JP2009208029A - 結晶性セリア薄膜触媒 - Google Patents

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【課題】一酸化炭素酸化活性といった触媒活性を有し、しかも十分な熱安定性を有しているため高温の排ガス中でも使用することが可能な結晶性セリア薄膜触媒を提供すること。
【解決手段】基材の表面に形成されたセリアを主成分とする結晶からなる薄膜であって、前記薄膜が前記基材表面から成長してなる柱状結晶からなり、且つ前記薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっていることを特徴とする結晶性セリア薄膜触媒。
【選択図】図3

Description

本発明は、結晶性セリア薄膜触媒に関する。
基材にセリア等の金属酸化物の薄膜を形成する方法として、一般的にはゾルゲル法や化学的気相成長法(CVD法)が採用されている。例えば、特開2004−217973号公報(特許文献1)には、粒径1〜100nmの微小粒子を気相中に導入しながら化学的気相成長法によって薄膜を形成する薄膜形成方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のような化学的気相成長法やゾルゲル法といった従来一般的に採用されている薄膜形成方法により薄膜を形成する場合には、薄膜中の金属酸化物の結晶構造といった微細構造を制御することが困難であるという問題があった。また、これらの薄膜形成方法によりセリア薄膜を形成した場合には、薄膜中のセリアの結晶構造を十分に制御することができず、例えば一酸化炭素(CO)酸化活性を有するようなセリア薄膜を得ることはできなかった。
特開2004−217973号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、一酸化炭素酸化活性といった触媒活性を有し、しかも十分な熱安定性を有しているため高温(例えば、600℃以上)の排ガス中でも使用することが可能な結晶性セリア薄膜触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、化学的気相成長法によりセリア薄膜を形成する方法において、基材を予め特定の温度に保持し且つ基材に特定の強度のレーザー光を照射しつつ、特定の圧力下において基材上にセリアの蒸着膜を形成することにより、基材の表面に形成されたセリアを主成分とする結晶からなる薄膜であって、前記薄膜が前記基材表面から成長してなる柱状結晶からなり、且つ前記薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっている結晶性セリア薄膜触媒が得られ、驚くべきことに、かかる結晶性セリア薄膜触媒が一酸化炭素(CO)酸化活性といった触媒活性を有し、しかも十分な熱安定性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は、基材の表面に形成されたセリアを主成分とする結晶からなる薄膜であって、前記薄膜が前記基材表面から成長してなる柱状結晶からなり、且つ前記薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっていることを特徴とするものである。
また、本発明の結晶性セリア薄膜触媒においては、下記の条件(i)〜(iii)のうち少なくとも一つの条件を満たしていることが好ましい。
(i)前記柱状結晶の平均直径が0.1〜10μmの範囲内であること。
(ii)前記柱状結晶同士の間に平均間隔が5〜100nmの空隙が形成されていること。
(iii)前記柱状結晶が(100)面又は該(100)面と結晶学的に等価な結晶面を有するものであること。
さらに、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は酸化鉄が担持されているものであってもよい。
なお、本発明の結晶性セリア薄膜触媒が一酸化炭素酸化活性といった触媒活性を有し、しかも十分な熱安定性を有しており高温の排ガス中でも使用することが可能なものとなる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の結晶性セリア薄膜触媒においては、基材の表面から成長してなる柱状結晶が配列することによりセリア薄膜が構成されている。そして、このような柱状結晶とは基材の表面から一定の方向に結晶が成長することにより形成される柱状の結晶のことをいうが、前記柱状結晶は通常触媒担体に用いるセリア系粒子と比較して大きいものであり、前記柱状結晶における柱の直径(太さ)も前記セリア系粒子の粒子径の10倍以上の大きさがある。そのため、柱状結晶の熱安定性は通常のセリア系粒子の結晶と比較して高くなる。さらに、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は前記柱状結晶が配列することにより構成されているため、前記柱状結晶同士の間には空隙が形成されることになる。そのため、本発明の結晶性セリア薄膜触媒においては、セリア結晶同士の間で焼結が進みにくく、熱安定性が優れるものと本発明者らは推察する。
また、本発明の結晶性セリア薄膜触媒においては、セリア薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっている。そして、このようにセリア薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっている場合には、前記柱状結晶が(100)面のようにエネルギー的に不安定な結晶面を有しているものとなるため、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は一酸化炭素酸化活性といった触媒活性を有するものと本発明者らは推察する。さらに、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は、直接レーザー光の照射が届かないハニカム基材の孔内においても基材表面から略垂直方向に前記柱状結晶が成長してなるものであり、好適なモノリス型触媒を形成することが可能なものである。
本発明によれば、一酸化炭素酸化活性といった触媒活性を有し、しかも十分な熱安定性を有しているため高温の排ガス中でも使用することが可能な結晶性セリア薄膜触媒を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の結晶性セリア薄膜触媒について説明する。すなわち、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は、基材の表面に形成されたセリアを主成分とする結晶からなる薄膜であって、前記薄膜が前記基材表面から成長してなる柱状結晶からなり、且つ前記薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっていることを特徴とするものである。
本発明において用いる基材としては、耐熱性を有する基材であればよく、特に限定されない。このような基材は、触媒の用途等に応じて適宜選択されるが、排ガス浄化用触媒等として用いる場合は、モノリス担体基材(ハニカムフィルタ、高密度ハニカム等)、フォームフィルタ基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用される。また、このような基材の材質も特に制限されないが、排ガス浄化用触媒等として用いる場合は、コージエライト、炭化ケイ素、ムライト、アルミナ、チタン、シリカ、石英ガラス等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が好適に採用される。
本発明にかかる柱状結晶とは、前記基材の表面から一定の方向に結晶が成長することにより形成される柱状の結晶のことをいう。また、このような柱状結晶はセリアを主成分とするものであり、セリアを50質量%以上(好ましくは80質量%以上)含有するものであることが好ましい。さらに、このような柱状結晶は、(100)面又は該(100)面と結晶学的に等価な結晶面を有するものであることが好ましい。このように柱状結晶が(100)面のようにエネルギー的に不安定な結晶面を有しているものである場合には、結晶の表面における触媒活性が高まる傾向にある。
このような柱状結晶における柱の直径(太さ)は0.1〜10μmの範囲内(好ましくは0.2〜5μm)であることが好ましい。柱状結晶の太さが前記下限未満では、得られるセリア薄膜触媒の熱安定性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、ガスと接触する結晶の表面積が小さくなるため、得られるセリア薄膜触媒の触媒活性が低下する傾向にある。
本発明の結晶性セリア薄膜触媒は、前記基材表面から成長してなる柱状結晶が配列することにより構成される。このように結晶性セリア薄膜触媒は前記柱状結晶が配列することにより構成されているため、前記柱状結晶同士の間には空隙が形成されることになる。このような結晶性セリア薄膜触媒においては、前記柱状結晶同士の間に平均間隔が5〜100nmの空隙が形成されていることが好ましい。このような空隙の存在によってセリア結晶同士の間で焼結が進みにくくなるため、得られる結晶性セリア薄膜触媒における熱安定性が向上する傾向にある。
また、本発明の結晶性セリア薄膜触媒においては、薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっていることが必要である。薄膜の結晶面の方位が前記方向以外である場合には、一酸化炭素酸化活性といった触媒活性が不十分なものとなる。薄膜の結晶面とは、薄膜を構成する原子が規則的に配列している面のことをいい、薄膜の結晶面の方位とは、このような結晶面の法線方向を面指数(ミラー指数)で表した方位のことをいう。そして、基材表面の法線に対する薄膜の結晶面の方位とは、基材表面の法線を(100)方向とした場合における薄膜の結晶面の方位のことをいう。このような薄膜の結晶面の方位は、X線回折装置を用いて薄膜のX線回折パターンを測定し、そのX線回折パターンから解析することができる。
本発明の結晶性セリア薄膜触媒の厚みは特に限定されないが、1〜50μm(好ましくは5〜20μm)であることが好ましい。薄膜の厚みが前記下限未満では、有効な結晶面の配向制御が十分に行えないため、得られるセリア薄膜触媒の一酸化炭素酸化活性といった触媒活性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、触媒活性への寄与の程度が低い基材側に存在する結晶の割合が増えることから触媒活性の更なる向上は見込めないものの、例えばハニカム基材上に薄膜を形成したときにガスの通過する断面積が増えるため圧力損失が大きくなる傾向にある。
さらに、本発明の結晶性セリア薄膜触媒は酸化鉄が担持されているものであってもよい。このように、薄膜の表面や柱状結晶同士の間に形成されている空隙部に触媒活性点としての酸化鉄が担持されることにより、薄膜触媒の触媒活性をさらに向上させることができ、低温域(例えば150〜300℃)においても高い一酸化炭素(CO)酸化活性や炭化水素(HC)酸化活性を達成することができる。このような酸化鉄の担持量は、前記基材の単位面積1mに対して1〜10gの範囲であることが好ましい。酸化鉄の担持量が前記下限未満では触媒活性を向上させるという効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えて酸化鉄を担持しても活性が飽和する傾向にある。
次に、本発明の結晶性セリア薄膜触媒を製造する方法について説明する。本発明の結晶性セリア薄膜触媒は、例えば、化学的気相成長法(CVD法)によりセリア薄膜を形成する方法において、基材を予め特定の温度に保持し且つ基材に特定の強度のレーザー光を照射しつつ、特定の圧力下において基材上にセリアの蒸着膜を形成することにより製造することができる。
このような方法におけるセリア薄膜の材料としては、CVD法において用いることが可能なものであればよく、例えば、セリウムのジピバロイルメタナト錯体〔Ce(dpm)錯体〕、酢酸セリウム〔Ce(C・nHO〕、オクチル酸セリウム〔Ce(C15〕等のセリウムを含有する有機金属錯体が挙げられる。
このように蒸着膜を形成する蒸着装置としては、大気を遮断して特定のガスを基材近傍に流通させることができ、また反応後のガスを一定の圧力を維持したまま排出することができる装置を適宜使用でき、具体的には特に限定されず、公知の蒸着装置を使用することができる。
本発明の結晶性セリア薄膜触媒は、例えば、図1に示す製造装置を用いることにより製造することができる。以下、本発明の結晶性セリア薄膜触媒を製造する方法をより詳細に説明するために、図面を参照しながら、本発明の結晶性セリア薄膜触媒を製造するために好適に用いることが可能な製造装置の一実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の結晶性セリア薄膜触媒を製造するのに好適な製造装置の一例を示す模式図である。図1に示す製造装置は、原料ガス供給管1と、酸素ガス供給管2と、反応炉3と、基材加熱ステージ4と、レーザー5と、ガス排出管6とを備えている。また、このような製造装置においては、圧力調整機(例えばバックプレッシャーレギュレーター)によって反応炉3内の圧力の調整が可能となっている。
このような原料ガス供給管1、酸素ガス供給管2及びガス排出管としては特に制限されず、原料ガス等を所定の速度で供給又は排出することが可能なものを適宜利用できる。また、基材加熱ステージ4は、基材を100〜800℃の温度に保持することが可能なものであればよく、特に制限されない。このような基材加熱ステージ4としては、公知の加熱装置を適宜利用することができる。さらに、レーザー5としては、公知のレーザーを適宜利用でき、例えば、半導体レーザー、Nd−YAGレーザー、COレーザーを用いることができる。また、レーザー5としては、発光波長が600〜10000nmのものを用いることが好ましい。
このような図1に示す製造装置を用いて、例えば以下に示すようにして本発明の結晶性セリア薄膜触媒を製造することができる。すなわち、先ず、基材加熱ステージ4に基材を配置し、基材の温度が200〜1000℃となるように基材加熱ステージ4の温度を調整する。基材の温度が前記下限未満では、薄膜を成膜することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、結晶が無配向で且つ空隙が形成されず緻密な薄膜となりやすい傾向にある。
次に、原料ガス供給管1から温度150〜300℃に加熱して気化させたCe(dpm)錯体とアルゴンガスとを反応炉3内に供給すると共に、酸素ガス供給管2から酸素ガスを反応炉3内に供給し、反応炉3内においてこれらのガスを混合せしめる。
そして、圧力調整機により反応炉3内の圧力を0.1〜3kPaに保持し、また、これらの混合ガスにレーザー5を用いて基材に対して30〜75°の方向からレーザー光を照射しながら、セリア薄膜を形成せしめることによって本発明の結晶性セリア薄膜触媒を得ることができる。なお、反応炉3内の圧力が前記下限未満では、薄膜を成膜することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、結晶が無配向な薄膜となりやすい傾向にある。また、レーザー光の出力は20〜200Wとすることが好ましい。レーザー光の出力が前記下限未満では、結晶が無配向な薄膜となりやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、結晶が無配向な薄膜となりやすい傾向にある。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
前述の図1に示す製造装置を用いて結晶性セリア薄膜を製造した。すなわち、先ず、基材(材質:石英、大きさ:15mm×10mm×1mm)を図1に示す製造装置の基材加熱ステージ4上に配置し、基材の温度が400℃となるように基材加熱ステージ4の温度を調整した。そして、原料ガス供給管1から温度240℃に加熱して気化させたCe(dpm)錯体とアルゴンガスとを反応炉3内に供給すると共に、酸素ガス供給管2から酸素ガスを反応炉3内に供給し、反応炉3内においてこれらのガスを混合せしめた。そして、圧力調整機により反応炉3内の圧力を0.8kPaに保持し、また、これらの混合ガスにレーザー5(半導体レーザー、発光波長:808nm、レーザー出力:150W)を用いて基材に対して45°の方向からレーザー光を照射しながら、セリア薄膜を形成せしめて結晶性セリア薄膜を得た。
SEM(走査型電子顕微鏡)を用い、得られた結晶性セリア薄膜の表面及び断面の形態を観察した。結晶性セリア薄膜の表面及び断面のSEM写真を図2及び図3にそれぞれ示す。図2及び図3に示すように、得られた結晶性セリア薄膜触媒は柱状結晶の間に微小な空隙が形成されているものであるため、結晶間での焼結が生じにくいものであることが確認された。また、得られた結晶性セリア薄膜の厚みは20μmであった。さらに、得られた結晶性セリア薄膜における任意の20個の柱状結晶を観察し、柱状結晶の平均直径及び柱状結晶同士の間の平均間隔について確認した。その結果、柱状結晶の平均直径は0.8μmであり、0.1〜10μmの範囲内であることが確認された。また、柱状結晶同士の間の平均間隔は50nmであり、5〜100nmの範囲内であることが確認された。
(比較例1)
反応炉3内の圧力を0.6kPaに保持した以外は実施例1と同様にして結晶性セリア薄膜を得た。SEM(走査型電子顕微鏡)を用い、得られた結晶性セリア薄膜の表面及び断面の形態を観察した。結晶性セリア薄膜の表面及び断面のSEM写真を図4及び図5にそれぞれ示す。得られた結晶性セリア薄膜の厚みは15μmであった。
(比較例2)
反応炉3内の圧力を0.4kPaに保持した以外は実施例1と同様にして結晶性セリア薄膜を得た。SEM(走査型電子顕微鏡)を用い、得られた結晶性セリア薄膜の表面及び断面の形態を観察した。結晶性セリア薄膜の表面及び断面のSEM写真を図6及び図7にそれぞれ示す。得られた結晶性セリア薄膜の厚みは10μmであった。
<薄膜の配向状態の評価>
X線回折装置を用い、実施例1及び比較例1〜2で得られた結晶性セリア薄膜のX線回折パターンを測定した。得られた結果を図8に示す。図8に示したように、実施例1で得られた結晶性セリア薄膜〔反応炉内の圧力(Ptot)=0.8kPa〕の結晶面の方位は基材表面の法線に対して(100)方向となっていることが確認された。また、比較例1で得られた結晶性セリア薄膜〔反応炉内の圧力(Ptot)=0.6kPa〕の結晶面の方位は基材表面の法線に対して(311)方向となっていることが確認された。さらに、比較例2で得られた結晶性セリア薄膜〔反応炉内の圧力(Ptot)=0.4kPa〕の結晶面の方位は基材表面の法線に対して(110)方向となっていることが確認された。
<薄膜のCO酸化活性の評価>
実施例1及び比較例1〜2で得られた結晶性セリア薄膜、並びに石英基材(大きさ:15mm×10mm×1mm、参考例1)及び石英基材上に形成された白金薄膜(基材の大きさ:15mm×10mm×1mm、白金薄膜の厚み:10nm、参考例2)について、以下のようにCO転化率の測定を行い、CO酸化活性を評価した。すなわち、図9に示すように、ガス供給装置11と、試料容器12と、ヒーター13と、質量分析器14(ULVAC社製、製品名「MMC−200」)とを備えているCO転化率測定装置(大倉理研社製、製品名「TP5102SP」)に試料20を配置した。なお、このようなCO転化率測定装置おいては、試料容器12はガス供給装置11及び質量分析器14とそれぞれガス管15により接続されており、試料容器12内には石英管ビーズ16が投入されている。また、試料容器12は熱電対17を備えている。そして、CO(2000ppm)、O(1000ppm)及びHe(残部)からなるモデルガスを100ml/分のガス流量で試料の配置された試料容器12に供給し、モデルガスの温度を40分間で100℃から500℃に変化させつつ、試料容器12から排出されるガス中のCO濃度を質量分析器14により測定し、それらの測定値からCO転化率を算出した。得られた結果を図10に示す。図10に示した結果から明らかなように、薄膜の結晶面の方位が基材表面の法線に対して(100)方向となっている本発明の結晶性セリア薄膜(実施例1)はCO酸化活性を有していることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、一酸化炭素酸化活性といった触媒活性を有し、しかも十分な熱安定性を有しているため高温の排ガス中でも使用することが可能な結晶性セリア薄膜触媒を提供することが可能となる。
本発明の結晶性セリア薄膜触媒を製造するのに好適な製造装置の一例を示す模式図である。 実施例1で得られた結晶性セリア薄膜の表面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた結晶性セリア薄膜の断面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた結晶性セリア薄膜の表面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた結晶性セリア薄膜の断面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2で得られた結晶性セリア薄膜の表面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2で得られた結晶性セリア薄膜の断面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1及び比較例1〜2で得られた結晶性セリア薄膜のX線回折パターンを示すグラフである。 一酸化炭素転化率測定装置内に結晶性セリア薄膜試料を配置した状態を示す模式図である。 実施例1及び比較例1〜2で得られた結晶性セリア薄膜のガス温度に対するCO転化率の関係を示すグラフである。
符号の説明
1…原料ガス供給管、2…酸素ガス供給管、3…反応炉、4…基材加熱ステージ、5…レーザー、6…ガス排出管、11…ガス供給装置、12…試料容器、13…ヒーター、14…質量分析器、15…ガス管、16…石英管ビーズ、17…熱電対、20…試料。

Claims (5)

  1. 基材の表面に形成されたセリアを主成分とする結晶からなる薄膜であって、前記薄膜が前記基材表面から成長してなる柱状結晶からなり、且つ前記薄膜の結晶面の方位が前記基材表面の法線に対して(100)方向となっていることを特徴とする結晶性セリア薄膜触媒。
  2. 前記柱状結晶の平均直径が0.1〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の結晶性セリア薄膜触媒。
  3. 前記柱状結晶同士の間に平均間隔が5〜100nmの空隙が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の結晶性セリア薄膜触媒。
  4. 前記柱状結晶が(100)面又は該(100)面と結晶学的に等価な結晶面を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の結晶性セリア薄膜触媒。
  5. 前記薄膜に酸化鉄が担持されていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の結晶性セリア薄膜触媒。
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