JP2009200533A - 高調波レーザ光発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高調波レーザ光発生装置において一般的なダイクロイックミラー(あるいはスプリッタ)に代わる、耐光損傷性能の高い波長分離素子を提供する。
【解決手段】
本発明の高調波レーザ光発生装置は、波長分離素子として石英ガラスからなる透過型回折格子を用いる。石英材料は光吸収が極めて小さいため波長分離素子の光損傷を小さくできるので、耐光損傷性が高くなりその結果高パワーの高調波レーザ光発生装置を得ることができる。
【選択図】図1
高調波レーザ光発生装置において一般的なダイクロイックミラー(あるいはスプリッタ)に代わる、耐光損傷性能の高い波長分離素子を提供する。
【解決手段】
本発明の高調波レーザ光発生装置は、波長分離素子として石英ガラスからなる透過型回折格子を用いる。石英材料は光吸収が極めて小さいため波長分離素子の光損傷を小さくできるので、耐光損傷性が高くなりその結果高パワーの高調波レーザ光発生装置を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、第2高調波あるいは3次以上の高調波を分離する波長分離素子として石英ガラスからなる透過型回折格子を使用した高調波レーザ光発生装置に関するものである。
近年、加工用を中心に、Nd:YAG等の結晶を用いたレーザが各種販売されている。工業的によく用いられるのは、光を断続的に出力する、いわゆるパルスレーザである。加工対象とされる材料は、無機材料(金属、半導体、セラミックス、ガラス等の)からプラスチック等の有機系材料まで多岐にわたり、またその用途も、マーキングや切断、穴あけ、融着等の、さまざまなものに使用されている。材料加工の分野の他にも、医療、計測、通信、光記録、エンタテインメント、検査、センシング等の、さまざまな分野でレーザが使用されている。
このようにさまざまな材料、用途にレーザ光を使用する場合、対象とする材料や加工方法に合わせてレーザ光の波長を調整したい場合がある。たとえば、透明度の高いガラス材料を加工する場合、光透過率が高い可視域や近赤外域の波長ではなく、吸収が大きい紫外や遠赤外の波長のレーザ光を用いる方が良好な加工性を得られる傾向にある。
その他にも、ガスセンサ用途のように検知したいガスの吸収線とレーザ光の波長を合わせる等の、レーザ光の波長を調整する必要があるアプリケーションが多くある。
レーザ光の波長を変換するには、非線形結晶を用いて第2高調波を発生させたり、その第2高調波と基本波(元のレーザ光の波長)との和周波を発生させることによって第3高調波を発生させたり、あるいは第2高調波のさらに第2高調波すなわち第4高調波を発生させる等の方法があり、それらを用いて高調波レーザ光を発生させる高調波レーザ光装置が開発、販売されている。それらの高調波は、レーザ共振器の内部で発生させる場合とレーザ共振器の外部で発生させる場合がある。
このようにさまざまな材料、用途にレーザ光を使用する場合、対象とする材料や加工方法に合わせてレーザ光の波長を調整したい場合がある。たとえば、透明度の高いガラス材料を加工する場合、光透過率が高い可視域や近赤外域の波長ではなく、吸収が大きい紫外や遠赤外の波長のレーザ光を用いる方が良好な加工性を得られる傾向にある。
その他にも、ガスセンサ用途のように検知したいガスの吸収線とレーザ光の波長を合わせる等の、レーザ光の波長を調整する必要があるアプリケーションが多くある。
レーザ光の波長を変換するには、非線形結晶を用いて第2高調波を発生させたり、その第2高調波と基本波(元のレーザ光の波長)との和周波を発生させることによって第3高調波を発生させたり、あるいは第2高調波のさらに第2高調波すなわち第4高調波を発生させる等の方法があり、それらを用いて高調波レーザ光を発生させる高調波レーザ光装置が開発、販売されている。それらの高調波は、レーザ共振器の内部で発生させる場合とレーザ共振器の外部で発生させる場合がある。
前記のように、高調波レーザ光装置においては、高調波レーザ光を得る方法として基本波を非線形結晶に入射させて高調波に変換することが一般的である。しかし非線形結晶の変換効率は100%ではないため、出力光には基本波と第2高調波等の波長が異なる複数の光が混在しているので、その混在した光から所定の波長の光のみを分離することが必要になる。一般的には、ダイクロイックミラー(あるいはスプリッタ)が使用され、たとえば、基本波を透過し、高調波を反射するようなダイクロイックミラーに波長変換素子を通過した光(基本波と高調波の混在波)を入射させると、それらの光を分離して高調波レーザ光のみを装置外に取り出すことができる。
しかし、ダイクロイックミラー(あるいはスプリッタ)を用いて高調波を分離する高調波レーザ光装置には、以下のような問題点がある。ダイクロイックミラーは誘電体多層膜からなる反射膜を用いているため、レーザ光の出力が増加するとその誘電体材料の光吸収により損傷を受けることがある。そのためダイクロイックミラー(あるいはスプリッタ)を用いる方法は、比較的低パワーのレーザでは問題なく使用できるが、レーザ光の強度が大きくなると、使用できなくなる。
近年、工業用レーザの出力は、増加の一途をたどっているが、レーザ光発生装置の内部に耐光性の低い部品があると、それが装置全体の出力の上限を決めることになり、それ以上の出力増加が望めなくなる。
また、ダイクロイックミラーを用いて例えばバンドパス特性のような特性を実現しようとする場合、誘電体多層膜の干渉効果を利用することから、誘電体材料によるレーザ光の吸収が見かけ上より大きくなり、分離効率が低下すると同時に、損傷をを受け始めるレーザ光強度(しきい値)も低下する。
すなわち、現在一般的に使用されている、ダイクロイックミラーによってレーザ光を波長分離する方法は、レーザ光の出力が高くなると使用が難しく、高パワーの条件下で使用するには膜構成を変更し、分離性能を下げなければならなくなるという問題がある。
近年、工業用レーザの出力は、増加の一途をたどっているが、レーザ光発生装置の内部に耐光性の低い部品があると、それが装置全体の出力の上限を決めることになり、それ以上の出力増加が望めなくなる。
また、ダイクロイックミラーを用いて例えばバンドパス特性のような特性を実現しようとする場合、誘電体多層膜の干渉効果を利用することから、誘電体材料によるレーザ光の吸収が見かけ上より大きくなり、分離効率が低下すると同時に、損傷をを受け始めるレーザ光強度(しきい値)も低下する。
すなわち、現在一般的に使用されている、ダイクロイックミラーによってレーザ光を波長分離する方法は、レーザ光の出力が高くなると使用が難しく、高パワーの条件下で使用するには膜構成を変更し、分離性能を下げなければならなくなるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、高パワーの高調波レーザ光発生装置において、一般的なダイクロイックミラー(あるいはスプリッタ)に代わる耐光損傷性能の高い波長分離素子を提供することである。
本発明の高調波レーザ光発生装置は、波長分離素子として石英ガラスからなる透過型回折格子を用いることを最も主要な特徴とする。
本発明の高調波レーザ光発生装置は、波長分離素子として石英ガラスからなる透過型回折格子を用いるため、石英材料の光吸収が極めて小さいことから波長分離素子の光損傷を小さくできるので、耐光損傷性が高くなりその結果高パワーの高調波レーザ光発生装置を容易に得られるという利点がある。
本発明においては、波長変換素子を通過した基本波、第2高調波および3次以上の高調波が混在する光から目的の波長を有する高調波のみを分離するために、石英ガラスからなる透過型回折格子を波長分離素子として用いることにより、高い光分離性能を損なわずに、高パワーの高調波レーザ光を発生できる高調波レーザ光発生装置を実現した。
波長分離素子である石英ガラスからなる透過型回折格子は、目的の波長を有する高調波レーザ光のみを±m次(mは1以上の整数)の回折光として入射光の光軸に対して所定の出射角度で透過し、その他の波長成分は0次の回折光として前記入射光の光軸に平行に透過させる。すなわち、所定の入射角度において、目的の高調波レーザ光は取り出される±m次の回折光以外はその光強度が極めて小さく、その他の波長成分は0次の回折光以外はその光強度が極めて小さく無視できるように前記石英ガラスからなる透過型回折格子を設計する。
本発明の石英ガラスからなる透過型回折格子は、レーザー光の吸収が小さい無反射コーティングを施されてもよい。以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明する。
図1は、本実施例1にかかる石英ガラスからなる透過型回折格子が、Nd:YAGレーザ光の基本波(波長1064nm)、第2高調波(波長532nm)、第3高調波(波長355nm)の混合波から第3高調波を波長分離することの説明図である。
本実施例における波長分離素子は、石英ガラスからなり、Nd:YAGレーザ光(波長1064nm)を波長変換素子に入射して得られた基本波(波長1064nm)、第2高調波(波長532nm)および第3高調波(波長355nm)の混合波について、基本波および第2高調波の±m次(mは1以上の整数)の回折光の光強度が極めて小さく、かつ第3高調波の−1次の回折光以外の光強度が極めて小さくなるようにピッチ、リッジ上部幅、リッジ下部幅およびリッジ高さが設計されている。本実施例のこれら寸法は、図2に示すとおりであり、リッジのピッチが355nm、リッジ上部幅が120nm、リッジ下部幅が200nmおよびリッジ高さが760nmである。
本実施例の回折格子は、以下の方法により作成した。はじめに石英基板上にスパッタ成膜法によりCr金属膜を成膜し、さらにその上にスピンコート法によってレジスト膜を形成する。次に電子線描画装置を用いてピッチ355nmの周期で露光を行い、その後現像して、金属膜上に周期的に並んだレジストパターンを得る。このレジストパターンをマスクとして、その下部のCr金属膜をドライエッチング装置を用いてエッチング加工し、さらにそのCr金属膜をマスクとして、同じくドライエッチング装置を用いて石英基板をエッチング加工する。ドライエッチング用の作動ガスは、加工対象の基材により異なり、また、エッチング後の形状は、金属マスクの形状だけでなく、エッチング条件にも大きく依存する。本発明の回折格子作製においては、最終的な形状が設計形状となるよう、適宜エッチングガスやエッチング条件を変更して行った。最後に石英基板上に残ったCr金属膜マスクをCrのみを溶解するエッチャントにより除去し、本実施例の石英ガラスからなる透過型回折格子を得た。
Nd:YAGレーザ光を波長変換素子(KDP結晶、Potassium Dihydrogen
Phosphate)に照射して得られた基本波、第2高調波および第3高調波の混合波を、その光軸に30°傾斜して配置した本実施例の回折格子に入射させたところ、図1に示すように基本波、第2高調波と第3高調波が分離した。回折格子を透過した光について、0次、−1次の回折光の回折角度(入射光光軸の方向を0°とした)は表1の通りであり、基本波、第2高調波は入射光光軸に平行に直進し、第3高調波は−1次の回折光として入射光の光軸から60°の方向に射出した。すなわち、第3高調波の光のみを分離することが認められた。なお、本実施例においては、基本波は−1次の回折光を生じない。
Phosphate)に照射して得られた基本波、第2高調波および第3高調波の混合波を、その光軸に30°傾斜して配置した本実施例の回折格子に入射させたところ、図1に示すように基本波、第2高調波と第3高調波が分離した。回折格子を透過した光について、0次、−1次の回折光の回折角度(入射光光軸の方向を0°とした)は表1の通りであり、基本波、第2高調波は入射光光軸に平行に直進し、第3高調波は−1次の回折光として入射光の光軸から60°の方向に射出した。すなわち、第3高調波の光のみを分離することが認められた。なお、本実施例においては、基本波は−1次の回折光を生じない。
各波長における回折効率は以下の方法によって求めた。波長変換を行うと、波長変換結晶の特性により、偏光方向が異なる高調波が出射される。KDP結晶を用いて波長変換すると、基本波と第3高調波がP偏光(光の電場ベクトルが回折格子の入射平面に平行)、第2高調波がS偏光(光の電場ベクトルと回折格子の入射平面が垂直)になる。これらの波長の光が混在したレーザ光から、それぞれの波長の光をダイクロイックミラーにより分離し、光パワーメータを用いてその光強度を測定する。このようにして回折格子通過前、通過後それぞれの波長の光の光強度を測定し、それぞれの比を計算して各回折光の回折効率を求めた。
表1のとおり、基本波は回折されずに(0次回折光)直進し、第2高調波の−1次回折光は回折角度が大きく異なりさらに回折効率も小さく無視できるので、第3高調波が−1次回折光として波長分離されている。以上の通り、本実施例の回折格子を前記の配置で用いれば、第3高調波が−1次の回折光として分離されることが確認された。
本発明の高調波レーザ光発生装置により、高パワーの高調波レーザ光を発生する装置を得ることができ、レーザ加工等の用途に供することができる。
11 石英ガラスからなる透過型回折格子
12 入射光
13 第3高調波の−1次回折光
14 基本波の0次回折光
15 第2高調波の0次回折光
16 第2高調波の−1次回折光
21 石英ガラスからなる透過型回折格子
22 リッジ
23 リッジのピッチ
24 リッジの上部幅
25 リッジの下部幅
26 リッジの高さ
12 入射光
13 第3高調波の−1次回折光
14 基本波の0次回折光
15 第2高調波の0次回折光
16 第2高調波の−1次回折光
21 石英ガラスからなる透過型回折格子
22 リッジ
23 リッジのピッチ
24 リッジの上部幅
25 リッジの下部幅
26 リッジの高さ
Claims (3)
- 石英ガラスからなる透過型回折格子を波長分離素子として用いることを特徴とする高調波レーザ光発生装置。
- 前記石英ガラスからなる透過型回折格子によって第n高調波光(nは2以上の整数)が波長分離されることを特徴とする、請求項1に記載の高調波レーザ光発生装置。
- 前記石英ガラスからなる透過型回折格子によって波長分離される高調波光が、前記石英ガラスからなる透過型回折格子から−m次(mは1以上の整数)の回折光として射出することを特徴とする、請求項1ないし請求項2に記載の高調波レーザ光発生装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009140805A JP2009200533A (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | 高調波レーザ光発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009140805A JP2009200533A (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | 高調波レーザ光発生装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2009200533A true JP2009200533A (ja) | 2009-09-03 |
Family
ID=41143626
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2009140805A Pending JP2009200533A (ja) | 2009-06-12 | 2009-06-12 | 高調波レーザ光発生装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2009200533A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP4006641A1 (en) * | 2020-11-30 | 2022-06-01 | Stichting Nederlandse Wetenschappelijk Onderzoek Instituten | Metrology apparatus based on high harmonic generation and associated method |
| US12411421B2 (en) | 2020-11-30 | 2025-09-09 | Asml Netherlands B.V. | Metrology apparatus based on high harmonic generation and associated method |
-
2009
- 2009-06-12 JP JP2009140805A patent/JP2009200533A/ja active Pending
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