JP2009207488A - 栄養富化米製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原料となる生籾2を圃場の稲から得る収穫S1と、生籾2を乾燥させずに、56℃以上の所定の温度の浸漬槽に所定時間にわたって浸漬し、生籾2の胚乳部を含む部分におけるγ−アミノ酪酸等の栄養分を富化させて生籾2を栄養富化籾3にする栄養富化工程S8と、栄養富化籾3を乾燥させる乾燥工程S9と、乾燥された栄養富化籾4の籾殻を除去した栄養富化玄米4aを搗精して胚芽および糠層を除去して白米とし、γ−アミノ酪酸等の栄養分を豊富に含有する栄養富化白米5を得る搗精工程S10とを有する。
【選択図】図1
Description
加熱手段によって56℃以上68℃以下の所定の温度にて所定時間にわたって加熱することで前記未発芽籾の胚乳部においてγ−アミノ酪酸を含む栄養分を富化する栄養富化工程
を有する」ことを特徴とするものである。
を、前記栄養富化工程よりも前に、さらに有する」構成としてもよい。
を、前記栄養富化工程よりも前に、さらに有する」構成としてもよい。
加熱手段によって56℃以上68℃以下の所定の温度にて所定時間にわたって加熱することで前記玄米の胚乳部においてγ−アミノ酪酸を含む栄養分を富化する栄養富化工程
を有する」構成としてもよい。
実験1は、本発明の栄養富化米製造方法によって胚乳部においてγ−アミノ酪酸が富化することを示す実験である。以下、表1および図2に基づき、実験1について詳細に説明する。
収穫後の含水率が高いままの平成19年産秋田こまちの生籾を原料とし、浸漬槽にて60℃〜63℃の水中に30分間にわたって浸漬して栄養富化した。栄養富化後は脱水および乾燥を行い、籾殻を除去して栄養富化玄米とした。ここで得られた栄養富化玄米が実施例1であり、実施例1と同じ条件で製造された栄養富化玄米を搗精して胚芽と糠層とを除去して得られた栄養富化白米が実施例2である。実施例1および実施例2についてγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
収穫後に乾燥して保管されていた平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、25℃の水に25時間にわたって浸漬して含水率を28.1%まで高めた後、浸漬槽にて60℃の水中に20分間にわたって浸漬して栄養富化した。栄養富化後は脱水および乾燥を行い、籾殻を除去して栄養富化玄米とした。ここで得られた栄養富化玄米が実施例3であり、実施例3と同じ条件で製造された栄養富化玄米を搗精して得られた栄養富化白米が実施例4である。実施例3および実施例4についても同様にγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
比較例1および比較例2は平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とした。比較例1は、原料の籾を35℃の水に24時間にわたり浸漬して催芽した後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去した玄米であり、比較例2は、比較例1の玄米から胚芽および糠層を除去して得られた白米である。比較例1および比較例2についても同様にγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
収穫後に乾燥させて保管されていた平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、約20℃の水に27時間にわたって一次浸漬して含水率を25.6%まで高めた後、実施例5は、約5℃の水に48時間にわたって二次浸漬を行ったものであり、比較例3は、約30℃の水に48時間にわたって二次浸漬を行ったものである。実施例5および比較例3は、二次浸漬終了後に浸漬槽にて60℃の水中に20分間にわたって浸漬して栄養富化した。いずれも栄養富化後は脱水および乾燥を行い、籾殻を除去して搗精し栄養富化白米とした。
実験2は、栄養富化工程における加熱温度と栄養富化の効果との関係を示す実験である。以下、表2および図3に基づき、実施例で説明する。
実験2においては、平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、35℃の水中に24時間にわたり浸漬して平均含水率を約29%に高めた後、浸漬槽にて20分間浸漬して栄養富化した。栄養富化工程の浸漬温度は夫々55℃〜68℃の異なる温度で10群の試料について実験を行った。各試料とも栄養富化後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去した後に、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、栄養富化白米としてγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
実験3は、栄養富化工程における加熱時間と栄養富化の効果との関係を示す実験である。以下、表3および図4に基づき、実施例で説明する。
実験3においては、平成19年産キヌヒカリの乾燥籾を原料とし、30℃の水中に25時間にわたり浸漬して平均含水率を約28%に高めた後、浸漬槽にて63℃の水に浸漬して栄養富化した。浸漬時間は3分、5分および7分の3通りとして夫々1群の試料について実験を行った。各試料とも栄養富化後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去した後に、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、栄養富化白米とした。さらに、平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、35℃の水中に24時間にわたり浸漬して平均含水率を約29%に高めた後、浸漬槽にて60℃の水に浸漬して栄養富化した。栄養富化工程の浸漬時間を夫々15分〜180分の異なる時間として6群の試料について実験を行った。各試料とも栄養富化後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去し、搗精して胚芽および糠層をさらに除去して栄養富化白米とした。以上の全ての試料についてγ−アミノ酪酸の含有量を測定した。以下、実験条件の相違を考慮し、浸漬時間3分〜7分の試料を「A群」、浸漬時間15分〜180分の試料を「B群」と示す。
実験4および実験5は、栄養富化工程における原料の籾の含水率と栄養富化の効果との関係を示す実験である。以下、表4、表5および図5に基づき、実施例で説明する。
実験4では、実施例7、比較例4および比較例5について比較を行った。平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、水分付加して含水率を高めるために25時間にわたって25℃の水に乾燥籾を浸漬した。その後、脱水および乾燥を行い籾殻を除去して玄米として比較例4とした。また、水分付加のための浸漬の後に栄養富化工程として60℃の水に20分間浸漬したものから得た玄米を実施例7とし、浸漬の後に一旦乾燥してから栄養富化工程として60℃の水に20分間浸漬したものから得た玄米を比較例5とし、夫々γ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
実験6は、籾の発芽が阻害される50℃以上の高温または10℃以下の低温で籾を浸漬して含水率を高めた場合の栄養富化の効果を示す実験である。以下、表6に基づき、実施例で説明する。
実施例9は、平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、51℃の水に浸漬して含水率を28.4%に高めた後に栄養富化、乾燥、籾摺り、搗精を行って白米としたものである。実施例10は、同じく平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、6℃の水に浸漬して含水率を24.6%に高めた後に60℃の水に20分間浸漬して栄養富化し、乾燥、籾摺り、搗精を行って白米としたものである。以上についてγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
実験7は、10℃以下の低温で浸漬した場合の浸漬時間、および50℃以上の高温で浸漬した場合の浸漬時間と含水率との関係を示す実験である。以下、表7および図6に基づき、実施例で説明する。
実験7では、平成19年産ハツシモの乾燥籾を原料として浸漬し、浸漬時間による平均含水率の変化を計測した。乾燥籾の浸漬前の平均含水率は13.9%であった。浸漬温度は10℃および50℃であり、10℃の試料に関しては浸漬開始から48時間経過するまで、50℃の試料に関しては浸漬開始から16時間が経過するまでの平均含水率を随時測定した。また、60℃および65℃の水に浸漬した場合についてもあわせて表7に結果を示す。
実験8では、表8に基づき、乾燥した籾の含水率を高めるための浸漬と、栄養富化のための浸漬とを一連の浸漬によって行う方法について実施例で説明する。
実験8では、平成19年産コシヒカリの籾を原料とし、3群に試料を分けて夫々55℃〜65℃の水に浸漬して栄養富化した後に、脱水、乾燥し、籾殻を除去し、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、栄養富化白米としてγ−アミノ酪酸の含有量を測定した。浸漬時間は5時間〜7時間であり、実験後に測定された平均含水率は29.9%〜30.7%であった。
実験9では、表9に基づき、玄米を原料とした場合の栄養富化の効果について実施例で説明する。
実験9では、平成19年産秋田こまちの生籾を27℃の水に12時間にわたって浸漬した高水分籾を原料とし、籾摺りして高水分玄米とした後に、浸漬槽にて63℃の水中に8秒〜30秒にわたって浸漬して栄養富化した。その後、脱水および乾燥し、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、栄養富化白米としてγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
実験10では、表10および図7に基づいてビタミン類の栄養分の富化について実施例で説明する。
実験10では、平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、17℃〜25℃の水温で28時間にわたって浸漬して高水分籾とした後に、浸漬槽にて60℃の水中に20分間にわたって浸漬して栄養富化した。栄養富化後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去し、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、実施例11の栄養富化白米を得た。また、実施例11の原料と同じ乾燥籾の籾殻を除去し、搗精して胚芽および糠層をさらに除去して得た白米を比較例6とし、夫々についてビタミンB1、ビタミンB2、ビタミン6、ビタミンE、葉酸、およびパントテン酸について含有量を計測した。
実験11は、空気中で加熱した場合の栄養富化の効果を示す実験である。以下、表11に基づき、実施例で説明する。
実験11では、平成19年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、浸漬によって含水率を高めた後に水切りし籾摺りして高水分玄米とたものを、ビニル袋に詰めて63℃で1時間保温して栄養富化した後に、乾燥および搗精を行い、胚芽と糠層とをさらに除去して栄養富化白米とした。実験は、浸漬時間を変えて含水率に差異を生じさせた5群の試料について行った。含水率を高めるための浸漬時間は夫々約8時間〜約22時間であり、含水率は、23.5%〜27.2%であった。
実験12は、生籾を原料として用いた場合の栄養富化工程における加熱温度と栄養富化の効果との関係を示す実験である。以下、表12および図8に基づき、実施例で説明する。
実験12においては、平成20年産コシヒカリの生籾を原料とした。実験開始時の原料の生籾の平均含水率は26.5%であり、含水率を高めるための浸漬は行わず、そのまま栄養富化工程として浸漬槽にて60分間浸漬して加熱した。栄養富化工程の加熱温度は、52℃、56℃、60℃、63℃、68℃、73℃の6通りとし、夫々1群の試料について実験を行った。各試料とも栄養富化後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去した後に、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、栄養富化白米としてγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
実験13は、栄養富化工程における加熱時間と栄養富化の効果との関係を示す実験である。以下、表13および図9に基づき、実施例で説明する。
実験13においては、平成20年産コシヒカリの生籾を原料とした。実験開始時の原料の生籾の平均含水率は26.5%であり、含水率を高めるための浸漬は行わなず、そのまま栄養富化工程として浸漬槽にて浸漬して加熱した。栄養富化工程の加熱温度は63℃であり、加熱時間は夫々5分、10分、20分、30分、60分、120分および180分の7通りとして夫々1群の試料について実験を行った。各試料とも栄養富化後に脱水および乾燥を行い、籾殻を除去した後に、搗精して胚芽および糠層をさらに除去し、栄養富化白米としてγ−アミノ酪酸の含有量を測定した。
実験14は、低温浸漬工程S5の後に栄養富化を行った場合の効果、及び段階浸漬工程S7の後に栄養富化を行った場合の効果を示す実験である。以下、表14に基づき説明する。
実施例12は、平成20年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、低温浸漬工程S5として1℃〜5℃の水に40時間にわたって浸漬して平均含水率を23.0%に高めた後に、栄養富化工程S8として60分間にわたり空気中で63℃で保温して栄養富化し、乾燥、籾摺り、搗精を行って白米としたものである。実施例13は、同じく平成20年産コシヒカリの乾燥籾を原料とし、段階浸漬工程S7として、4℃〜5℃の水に27時間にわたって浸漬し(低温浸漬工程S5)、さらに50℃の水に30分間浸漬して(高温浸漬工程S6)平均含水率を23.0%に高めた後に、栄養富化工程S8として60分間にわたり空気中で63℃で保温して栄養富化し、乾燥、籾摺り、搗精を行って白米としたものである。以上についてγ−アミノ酪酸の含有量を計測した。
実験15は、段階浸漬工程S7における含水率向上に要する時間を示す実験である。実験15では、平成20年産コシヒカリの乾燥籾を5℃〜8℃の水に300分間(5時間)〜480分間(8時間)にわたって浸漬(低温浸漬工程S5)した後に、引き続き50℃の水に60分間〜120分間にわたって浸漬(高温浸漬工程S6)して水分を付加し、籾の含水率を向上させた。以下、表15に基づき説明する。
S6 高温浸漬工程
S8 栄養富化工程
1 栄養富化米製造方法
2 生籾 (未発芽籾)
2a 生玄米 (玄米)
3 栄養富化籾 (栄養富化米)
3a 栄養富化玄米 (栄養富化米)
4 乾燥された栄養富化籾 (栄養富化米)
4a 栄養富化玄米 (栄養富化米)
5 栄養富化白米 (栄養富化米)
8 乾燥籾 (未発芽籾)
8a 乾燥玄米 (玄米)
Claims (5)
- 平均含水率が23%以上であって発芽していない未発芽籾を、
加熱手段によって56℃以上68℃以下の所定の温度にて所定時間にわたって加熱することで前記未発芽籾の胚乳部においてγ−アミノ酪酸を含む栄養分を富化する栄養富化工程
を有することを特徴とする、栄養富化米製造方法。 - 前記未発芽籾は、未乾燥の生籾であることを特徴とする、請求項1に記載の栄養富化米製造方法。
- 前記未発芽籾を、0℃より高く10℃以下の温度の水に所定時間にわたって浸漬し、前記未発芽籾の平均含水率を23%以上に高める低温浸漬工程
を、前記栄養富化工程よりも前に、さらに有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の栄養富化米製造方法。 - 前記未発芽籾を、50℃以上65℃以下の温度の水に浸漬し、前記未発芽籾の平均含水率を23%以上に高める高温浸漬工程
を、前記栄養富化工程よりも前に、さらに有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の栄養富化米製造方法。 - 胚芽を有し平均含水率が23%以上であって発芽していない玄米を、
加熱手段によって56℃以上68℃以下の所定の温度にて所定時間にわたって加熱することで前記玄米の胚乳部においてγ−アミノ酪酸を含む栄養分を富化する栄養富化工程
を有することを特徴とする、栄養富化米製造方法。
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