JP2009201867A - 管状器官治療具の搬送具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステント等の管状器官治療具を、管状器官の目的箇所にスムーズかつ作業性よく留置できる、管状器官治療具の搬送具を提供する。
【解決手段】この管状器官治療具の搬送具は、外側シースと、外側シース内にスライド可能に配置される内側シース20とを有し、外側シースの先端部内周に管状器官治療具であるステントを保持し、内側シース20の先端部によってステントを外側シース先端から押し出すことにより、ステントを開放させるように構成されており、前記内側シース20は、金属チューブ23を有しており、この金属チューブ23は、先端側に切溝35が形成されて、基端側よりも柔軟にされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、血管、尿管、胆管、気管等の管状器官の治療に使用されるステント等の管状器官治療具を、所定箇所に搬送するために用いられる、管状器官治療具の搬送具に関する。
近年、血管、尿管、胆管、気管等の人体の管状器官における、狭窄や閉塞、動脈瘤の破裂等を防止するために、ステント等の管状器官治療具を、管状器官内の所定箇所に留置することが広く行われている。
例えば、ステントを管状器官内に留置させるものとして、下記特許文献1には、先端側にステントを収納可能な拡大部を有する外側シースと、該外側シース内にスライド可能に配置され、前記拡大部よりも基端側の止め具が取付けられた内側シャフトとを備えた、自己拡張型ステント搬送装置が開示されている。また、前記内側シャフトは、その基端側の部分(近位部)が、ステンレス、Ni−Ti等の金属材料で形成され、先端側の部分(遠位部)が、ポリウレタン等の樹脂材料で形成され、それらがジョイントで連結された構造をなしている。
そして、上記ステント搬送装置を使用する際には、ガイドワイヤ等を介して、装置先端を管状器官の目的箇所まで到達させた後、内側シャフトの基端部を把持固定して、外側シースを内側シャフトの基端側にスライドさせる。このとき、内側シャフトの止め具により、ステントの基端部が押えられて、外側シースのスライドに伴うステントの移動が防止され、外側シースの先端開口部から、ステントが押し出されるように開放されて、管状器官の目的箇所に留置されるようになっている。
特開2000−245846号公報
上記特許文献1記載の搬送装置においては、上述したように、内側シャフトの基端側は剛性の高い金属材料で形成されているが、先端側は金属材料よりも軟質の樹脂材料で形成されている。
そのため、ステントを外側シースから押し出して留置すべく、外側シースを内側シャフトの基端側にスライドさせるとき、内側シャフトの先端側が軸方向に縮んでしまうことがあった。その結果、外側シースをスライドさせても、内側シャフトの先端側がかなり縮んだ状態にならないとステントが押し出されてこないため、どの程度のスライドによってステントが押し出されるかを正確に把握しにくいという問題が生じていた。
更にステント解放時に、内側シャフトの先端側が縮んだ状態で、外側シースの先端開口部から突出するので、内側シャフトが元の長さに伸びようとする反発力によって、ステントが急に飛び出してしまうことがあり、ステントの留置作業に支障が出ることがあった。
したがって、本発明の目的は、ステント等の管状器官治療具を、管状器官の目的箇所にスムーズかつ作業性よく留置することができる、管状器官治療具の搬送具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、外側シースと、該外側シース内にスライド可能に配置される内側シースとを有し、前記外側シースの先端部内周に管状器官治療具を配置し、前記内側シースの先端部に前記管状器官治療具を当接させた状態で、前記外側シースをスライドさせることにより、前記外側シース先端部から前記管状器官治療具を開放できるように構成された管状器官治療具の搬送具において、前記内側シースは、金属チューブを有しており、該金属チューブは、先端側に切溝が形成されて、基端側よりも柔軟にされていることを特徴とする管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、外側シースの先端部内周に管状器官治療具を保持させ、内側シースを外側シースに挿入した状態で、管状器官内に挿入して移動させていき、外側シースの先端部を目的の治療箇所に到達させた後、外側シースを内側シースに対して基端部側にスライドさせることにより、内側シースにより管状器官治療具を外側シース先端から徐々に押し出して開放させ、目的の治療箇所に留置することができる。このとき、内側シースが金属チューブを有しているため、内側シースが軸方向に縮むことが抑制され、管状器官治療具を外側シースの内側シースに対するスライド量に応じて確実に押し出すことができ、留置作業を容易にかつ正確に行うことができる。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記切溝は、前記内側シースの軸方向に所定間隔で配列されて形成されており、先端部側の隣接する切溝どうしの間隔は、基端側の切溝どうしの間隔よりも、狭くなるように形成されている管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、先端側の隣接する切溝どうしの間隔の方が、基端側の切溝どうしの間隔よりも狭いので、内側シースの先端部側を基端部側よりも柔軟にすることができ、プッシュアビリティを損なうことなく、管状器官内を移動させやすくすることができる。
本発明の第3は、前記第1又は第2の発明において、前記内側シースは、前記金属チューブと、該金属チューブに先端に連結された樹脂チューブとを有している管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、内側シースの最先端部が樹脂チューブからなるので、内側シースの最先端部をより柔軟にして、管状器官治療具の搬送具の先端部の柔軟性を高めて、先端部の屈曲角度をより小さくすることができる。
本発明の第4は、前記第1〜3のいずれか1つの発明において、前記金属チューブの切溝は、全体として螺旋形状をなし、この螺旋形状の切溝は、螺旋の線方向に沿って間欠的に切断されて形成された切断部分と切残し部分とを有している管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、切溝は間欠的に切断され、切断部分と切残し部分とが設けられた螺旋状をなしているので、連続的に螺旋状の切溝が設けられた場合と比べて、内側シースが縮みにくくなり、外側シースの内側シースに対するスライド量に応じて管状器官治療具を更に正確に押し出すことができると共に、内側シース基端からの回転力を先端に伝えるトルク伝達性も向上させることができる。
本発明の第5は、前記第4の発明において、前記金属チューブの前記切溝の切残し部分は、軸方向位置によって周方向における角度がずれるように形成されている管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、切残し部分が軸方向位置によって周方向における角度がずれるように形成されているので、所定方向のみに曲りやすくなることが抑制されて、周方向に均一な柔軟性を内側シースに付与することができる。
本発明の第6は、前記第1〜5のいずれか1つの発明において、前記内側シースは、前記金属チューブの内周を挿通して配置された、ガイドワイヤを挿通可能な又は液体を流入可能なガイドチューブを更に有している管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、金属チューブの内周に配置されたガイドチューブ内にガイドワイヤを挿通させて、ガイドワイヤを内側シース先端から突出させることができ、該ガイドワイヤを用いて管状器官内に導入することができる。また、ガイドワイヤの挿通をスムーズに行わせることができる。更に、造影剤や制癌剤等の液体を、切溝から流出することなく、所望の位置に注入することができる。
本発明の第7は、前記第1〜6のいずれか1つの発明において、前記外側シースには、補強体が配設されている管状器官治療具の搬送具を提供するものである。
上記発明によれば、補強体によって外側シースの剛性が向上して、外側シースの伸びが抑制されるので、内側シースの縮みにくさと相まって、外側シースの内側シースに対するスライド量に応じて管状器官治療具を更に正確に押し出すことができる。
本発明の管状器官治療具の搬送具によれば、外側シース内に管状器官治療具を保持させて、管状器官内に移動させていき、外側シースの先端部を目的箇所に到達させた後、外側シースを内側シースに対して基端部側にスライドさせると、管状器官治療具を外側シース先端から押し出して、目的箇所に留置できる。このとき、内側シースが金属チューブを有しているため、内側シースが軸方向に縮むことが抑制され、管状器官治療具を外側シースの内側シースに対するスライド量に応じて確実に押し出すことができ、留置作業を容易にかつ正確に行うことができる。
以下、図1〜8を参照して、本発明の管状器官治療具の挿入具の一実施形態について説明する。
図1に示すように、この管状器官治療具の搬送具1(以下、「搬送具1」という)は、ステント等の管状器官治療具を、血管、尿管、胆管、気管等の人体の管状器官の所定箇所に搬送するためのものである。この実施形態における管状器官治療具としては、いわゆる自己拡張型のステント7が用いられる。このステント7は、金属製の線材を編み及び/又は組んで筒状に形成されたもので、その材質としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W等を用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。なお、この実施形態では、ステント7に図示しないX線マーカーが付設されているか、或いは、形状記憶合金の表面にAu、Pt等のX線不透過性材料がメッキ等の手段で被覆されていて、X線不透過性を付与されたステント7が用いられている。
そして、この搬送具1は、図1に示すように、先端部内周に前記ステント7を縮径状態で収容する外側シース10と、該外側シース10内にスライド可能に配置される内側シース20とを有している。
前記外側シース10は、ポリウレタン、ナイロンエラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミド、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、更には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂等の合成樹脂から形成された、中空のチューブ状をなしている。更に、外側シース10は、BaSO4、Bi、W等の粉末を含有させてX線不透過性のチューブとしてもよく、その外周には、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸共重合体等の親水性樹脂をコーティングしてもよい。また、上記各樹脂材料から形成されたチューブを複数積層させて、多層構造をなした外側シース10としてもよい。
また、図3に示すように、この外側シース10の内部には、金属線材や樹脂線材を、編み及び/又は組んで、筒状の編組形状をなした補強体12が埋設されている。その結果、外側シース10の剛性が向上し、伸び縮みしにくいように構成されている。図2に示すように、この補強体12は、外側シース10の、ステント7を収容する先端部よりもやや基端側の位置から、図示はしないが外側シース10の基端に至る位置まで配置されている。なお、補強体12としては上記編組形状のみならず、外側シース10の内周又は外周に、金属や樹脂からなる筒体を固着させたりしてもよく、特に限定されない。また、外側シース10の基端部外周には、外側シース10を内側シース20の基端側にスライドさせる際に把持する部分となる、略筒状をなしたホルダ14が装着されている。
次に、外側シース10内にスライド可能に配置される内側シース20について説明すると、この内側シース20は、前記外側シース10よりも所定長さ長く形成された、中空のチューブ状をなしている。また、この内側シース20は、ステンレスや、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系等の形状記憶合金などの金属材料からなる金属チューブ23を有している。この金属チューブ23の内周には、前記外側シース10と同じような材質、例えば、ポリウレタン、ナイロンエラストマー等で形成され、ガイドワイヤWを挿通可能とした中空チューブ状のガイドチューブ25が挿入配置されている。
このガイドチューブ25は、前記金属チューブ23よりも所定長さ長く伸び、図2,3に示すように、金属チューブ23の先端部及び基端部からガイドチューブ25が挿出されている。すなわち、金属チューブ23の先端部からガイドチューブ25の先端部が挿出することにより、金属チューブ23の先端面23aが段状をなし、この段状の先端面23aに外側シース10の先端部内周に縮径保持されたステント7の基端部が当接支持されるようになっている。
また、図1〜3に示すように、ガイドチューブ25の先端部外周には、ガイドチューブ25よりも拡径し、先細テーパ形状をなした頭部29が装着されている。図3に示すように、この頭部29は、外側シース10の先端に当接している。また、頭部29の中央には、内側シース20のガイドチューブ25に連通する連通孔29aが形成され、ガイドチューブ25内に挿入されたガイドワイヤWを挿出可能となっている。
更に、金属チューブ23の基端部及び該基端部から挿出されたガイドチューブ25の基端部の外周には、図2に示すように、外側シース10を内側シース20の基端部側にスライドさせる際に、内側シース20を把持固定するための、略筒状をなしたハブ31が装着されている。同図2に示すように、ハブ31の後端中央からは、ガイドチューブ25の内腔に連通する挿通孔31aが形成され、ガイドワイヤWをガイドチューブ25内に挿通可能となっている。
そして、前記内側シース20を構成する金属チューブ23は、図2に示すように、その先端側に切溝35が形成されていて、基端側よりも柔軟となるように形成されている。図4(A)には金属チューブ23の正面図が示されており、図4(B)には、図4(A)の切溝35の各形成箇所(a,b,・・・g)の拡大図が示されている。
上記図4(A),(B)を参照して、金属チューブ23の切溝35について詳述すると、この実施形態における切溝35は、金属チューブ23の先端側の所定位置から、軸方向途中に至る位置まで、軸方向に沿って所定間隔で旋回した螺旋形状をなしている。
また、金属チューブ23の先端側の隣接する切溝35,35どうしの間隔は、基端側の切溝35,35どうしの間隔よりも狭くなるように形成されている。この実施形態では、図4(B)に示すように、各切溝形成箇所における、隣接する切溝35,35どうしの間隔P1〜P7は、金属チューブ23の先端側から基端側に向かって徐々に、幅広となるように形成されている(P1<P2<・・・<P6<P7)。
更にこの実施形態における螺旋形状の切溝35は、金属チューブ23の軸方向に沿って連続した一本の線で形成されておらず、螺旋の線方向(螺旋の進行方向に沿った線の方向)に沿って、間欠的に切断されて形成された切断部分37と、切残し部分39とを有している。
これについて、図4(C)の、切溝35の切断部分37及び切残し部分39の関係を示す説明図を参照して説明する。同図に示すように、金属チューブ23の軸心Sに対する切断部分37の切断角度をθ1とし、同軸心Sに対する切残し部分39の切残し角度をθ2としたとき、この実施形態においては、切断角度θ1が180°とされ、切残し角度θ2が20°とされている。このような切断角度θ1及び切残し角度θ2を選択することにより、切溝35の切残し部分39は、金属チューブ23の軸方向位置によって周方向における切残し角度θ2が、ずれるように形成されている。
この切残し部分39の位置は、選択する切断角度θ1及び切残し角度θ2によって変位する。例えば、切断部分37の切断角度θ1を220°とし、切残し部分39の切断角度θ2を20°とした場合は、図5に示すように、切溝35に対して軸方向に一つおきに切残し部分39が配置され、かつ、該切残し部分39は、金属チューブ23の周方向のほぼ同じ位置となるように整列して配置されるようになっている。
また、この実施形態における切溝35は、上述したように螺旋形状をなしているが、例えば、一部が切残された円環状の切溝を、金属チューブ23の軸方向に沿って所定間隔で複数配列させてもよく、特に限定されない。
次に、上記構造からなる本発明の搬送具1の使用方法について、図6〜8を参照して説明する。
本発明の搬送具1は、人体の管状器官の所定箇所に、穿刺針や鞘状シース等を用い、膚を通して経皮的に挿入したり、或いは、内視鏡を通して挿入したりする方法を採用することができるが、この実施形態における搬送具1は、内視鏡を通して管状器官内に挿入される態様のものである。
図6に示すように、この実施形態の搬送具1は、人体の管状器官の中でも、分岐部Fがある管状器官V内に挿入され、そこに形成された狭窄部Nに管状器官治療具であるステント7を留置して、狭窄部Nを拡張させるために用いられ、内視鏡5に形成された図示しないルーメンを通して挿入される。また、この搬送具1を搬送する際には、ガイドワイヤWも併せて使用される。ガイドワイヤWとしては、超弾性合金やステンレス等からなる、公知のものが用いられる。
まず、内視鏡5を管状器官V内に挿入していき、その先端部を分岐部Fよりやや奥方まで到達させる。その後、内視鏡5のルーメン内に配置された図示しないカニューラを、分岐部Fから分岐したもう一つの管状器官V1内に挿入し、該カニューラを介して管状器官V1にガイドワイヤWを導入し、その先端部が管状器官V1の奥方に至るまで挿入する(図6参照)。その状態で図示しないカニューラを内視鏡5のルーメンから引き抜く。
上記のようにガイドワイヤWを配置した後、ガイドワイヤWの基端部を、内側シース20のガイドチューブ25に、その先端部側から挿入して、ガイドワイヤWの外周に搬送具1を外装させる。そして、このガイドワイヤWの外周に沿って搬送具1をスライドさせて、内視鏡5のルーメン内に挿入していく。このように、金属チューブ23内に配置されたガイドチューブ25にガイドワイヤWを挿入して、このガイドチューブ25を介して搬送具1をガイドワイヤWに沿ってスライドさせるようにしたので、切溝35にガイドワイヤWが引っ掛かることなく、搬送具1をスムーズに移動させることができる。
そして、内視鏡5のルーメンを通して、その開口部から搬送具1の先端部を突き出して、内視鏡5で視認しつつ搬送具1を押し込んでいき、その先端部を図6に示すように目的の留置箇所である狭窄部Nをやや超えた位置まで到達させる。
このとき、図6に示すように、曲折した管状器官V1内を、搬送具1が移動するようになっているが、この実施形態の搬送具1では、前述したように、隣接する切溝35,35どうしの間隔は、金属チューブ23の先端側から基端側に向かって徐々に、幅広となるように形成されている(図4(B)参照)。そのため、金属チューブ23は、基端側が硬く、先端側に向かって徐々に柔軟となるように構成されているので、プッシュアビリティ(基端側から作用した押し込み力を先端側へ伝達させる能力)を損なうことなく、確実に押し込むことができると共に、その段階的に柔らかくなる柔軟性によって、曲折した管状器官V1でもスムーズに挿入することができ、更に、曲げ応力の集中を防いでキンク(折れ曲がり)を防止することができる。
更に、この実施形態の搬送具1では、金属チューブ23に形成された、切溝35の切残し部分39が、軸方向位置によって周方向における角度がずれるように形成されている(図4(B)参照)。そのため、内側シース20が、所定方向のみに曲りやすくなりなることが抑制されて、周方向に均一な柔軟性を内側シース20に付与することができる。
そして、図6に示すように、搬送具1が配置されたら、内側シース20の基端部に装着されたハブ31を把持し、内側シース20を操作者の手元で固定保持する。その一方、外側シース10のホルダ14を把持して、図7に示すように、外側シース10を内側シース20に対して基端部側にスライドさせる。すると、内側シース20の先端面23aに当接支持されたステント7が、同内側シース20の先端面23aによって、外側シース10の先端部から徐々に押し出されて開放される。
このとき、この搬送具1においては、内側シース20は、金属チューブ23を有しているので、内側シース20が軸方向に縮むことを抑制することができる。従来の樹脂材料で形成された内側シャフトのように大きく縮むことがない。そのため、ステント7を、外側シース10の内側シース20に対するスライド量に応じて、確実に押し出すことができ、ステント7の留置作業を容易かつ正確に行うことができる。
また、この実施形態においては、金属チューブ23に形成された切溝35は、連続的に形成された螺旋形状ではなく、螺旋の線方向に沿って間欠的に切断されて形成された切断部分37と切残し部分39とからなる螺旋形状をなしている。そのため、連続的に螺旋状の切溝が設けられた場合と比べて、切残し部分39がある分だけ金属チューブ23が更に縮みにくくなるので、外側シース10の内側シース20に対するスライド量に応じて、ステント7を更に正確に押し出すことができる。
また、この実施形態では、切溝35に切残し部分39が設けられているので、螺旋状の切溝35が連続的に形成されたものと比べて、金属チューブ23の剛性を保持することができ、搬送具1のトルク伝達性も向上させることができる。
更に、この実施形態においては、内側シース20に金属チューブ23を採用するのに加えて、その外周に被さる外側シース10にも、補強体12を配設するように構成したので、この補強体12によって外側シース10の剛性が向上して、外側シース10の縮みも抑制することができるようになっている。このように、内側シース20及び外側シース10の両者を共に縮みにくくすることができるので、それらの相互作用によって、外側シース10の内側シース20に対するスライド量に応じて、ステント7を更に正確に押し出すことができる。
そして、外側シース10の先端部から、ステント7が完全に押し出されて開放されると、その拡張力によって狭窄部Nを内側から押し広げて拡開させた状態で、図8に示すようにステント7が留置され、管状器官V1の狭窄を治療することができる。
図9には、本発明の搬送具の他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態は、前記実施形態と比べて内側シースの構造が異なっている。すなわち、この実施形態における内側シース20aは、切溝35が形成された金属チューブ23と、該金属チューブ23の先端に連結された樹脂チューブ40とを有している。また、金属チューブ23及び樹脂チューブ40の内周には、ガイドチューブ25が挿入されて、ガイドチューブ25の先端が、樹脂チューブ40の先端から挿出されている。したがって、ガイドチューブ25を介して、金属チューブ23と樹脂チューブ40とが、更にしっかりと連結された状態となっている。また、前記樹脂チューブ40は、前記外側シース10及びガイドチューブ25と同じような材質、例えば、ポリウレタン、ナイロンエラストマー等で形成されている。
そして、この実施形態によれば、内側シース20のガイドチューブ25を除く最先端部が樹脂チューブ40からなるので、内側シース20の最先端部をより柔軟にして、搬送具1の先端部の柔軟性を高めて、同先端部の屈曲角度をより小さくすることができる。
本発明の搬送具1でステント7を収容した場合、どの程度の押し込み力でステント7を押し出すことができるかを試験した。
(1)実施例
実施例として、図1に示す構造をなし、その先端部にステント7が縮径状態で保持された搬送具1を用意した。また、外側シース10はナイロンからなり、編組形状の補強体12が埋設され、内側シース20は、ステンレスからなり、図4に示すパターンで、螺旋形状の切溝35が形成されたものを用いた。
(2)比較例
比較例として、内側シース20の構造が異なる以外は、前記実施例と同様の搬送具を用意した。内側シース20は、ステンレスで形成された切溝のないストレートな基端側チューブと、ナイロンで形成された先端側チューブとが連結されたものを用いた。
(3)試験装置
図10に示すように、外側シース10の基端部のホルダ14を支持して、外側シース10を上下方向に配置して支持固定する支持枠51と、該支持枠51の上方に配置されて、内側シース20の基端部を把持固定すると共に、所定速度で下降して内側シース20に押し付け荷重を付与するロードセル53とを備えた、試験装置を用意した。
(4)試験方法
上記の実施例及び比較例を、図10に示す試験装置にセットして、150mm/minの押し出し速度で、内側シースを押し込んで、ステント7の開放が、どの程度の押し込み量でなされるかを試験した。その結果を、図11に示す。
図中、横軸の距離は、内側シース20の押し込み距離を示し、図中縦軸の荷重は、そのときの押し込み荷重を示している。また、図中の最大荷重を越えた位置から、ステント7の先端部が外側シースから解放され始め、最大荷重までの距離が、外側シース及び/又は内側シースの縮み量である。
この図11に示すように、比較例の搬送具は、ステント7が押し出されるまで、20mmもの大きな縮み量が測定され、その押し出し荷重も大きい。これに対して、実施例の搬送具1は、10mm程度の小さな縮み量で、かつ、比較的小さな押し出し荷重で、ステント7が押し出されることが分かった。
本発明の管状器官治療具の搬送具の一実施形態を示す斜視図である。 同搬送具の内側シースの斜視図である。 同搬送具の先端部における拡大断面図である。 同搬送具の内側シースを構成する金属チューブを示しており、(A)はその正面図、(B)は(A)の切溝の各形成箇所の拡大図、(C)は切溝の切断部分及び切残し部分の関係を示す説明図である。 同搬送具の内側シースを構成する金属チューブの他形状を示す正面図である。 同搬送具を管状器官内に挿入する際の、第1工程を示す説明図である。 同搬送具を管状器官内に挿入する際の、第2工程を示す説明図である。 同搬送具を用いて、管状器官内に管状器官治療具を留置した状態を示す説明図である。 本発明の管状器官治療具の搬送具の他の実施形態を示す斜視図である。 実施例及び比較例の搬送具の、ステントの押し込み試験の試験方法を示す説明図である。 同ステントの押し込み試験の結果を示し、内側シースの押し込み距離とその押し込み荷重との関係を示す図表である。
符号の説明
1 管状器官治療具の搬送具
7 ステント(管状器官治療具)
10 外側シース
12 補強体
20,20a 内側シース
23 金属チューブ
25 ガイドチューブ
35 切溝
37 切断部分
39 切残し部分
40 樹脂チューブ

Claims (7)

  1. 外側シースと、該外側シース内にスライド可能に配置される内側シースとを有し、前記外側シースの先端部内周に管状器官治療具を配置し、前記内側シースの先端部に前記管状器官治療具を当接させた状態で、前記外側シースをスライドさせることにより、前記外側シース先端部から前記管状器官治療具を開放できるように構成された管状器官治療具の搬送具において、
    前記内側シースは、金属チューブを有しており、該金属チューブは、先端側に切溝が形成されて、基端側よりも柔軟にされていることを特徴とする管状器官治療具の搬送具。
  2. 前記切溝は、前記内側シースの軸方向に所定間隔で配列されて形成されており、先端部側の隣接する切溝どうしの間隔は、基端側の切溝どうしの間隔よりも、狭くなるように形成されている請求項1記載の管状器官治療具の搬送具。
  3. 前記内側シースは、前記金属チューブと、該金属チューブに先端に連結された樹脂チューブとを有している請求項1又は2記載の管状器官治療具の搬送具。
  4. 前記金属チューブの切溝は、全体として螺旋形状をなし、この螺旋形状の切溝は、螺旋の線方向に沿って間欠的に切断されて形成された切断部分と切残し部分とを有している請求項1〜3のいずれか1つに記載の管状器官治療具の搬送具。
  5. 前記金属チューブの前記切溝の切残し部分は、軸方向位置によって周方向における角度がずれるように形成されている請求項4記載の管状器官治療具の搬送具。
  6. 前記内側シースは、前記金属チューブの内周を挿通して配置された、ガイドワイヤを挿通可能な又は液体を流入可能なガイドチューブを更に有している請求項1〜5のいずれか1つに記載の管状器官治療具の搬送具。
  7. 前記外側シースには、補強体が配設されている請求項1〜6のいずれか1つに記載の管状器官治療具の搬送具。
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