JP2009246065A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温環境下における駆動電圧の上昇を抑制し、また、視野角特性を向上させることが可能な有機EL素子を提供する。
【解決手段】少なくとも発光層5b,5cを有する有機層5を一対の電極2,6間に積層形成してなる有機EL素子である。出射側の電極2から有機層5までの総膜厚が200nm以下であり、低温環境下における駆動電圧と常温環境下における駆動電圧との差が3V以下であることを特徴とする。また、視野角0°における光の色度に対する視野角30°における光の色度の変化量が0.015以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、特に有機EL素子の高効率化に関するものである。
従来、有機材料によって形成される自発光素子である有機EL素子は、例えば、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる第一電極と、少なくとも発光層を有する有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の第二電極と、を順次積層して前記有機EL素子を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる有機EL素子は、前記第一電極から正孔を注入し、また、第二電極から電子を注入して正孔及び電子が前記発光層にて再結合することによって光を発するものである。有機EL素子を用いた有機ELディスプレイは、視認性や低温環境下での応答性に優れているため表示の瞬間判読が必要な車両用計器などの車載表示装置に適用されることが望まれている。
特開昭59−194393号公報
しかしながら、有機ELディスプレイは、車載表示装置に用いる場合に低温から高温までの広範囲の温度環境下で確実に駆動することが求められるが、有機EL素子は低温になるほど駆動電圧が上昇する傾向があり低温動作補償のために駆動用ICの耐圧を高くする必要があるという問題点があった。また、有機ELディスプレイは、視野角に応じて光の色度が変化する視野角特性があり、特に複数の発光層による異なる発光色の混色によって白色発光を得る構成においては色度変化が顕著に表れるといった問題点があった。
そこで本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、低温環境下における駆動電圧の上昇を抑制し、また、視認性を向上させることが可能な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、少なくとも発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成してなる有機EL素子であって、出射側の前記電極から前記有機層までの総膜厚が200nm以下であり、低温環境下における駆動電圧と常温環境下における駆動電圧との差が3V以下であることを特徴とする。
また、前記低温環境下における駆動電圧と前記常温環境下における駆動電圧との差が2.5V以下であることを特徴とする。
また、前記低温環境下における駆動電圧は、−40℃の環境下における駆動電圧であることを特徴とする。
また、前記常温環境下における駆動電圧は、25℃の環境下における駆動電圧であることを特徴とする。
本発明は、前記課題を解決するために、少なくとも発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成してなる有機EL素子であって、出射側の前記電極から前記有機層までの総膜厚が200nm以下であり、視野角0°における光の色度に対する視野角30°における光の色度の変化量が0.015以下であることを特徴とする。
また、視野角0°における光の色度に対する視野角30°における光の色度の変化量が0.01以下であることを特徴とする。
また、出射側の前記電極から前記有機層までの総膜厚が170nm以下であることを特徴とする。
また、白色発光を示すことを特徴とする。
また、前記発光層として発光色の異なる複数の発光層が形成され、混色によって白色発光を示すことを特徴とする。
本発明は、有機EL素子に関し、低温環境下における駆動電圧の上昇を抑制し、また、視認性を向上させることが可能となるものである。
以下に、ドットマトリクス型の有機ELパネルに本発明を適用した実施形態を添付の図面に基いて説明する。図1において、有機ELパネルは、支持基板1と、第一電極(陽極)2と、絶縁層3と、隔壁部4と、有機層5と、第二電極(陰極)6と、封止部材7とから主に構成されている。
支持基板1は、長方形形状からなる透光性のガラス基板である。
第一電極2は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電材料をスパッタリングあるいは蒸着法等の方法で支持基板1上に層状に形成し、例えばフォトリソグラフィー法にてストライプ状にパターニングしてなるものである。第一電極2は、図1(a)に示すように陽極配線部2a及び陽極部2bを有しており、陽極配線部2aは終端部に外部電源と電気的に接続するための陽極端子部2cを備える。また、第一電極2は、表面がプラズマ処理等の表面処理を施されている。
絶縁層3は、ポリイミド系やフェノール系等の絶縁材料からなるものでフォトリソグラフィー法等の手段によって支持基板1上の非発光個所に所定の形状にて形成される。絶縁層3は、第一電極2の各陽極部2bの間に形成されるとともに第一電極2と若干重なるように形成され、第一電極2と第二電極6との間を絶縁するものである。
隔壁部4は、例えばフェノール系等の絶縁材料からなるものであり、フォトリソグラフィー法等の手段によって断面が例えば逆テーパー状に形成される。隔壁部4は第一電極2及び絶縁層3上においては陽極部2bと略直角に交わるように形成され、また、支持基板1上の後述する陰極配線部に対応する個所においては図1(a)に示すように支持基板1の積層体形成面側から見て円弧状となるように形成される。
有機層5は、第一電極2及び絶縁層3上に形成されるものであり、図2に示すように、正孔注入輸送層(正孔輸送層)5a,第一の発光層5b,第二の発光層5c,電子輸送層5d及び電子注入層5eを蒸着法等の手段によって順次積層形成してなるものである。
正孔注入輸送層5aは、第一電極2から正孔を取り込み第一の発光層5bへ伝達する機能を有し、例えばアミン系化合物等の正孔移動度が高い正孔輸送性材料を蒸着法等の手段によって膜厚15〜40nm程度の層状に形成してなる。前記正孔輸送性材料は、ガラス転移温度が85℃以上(さらに好ましくは130℃以上)であり、エネルギーギャップは3.1eV程度である。
第一の発光層5bは、ホスト材料5fにゲスト材料として第一のドーパント5gを蒸着法等の手段によってドープし、膜厚10〜20nm程度の層状に形成してなる。ホスト材料5fは、正孔及び電子の輸送が可能であり、正孔及び電子が輸送されて再結合することで発光を示す発光材料からなり、例えば3.3eV程度のエネルギーギャップを持つアントラセン誘導体等からなる。第一のドーパント5gは、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し、所定の発光色を示し、例えば橙色発光を示す蛍光ドーパントからなる。なお、第一のドーパント5gのドーピング量は濃度消光を起こさない程度となるように構成することが望ましく、本実施の形態では、第一の発光層5bにおける濃度が2〜20%となるように第一のドーパント5gが添加されている。
第二の発光層5cは、第一の発光層5bと同一のホスト材料5fにゲスト材料として第一のドーパント5gとは発光色の異なる第二のドーパント5hを蒸着法等の手段によってドープし、膜厚20〜40nm程度の層状に形成してなる。第二のドーパント5hは、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し、所定の発光色を示し、例えば青色発光を示す蛍光ドーパントからなる。なお、第二のドーパント5hのドーピング量は濃度消光を起こさない程度となるように構成することが望ましく、本実施の形態では、第二の発光層5cにおける濃度が2〜20%となるように第二のドーパント5hが添加されている。
電子輸送層5dは、電子を第二の発光層5cへ伝達する機能を有し、例えばキレート系化合物であるアルミキノリノール(Alq3)等の電子移動度が高い電子輸送性材料を蒸着法等の手段によって膜厚15〜30nm程度の層状に形成してなる。あるいは、10−4cm/V・s以上の電子移動度を持つシロール系の有機材料を用いる。
電子注入層5eは、第二電極6から電子を注入する機能を有し、例えばフッ化リチウム(LiF)を蒸着法等の手段によって膜厚0.5nm程度の層状に形成してなる。
第二電極6は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の導電性材料を蒸着法等の手段によって膜厚50〜200nm程度の層状に形成してなるものであり、隔壁部4によってストライプ状に切断され、円弧状の陰極配線部6a及び透明電極2に略直角に交わる陰極部6bが形成される(図1(a)参照)。また、陰極配線部6aは接続配線部8に電気的に接続されている。接続配線部8aは、第一電極2とともに形成されるものであり、同一材料のITOからなるものである。また、接続配線部8は、終端部に前記外部電源と電気的に接続するための陰極端子部8aが形成されている。
以上のように、支持基板1上に第一電極2と絶縁層3と隔壁部4と有機層5と第二電極6とを順次積層して積層体を形成する。マトリクス状に設けられた陽極部2bと陰極部6bの対向(交差)箇所が発光画素(有機EL素子)となる。
封止部材7は、例えばガラス材料からなる成型ガラス或いは平板部材をサンドブラスト、切削及びエッチング等の適宜方法で凹形状に形成してなるものである。封止部材7は、例えば紫外線硬化性エポキシ樹脂からなる接着剤7aを介して支持基板1上に気密的に配設することで、封止部材7と支持基板1とで前記積層体を封止する。封止部材7は、第一電極2の陽極端子部2cおよび第二電極6に接続される陰極端子部8aが外部に露出するように支持基板1よりも若干小さめに構成されている。なお、封止部材7は平板状であってもよく、その場合封止部材7はスペーサーを介して支持基板1上に配設される。
以上のように、有機EL素子からなる表示部を有するドットマトリクス型の有機ELパネルが得られる。この有機ELパネルは、第一電極2からの正孔と第二電極6からの電子とが第一,第二の発光層5b,5cにて再結合することによって橙色発光と青色発光を得て、これらの混色によって白色の光を第一電極2側から出射するものである。また、有機ELパネルはストライプ状に形成された複数の陽極部2bと複数の陰極部6bのそれぞれ何れかを選択して定電流を印加し、選択された陽極部2bと陰極部6bの対向箇所に該当する発光画素を発光させる、いわゆるパッシブ駆動で発光駆動するものである。
本願発明者は、有機EL素子の出射側電極(本実施形態においては第一電極2)から有機層5までの総膜厚Tを規定することによって、低温環境下における駆動電圧の上昇を抑制でき、また、視野角に対する視認性を向上させることが可能であることを見いだした。すなわち、本実施形態における有機EL素子は、第一電極2から有機層5までの総膜厚Tを200nm以下(さらに望ましくは170nm以下)とし、低温環境下(例えば−40℃の環境下)における駆動電圧と常温環境下(例えば25℃の環境下)における駆動電圧との差を3V以下(さらに望ましくは2.5V以下)とすることを特徴とする。また、出射側電極である第一電極2から有機層5までの総膜厚Tを200nm以下(さらに望ましくは170nm以下)とし、視野角0°における光の色度に対する視野角30°における光の色度の変化量を0.015以下(さらに望ましくは0.01以下)とすることを特徴とする。なお、視野角0°とは、有機ELパネルを正面視した状態を示している。
上記の構成によれば、低温環境下における駆動電圧の上昇を抑制でき、駆動ICの耐圧を下げることが可能となり製造コストを低減することができる。また、従来と同等の駆動ICを使用する場合には発光輝度を高めることができる。また、視野角による光の色度変化を抑制できることから表示の視認性が大幅に改善される。
以下、さらに実施例を上げ本発明の具体的な効果を説明する。図3(a)は実施例1〜3及び比較例の各層の膜厚を示している。なお、電子注入層5eは、いずれの例においてもその膜厚を0.5nm程度としたため誤差の範疇として総膜厚Tに算入せずに省略している。実施例1は、第一電極2の膜厚を75nm,有機層5の正孔注入輸送層5aの膜厚を32nm,第一の発光層5bの膜厚を13nm,第二の発光層5cの膜厚を26nm,電子輸送層5dの膜厚を23nmとし、総膜厚Tを169nmとした発光画素(有機EL素子)を備える有機ELパネルである。実施例2は、電子輸送層5dの膜厚を19nmとし、総膜厚Tを165nmとした他は実施例1と同様に作成した有機ELパネルである。また、実施例3は、正孔注入輸送層5aの膜厚を17nmとし、総膜厚Tを154nmとした他は実施例1と同様に形成した有機ELパネルである。また、従来例は、第一電極2の膜厚を75nm,正孔注入輸送層5aの膜厚を40nm,第一の発光層5bの膜厚を20nm,第二の発光層5cの膜厚を40nm,電子輸送層5dの膜厚を30nmとし、総膜厚Tを275nmとした他は実施例1と同様に作成した有機ELパネルである。
図3(b)は、実施例1〜3及び従来例をエリア輝度43111cd/mで全面点灯させた場合の温度特性及び視野角特性の計測結果を示している。なお、図中の「CIEx」は、視野角0°における発光の色度をCIE0.2°視野標準観測者(CIE1931等色関数)を用いて算出されるxy色度図上の座標で表示した場合のx値を示し、「CIEy」は、視野角0°における発光の色度をCIE0.2°視野標準観測者を用いて算出されるxy色度図上の座標で表示した場合のy値を示す。また、「電圧差」は、低温環境下(−40℃の環境下)における駆動電圧と常温環境下(25℃の環境下)における駆動電圧との差を示す。また、「ΔCIEx」は、視野角0°におけるxy色度図上の座標に対する視野角30°におけるxy色度図上の座標のx値の変化量を示し、「ΔCIEy」は、視野角0°におけるxy色度図上の座標に対する視野角30°におけるxy色度図上の座標のy値の変化量を示す。本評価の結果から、総膜厚Tを200nm以下(さらに望ましくは170nm以下)とした実施例1〜3は、低温環境下における駆動電圧と常温環境下における駆動電圧との差が3V以下となり、低温環境下における駆動電圧の上昇を抑制することが可能となっている。さらに望ましくは実施例2,3のように総膜厚Tを165nm以下とし、低温環境下における駆動電圧と常温環境下における駆動電圧との差を2.5V以下とすると好適である。また、実施例1〜3は、視野角0°における発光の色度に対する視野角30°における発光の色度変化量が0.015以下となり、視野角0°から30°の範囲において発光色の変化を利用者が認識しない程度に抑制し視認性を向上することが可能となっている。さらに望ましくは実施例2,3のように総膜厚Tを165nm以下とし、視野角0°における発光の色度に対する視野角30°における発光の色度変化量を0.01以下とすると好適である。これに対し、総膜厚Tが200nmより大きい従来例では低温環境下における駆動電圧と常温環境下における駆動電圧との差が3Vより大きく、また、視野角0°における発光の色度に対する視野角30°における発光の色度の変化量がxy色度図上の座標のx値の変化量ΔCIExにおいて0.015より大きくなっている。かかる計測結果によっても本発明が十分な効果を奏することは明らかである。
なお、本実施形態はドットマトリクス型の有機ELパネルであったが、本発明はセグメント型の有機ELパネルにも適用可能であり、アクティブ駆動にも適用可能である。
また、本実施形態は正孔注入輸送層5aが単一層にて構成されるものであったが、本発明においては正孔注入層及び正孔輸送層を順次積層形成して正孔注入輸送層を複数層で構成するものであってもよい。
また、本実施形態は第一の発光層5bのホスト材料5fを単一材料としたが、本発明においてはホスト材料に複数の材料を用いる構成であってもよい。同様に、第二の発光層5cのホスト材料5fにおいても単一材料ではなく複数の材料を用いる構成であってもよい。
また、本実施形態における第一の発光層5bはホスト材料5fに橙色にて発光するドーパント5gをドープするものであり、第二の発光層5cはホスト材料5fに青色にて発光する第二のドーパント5hをドープするものであったが、本発明はホスト材料に加えられる各ドーパントが他の発光色にて発光するものであってもよい。
また、本実施形態は電子輸送層5dが単一層にて構成されるものであったが、本発明においては、複数の層で構成されるものであってもよい。
本発明が適用された有機ELパネルを示す図。 同上の有機層を示す拡大断面図。 本発明の実施例と従来例とを比較した計測結果を示す図。
符号の説明
1 支持基板
2 第一電極
3 絶縁層
5 有機層
5a 正孔注入輸送層
5b 第一の発光層
5c 第二の発光層
5d 電子輸送層
5e 電子注入層
5f ホスト材料
5g 第一のドーパント
5h 第二のドーパント
6 第二電極

Claims (9)

  1. 少なくとも発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成してなる有機EL素子であって、
    出射側の前記電極から前記有機層までの総膜厚が200nm以下であり、
    低温環境下における駆動電圧と常温環境下における駆動電圧との差が3V以下であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記低温環境下における駆動電圧と前記常温環境下における駆動電圧との差が2.5V以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記低温環境下における駆動電圧は、−40℃の環境下における駆動電圧であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  4. 前記常温環境下における駆動電圧は、25℃の環境下における駆動電圧であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  5. 少なくとも発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成してなる有機EL素子であって、
    出射側の前記電極から前記有機層までの総膜厚が200nm以下であり、
    視野角0°における光の色度に対する視野角30°における光の色度の変化量が0.015以下であることを特徴とする有機EL素子。
  6. 視野角0°における光の色度に対する視野角30°における光の色度の変化量が0.01以下であることを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子。
  7. 出射側の前記電極から前記有機層までの総膜厚が170nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項5に記載の有機EL素子。
  8. 白色発光を示すことを特徴とする請求項1または請求項5に記載の有機EL素子。
  9. 前記発光層として発光色の異なる複数の発光層が形成され、混色によって白色発光を示すことを特徴とする請求項1または請求項5に記載の有機EL素子。
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