JP2009222000A - 燃料直噴エンジン - Google Patents

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Nobuhiko Sasaki
信彦 佐々木
Hiroshi Tajima
寛 但馬
Kenichiro Iketani
健一郎 池谷
Goichi Katayama
吾一 片山
Hiroshi Sono
比呂志 園
Yoshimasa Kaneko
宜正 金子
Yukihisa Yamatani
幸久 山谷
Akihiro Yamaguchi
晃弘 山口
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Abstract

【課題】 ペントルーフ型のピストンを備えた燃料直噴エンジンにおいて、スキッシュ流および逆スキッシュ流の強さをスキッシュエリアの円周方向で可及的に均一化する。
【解決手段】 ペントルーフ型のピストン13を備えた燃料直噴エンジンでは、スキッシュエリア26の幅Wが円周方向に変化するため、スキッシュ流および逆スキッシュ流の大きさが円周方向に変化してしまう。ピストンピン軸線L2に対して直交する方向のスキッシュエリア26に臨むピストン13の頂面に、スキッシュ容積を拡大する凹部13e,13fを形成することでスキッシュ流および逆スキッシュ流を弱め、ピストンピン軸線L2方向のスキッシュ容積と、それに直交する方向のスキッシュ容積とを略等しくすることができる。これにより、スキッシュ流および逆スキッシュ流を円周方向に均一化して混合気の燃焼状態を改善し、出力の向上や排気有害物質の削減に寄与することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ピストンピン軸線と平行な方向に延びる頂部を挟んで傾斜する二つの傾斜面を含み、ピストン中心軸方向の高さが円周方向に変化するペントルーフ型の頂面を有するピストンと、前記ピストンの頂面に対向するペントルーフ型の下面を有するシリンダヘッドと、前記ピストンの頂面の中央部に凹設されたキャビティと、前記ピストンの前記キャビティよりも径方向外側部分と前記シリンダヘッドの下面との間に形成された環状のスキッシュエリアとを備えた燃料直噴エンジンに関する。
一般的に燃料直噴エンジンのピストンの頂面は平坦に形成されているが、ピストンの頂面をペントルーフ状に突出させた燃料直噴エンジンが知られている。
ペントルーフ状の頂面を有するピストンにより発生するスキッシュ流の強さはキャビティ入口径とシリンダボア径との比、つまりスキッシュエリアの径方向の幅に依存することが知られている。ペントルーフ状の頂面を有するピストンでは、フュエルインジェクタの各噴孔からキャビティ内に噴射される燃料の到達距離を等しく設定すると、キャビティ入口が楕円状になってスキッシュエリアの径方向の幅が円周方向に変化してしまう。具体的には、スキッシュエリアの幅が広い部分(ピストンの頂面が低い部分)ではスキッシュ流が強くなり、スキッシュエリアの幅が狭い部分(ピストンの頂面が高い部分)ではスキッシュ流が弱くなる問題がある。
そこで本出願人は、下記特許文献1により、ピストン中心軸と直交する平面におけるキャビティ入口径Dとシリンダボア径Bとの比D/Bが円周方向に変化する燃料直噴ディーゼルエンジンにおいて、前記キャビティの径方向外側のピストンの頂面とシリンダヘッドの下面との間に形成されるスキッシュクリアランスが、前記比D/Bの減少に応じて増加し、前記比D/Bの増加に応じて減少するように設定した燃料直噴エンジンを提案している。
この燃料直噴エンジンによれば、ピストンの頂面とシリンダヘッドの下面との間に形成されるスキッシュクリアランスを、比D/Bが小さいところで、つまりスキッシュクリエリアの径方向の幅が大きいところで大きく設定し、また比D/Bが大きいところで、つまりスキッシュクリエリアの径方向の幅が小さいところで小さく設定することで、スキッシュ流および逆スキッシュ流の強さをピストンの円周方向に均一化し、空気および燃料の均一な混合を促進して排気有害物を低減することができる。
特開2008−002399号公報
ところで上記従来のものは、スキッシュクリアランスに着目してスキッシュ流および逆スキッシュ流の強さをピストンの円周方向に均一化することを狙ったものであるが、スキッシュ流および逆スキッシュ流の強さを決める主要なパラメータはスキッシュクリアランスだけではないため、スキッシュ流および逆スキッシュ流の強さをピストンの円周方向に均一化する上で必ずしも充分なものではなかった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ペントルーフ型のピストンを備えた燃料直噴エンジンにおいて、スキッシュ流および逆スキッシュ流の強さをスキッシュエリアの円周方向で可及的に均一化することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ピストンピン軸線と平行な方向に延びる頂部を挟んで傾斜する二つの傾斜面を含み、ピストン中心軸方向の高さが円周方向に変化するペントルーフ型の頂面を有するピストンと、前記ピストンの頂面に対向するペントルーフ型の下面を有するシリンダヘッドと、前記ピストンの頂面の中央部に凹設されたキャビティと、前記ピストンの前記キャビティよりも径方向外側部分と前記シリンダヘッドの下面との間に形成された環状のスキッシュエリアとを備えた燃料直噴エンジンにおいて、ピストンピン軸線に対して直交する方向の前記スキッシュエリアに臨む前記ピストンの頂面および前記シリンダヘッドの少なくとも一方に前記スキッシュ容積を拡大する凹部を形成することで、ピストンピン軸線方向のスキッシュ容積とピストンピン軸線に対して直交する方向のスキッシュ容積とを略等しくしたことを特徴とする燃料直噴エンジンが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記ピストンの二つの傾斜面の一方に対向する吸気バルブ孔と、前記二つの傾斜面の他方に対向する前記吸気バルブ孔よりも小径の排気バルブ孔と、前記吸気バルブ孔を開閉するとともに、閉弁状態で傘部の下面が前記シリンダヘッドの下面に対して上方に沈み込む吸気バルブと、前記排気バルブ孔を開閉するとともに、閉弁状態で傘部の下面が前記シリンダヘッドの下面に対して上方に沈み込む排気バルブとを備え、前記吸気バルブの沈み込み容積は前記排気バルブの沈み込み容積よりも大きく、前記吸気側の凹部の容積は前記排気側の凹部の容積よりも小さいことを特徴とする燃料直噴エンジンが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記吸気バルブ孔および前記排気バルブ孔は各々2個ずつ形成され、ピストン中心軸方向に見て、前記吸気側の凹部は前記2個の吸気バルブ孔の間に該吸気バルブ孔と重ならないように形成され、前記排気側の凹部は前記2個の排気バルブ孔の間に該排気バルブ孔と重ならないように形成されることを特徴とする燃料直噴エンジンが提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記吸気側の凹部の深さは前記吸気バルブの沈み込み量と略等しく、前記排気側の凹部の深さは前記排気バルブの沈み込み量と略等しいことを特徴とする燃料直噴エンジンが提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、ピストンピン軸線と平行な方向に延びる頂部を挟んで傾斜する二つの傾斜面を含み、ピストン中心軸方向の高さが円周方向に変化するペントルーフ型の頂面を有するピストンと、前記ピストンの頂面に対向するペントルーフ型の下面を有するシリンダヘッドと、前記ピストンの頂面の中央部に凹設されたキャビティと、前記ピストンの前記キャビティよりも径方向外側部分と前記シリンダヘッドの下面との間に形成された環状のスキッシュエリアとを備えた燃料直噴エンジンにおいて、Nを2以上の自然数とし、前記キャビティの内壁面と、ピストン中心軸から放射方向に延びて互いに均等な挟み角を有するN個の半平面とで、前記スキッシュ容積をN個の仮想的なスキッシュ容積区分に区画したとき、前記各々の仮想的なスキッシュ容積区分が略等しくなるように、ピストンピン軸線に対して直交する方向を含む前記スキッシュエリアに臨む前記ピストンの頂面および前記シリンダヘッドの下面の少なくとも一方に凹部を形成することを特徴とする燃料直噴エンジンが提案される。
請求項1の構成によれば、ピストンのペントルーフ型の頂面の中心にキャビティを形成すると、ピストンピン軸線方向のスキッシュエリアの径方向幅が小さくなってスキッシュ流および逆スキッシュ流が小さくなり、ピストンピン軸線に直交する方向のスキッシュエリアの径方向幅が大きくなってスキッシュ流および逆スキッシュ流が大きくなるが、ピストンピン軸線に対して直交する方向のスキッシュエリアに臨むピストンの頂面およびシリンダヘッドの下面の少なくとも一方に、スキッシュ容積を拡大する凹部を形成することでスキッシュ流および逆スキッシュ流を弱め、ピストンピン軸線方向およびピストンピン軸線に対して直交する方向のスキッシュ流および逆スキッシュ流を略等しくすることができる。これにより、スキッシュ流および逆スキッシュ流を円周方向に均一化して混合気の燃焼状態を改善し、出力の向上や排気有害物質の削減に寄与することができる。
また請求項2の構成によれば、吸気バルブの沈み込み容積が排気バルブの沈み込み容積よりも大きく、吸気側の凹部の容積が排気側の凹部の容積よりも小さいので、吸気バルブの沈み込み容積が大きい分だけ大きく減少した吸気側のスキッシュ流および逆スキッシュ流を、吸気側の凹部の容積を小さくしてスキッシュ流および逆スキッシュ流を小さく減少させることで補償し、かつ排気バルブの沈み込み容積が小さい分だけ小さく減少した排気側のスキッシュ流および逆スキッシュ流を、排気側の凹部の容積を大きくしてスキッシュ流および逆スキッシュ流を大きく減少させることで補償し、吸気バルブおよび排気バルブの沈み込み容積に関わらずにスキッシュ流および逆スキッシュ流の大きさを円周方向に均一化することができる。
また請求項3の構成によれば、吸気バルブ孔および排気バルブ孔は各々2個ずつ形成され、ピストン中心軸方向に見て、吸気側の凹部は2個の吸気バルブ孔の間に該吸気バルブ孔と重ならないように形成され、排気側の凹部は2個の排気バルブ孔の間に該排気バルブ孔と重ならないように形成されるので、ピストンの頂面に形成した凹部が吸気バルブ孔あるいは排気バルブ孔と重なり、その部分でスキッシュエリアの厚さが局部的に増加するのを防止することができる。
また請求項4の構成によれば、吸気側の凹部の深さは吸気バルブの沈み込み量と略等しく、排気側の凹部の深さは排気バルブの沈み込み量と略等しいので、閉弁した吸気バルブおよび排気バルブの傘部の下面におけるスキッシュエリアの厚さと、吸気側および排気側の凹部の上面におけるスキッシュエリアの厚さとが不連続に変化するのを防止することで、より一層均一なスキッシュ流および逆スキッシュ流の生成に寄与することができる。
また請求項5の構成によれば、ピストンのペントルーフ型の頂面の中心にキャビティを形成すると、ピストンピン軸線方向のスキッシュエリアの径方向幅が小さくなってスキッシュ流および逆スキッシュ流が小さくなり、ピストンピン軸線に直交する方向のスキッシュエリアの径方向幅が大きくなってスキッシュ流および逆スキッシュ流が大きくなるが、スキッシュ容積をN個の仮想的なスキッシュ容積区分に区画したとき、各々の仮想的なスキッシュ容積区分が略等しくなるように、ピストンピン軸線に対して直交する方向のスキッシュエリアに臨むピストンの頂面およびシリンダヘッドの下面の少なくとも一方に凹部を形成したので、スキッシュ流および逆スキッシュ流を円周方向に均一化して混合気の燃焼状態を改善し、出力の向上や排気有害物質の削減に寄与することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図12は本発明の実施の形態を示すもので、図1はディーゼルエンジンの要部縦断面図、図2は図1の2−2線矢視図、図3は図1の3−3線矢視図、図4はピストンの上部斜視図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図3の7−7線断面図、図8は補正後のキャビティの断面形状を示す、前記図5に対応する図、図9は補正後のキャビティの断面形状を示す、前記図6に対応する図、図10は仮想的なキャビティ区分の説明図、図11はキャビティ区分の方向を円周方向に変化させたときの、該キャビティ区分の容積の変化率を示すグラフ、図12はスキッシュ容積の円周方向の変化を示すグラフである。
図1〜図3に示すように、燃料直噴型のディーゼルエンジンは、シリンダブロック11に形成されたシリンダ12に摺動自在に嵌合するピストン13を備えており、ピストン13はピストンピン14およびコネクティングロッド15を介して図示せぬクランクシャフトに接続される。シリンダブロック11の上面に結合されるシリンダヘッド16の下面に、ピストン13の頂面に対向する2個の吸気バルブ孔17,17と、2個の排気バルブ孔18,18とが開口しており、吸気バルブ孔17,17に吸気ポ−ト19が連通し、排気バルブ孔18,18に排気ポート20が連通する。吸気バルブ孔17,17は吸気バルブ21,21で開閉され、排気バルブ孔18,18は排気バルブ22,22で開閉される。ピストン中心軸Lp上に位置するようにフュエルインジェクタ23が設けられるとともに、フュエルインジェクタ23に隣接するようにグロープラグ24が設けられる。
図1および図4から明らかなように、ピストン13の頂面と、そこに対向するシリンダヘッド16の下面とは平坦ではなく断面三角形のペントルーフ状に傾斜しており、この形状により、吸気ポ−ト19および排気ポート20の湾曲度を小さくするとともに吸気バルブ孔17,17および排気バルブ孔18,18の直径を確保し、吸気効率および排気効率を高めることができる。
ピストン13の頂面には、ピストン中心軸Lpを中心とするキャビティ25が凹設される。キャビティ25の径方向外側には、ピストンピン14と平行に直線状に延びる頂部13a,13aから吸気側および排気側に向かって下向きに傾斜する一対の傾斜面13b,13bと、傾斜面13b,13bの下端近傍に形成されてピストン中心軸Lpに直交する一対の平坦面13c,13cと、頂部13a,13aの両端を平坦に切り欠いた一対の切欠き部13d,13dとが形成される。
ピストン中心軸Lpに沿って配置されたフュエルインジェクタ23は、ピストン中心軸Lp上の仮想的な点である燃料噴射点Oinjを中心として円周方向に60°間隔で離間する6つの方向に燃料を噴射する。6本の燃料噴射軸のうちの2本の第1燃料噴射軸Li1は、ピストン中心軸Lp方向に見てピストンピン14と重なっており、他の4本の第2燃料噴射軸Li2は、ピストンピン14の方向に対して60°の角度で交差している。またピストン中心軸Lpに直交する方向に見て、6本の第1、第2燃料噴射軸Li1,Li2は斜め下向きに傾斜しており、その下向きの度合いは第1燃料噴射軸Li1については小さく、第2燃料噴射軸Li1については大きくなっている(図6および図7参照)。
尚、フュエルインジェクタ23が実際に燃料を噴射する噴射点はピストン中心軸Lpから径方向外側に僅かにずれているが、前記燃料噴射点Oinjは前記第1、第2燃料噴射軸Li1,Li2がピストン中心軸Lpと交差する点として定義される。
次に、図5〜図7を参照して先願発明(特開2008−002399号公報参照)のキャビティ25の断面形状を詳述する。先願発明のキャビティ25の断面形状を説明する理由は、先願発明のキャビティ25の断面形状を補正して本願発明のキャビティ25の断面形状を得るからである。図5はピストンピン14に対して直交する方向の断面であり、図6はピストンピン14に対して60°で交差する方向の断面(第2燃料噴射軸Li2を含む断面)であり、図7はピストンピン14に沿う方向の断面(第1燃料噴射軸Li1を含む断面)である。
先願発明は、ピストン中心軸Lpを通る任意の断面において、キャビティ25の形状を可及的に一致させることを狙ったものである。キャビティ25の断面形状はピストン中心軸Lpを挟んで左右二つの部分に分かれており、その二つの部分は図7のピストンピン14方向の断面では概ね直線状に繋がっているが、図5のピストンピン14直交方向の断面と、図6のピストンピン14に対して60°で交差する方向の断面とでは、ピストン13のペントルーフ形状に応じて山型に繋がっている。但し、キャビティ25の断面形状の主要部、つまり図5〜図7に網かけをして示す部分の形状は完全に一致している。
図5〜図7から明らかなように、ピストン中心軸Lpを中心として形成されたキャビティ25は、ピストン13の頂面から下向きに直線状に延びる周壁部25aと、周壁部25aの下端からピストン中心軸Lpに向かってコンケーブ状に湾曲する曲壁部25bと、曲壁部25bの径方向内端からピストン中心軸Lpに向かって斜め上方に直線状に延びる底壁部25cと、ピストン中心軸Lp上で底壁部25cの径方向内端に連なる頂部25dとで構成される。
キャビティ25に対向するシリンダヘッド16の下面を示す線L−R1,L−R2から下方に距離Haだけ離れて平行に延びるラインをピストン頂面基本線L−a1,L−a2とする。同様にシリンダヘッド16の下面を示す線L−R1,L−R2から下方に距離Hbcだけ離れて平行に延びる線をキャビティ底面基本線L−bc1,L−bc2とし、シリンダヘッド16の下面を示す線L−R1,L−R2から下方に距離Hdだけ離れて平行に延びる線をキャビティ頂部基本線L−d1,L−d2とする。
燃料噴射点Oinjを中心とする半径Raの円弧と前記ピストン頂面基本線L−a1,L−a2との交点をa1,a2とする。同様に燃料噴射点Oinjを中心とする半径Rbの円弧と前記キャビティ底面基本線L−bc1,L−bc2との交点をb1,b2とし、燃料噴射点Oinjを中心とする半径Rcの円弧と前記キャビティ底面基本線L−bc1,L−bc2との交点をc1,c2とし、燃料噴射点Oinjを中心とする半径Rdの円弧と前記キャビティ頂部基本線L−d1,L−d2との交点をd1,d2とする。交点e1,e2は、前記交点d1,d2からピストン頂面基本線L−a1,L−a2に下ろした垂線が該ピストン頂面基本線L−a1,L−a2に交差する点である。
キャビティ25の周壁部25aは直線a1b1,a2b2の上にあり、キャビティ25の底壁部25cは直線c1d1,c2d2に一致し、キャビティ25の曲壁部25bは直線a1b1,a2b2および直線c1d1,c2d2を滑らかに接続する。
しかして、交点a1,c1,d1,e1あるいは交点a2,c2,d2,e2によって決まる網かけした断面形状が,ピストン中心軸Lpを通る任意の断面において等しくなるように、キャビティ25の形状が設定される。
前記交点a1,a2は本発明の第1特定点Anに対応し、前記交点e1,e2は本発明の第2特定点Bnに対応し、前記交点d1,d2は本発明の第3特定点Cnに対応するものである。
図6および図7に示す第1、第2燃料噴射軸Li1,Li2を通る断面については、図7に示すピストンピン14方向の断面(燃料噴射断面S1)における網かけ部分と、図6に示すピストンピン14に対して60°で交差する方向の断面(燃料噴射断面S2)における網かけ部分とは同形になる。
図7に示すピストンピン14方向の断面において、第1燃料噴射軸Li1がキャビティ25と交差する点を燃料衝突点P1とし、図6に示すピストンピン14に対して60°で交差する方向の断面において、第2燃料噴射軸Li2がキャビティ25と交差する点を燃料衝突点P2とする。二つの燃料衝突点P1,P2は、網かけした同一形状の断面上の同じ位置に存在している。従って、燃料衝突点P2の位置は燃料衝突点P1の位置よりも低くなり、燃料噴射点Oinjから延びる第2燃料噴射軸Li2は第1燃料噴射軸Li1よりも更に下向きに燃料を噴射することになる。
燃料噴射点Oinjから燃料衝突点P1までの距離D1は、燃料噴射点Oinjから燃料衝突点P2までの距離D2に略一致する。また燃料衝突点P1におけるキャビティ25の接線と第1燃料噴射軸Li1とが成す燃料衝突角α1は、燃料衝突点P2におけるキャビティ25の接線と第2燃料噴射軸Li2とが成す燃料衝突角α2に略一致する。
以上のように先願発明によれば、ピストン中心軸Lpを通る任意の断面において、燃料噴射点Oinjの近傍のごく一部(交点e1,d1,d2,e2で囲まれた領域)を除いて、キャビティ25の断面形状が同一に形成されている。特に、第1、第2燃料噴射軸Li1,Li2を含む二つの断面(図6および図7参照)においてもキャビティ25の断面形状が同一に形成されており、しかも前記二つの断面において燃料噴射点Oinjから燃料衝突点P1,P2までの距離D1,D2が略等しく設定され、かつ燃料衝突点P1,P2における燃料衝突角α1,α2が略等しく設定されるので、キャビティ25の各部における空気および燃料の混合状態を円周方向に均一化し、混合気の燃焼状態を改善してエンジン出力の増加および排気有害物質の低減を図ることができる。
また図5および図6に示すピストン13の頂面が傾斜する断面においても、キャビティ25の開口のエッジ(交点a2の部分)が成す角度が、図7に示すピストン13の頂面が平坦な場合に比べて鋭角化することがないため、その部分の熱負荷を軽減して耐熱性を高めることができる。
ところで先願発明は、図5〜図7におけるキャビティ25の断面形状が、網かけをして示す部分では完全に一致しているものの、燃料噴射点Oinjの近傍の交点e1,d1,d2,e2で囲まれた白抜きの領域で不一致になっている。その理由は、キャビティ25の断面形状のピストン中心軸Lpを挟む二つの部分が、図7のピストンピン14方向の断面では概ね直線状に繋がっているが、図5のピストンピン14直交方向の断面と、図6のピストンピン14に対して60°で交差する方向の断面とでは、ピストン13のペントルーフ形状に応じて山型に繋がっているため、交点e1,d1,d2,e2で囲まれた白抜きの領域の面積が、図7のピストンピン14方向の断面で最も大きく、図6のピストンピン14に対して60°で交差する方向の断面で減少し、図5のピストンピン14直交方向の断面で更に減少するためである。
本実施の形態は、交点e1,d1,d2,e2で囲まれた白抜きの領域の面積が最大になるピストンピン14方向のキャビティ25の断面形状(図7参照)を基準とし、その他の方向の断面形状を拡大する方向(つまり、キャビティ25の深さを増加させる方向)に補正することで、前記交点e1,d1,d2,e2で囲まれた白抜きの領域の面積の差異を補償し、キャビティ25の全ての方向の断面で空気および燃料の混合状態の一層の均一化を図るものである。
図8は、図5のピストンピン14直交方向におけるキャビティ25の断面形状の補正手法を説明するものであり、鎖線の形状は先願発明のものを示し、実線の形状は本実施の形態のものを示している。
本実施の形態によるキャビティ25の断面形状の補正は、交点b1および交点c1の位置を、それぞれ交点b1′および交点c1′となるように下方に移動させることで、網かけ部分の面積を増加させることにより行われる。
先ずキャビティ底面基本線L−bc1と、直線e1d1の下方への延長線との交点をf1として決定する。続いて交点f1を通るキャビティ底面基本線L−bc1を、交点f1を中心として所定角度βだけ下方に回転させ、新たなキャビティ底面基本線L−bc1′を設定する。続いて燃料噴射点Oinjを中心とする半径Rbの円弧と新たなキャビティ底面基本線L−bc1′との交点を前記b1′として決定し、燃料噴射点Oinjを中心とする半径Rcの円弧と新たなキャビティ底面基本線L−bc1′との交点を前記c1′として決定する。
しかして、補正後のキャビティ25の断面形状では、キャビティ25の周壁部25aは直線a1b1′の上にあり、キャビティ25の底壁部25cは直線c1′d1に一致し、キャビティ25の曲壁部25bは直線a1b1′および直線c1′d1を滑らかに接続している。
尚、キャビティ底面基本線L−bc1とピストン中心軸Lpとの交点をfとし、この交点fを中心としてキャビティ底面基本線L−bc1を所定角度βだけ下方に回転させることで、新たなキャビティ底面基本線L−bc1′を設定しても良い。
このように、キャビティ25の内壁面における経路AnCnのうち、経路AnCnの最下部から第3特定点Cnまでの区間は第2燃料噴射軸Li2と近接するが、その区間の形状を変化させることでキャビティ25の内壁面への燃料の付着を抑制して燃焼悪化を防止することができる。
本実施の形態では、正味平均有効圧力NMEPが、煤が発生しない状態で、先願発明に対して2%程度向上した。
図9は、図6のピストンピン14に対して60°で交差する方向におけるキャビティ25の断面形状の補正手法を説明するものであり、鎖線の形状は先願発明のものを示し、実線の形状は本実施の形態のものを示している。
図7(ピストンピン14方向)および図5(ピストンピン14直交方向)における交点e1,d1,d2,e2で囲まれた白抜きの領域の面積の差異に比べ、図7(ピストンピン14方向)および図6(ピストンピン14に対して60°で交差する方向)の前記面積の差異は小さいため、図9(ピストンピン14に対して60°で交差する方向)におけるキャビティ25の断面形状の拡大量は、図8(ピストンピン14直交方向)におけるキャビティ25の断面形状の拡大量よりも小さなものとなる。
以上、ピストン中心軸Lpの一側のキャビティ25の断面形状の補正について説明したが、ピストン中心軸Lpの他側のキャビティ25の断面形状の補正も全く同様にして行われる。
以上のように、本実施の形態によれば、先願発明が有する問題点、つまり燃料噴射点Oinjの近傍の交点e1,d1,d2,e2で囲まれた領域におけるキャビティ25の各断面形状の不一致が補償されるので、キャビティ25の各部における空気および燃料の混合状態を円周方向に一層均一化し、混合気の燃焼状態を改善してエンジン出力の更なる増加および排気有害物質の更なる低減を図ることができる。
図10は、本実施の形態によるキャビティ25の断面形状の補正を、別の視点で捕らえる説明図である。
同図において、キャビティ25の中心を通るピストン中心軸Lpから、6個の半平面X1〜X6が放射状に延びている。隣接する2個の半平面X1〜X6が成す角度(挟み角)は全て60°であり、各半平面X1〜X6の間を2等分する6本の2等分線は、ピストン中心軸Lpの方向に見て第1、第2燃料噴射軸Li1,Li2と重なっている。キャビティ25は6個の半平面X1〜X6によって6個の仮想的なキャビティ区分25A〜25Fに分割されており、本実施の形態によれば、上述したキャビティ25の断面形状の補正により、6個のキャビティ区分25A〜25Fの容積を理論的には同一に設定することが可能である。
しかしながら、6個のキャビティ区分25A〜25Fの容積を完全に同一に設定する必要はなく、それを略同一に設定するだけでも、特許文献1の発明あるいは先願発明に比べて燃料の混合状態を円周方向により均一化することができる。具体的には、6個のキャビティ区分25A〜25Fの容積のばらつき、つまり最大容積のキャビティ区分と最小容積のキャビティ区分の容積との差分を特許文献1の発明あるいは先願発明に比べて小さくすれば、燃料の混合状態を円周方向により均一化することができる。
図11は、キャビティ区分の方向(つまり、キャビティ区分の挟み角の2等分線の方向)をピストンピン14の方向を基準(0°)としてピストン中心軸Lpまわりに左右に各60°の範囲で移動させたとき、そのキャビティ区分の容積の変化率を示すものである。破線は従来例に対応し、実線は本実施の形態に対応する。
何れのものも、キャビティ区分の挟み角の2等分線の方向がピストンピン14の方向に対して60°で交差するとき(図10のキャビティ区分25B,25C,25E,25F参照)を基準とし、そのときの変化率を0%としている。破線で示す従来例では、キャビティ区分の挟み角の2等分線の方向がピストンピン14の方向に一致するとき(図10のキャビティ区分25A,25D参照)、変化率は最大になって7%程度であるが、実線で示す実施の形態では、同じ位置で変化率は最大になるが、その値は大幅に減少して僅か0.5%に抑えられている。
次に、スキッシュ流および逆スキッシュ流の均一化について説明する。
ピストン13が上死点にあるとき、ピストン13の頂面の頂部13a,13a、傾斜面13b,13b、平坦面13c,13cおよび切欠き部13d,13dとシリンダヘッド16の下面との間に環状のスキッシュエリア26(図8および図9参照)が形成される。ピストン中心軸Lp方向に見たキャビティ25の形状はピストンピン軸線L2方向に長径が一致する楕円形状になる。その理由は、ピストン13の頂面が平坦でなく、ペントルーフ状に形成されているからである(図3参照)。
前記スキッシュエリア26の径方向の幅、つまり傾斜面13b,13b、平坦面13c,13cおよび切欠き部13d,13dの部分での幅は一定ではなく、ピストン13の円周方向に異なっている。その理由は、上述したようにピストン中心軸Lp方向に見たキャビティ25の形状がピストンピン軸線L2方向に長径が一致する楕円形状になるからであり、その結果、ピストンピン軸線L2方向のスキッシュエリア26の幅Wが小さくなってスキッシュ流および逆スキッシュ流が小さくなり、ピストンピン軸線L2に直交する方向のスキッシュエリア26の幅Wが大きくなってスキッシュ流および逆スキッシュ流が大きくなる(図3参照)。
図7はピストンピン14の方向に沿うピストン13の縦断面である。この断面位置ではピストン13が直線状の頂部13a,13aに沿って切断されており、頂部13a,13aの両端には下向きに傾斜した切欠き部13d,13dが形成されている。切欠き部13d,13dの位置におけるスキッシュエリア26の幅Wはピストン13の円周方向において最小である。
図5はピストンピン14に直交する方向に沿うピストン13の縦断面であり、この断面位置ではピストン13が平坦面13c,13cを含む部分において切断されている。平坦面13c,13cを含む部分におけるスキッシュエリア26の幅Wはピストン13の円周方向において最大であるが、その部分におけるピストン13の頂面に2個の凹部13e,13fが形成される。
図3および図4から明らかなように、吸気側の凹部13eは2個の吸気バルブ孔18,18の間に挟まれたピストン13の頂面に形成されており、排気側の凹部13fは2個の排気バルブ孔18,18の間に挟まれたピストン13の頂面に形成されておいる。吸気側の凹部13eの面積(あるいはピストンピン軸線L2方向の幅Ai)は排気側の凹部13fの面積(あるいはピストンピン軸線L2方向の幅Ae)よりも大きいが、吸気側の凹部13eの深さBiは排気側の凹部13fの深さBeよりも小さく設定されており、かつ吸気側の凹部13eの容積Ciよりも排気側の凹部13fの容積Ceの方が大きくなっている。
この実施の形態では、吸気側の凹部13eの幅Aiを基準にすると、排気側の凹部13fの幅Aeは、Ae=0.67Aiとなり、吸気側の凹部13eの深さBiを基準にすると、排気側の凹部13fの深さBeは、Be=1.86Biとなり、吸気側の凹部13eの容積Ciを基準にすると、排気側の凹部13fの容積Ceは、Ce=1.21Ciとなる。
図9から明らかなように、吸気バルブ孔17の弁座に着座した吸気バルブ21の傘部21aの下面は、ピストン13の頂面との干渉を回避すべくシリンダヘッド16の下面よりも上方に沈み込んでおり、排気バルブ孔18の弁座に着座した排気バルブ22の傘部22aの下面は、ピストン13の頂面との干渉を回避すべくシリンダヘッド16の下面よりも上方に沈み込んでいる。2個の吸気バルブ孔17,17と吸気側の凹部13eとは、ピストン中心軸Lp方向に見てオーバーラップしておらず、かつ2個の排気バルブ孔18,18と排気側の凹部13fとは、ピストン中心軸Lp方向に見てオーバーラップしていない。よって、仮にオーバーラップさせた場合に発生する、吸気バルブ21,21の傘部21a,21aの下面と吸気側の凹部13eの上面との間のスキッシュクリアランスhの急増を防止し、かつ排気バルブ22,22の傘部22a,22aの下面と排気側の凹部13fの上面との間のスキッシュクリアランスhの急増を防止することができる。
吸気バルブ21の傘部21aの沈み込み量Diは吸気側の凹部13eの深さBi(図4参照)に略一致しており、これにより図3の領域aで吸気バルブ21の傘部21aの下面のスキッシュクリアランスhと、吸気側の凹部13eの上面のスキッシュクリアランスhとが急変するのが防止される。また排気バルブ22の沈み込み量Deは排気側の凹部13fの深さBe(図4参照)に略一致しており、これにより図4の領域bで排気バルブ22の傘部22aの下面のスキッシュクリアランスhと、排気側の凹部13fの上面のスキッシュクリアランスhとが急変するのが防止される。
以上のように、スキッシュエリア26の幅Wが大きくなるピストンピン軸線L2に対して直交する方向に凹部13e,13fを形成したので、スキッシュエリア26の幅Wが大きいことで強くなるスキッシュ流あるいは逆スキッシュ流を、凹部13e,13fの容積Ci,Ceにより弱め、ピストン13の円周方向の全域でスキッシュ流あるいは逆スキッシュ流を均一化することができる。特に、凹部13e,13fは第1、第2燃料噴射軸Li1,Li2から外れた位置に形成されているため、フュエルインジェクタ23からキャビティ25内に噴射された燃料が、凹部13e,13fの部分からキャビティ25の外部に吹き零れることが防止される。
また吸気バルブ21,21の沈み込み容積Ei(吸気バルブ孔17の面積×吸気バルブ21の沈み込み量)は排気バルブ22,22の沈み込み容積Ee(排気バルブ孔18の面積×排気バルブ22の沈み込み量)よりも大きく、吸気側の凹部13eの容積Ciは排気側の凹部13fの容積Ceよりも小さいので、吸気バルブ21,21の沈み込み容積Eiが大きい分だけ大きく減少した吸気側のスキッシュ流および逆スキッシュ流を、吸気側の凹部13eの容積Ciを小さくしてスキッシュ流および逆スキッシュ流を小さく減少させることで補償し、かつ排気バルブ22,22の沈み込み容積Eeが小さい分だけ小さく減少した排気側のスキッシュ流および逆スキッシュ流を、排気側の凹部13fの容積Ceを大きくしてスキッシュ流および逆スキッシュ流を大きく減少させることで補償し、吸気バルブ21,21および排気バルブ22,22の沈み込み容積Ei,Eeに関わらずにスキッシュ流および逆スキッシュ流の大きさを円周方向に均一化することができる。
図12は、ピストン中心軸Lpを中心とする挟み角が10°の領域毎のスキッシュ容積の変化を示すもので、ピストン13の頂面に凹部13e,13fを形成した本実施の形態のものが、従来例に比べてスキッシュ容積の円周方向の変化が小さくなっていることが分かる。
また本願発明を別の観点から捕らえると、以下のように表現することができる。
キャビティ25を6個の仮想的なキャビティ区分25A〜25Fに分割する6個の半平面X1〜X6により、スキッシュ容積(スキッシュエリア26の容積)を6個の仮想的なスキッシュ容積区分に区画したとき、各々の仮想的なスキッシュ容積区分が略等しくなるように前記凹部13e,13fを形成することで、スキッシュ流および逆スキッシュ流を円周方向に均一化して混合気の燃焼状態を改善し、出力の向上や排気有害物質の削減に寄与することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではピストン13の頂面側に凹部13e,13fを形成しているが、その凹部をシリンダヘッド16の下面側に形成しても良く、ピストン13の頂面側およびシリンダヘッド16の下面側の両方に形成しても良い。
また実施の形態ではピストン13の頂部13a,13aがピストンピン軸線L2と平行に配置されているが、その頂部13a,13aは必ずしもピストンピン軸線L2と平行である必要はなく、ピストンピン軸線L2およびピストン中心軸Lpを通る平面内に配置されていれば良い。
また実施の形態では、仮想的なキャビティ区分25A〜25Fの数およびスキッシュ容積区分の数を6個に設定しているが(N=6)、前記キャビティ区分25A〜25Fの数およびスキッシュ容積区分の数は2個以上であれば良い(Nは2以上の自然数)。
このとき、キャビティ区分25A〜25Fの数およびスキッシュ容積区分の数と燃料噴射軸の数とは、必ずしも一致させる必要はないが、それを一致させることで、一つのキャビティ区分25A〜25Fおよびスキッシュ容積区分に一つの燃料噴射軸が対応することになり、燃料の混合状態を円周方向により均一化することができる。尚、キャビティ区分25A〜25Fおよびスキッシュ容積区分の挟み角の2等分線を燃料噴射軸に一致させれば、一つのキャビティ区分25A〜25Fおよびスキッシュ容積区分の中心に燃料噴射軸が位置することになり、燃料の混合状態を更に均一化することができる。
また実施の形態では、仮想的なキャビティ区分25A〜25Fの容積には、上死点にあるピストン13の頂面とシリンダヘッド16の下面とに挟まれた部分の容積を含めず、キャビティ25の開口端縁までの容積(即ち、ピストン頂面基本線L−a1,L−a2より下の容積)としたが、それを含めたものを仮想的なキャビティ区分25A〜25Fの容積として定義しても、同様の作用効果を奏することができる。
また実施の形態ではディーゼルエンジンについて説明したが、本願発明はディーゼルエンジンに限定されず、燃焼室内に燃料を直接噴射する任意の形式のエンジンに対して適用することができる。
ディーゼルエンジンの要部縦断面図 図1の2−2線矢視図 図1の3−3線矢視図 ピストンの上部斜視図 図3の5−5線断面図 図3の6−6線断面図 図3の7−7線断面図 補正後のキャビティの断面形状を示す、前記図5に対応する図 補正後のキャビティの断面形状を示す、前記図6に対応する図 仮想的なキャビティ区分の説明図 キャビティ区分の方向を円周方向に変化させたときの、該キャビティ区分の容積の変化率を示すグラフ スキッシュ容積の円周方向の変化を示すグラフ
符号の説明
13 ピストン
13a 頂部
13b 傾斜面
13e 凹部
13f 凹部
16 シリンダヘッド
17 吸気バルブ孔
18 排気バルブ孔
21 吸気バルブ
21a 傘部
22 排気バルブ
22a 傘部
25 キャビティ
25A〜25F キャビティ区分
26 スキッシュエリア
Bi 吸気側の凹部の深さ
Be 排気側の凹部の深さ
Ci 吸気側の凹部の容積
Ce 排気側の凹部の容積
Di 吸気バルブの沈み込み量
De 排気バルブの沈み込み量
Ei 吸気バルブの沈み込み容積
Ee 排気バルブの沈み込み容積
L2 ピストンピン軸線
Lp ピストン中心軸
X1〜X6 半平面

Claims (5)

  1. ピストンピン軸線(L2)と平行な方向に延びる頂部(13a)を挟んで傾斜する二つの傾斜面(13b)を含み、ピストン中心軸(Lp)方向の高さが円周方向に変化するペントルーフ型の頂面を有するピストン(13)と、前記ピストン(13)の頂面に対向するペントルーフ型の下面を有するシリンダヘッド(16)と、前記ピストン(13)の頂面の中央部に凹設されたキャビティ(25)と、上死点にある前記ピストン(13)の前記キャビティ(25)よりも径方向外側部分と前記シリンダヘッド(16)の下面との間にスキッシュ容積を画定する環状のスキッシュエリア(26)とを備えた燃料直噴エンジンにおいて、
    ピストンピン軸線(L2)に対して直交する方向の前記スキッシュエリア(26)に臨む前記ピストン(13)の頂面および前記シリンダヘッド(16)の下面の少なくとも一方に前記スキッシュ容積を拡大する凹部(13e,13f)を形成することで、ピストンピン軸線(L2)方向のスキッシュ容積とピストンピン軸線(L2)に対して直交する方向のスキッシュ容積とを略等しくしたことを特徴とする燃料直噴エンジン。
  2. 前記ピストン(13)の二つの傾斜面(13b)の一方に対向する吸気バルブ孔(17)と、前記二つの傾斜面(13b)の他方に対向する前記吸気バルブ孔(17)よりも小径の排気バルブ孔(18)と、前記吸気バルブ孔(17)を開閉するとともに、閉弁状態で傘部(21a)の下面が前記シリンダヘッド(16)の下面に対して上方に沈み込む吸気バルブ(21)と、前記排気バルブ孔(18)を開閉するとともに、閉弁状態で傘部(22a)の下面が前記シリンダヘッド(16)の下面に対して上方に沈み込む排気バルブ(22)とを備え、
    前記吸気バルブ(21)の沈み込み容積(Ei)は前記排気バルブ(18)の沈み込み容積(Ee)よりも大きく、前記吸気側の凹部(13e)の容積(Ci)は前記排気側の凹部(13f)の容積(Ce)よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の燃料直噴エンジン。
  3. 前記吸気バルブ孔(17)および前記排気バルブ孔(18)は各々2個ずつ形成され、ピストン中心軸(Lp)方向に見て、前記吸気側の凹部(13e)は前記2個の吸気バルブ孔(17)の間に該吸気バルブ孔(17)と重ならないように形成され、前記排気側の凹部(13f)は前記2個の排気バルブ孔(18)の間に該排気バルブ孔(18)と重ならないように形成されることを特徴とする、請求項2に記載の燃料直噴エンジン。
  4. 前記吸気側の凹部(13e)の深さ(Bi)は前記吸気バルブ(21)の沈み込み量(Di)と略等しく、前記排気側の凹部(13f)の深さ(Be)は前記排気バルブ(22)の沈み込み量(De)と略等しいことを特徴とする、請求項3に記載の燃料直噴エンジン。
  5. ピストンピン軸線(L2)と平行な方向に延びる頂部(13a)を挟んで傾斜する二つの傾斜面(13b)を含み、ピストン中心軸(Lp)方向の高さが円周方向に変化するペントルーフ型の頂面を有するピストン(13)と、前記ピストン(13)の頂面に対向するペントルーフ型の下面を有するシリンダヘッド(16)と、前記ピストン(13)の頂面の中央部に凹設されたキャビティ(25)と、上死点にある前記ピストン(13)の前記キャビティ(25)よりも径方向外側部分と前記シリンダヘッド(16)の下面との間にスキッシュ容積を画定する環状のスキッシュエリア(26)とを備えた燃料直噴エンジンにおいて、 Nを2以上の自然数とし、前記キャビティ(25)の内壁面と、ピストン中心軸(Lp)から放射方向に延びて互いに均等な挟み角を有するN個の半平面(X1〜X6)とで、前記スキッシュ容積をN個の仮想的なスキッシュ容積区分に区画したとき、前記各々の仮想的なスキッシュ容積区分が略等しくなるように、ピストンピン軸線(L2)に対して直交する方向を含む前記スキッシュエリア(26)に臨む前記ピストン(13)の頂面および前記シリンダヘッド(16)の下面の少なくとも一方に凹部(13e,13f)を形成することを特徴とする燃料直噴エンジン。
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