JP2009243675A - ガス放出量制御装置及び滞留ガス放出装置 - Google Patents

ガス放出量制御装置及び滞留ガス放出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素タンク内における樹脂ライナの内方への変形を防止することができるガス放出量制御装置を提供する。
【解決手段】水素タンク2の歪を検出し、その歪に基づき水素タンク2に圧縮応力が作用しているか否かを判断する。そして、水素タンク2に圧縮応力が作用していると判断した場合には、水素タンク2の開閉弁15を閉状態に制御して、水素タンク2から水素ガスが放出されるのを防ぎ、水素タンク2のタンク内圧力が低下するのを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス放出量制御装置に関し、特にライナの外面が繊維強化樹脂部材で覆われたガスタンクから放出させるガスの放出量を制御するガス放出量制御装置、及び、ライナと繊維強化樹脂部材との間に滞留した滞留ガスを外部に放出する滞留ガス放出装置に関する。
例えば、燃料電池電気自動車は、水素と空気中の酸素を電気化学的に反応させて発電する燃料電池を搭載しており、燃料電池が発電した電気をモータに供給して走行するようになっている。燃料電池電気自動車には、高圧の水素ガスが充填される水素タンクが搭載されており、その水素タンクは、軽量化及び強度向上を図るべく、樽状の樹脂ライナの外面が繊維強化樹脂部材で覆われた構成を有している。
水素タンクの樹脂ライナは、樹脂ライナの外面を覆う繊維強化樹脂部材と比較して水素の透過率が高く、樹脂ライナの内部に水素ガスが大量に充填されて高圧状態にあるときは、樹脂ライナを透過した水素ガスが樹脂ライナと繊維強化樹脂部材との間に高圧状態で滞留するおそれがある。
かかる状態で、水素ガスを燃料電池に供給するために水素タンクから水素ガスを放出すると、その水素ガスを放出した分だけ樹脂ライナの内部圧力であるタンク内圧力が低下する。ここで、例えば急加速時のように水素タンクから大量の水素ガスが放出されると、タンク内圧力が急激に低下して、タンク内圧力と滞留ガスとの圧力差が大きくなる。従って、滞留ガスの圧力によって樹脂ライナが内方に凹状に変形し、樹脂ライナの疲労割れの原因となるおそれがある。
特許文献1には、容器本体の内面に水素バリア層を形成して、水素ガスが樹脂ライナを透過するのを防ぎ、滞留ガスによる樹脂ライナの変形を防止する技術が示されている。また、特許文献2には、ガス容器のライナとアウタシェルとの間に滞留した滞留ガスをガス容器の口金に設けたガス抜き孔から抜く技術が示されている。
特開2002-188794号公報 特開平11−210988号公報
しかしながら、水素バリア層を、容器本体の内面全面に亘って漏れなく完全に形成するのは困難であり、水素バリア層に未形成の箇所があった場合や、劣化等により水素バリア層に穴が開いていた場合には、漏れ出た水素ガスが樹脂ライナと繊維強化樹脂部材との間に滞留して樹脂ライナを変形させるおそれがある。
上記の滞留ガスに起因した樹脂ライナの変形という課題は、水素タンクに限定されるものではなく、ガス透過性を有するライナの外面を繊維強化樹脂部材で覆う構成を有するガスタンク全般に当てはまるものである。また、特許文献2の場合、ライナを透過したガスが口金のガス抜き孔から外部に常時放出され、ガス容器内のガスが時経過とともに減少することが懸念される。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、滞留ガスに起因したライナの内方への変形を防止することができるガス放出量制御装置又は滞留ガス放出装置を提供することである。
上記課題を解決するための本発明によるガス放出量制御装置は、ライナの外面が繊維強化樹脂部材で覆われたガスタンクから放出させるガスの放出量を制御するガス放出量制御装置において、ライナの歪に応じてガスの放出量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、例えばライナの歪に基づいてライナに圧縮応力が作用していると判断した場合にガスの放出を停止することができる。ライナに圧縮応力が作用している場合には、ライナが内方に凹状に変形するおそれがあるので、ガスの放出を停止して、ライナの内部圧力であるタンク内圧力の低下を防ぎ、ライナと繊維強化樹脂部材との間に滞留している滞留ガスの圧力とライナの内部圧力であるタンク内圧との圧力差が拡大するのを防ぐ。これにより、滞留ガスの圧力によってライナが内方に凹状に変形するのを防ぐことができ、ライナの疲労割れを防止できる。
本発明によるガス放出量制御装置の好ましい実施の形態において、歪検出手段は、複数の歪ゲージを備え、これら複数の歪ゲージがライナの内表面に周方向及び軸方向に等間隔に配置された構成を有することを特徴とするものである。この構成によれば、ライナの局部的な歪を検出することができ、ライナに圧縮応力が作用しているか否かを正確に判断することができる。
また、上記課題を解決するための本発明による滞留ガス放出装置は、ガスタンクのライナとライナの外面を覆う繊維強化樹脂部材との間に滞留している滞留ガスを外部に放出する滞留ガス放出装置であって、ライナと繊維強化樹脂部材との間に一端が連通し他端が外部に連通するリークパスと、そのリークパスを開閉するリリーフ弁と、ライナの歪を検出する歪検出手段と、歪検出手段により検出した歪に応じてリリーフ弁を開閉制御するリリーフ弁制御手段とを有することを特徴としている。
本発明の滞留ガス放出装置によれば、例えばライナの歪みに基づいてライナに圧縮応力が発生していると判断した場合にリリーフ弁を開いて、ライナと繊維強化樹脂部材の間の滞留ガスをリークパスを通過させて外部に放出させ、ライナと繊維強化樹脂部材の間の滞留ガスの圧力を低下させることができる。従って、ライナの内部圧力であるタンク内圧と滞留ガスとの圧力差を小さくすることができ、ライナが内方に凹状に変形するのを防ぐことができる。
そして、ライナに圧縮応力が発生してない場合にはリリーフ弁を閉じることで、滞留ガスをライナと繊維強化樹脂部材との間に閉じ込めることができる。従って、ライナを透過したガスがリークパスを通過して外部に常時放出されて、ガスタンク内のガスが時経過とともに減少してしまうのを防ぐことができる。
ガスタンクは、繊維強化樹脂部材を貫通してライナと繊維強化樹脂部材との間に一端が介在され他端が繊維強化樹脂部材から外部に露出するボス部材を有し、リークパスがボス部材に形成されている構成としてもよい。
また、本発明の滞留ガス放出装置の具体的な構成の一例として、ガスタンクは、円筒状の胴部の両端が椀状の鏡部でそれぞれ閉塞された略樽状の外形を有し、歪検出手段は、複数の歪ゲージをライナの軸方向中央位置で且つライナの内表面に周方向に等間隔をおいて配置した構成としてもよい。
本発明者は、複数回の実証実験を行い、鋭意研究の結果、略樽状の外形を有するガスタンクにおいて、ライナが内方に凹状に変形する場合に、変形が開始される箇所がライナの軸方向中央位置であることを見出した。
従って、複数の歪みゲージを、ライナの軸方向中央位置でかつライナの内表面に周方向に等間隔をおいて配置することによって、ライナの圧縮応力を適切に検出することができ、ライナが内方に凹状に変形するのを防ぐことができる。
また、具体的な構成の一例として、ライナは、樹脂材料によって構成されていることを特徴とする。樹脂ライナは、金属ライナと比較してガス透過性が高く、変形も容易であることから、上記構成によれば、ライナが内方に凹状に変形するのを特に効果的に防止することができる。
本発明のガス放出量制御装置によれば、ライナに変形が発生する限界まで、開閉弁を開状態にして水素タンクから水素ガスを放出させることができる。従って、例えば燃料電池電気自動車では、樹脂ライナの変形が始まる限界まで燃料電池に水素ガスを供給して、急加速を行うことができ、車両の動力性能を向上させることができる。
また、本発明の滞留ガス放出装置によれば、ライナに圧縮応力が発生している場合には、リリーフ弁を開いて、ライナと繊維強化樹脂部材の間の滞留ガスをリークパスを通過させて外部に放出させることができる。従って、滞留ガスの圧力が過度に上昇するのを抑制してライナが内方に凹状に変形するのを防ぐことができる。
一方、ライナに圧縮応力が発生していない場合にはリリーフ弁を閉じることで、滞留ガスをライナと繊維強化樹脂部材との間に閉じ込めることができる。従って、ライナを透過したガスがリークパスを通過して外部に常時放出されて、ガスタンク内のガスが時経過とともに減少してしまうのを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1実施の形態]
図1は、第1実施の形態におけるガス放出量制御装置1が適用される燃料電池電気自動車Vの構成を示す図、図2は、水素タンク2の断面図である。なお、図2(a)は、水素タンク2の軸方向に沿った断面図、図2(b)は、水素タンク2を図2(a)のI−I線方向から矢視した断面図である。
図1に示す燃料電池電気自動車Vは、水素タンク(ガスタンク)2を搭載しており、また、図示しない燃料電池と走行用モータを搭載している。燃料電池には、水素タンク2から水素ガス供給管16(図2(a)を参照)を通じて水素が供給され、空気中の酸素と水素を電気化学的に反応させて発電する。発電した電力は走行用モータに供給されて、燃料電池電気自動車Vを走行させる。
水素タンク2は、高圧の水素ガスを充填して貯蔵するガス容器であり、図2に示すように、容器本体を構成する樹脂ライナ11及びシェル12を備えている。そして、容器本体の前端部には口金13が取り付けられ、容器本体の後端部には、エンドボス14が取り付けられている。
樹脂ライナ11は、高密度ポリエチレン等の樹脂材料によって作られており、円筒状の胴部11Bと、胴部11Bの両側を閉塞する椀状の前端部11A及び後端部11Cとが一体に形成された略樽状の外形を有する。
樹脂ライナ11の内表面には、図2に示すように、樹脂ライナ11の歪を検出する歪検出手段である歪ゲージ3が貼り付けられている。歪ゲージ3は、樹脂ライナ11の局部的な歪も検出できるように、胴部11Bの周方向及び軸方向にほぼ等間隔に配置されている。歪ゲージ3に接続された信号線L1は、エンドボス14に設けられた端子(図示せず)に接続され、図1に示す電子制御装置4に接続されている。
なお、本実施の形態では、歪ゲージ3が樹脂ライナ11の内表面に胴部11Bの周方向及び軸方向にほぼ等間隔に配置された場合を例に説明したが、樹脂ライナ11の歪を検出できればよく、例えば樹脂ライナ11の外面に歪ゲージ3を貼り付けてもよい。また、歪ゲージ3の配置も等間隔に限定されるものではなく、歪が発生しやすい箇所や樹脂ライナ1の形状等に応じて適宜変更可能である。
シェル12は、繊維強化樹脂によって構成されており、例えばエポキシ樹脂を付着させた炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を樹脂ライナ11の外周に巻き付けた後に、エポキシ樹脂を硬化させることによって形成される。シェル12は、樹脂ライナ11の外面を覆い、樹脂ライナ11の剛性及び耐圧性を強化している。
口金13は、軽量で且つ機械的強度の高いアルミニウム合金等の金属材料を材質として構成されており、貫通孔13aを有する円筒形状を有し、その軸方向中央部分には環状のフランジ部13bが形成されている。口金13は、樹脂ライナ11の前端部11Aの略中央に開口する開口部11aに一方端部が挿入され、フランジ部13bを間に介在させて他方端部が樹脂ライナ11の前端部11Aから前方に向かって突出するように固着されている。口金13の貫通孔13aは、水素ガスの充填口と放出口を兼ねた流入出口の役割を有する。そして、貫通孔13aには開閉弁15が装着されている。
エンドボス14は、口金13と同様の金属性材料を材質として構成されており、円柱状の軸部14aを有し、その軸部14aの一端に環状のフランジ部14bが形成されている。エンドボス14は、樹脂ライナ11の後端部11Cの略中央に凹設されたボス穴に軸部14aが挿入された状態で後端部11Cに固着される。
口金13は、樹脂ライナ11の外面をシェル12で覆うことにより、樹脂ライナ11とシェル12との間にフランジ部13bが配置され、口金13の他方端部がその外周面にシェル12が接合された状態でシェル12から前方に向かって突出する。一方、エンドボス14も、樹脂ライナ11の外面をシェル12で覆うことにより、樹脂ライナ11とシェル12との間にフランジ部14bが配置される。
開閉弁15は、電磁弁によって構成されており、開閉弁15の本体部に形成されたガス放出通路(図示せず)を、図1に示す電子制御装置4から信号線L2を通じて送信された制御信号に応じて励磁制御されて開閉動作し、開状態で水素タンク2から水素ガスを放出させ、閉状態で水素ガスの放出を停止させる。開閉弁15の本体部には、ガス放出通路に連通するように水素ガス供給管16が接続されており、この水素ガス供給管16を通して燃料電池(図示せず)に水素ガスを供給できるようになっている。
なお、開閉弁15には、本体部に形成されたガス充填通路(図示せず)を、通常時は閉状態とし、水素タンク2に水素ガスを充填する際に開状態として水素ガスの充填を可能にする逆止弁(図示せず)が設けられている。開閉弁15の本体部には、ガス充填通路に連通するように水素ガス充填管17が接続されており、この水素ガス充填管17を通して水素タンク2に水素ガスを充填できるようになっている。
電子制御装置4は、例えばCPU、メモリ、ROM、RAM、I/O、バックアップ電源などを主要部とするコンピュータで構成される。そして、電子制御装置4の入力側には、歪ゲージ3が接続され、出力側には、開閉弁15が接続されている。電子制御装置4は、その内部機能として応力判断手段4aと開閉弁制御手段4bが構成される。
応力判断手段4aは、歪ゲージ3によって検出した樹脂ライナ11の歪に基づいて樹脂ライナ11に圧縮応力が作用しているか否かを判断する処理を行う。開閉弁制御手段4bは、応力判断手段4aにより樹脂ライナ11に圧縮応力が作用していると判断された場合に開閉弁15を閉状態に制御する処理を行う。
ガス放出量制御装置1は、上述の開閉弁15、歪ゲージ3、応力判断手段4a、開閉弁制御手段4bによって構成される。そして、樹脂ライナ11の歪に基づき樹脂ライナ11に圧縮応力が作用していると判断した場合には、開閉弁15を閉状態とし、水素タンク2からの水素ガスの放出を直ちに停止させ、樹脂ライナ11の内部圧力であるタンク内圧の低下を止める。これにより、樹脂ライナ11とシェル12との間に滞留している滞留ガスの圧力と樹脂ライナ11の内部圧力であるタンク内圧との圧力差が拡大するのを防ぎ、滞留ガスの圧力によって樹脂ライナ11が内方に凹状に変形するのを防ぐ。
図3〜図5は、水素タンク2の圧力と応力の変化を示すグラフであり、図3は、通常走行時、図4は、急加速時にタンク内圧調整が行われなかった従来の場合、図5は、急加速時に本発明によってタンク内圧調整がなされた場合の変化を示すグラフである。
これらの図中で実線P1は樹脂ライナ11のタンク内圧力、破線P2は樹脂ライナ11を透過して樹脂ライナ11とシェル12との間に滞留した滞留ガスの圧力、二点差線σは、樹脂ライナ11に作用する応力を示す。
例えば通常走行時は、急加速時と比較して燃料電池による水素ガスの消費量が少ない。従って、水素タンク2からの水素ガスの放出量も少なく、図3に実線P1で示されるように、タンク内圧力も緩やかに低下する。そして、図3に破線P2で示されるように、滞留ガスの圧力も、滞留ガスがシェル12を透過し、また、口金13とシェル12との接合部分からリークすることによって緩やかに低下する。
従って、通常走行時におけるタンク内圧力と滞留ガスの圧力との圧力差は小さく、樹脂ライナ11は、タンク内圧力によって膨張された状態を保つ。従って、図3に二点差線σで示されるように、歪ゲージ3は樹脂ライナ11の膨張歪を検出し、応力判断手段4aは樹脂ライナ11に引張応力が作用していると判断する。
樹脂ライナ11に引張応力が作用している場合、樹脂ライナ11が内方に凹状に変形することはなく、開閉弁制御手段4bは、開閉弁15を閉状態とする制御を実行しない。すなわち、ガス放出量制御装置1によるタンク内圧力調整は行われない。
一方、急加速時は、通常走行時よりも燃料電池による水素ガスの消費量が多い。従って、水素タンク2から多くの水素ガスが放出されて、図4に実線P1のa部分で示されるように、タンク内圧力が急激に低下する。これに対して、滞留ガスの圧力が低下する速度は変化せず、図4に破線P2のb部分で示すように、緩やかに低下する。
従って、従来の場合は、図4にa部分とb部分で示されるように、タンク内圧力と残留ガスの圧力との圧力差が漸次広がり、滞留ガスの圧力によって樹脂ライナ11が内方に凹状に変形し、疲労割れを生ずるおそれがあった。
樹脂ライナ11は、タンク内圧力の低下によってタンク内圧力と残留ガスの圧力との圧力差が所定値を超えると、滞留ガスの圧力によって圧縮され、図4に二点差線σで示されるように、引張応力が消滅して圧縮応力が作用し、内方に凹状に変形する。すなわち、内方に凹状に変形する際に、樹脂ライナ11には圧縮応力が作用する。そして、図4に実線P1のa部分と破線P2のc部分で示されるように、樹脂ライナ11の変形によってタンク内圧力と残留ガスの圧力との圧力差が狭まると、樹脂ライナ11に再び引張応力が作用する。
一方、本発明の場合は、歪ゲージ3の検出信号に基づいて樹脂ライナ11に圧縮応力が作用しているか否かを判断し、樹脂ライナ11に圧縮応力が作用していると判断した場合には開閉弁15を閉状態に制御する処理を行う。なお、圧縮応力が作用しているか否かは予め設定された閾値に基づいて判断される。
従って、例えば図5に示すように、急加速によってタンク内圧力が急激に低下して樹脂ライナ11に圧縮応力が作用した場合には、開閉弁15が閉状態とされ、水素タンク2から水素ガスの放出が直ちに停止され、タンク内圧の低下を止めることができる。従って、図5に実線P1と破線P2で示すように、タンク内圧力と滞留ガスの圧力との圧力差が拡大するのを防ぎ、滞留ガスの圧力によって樹脂ライナ11が内方に凹状に変形するのを防ぐことができる。従って、樹脂ライナ11が内方に凹状に変形して疲労割れの原因となるのを防ぐことができる。
本発明によれば、タンク内圧力と滞留ガスの圧力との圧力差によって樹脂ライナ11に変形が発生する限界まで、開閉弁15を開状態にして水素タンク3から水素ガスを放出させることができる。従って、樹脂ライナ11の変形が始まる限界まで燃料電池に水素ガスを供給して急加速を行うことができ、車両の動力性能を向上させることができる。
[第2実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態について図6を用いて以下に説明する。
図6は、水素タンク20の要部を拡大して断面で示す図である。なお、第1実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
水素タンク20は、第1実施の形態と同様に、燃料電池電気自動車V(図1を参照)に搭載されている。そして、容器本体の前端部には口金13(図2を参照)が取り付けられて開閉弁15(図1及び図2を参照)が装着されており、容器本体の後端部には、エンドボス(ボス部材)21が取り付けられている(図6を参照)。
樹脂ライナ11の内表面には、図6に示すように、樹脂ライナ11の歪を検出する歪検出手段である歪ゲージ3が貼り付けられている。歪ゲージ3は、胴部11Bの軸方向中央位置で複数個が互いに等間隔をおいて周状に配置されている。各歪ゲージ3に接続された信号線L1は、エンドボス21に設けられた端子(図示せず)に接続され、電子制御装置4に接続されている。
本発明者は、複数回の実証実験の結果、略樽状の外形を有する水素タンク20において、樹脂ライナ11が内方に凹状に変形する場合に、変形が開始される箇所が常に樹脂ライナ11の軸方向中央位置であることを見出した。従って、複数の歪ゲージ3を、樹脂ライナ11の軸方向中央位置でかつ樹脂ライナ11の内表面に周方向に等間隔をおいて配置することによって、樹脂ライナ11が内方に凹状に変形する際に生じる樹脂ライナ11の圧縮応力を適切に検出することができる。
エンドボス21は、口金13(図2を参照)と同様の金属性材料を材質として構成されており、円柱状の軸部21aを有し、その軸部21aの軸方向中央位置に環状のフランジ部21bが形成されている。
そして、軸部21aの軸線に沿って貫通孔21cが設けられている。貫通孔21cは、後述するリリーフ弁23を取り付けるためのものであり、リリーフ弁23を取り付けることによって完全に閉塞される。
エンドボス21は、樹脂ライナ11の後端部11Cの略中央に開口する開口部11cに軸部21aの一方端部が挿入され、フランジ部21bを間に介在させて他方端部が樹脂ライナ11の後端部11Cから後方に向かって突出するように固着されている。
エンドボス21は、樹脂ライナ11の外面をシェル12で覆うことにより、樹脂ライナ11とシェル12との間にフランジ部21bが介在され、軸部21aの他方端部がシェル12を貫通してその外周面にシェル12が接合された状態で外部に露出するように設けられている。
エンドボス21には、樹脂ライナ11とシェル12との間に一端が連通し他端が外部に連通するリークパス22が穿設されている。リークパス22は、本実施の形態では、フランジ部21bに一端が開口し、軸部21aを貫通して他端が貫通孔21cに開口しており、副数本のリークパス22が互いに所定間隔をおいて周状に配設されている。
リリーフ弁23は、電磁弁によって構成されており、電子制御装置4(図1を参照)内に、その内部機能として構成されたリリーフ弁制御手段4cから信号線L3を通じて送信された制御信号に応じて励磁制御されて開閉動作し、開状態でリークパス22と外部との間を連通して、樹脂ライナ11とシェル12との間の滞留ガスを外部に放出させ、閉状態でリークパス22を閉じて滞留ガスを樹脂ライナ11とシェル12との間に閉じ込めることができるようになっている。
電子制御装置4のリリーフ弁制御手段4cは、応力判断手段4aによって樹脂ライナ11に圧縮応力が作用していると判断された場合に、リリーフ弁23を開状態に制御する制御信号を送信する処理を行う。
滞留ガス放出装置5は、上述のリリーフ弁23、歪みゲージ3、応力判断手段4a、リリーフ弁制御手段4cによって構成される。そして、樹脂ライナ11の歪みに基づき樹脂ライナ11に圧縮応力が作用していると判断した場合には、リリーフ弁23を開状態とし、樹脂ライナ11とシェル12との間の滞留ガスをリークパス22を通過させて外部に放出させる。
従って、樹脂ライナ11とシェル12との間の滞留ガスの圧力を低下させることができ、樹脂ライナ11の内部圧力であるタンク内圧と滞留ガスとの圧力差を小さくすることができ、樹脂ライナ11が内方に凹状に変形するのを防ぐことができる。
一方、樹脂ライナ11に圧縮応力が作用していないと判断した場合には、リリーフ弁23を閉状態とし、滞留ガスを樹脂ライナ11とシェル12との間に閉じ込める。これにより、樹脂ライナ11を透過したガスがリークパス22を通過して外部に常時放出されて、水素タンク20内のガスが時経過とともに減少してしまうのを防ぐことができる。
以上、第1及び第2実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施の形態では、燃料電池電気自動車の場合を例に説明したが、樹脂ライナ11の外面が繊維強化樹脂製のシェル12で覆われた水素タンク2から水素ガスを放出させるものであれば、本発明を適用することができる。
また、上述の各実施の形態では、合成樹脂からなる樹脂ライナ11の場合を例に説明したが、ガス透過性を有するものであればよく、その材質は合成樹脂に限定されるものではない。また、ガスも水素ガスの場合を例に説明したが、樹脂ライナ11を透過してシェル12との間に滞留するガスであればよく、例えば天然ガスなどの場合も同様に適用することができる。
第1実施の形態におけるガス放出量制御装置が適用される燃料電池電気自動車の構成を示す図。 水素タンクの断面図。 通常走行時における水素タンクの圧力と応力の変化を示すグラフ。 従来の急加速時の水素タンクの圧力と応力の変化を示すグラフ。 本発明による急加速時の水素タンクの圧力と応力の変化を示すグラフ。 第2実施の形態におけるガスタンクの断面図。
符号の説明
1 ガス放出量制御装置
2 水素タンク
3 歪ゲージ(歪検出手段)
5 滞留ガス放出装置
4a 応力判断手段
4b 開閉弁制御手段
21 滞留ガス放出装置

Claims (11)

  1. ライナの外面が繊維強化樹脂部材で覆われたガスタンクから放出させるガスの放出量を制御するガス放出量制御装置において、
    前記ライナの歪に応じて前記ガスの放出量を制御することを特徴とするガス放出量制御装置。
  2. 前記ライナの歪を検出する歪検出手段と、
    前記ガスタンクからガスを放出させるガス放出通路を開閉する開閉弁と、
    前記歪検出手段により検出した歪に応じて前記開閉弁を開閉制御する開閉弁制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のガス放出量制御装置。
  3. 前記歪検出手段により検出した歪に基づいて前記ガスタンクのライナに圧縮応力が作用しているか否かを判断する応力判断手段を有し、
    前記開閉弁制御手段は、前記ライナに圧縮応力が作用していると前記応力判断手段が判断した場合に前記開閉弁を閉状態に制御することを特徴とする請求項2に記載のガス放出量制御装置。
  4. 前記歪検出手段は、複数の歪ゲージを備え、
    該複数の歪ゲージが前記ライナの内表面に周方向及び軸方向に等間隔に配置された構成を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のガス放出量制御装置。
  5. 前記ライナは、樹脂材料によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のガス放出量制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のガス放出量制御装置に用いられるガスタンク。
  7. ガスタンクのライナと該ライナの外面を覆う繊維強化樹脂部材との間に滞留している滞留ガスを外部に放出する滞留ガス放出装置であって、
    前記ライナと前記繊維強化樹脂部材との間に一端が連通し他端が外部に連通するリークパスと、
    該リークパスを開閉するリリーフ弁と、
    前記ライナの歪を検出する歪検出手段と、
    前記歪検出手段により検出した歪に応じて前記リリーフ弁を開閉制御するリリーフ弁制御手段と、
    を有することを特徴とする滞留ガス放出装置。
  8. 前記歪検出手段により検出した歪に基づいて前記ライナに圧縮応力が作用しているか否かを判断する応力判断手段を有し、
    前記リリーフ弁制御手段は、前記ライナに圧縮応力が作用していると前記応力判断手段によって判断された場合に前記リリーフ弁を開状態に制御することを特徴とする請求項7に記載の滞留ガス放出装置。
  9. 前記ガスタンクは、前記繊維強化樹脂部材を貫通して前記ライナと前記繊維強化樹脂部材との間に一端が介在され他端が繊維強化樹脂部材から外部に露出するボス部材を有し、
    前記リークパスは、前記ボス部材に形成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の滞留ガス放出装置。
  10. 前記ガスタンクは、円筒状の胴部の両端が椀状の鏡部でそれぞれ閉塞された略樽状の外形を有し、
    前記歪検出手段は、複数の歪ゲージを前記ライナの軸方向中央位置で且つ前記ライナの内表面に周方向に等間隔をおいて配置した構成を有することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一つに記載の滞留ガス放出装置。
  11. 前記ライナは、樹脂材料によって構成されていることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一つに記載の滞留ガス放出装置。
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