JP2009242541A - 衝撃吸収テープ - Google Patents

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和行 福山
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Abstract

【課題】薄型でありながら十分な衝撃吸収性及び止水性を有するとともに、揮発分の量を極めて少量に押さえられるため、狭い内部空間でも揮発成分が電子部品に悪影響を及ぼすことのない電子機器用として好適な衝撃吸収テープを提供することを目的としている。
【解決手段】基材層の少なくとも片面にアクリル系粘着剤層が積層一体化され、電子部品をパッケージ中に固定しつつ衝撃を吸収するための衝撃吸収テープであって、前記基材層が、架橋度が5〜60重量%でありかつ気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートであり、前記アクリル系粘着剤層は、アクリル系共重合体と、重量平均分子量が600以下の成分の含有量が13%以下である粘着付与樹脂を1〜50重量部含有するアクリル系粘着剤からなることを特徴としている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、衝撃吸収テープ、特に電子機器に好適に用いられる衝撃吸収テープに関する。
従来から、デジタルカメラやパソコン、ゲーム機等の様々な電子機器の様々な部位において、衝撃吸収材が使用されている。具体的な適用部品としては、カメラモジュールの衝撃吸収用、バッテリーの衝撃吸収用、スピーカ押さえ等、広範囲にわたる。
例えば、特許文献1には、カメラモジュールとモニタユニットの間に発泡性クッション材が配置されているカメラが開示されている。特許文献1によると、このようなカメラであれば、レンズユニットの歪や破損を防止できる旨記載されている。
又、特許文献2には、電子機器にカメラを配置する際に接着剤つきクッションを用いる旨が記載されている。そして特許文献2の詳細な説明には、カメラレンズと、電子機器筐体との両方に橋掛け状にクッション部材を貼り付けている態様が開示されている。尚、貼り付けには両面テープが使用されている。又、クッション部材の材料としては、ポリウレタンフォームが開示されている。
更に、特許文献3には、液晶表示装置であって、筺体と前面板の間にゴムクッション材を具備するものが記載されている。
又、特許文献4には、液晶パネルとパネルガイドの間にクッション材を具備した液晶パネルが開示されている。
このようなクッション材や衝撃吸収材料として、詳細な検討も行われつつある。例えば特許文献5には、ゴム系発泡体と、気泡含有粘着層を有する衝撃吸収テープが開示されている。
一方、近年、電子機器の小型化・薄型化の要求に伴い、電子機器に内蔵される個々の電子部品も又、小型化・薄型化の要求が高まっている。
このような電子機器においては、用いられるクッション材も薄型でありながら高い衝撃吸収能が求められる。又、表示装置が薄型化・小型化するに伴い、内部空間も小さくなるため、衝撃吸収材に含有される揮発成分の各電子部品への影響も懸念される。更に、携帯型ゲーム機やデジタルカメラのように持ち運びタイプの電子機器については、薄型化と同時に優れた防水性が求められることがある。しかしながら、防水性を高めることにより、同時に、衝撃吸収材から揮発する揮発成分の外部への放出も阻害されてしまい、狭い内部空間に揮発成分が内部にたまってしまうという問題につながるものであった。
特開2006−030419号公報 特開2007−215017号公報 特開2007−047620号公報 特開2005−346061号公報 特開2006−110773号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、薄型でありながら十分な衝撃吸収性及び止水性を有するとともに、揮発分の量を極めて少量に押さえられるため、狭い内部空間でも揮発成分が電子部品に悪影響を及ぼすことのない電子機器用として好適な衝撃吸収テープを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる電子部品用衝撃吸収テープは、基材層の少なくとも片面にアクリル系粘着剤層が積層一体化され、電子部品をパッケージ中に固定しつつ衝撃を吸収するための衝撃吸収テープであって、前記基材層が、架橋度が5〜60重量%でありかつ気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートであり、前記アクリル系粘着剤層は、アクリル系共重合体と、重量平均分子量が600以下の成分の含有量が13%以下である粘着付与樹脂を1〜50重量部含有するアクリル系粘着剤からなることを特徴としている。
本発明の電子部品用衝撃吸収テープは、90℃で30分間に亘って加熱した際に、式(1)により算出される揮発成分濃度が500ppm未満であることが好ましい。
揮発成分濃度(ppm)
=揮発成分重量X(μg)/加熱前の衝撃吸収テープ重量(g)・・式(1)
(但し、式(1)中、揮発成分重量Xはヘキサデカン換算重量を表す。)
又、上記アクリル系共重合体は、重合開始剤として10時間半減期温度が80℃以下であるものを選択し且つ重合温度を重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度として共重合されたものが好ましい。
上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その厚みが0.1〜3mmが好ましく、アクリル系粘着剤層は、その厚みが10〜150μmであることが好ましい。
(ポリオレフィン系発泡樹脂シート)
本発明の衝撃吸収テープは、架橋度が5〜60重量%でありかつ気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートからなる基材層を有する。
このような架橋ポリオレフィン系発泡樹脂シートを基材層として用いることにより、本発明の電子部品用衝撃吸収テープは、薄型であっても極めて優れた衝撃吸収性を有し、かつ、止水性にも優れたものとなる。
すなわち、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの架橋度が、小さいと、発泡シートを延伸する際に発泡シートの表面近傍部の気泡が破泡して表面荒れを生じ、粘着剤層との密着が充分に得られない場合があり、大きいと、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度が大きくなり過ぎて、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を加熱発泡する際に発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物が発泡に追従し難くなって所望の発泡倍率を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートが得られず、その結果、衝撃吸収性が劣ってしまうため、5〜60重量%に限定され、10〜40重量%が好ましい。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの架橋度は下記の要領で測定されたものをいう。架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(重量%)を算出する。
架橋度(重量%)=100×(B/A)
更に、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1であるか、或いは、気泡のアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)が2〜18であることが必要であり、気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1であり且つ気泡のアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)が2〜18であることが好ましい。
詳細には、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートにおけるMDの平均気泡径とCDの平均気泡径との比、即ち、気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が、小さいと、発泡倍率が低下して柔軟性が低下したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの厚み、柔軟性及び引張強度にばらつきが発生することがある一方、大きいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの柔軟性が低下するので、0.25〜1に限定され、0.25〜0.60が好ましい。
又、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートにおけるCDの平均気泡径とVDの平均気泡径との比、即ち、気泡のアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)は、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの柔軟性が低下する一方、大きいと、発泡倍率が低下して柔軟性が低下したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの厚み、柔軟性及び引張強度にばらつきが発生することがあるので、2〜18が好ましく、2.5〜15がより好ましい。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMD〔machine direction〕とは押出方向をいい、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのCD〔crossing direction〕とは、MD(machine direction)に直交し且つ架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シート1の表面に沿った方向をいい、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シート1のVD〔vertical(thickness)direction)とは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面に対して直交する方向をいう。
次に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMDの平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートをそのCDにおける略中央部においてVDに平行な面で全長に亘って切断する。
しかる後、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60倍に拡大し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのVDの全長が収まるように写真撮影する。
得られた写真における、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのVDの中央部に対応する部分に、写真上での長さが15cm(拡大前の実際の長さ2500μm)の直線を、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シート表面と平行になるように描く。
次に、上記直線上に位置する気泡数を目視により数え、下記式に基づいて気泡のMDの平均気泡径を算出する。
MDの平均気泡径(μm)=2500(μm)/気泡数(個)
又、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのVDの平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMDの平均気泡径を算出する際の要領と同様の要領で写真撮影を行なう。
得られた写真において、写真撮影された架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面をMDに四分割する三本の直線を、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面に対して直交する方向(VD)に発泡シートの全長に亘って描く。
しかる後、各直線の長さを測定すると共に各直線上に位置する気泡数を目視により数え、下記式に基づいて各直線毎に気泡のVDの平均気泡径を算出し、これらの相加平均を気泡のVDの平均気泡径とする。
VDの平均気泡径(μm)=写真上における直線の長さ(μm)
/(60×気泡数(個))
次に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのCDの平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートをそのCDに平行で且つ架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面に対して直交する方向(VD)に平行な面で厚み方向の全長に亘って切断する。
しかる後、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60倍に拡大し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの厚み方向の全長が収まるように写真撮影する。
そして、得られた写真に基づいて、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMDの平均気泡径を測定した時と同様の要領で、CDの平均気泡径を算出する。
なお、上述の平均気泡径を測定する要領において、直線上に位置する気泡数を数えるにあたっては、写真上に表れた気泡断面のみに基づいて気泡径を判断する。
即ち、気泡同士は、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面においては気泡壁によって互いに完全に分離しているように見えても、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているような場合もあるが、本発明においては、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているか否かについて考慮せず、写真上に表れた気泡膜断面のみに基づいて気泡形態を判断し、写真上に表れた気泡膜断面により完全に囲まれた一個の空隙部分を一個の気泡として判断する。
そして、直線上に位置するとは、直線が気泡を該気泡の任意の部分において完全に貫通している場合をいい、又、直線の両端部においては、直線が気泡を完全に貫通することなく直線の端部が気泡内に位置した状態となっているような場合には、この気泡を0.5個として数えた。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面を写真撮影する際、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの切断面を着色すると気泡の判別が容易になると共に、2500μmの目盛りを一緒に拡大して写真撮影しておくと、写真上における直線長さを特定し易くなる。
上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂は、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するものが好ましい。
そこで、ポリオレフィン系樹脂として、上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するものを用いることによって、ポリオレフィン系樹脂に粘着性を増加させることなく柔軟性を付与し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比を所定範囲内として機械的強度を向上させていると共に柔軟性を優れたものとしている。
又、上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂は、その分子量分布が狭く、共重合体の場合、どの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入されている。従って、発泡シートを均一に架橋させることができる。そして、発泡シートを均一に架橋させていることから発泡シートを均一に延伸させることができ、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの厚みを全体的に均一なものとすることができるからである

そして、ポリオレフィン系樹脂中における、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂の含有量は、40重量%以上に限定され、50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、100重量%が特に好ましい。なお、上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂の含有量が100重量%とは、ポリオレフィン系樹脂として、上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂のみを用いた場合を意味する。
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、後述するように、発泡シートを発泡させつつ或いは加熱下にて所定方向に延伸することによって製造される。この発泡シートの延伸時においては、発泡シートの気泡は延伸方向に延ばされて気泡壁同士が近接した状態となるので、ポリオレフィン系樹脂に粘着性を有する樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)を用いると、気泡壁同士が互いに密着一体化してしまい、所望範囲の気泡のアスペクト比を得ることができない。一方、本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートには柔軟性が求められている。
上記重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂としては、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて、エチレンと少量のα−オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。 なお、上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
又、メタロセン化合物とは、一般に、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造の化合物をいい、ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体が代表的なものである。
そして、本発明における四価の遷移金属を含むメタロセン化合物としては、具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金などの四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物が挙げられる。
このような四価の遷移金属を含むメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)などが挙げられる。
上記メタロセン化合物は、金属の種類や配位子の構造を変え、特定の共触媒(助触媒)と組み合わせることにより、各種オレフィンの重合の際、触媒としての作用を発揮する。
具体的には、重合は、通常、これらメタロセン化合物に共触媒としてメチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物などを加えた触媒系で行われる。なお、メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜1,000,000モル倍が好ましく、50〜5,000モル倍がより好ましい。
そして、ポリエチレン系樹脂の重合方法としては、特に限定されず、例えば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法などが挙げられる。なお、重合温度は、通常、−100℃〜300℃で行なわれ、重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2で行なわれる。
メタロセン化合物は、活性点の性質が均一であり各活性点が同じ活性度を備えているため、合成するポリマーの分子量、分子量分布、組成、組成分布などの均一性が高まる。従って、これらメタロセン化合物を重合触媒として用いて重合されたポリオレフィン系樹脂は、分子量分布が狭く、共重合体の場合、どの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入されているという特徴を有する。
更に、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂としては、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂以外であれば、特には限定されず、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50重量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50重量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
又、上記ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50重量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
又、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのJIS K6767に準拠した25%圧縮強度は、大きいと、衝撃吸収性が低下することがあるので、4.9×104Pa以下が好ましく、小さ過ぎると、製造段階において厚み一定性に劣ることがあるので、2×104〜4×104Paがより好ましい。
更に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートにおけるMD又はCDの少なくとも一方向における23℃での引張強度は、小さいと、貼り合せ作業中に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートが切断するおそれがあるので、1.96×106Pa以上が好ましく、大き過ぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを衝撃吸収テープの基材として用いた場合に、取り扱い性が低下することがあるので、2.2×106〜8.0×106Paがより好ましい。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMD又はCDにおける23℃での引張強度は、JIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
次に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法について説明する。上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法としては、特に限定されず、例えば、
重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを5〜60重量%の架橋度に架橋させる工程と、
得られた発泡樹脂シートを溶融又は軟化させ、MD或いはCDの何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートの気泡を延伸し、気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1(好ましくは更に気泡のアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)が2〜18)である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを製造する工程とを含有する方法が挙げられる。
そして、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋する方法としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに電子線、α線、β線、γ線などの電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物中における熱分解型発泡剤の添加量は、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、少ないと、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡性が低下し、所望発泡倍率を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得ることができないことがある一方、多いと、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの引張強度及び圧縮回復性が低下することがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜40重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましい。
なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材などが、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの物性を損なわない範囲で添加されていてもよい。
上記有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
有機過酸化物の添加量は、少ないと、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの架橋が不充分となることがある一方、多いと、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シート中に有機過酸化物の分解残渣が残留することがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
又、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。
そして、上記発泡シートの延伸は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡シートを得た後に行ってもよいし、或いは、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡シートを得た後、発泡シートを延伸する場合には、発泡シートを冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡シートを延伸しても、或いは、発泡シートを冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡シートを延伸してもよい。
ここで、発泡シートの溶融状態とは、発泡シートをその両面温度が、発泡シートを構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上に加熱した状態をいう。
上記発泡シートを延伸することによって、発泡シートの気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となった架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを製造することができる。
更に、発泡シートの延伸方向にあたっては、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートのMD若しくはCDに向かって、又は、MD及びCDに向かって延伸させる。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートをMD及びCDに向かって延伸させる場合、発泡シートをMD及びCDに向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記発泡シートをMDに延伸する方法としては、例えば、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状の発泡シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡シートをMDに延伸する方法、得られた発泡シートを延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡シートを巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡シートをMDに延伸する方法などが挙げられる。
なお、前者の方法において、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によってMDに膨張するので、発泡シートをMDに延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡によるMDへの膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡シートがMDに延伸されるように、シートの供給速度と巻取り速度とを調整する必要がある。
又、上記発泡シートをCDに延伸する方法としては、発泡シートのCDの両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡シートをCDに延伸する方法が好ましい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によってCDに膨張するので、発泡シートをCDに延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡によるCDへの膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡シートがCDに延伸されるように調整する必要がある。
ここで、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMDにおける延伸倍率は、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が低下することがある一方、大きいと、発泡シートが延伸中に切断したり或いは発泡中の発泡シートから発泡ガスが抜けてしまって、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの発泡倍率が著しく低下し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が低下したり品質が不均一となったりすることがあるので、1.1〜2.0倍が好ましく、1.2〜1.5倍がより好ましい。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMDにおける延伸倍率は下記要領で算出される。即ち、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの発泡倍率の三乗根Fを求める一方、巻取速度と供給速度の比(巻取速度/供給速度)Vを求め、下記式に基づいて架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのMDにおける延伸倍率を算出することができる。但し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの発泡倍率は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの比重を架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの比重で除したものをいう。
発泡シートのMDにおける延伸倍率(倍)=V/F
又、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのCDにおける延伸倍率は、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が低下することがある一方、大きいと、発泡シートが延伸中に切断したり或いは発泡中の発泡シートから発泡ガスが抜けてしまって、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの発泡倍率が著しく低下し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が低下したり品質が不均一となったりすることがあるので、1.2〜4.5倍が好ましく、1.5〜3.5倍がより好ましい。
なお、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートにおけるCDの延伸倍率は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートをそのMD及びCDに延伸させずに加熱、発泡させて得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのCDの長さをW1とする一方、CDに延伸させた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのCDの長さをW2とし、下記式に基づいて算出することができる。
発泡シートのCDにおける延伸倍率(倍)=W2/W1
(厚み)
そして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートからなる基材層の厚みとしては特に限定はされないが、薄いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの、柔軟性や引張強さなどが低下して、得られる衝撃吸収テープの衝撃吸収性、風合いや機械的強度などが低下する一方、厚くしても、衝撃吸収テープの性能の向上を見込めず、経済性が低下するので、0.1〜3mmが好ましい。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤に用いられるアクリル系重合体としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体や、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が挙げられ、共重合体であることが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数が4以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−メチロールアクリルアミドなどの水酸基含有モノマー;グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマーなどが挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
アクリル系重合体としては、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含有するモノマーを重合させてなる共重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを総量として50重量%以上含有するモノマーを重合させてなる共重合体がより好ましく、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、を総量として50〜100重量%含有するモノマーを重合させてなる共重合体が特に好ましい。
アクリル系重合体の重量平均分子量は、小さいと、流動性が良好で初期タックに優れているものの、凝集力が小さく、耐熱性が低下し、糊残りが発生することがあり、又、大きいと、耐熱性に優れているものの、流動性が悪く初期タックが小さいことがあるので、30万〜80万が好ましい。
なお、アクリル系重合体の重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法によりポリスチレン換算分子量として測定されたものをいう。
具体的には、アクリル系重合体の重量平均分子量は、アクリル系重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液に基づいて、アクリル系重合体のポリスチレン換算分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定することにより得ることができる。上記ゲルパーミエーションクロマトグラフとしては、例えば、Water社から商品名「2690 Separations Model」で市販されているものなどが使用できる。
そして、アクリル系重合体は、モノマーを重合開始剤の存在下にて汎用の要領で重合させて製造されるが、このような重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、パーオキサイド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが挙げられ、得られるアクリル系粘着剤中に重合開始剤やその残渣が残存しないように、10時間半減期温度が80℃以下であるものが好ましい。なお、重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
更に、アクリル系重合体を重合によって製造するにあたっては、特に、重合開始剤やその残渣が揮発性成分として反応溶液中に残存しないように、重合開始剤として10時間半減期温度が80℃以下であるものを選択し且つ重合温度を重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度とし、できる限り長時間に亘って重合させることが好ましい。更に、重合後における反応溶液中に残存する重合開始剤を低減し且つ重合反応を速やかに完全に進行させるために、重合終期での重合温度Tを下記式(3)を満たすように調整し、この重合温度Tを長時間に亘って保持することが好ましい。
1/2+5≦T≦t1/2+25・・・式(3)
(t1/2:重合開始剤の10時間半減期温度)
又、アクリル系重合体中に、残存モノマー、残存重合開始剤及びその他の不純物が少ないほど好ましく、重合中或いは重合終了後に必要に応じて残存モノマー、残存重合開始剤及びその他の不純物を除去して低減させることが好ましい。
重合時に反応溶液中の残存モノマーを低減する方法としては、例えば、反応溶液の還流液を新しい溶媒で置換する方法;重合率が95%以上、好ましくは98%以上になった時点で、酢酸ビニル、ビニルブチルエーテル、アクリル酸メチル、スチレンなどの比較的低沸点のスキャベンジャーモノマーを添加し、残存モノマーをスキャベンジャーモノマーと反応させてスキャベンジャーモノマーと共に残存モノマーを除去する方法;重合終了時に、アクリル系粘着剤に対する貧溶媒、例えば、メタノール、エタノール、n−ヘキサン、n−へプタンなどの低沸点溶媒を用いてアクリル系粘着剤を洗浄する方法などが挙げられる。
(粘着付与樹脂)
アクリル系粘着剤には粘着物性の改善を目的として粘着付与樹脂が含有されている。このような粘着付与樹脂としては、例えば、重合ロジンエステル、水添ロジンエステル樹脂類、不均化ロジンエステル樹脂類などのロジンエステル化合物、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂類、クマロンインデン樹脂、アルキルフェノール樹脂、石油樹脂類などが挙げられ、低分子量成分を除去可能であるので、ロジンエステル化合物、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、石油樹脂類が好ましく、ロジンエステル化合物がより好ましい。
粘着付与樹脂は、重量平均分子量が600以下の揮発性成分の含有量が13重量%以下である。このような粘着付与剤を用いることによって、粘着物性を損なうことなく粘着付与剤によって生じる揮発性成分を低く抑えることができ、粘着物性を改善し且つ臭気を低くしたアクリル系粘着剤を得ることができる。なお、上記粘着付与剤の重量平均分子量及びその含有量はGPCにより測定し、ポリスチレン換算値及び面積比により算出できる。
上記粘着付与樹脂から重量平均分子量が600以下の揮発性成分を除去する方法としては、例えば、粘着付与樹脂を軟化点以上に加熱溶融する方法、水蒸気を吹き込む方法などが挙げられる。
粘着付与樹脂を加熱溶融する場合には、空気中の酸素との酸化反応を防ぐために、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス中で加熱することが好ましく、又、加熱時間は、加熱による粘着付与剤の分解を避けるために1〜5時間が好ましい。
水蒸気を吹き込む場合には、粘着付与樹脂を加熱溶融後に1〜50kPaに減圧してから水蒸気を吹き込むと、揮発性成分の低減を効果的に行うことができる。水蒸気を吹き込む時間としては、短いと、揮発性成分の低減を図ることができないことがある一方、長くても、揮発性成分の低減効果に差がないので、1〜5時間が好ましい。
又、粘着付与樹脂の軟化点は130℃以上であることが好ましい。135〜150℃がより好ましい。軟化点が130℃未満であると、アクリル系粘着剤全体の耐熱性が充分に得られず、衝撃吸収テープが用いられた装置全体の発熱により粘着性が低下してしまう虞れがあるからである。なお、粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K2871に記載の環球法に準拠して測定されたものをいう。
粘着付与樹脂の添加量は、多いと、揮発成分の原因となる場合があり、少ないと、粘着付与樹脂を添加した効果が発現しないことがあるので、アクリル系重合体100重量部に対して1〜50重量部である。好ましくは1〜30重量部である。更に好ましくは1〜25重量部である。
更に、アクリル系粘着剤には、必要に応じて、架橋剤、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料などの添加剤を添加してもよい。なお、これらの添加剤も揮発性成分が可能な限り除去されていることが好ましい。
上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤などが挙げられる。更に、アクリル系粘着剤には、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、シリカ、マグネシア、セラミックス粉末などの熱伝導性フィラーが添加されていてもよい。
粘着剤層中に熱伝導性フィラーを添加することによって衝撃吸収テープの熱伝導性を向上させることができ、よって、ヒータの熱を収納空間部に円滑に伝達し被加熱物を効率良く加熱することができる。
そして、粘着剤層の厚みは、薄いと、衝撃吸収テープの粘着性が低下することがあり、又、厚いと、テープの加工性が劣ってしまったり、本発明の衝撃吸収テープを用いて閉じた空間を形成した場合にアウトガスが問題となってしまったりするおそれがあるので、10〜150μmが好ましい。より好ましくは20〜100μm、更に好ましくは30〜60μmである。
(テープVOC)
本発明の衝撃吸収テープは、これを90℃で30分間に亘って加熱した際に、下記式(1)により算出される揮発成分濃度が500ppm未満である。このように、揮発成分濃度が500ppm未満であると、粘着テープから発生する揮発成分量は劇的に少ないと評価でき、電子部品への悪影響を防止することができる。また、上述した基材との密着性に非常に優れたものとなる。このように、揮発成分濃度が500ppm未満であると、衝撃吸収テープから発生する揮発成分量は劇的に少ないと評価でき、電子部品への悪影響を防止することができる。
揮発成分濃度(ppm)
=揮発成分重量X(μg)/加熱前の衝撃吸収テープ重量(g)・・式(1)
(但し、式(1)中、揮発成分重量Xはヘキサデカン換算重量を表す。)
揮発成分重量Xは、衝撃吸収テープを90℃にて30分間に亘って加熱した際に放出された揮発成分の重量を熱脱着装置を用いて濃縮しGC−MS装置を用いることによって測定することができる。そして、測定された揮発成分重量Xを衝撃吸収テープの重量で除することによって揮発成分濃度を算出することができる。
具体的には、上記揮発成分濃度の測定方法としては、具体的には、衝撃吸収テープを構成しているアクリル系粘着剤を用意し、このアクリル系粘着剤約20mgをサンプルチューブ(内径:約5mm、長さ:約10cm)に入れて90℃に加熱保持しながら、ヘリウムガスを1.5ミリリットル/分の流速にて30分間に亘ってサンプルチューブ内に流して得られた揮発成分を熱脱着装置に内蔵されたトラップチューブに捕集して濃縮した後、トラップチューブを280℃にて10分間に亘って加熱してGC−MS装置に供給する。
GC−MS装置において、無極性のキャピラリーカラム(アジレントテクノロジー社製商品名「HP−1」、0.32mm×60m×0.25μm)を使用し、キャピラリーカラムの温度を40℃にて4分間に亘って維持した後、キャピラリーカラムを毎分5℃の昇温速度にて100℃まで昇温し、しかる後、キャピラリーカラムを毎分10℃の昇温速度にて320℃まで昇温した後、320℃にて3分間に亘って保持する。なお、MS測定範囲は30〜400amu、ヘリウム流量は1.5ミリリットル/分、イオン化電圧は70eV、イオン源は230℃、インターフェイスは250℃、トランスファーラインは225℃とする。揮発成分の重量は、得られたピーク面積を、n−ヘキサデカンにより作成した絶対検量線に基づいて重量換算することによって算出することができる。
そして、測定された揮発成分の重量を、測定対象となる衝撃吸収テープを構成しているアクリル系粘着剤の重量に比例換算し、この比例換算された揮発成分重量Xを衝撃吸収テープの重量で除することによって揮発成分濃度を算出することができる。
なお、熱脱着装置は、例えば、パーキンエルマー社から商品名「ATD−400」にて市販されており、GC−MS装置は、例えば、日本電子社から商品名「AutomassII−15」にて市販されている。
このような粘着剤は、残留モノマーなどの低分子量成分を極力低減させたり、アクリル系共重合体の重量平均分子量を一定の範囲に調整したり、後述する粘着付与樹脂の軟化点を調整することで達成可能である。
(衝撃吸収テープの製造方法)
本発明の衝撃吸収テープの製造方法としては、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートからなる基材の少なくとも一面にアクリル系粘着剤を塗布してアクリル系粘着剤層を積層一体化させる方法が挙げられる。
塗布により粘着剤層を積層一体化させる方法としては例えば、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも一面にコーターなどの塗工機を用いてアクリル系粘着剤を塗布する方法、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも一面にスプレーを用いてアクリル系粘着剤を噴霧、塗布する方法、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも一面に刷毛を用いてアクリル系粘着剤を塗布する方法などが挙げられる。
(用途)
本発明の衝撃吸収テープの用途としては特に限定はされず、種々の電子機器のパッケージ内部に電子部品を固定する用途に用いることができる。具体的には、電子機器がデジタルカメラ、携帯型ゲーム機、パソコン、であればマイク、スピーカ、フラッシュ、ファインダー、モーター、LED表示装置周り、スピーカ、キークッション、バッテリークッション等に適用できる。
中でも、非常に優れた衝撃吸収性及び止水性、並びに非常に優れた低揮発性を有するため、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機、携帯電話、ノートパソコン等の持ち運び用の小型電子機器の閉じられた内部に好ましく用いることができる。
本発明にかかる衝撃吸収テープは、以上のように構成されているので、薄型でありながら十分な衝撃吸収性及び止水性を有するとともに、揮発分の量を極めて少量に押さえられるため、狭い内部空間でも揮発成分が電子部品に悪影響を及ぼすことのない。したがって、電子機器用として優れた効果を発揮する。
以下に、本発明の実施例を詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(アクリル系重合体の作製)
温度計、攪拌機、冷却管、滴下漏斗及び窒素ガス導入管を備えた反応器に、n−ブチルアクリレート70重量部、2-エチルヘキシルアクリレート27重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.1重量部及びドデカンチオール0.05重量部からなるモノマー混合物と、酢酸エチル80重量部とを供給した上で攪拌することによって、酢酸エチルにモノマー混合物を溶解させてモノマー混合溶液を作製した。
還流点において、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度:62℃)4mmolを上記モノマー混合溶液に重合開始〜4時間にかけて加え、モノマーを重合させた。
4時間後、更に重合開始剤4mmolを4〜6時間にかけて加えた後、10時間に亘って重合させた。その後酢酸ビニルモノマー5gを投入してアクリル系重合体を得た。
得られたアクリル系重合体(固体)100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL」、有効成分:55重量%)1.6重量部と、粘着付与樹脂として重量平均分子量が600以下の揮発性成分が9.4重量%であるロジンエステル化合物25重量部とを加えて攪拌してアクリル系粘着剤Aを得た。
(発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの作製)
重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られた直鎖状低密度ポリエチレン(エクソン・ケミカル社製、商品名「EXACT3027」、密度:0.900g/cm3、重量平均分子量:2.0、融点:98℃、軟化点:85℃)100重量部、アゾジカルボンアミド5重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及び酸化亜鉛1重量部からなる発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して130℃で溶融混練し、幅が200mmで且つ厚さが0.8mmの長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに押出した。
次に、上記長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に加速電圧800kVの電子線を5Mrad照射して発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋した後、この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを熱風及び赤外線ヒータにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱、発泡させた。
しかる後、得られた発泡シートを発泡炉から連続的に送り出した後、この発泡シートをその両面の温度が200〜250℃となるように維持した状態で、発泡シートをそのCDに延伸させると共に、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡炉への送り込み速度(供給速度)よりも速い巻取速度でもって発泡シートを巻き取ることによって発泡シートをMDに延伸させて、発泡シートの気泡をCD及びMDに延伸して変形させ、幅1050mm、厚み0.1mm、架橋度25重量%、発泡倍率4.7倍の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートAを得た。
(衝撃吸収テープの作製)
基材層となる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートAの両面に上記アクリル系粘着剤Aを乾燥後厚みが50μmになるよう塗布し、105℃で5分間に亘って乾燥させて、基材層の両面にアクリル系粘着剤Aからなる厚み50μmの粘着剤層が積層一体化されてなる衝撃吸収テープAを作製した。
(実施例2)
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの厚みを、巻取速度を調整することにより0.2mmにした以外は実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートBとし、実施例1同様に衝撃吸収テープBを作製した。
(比較例1)
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートAのかわりに、ポリウレタンフォームC(イノアック社製「ポロンSR」、厚み0.2mm)を用いた以外は実施例1と同様にして、衝撃吸収テープCを作製した。
(比較例2)
粘着付与樹脂として重量平均分子量が600以下の揮発性成分を除去しなかったロジンエステル化合物(重量平均分子量600以下の揮発性成分の含有量15.6重量%)を用いたアクリル系粘着剤Bによって粘着層を形成した以外は実施例1と同様にして、衝撃吸収テープDを作製した。
上記実施例1,2及び比較例1,2で得られた衝撃吸収テープA〜Dのそれぞれについて、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートのアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)、25%圧縮強度、止水性、衝撃吸収性、VOC、くもりを調べ、その結果を表1に示した。
なお、25%圧縮強度、止水性、衝撃吸収性、VOC、くもりについては、以下の評価方法によって評価した。
(評価方法)
〔25%圧縮強度〕
JIS K6767に準拠した25%圧縮強度を求めた。
〔止水性評価〕
150mm×150mm×5mmのアクリル板を2枚用意した。一方のアクリル板には、直径7mmの孔を設けた。衝撃吸収テープA〜Dをそれぞれ外径60mm、内径50mmのドーナツ型に切り出し、サンプル片とした。このドーナツ型のサンプル片を一方のアクリル板の孔を囲むように貼り付けたのち、他方のアクリル板を基材の圧縮率が20%の状態になるように貼り合せた。
その後、前記孔にホースを取り付け、10kPaで水を注入し、ドーナツ内径にあたる部分に水を満たし、10KPaの圧をかけたままで、JISC0920 IPX7に準拠し、漏水を評価した。
〔衝撃吸収性〕
厚さが2mmで、かつ100mm×100mmの鉄板を2枚準備した。一方の鉄板に衝撃ピックアップ装置を取り付け、それを下方鉄板として用いた。この下方鉄板の中央部に、実施例及び比較例で作製した衝撃吸収テープを50mm×50mmに切断したものを搭載し、これを介してもう一方の鉄板を貼着つけた(基材層の圧縮率40%とした)。
次に、重さが15gの鉄球を準備した。球を、鉄板の中心部殻垂直に10cmはなれたところから自然落下させた。
衝撃加速度を衝撃ピックアップ装置で測定し、その正負の最大値の絶対値を平均したものを衝撃伝導率1とした。
参照評価として、鉄板のみに上記鉄球を落下させた場合の衝撃伝導率2を測定し、これを100として、衝撃吸収テープが介在する場合の衝撃伝導率1を評価した。
((衝撃伝導率1/衝撃伝導率2)×100)
〔揮発成分濃度測定〕
得られた衝撃吸収テープについて、前述の式(1)により算出される揮発成分濃度を前述の要領で測定した。揮発分の揮発を促進する目的で、90℃にて測定を行った。
〔くもりの評価〕
内容量100mlのガラス瓶中に約20gの衝撃吸収テープを入れ、ガラス板で蓋をし、120℃で24時間加熱し、ガラス板の変化を目視により評価した。なお、評価の判断基準は以下の通りである。
○:変化無し。
△:微量の曇りがある。
×:はっきりと確認出来る曇りがある。
Figure 2009242541
上記表1から、本発明の衝撃吸収テープは、止水性、衝撃性に優れるとともに、VOCの発生も少なく抑えられることがわかる。

Claims (4)

  1. 基材層の少なくとも片面にアクリル系粘着剤層が積層一体化され、電子部品をパッケージ中に固定しつつ衝撃を吸収するための衝撃吸収テープであって、
    前記基材層が、架橋度が5〜60重量%でありかつ気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/CDの平均気泡径)が0.25〜1である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートであり、
    前記アクリル系粘着剤層が、アクリル系重合体100重量部に対し、重量平均分子量が600以下の成分の含有量が13%以下である粘着付与樹脂を1〜50重量部含有するアクリル系粘着剤からなることを特徴とする、
    衝撃吸収テープ。
  2. 基材層の少なくとも片面にアクリル系粘着剤層を有し、90℃で30分間に亘って加熱した際に、式(1)により算出される揮発成分濃度が500ppm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収テープ。
    揮発成分濃度(ppm)
    =揮発成分重量X(μg)/加熱前の衝撃吸収テープ重量(g)・・式(1)
    (但し、式(1)中、揮発成分重量Xはヘキサデカン換算重量を表す。)
  3. 前記アクリル系重合体は、重合開始剤として10時間半減期温度が80℃以下であるものを選択し且つ重合温度を重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度として共重合されたものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収テープ。
  4. 前記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの厚みが0.1〜3mmであり、前記アクリル系粘着剤層の厚みが10〜150μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収テープ。
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