑面が形成されていた。形成された非平滑面により、半導体積層構造130からこの非平滑面に伝搬した光は、非平滑面において乱反射した。すなわち、形成された非平滑面は、光を乱反射する乱反射面としての機能を有していた。なお、実施例8に係る粗面化処理は、n型クラッド層133の表面の形状の不規則性が半導体層内部において光学的に意味を有するように、算術平均粗さとして、発光層135が発する光の波長をn型クラッド層133の屈折率で除した値の4分の1よりも大きくすることが好ましい。
なお、実施例8においても、実施例1と同様に、透明層140の膜厚を変えて6種類の半導体発光素子を製造した。また、実施例1の比較例と同様に、透明層140の膜厚が110nmであって、実施例8と同様の粗面化処理を施した、実施例8の比較例に係る半導体発光素子も製造した。半導体発光素子の特性評価は、実施例1と同様に実施した。
表8は、実施例8及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表8を参照すると、粗面化処理を実施した後、透明層140の膜厚が増加するに伴い、発光出力の出力倍率も徐々に増加する傾向が示された。また、透明層140の膜厚が220nm以上では、比較例(膜厚:110nm)の発光出力に比べて発光出力が向上した。実施例3に係る半導体発光素子に比べて粗面化処理後の発光出力は低減しているが、これは、実施例8で用いた粗面化処理により形成された非平滑面における乱反射の方が、角度の拡散効果が小さいためである。
表8を参照すると、図3(a)に示した計算結果と同様の傾向を示すことが分かる。したがって、実施例8においては、透明層140の膜厚を増加させたことによって反射領域の平均反射率が増加して、実施例8に係る半導体発光素子の発光出力が向上したものであることが裏付けられる。
実施例9に係る半導体発光素子は、実施例3に係る半導体発光素子とは反射領域の一部としての透明層140の材質が異なる点を除き、実施例3に係る半導体発光素子と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
実施例9においては、反射領域の一部としての反射層150の材質をAu、Ag、Cu、及びAlと変化させ、それぞれについて半導体発光素子を製造した。更に、実施例9に係る半導体発光素子の透明層140は、窒化ケイ素(SiN)から形成した。ここで、実施例9においては、膜厚のそれぞれ異なる透明層140(SiN膜)を備える合計6種類の半導体発光素子を製造した。すなわち、透明層140の厚さを、160nm、240nm、320nm、400nm、480nm、及び560nmの6種類にして、6種類の半導体発光素子を製造した。なお、実施例9の比較例として、透明層140の厚さを80nmとした半導体発光素子も製造した。
ここで、実施例9に係る透明層140の膜厚は、SiNの膜厚をd、半導体発光素子の発光ピーク波長をλ(実施例9においては、630nm)、半導体発光素子の発光波長に対する透明層140の屈折率(すなわち、SiNの屈折率)をn(SiNの場合2.0)とした場合に、d=λ/(4×n)を基準として、d=2λ/(4×n)、d=3λ/(4×n)、d=4λ/(4×n)、d=5λ/(4×n)、d=6λ/(4×n)、d=7λ/(4×n)と基準の倍数にした値に設定した。なお、透明層140としてのSiN膜は、RFスパッタ法により成膜した。
表9は、実施例9及び比較例に係る半導体発光素子の特性評価結果を示す。
Figure 2009200178
表9を参照すると、反射層150の材質によらず、粗面化処理後の半導体発光素子の発光出力の出力倍率が、徐々に向上する傾向があることが示された。すなわち、表9を参照すると、図3(b)において示した計算結果と同様の傾向を示していることが分かる。したがって、実施例9においては、透明層140の膜厚を増加させたことによって反射領域の平均反射率が増加して、実施例9に係る半導体発光素子の発光出力が向上したものであることが裏付けられる。
表10及び表11は、透明層140を構成する材料の屈折率を変化させた場合の乱反射面を有する構造(θc:90°)の反射領域の平均反射率を示す。
Figure 2009200178
Figure 2009200178
表10及び表11に示す値は、式1乃至式5に基づいて算出したものである。計算に用いたパラメータは、半導体積層構造130を形成する半導体の屈折率を3.2、光の波長を630nm、反射層150を形成する金属材料をAu、Ag、Cu、Alとした。また、d=λ/(4n)の場合の値を1として、規格化した値も示す。
表10及び表11を参照すると、反射層150がAu又はCuから形成される場合であって、透明層140の屈折率が1.2から3.0の範囲である場合、及び反射層150がAg又はAlから形成される場合であって、透明層140の屈折率が1.3から3.0の場合、透明層140の膜厚dが3λ/(4n)以上の時に、d=λ/(4n)の時よりも平均反射率が向上している。
したがって、透明層140を、屈折率が1.3から3.0の範囲内の透明材料から形成して、膜厚を3λ/(4n)以上に形成することにより、半導体発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。屈折率が1.3から3.0の範囲内の透明材料としては、二酸化ケイ素及び窒化ケイ素の他に、五酸化タンタル、フッ化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、又はこれらの酸化物材料を80wt%以上の濃度で含む金属酸化物を用いることができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の断面の概要図である。 (a)は、第1の実施の形態に係る半導体発光素子の上面図であり、(b)は、第1の実施の形態に係る半導体発光素子を透明層において切断した場合の切断上面図である。 第1の実施の形態に係る界面電極の占有面積率に対する発光出力の関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る反射層を構成する材料の反射率を示す図である。 (a)は、透明層の屈折率が1.45の場合の反射領域の平均反射率の計算結果を示す図であり、(b)は、透明層の屈折率が2.0の場合の反射領域の平均反射率の計算結果を示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程の流れを示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程の流れを示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程の流れを示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程の流れを示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程の流れを示す図である。 第2の実施の形態に係る半導体発光素子の断面の概略を示す図である。 実施例2に係る表面電極と界面電極の配置とを示す図である。 実施例3に係る表面電極と界面電極の配置とを示す図である。
符号の説明
1 半導体発光素子
3 エピタキシャルウエハ
5 発光構造体
6 支持構造体
7、7a、7b、7c 貼り合せウエハ
8 処理前発光素子
10 成長基板
20 支持基板
100 パッド電極
110 表面電極
110a、110b、110c、110d 細線
111 表面電極の位置
120 界面電極
120a 開口部
130、130a 半導体積層構造
131 n型コンタクト層
133 n型クラッド層
135 発光層
137 p型クラッド層
139 p型コンタクト層
140 透明層
150 反射層
160 バリア層
170 発光構造体側接合層
170a、200a 接合表面
180 光取り出し面
190 エッチングストップ層
200 支持基板側接合層
210 コンタクト電極
220 裏面電極

Claims (10)

  1. 支持構造体と発光構造体とを備える半導体発光素子において、
    前記支持構造体は、
    支持基板と、
    前記支持基板の一の表面の上方に設けられる支持基板側接合層と
    を有し、
    前記発光構造体は、
    前記支持基板側接合層と接合する発光構造側接合層と、
    前記発光構造側接合層の前記支持基板の反対側に設けられる反射領域と、
    前記反射領域の前記発光構造側接合層の反対側に設けられ、所定の波長の光を発する発光層と、前記発光層の前記反射領域の反対側において前記光を乱反射させる光取り出し面とを含む半導体積層構造と
    を有し、
    前記反射領域は、前記半導体積層構造の屈折率よりも低い屈折率を有する材料からなる透明層と金属材料からなる反射層とを含み、
    前記透明層は、前記透明層に入射した前記光の多重反射による干渉が抑制される厚さを有する半導体発光素子。
  2. 前記透明層は、前記発光層が発する前記光の中心波長を、前記透明層の屈折率で除した値の略半分以上の厚さを有する
    請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記透明層は、約1.3から約3.0の間の屈折率を有し、前記発光層が発する前記光の中心波長を、前記屈折率で除した値の略4分の3以上の厚さを有する
    請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記透明層は、約1.2から約3.0の間の屈折率を有し、前記発光層が発する前記光の中心波長を、前記屈折率で除した値の略4分の5以上の厚さを有する
    請求項2に記載の半導体発光素子。
  5. 前記発光構造体は、前記反射層と前記半導体積層構造との間の一部分に、前記半導体積層構造の前記光取り出し面の反対側の面と前記反射層とを電気的に接続する界面電極を有し、
    前記半導体積層構造は、前記光取り出し面が設けられる側の表面の一部に表面電極を有し、
    前記支持基板は、前記支持基板側接合層が設けられる面の反対側に裏面電極を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記半導体積層構造は、第1導電型の半導体層と前記第1導電型とは異なる導電型の第2導電型の半導体層との間に前記発光層を含み、前記光取り出し面が設けられる側の前記第1導電型の半導体層の表面の一部に第1電極を有し、前記第2導電型の半導体層の表面の一部に第2電極を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記界面電極は、前記界面電極と前記半導体積層構造の前記反射層側の面とが接する部分の面積の割合が、前記半導体積層構造の前記反射層側の前記面の面積に対して、30%以下に形成される
    請求項5に記載の半導体発光素子。
  8. 前記光取り出し面は、算術平均面粗さが前記光の波長を前記光取り出し面を構成する半導体層の屈折率で除した値の略4分の1以上であり、当該光取り出し面の平均面の法線と、当該光取り出し面の表面の法線とが少なくとも1つの零でないなす角を持つ非平滑面を含む
    請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記光取り出し面は、凹状又は凸状の略半球形状を含む三次元構造体を複数有する
    請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記反射層は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)、若しくは金、銀、銅、及びアルミニウムよりなる群から選択された金属を少なくとも1つ含む合金からなる
    請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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