JP2009242995A - 板状成形体およびその用途 - Google Patents

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康宏 武田
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Abstract

【課題】 軽量且つ低密度であって強度が高く、生分解性に優れる板状成形体とこれを用いる用途を提供すること。
【解決手段】生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維を含み、かつ不織繊維構造を有する板状成形体であって、前記生分解性ポリマーの融着により繊維接着率5〜85%で接着され、一体化されている、0.05〜0.7g/cmの見かけ密度を有する板状成形体および、これからなる建材用ボードの提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量で強度が高く、尚且つ生分解性に優れる板状成形体に関する。
従来、生分解材料で構成された板状成形体は、幅広い用途に用いられる。特に不織繊維構造を有する板状成形体は、繊維本来の強度や通気性などを有しており、建材などの用途で広く用いられている。
これら板状成形体としては、例えば天然の木材からなる板が挙げられる。天然資源の枯渇により多くは植物系の繊維同士、または別の材料に植物系繊維シートを有機系接着剤などで貼りあわせた合板などが用いられる。例えばアオイ科の植物、ケナフを解繊して得られるケナフ繊維を熱硬化性接着剤で接着して得られ、密度が600〜900kg/mである繊維ボードが知られている(特許文献1)。これらは残留する有機系接着剤の揮発による健康被害などが問題となっている。また合板の強度や意匠性を高めるために樹脂を含浸したり、コートしたりする場合もあるが、これらは生産性が低いだけでなく、比重が高く、板状成形体本来の通気性も損ねることとなる。
繊維の接着方法として、比較的軟化温度の低い繊維を板状にして主面を高熱の成形板で圧縮成形する熱プレス処理を用いることもできる。この場合、成形体の表面付近の繊維が優先的に接着し、内部繊維は充分に接着されていない為、極端に表現すると、表面に硬い皮が張ったクッションのような構造となるので、比重が高く、通気性が低い割に、硬度が低い板状成形体となる。多くの用途に好適な厚い(例えば5mm以上)板状成形体ほど、この傾向は高まるので、実用性は低下する。高いプレス圧を与えることで強度を確保したとしても、高密度で通気性が低いものとなる。
特開2004−314592号公報
従って、本発明の目的は、軽量且つ低密度であって強度が高く、生分解性に優れる板状成形体を提供することにある。また本発明の他の目的は、これら板状成形体を用いる用途を提供することにある。
請求項1に記載の本発明の板状成形体は、生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維を含み、かつ不織繊維構造を有する板状成形体であって、前記生分解性ポリマーの融着により繊維接着率5〜85%で接着され、一体化されている、0.05〜0.7g/cmの見かけ密度を有する板状成形体である。
請求項2に記載の本発明の板状成形体は、厚さ方向の断面において、厚さ方向に三等分した各々の領域における繊維接着率がいずれも85%以下であり、かつ各領域における繊維接着率の最大値と最小値との差が20%以下である請求項1に記載の板状成形体である。
請求項3に記載の本発明の板状成形体は、厚さ方向の断面において、厚さ方向に三等分した各々の領域における繊維充填率がいずれも20〜80%であり、かつ各領域における繊維充填率の最大値と最小値との差が20%以下である請求項1または2に記載の板状成形体である。
請求項4に記載の本発明の板状成形体は、全体に占める生分解性ポリマーの重量率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項5に記載の本発明の板状成形体は、生分解性ポリマーが単一のポリマー成分である繊維を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項6に記載の本発明の板状成形体は、2種類以上のポリマー成分からなり、いずれもが生分解性ポリマーである複合繊維を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項7に記載の本発明の板状成形体は、2種類以上のポリマー成分からなり、少なくとも1種類の生分解性ポリマーを含有し、残りの成分が熱可塑性高分子重合体である複合繊維を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項8に記載の本発明の板状成形体は生分解性ポリマーがポリ乳酸であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項9に記載の本発明の板状成形体はホウ素系難燃剤及びケイ素系難燃剤からなる群から選択された少なくとも一種を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項10に記載の本発明の板状成形体は、断熱性及び/または通気性板状成形体である請求項1〜9のいずれか1項に記載の板状成形体である。
請求項11に記載の建材用ボードは請求項1〜10のいずれか1項に記載の板状成形体で構成された建材用ボードである。
本発明では、板状成形体が、生分解性ポリマーの融着により一体化されている為、生分解性ポリマーの分解によって即座に崩壊、減容するので、廃棄時に短期間で簡単にコンパクトにまとめられ、搬送が容易である。また、廃棄後も自然界で分解しやすく、環境に与える負荷が低い。また繊維接着率が適度な範囲にあるので建材などの用途に好適な強度硬度などを有している。また不織繊維構造によって一体化されているので、可撓性があり、耐震性を要求される用途にも好適である。また繊維の融着によって一体化されているので、熱処理によって再成形することもでき、例えば表面にエンボス模様を形成したり、曲面状にしたりすることもできる。さらに、この板状成形体は、実質的に繊維のみで構成でき、ケミカルバインダーや特殊薬剤を添加する必要がない為、有害成分(ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物など)を発生させる成分を用いることなく、簡便に製造できる。さらに、この板状成形体は、低密度で軽量であり、不織繊維構造であることとの相乗効果で高い通気性、断熱性、吸音性も実現できる。したがって本発明の建材用ボードは以上のような好適な特性を有することができる。
本発明の板状成形体は、不織繊維構造を構成する繊維の配列と、この繊維同士の接着状態を所定の範囲とすることにより、通常の不織布では得られない軽量性及び通気性を同時に確保できる。
また板状成形体が含む生分解性ポリマーは、湿熱接着性樹脂であることで、ウェブに高温(過熱または加熱)水蒸気を作用させて、湿熱接着性樹脂の融点以下の温度で接着作用を発現し、繊維同士を部分的に接着させて集束することにより得ることができる。すなわち、単繊維及び束状繊維同士を湿熱下、適度に小さな空隙を保持しながら、いわば「スクラム」を組むように点接着又は部分接着させて得られる。高温水蒸気の高い浸透性と、熱量によって、ウェブは高速かつ均一に融着するので、繊維接着率が面方向は勿論、厚さ方向でも均一となるので、強度、硬度などが高い。
熱接着性樹脂とは、高温水蒸気によって容易に実現可能な温度・湿度において、流動または容易に変形して接着機能を発現可能であればよい。具体的には、熱水(例えば、80〜150℃、特に95〜100℃程度)で軟化して自己接着または他の繊維に接着可能な熱可塑性樹脂、例えば、セルロース系樹脂(C1−3アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシC1−3アルキルセルロースエーテル、カルボキシC1−3アルキルセルロースエーテルまたはその塩など)、ポリアルキレングリコール樹脂(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリC2−4アルキレンオキサイドなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニルアルコール系重合体(エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリビニルアセタールなど)、アクリル系共重合体およびそのアルカリ金属塩、変性ビニル系共重合体、親水性の置換機を導入したポリマー(スルホン酸基やカルボキシル基、ヒドロキシル基などを導入したポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン又はその塩など)、脂肪族ポリエステル系樹脂などが挙げられる。さらに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどのうち、熱水(高温水蒸気)の温度で軟化して接着機能を発現可能な樹脂も含まれる。これらの樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち生分解性を有する生分解性ポリマーが本発明の構成において望ましい。
生分解性ポリマーとは、例えばポリグリコール酸やポリ乳酸のようなポリ(α―ヒドロキシ酸)またはこれらを主たる繰り返し単位要素とする共重合体が挙げられる。また、ポリ(ε―カプロラクトン)、ポリ(β―プロピオラクトン)のようなポリ(ω―ヒドロキシアルカノエート)が、さらに、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシカプロレート、ポリ−3−ヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエートのようなポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)及びこれらを構成する繰り返し単位要素とポリ−3−ヒドロキシバリレートやポリ−4−ヒドロキシブチレートを構成する繰り返し単位要素との共重合体が挙げられる。また、グリコールとジカルボン酸の縮合体からなるポリアルキレンジカルボキシレートとして、例えば、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレートまたはこれらを繰り返し単位要素とするポリアルキレンジカルボキシレート共重合体が挙げられる。本発明においては、これらの脂肪族ポリエステルから複数のポリマーを選択し、混合して使用することも出来る。本発明の板状成形体は実質的に生分解性ポリマーの融着のみで一体化されていることが最も望ましいが、別の溶融性ポリマーを用いることを否定するものではない。例えば溶融接着に主体的に関わらなければ別の溶融性ポリマーを用いてもよい。例えば芯鞘性複合繊維の芯部分に別の溶融性ポリマーを用いても良く、生分解性ポリマーよりも溶融温度が高いもの(例えば20℃以上、好ましくは30℃以上、さらに好ましくは40℃以上)を用いて生分解性ポリマーが主体的に溶融するように一体化してもよく、また溶融したとしても生分解性ポリマーよりも接着率や繊維表面の被覆率が充分低い(例えば、生分解性ポリマーと別の溶融性ポリマーとの繊維表面被覆率の比で60:40以上、好ましくは70:30以上、さらに好ましくは80:20以上)状態ならばよい。
発明においては、製糸性および土中あるいはコンポスト中での分解性などの点から、上記した中でポリ乳酸系重合体と、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケートのいずれかの重合体あるいはこれら重合体を繰り返し単位とした共重合体とまたはこれら重合体のブレンド体とが特に好適である。
最も好ましいのは生分解性ポリマーがポリ乳酸系重合体であり、具体的には、ポリ(D−乳酸)と、ポリ(L−乳酸)と、D−乳酸とL−乳酸との共重合体とD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体あるいはL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体の内、融点が80℃以上である重合体が好ましい。ここで、乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体である場合におけるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。
本発明におけるポリ乳酸は、数平均分子量が約20,000以上、好ましくは40,000以上、さらに好ましくは60,000以上のものが、製糸性及び得られる糸条の強度物性の点で好ましい。
生分解性を有する繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面(偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など)に限定されず、中空断面状などであってもよい。また、生分解性を有する繊維は少なくとも生分解性を有する樹脂で構成された複合繊維であってもよい。
複合繊維の横断面構造としては、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、または多層貼合型、放射状貼合型、ランダム複合型などが挙げられる。
複合繊維の場合、2種類以上の生分解性ポリマーを組み合わせてもよいが、生分解性のない熱可塑性高分子重合体と組み合わせてもよい。
熱可塑性高分子重合体としては、例えば、セルロース系樹脂(C1−3アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシC1−3アルキルセルロースエーテル、カルボキシC1−3アルキルセルロースエーテルまたはその塩など)、ポリアルキレングリコール樹脂(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニルアルコール系重合体(エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリビニルアセタールなど)、アクリル系共重合体およびそのアルカリ金属塩、変性ビニル系共重合体、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
ポリエステル系樹脂としては、酸単位及びグリコール単位として、2官能性化合物から誘導される構造単位を必要に応じて1種または2種以上を共重合単位として含有していてもよい。そのような他の2官能性化合物から誘導される構造単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;デカリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシ安息香酸、マンデル酸、マトロラクチン酸などのヒドロキシカルボン酸;ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン;エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコールなどの脂肪族ジオール;ヒドロキノン、カテコール、ナフタレンジオール、レゾルシン、1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオールなどの2官能性成分から誘導される構造単位を挙げることができる。生分解性ポリマーをポリエステル系にすることで板状成形体を構成するポリマー全体をポリエステル系にすることができるので、風あいに優れ、かつ、界面剥離が少ないので強度が優れ、かつ生物分解処理も容易となる。
ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6−10、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6−12などの脂肪族ポリアミドおよびその共重合体、方向族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから合成された半芳香族ポリアミドなどが好ましい。これらのポリアミド系樹脂にも、共重合可能な他の単位が含まれていてもよい。
生分解性ポリマー同士の複合繊維または生分解ポリマーと熱可塑性高分子重合体の複合繊維の場合、2種類のポリマーの重量比は、構造(例えば、芯鞘型構造)に応じて選択でき、90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80程度である。一方の樹脂の割合が少なすぎる場合、紡糸時に調子不良となることがある。
不織繊維構造を形成する繊維の平均繊度は、用途に応じて例えば、0.01〜100dtex程度の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜50dtex、さらに好ましくは0.5〜30dtex程度である。平均繊度がこの範囲にあると板状成形体形成時のカードの通過性が良好である。
不織繊維構造を形成する繊維の平均繊維長は、例えば10〜150mm程度の範囲から選択でき、好ましくは、20〜100mm、さらに好ましくは25〜80mm程度である。平均繊維長がこの範囲にあると、繊維が充分に絡み合うため、板状成形体の機械強度が向上する。
不織繊維構造を形成する繊維の捲縮率は、例えば1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜30%程度である。また捲縮数は、例えば、1〜100個/インチ、好ましくは5〜50個/インチ、さらに好ましくは10〜30個/インチ程度である。
本発明の板状成形体には、さらに生分解性を有しない熱可塑性高分子重合体からなる繊維を含んでいてもよい。繊維としては、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、などの芳香族ポリエステル繊維など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、などの脂肪族ポリアミド系繊維、半芳香族ポリアミド系繊維、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド系繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン繊維など)、アクリル系繊維(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系繊維など)、ポリビニル系繊維(ポリビニルアセタール系繊維など)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体の繊維など)、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、セルロース系繊維(例えば、レーヨン繊維、アセテート繊維など)などを挙げることが出来る。これらの繊維は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
生分解性を有するポリマーを含有する繊維と生分解性を有しない熱可塑性高分子重合体からなる繊維のほかに、天然繊維(木綿、羊毛、絹、麻など)、半合成繊維(トリアセテート繊維などのアセテート繊維など)、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなど)を含んでいてもよい。
板状成形体における生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維の重量比は全体の50%以上であることが好ましい。好ましくは60%以上である。これは生分解性を有するポリマーを含有する繊維のみで構成される場合も、生分解性を有するポリマーを含有する繊維と生分解性を有しない繊維との混合で構成される場合も同様である。
本発明の板状成形体(または繊維)には、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、微粒子、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、板状成形体表面に担持されていてもよく、繊維中に含まれていてもよい。
なお、本発明の板状成形体(繊維)は、後述する自動車の内装材、航空機の内壁材など、難燃性が要求される用途に使用される場合、難燃剤を添加するのが効果的である。難燃剤は、慣用の無機系難燃剤や有機系難燃剤を使用でき、汎用され且つ難燃効果の高いハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤であっても良いが、ハロゲン系難燃剤は燃焼時のハロゲンガスの発生に伴う酸性雨の問題を有し、リン系難燃剤は加水分解によるリン化合物流出に伴う湖沼の富栄養化の問題を有している。従って、本発明では、難燃剤としては、これらの問題を回避し、高い難燃性を発揮できる点から、ホウ素系難燃剤及び/またはケイ素系難燃剤を用いるのが好ましい。
ホウ素系難燃剤としては、例えば、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸など)、ホウ酸塩(例えば、四ホウ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ホウ酸塩、メタホウ酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩、ホウ酸亜鉛などの遷移金属塩など)、縮合ホウ酸(塩)などが挙げられる。これらのホウ素系難燃剤は、含水物であってもよい。これらのホウ素系難燃剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
ケイ素系難燃剤としては、例えば、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーン化合物、シリカやコロイダルシリカなどの酸化物、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウムなどの金属ケイ酸塩などが挙げられる。
これらの難燃剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの難燃剤のうち、ホウ酸やホウ砂などのホウ素系難燃剤を主成分とするのが好ましい。特に、ホウ酸とホウ砂とを組み合わせるのが好ましく、両者の重量比は、ホウ酸/ホウ砂=90/10〜10/90、好ましくは60/40〜30/70程度である。ホウ酸及びホウ砂は、水溶液として難燃加工に供してもよく、例えば、水100重量部に対して、ホウ酸を10〜35重量部およびホウ砂を15〜45重量部程度加えて溶解させて水溶液に調整してもよい。
難燃剤の割合は、板状成形体の用途に応じて選択すればよく、例えば、板状成形体の全重量に対して、例えば、1〜300重量%、好ましくは5〜200重量%、さらに好ましくは10〜150重量%程度である。
難燃化の方法としては、慣用のディップ−ニップ加工と同様にして、本発明の板状成形体に難燃剤を含有する水溶液やエマルジョンを含浸または噴霧した後に乾燥させる方法、繊維紡糸時に二軸押出機などで難燃剤を混練した樹脂を押出して紡糸し、この繊維を用いる方法などを使用できる。
(板状成形体の特性)
本発明の板状成形体は、前記繊維で構成されたウェブから得られる不織繊維構造を有しており、その形状は用途に応じて選択できるが、平板状である。
さらに、本発明の板状成形体において、高い表面硬さ及び曲げ硬さを有すると共に、軽量性と通気性とをバランスよく備えた不織繊維構造を有する為には、前記不織繊維のウェブを構成する繊維の配列状態及び接着状態が適度に調整されている必要がある。すなわち、繊維ウェブを構成する繊維が、概ね繊維ウェブ(不織繊維)面に対して平行に配列しながら、お互いに交差するように配列させるのが好ましい。さらに、本発明の板状成形体は、各繊維が交差した交点で融着しているのが好ましい。特に、高い硬度及び強度が要求される板状成形体は、交点以外の繊維が略平行に並んでいる部分において、数本〜数十本程度で束状に融着した束状融着繊維を形成していてもよい。これらの繊維が、単繊維同士の交点、束状繊維同士の交点、または単繊維と束状繊維との交点において融着した構造を部分的に形成することにより、「スクラム」を組んだような構造(繊維が交点部で接着し、網目のように絡み合った構造、又は交点で繊維が接着し隣接する繊維を互いに拘束する構造)とし、目的とする曲げ挙動や表面硬度などを発現させることが出来る。本発明では、このような構造が、繊維ウェブの面方向及び厚さ方向に沿って概ね均一に分布するような形態とするのが望ましい。
ここでいう「概ね繊維ウェブ面に対し平行に配列している」とは、局部的に多数の繊維が厚さ方向に沿って配列している部分が繰り返し存在するようなことがない状態を示す。より具体的には、板状成形体の繊維ウェブにおける任意の断面を顕微鏡観察した際に、繊維ウェブの厚さの30%以上に亘り、厚さ方向に連続して延びる繊維の存在割合(本数割合)が、その断面における全繊維に対して10%以下(特に5%以下)である状態をいう。
維を繊維ウェブ面に対して平行に配列するのは、厚さ方向(ウェブ面に対して垂直な方向)に沿って配列している繊維が多く存在すると周辺に繊維配列の乱れが生じて不織繊維内に必要以上に大きな空隙を生じ、板状成形体の曲げ強度や表面硬さが低減する為である。従って、出来るだけこの空隙を少なくすることが好ましく、このために繊維を繊維ウェブ面に対して平行に配列させるのが望ましい。
なお、ウェブをニードルパンチなどの手段で交絡させると、高密度な板状成形体の製造が容易となる。さらに、繊維を融着させる前に交絡させると、融着前に繊維の形態が保持される為、厚みの大きい板状成形体の製造が容易となり、生産効率上有利となる。しかし、ニードルパンチなどによる強い繊維の交絡は、繊維を繊維ウェブ面に対して平行に配列させる点からは不利である。さらに、交絡によって板状成形体の密度が高まる為、低密度で軽量な板状成形体の製造は困難となる。従って、繊維を平行に配列させる点及び軽量性の点からは、繊維の交絡の程度を低減するか、交絡しないのが好ましい。このように用途に応じてニードルパンチ処理の要否や処理の強さを選択することで種々の用途に応用できる。例えば弱いニードルパンチを加えることによって、低密度で強度が高く、嵩高い板状成形体を得ることができる場合がある。
特に、本発明の板状成形体の厚さ方向に荷重が掛かった場合、大きな空隙部が存在すると、この空隙部が荷重により潰れて板状成形体表面が変形しやすくなる。さらに、この荷重が板状成形体全面に掛かると全体的に厚さが小さくなり易くなる。板状成形体自体を空隙のない樹脂充填物とすればこのような問題を回避できるが、これでは通気度が低下し、曲げた時の折れ難さ(耐折性)、軽量性を確保するのが困難となる。
一方で、荷重による厚さ方向への変形を小さくする為に、繊維を細くし、より高密度に繊維を充填することが考えられるが、細い繊維のみで軽量性と通気性を確保しようとすると、各々の繊維の剛性が低くなり、逆に曲げ応力が低下する。曲げ応力を確保する為には、繊維径をある程度太くすることが必要であるが、単純に太い繊維を混合したのでは、太い繊維同士の交点付近で、かなり大きな空隙が出来やすく、厚さ方向へ変形し易くなる。
そこで、本発明の板状成形体は、繊維の方向をウェブの面方向に沿って平行に並べ、分散させる(または繊維方向をランダム方向に向ける)ことにより、繊維同士がお互いに交差し、その交点で接着することにより、小さな空隙を生じて軽量性を確保している。さらに、このような繊維構造が連続することにより、適度な通気度及び表面硬さも確保している。特に、他の繊維と交差せず概ね平行に並んでいる箇所において、繊維長さ方向に並行に融着した束状繊維を形成させた場合には、単繊維のみから構成される場合に比べて高い曲げ強度を主に確保できる。硬さ及び強度が高い板状成形体を望む場合には、繊維一本一本が交差する交点で接着しながら、交点と交点との間で、各繊維が束状に並ぶ部分において、数本の束状繊維を形成することが好ましい。このような構造は、板状成形体断面を観察した時の単繊維の存在状態から確認出来る。
さらに、本発明の板状成形体において、不織繊維構造を構成する繊維が生分解性ポリマーの融着により繊維接着率5〜85%、好ましくは10〜70%、さらに好ましくは20〜60%程度で接着されている。本発明における繊維接着率は、後述する実施例に記載の方法で測定できるが、不織繊維断面における全繊維の断面数に対して、2本以上接着した繊維の断面数の割合を示す。従って、繊維接着率が低いことは、複数の繊維同士が融着する割合(集束して融着した繊維の割合)が少ないことを意味する。
本発明では、さらに不織繊維構造を構成する繊維は、各々の繊維の接点で接着しているが、出来るだけ少ない接点数で大きな曲げ応力を発現する為には、この接着点が、厚さ方向に沿って、板状成形体表面から内部(中央)、そして裏面に至るまで、均一に分布しているのが好ましい。接着点が表面又は内部に集中すると、充分な曲げ応力を確保するのが困難となるだけでなく、接着点の少ない部分における形態安定性が低下する。
従って、板状成形体の厚さ方向の断面において、厚さ方向に三等分した各々の領域における繊維接着率がいずれも前記範囲にあるのが好ましい。さらに、各領域における繊維接着率の最大値と最小値との差が20%以下(例えば、0.1〜20%)、好ましくは15%以下(例えば、0.5〜15%)、さらに好ましくは10%以下(例えば、1〜10%)である。さらに、各領域における繊維接着率の最小値と最大値との比は、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。本発明では、繊維接着率が、厚さ方向において、このような均一性を有していることで、硬さや曲げ強度、耐折性や靭性において一層優れたものとなる。
なお、本発明において、「厚さ方向に三等分した領域」とは、板状成形体の厚さ方向に対して直行する方向にスライスして三等分した各領域のことを意味する。
本発明の板状成形体において、厚さ方向の断面における単繊維(単繊維端面)の存在頻度は特に限定されず、例えば、その断面の任意の1mmに存在する単繊維の存在頻度が100個/mm以上(例えば、100〜300個程度)であってもよいが、特に軽量性よりも機械的特性が要求させる場合には、単繊維の存在頻度は、例えば、100個/mm以下、好ましくは60個/mm以下(例えば、1〜60個/mm)、さらに好ましくは25個/mm以下(例えば、3〜25個/mm)であってもよい。単繊維の存在頻度が多すぎると、繊維の融着が少なく、板状成形体の強度が低下する、なお、単繊維の存在頻度が100個/mを超えると繊維の束状融着が少なくなる為、高い曲げ強度の確保が困難となる。さらに、板状成形体の場合、束状に融着された繊維が板状成形体の厚さ方向に薄く、面方向(長さ方向または幅方向)に幅広い形を有するのが好ましい。
尚、本発明では、前記単繊維の存在頻度は、次のようにして測定する。すなわち、板状成形体断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の中から選んだ1mmに相当する範囲を観察し、単繊維断面の数を数える。写真の中から任意の数箇所について同様に観察し、単繊維端面の単位面積当たりの平均値を単繊維の存在頻度とする。このとき、断面において単繊維の状態である繊維の数を全て数える。すなわち、完全に単繊維の状態である繊維以外に、数本の繊維が融着した繊維であっても、断面において融着部分から離れて単繊維の状態にある繊維は単繊維として数える。
板状成形体中の生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維は、厚さ方向の両端を結ばないことにより(厚さ方向で繊維が板状成形体を貫通しないことにより)、繊維の抜けなどによる板状成形体の欠落が抑制できる。繊維をこのように配置する為の製造方法は特に限定されないが、板状成形体を複数積層して、融着する手段が簡便且つ確実である。また、繊維長と板状成形体の厚さの関係を調整することにより、板状成形体の厚さ方向の両端を結ぶ繊維を大幅に低減できる。このような点から、板状成形体の厚さは、繊維長に対して10%以上(例えば、10〜1000%)、好ましくは40%以上(例えば、40〜800%)、さらに好ましくは、60%以上(例えば60〜700%)、特に100%以上(例えば、100〜600%)である。板状成形体の厚さと繊維長とがこのような範囲にあると、板状成形体の曲げ応力などの機械的強度が低下することなく、繊維の抜けなどによる板状成形体の欠落が抑制できる。
このように本発明の板状成形体は、束状融着繊維の割合や存在状態により、密度や機械的特性は影響を受ける。融着の度合いを示す繊維接着率は、SEMを用いて、板状成形体の断面を拡大した写真を撮影し、所定の領域において、接着した繊維断面の数に基づいて簡便に測定できる。しかし、束状に繊維が融着している場合には、各繊維が束状に又は交点で融着している為、特に密度が高い場合には、繊維単体として観察することが困難になり易い。この場合、例えば、本発明の板状成形体の生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維が生分解性ポリマーで構成された鞘部と繊維形成性重合体で構成された芯部とで形成された芯鞘型複合繊維で接着されている場合には、融解や洗浄除去などの手段で接着部の融着を解除し、解除前の切断面と比較することにより繊維接着率を測定できる。一方、本発明では、この繊維融着の度合いを反映する指標として、成形後の板状成形体断面(厚さ方向の断面)における繊維及び束状の繊維束の形成する断面の占める面積比率、すなわち、繊維充填比率を用いることも出来る。厚さ方向の断面における繊維充填率は、例えば、20〜80%、好ましくは20〜60%、更に好ましくは30〜50%程度である。繊維充填率が小さすぎると、板状成形体内の空隙が多すぎて、所望の表面硬さ及び曲げ応力を確保するのが困難になる。逆に大きすぎると、表面硬さ及び曲げ応力を充分に確保できるが、非常に重くなり、通気度が低下する傾向にある。
このような束状融着繊維を含む板状成形体は、曲げ強度及び表面硬さと軽量性と通気性とを高い次元でバランスさせる為に、束状融着繊維の存在頻度を少なく、かつ各繊維(束状繊維及び/又は単繊維)の交点で高い頻度で接着しているのが好ましい。但し、繊維接着率が高すぎると、接着している点同士の距離が近接し過ぎて柔軟性が低下し、外部応力による歪みの解消が困難となる。このため、本発明の板状成形体は、繊維接着率が85%以下である必要がある。繊維接着率が高すぎないことにより、板状成形体内に細やかな空隙による通路が確保でき、軽量性と通気性とを向上できる。従って、出来るだけ少ない接点数で大きな曲げ応力、表面硬さ及び通気度を発現する為には、繊維接着率が板状成形体表面から内部(中央)、そして裏面に至るまで、厚さ方向に沿って均一に分布しているのが好ましい。接着点が表面や内部などに集中すると、前述の曲げ応力や形態安定性に加えて、通気度を確保するのも困難となる。
そこで、本発明の板状成形体では、厚さ方向の断面において、厚さ方向に三等分した各々の領域における繊維充填率がいずれも前記範囲にあるのが好ましい。さらに、各領域における繊維充填率の最大値と最小値との差が20%以下(例えば、0.1〜20%)、好ましくは15%以下(例えば、0.5〜15%)、さらに好ましくは10%以下(例えば1〜10%)である。本発明では、繊維充填率が、厚さ方向において、均一であると、曲げ強度や耐折性や靭性などにおいて優れる。本発明における繊維充填率は、後述する実施例に記載の方法で測定する。
本発明の板状成形体は、繊維間に生じる空隙により優れた軽量性を確保できる。また、これらの空隙は、スポンジのような樹脂発泡体と異なり各々が独立した空隙ではなく連続している為、通気性を有している。このような構造は、樹脂を含浸する方法や、表面部分を密に接着させてフィルム状構造を形成する方法など、これまでの一般的な硬質化手法では製造することが極めて困難な構造である。
なわち、本発明の板状成形体は低密度であり、具体的には見かけ密度が、例えば、0.05〜0.7g/cmであり、特に軽量性を要求される用途では、例えば、0.06〜0.45g/cm、好ましくは0.08〜0.38g/cm、さらに好ましくは0.1〜0.33g/cmである。軽量性よりも硬さが要求される用途では、見かけ密度が、例えば、0.2〜0.7g/cm、好ましくは0.25〜0.65g/cm、さらに好ましくは0.3〜0.6g/cm程度であってもよい。見かけ密度が低すぎると、軽量性を有するものの、充分な曲げ硬さ及び表面硬さを確保するのが難しく、逆に高すぎると、硬さは確保できるものの、軽量性が低下する。なお、密度が低下すると、繊維が交絡し、交点で融着しただけの一般的な不織繊維構造に近くなり、一方、密度が高くなると、繊維が束状に融着し、多孔質板状成形体に近い構造となる。
本発明の板状成形体の目付は、例えば、50〜10000g/cm程度の範囲から選択でき、好ましくは150〜8000g/cm、さらに好ましくは300〜6000g/m程度である。軽量性よりも硬さが要求される用途では、目付は、例えば、1000〜10000g/m、好ましくは1500〜8000g/m、さらに好ましくは2000〜6000g/m程度であってもよい。目付が小さすぎると、硬さを確保することが難しく、また、目付が大きすぎると、ウェブが厚すぎて湿熱加工において、高温水蒸気が充分にウェブ内部に入り込めず、厚さ方向の均一性が低下する場合がある。
本発明の板状成形体の厚さは特に限定されないが、1〜100mm程度の範囲から選択でき、例えば、3〜100mm、好ましくは3〜50mm、さらに好ましくは5〜50mm(特に5〜30mm)程度である。厚さが薄すぎると、硬さの確保が難しくなり、厚すぎると、これも質量が重くなる為、シートとしての取扱性が低下する。
(板状成形体の製造方法)
発明に板状成形体の製造方法の例として湿熱接着性の生分解性ポリマーを用いた場合の例を示す。まず、生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維を含む繊維をウェブ化する。ウェブの形成方法としては、慣用の方法、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法などの直接法、メルトブロー繊維やステープル繊維などを用いたカード法、エアーレイ法などの乾式法などを利用できる。これらの方法のうち、メルトブロー繊維やステープル繊維を用いたカード法、特にステープル繊維を用いたカード法が汎用される。ステープル繊維を用いて得られたウェブとしては、例えば、ランダムウェブ、セミランダムウェブ、パラレルウェブクロスラップウェブなどが挙げられる。これらのウェブのうち、束状融着繊維の割合を多くする場合には、セミランダムウェブ、パラレルウェブが好ましい。
次に、得られた繊維ウェブは、ベルトコンベアにより次工程へ送られ、次いで過熱または高温蒸気(高圧スチーム)流に晒されることにより、本発明に不織繊維構造を有する板状成形体が得られる。すなわち、ベルトコンベアで運搬された繊維ウェブは、前記蒸気噴射装置のノズル噴出される高速高温水蒸気流の中を通過する際、吹き付けられた高温水蒸気により繊維同士が三次元的に接着される。
使用するベルトコンベアは、基本的には加工に用いる繊維ウェブを目的の密度に圧縮しつつ高温水蒸気処理することが出来れば、特に限定されるものではなく、エンドレスコンベアが好適に用いられる。尚、一般的な単独のベルトコンベアであってもよく、必要に応じて2台のベルトコンベアを組み合わせて、両ベルト間にウェブを挟むようにして運搬してもよい。このように運搬することにより、ウェブを処理する際に、処理に用いる水、高温水蒸気、コンベアの振動などの外力により運搬してきたウェブの形態が変形するのが抑制できる。また、処理後の不織繊維の密度や厚さをこのベルトの間隔を調整することにより抑制することも可能となる。
ウェブに蒸気を供給する為の蒸気噴射装置は、2台のベルトコンベアを組み合わせた場合、一方のコンベア内に装着され、コンベアネットを通してウェブに蒸気を供給する。反対側のコンベアには、サクションボックスを装着してもよい。サクションボックスによって、ウェブを通過した過剰の蒸気を吸引排出できる。また、ウェブの表及び裏の両側を均一に蒸気処理する為に、さらに蒸気噴射装置が装着された側のコンベアの下流部にサクションボックスを装着し、このサクションボックスが装着された反対側のコンベア内に蒸気噴射装置を設置してもよい。下流部の蒸気噴射装置及びサクションボックスがない場合、繊維ウェブの表と裏を蒸気処理したければ、一度処理した繊維ウェブの表裏を反転させて再度処理装置内を通過させることで代用できる。
コンベアに用いるエンドレスベルトは、ウェブの運搬や高温蒸気処理の妨げにならなければ、特に限定されるものではない。但し、高温蒸気処理をした場合、その条件により繊維ウェブの表面にベルトの表面形状が転写される場合があるので、用途に応じて適宜選択するのが好ましい。特に、表面の平坦な板状成形体を得たい場合には、メッシュの細かいネットを使用すればよい。なお、90メッシュ程度が上限であり、これ以上のメッシュの細かなネットは、通気性が低く、蒸気が通過し難くなる。メッシュベルトの材質は、蒸気処理に対する耐熱性などの観点より、金属、耐熱処理したポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリアリレート系樹脂(全芳香族系ポリエステル系樹脂)、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂などの耐湿熱性樹脂などが好ましい。
蒸気噴射装置から噴射される高温水蒸気は、気流である為、水流絡合処理やニードルパンチ処理とは異なり、被処理体であるウェブ中の繊維を大きく移動させることなくウェブ内部に進入する。このウェブ中への蒸気流の進入作用及び湿熱作用によって、蒸気流がウェブ内に存在する各繊維の表面を湿熱状態で効率的に覆い、均一な熱接着が可能になると考えられる。また、この処理は高速気流下で極めて短時間に行なわれる為、蒸気の繊維表面への熱伝導は充分であるが、繊維内部への熱伝導が充分になされる前に処理が終了してしまい、そのため高温水蒸気の圧力や熱により、処理される繊維ウェブ全体が潰れたり、その厚さが損なわれるような変形も起こりにくい。その結果、繊維ウェブに大きな変形が生じることなく、表面及び厚さ方向における接着に程度が概ね均一になるような湿熱接着が完了する。
さらに、表面硬さや曲げ強度の高い板状成形体を得る場合には、ウェブに高温水蒸気を供給して処理する際、処理されるウェブを、コンベアベルト又はローラー間で、目的の見かけ密度(例えば、0.2〜0.7g/cm程度)に圧縮した状態で高温水蒸気に晒すのが重要である。特に、相対的に高密度の板状成形体を得ようとする場合には、高温水蒸気で処理する際に、充分な圧力で繊維ウェブを圧縮する必要がある。さらに、ローラー間またはコンベア間に適度なクリアランスを確保することで、目的の厚さや密度に調整することが可能である。コンベアの場合には、一気にウェブを圧縮することが困難なので、ベルトの張力を出来るだけ高く設定し、蒸気処理地点の上流から徐々にクリアランスを狭めていくのが好ましい。さらに、蒸気圧力、処理速度を調整することにより所望の曲げ硬さ、表面硬度、軽量性、通気性を有する板状成形体に加工する。
このとき、硬度を上げたい場合には、ウェブを挟んでノズルと反対側のエンドレスベルトの裏側をステンレス板などにし、蒸気が通過できない構造とすれば、被処理体であるウェブを通過した蒸気がここで反射するので、蒸気の保温効果によってより強固に接着される。逆に、軽度の接着が必要な場合には、サクションボックスを配置し、余分な水蒸気を室外へ排出してもよい。
高温水蒸気を噴射する為のノズルは、所定のオリフィスが幅方向に連続的に並んだプレートやダイスを用い、これを供給されるウェブの幅方向にオリフィスが並ぶように配置すればよい。オリフィス列は一列以上あればよく、複数列が並行した配列であってもよい。また、一列のオリフィス列を有するノズルダイを複数台並列に配置してもよい。
プレートにオリフィスを開けたタイプのノズルを使用する場合、プレートの厚さは、0.5〜1mm程度であってもよい。オリフィスの径やピッチに関しては、目的とする繊維固定が可能な条件であれば特に制限はないが、オリフィスの直径は、通常、0.05〜2mm、好ましくは0.1〜1mm、さらに好ましくは0.2〜0.5mm程度である。オリフィスのピッチは、通常、0.5〜3mm、好ましくは1〜2.5mm、さらに好ましくは1〜1.5mm程度である。オリフィスの径が小さすぎると、ノズルの加工精度が低くなり、加工が困難になるという設備的な問題と、目詰まりを起こしやすくなるという運転上の問題点が生じ易い。逆に、大きすぎると、蒸気噴射力が低下する。一方、ピッチが小さすぎると、ノズル孔が密になりすぎるため、ノズル自体の強度が低下する。一方、ピッチが大きすぎると、高温水蒸気がウェブに充分に当たらないケースが生じるため、ウェブ強度が低下する。
高温水蒸気についても、目的とする繊維固定が実現できれば特に限定はなく、使用する繊維の材質や形態により設定すればよいが、圧力は、例えば、0.1〜2MPa、好ましくは0.2〜1.5MPa、さらに好ましくは0.3〜1MPa程度である。蒸気の圧力が高すぎたり、強すぎる場合には、ウェブを形成する繊維が動いて地合の乱れを生じたり、繊維が溶融しすぎて部分的に繊維形状を保持できなくなる可能性がある。また、圧力が弱すぎると、繊維の融着に必要な熱量をウェブに与えることが出来なくなったり、水蒸気がウェブを貫通できず、厚さ方向に繊維融着斑を生じる場合があり、ノズルからの蒸気の均一噴出の制御が困難になる場合がある。
高温水蒸気の温度は、例えば、70〜150℃、好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃程度である。高温水蒸気の処理速度は、例えば、200m/分以下、好ましくは0.1〜100m/分、さらに好ましくは1〜50m/分程度である。
必要であれば、コンベアベルトに所定の凹凸柄や文字、絵などを付与しておき、これらを転写させることで得られるボード製品に意匠性を付与することも可能である。また、他の資材と積層して積層体を形成してもよく、成型加工により所望の形態(円柱状、四角柱状、球状、楕円体状などの各種形状)に加工してもよい。
このようにして繊維ウェブの繊維を部分的に湿熱接着した後、得られる不織繊維構造を有する板状成形体に水分が残留する場合があるので、必要に応じてウェブを乾燥してもよい。乾燥に関しては、乾燥用加熱体に接触した板状成形体の表面が、乾燥後に繊維の溶融などにより繊維形態が消失しないことが必要であり、繊維形態が維持できる限り、慣用の方法を利用できる。例えば、不織布の乾燥に使用されるシリンダー乾燥機やテンターのような大型の乾燥設備を使用してもよいが、残留している水分は微量であり、比較的軽度な乾燥手段により乾燥可能なレベルである場合が多い為、遠赤外線照射、マイクロ波照射、電子線照射などの非接触法や熱風を用いる方法などが好ましい。
さらに、本発明の板状成形体は、前述のように、湿熱接着性の生分解性ポリマーを表面に有する繊維を高温水蒸気により接着させて得られるが、部分的に(湿熱接着により得られた板状成形体同士の接着など)、他の慣用の方法、例えば、部分的な熱圧融着(熱エンボス加工など)、機械的圧縮(ニードルパンチなど)などの処理方法により接着されていてもよい。
なお、湿熱接着性繊維は、繊維ウェブを熱湯に漬すことでも融着するが、このような方法では繊維接着率の制御が困難であり、また繊維接着率の均一性が高い板状成形体を得るのが困難である。その原因は、繊維ウェブ中に必然的に含まれる空気の影響で位置によって湿熱接着性が異なること、この空気が繊維ウェブの外に押し出されることによる構造への影響、湿熱接着させた繊維ウェブを熱湯中から取り出すときの引き取りローラーによる繊維内部の微細構造の変形や、取り出した繊維ウェブ中に含まれる熱湯の重さによる上下方向の微細構造の変形の違いなどであると推定される。
このようにして得られた不織繊維構造を有する板状成形体は、一般的な不織布と同程度の低密度でありながら、極めて高い曲げ応力及び表面硬さを有すると共に、通気性をも有している。従って、このような性能を利用して、例えば、従来より木材やコンパネなどの各種ボード材が用いられていた用途、またはこれらのボード材に対して、通気性、断熱性、吸音性などの性能を同時に要求される用途に応用できる。具体的には、建材用ボード、断熱材または断熱用ボード、通気性ボード、吸液体(マジックペンや蛍光ペンなどの芯、インクジェットプリンターカートリッジのインク保持材、芳香剤などの香料蒸散用の芯材など)、吸音体(遮音壁材、車両用遮音材など)、工作用材料、クッション材、軽量コンテナや仕切り材、ワイピング材(ホワイトボード消し、食器洗いスポンジ、ペン型ワイパーなど)などが挙げられる。
さらに、本発明に板状成形体は、高い通気性を有する為、例えば、板状成形体に化粧フィルムを貼り合わせても、化粧フィルムと板状成形体との間に囲まれた空気が反対側に抜ける為、フィルム貼り付けに伴うフィルムの浮き、剥がれを回避できる。また、貼り付けたフィルムの粘着材が板状成形体表面の構成繊維に貼り付くと共に、繊維空隙の楔の如く入り込むことで強固な接着を実現できる。
また、本発明の板状成形体を容器として用いると、容器内外の空気交換が可能となり、呼吸する生物や物質の運搬する容器として利用可能である。
さらに、難燃剤を含有させた場合には、難燃性を要求される用途、例えば、自動車の内装材、航空機の内壁材、建築材、家具などにも利用できる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例における各物性値は、以下に示す方法により測定した。なお、実施例中の「部」及び「%」はことわりのない限り、質量基準である。
(1)目付(g/m
JIS L1913に準じて測定した。
(2)厚さ、見掛け密度(g/cm
JIS L1913に準じて厚さを測定し、この値と目付の値とから見掛け密度を算出した。
(3)繊維接着率
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、板状成形体断面を100倍に拡大した写真を撮影した。撮影した板状成形体の厚さ方向における断面写真を厚さ方向に三等分し、三等分した各領域(表面、内部(中央)、裏面)において、そこに見出せる繊維切断面(繊維端面)の数に対して繊維同士が接着している切断面の数の割合を求めた。各領域に見出せる全繊維断面数の内、2本以上の繊維が接着した状態の断面の数の占める割合を以下の式に基づいて百分率で表した。なお、繊維同士が接触する部分には、融着することなく単に接触している部分と、融着により接着している部分とがある。但し、顕微鏡撮影の為に板状成形体を切断することにより、板状成形体の切断面においては、各繊維が有する応力によって、単に接触している繊維同士は分離する。従って、断面写真において、接触している繊維同士は、接着していると判断できる。
繊維接着率(%)=(2本以上接着した繊維の断面数)/(全繊維断面数)×100
但し、各写真について、断面の見える繊維は全て計数し、繊維断面数100以下の場合は、観察する写真を追加して全繊維断面数が100を超えるようにした。なお、三等分した各領域についてそれぞれ繊維接着率を求め、その最大値と最小値との差も併せて求めた。
(4)不織繊維小片の形態保持性
不織繊維試料を5mm角の立方体形状にカットし、50cmの水を入れた三角フラスコ(100cm)に投入した。このフラスコを振とう器(ヤマト科学(株)製、「MK160型」)に装着し、振幅30mmの浅海方式にて60rpmの速度で30分間振とうさせた。振とう後、形態変化及び形態保持性状態を目視で観察し、以下の基準に従って3段階評価した。
◎;ほぼ処理前の形状を保持している
○;大きく欠落した部分は見られないが、形態の変化が見られる
×;欠落部分の発生が見られる
実施例1
生分解性繊維として、ポリ乳酸繊維、繊度2dtex、繊維長51mmを準備した。この繊維を用いて、カード法により目付約100g/mのカードウェブを作製し、このウェブを7枚重ねて合計目付700g/mのカードウェブとした。このカードウェブを、50メッシュ、幅500mmのステンレス製エンドレスネットを装備したベルトコンベアに移送した。
なお、このベルトコンベアは、下側コンベアと上側コンベアの一対のコンベアからなり、少なくとも一方のコンベアのベルト裏側に蒸気噴射ノズルが設置されており、ベルトを通して、通過するウェブに高温水蒸気が噴射可能である。さらに、このノズルより上流側にウェブ厚調整用の金属ロール(以下、「ウェブ厚調整用ロール」と略記する場合がある)がそれぞれ備え付けられている。下側コンベアは、上面(すなわちウェブが通過する面)がフラットな形状であり、一方の上側コンベアは、下面がウェブ厚調整用ロールに沿って屈曲した形状をなし、上側コンベアのウェブ厚調整用ロールが下側コンベアのウェブ厚調整用ロールと対をなすように配置されている。
また、上側コンベアは、上下に移動可能であり、これにより上側コンベアと下側コンベアのウェブ厚調整用ロール間を所定の間隔に調整できるようになっている。さらに、上側コンベアの上流側は、下流部に対してウェブ厚調整用ロールを基点に(上側コンベアの下流側の下面に対し)30度の角度で傾斜させ、下流部は下側コンベアと平行になるよう配置するように屈曲されている。なお、上側コンベアが上下する場合には、この平行関係を保ちながら移動する。
これらのベルトコンベアは、それぞれが同速度で同方向に回転し、これら両コンベアベルト同士及びウェブ厚調整用ロール同士が所定のクリアランスを保ちながら加圧可能な構造となっている。これは、いわゆるカレンダー工程のように作動して蒸気処理前のウェブ厚さを調整する為のものである。すなわち、上流側より送り込まれてきたカードウェブは、下側コンベア上を走行するが、ウェブ厚調整用ロールに到達するまでの間に上側コンベアとの間隔が徐々に狭くなる。そして、この間隔がウェブ厚さよりも狭くなった時に、ウェブは上下コンベアベルトの間に挟まれ、徐々に圧縮されながら走行する。このウェブは、ウェブ厚調整用ロールに設けられたクリアランスとほぼ同等の厚さになるまで圧縮され、その厚さの状態で蒸気処理がなされ、その後もコンベア下流部において厚さを維持しながら走行する仕組みになっている。ここでは、ウェブ厚さ調整用のロールが線圧50kg/cmとなる様に調整した。
次いで、下側コンベアに備えられた蒸気噴射装置へカードウェブを導入し、この装置から0.4MPaの高温水蒸気をカードウェブの厚さ方向に向けて通過するように(垂直に)噴出して蒸気処理を施し、本発明の不織繊維構造を有する成形体を得た。この蒸気噴射装置は、下側のコンベア内に、コンベアネットを介して高温水蒸気をウェブに向かって吹き付けるようにノズルが設置され、上側のコンベアにサクション装置が設置されていた。また、この噴射装置のウェブ進行方向における下流側には、ノズルとサクション装置との配置が逆転した組合せである噴射装置がもう一台設置されており、ウェブの表裏両面に対して蒸気処理を施した。
なお、蒸気噴射ノズルの孔径は0.3mmであり、ノズルがコンベアの幅方向に沿って1mmピッチで1列に並べられた蒸気噴射装置を使用した。加工速度は3m/分であり、ノズル側とサクション側の上下コンベアベルト間の間隔(距離)は10mmとした。ノズルはコンベアベルトの裏側にベルトほぼ接するように配置した。
実施例2
実施例1で使用した生分解性のポリ乳酸繊維70部と、レーヨン繊維(繊度1.4dtex、繊維長44mm)30部とを混綿した目付約100g/mのカードウェブを用いて7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の成形体を得た。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で使用した生分解性のポリ乳酸繊維50部と、レーヨン繊維(繊度1.4dtex、繊維長44mm)50部とを混綿した目付約100g/mのカードウェブを用いて7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の成形体を得た。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1で使用した生分解性のポリ乳酸繊維30部と、レーヨン繊維(繊度1.4dtex、繊維長44mm)70部とを混綿した目付約100g/mのカードウェブを用いて7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の成形体を得た。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1で使用した生分解性のポリ乳酸繊維70部と、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度2dtex、繊維長51mm)30部とを混綿した目付約100g/mのカードウェブを用いて7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の成形体を得た。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で使用した生分解性のポリ乳酸繊維8部と、レーヨン繊維(繊度1.4dtex、繊維長44mm)92部とを混綿した目付約100g/mのカードウェブを用いて7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の成形体を得た。結果を表1に示す。繊維間に充分な接着力が得られず、形態で脱落が見られた。
比較例2
実施例5で使用したポリエチレンテレフタレート繊維のみで作製した目付約100g/mのカードウェブを用いて7枚重ねとしたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の成形体を得た。結果を表1に示す。繊維間に充分な接着力が得られず、殆どウェブ状態であり、単体で容易に運搬できなかった。
Figure 2009242995

Claims (11)

  1. 生分解性ポリマーを少なくとも表面に有する繊維を含み、かつ不織繊維構造を有する板状成形体であって、前記生分解性ポリマーの融着により繊維接着率5〜85%の割合で接着され、一体化されている、0.05〜0.7g/cmの見かけ密度を有する板状成形体。
  2. 厚さ方向の断面において、厚さ方向に三等分した各々の領域における繊維接着率がいずれも85%以下であり、かつ各領域における繊維接着率の最大値と最小値との差が20%以下である請求項1に記載の板状成形体。
  3. 厚さ方向の断面において、厚さ方向に三等分した各々の領域における繊維充填率がいずれも20〜80%であり、かつ各領域における繊維充填率の最大値と最小値との差が20%以下である請求項1または2に記載の板状成形体。
  4. 全体に占める生分解性ポリマーの重量率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状成形体。
  5. 生分解性ポリマーが単一のポリマー成分である繊維を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状成形体。
  6. 2種類以上のポリマー成分からなり、いずれもが生分解性ポリマーである複合繊維を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状成形体。
  7. 2種類以上のポリマー成分からなり、少なくとも1種類の生分解性ポリマーを含有し、残りの成分が熱可塑性高分子重合体である複合繊維を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状成形体。
  8. 生分解性ポリマーがポリ乳酸であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の板状成形体。
  9. ホウ素系難燃剤及びケイ素系難燃剤からなる群から選択された少なくとも一種を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の板状成形体。
  10. 断熱性及び/または通気性板状成形体である請求項1〜9のいずれか1項に記載の板状成形体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の板状成形体で構成された建材用ボード。
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