JP2009201621A - ミシン及びミシン制御プログラム - Google Patents

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Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
Shoichi Taguchi
彰一 田口
Masayuki Iwata
将之 岩田
Kei Kawase
啓 川瀬
Yoshio Sugiura
好生 杉浦
Motoshi Kishi
素志 岸
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Abstract

【課題】簡易な方法で縫製条件を設定することが可能であるとともに、縫製条件の変更設定を縫製途中で行う必要がなく、縫製後の後処理が不要なミシン、及びミシン制御プログラムを提供する。
【解決手段】縫製模様に対応した待ち針501〜504を使用し、加工布60を固定する。ミシンは、待ち針501〜504の頭部511〜514をイメージセンサで撮影し、画像処理によりその形状を認識し、形状に応じた縫製模様を特定して縫製処理を実行する。このことにより、「星」形状の頭部511を認識した場合はまつり縫いが実行され、「三角」形状の頭部512を認識した場合はジグザグ縫いが実行され、「丸」形状の頭部513を認識した場合は直線縫いが実行され、「×字」形状の頭部514を認識した場合に、縫製処理を停止させる。
【選択図】図10

Description

本発明はミシン及びミシン制御プログラムに関する。そしてより詳細には、加工布上に配置された標識に基づいて縫製を実行するミシン、及びミシン制御プログラムに関する。
従来から、ミシンを用いて縫製対象である加工布を縫製する場合には、加工布にチャコペン、仕付け糸、待ち針等で縫製する箇所に印を付け、この印に従って縫製を行うことが一般的に行われている。この場合、縫製者は、加工布につけられた印を目安にして加工布を移動させながら、適宜、縫製条件(縫製速度や縫い方等)を自分で変更しつつ縫製を行う必要があるため、複雑な模様を縫製するためには、操作を習熟することが必要となる。
このような中、加工布上に描かれた基線を撮像し、その基線幅や基線色を検知して対応するステッチ幅と糸色を特定することにより、基線に沿った種々の縫目模様の縫製を自動的に行うことが可能なミシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−289653号公報
しかしながら、特許文献1に記載のミシンでは、縫製が行われた後、加工布上に描かれた基線を消去する必要があるという問題点があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な方法で縫製条件を設定することが可能であるとともに、縫製条件の変更設定を縫製途中で行う必要がなく、縫製後の後処理が不要なミシン、及びミシン制御プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のミシンは、縫針が装着された針棒と、当該針棒を上下方向に駆動させる針棒機構をミシン主軸を介して駆動するミシンモータとから構成される縫製手段により、加工布上に縫製を行うミシンであって、縫製条件を特定するために前記加工布上に配置された標識を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段により撮像された結果得られる像の形態的特徴を判別する判別手段と、前記形態的特徴と、縫製条件に関する情報である縫製条件情報とを対応付けて記憶する縫製条件記憶手段と、前記判別手段により判別された前記形態的特徴に対応する縫製条件情報を、前記縫製条件記憶手段から読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段によって読み出された前記縫製条件情報に基づいて縫製条件を特定し、前記縫製手段を制御して縫製を行う制御手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明のミシンは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記判別手段は、前記形態的特徴として、前記標識の形状、色彩、及び密集度のうち少なくとも1つを判別することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のミシンは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記針棒を布送り方向に対して左右方向に揺動させる針振り機構を駆動する針振り用モータと、ミシンベッド上の前記加工布を所定の送り量で移送する布送り機構の送り量を調整する送り量調整用モータとをさらに備え、前記縫製条件情報は、前記ミシン主軸の回転速度に関するデータである縫製速度データ、前記針振り機構による前記縫針の左右方向の移動量に関するデータである針振り量データ、及び前記布送り機構による前記加工布の送り量に関するデータである送り量データのうち少なくとも1つを含み、前記制御手段は、前記ミシンモータ、前記針振り用モータ、及び前記送り量調整用モータのうち少なくとも1つを制御することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のミシンは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記標識は、頭部と針部とを有する待ち針であることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のミシンは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記標識は、一方の面に粘着層を有したラベル上のシールであることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のミシン制御プログラムは、請求項1乃至5のいずれかに記載のミシンの各種処理手段としてコンピュータを機能させる。
請求項1に係る発明のミシンでは、予め加工布に配置された標識に基づいて縫製条件が特定され、縫製が実行される。従って、作業中に縫製作業を中断して縫製条件を設定する操作が不要となるため、縫製操作に慣れていない初心者等であっても、縫製条件が複雑に組み合わされた模様を縫製することが可能となる。
また、請求項2に係る発明のミシンでは、標識の形状、色彩、及び、密集度の少なくとも1つの形態的特徴が、あらかじめ縫製条件に対応付けられている。従って、請求項1に記載の発明の効果に加えて、標識が加工布に配置されている状態で、縫製条件を視覚的に認識し易くなるため、縫製操作に慣れていない初心者であっても、容易に複雑な模様の縫製を行うことが可能となる。
また、請求項3に係る発明のミシンでは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、所望の位置に標識を配置しておくだけで、縫製速度、針振り量、及び布送り量といった各縫製条件を容易に設定することが可能となるため、初心者でも容易に複雑な模様の縫製を行うことが可能となる。
また、請求項4に係る発明のミシンでは、標識が待ち針により構成されているため、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、縫製時に加工布を止めるために使用される待ち針を、縫製条件を特定するための標識としても使用することができる。このことによって、別途標識を配置する手間を省くことが可能となる。また、加工布への縫製が行われた後、配置されている標識を容易に取り除くことが可能となる。
また、請求項5に係る発明のミシンでは、標識がラベル上のシートにより構成されているため、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、加工布への縫製が行われた後、貼付されている標識を容易に取り除くことが可能となる。
また、請求項6に係る発明のミシン制御プログラムでは、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、ミシンの各種処理手段としてコンピュータを機能させることが可能となる。
<第一の実施の形態>
以下、本発明を具体化したミシン1の第一の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係るミシン1の物理的構成について説明する。図1は、ミシン1の斜視図であり、図2は、アーム部4の先端部であるアーム頭部4aの拡大図である。図1に示すように、ミシン1は、ベッド部2と、ベッド部2の右端部分にベッド部2から垂直方向に立設された脚柱部3と、脚柱部3の上端部から左方向へベッド部2に対向して延びるアーム部4と、アーム部4の先端部であるアーム頭部4aとを構成の主体とする。なお、ミシン1を操作するオペレータ(縫製者)が位置する側を前方とし、その反対側を後方とする。また、脚柱部3が位置する側を右方とし、その反対側を左方とする。
ベッド部2には、針板11と、開閉可能な針板蓋12とが設けられている。針板11には後述の送り歯(図示外)が出没可能な角穴34が形成されている。また、針板11の下部には、下糸用ボビン(図示外)を収容する釜機構(図示外)が設けられ、針板蓋12を外した状態で、下糸用ボビンの着脱が可能となるよう構成されている。また、針板11の下部には、縫製対象である加工布を所定の送り量で移送するための送り歯(図示外)と、この送り歯を駆動する布送り機構(図示外)と、送り量を調整する送り量調整用モータ76(図3参照)とが設けられている。また、脚柱部3の下方にはミシンモータ77(図3参照)が設けられており、ミシンモータ77の駆動力が、駆動ベルト(図示外)を介してアーム部4内を左右方向へ伸びるミシン主軸(図示外)に伝達される。また、ミシンモータ77の駆動力は、ミシン主軸の途中部に設けられた伝達機構(図示外)により、ベッド部2内を左右方向に伸びる下軸(図示外)にも伝達されるようになっている。このような構成により、後述の針棒8や天秤機構(図示外)、釜機構(図示外)、布送り機構等が同期駆動される。
図1に示すように、脚柱部3には、縦長の液晶ディスプレイ10が設けられており、模様の設定や編集等、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名や、各種のメッセージ等が表示される。この液晶ディスプレイ10の前面にはタッチパネル111(図3参照)が備えられており、液晶ディスプレイ10に表示された項目を指や専用のペンで選択すると、タッチパネル111によりどの項目が選択されたかが感知される。これにより、液晶ディスプレイ10を介して種々の指示を入力することができる。また、脚柱部3の右側面には、コネクタ108(図3参照)が設けられている。このコネクタ108を介して、各種データや、各種プログラムをミシン1内部に取り込んだり、ミシン1外部に出力したりすることが可能である。
アーム部4の上部には、アーム部4の左右全長にわたって開閉カバー6が取り付けられている。この開閉カバー6は、アーム部4の左右方向の軸回りに開閉するよう、アーム部4の上側背面部に枢支されている。図1に示すように開閉カバー6を開くと、アーム部4の上面中央部近傍には、上糸が巻回された糸駒21を収容する凹部である糸駒収容部15が設けられており、糸駒収容部15の右側面から、糸駒21を支持するための糸立棒17がアーム部4に平行に設けられている。また、アーム頭部4aの下部には、縫針16(図2参照)が装着された針棒8が配設されている。そして、アーム頭部4a内には、縫針16が装着された針棒8を上下方向に駆動させる針棒機構(図示外)と、この針棒8を左右方向に揺動させる針振り用モータ78(図3参照)と、天秤機構(図示外)とが設けられている。さらに、針棒8の後方には、加工布を押える押え足13(図2参照)を下端に備えた押え棒14(図2参照)が設けられている。また、アーム部4には、糸駒21から引き出される上糸を、糸調子機構、糸取りバネ、および天秤(いずれも図示外)等を経由して、最終的に縫針16まで案内する糸案内溝7が設けられている。さらに、アーム部4の前面には、縫製動作の開始および停止を指示するための縫製開始・停止スイッチ91、返し縫いを指示する返し縫いスイッチ92、縫針16の位置を上下に切り換える針上下スイッチ93、縫製速度を設定する速度調整摘み94等、各種の縫製動作を指示するための複数の操作キー9が設けられている。
また、図2に示すように、アーム頭部4aにおける、針棒8の前方で且つ正面視にて針棒8のやや右方には、イメージセンサ30が、押え足13に形成された針落ち穴13aを含むその近傍の位置を撮影できるように取り付けられている。なお、針落ち穴13aは、縫針16が挿通可能な穴である。イメージセンサ30は、CMOSセンサ及び制御回路を備えており、CMOSセンサで画像を撮影する。本実施の形態では、図2に示すように、ミシン1の図示しないフレームに支持フレーム31が取り付けられており、その支持フレーム31にイメージセンサ30が固定されている。
次に、図3を参照して、ミシン1の電気的構成について説明する。図3は、ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、ミシン1の制御系は、制御部100を核としている。制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、EEPROM104、外部アクセスRAM105、入力インターフェース(I/F)106、および出力I/F107から構成され、これらはバス110により相互に接続されている。そして、入力I/F106には、前述の縫製開始・停止スイッチ91、返し縫いスイッチ92、針上下スイッチ93、速度調整摘み94(いずれも図1参照)、タッチパネル111、およびイメージセンサ30(図2参照)がそれぞれ接続されている。また、出力I/F107には、送り歯による加工布の送り量を調整するための送り量調整用モータ76と、ミシンモータ77と、針棒8(図1参照)を左右方向に駆動する針振り用モータ78と、液晶ディスプレイ10(図1参照)とをそれぞれ駆動する駆動回路71、駆動回路72、駆動回路73、駆動回路74が接続されている。また、外部アクセスRAM105にはコネクタ108が接続されており、コネクタ108を介して、外部アクセスRAM105に記憶された情報をミシン1の外部に出力することができる。
制御部100のCPU101は、ミシン1の主制御を司り、読み出し専用の記憶素子であるROM102の制御プログラム記憶領域201(図4参照)に記憶された各種のプログラムに従って、演算及び処理を実行するものである。また、RAM103は、任意に読み書き可能な記憶素子であり、各種のデータを一時的に記憶する記憶領域が設けられている。
次に、図4を参照して、ROM102に設けられている記憶領域について説明する。図4は、ROM102に設けられている記憶領域を示す模式図である。図4に示すように、ROM102には、制御プログラム記憶領域201、初期設定情報記憶領域202、縫製条件記憶領域203、可能縫製条件記憶領域204、及びその他の記憶領域が設けられている。
これらの領域のうち、制御プログラム記憶領域201には、CPU101(図3参照)が待ち針50の頭部51(図6参照、後述)の形態的特徴認識処理や縫製制御処理(図8、及び図9参照)を実行するために必要な制御プログラムが記憶されている。また、初期設定情報記憶領域202には、CPU101の電源投入時やリセット発生時において読み出される初期設定情報が記憶されており、例えば縫製条件情報(後述)の初期値等が記憶されている。また、縫製条件記憶領域203には、縫製条件に関する情報である縫製条件情報が、認識された頭部51の形態的特徴のそれぞれに対応され記憶されている。縫製条件には、縫製模様、針振り量、布送り量、及び縫製速度が含まれている(図5参照、後述)。CPU101は、縫製条件記憶領域203に記憶されている複数の縫製条件情報のうちいずれかを選択して読み出し、RAM103の駆動縫製条件記憶領域(図示外、後述)に記憶する。そして、記憶した縫製条件情報に基づいて駆動回路71〜73(図3参照)を制御し、送り量調整用モータ76(図3参照)、ミシンモータ77(図3参照)、及び針振り用モータ78(図3参照)を駆動させている。
次に、RAM103に設けられている記憶領域について説明する。RAM103には、図示しないが、駆動縫製条件記憶領域、及びその他の記憶領域が設けられている。駆動縫製条件記憶領域には、実行中の縫製処理の縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)が記憶される。CPU101(図3参照)は、駆動縫製条件記憶領域に記憶されている縫製条件情報のうち針振り量を参照し、針振り量に応じた針振り用モータ78(図3参照)の駆動量を算出する。そして、算出した駆動量に基づいて駆動回路73(図3参照)を制御している。また、記憶されている縫製条件情報のうち布送り量を参照し、布送り機構による送り歯の布送り量が記憶された布送り量となるような送り量調整用モータ76(図3参照)の駆動量を算出する。そして、算出した駆動量に基づいて駆動回路71を制御している。また、縫製条件情報のうち縫製速度に基づいて、ミシン主軸の回転速度がこの縫製速度になるようなミシンモータ77の回転速度を算出する。そして、算出した回転速度となるように駆動回路72を制御している。
次いで、ROM102の縫製条件記憶領域203に記憶されている縫製条件情報の詳細について、図5を参照して説明する。図5は、ROM102の縫製条件記憶領域203を示す模式図である。なお、第一の実施の形態においては、待ち針50の頭部51(図6参照)の形態的特徴として頭部51の平面視形状を認識することによって、縫製条件を特定している。縫製条件記憶領域203には、縫製を実行する場合に必要となる縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)が、頭部51の平面視形状毎に記憶されている。具体的には、図5に示すように、縫製条件として、縫製模様301、針振り量302、布送り量303、及び縫製速度304が記憶されており、これらの縫製条件が、待ち針50の頭部51の平面視形状別に記憶されている。
例えば、図5に示す例では、待ち針50の頭部51(図6参照)の平面視形状が「丸」である場合における縫製模様301は「直線」、針振り量302は「0mm」、布送り量303は「2.5mm」、縫製速度304は「低速(70rpm)」と記憶されている。また、頭部51の平面視形状が「ハート」である場合における縫製模様301は「直線」、針振り量302は「0mm」、布送り量303は「2.5mm」、縫製速度304は「高速(750rpm)」と記憶されている。また、頭部51の平面視形状が「三角」である場合における縫製模様301は「ジグザグ」、針振り量302は「2.0mm」、布送り量303は「1.4mm」、縫製速度304は「中速(410rpm)」と記憶されている。また、頭部51の平面視形状が「四角」である場合における縫製模様301は「ジグザグ」、針振り量302は「3.5mm」、布送り量303は「1.4mm」、縫製速度304は「高速(750rpm)」と記憶されている。また、頭部51の平面視形状が「星」である場合における縫製模様301は「まつり縫い」、針振り量302は「0mm」、布送り量303は「2.0mm」、縫製速度304は「低速(70rpm)」と記憶されている。また、頭部51の平面視形状が「×字」である場合には、縫製制御処理を停止させるために、縫製模様に「停止」が記憶されている。第一の実施の形態におけるミシン1(図1参照)のCPU101(図3参照)は、加工布上に突き刺された待ち針50の頭部51をイメージセンサ30(図2参照)により撮影し、その形状を認識する。そして、認識した形状に対応する縫製条件を縫製条件記憶領域203を参照することによって特定している。
次に、図6を参照して、本実施の形態において使用される待ち針50の一例について説明する。図6は、待ち針50の物理的構成を示した平面図である。図6に示すように、待ち針50は、頭部51と、頭部51に接続された先端が尖った針部52とから構成されている。針部52は加工布に突き刺して止めるための部位である。頭部51は、プラスチック等で形成された板状部であり、針部52における尖端と反対側の端部に接続されている。図6に示す例においては、頭部51の平面視形状が「丸」である待ち針50が示されている。第一の実施の形態態においては、頭部51の平面視形状が異なる複数の待ち針50が加工布に突き刺され加工布に固定される。
次に、図7を参照して、加工布60に固定された待ち針501〜504の様子について説明する。図7は、待ち針501〜504が固定されている状態でミシン1にセットされた加工布60の様子を示した図である。なお、オペレータが想定している縫製箇所を図中一点鎖線61にて示している。
図7においては、オペレータが、加工布60の右端に沿った直線状の一点鎖線61に沿って後方から前方に向けて縫製を行いたい場合(加工布60は、前方から後方に移送される)を想定している。このような場合、待ち針501〜504は、一点鎖線61に対して針部521〜524が直交し、加工布60の右端側から左方に針部521〜524の先端を向けた状態で加工布60に突き刺され固定される。そして、一点鎖線61の右側に待ち針501〜504の頭部511〜514が配置される。このように待ち針501〜504を配置することにより、イメージセンサ30(図2参照)の撮像領域内の押え足13の右方を、待ち針501〜504の頭部511〜514が、送り歯で加工布60が移送されるのに伴い、順次移動する。このようにミシン1(図1参照)が待ち針501〜504の頭部511〜514を撮影しながらその形状を認識し、縫製を行う。
例えば、図7に示す例においては、後方から前方にむけて順番に合計4本の待ち針501〜504が加工布60に突き刺され固定されている。このようにして、待ち針501〜504の針部521〜524によって加工布60が固定されるとともに、所定の縫い方で縫い始める位置や縫い終わる位置が特定される。具体的には、上方から「星」形状の待ち針501、「三角」形状の待ち針502、「丸」形状の待ち針503、「×字」形状の待ち針504の順に配置されている。
次いで、図8及び図9を参照して、ミシン1が備えるCPU101(図3参照)にて実行される縫製制御処理のフローチャートについて説明する。図8は、待ち針50の頭部51(図6参照)の形態的特徴に基づいて縫製を行う縫製制御処理のメインフローチャートであり、図9は、待ち針50の頭部51の形態的特徴に基づいて縫製条件を特定する縫製条件特定処理のサブルーティンフローチャートである。なお、図8および図9に示す処理を実行させるプログラムはROM102の制御プログラム記憶領域201(図4参照)に記憶されており、CPU101が実行する。
はじめに、図8を参照して、縫製制御処理のメインフローチャートについて説明する。図8のメインフローチャートは、オペレータによってミシン1の電源がONされると起動される処理である。
図8に示すように、メインフローチャートが起動されると、はじめに、ミシン1の初期化処理が実行される。初期化処理では、CPU101によってROM102の初期設定情報記憶領域202より初期設定情報が読み出され(S11)、ここで読み出された初期設定情報のうち縫製条件の初期情報(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)がRAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶される。またこの状態で、液晶ディスプレイ10のタッチパネル111、速度調整摘み94等を介して各種設定情報が入力された場合には、入力された設定情報が縫製条件として駆動縫製条件記憶領域に記憶される。CPU101は、駆動縫製条件記憶領域に記憶された縫製条件情報に基づいて縫製制御処理を実行するため、この時点で駆動縫製条件記憶領域に記憶されている縫製模様、針振り量、布送り量、及び縫製速度(「駆動縫製条件」という。)が、デフォルト状態において実行される縫製制御処理の縫製条件となる。
次いで、CPU101は、縫製開始・停止スイッチ91が一度押下げられたか否かによって、縫製開始が指示されたか否かを判断する(S13)。そして、オペレータにより縫製開始が指示されるまで待機し(S13:NO→S13)、オペレータにより縫製開始指示がなされた場合(S13:YES)、次いで、CPU101は、縫製終了が指示されたか否かを判断する(S14)。縫製開始・停止スイッチ91が再度押下げられた場合、縫製終了が指示されたと判断して(S14:YES)、新たな縫製を行う場合のために、実行中の縫製処理を停止し(S12)、再び設定情報の取得処理(S11)に戻る。
縫製開始・停止スイッチ91が再度押下げられていない場合(S14:NO)、次いで、イメージセンサ30により撮影可能領域内に配置されている加工布60、及び待ち針50の頭部51が撮影される。そして得られる像情報を画像処理し、待ち針50の頭部51の形態的特徴認識処理が実行される(S15)。第一の実施の形態においては、頭部51の形状を認識する処理(形状認識処理)が実行される。ここで実行される形状認識処理は、例えば以下のようにして実行される。はじめに、2値化処理により、撮影の結果得られた像情報を2値化し、加工布に対して明度が大きい待ち針50の頭部51の位置情報を抽出する。明度の閾値は、p−タイル法、モード法、判別分析法、可変閾値法等により決定される。次いで、エッジ検出により像情報の明暗境界部分(エッジ)の位置情報を特定し、待ち針50の頭部51と加工布60との境界線部分の位置情報が抽出される。エッジ検出に使用されるフィルタとして、1次微分フィルタやラプラシアンフィルタ等が使用される。次いで、ハフ変換により曲線や直線を形成するエッジが抽出され、待ち針50の頭部51の形状が特定される。そして得られた形状が所定の形状と同一であるかが判断されることによって、待ち針50の頭部51の形状が認識される。
また、上述の画像処理においては、イメージセンサ30により撮影された像情報全体のうち、押え足13の右側の部分の像情報が選択されて形状認識処理が実行される。このようにすることで、ちょうど押え足13の針落ち穴13aの右側を待ち針50の頭部51が通過する場合にその形状が認識されるため、このタイミングで縫製条件を変更することが可能となる(S23、図9参照、後述)。
形状認識処理の結果、CPU101が待ち針50の頭部51の形状を特定できない場合(S17:NO)、イメージセンサ30の撮影可能領域内に待ち針50の頭部51が存在しないものと判断し、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件に基づいて縫製が実行される(S19)。そしてS14に戻り、縫製開始・停止スイッチ91の監視処理(S14)と、待ち針50の頭部51の検出処理及び形状認識処理(S15)が繰り返し実行される。
形状認識処理の結果、待ち針50の頭部51の形状を特定できた場合(S17:YES)、ROM102の縫製条件記憶領域203を読み出して参照し(S18)、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定される縫製条件を、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶する。次いで、CPU101は、特定した待ち針50の頭部51の形状が「×字」であるかどうかを判断する。待ち針50の頭部51の形状が「×字」である場合、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶した縫製模様は「停止」であり、継続中の縫製制御処理を終了する必要がある。そこで、このような場合は(S21:YES)、CPU101は、継続実行中の縫製を停止し(S27)、一連の縫製制御処理を終了し、新たな縫製を行う場合のために、再び設定情報の取得処理(S11)に戻る。
一方、CPU101が特定した待ち針50の頭部51の形状が「×字」以外である場合(S21:NO)、縫製条件特定処理(S23、図9参照)に移行する。縫製条件特定処理においては、待ち針50の頭部51の平面視形状に対応する縫製条件をROM102の縫製条件記憶領域203に記憶されている縫製条件に基づいて決定し、縫製制御処理を実行する。
次いで、縫製条件特定処理のサブルーティンフローチャートについて、図9を参照して説明する。縫製条件特定処理では、図9に示すように、CPU101は、認識した待ち針50の頭部51の形状が、ROM102の縫製条件記憶領域203にて定義されている待ち針50の頭部51の平面視形状である「丸」「ハート」「三角」「四角」「星」「×字」のいずれかに合致するか否かを判断する(S31)。いずれにも合致しない場合、認識した待ち針50の頭部51により特定される縫製条件は、ROM102の可能縫製条件記憶領域204に記憶されている縫製条件を超えた値であると判断する(S31:NO)。このような場合には、ミシン1では待ち針50の頭部51により特定される縫製条件に基づく縫製は実行不可能であるため、CPU101は、液晶ディスプレイ10に縫製を継続することが不可能である旨を通知するために、「このミシンでは縫製を行うことはできません。」等のエラーメッセージを表示させる(S47)。そして、縫製を停止させることを示すフラグである縫製停止フラグに「1」を記憶して「ON」とし(S49)、縫製条件特定処理を終了して縫製制御処理(図8参照)に戻る。
一方、特定した待ち針50の頭部51の平面視形状が「丸」「ハート」「三角」「四角」「星」「×字」のいずれかに合致し、ミシン1による縫製が実行可能であると判断した場合には(S31:YES)、次いで、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件と、新たに特定される縫製条件とを比較し、双方の縫製条件の異同を判断する(S33,S37,S41)。
はじめに、CPU101は、縫製条件のうち縫製速度を判断する。ROM102の縫製条件記憶領域203を参照し、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定される縫製速度と、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている縫製速度とが同一である場合(S33:YES)、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている縫製速度に変更を加えることなくS37に移行する。一方、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定される縫製速度と、駆動縫製条件記憶領域に記憶されている縫製速度とが相違する場合(S33:NO)、特定された縫製速度を駆動縫製条件記憶領域に記憶されている縫製速度に上書きして記憶する(S35)。このことにより、ミシン主軸の回転速度がこの縫製速度になるようにミシンモータ77の回転速度が設定される。そしてS37に移行する。
次いで、S37においては、CPU101は、縫製条件のうち針振り量を判断する(S37)。ROM102の縫製条件記憶領域203を参照し、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定される針振り量と、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている針振り量とが同一である場合(S37:YES)、駆動縫製条件記憶領域に記憶されている針振り量に変更を加えることなくS41に移行する。一方、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定される針振り量と、駆動縫製条件記憶領域に記憶されている針振り量とが相違する場合(S37:NO)、特定された針振り量を駆動縫製条件記憶領域に記憶されている針振り量に上書きして記憶する(S39)。このことにより、針振り機構による針棒8の針振り量がこの針振り量となるような駆動量が算出され、針振り用モータ78の駆動量が設定される。そしてS41に移行する。
次いで、S41においては、CPU101は、縫製条件のうち布送り量を判断する(S41)。ROM102の縫製条件記憶領域203を参照し、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定された布送り量と、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている布送り量とが同一である場合(S41:YES)、駆動縫製条件記憶領域に記憶されている布送り量に変更を加えることなくS45に移行する。一方、待ち針50の頭部51の平面視形状より特定された布送り量と、駆動縫製条件記憶領域に記憶されている布送り量とが相違する場合(S41:NO)、特定された布送り量を駆動縫製条件記憶領域に記憶されている布送り量に上書きして記憶する(S43)。このことにより、布送り機構による送り歯の布送り量がこの布送り量となる駆動量が算出され、送り量調整用モータ76の駆動量が設定される。そしてS45に移行する。
S45では、CPU101は、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶した縫製模様、縫製速度、針振り量、及び布送り量に基づいて、駆動回路71〜73を制御し、送り量調整用モータ76、ミシンモータ77、及び針振り用モータ78を駆動させることによって、加工布60上に縫製を実行する(S45)。そして縫製制御処理(図8参照)に戻る。
縫製制御処理では、図8に示すように、縫製処理停止フラグがONされているか否かが判断される(S25)。そして、縫製処理停止フラグがONされている場合は(S25:YES)、認識された待ち針50の頭部51により縫製条件が特定できなかった場合であるため、縫製を停止する必要がある。そこで縫製を終了(S27)し、新たな縫製を行う場合のために、再び設定情報の取得処理(S11)に戻る。一方、縫製処理停止フラグがOFFである場合には(S25:NO)、S14に戻って縫製処理を継続する。
次に、図10を参照し、図8及び図9に示すフローチャートに基づいて縫製制御処理がなされる場合における、具体的な手順について説明する。図10は、図7に示すように待ち針50が配置された場合において加工布60に施された縫製模様を示している。オペレータは、ミシン1による縫製に先立ち、縫い合わせたい加工布60上の、縫い合わせを行いたい位置の右側に待ち針501〜504の頭部511〜514が位置するように待ち針501〜504を突き刺して加工布60に止める。図10に示す例では、待ち針501〜504の頭部511〜514の平面視形状が、上方から順に「星」(頭部511)「三角」(頭部512)「丸」(頭部513)「×字」(頭部514)となるように合計4本の待ち針501〜504が配置されている。
はじめに、一点鎖線61の上端部から縫製が開始される(S11、S13)。縫製制御処理が開始される(S13:YES)と、ミシン1のイメージセンサ30により加工布60の撮影がなされる(S15)が、この状態において待ち針501の頭部511は検出されないため(S17:NO)、ミシン1の起動時においてROM102の初期設定情報記憶領域202より読み出され、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶された縫製模様、針振り量、布送り量、及び縫製速度の縫製条件に基づいて縫製が実行される(S19)。第一の実施の形態においては、縫製模様:直線、針振り量:0mm、布送り量:1.4mm、縫製速度:低速(70rpm)の各縫製条件に基づいて縫製が実行される。
次いで、押え足13の針落ち穴13aが、「星」の頭部511を有する待ち針501が配置されている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針501の頭部511が撮影され、形状が認識される(S15)。そして、「星」に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:まつり縫い、針振り量:0mm、布送り量:2.0mm、縫製速度:低速(70rpm)に変更され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、押え足13の針落ち穴13aが、「三角」の頭部512を有する待ち針502が配置されている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針502の頭部512が撮影され、形状が認識される(S15)。そして、「三角」形状に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:ジグザグ、針振り量:2.0mm、布送り量:1.4mm、縫製速度:中速(410rpm)に変更され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、押え足13の針落ち穴13aが、「丸」の頭部513を有する待ち針503が配置されている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針503の頭部513が撮影され、形状が認識される(S15)。そして、「丸」形状に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:直線、針振り量:0mm、布送り量:2.5mm、縫製速度:低速(70rpm)に変更され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、押え足13の針落ち穴13aが、「×字」の頭部514の待ち針504が配置されている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針504の頭部514が撮影され、形状が認識される(S15)。そして、「×字」形状に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。ここで、「×字」に対応する縫製条件は「停止」であるため(S21:YES)、縫製は中断される(S27)。以上のように縫製が実行されることにより、加工布60における一点鎖線61上には、上方から順に「直線」「まつり縫い」「ジグザグ」「直線」の縫製模様にて縫製がなされる。
以上説明したように、あらかじめ縫製を施したい加工布に待ち針501〜504が配置され、この頭部511〜514が、ミシン1が備えるイメージセンサ30により撮影される。そして、撮影により得られる像情報から頭部51の形状が認識され、認識された形状に対応した縫製条件に基づいて縫製が実行される。このことによって、縫製の途中で縫製条件を変更する必要がなくなり、操作に習熟していないオペレータであっても、複雑な模様を縫製することが可能となる。
<第二の実施の形態>
以下、本発明を具現化したミシン1の第二の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている内容は、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。また、第二の実施の形態は、先述した第一の実施の形態のうち形状認識処理(S15、図8参照)に関する処理が相違するのみであり、残りの部分は同一である。従って、重複する図1乃至図4、図8及び図9の説明は、以下においては省略している。
第二の実施の形態においては、第一の実施の形態と異なり、ミシン1が備えるROM102の縫製条件記憶領域203には、待ち針50の頭部51の色に縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)が対応付けられ、記憶されている。そして、縫製が実行される際には、加工布に予め配置される待ち針50の頭部51がイメージセンサ30により撮影されてその色が判断され、各色に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される。そして、特定された縫製条件に基づいて縫製が実行される。
はじめに、ROM102の縫製条件記憶領域203に記憶されている縫製条件の詳細について、図11を参照して説明する。図11は、ROM102の縫製条件記憶領域203を示す模式図である。縫製条件記憶領域203には、縫製の際の縫製条件が待ち針50の頭部51の色毎に記憶されている。具体的には、図11に示すように、縫製条件として、縫製模様401、針振り量402、布送り量403、及び縫製速度404がそれぞれ記憶されている。
例えば、図11に示す例では、待ち針50の頭部51の色が「青」である場合における縫製模様401は「直線」、針振り量402は「0mm」、布送り量403は「1.4mm」、縫製速度404は「低速(70rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「黄」である場合における縫製模様401は「直線」、針振り量402は「0mm」、布送り量403は「1.4mm」、縫製速度404は「中速(410rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「白」である場合における縫製模様401は「直線」、針振り量402は「0mm」、布送り量403は「2.5mm」、縫製速度404は「高速(750rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「緑」ある場合における縫製模様401は「ジグザグ」、針振り量402は「2.0mm」、布送り量403は「1.4mm」、縫製速度404は「低速(70rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「茶」である場合における縫製模様401は「ジグザグ」、針振り量402は「2.0mm」、布送り量403は「2.5mm」、縫製速度404は「中速(410rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「紫」である場合における縫製模様401は「ジグザグ」、針振り量402は「3.5mm」、布送り量403は「1.4mm」、縫製速度404は「高速(750rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「ピンク」である場合における縫製模様401は「まつり縫い」、針振り量402は「0mm」、布送り量403は「2.0mm」、縫製速度404は「低速(70rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「空色」である場合における縫製模様401は「まつり縫い」、針振り量402は「0mm」、布送り量403は「2.0mm」、縫製速度404は「中速(410rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「赤」である場合には、縫製制御処理を停止させるために、縫製模様に「停止」が記憶されている。
次に、図12を参照し、図8及び図9に示すフローチャートに基づいて縫製制御処理がなされた場合における、具体的な手順について説明する。図12は、加工布60に縫製を行うために待ち針601〜603が配置された状態を示している。オペレータは、ミシン1による縫製に先立ち、縫い合わせたい加工布60上の、縫い合わせを開始したい位置の右側に待ち針601〜603の頭部611〜613が位置するように待ち針601〜603を突き刺して加工布60に止める。そして図12に示す例では、待ち針601〜603の頭部611〜613の色が、上方から順に「青」(頭部:611)「緑」(頭部:612)「赤」(頭部:613)となるように合計3本の待ち針601〜603が配置されている。
はじめに、一点鎖線61の上端部から縫製が開始される(S11、S13)。縫製制御処理が開始される(S13:YES)と、ミシン1のイメージセンサ30により加工布60の撮影がなされ、その色が認識される(S15)。ここで実行される色認識処理には、例えば、色フィルタにより像情報をRGB(赤、緑、青)の3色に分解し、各々の強度を比較することにより像情報の色を認識する単板方式が用いられる。そして、色認識処理が実行された結果、待ち針601の頭部611の色が「青」であると判断され、色に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:直線、針振り量:0mm、布送り量1.4mm、縫製速度:低速(70rpm)に変更され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、押え足13の針落ち穴13aが、「緑」の頭部612の待ち針602が配置されている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針602の頭部612が撮影され、色が認識される(S15)。そして、「緑」に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:ジグザグ、針振り量:2.0mm、布送り量1.4mm、縫製速度:低速(70rpm)に変更され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、押え足13の針落ち穴13aが、「赤」の頭部613の待ち針603が配置されている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針603の頭部613が撮影され、色が認識される(S15)。そして、「赤」に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。ここで、「赤」に対応する縫製模様は「停止」であるため(S21:YES)、縫製は中断される(S27)。以上のように縫製が実行されることにより、加工布60における一点鎖線61上には、上方から順に「直線」「ジグザグ」の縫製模様にて縫製がなされる。
以上説明したように、あらかじめ縫製を施したい加工布に待ち針601〜603が配置され、この頭部611〜613が、ミシン1が備えるイメージセンサ30により撮影される。そして、撮影により得られる像情報から頭部611〜613の色が認識され、認識された色に対応した縫製条件に基づいて縫製が実行される。このことによって、縫製の途中で縫製条件を変更する必要がなくなり、操作に習熟していないオペレータ(縫製者)であっても、複雑な模様を縫製することが可能となる。
<第三の実施の形態>
以下、本発明を具現化したミシン1の第三の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている内容は、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。また、第三の実施の形態は、第二の実施の形態と同様、先述した第一の実施の形態のうち形状認識処理(S15、図8参照)に関する処理が相違するのみであり、残りの部分は同一である。従って、重複する図1乃至図4、図8及び図9に関する説明は、以下においては省略している。
第三の実施の形態においては、第一の実施の形態及び第二の実施の形態と異なり、ミシン1が備えるROM102の縫製条件記憶領域203には、加工布に待ち針50が複数配置された場合における頭部51の密集度に縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)が対応付けられ、記憶されている。そして、縫製が実行される際には、加工布に予め配置される待ち針50の頭部51がイメージセンサ30により撮影されて密集度が判断され、密集度に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される。そして、特定された縫製条件に基づいて縫製が実行される。
はじめに、ROM102の縫製条件記憶領域203に記憶されている縫製条件の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、ROM102の縫製条件記憶領域203を示す模式図である。縫製条件記憶領域203には、縫製の際の縫製条件が待ち針50の頭部51の密集度毎に記憶されている。具体的には、図13に示すように、縫製条件として、縫製模様411、針振り量412、布送り量413、及び縫製速度414がそれぞれ記憶されている。
例えば、図13に示す例では、待ち針50の頭部51の密集度が「疎」である場合における縫製模様411は「直線」、針振り412は「0mm」、布送り413は「2.5mm」、縫製速度414は「中速(410rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の密集度が「中」である場合における縫製模様411は「ジグザグ」、針振り412は「2.0mm」、布送り413は「1.4mm」、縫製速度414は「中速(410rpm)」と記憶されている。また、待ち針50の頭部51の色が「密」である場合における縫製模様411は「まつり縫い」、針振り量412は「0mm」、布送り量413は「2.0mm」、縫製速度414は「中速(410rpm)」と記憶されている。
次に、図14を参照し、図8及び図9に示すフローチャートに基づいて縫製制御処理がなされた場合における、具体的な手順について説明する。図14は、加工布60に待ち針701、702が配置された場合において加工布60に施された縫製模様を示している。オペレータは、ミシン1による縫製に先立ち、縫い合わせたい加工布60上の、縫い合わせを開始したい位置の右側に待ち針701,702の頭部711,712が位置するように待ち針701,702を突き刺して加工布60に止める。そして図14に示す例では、待ち針701,702の配置状態が、上方から順に「疎」「密」の順に配置されている。
はじめに、一点鎖線61の上端部から縫製が開始される(S11、S13)。縫製が開始される(S13:YES)と、ミシン1のイメージセンサ30により加工布60の撮影がなされ、配置されている待ち針701の頭部711の密集度が認識される(S15)。ここで実行される密集度識処理は、例えば、第一の実施の形態における形状認識処理により認識可能な待ち針の頭部51の形状が、イメージセンサ30の撮影可能領域に何個存在するかを判断することにより実行される。そして、密集度認識処理が実行された結果、待ち針701の頭部711の密集度が「疎」であると判断され、密集度に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:直線、針振り量:0mm、布送り量2.5mm、縫製速度:中速(410rpm)に設定され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、押え足13が、待ち針50の頭部51の密集度が「密」となっている部分の左方に到達する。するとこのタイミングで、イメージセンサ30により待ち針702の頭部712が撮影され、密集度が認識される(S15)。そして、「密」に対応する縫製条件がROM102の縫製条件記憶領域203より読み出され特定される(S17:YES)。その後、RAM103の駆動縫製条件記憶領域に記憶されている駆動縫製条件が、縫製模様:まつり縫い、針振り量:0mm、布送り量2.0mm、縫製速度:中速(410rpm)に変更され(S33〜S43)、これらの縫製条件に基づいて縫製が実行される(S45)。
次いで、オペレータにより縫製開始・停止スイッチ91が一度押下げられる(S14:YES)。このことにより縫製は中断される(S12)。以上のように縫製制御処理が実行されることにより、加工布60における一点鎖線61上には、情報から順に「直線」「まつり縫い」の縫製模様にて縫製がなされる。
以上説明したように、あらかじめ縫製を施したい加工布に待ち針50が配置され、この頭部51が、ミシン1が備えるイメージセンサ30により撮影される。そして、撮影により得られる像情報から頭部51の密集度が認識され、認識された密集度に対応した縫製条件に基づいて縫製制御処理が実行される。このことによって、縫製の途中で縫製条件を変更する必要がなくなり、操作に習熟していないオペレータ(縫製者)であっても、複雑な模様を縫製することが可能となる。
尚、図1に示す針棒8とミシンモータ77とが、本発明の「縫製手段」に相当し、図5に示す縫製模様301、針振り302、布送り303、及び縫製速度304、図11に示す縫製模様401、針振り402、布送り403、及び縫製速度404、図13に示す縫製模様411、針振り412、布送り413、及び縫製速度414にそれぞれ記憶されている縫製条件が、本発明の「縫製条件」に相当する。また、図6に示す待ち針50の頭部51が本発明の「標識」に相当し、図2におけるイメージセンサ30を介し、図8に示すS15において加工布を撮影する処理を行うCPU101が、本発明の「撮像手段」に相当する。また、待ち針50の頭部51の形状、色、及び、加工布上に待ち針50が配置された場合における頭部51の密集度が、本発明の「形態的特徴」に相当する。また、図8に示すS15において、待ち針50を撮影した結果得られる像の形態的特徴を判断する処理を行うCPU101が、本発明の「判別手段」に相当する。また、ROM102の縫製条件記憶領域203に記憶されている縫製条件が、本発明の「縫製条件情報」に相当し、「縫製条件情報」を記憶するROM102が本発明の「縫製条件記憶手段」に相当する。また、図8に示すS18においてROM102の縫製条件記憶領域203を読み出す処理を行うCPU101が、本発明の「読み出し手段」に相当し、図8に示すS19、及び、図9に示すS45において、特定した縫製条件に基づいて縫製制御処理を行うために縫製手段を制御する処理を行うCPU101が、本発明の「制御手段」に相当する。また、ミシン1を駆動させるためにROM102の制御プログラム記憶領域201に記憶されている制御プログラムが、本発明の「ミシン制御プログラム」に相当する。
なお、本発明のミシン1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各種の変形が可能なことは言うまでもない。例えば、前述の実施形態では、予め加工布60に待ち針50が配置され、ミシン1のイメージセンサ30が待ち針50の頭部51を撮影し形態的特徴を認識することによって、縫製条件を特定したが、変形例として、本発明に係る標識をシール801〜804(図15参照)として構成することも可能である。以下に、図15を参照して、変形例に係るシール801〜804を用いた縫製制御処理について説明する。図15は、シール801〜804が加工布60に貼付された状態を示した図である。
図15に示すように、シール801〜804は、複数の平面視形状(「星」(801)「三角」(802)「丸」(803)「×字」(804)を有している。なお、これらのシールには、片面に粘着層が形成されており、この粘着層により加工布60に貼り付けられている。このことによって、前述の待ち針50と同様に、所望の縫い方で縫製を開始・終了する位置を特定することができる。実際の縫製に際して、オペレータは、図15に示すように、加工布60上に、シール801〜804の形状のそれぞれに対応付けられている縫製条件で縫製を開始・終了したい位置に貼り付ける。そして、ミシン1に加工布60をセットすると、前述の待ち針50を用いた例と同様にして、シール801〜804がイメージセンサ30によって順次読み取られ、これらの形状が認識される。そして、対応する縫製条件が特定され、縫製条件に応じてミシンモータ77、針振り用モータ78、及び送り量調整用モータ76が制御される。なお、シール801〜804を用いる場合、待ち針50のように針部52を有しないため、取り扱いが容易であるという利点がある。その一方で、加工布60を縫い合わせる際の仮止めはできないため、実際に縫針16によって縫製される経路を、別途しつけ糸等で仮止めする必要がある。
また、本実施の形態においては、待ち針50の頭部51を撮影することにより得られる像情報の形態的特徴として、頭部51の形状、頭部51の色、及び、頭部51の密集度のいずれかを縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)に対応付け、駆動縫製条件を特定して縫製を実行したが、これに限定されるものではない。従って、複数の形態的特徴の組み合わせに縫製条件を対応付けることにより、駆動縫製条件を特定してもよいし、縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)それぞれに異なる形態的特徴(形状、色、密集度)を対応付けることにより、駆動縫製条件を特定してもよい(例えば、頭部51の形状に縫製模様を対応付け、頭部51の色に針振り量を対応付け、布送り量に密集度を対応付けてもよい)。
また、本実施の形態においては、4つの縫製条件(縫製模様、針振り量、布送り量、縫製速度)を待ち針50の頭部51の形態的特徴に対応付けていたが、これに限定されるものではない。従って、これらの縫製条件のうちいずれかのみを形態的特徴に対応付けることによって、駆動縫製条件を特定してもかまわない。
ミシン1の斜視図である。 アーム頭部4aの拡大図である。 ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。 ROM102に設けられている記憶領域を示す模式図である。 第一の実施の形態における縫製条件記憶領域203を示す模式図である。 第一の実施の形態における待ち針50の形状を示した外観図である。 待ち針50が固定された加工布60の様子を示した図である。 縫製制御処理のメインフローチャートである。 縫製パラメータ特定処理のサブルーティンフローチャートである。 第一の実施の形態において加工布60に施された縫製模様を示している。 第二の実施の形態における縫製条件記憶領域203を示す模式図である。 第二の実施の形態において加工布60に配置された待ち針601〜603を示している。 第三の実施の形態における縫製条件記憶領域203を示す模式図である。 第三の実施の形態において加工布60に配置された待ち針701、702を示している。 加工布60に貼付されたシール801〜804を示している。
符号の説明
1 ミシン
8 針棒
30 イメージセンサ
50、501、502、503、504、601、602、603、701、702、 待ち針
76 送り量調整用モータ
77 ミシンモータ
78 針振り用モータ
101 CPU
102 ROM
203 縫製条件記憶領域
103 RAM
801、802、803、804 シール

Claims (6)

  1. 縫針が装着された針棒と、当該針棒を上下方向に駆動させる針棒機構をミシン主軸を介して駆動するミシンモータとから構成される縫製手段により、加工布上に縫製を行うミシンであって、
    縫製条件を特定するために前記加工布上に配置された標識を撮像可能な撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された結果得られる像の形態的特徴を判別する判別手段と、
    前記形態的特徴と、縫製条件に関する情報である縫製条件情報とを対応付けて記憶する縫製条件記憶手段と、
    前記判別手段により判別された前記形態的特徴に対応する縫製条件情報を、前記縫製条件記憶手段から読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段によって読み出された前記縫製条件情報に基づいて縫製条件を特定し、前記縫製手段を制御して縫製を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 前記判別手段は、
    前記形態的特徴として、前記標識の形状、色彩、及び密集度のうち少なくとも1つを判別することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記針棒を布送り方向に対して左右方向に揺動させる針振り機構を駆動する針振り用モータと、
    ミシンベッド上の前記加工布を所定の送り量で移送する布送り機構の送り量を調整する送り量調整用モータとをさらに備え、
    前記縫製条件情報は、
    前記ミシン主軸の回転速度に関するデータである縫製速度データ、前記針振り機構による前記縫針の左右方向の移動量に関するデータである針振り量データ、及び前記布送り機構による前記加工布の送り量に関するデータである送り量データのうち少なくとも1つを含み、
    前記制御手段は、
    前記ミシンモータ、前記針振り用モータ、及び前記送り量調整用モータのうち少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記標識は、頭部と針部とを有する待ち針であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のミシン。
  5. 前記標識は、一方の面に粘着層を有したラベル上のシールであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のミシン。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のミシンの各種処理手段としてコンピュータを機能させるためのミシン制御プログラム。
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