JP2009201703A - アイアン型ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】フェースが開いた状態でなされるショットを改善しうるアイアン型ゴルフクラブヘッドの提供。
【解決手段】アイアン型ゴルフクラブヘッド2は、トウ傾斜視認部とヒール傾斜視認部とを有している。トウ傾斜視認部は、フェース面のトウ側に設けられ、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうる。ヒール傾斜視認部は、フェース面のヒール側に設けられ、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうる。縦方向基準線Vkに対する上記トウ傾斜視認部の傾斜角度α1は、5度以上15度以下である。縦方向基準線Vkに対する上記ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2は、5度以上15度以下である。好ましくは、横方向基準線Hkに対する上記フェースラインの傾斜角度βは、5度以上15度以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、アイアン型ゴルフクラブヘッドに関する。
アイアン型ゴルフクラブでは、フェースが開いた状態でアドレスされることがある。フェースが開かれた場合、鉛直線に対するロフト角(実効ロフト角)が増加した状態となる。フェースが開いた状態でショットされると、高い弾道が得られやすい。打球を高く上げたい局面において、フェースを開くことが行われている。
特開2007−307095公報は、第一スコアラインと、この第一スコアラインに対して前下がりに傾斜して延びる第二スコアラインとを備えたアイアン型ゴルフクラブヘッドを開示する。第二スコアラインは、第一スコアラインの上側に設けられている。この第二スコアラインは、フェースを開いてアドレスするための目安線として設けられている。
特開2007−307095公報
本発明者は、フェースが開いた状態でなされるショットについて検討を行った。その結果、従来とは異なる技術思想に基づき、本発明に至った。本発明により、フェースが開いた状態でなされるショットにおける打球への影響、特にバックスピン速度が改善されうることが判明した。更に、本発明により、フェースが開いた状態でなされるショットにおけるスイングを改善する効果が得られうることが判明した。
本発明の目的は、フェースが開いた状態でなされるショットを改善しうるアイアン型ゴルフクラブヘッドの提供にある。
本発明に係るアイアン型ゴルフクラブヘッドは、フェース面のトウ側に設けられ、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうるトウ傾斜視認部と、フェース面のヒール側に設けられ、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうるヒール傾斜視認部とを備えている。縦方向基準線に対する上記トウ傾斜視認部の傾斜角度α1は、5度以上15度以下である。縦方向基準線に対する上記ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2は、5度以上15度以下である。このヘッドのリアルロフト角Bは、50度以上70度以下である。
好ましくは、フェース面にフェースラインが設けられる。好ましくは、このフェースラインが、トウ側からヒール側にいくにつれてソール側からトップ側にいくように傾斜している。好ましくは、横方向基準線に対する上記フェースラインの傾斜角度βは、5度以上15度以下である。
好ましくは、上記リアルロフト角Bの、上記傾斜角度βに対する比(B/β)は5以上10以下である。
好ましくは、フェース面に複数本のフェースラインが設けられ、これらのフェースラインのうち最も長い最長フェースラインが複数本存在する。好ましくは、これら複数本の最長フェースラインのトウ側の端の配列によって、上記トウ傾斜視認部が形成されている。好ましくは、これら複数本の最長フェースラインのヒール側の端の配列によって、上記ヒール傾斜視認部が形成されている。
本発明により、フェースが開いた状態でなされるショットにおけるスイングが改善されうる。本発明により、フェースが開いた状態でなされるショットにおけるバックスピン性能が改善されうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本実施形態の説明に先立ち、本発明に係る用語の定義について以下に説明がなされる。なお、以下の定義において、後述される実施形態で用いられている符号が適宜用いられる。
[基準状態]
ヘッド2の基準状態とは、所定のライ角La及びリアルロフト角Bにより水平面h上に載置された状態である。より詳細には、ヘッド2の基準状態とは、ヘッド2のシャフト孔の中心軸線zを任意の垂直面VP1内に配し、且つ中心軸線zを水平面hに対してそのライ角Laで傾けるとともに、フェース面4を垂直面VP1に対してそのリアルロフト角Bで傾けて、水平面hに接地させた状態である(図1及び図2参照)。垂直面VP1は、鉛直線に対して平行な平面である。
[スイートスポットSS]
ヘッド2の重心からフェース面4に下ろした垂線V1(図示省略)とフェース面4との交点が、スイートスポットSSである(図1参照)。
[基準垂直面Vp]
上記基準状態のヘッド2において、上記垂線V1を含み且つ水平面hに対して垂直である平面が、基準垂直面Vpである(図1及び図2参照)。
[フェース−バック方向]
上記基準状態のヘッド2において、上記水平面hと上記基準垂直面Vpとの交線K1(図示省略)に沿った方向が、フェース−バック方向と定義される。
[トウ−ヒール方向]
上記基準状態のヘッド2において、上記交線K1に対して垂直であり且つ上記水平面hに対して平行な方向が、トウ−ヒール方向と定義される。本願における「トウ側」及び「ヒール側」は、このトウ−ヒール方向に基づいて判断される。
[トップ−ソール方向]
上記基準垂直面Vpとフェース面4との交線K2(図示省略)に沿った方向が、トップ−ソール方向と定義される。本願における「トップ側」及び「ソール側」は、このトップ−ソール方向に基づいて判断される。なお、フェース面4が曲面である場合、上記交線K2のスイートスポットSSにおける接線SL(図示省略)が定義されうる。フェース面4が曲面である場合、この接線SLに沿った方向が、トップ−ソール方向と定義される。
[縦方向基準線]
上記トップ−ソール方向に対して平行な直線が、縦方向基準線と定義される。
[横方向基準線]
上記トウ−ヒール方向に対して平行な直線が、横方向基準線と定義される。
次に、本発明の実施形態について説明がなされる。
図1は、本発明の一実施形態に係るアイアン型ゴルフクラブヘッド2の正面図である。図1は、水平面h上に載置された基準状態における図である。図2は、基準状態のヘッド2を上方から見た図である。図3は、フェースが開かれた状態のヘッド2を上方から見た図である。図4は、ヘッド2をソール面側から見た図である。図5は、ヘッド2をトウ側から見た側面図である。図5は、水平面h上に載置された基準状態における図である。
ヘッド2は、フェース面4と、バックフェース6と、ソール面8とを有する。ヘッド2は、ホーゼル10を有する。ホーゼル10は、シャフト孔12を有する。フェース面4には、フェースライン14が設けられている。フェースライン14は、溝状である。フェースライン14は、バックスピン速度を増大させうる。フェース面4の下縁は、リーディングエッジ16を構成している。
フェース面4は、中央領域4cと、トウ側領域4tと、ヒール側領域4hとを有する。またフェース面4は、トウ側境界線ktと、ヒール側境界線khとを有する。トウ側境界線ktとヒール側境界線khとの間の部分が、中央領域4cである。トウ側境界線ktにより、中央領域4cとトウ側領域4tとが区画されている。ヒール側境界線khにより、中央領域4cとヒール側領域4hとが区画されている。トウ側境界線ktは、直線である。ヒール側境界線khは、直線である。トウ側境界線ktとヒール側境界線khとは、互いに平行である。
中央領域4cとトウ側領域4tとで外観が異なる。この外観の相違は、表面処理の相違に起因している。即ち、中央領域4cの表面処理とトウ側領域4tの表面処理とは異なる。この外観の相違に起因して、視認可能なトウ側境界線ktが生じている。
中央領域4cには、サンドブラストが施されている。一方、トウ側領域4tには、サンドブラストが施されていない。中央領域4cとトウ側領域4tとでは、表面粗さが異なる。この表面粗さの相違に起因して、中央領域4cとトウ側領域4tとでは外観が異なる。
中央領域4cとヒール側領域4hとで外観が異なる。この外観の相違は、表面処理の相違に起因している。即ち、中央領域4cの表面処理とヒール側領域4hの表面処理とは異なる。この外観の相違に起因して、視認可能なヒール側境界線khが生じている。
ヒール側領域4hには、サンドブラストが施されていない。中央領域4cとヒール側領域4hとでは、表面粗さが異なる。この表面粗さの相違に起因して、中央領域4cとヒール側領域4hとでは外観が異なる。
全てのフェースライン14は、中央領域4cに設けられている。中央領域4cは、サンドブラストにより表面が粗くされ、且つフェースライン14が設けられている。よって、打点が中央領域4cとされた場合、バックスピン速度が増大しやすい。
フェースライン14は、複数本設けられている。フェースライン14は、一定間隔おきに設けられている。全てのフェースライン14は、真っ直ぐに延びている。全てのフェースライン14は、平行である。
複数本のフェースライン14のうち、最も長いフェースライン14が、最長フェースライン14tである。ヘッド2は、最長フェースライン14tと、この最長フェースライン14tよりも短いショートフェースライン14sとを有する。最長フェースライン14tは、複数本設けられている。本実施形態では、最長フェースライン14tは、6本である。なお、本実施形態とは異なるが、全てのフェースラインの長さが同一である場合、全てのフェースラインが最長フェースラインである。
最長フェースライン14tが複数本であるから、最長フェースライン14tのトウ側の端Etも複数存在する。全ての端Etは、実質的に同一直線上にある。即ち、これらの端Etは、直線Lt(図2参照)上に配列されている。この直線Ltは、トウ側境界線ktと実質的に平行である。ショートフェースライン14sのトウ側の端Stは、直線Lt上に位置しているか、又は直線Ltよりもヒール側に位置している。
最長フェースライン14tが複数本であるから、最長フェースライン14tのヒール側の端Ehも複数存在する。全ての端Ehは、実質的に同一直線上にある。即ち、これらの端Ehは、直線Lh(図2参照)上に配列されている。この直線Lhは、ヒール側境界線khと実質的に平行である。ショートフェースライン14sのヒール側の端Shは、直線Lh上に位置しているか、又は直線Lhよりもトウ側に位置している。
フェース面4は、トウ傾斜視認部を有している。トウ傾斜視認部の位置は、ヒール傾斜視認部よりもトウ側にあればよい。本実施形態において、トウ傾斜視認部は、複数の上記端Etの配列によって形成されている。複数の端Etは、直線Lt上にある。よって、複数の端Etは、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうる。直線Lt自体はフェース面4上に描かれていないが、複数の端Etの配列によって、トウ傾斜視認部が形成されている。
本実施形態は、更に別のトウ傾斜視認部として、トウ側境界線ktを有している。なおトウ傾斜視認部は、一つであってもよい。例えば、トウ側境界線ktが存在せず、トウ側の端Etの配列が唯一のトウ傾斜視認部を形成していてもよい。また、トウ側の端Etの配列により形成されたトウ傾斜視認部が存在せず、トウ側境界線ktが唯一のトウ傾斜視認部として存在していてもよい。本実施形態では、2つのトウ傾斜視認部が設けられており、且つこれらが互いに平行であるため、トウ傾斜視認部の視覚的効果が高められている。
フェース面4は、ヒール傾斜視認部を有している。ヒール傾斜視認部の位置は、トウ傾斜視認部よりもヒール側にあればよい。本実施形態において、ヒール傾斜視認部は、複数の上記端Ehの配列によって形成されている。複数の端Ehは、直線Lh上にある。よって、複数の端Ehは、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうる。直線Lh自体がフェース面4上に描かれていないが、複数の端Ehの配列によって、ヒール傾斜視認部が形成されている。
本実施形態は、更に別のヒール傾斜視認部として、ヒール側境界線khを有している。なおヒール傾斜視認部は、一つであってもよい。例えば、ヒール側境界線khが存在せず、ヒール側の端Ehの配列が唯一のヒール傾斜視認部を形成していてもよい。また、ヒール側の端Ehの配列により形成されたヒール傾斜視認部が存在せず、ヒール側境界線khが唯一のヒール傾斜視認部として存在していてもよい。本実施形態では、2つのヒール傾斜視認部が設けられており、且つこれらが互いに平行であるため、ヒール傾斜視認部の視覚的効果が高められている。
トウ傾斜視認部及びヒール傾斜視認部は、バックスピン速度を安定化させる効果(バックスピン安定効果)を有しうる。また、トウ傾斜視認部及びヒール傾斜視認部は、バックスピン速度を増大させる効果(バックスピン増大効果)を有しうる。更に、トウ傾斜視認部及びヒール傾斜視認部は、視覚的にスイングを改善するスイング改善効果を有しうる。
フェースが開いた状態でなされるショットでは、打点が、ソール寄りのトウ−ヒール方向中央部分から、トップ寄り且つトウ寄りの部分までの領域に分布しやすい。この打点分布は、フェースが開いた状態でなされるショットのヘッド軌道に起因する。従来のヘッドでは、トップ寄り且つトウ寄りの部分に、フェースラインの無い領域が生じやすい。このため、従来のヘッドでは、フェースラインの無い領域が打点となる確率が比較的高い。従来のヘッドでは、フェースラインの無い領域が打点となる場合と、フェースラインの存在する領域が打点となる場合とが混在しやすい。このため従来のヘッドでは、バックスピン速度が不安定となりやすい。これに対して本実施形態では、トップ寄り且つトウ寄りの部分に、フェースラインの無い領域が生じにくい。本実施形態のヘッドでは、フェースラインの無い領域が打点となる場合と、フェースラインの存在する領域が打点となる場合とが混在しにくい。このため本実施形態のヘッドでは、バックスピン速度が安定しやすい。
ヘッドの軌道に対してフェースラインが直角に近いほど、バックスピン速度が増大しやすい。本実施形態のフェースライン14は、横方向基準線Hkに対して上記方向に傾斜しているため、フェースが開いた状態でなされるショットのヘッド軌道に対して直角に近づきやすい。このため本実施形態のヘッドでは、バックスピン速度が増大しやすい。
従来のヘッドでは、横方向基準線Hkに対して略平行な方向にフェースラインが延びている。従来のヘッドでは、フェースラインの端が、縦方向基準線Vkに対して略平行な直線に沿って配置されている。よって、従来のヘッドでは、縦方向基準線Vkに沿った方向にテークバックがなされやすい。即ち従来のヘッドでは、フェースが開いた状態でなされるショットにおいて、インサイドにテークバックがなされやすい(図3の矢印参照)。フェースが開いた状態でなされるショットにおいて、インサイドへのテークバックは、ミスショットを招きやすい。このミスショットの一因は、インサイドへのテークバックにより、ヘッド軌道の地面に対する入射角度(ダウンブロー角度)が小さくなることにあると考えられる。本実施形態では、トウ傾斜視認部及びヒール傾斜視認部の視覚的効果により、テークバックがインサイドになされにくい。即ち本実施形態のヘッドは、視覚的にスイングを改善するスイング改善効果を有しうる。
図2では、トウ傾斜視認部の傾斜角度α1と、ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2とが示されている。
本実施形態において、トウ傾斜視認部の傾斜角度α1は、上記直線Ltと縦方向基準線Vkとの成す角度である。また、図示していないが、トウ傾斜視認部の傾斜角度α1は、上記直線Ltとトウ側境界線ktとの成す角度でもある。
本実施形態において、ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2は、上記直線Lhと縦方向基準線Vkとの成す角度である。また、図示していないが、ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2は、上記直線Lhとヒール側境界線khとの成す角度でもある。
上記バックスピン安定効果及びスイング改善効果を高める観点から、トウ傾斜視認部の傾斜角度α1は、5度以上が好ましく、6度以上がより好ましい。傾斜角度α1が大きすぎる場合、フェースが開かれない状態でなされるショットにおいて視覚的な違和感が生じやすくなり、この違和感がスイングに悪い影響を与えることがある。この観点から、傾斜角度α1は、15度以下が好ましく、12度以下がより好ましい。
上記バックスピン安定効果及びスイング改善効果を高める観点から、ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2は、5度以上が好ましく、6度以上がより好ましい。傾斜角度α2が大きすぎる場合、フェースが開かれない状態でなされるショットにおいて視覚的な違和感が生じやすくなり、この違和感がスイングに悪い影響を与えることがある。この観点から、傾斜角度α2は、15度以下が好ましく、12度以下がより好ましい。
上記傾斜角度α1による効果と、上記傾斜角度α2による効果との相乗効果を得る観点から、上記傾斜角度α1と上記傾斜角度α2とは同一とされるのが好ましい。
本発明は、フェースが開いた状態でなされるショットにおいて有効性が高い。この観点から、リアルロフト角Bは50度以上が好ましく、52度以上がより好ましい。実用性の観点から、リアルロフト角Bは、70度以下とされるのが好ましい。
上記バックスピン増大効果及びスイング改善効果を高める観点から、フェースラインの傾斜角度βは、5度以上が好ましく、6度以上がより好ましい。傾斜角度βが大きすぎる場合、フェースが開かれない状態でなされるショットにおいてバックスピン速度が低下しやすい。また、傾斜角度βが大きすぎる場合、フェースが開かれない状態でなされるショットにおいて視覚的な違和感が生じやすくなり、この違和感がスイングに悪い影響を与えることがある。これらの観点から、フェースラインの傾斜角度βは、15度以下が好ましく、12度以下がより好ましい。
上記傾斜角度βに起因する効果を高める観点から、全てのフェースラインにおける傾斜角度βのそれぞれが上記好ましい範囲に設定されるのが好ましい。また、上記傾斜角度βに起因する効果を高める観点から、傾斜角度βは、全てのフェースラインについて同一であるのが好ましい。
前述したように、フェースが開いた状態でなされるショットでは、ソール寄りのトウ−ヒール方向中央部分から、トップ寄り且つトウ寄りの部分までの領域に打点が分布しやすい。このような打点分布は、通常、リアルロフト角Bが大きいほど顕著となる傾向にある。この観点から、リアルロフト角Bが大きいほど、フェースラインの傾斜角度βが大きい方が好ましい。この観点から、上記リアルロフト角B(度)の、上記傾斜角度β(度)に対する比(B/β)は一定の範囲内とされるのが好ましい。フェースが開かれない状態でなされるショットにおけるバックスピン速度を高める観点及び視覚的な違和感を抑制する観点から、比(B/β)は、5以上が好ましく、6以上がより好ましい。上述したバックスピン増大効果及びスイング改善効果を高める観点から、比(B/β)は10以下が好ましく、9以下がより好ましい。
トウ傾斜視認部は、上記実施形態で示されたものに限定されない。トウ傾斜視認部は、上記実施形態の如くフェースラインの端の配列によって形成されていてもよいし、パンチマークの配列によって形成されていてもよい。当然ながら、トウ傾斜視認部が、直線等の線によって形成されていてもよい。
ヒール傾斜視認部は、上記実施形態で示されたものに限定されない。ヒール傾斜視認部は、上記実施形態の如くフェースラインの端の配列によって形成されていてもよいし、パンチマークの配列によって形成されていてもよい。当然ながら、ヒール傾斜視認部が、直線等の線によって形成されていてもよい。
トウ傾斜視認部としてのトウ側境界線ktは、上記構成に限定されず、視覚的に認識されうるものであればよい。トウ側境界線ktは、上記実施形態の如く表面粗さの差によって形成されていてもよいし、例えば塗装、メッキ又は酸化被膜の境界線によって形成されてもよい。この塗装の境界線は、例えば、塗装の有無の境界線であってもよいし。塗装色の境界線であってもよい。このメッキの境界線は、メッキ色の境界線であってもよいし、メッキの有無の境界線であってもよい。酸化被膜の境界線は、酸化被膜の有無の境界線であってもよいし、酸化被膜の色の境界線であってもよい。
ヒール傾斜視認部としてのヒール側境界線khは、上記構成に限定されず、視覚的に認識されうるものであればよい。ヒール側境界線khは、上記実施形態の如く表面粗さの差によって形成されていてもよいし、例えば塗装、メッキ又は酸化被膜の境界線によって形成されてもよい。この塗装の境界線は、例えば、塗装の有無の境界線であってもよいし。塗装色の境界線であってもよい。このメッキの境界線は、メッキ色の境界線であってもよいし、メッキの有無の境界線であってもよい。酸化被膜の境界線は、酸化被膜の有無の境界線であってもよいし、酸化被膜の色の境界線であってもよい。
フェース表面の材質の相違によって、トウ側境界線kt及び/又はヒール側境界線khが形成されてもよい。例えば、ヘッド本体とは異なる材質よりある板状のインサート部材を用意し、このインサート部材の輪郭形状を中央領域4cに対応した形状とし、フェース面4の装着されたこのインサート部材が中央領域4cを形成したヘッドであってもよい。この場合、インサート部材の輪郭線により、トウ側境界線kt及びヒール側境界線khが形成される。
以上で説明されたように、トウ傾斜視認部及びヒール傾斜視認部(以下、これらをまとめて傾斜視認部ともいう)は、次の(構成A)と(構成B)とを含む。
(構成A)フェースラインの端やパンチマーク等の配列によって形成される傾斜視認部
(構成B)線によって形成される傾斜視認部
上記(構成B)には、上記トウ側境界線kt又はヒール側境界線khが含まれる。トウ側境界線kt及びヒール側境界線khに種々の形態があることは、上記の通りである。更に、(構成B)には、溝等により形成された直線や、塗装等により描かれた直線も含まれる。
生産コスト及び視覚的効果の観点から、上記(構成A)のうち、(構成A1)が好ましい。この(構成A1)は、上記実施形態において採用されている。
(構成A1)フェースラインの端Et、Ehの配列により形成された傾斜視認部。
生産コスト及び視覚的効果の観点から、上記(構成B)のうち、(構成B1)が好ましい。この(構成B1)は、上記実施形態において採用されている。
(構成B1)トウ側境界線ktとヒール側境界線khとにより形成された傾斜視認部であって、このトウ側境界線ktが、中央領域4cとトウ側領域4tとで表面粗さを異ならせることにより形成され、このヒール側境界線khが、中央領域4cとヒール側領域4hとで表面粗さを異ならせることにより形成されている。
生産コスト及び視覚的効果の観点から、上記(構成A1)と上記(構成B1)とが併用されるのが特に好ましい。
なお、ヘッドの材質は限定されない。ヘッドの材質として、金属、繊維強化樹脂等が例示される。この金属として、軟鉄(軟鋼)、ステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金及びアルミニウム合金が例示される。2種以上の材質からなるヘッドでは、ヘッド本体が金属とされるのが好ましい。上記実施形態の如く、トウ側境界線kt及びヒール側境界線khが表面粗さの相違によって形成される場合、ヘッドの材質はその全てが金属により一体成形されているのが好ましい。この場合、生産性と強度とが両立されうる。
フェースラインの設置領域を広くしてバックスピン安定性を高める観点から、最長フェースライン14tの長さは、好ましくは40mm以上、より好ましくは50mm以上である。トウ側の端Etが過度にトウ側に寄った場合、フェース面4のトップ−ソール方向幅が狭くなり、トウ側の端Etの配置数が制約されやすい。また、ヒール側の端Ehが過度にヒール側に寄った場合、フェース面4のトップ−ソール方向幅が狭くなり、ヒール側の端Ehの配置数が制約されやすい。トウ側の端Etの配置数が少ない場合、これらの端Etの配列によって形成されるトウ傾斜視認部の視覚的効果が低下しやすい。同様に、ヒール側の端Ehの配置数が少ない場合、これらの端Ehの配列によって形成されるヒール傾斜視認部の視覚的効果が低下しやすい。これらの観点から、最長フェースライン14tの長さは、好ましくは80mm以下、より好ましくは70mm以下、さらに好ましくは60mm以下である。
トウ側の端Etの配置数及びヒール側の端Ehの配置数を増やす観点から、最長フェースライン14tの本数は、3本以上が好ましく、5本以上がより好ましく、6本以上がより好ましく、7本以上がより好ましい。フェース面4の大きさによる制約から、最長フェースライン14tの本数は、12本以下が好ましく、11本以下がより好ましい。
最長フェースライン14tの端Et、Ehの配列によって形成されている傾斜視認部の視覚的効果を高める観点から、最長フェースライン14t相互間に挟まれたショートフェースライン14sが存在しないのが好ましい。
最長フェースライン14tのヒール側の端Ehの配列によって形成されているヒール傾斜視認部の視覚的効果を高める観点から、最長フェースライン14tよりもソール側に位置するショートフェースライン14sが存在する場合、それらのヒール側の端Shの全てが、上記直線Lh上に位置しているのが好ましい。
最長フェースライン14tのトウ側の端Etの配列によって形成されているトウ傾斜視認部の視覚的効果を高める観点から、最長フェースライン14tよりもトップ側に位置するショートフェースライン14sが存在する場合、それらのトウ側の端Stの全てが、上記直線Lt上に位置しているのが好ましい。
トウ側境界線ktによる視覚的効果を高める観点から、トウ側境界線ktの長さは、50mm以上が好ましく、55mm以上がより好ましい。フェース面4の大きさを考慮すると、通常、トウ側境界線ktの長さは、70mm以下が好ましく、65mm以下がより好ましい。
ヒール側境界線khによる視覚的効果を高める観点から、ヒール側境界線khの長さは、25mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましい。フェース面4の大きさを考慮すると、通常、ヒール側境界線khの長さは、50mm以下が好ましく、45mm以下がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1等に示すヘッド2と同様のヘッドを作製した。軟鉄(S25C)を鍛造してフェースラインを刻印し、ヘッド全体に表面研磨及びメッキを施した。次に、サンドブラストにより、中央領域4cを形成した。サンドブラストの番手は、#100であった。このサンドブラストは、トウ側領域4t及びヒール側領域4hをマスキングしつつなされた。マスキングされていない部分が、サンドブラストされた。このマスキングには紙テープを用いた。このマスキングにより、トウ側境界線kt及びヒール側境界線khが正確に形成された。このようにして、実施例1に係るアイアン型ゴルフクラブヘッドを得た。リアルロフト角Bは60度とされ、ヘッド重量は300gとされた。このヘッドにスチールシャフトを装着し、更にグリップを装着することにより、実施例1に係るアイアン型ゴルフクラブを得た。シャフトには、ダイナミックゴールド社製のS400を用いた。グリップには、イートン社製のツアーベルベット(コード無し、バックライン無し)を用いた。クラブ長さは、35インチとされた。実施例1の仕様と評価結果が下記の表1に示される。なお、表1で示された角度α1及び角度α2は、上記直線Lt及び直線Lhの角度であり、且つ、上記ヒール側境界線kh及びトウ側境界線ktの角度でもある。
[実施例2から7及び比較例1から3]
ヘッドの仕様が下記の表1のようにされた以外は実施例1と同様にして、実施例2から7及び比較例1から3に係るゴルフクラブを得た。各例の仕様と評価結果が、下記の表1で示される。
なお、角度α1、角度α2及び角度βは、フェースライン刻印の向き及びマスキングの配置を変更することにより容易に設定された。
[評価方法]
10名のプロゴルファーにより、3つの項目について評価がなされた。
[評価1]芝上での標準ショットによる評価
30ヤード離れたピンを狙って、芝上に置かれたボールを、フェースを開かずにショットした。ボールは、SRIスポーツ株式会社製の「SRIXON Z−UR」を用いた。各ゴルファーが、各クラブで、5球ずつショットした。全ショットについて、打球直後のバックスピン速度が測定された。全ショットのバックスピン速度の平均値が、下記の表1に示される。また、「距離感」については、各ゴルファーが10点法により10段階の官能評価を行った。距離のコントロールが容易であり評価が最も高いものに10点が付与され、評価が高いものほど1〜10点のうち高い評価点が付与された。距離のコントロールが難しいものほど低い点数とされた。なおこの距離感は、ボールの最終停止点を基準として各ゴルファーが判断した評価である。10名のゴルファーの評価点の平均点(小数点以下は四捨五入)が、下記の表1で示される。
[評価2]芝上でのロブショットによる評価
10ヤード離れたピンを狙って、芝上に置かれたボールを、フェースを開いてショットした。ボールは、SRIスポーツ株式会社製の「SRIXON Z−UR」を用いた。各ゴルファーが、各クラブで、5球ずつショットした。全ショットについて、打球直後のバックスピン速度が測定された。全ショットのバックスピン速度の平均値が、下記の表1に示される。また、「距離感」については、各ゴルファーが10点法により10段階の官能評価を行った。距離のコントロールが容易であり評価が最も高いものに10点が付与され、評価が高いものほど1〜10点のうち高い評価点が付与された。距離のコントロールが難しいものほど低い点数とされた。なおこの距離感は、ボールの最終停止点を基準として各ゴルファーが判断した評価である。10名のゴルファーの評価点の平均点(小数点以下は四捨五入)が、下記の表1で示される。
[評価3]見た目の違和感
見た目の違和感について、5点法により5段階の官能評価がなされた。評価が最も高い(違和感が無い)ものに5点が付与され、評価が高いものほど1〜5点のうち高い評価点が付与された。10名のゴルファーの評価点の平均点(小数点以下は四捨五入)が、下記の表1で示される。
Figure 2009201703
表に示されるように、実施例は、比較例に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、アイアン型ゴルフクラブヘッドに適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るアイアン型ゴルフクラブヘッドを前方から見た図である。 図2は、図1のアイアン型ゴルフクラブヘッドを上方から見た図である。 図3は、フェースを開いた状態における図1のアイアン型ゴルフクラブヘッドを上方から見た図である。 図4は、図1のアイアン型ゴルフクラブヘッドをソール面側から見た図である。 図5は、図1のアイアン型ゴルフクラブヘッドをトウ側から見た側面図である。
符号の説明
2・・・ヘッド
4・・・フェース面
6・・・バックフェース
8・・・ソール面
10・・・ホーゼル
12・・・シャフト孔
14・・・フェースライン
14t・・・最長フェースライン
14s・・・ショートフェースライン
16・・・リーディングエッジ
Et・・・最長フェースラインのトウ側の端
Eh・・・最長フェースラインのヒール側の端
St・・・ショートフェースラインのトウ側の端
Sh・・・ショートフェースラインのヒール側の端
Hk・・・横方向基準線
Vk・・・縦方向基準線
Vp・・・基準垂直面
kt・・・トウ側境界線
kh・・・ヒール側境界線
z・・・シャフト孔の中心軸線

Claims (4)

  1. フェース面のトウ側に設けられ、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうるトウ傾斜視認部と、
    フェース面のヒール側に設けられ、トップ側からソール側にいくにつれてトウ側からヒール側にいくように傾斜して視認されうるヒール傾斜視認部とを備え、
    縦方向基準線に対する上記トウ傾斜視認部の傾斜角度α1が、5度以上15度以下であり、
    縦方向基準線に対する上記ヒール傾斜視認部の傾斜角度α2が、5度以上15度以下であり、
    リアルロフト角Bが50度以上70度以下であるアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  2. フェース面にフェースラインが設けられ、
    このフェースラインが、トウ側からヒール側にいくにつれてソール側からトップ側にいくように傾斜しており、
    横方向基準線に対する上記フェースラインの傾斜角度βが、5度以上15度以下である請求項1に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  3. 上記リアルロフト角Bの、上記傾斜角度βに対する比(B/β)が5以上10以下である請求項2に記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  4. フェース面に複数本のフェースラインが設けられ、
    これらのフェースラインのうち最も長い最長フェースラインが複数本存在し、
    これら複数本の最長フェースラインのトウ側の端の配列によって、上記トウ傾斜視認部が形成されており、
    これら複数本の最長フェースラインのヒール側の端の配列によって、上記ヒール傾斜視認部が形成されている請求項1から3のいずれかに記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
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