JP2009247724A - 血液透析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液透析中における血液量を適性に推移できるように除水速度の制御が迅速に且つ精細に可能で、かつその制御手段の機構がシンプルで且つ操作が容易である制御特性を改善した血液透析装置の提供。
【解決手段】目標とすべき血液指標値からなる経時的進路を目標制御線としてあらかじめ設定し、かつ経時的に各制御時点において計測あるいは算出した血液指標値に基づいて透析条件を制御して血液透析処理を行う血液透析装置であって、選択した制御時点の一つ前の制御時点における制御遅れを考慮して算出した血液指標値、制御時点において計測あるいは算出した血液指標値および前記選択した制御時点の一つ次の制御時点における目標とする血液指標値を利用して該目標血液指標値に到達するように前記選択制御時点と該選択制御時点の一つ次の制御時点間で実施すべき除水速度を算出して前記両制御時点間の除水を行うことを特徴とする血液透析装置。
【選択図】図2

Description

本発明は血液処理装置に関し、特に血液透析の際に生じ易い過剰な除水や逆の除水不足を防止するように除水条件、除水速度をコントロールすることが可能な血液透析装置に関する。
腎機能が損なわれた患者の治療のため、従来から半透膜を介した透析あるいは濾過によって血液を浄化する治療が行われてきた。この装置では、安全で効果的な血液浄化を行うため、患者の体内循環血液量を適正に維持することが重要である。急激あるいは過度の水分除去は患者の循環血液量を過剰に減少させ、それによって血圧低下、ショック等を引き起こす恐れがある。しかし、逆に水分除去が遅いと血液浄化に長時間を要し、十分な除水ができないと高血圧や心不全等を引き起こす恐れがある。
そのため、患者の血液状態を監視しながら除水を行う血液透析装置が開発されている。例えば、特公平6−83723号公報(特許文献1)には、ヘマトクリットメーターによって体液状態を推定する推定器と、その推定器の出力によって血液ポンプや限外圧を制御する制御装置が記載されている。この装置では、計測した体液状態によってダイレクトに除水が制御されるために便利であるが、その反面、計測値によって除水が直接制御されるため、計測手段の結果が正確でなかった場合、あるいは異常をきたすと大きな問題になる。そのため、このようなフィードフォアード制御では、制御ラインとは別に独立したラインを設け、そのラインに安全機構を装着するのが一般的である。しかし、独立したラインや安全機構を設けると装置が複雑になり、操作が面倒である。また、装置がコストアップになった。
そこで、特開平9−149935号公報(特許文献2)に記載されたような簡易な装置も考案された。即ち、患者の血液状態を監視しながら、状態によっては警報を鳴らし、除水ポンプを停止するようにしたものである。しかし、この装置は透析開始前に測定した血液濃度と比較することによって、透析開始時の制御条件で除水制御が行われているかどうかを認識するだけであり、各患者に適応した除水を行うことはできず、また条件通りに除水が行われていない場合、従事者がその都度、除水量や補液量を調整しなくてはならない。そのため、安全ではあるが、面倒で人的負担が大きかった。さらに、上記装置は血液回路の静脈液側ラインに血液状態を測定する手段を設けているため、血液処理器(ダイアライザー)を通った後の血液状態が計測されることになり、患者のダイレクトな血液状態を反映しない恐れがある。
上記問題を解消した血液処理装置を提供するため、すなわち、各患者の血液状態を監視しながら、経時的に各患者に適応した血液処理が可能でありながら、使用する際に従事者の負担が少なく、かつ、血液処理装置をより簡易な構成とすることによって、使い易く、コストの安い装置を提供するために、本発明者は、血液パラメータを計測する血液計測手段と、血液処理を行う実働部と、所定の血液処理条件で血液処理を行うように実働部を制御する制御部とからなる血液透析装置において、前記血液計測手段から得られる患者の血液指標値に対して予め規定された血液指標領域を設定し、該血液指標領域における経時的な前記血液指標値の推移に対応して、制御部が実働部に血液処理条件の変更を指示することを特徴とする血液処理装置(特開平11−22175:特許文献3)を提案している。
さらに、本発明者は前記特許文献3の血液処理装置を改善し、各患者の血液状態を監視しながら、経時的に各患者に適応した血液透析の条件設定、特に除水速度を容易に変更、設定できる血液処理装置(特開2001−540号公報:特許文献4)を提案している。この特許文献4の血液処理装置は、血液パラメータを計測する血液計測手段(A)と、血液処理を行う実働部(B)と、所定の血液処理条件で血液処理を行うように実働部を制御する制御部(C)とを少なくとも有して構成される血液透析装置において、制御部(C)が患者のサンプリングから得られる血液指標値を血液計測手段(A)から取り込み、予め設定された血液指標値範囲(以下、設定血液指標値範囲とも言う)内で推移するか否かを監視し、かつ該監視対象の血液指標値が前記設定範囲を逸脱した場合には予め設定された除水速度変化率で実働部(B)の除水速度を変更できる除水速度制御機能を有することを特徴とする血液透析装置である。
上記の血液透析装置は血液透析処理中の各時点において、確実に血液指標値を管理することができたが、各時点において目標とする血液指標値の領域をそれぞれ設定する必要があるため面倒であった。また、前記設定する血液指標値は範囲として指定されるため、実際に計測された血液指標値が設定範囲内に存在している限り、仮に計測された血液指標値がその設定範囲ギリギリの箇所にあった場合には血液透析装置の制御機構が作動しない、という問題があった。
本出願人はさらに、血液パラメーターを計測する血液計測手段と、血液処理を行う実働部と、所定の血液処理条件で血液処理を行うように前記実働部を制御する制御部とを有する血液透析装置であって、前記制御部が血液パラメーターを目標とすべき血液指標値に変換し、かつ該血液指標値からなる経時的進路を目標制御線としてあらかじめ設定し、かつ選択した制御時点の一つ前の制御時点における血液指標値、選択した制御時点の血液指標値および選択した制御時点の一つ次の制御時点における目標とする血液指標値とを利用して選択した制御時点と選択した制御時点の一つ次の制御時点間で実施すべき除水速度を算出して前記選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間の除水を行うように制御することを特徴とする血液透析装置を提供することにより、前記範囲として指定した血液指標値を利用して血液透析操作を制御する血液透析装置の問題点を解決している(特許文献5:WO03/004076A1および特許文献6:US7,303.667B2)。
特公平6−83723号公報 特開平9−149935号公報 特開平11−22175公報 特開2001−540号公報 WO03/004076A1 US7,303.667B2
本発明の目的は、前記特許文献5および6に記載の血液透析装置において、制御時点の制御遅れを考慮することにより、その制御手段の機構がシンプルで且つ操作が容易で、かつ血液透析操作を迅速に実施できるだけでなく、その制御をさらに精緻に制御できるように制御特性が改善された血液透析装置の提供にある。
本発明者は、血液パラメーターを計測する血液計測手段と、血液処理を行う実働部と、所定の血液処理条件で血液処理を行うように前記実働部を制御する制御部とを有し、前記制御部が血液パラメーターを目標とすべき血液指標値に変換し、かつ該血液指標値からなる経時的進路を目標制御線としてあらかじめ設定し、選択した制御時点の一つ前の制御時点n−1における制御遅れを考慮した血液指標値、制御時点nの血液指標値および該選択した制御時点の一つ次の制御時点n+1における目標とする血液指標値とを利用して選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間で実施すべき除水速度を算出して前記選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間の除水を行うように制御することを特徴とする血液透析装置を提供することにより、前記制御遅れの問題を解決して透析条件を正確に、かつ安定に制御して血液透析処理することができた。
すなわち、本発明者は血液パラメーターを計測する血液計測手段と、血液処理を行う実働部と、所定の血液処理条件で血液処理を行うように前記実働部を制御する制御部とを有し、前記制御部が血液パラメーターを目標とすべき血液指標値に変換し、かつ該血液指標値からなる経時的進路を目標制御線としてあらかじめ設定し、さらに選択した制御時点の一つ前の制御時点における血液指標値、該選択された制御時点の血液指標値および該選択した制御時点の一つ次の制御時点における目標とする血液指標値とを利用して選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間で実施すべき除水速度を算出して前記選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間の除水を行うように制御する血液透析装置において、選択した制御時点の一つ前の制御ポイントにおいて、制御手段が仮に除水を除水速度Aという除水速度で除水を開始することを命令する制御命令を実動部に発して除水を開始しても、該除水によって実際に生じる血液の血液指標値の変化が制御手段によって算出される時点は、図1に示すように前記制御命令が発せられた計測ポイントではなく該計測ポイントからダイアライザー、静脈側回路、および動脈側回路を通過して再び計測ポイントに到達した時点である。したがって制御手段が選択した制御時点の一つ前の制御時点において除水速度Aという除水速度で除水を開始した場合に生じる血液の血液指標値の変化を算出するためには、制御手段は血液が前記選択した制御時点の一つ前の制御時点の計測ポイントから例えば図1に示すようにダイアライザー、静脈側回路、動脈側血液チャンバーおよび動脈側回路を通過して再び計測ポイントに到達するまでの時間、すなわち制御遅れ時間を考慮することが必要であることを見出し、本発明の血液透析装置に到達することができた。
前記本発明の制御部が除水操作を行う実動部を制御するに当り制御遅れ時間を考慮することを特徴とする血液透析処理装置としては、特に制御部が血液透析操作を下式(a)に従って制御することにより、前記本願発明の目的をさらに十分に達成することができる血液透析装置を提供することができた。
BV0{−(%ΔBVn-1'−%ΔBVn)+(%ΔBVn−%ΔBVn+1)}+UFRn×T=UFRn+1×T・・・・・・・・(a)
(式中、BV0は血液透析の開始時の血液量、%ΔBVnは選択した制御時点nの血液変化量の割合、%ΔBVn-1'は前記選択した制御時点nに隣接した一つ前の制御時点n−1の制御遅れを考慮した血液変化量の割合、%ΔBVn+1は前記選択した制御時点nに隣接した一つ次の制御時点n+1における目標制御線によって決定される血液変化量の割合%、Tは前記選択した制御時点nまでの経過時間、UFRnは制御時点nの計測した除水速度、UFRn+1は前記実動装置が制御時点nから次の制御時点n+1に向って除水を行う際に前記目標血液変化量の割合を達成するために算出された除水速度である。なお、%ΔBVn-1に付加された「'」は単なる%ΔBVn-1値ではなく制御遅れを考慮した値であることを意味する。)
前式(a)は以下のようにして導かれる。
血液指標値を計測あるいは算出する各制御時点を第1、2・・・・・・n−1、n、n+1とした場合、以下に示すような関係式が成立する。
第1の制御時点と第2の制御時点
BV0〔(100%−%ΔBV1)−(100%−%ΔBV2)〕/T=PRR1−UFR1・・・・・・(1)
BV0(−%ΔBV1+%ΔBV2)/T=PRR1−UFR1・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
BV0(−%ΔBV2+%ΔBV3)/T=PRR2−UFR2・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、BV0は透析開始時の初期血液量であるBV値、%ΔBV1は第1制御時点での血液変化量の割合、%ΔBV2は第2計測時点での血液変化量の割合、Tは透析経過時間を表す。また、%ΔBV3は第3計測時点での目標制御線によって決定される血液変化量の割合である。同様な関係は、以下の関係式に示すように、任意の(n−1)と(n)の各計測時点(制御時点)においても成立する。
BV0(−%ΔBVn-1+%ΔBVn)/T=PRRn-1−UFRn-1・・(4)
BV0(−%ΔBVn+%ΔBVn+1)/T=PRRn−UFRn・・・・・(5)
前記(2)式から(3)式を引くと、以下に示す(6)式が得られる。
BV0{(%ΔBV1−%ΔBV2)−(%ΔBV2−%ΔBV3)}/T=PRR1−PRR2+UFR2−UFR1・・・・・・・・(6)
ここでPRR1とPRR2との間に差が無かった仮定すると、即ち各制御時点における患者のPRRに実質的な変化が生じない程度に、制御時点間の間隔を短くとった場合には、右辺の第1項および第2項は消去される。そして、下式(7)が成立する。
BV0{−(%ΔBV1−%ΔBV2)+(%ΔBV2−%ΔBV3)}/T+UFR1=UFR2・・・・・・(7)
前式(7)で、%ΔBV3が次の制御時点での目標値であり、制御によって、血液指標値をそれに近づけたい値である。UFR2は次の制御時点の血液指標値を上記目標値に近づけるために、設定すべき除水速度である。前記BV0、%ΔBV1、%ΔBV2およびTは既知の値であり、UFR1も第1から第2計制御時点までの除水速度として既知である。そうすると、目標となる%ΔBV3を指定すれば、(7)式によって透析条件である除水速度は算出できる。前記ΔBV3は目標制御線によって決められる。逆に、算出した除水速度で血液透析処理を行うと、次の計測時点(制御時点)におけるBV値を目標とする値、即ち目標制御線に近づけることができるのである。
上式を任意の制御時点nとn−1について記載すると、以下のような(8)式で表され、上述のように、2つの制御時点における血液変化量の割合、2つの制御時点の間における除水速度、透析時間Tの計測値、および前記血液指標値の目標制御線に基づいて決定される前記両制御時点の次の計測時点(制御時点)の設定された血液変化量の割合に基づいて、次の時点で血液指標値を目標に近づけるために設定すべき除水速度が定まる。
BV0{−(%ΔBVn-1−%ΔBVn)+(%ΔBVn−%ΔBVn+1)}+UFRn×T=UFRn+1×T・・・・・・・・・(8)
前式(8)において、BV0は透析開始時の血液量、%ΔBVnは選択された任意の制御時点nにおける血液変化量、%ΔBVn-1は選択された制御時点nの一つ前の制御時点における血液変化量の割合、%ΔBVnは制御時点nにおける血液変化量の割合%、△BVn+1はフィードフォワード制御をかけるべき選択された制御時点nの一つ次の制御時点n+1における設定された血液変化量の割合、Tは計測時間、UFRnは選択された制御時点における除水速度、UFRn+1は選択されたn制御時点から次の制御時点n+1において、目標となる血液指標値に到達するため、実働部に対し制御をかける際に設定される除水速度をそれぞれ意味する。
但し、前記(7)式および(8)式が成立するためには、これらの式を導出するために仮定した「各制御時点におけるPRRに差が無い」という条件が前提であり、その条件を満たすためには、PRRに差が無い程度に各計測時点(制御時点)の間隔(ΔT)を短くすることが重要となる。さらに、この制御方法では、透析開始時BV0の誤差、制御遅れ、その他の要因によって、制御に誤差が生じる可能性があるが、実際の制御においては、各時点(計測時点)毎に除水速度を設定しなおすことで、制御を確実なものとしている。例えば各計測時点(制御時点)の間隔を短くして、その都度、除水速度を設定すれば生じる誤差は実質的に問題にならない。
前記PRRはPlasma Refilling Rateの略称で、血漿が体内から血管に再補充される速度と定義され、各時点における患者の除水能を示すものである。PRRは下式によって算出されるものである。
PRRn−UFRn=ΔBVn/T
[PRRnは選択された任意の制御時点nでのPlasma Refilling Rate、UFRnは選択された任意の制御時点nでの除水速度、ΔBVnは選択された任意の制御時点nにおける血液変化量、Tは選択された任意の制御時点nまでの経過時間をそれぞれ意味する。]
前式(8)において、制御遅れを考慮すると前式(a)で表すことができる。
前式(a)における前記制御時点n−1の制御遅れを考慮した血液変化量の割合(%ΔBVn-1')の算出方法を図2に基づいて説明をする。
制御遅れ期間B1を除く制御周期T1において複数の%ΔBVデータであるp1〜p6のサンプリングデータを計測し、これらサンプリングデータに基づいて線形最小二乗法に基づいて血液変化量の割合の継時的な変化を示す直線B3を求める。該直線B3を同じ傾きで制御時点n−1まで延長して制御時点n−1の制御遅れを考慮した血液指標値%ΔBVn-1'を求めることができる。図1の横軸は血液透析操作の経過時間で、また縦軸は%ΔBVである。前記最小二乗法としては計測データの整理に採用される慣用の方法を採用することができ、制御遅れ期間B1としては制御周期T1内において任意の期間を設定できる。
また、前式(a)におけるBV0(初期血液量)は体内循環量と体外循環量の和であり、例えば以下の1のS−1式あるいは2のS−2式により求めることができる。
1.初期血液量(BV0)の第1の算出法を図3に基づいて説明する。
透析開始時は、血液量が不安定であるので除水は行わず、体外循環のみ行い、血液量が安定するまで、体外循環を続けると、細胞内の膨圧が十分高く水分が細胞から溢れ、細胞間質へまで溜まっている場合、増加した体外循環血液量(体外スペース)に相当する体液(図に示す細胞からの流入量)が細胞から血管へ移動すると考えられる。したがって、その時の増加した体外循環血液量(体外スペース)と%ΔBVから、下式S−1に基づいて、各患者の初期血液量(BV0)を求めることが可能となる。BV値が安定したら除水を伴う透析を開始する。
初期血液量(BV0)=増加した体外循環血液量(体外スペース)/%ΔBV・・・・・・・・・S−1
2.初期血液量(BV0)の第2の算出法を図4に基づいて説明する。
血液指標値に基づいて透析条件を制御する血液透析装置を使用して、透析開始時に体外循環のみ行い、BV値が安定するまで前記体外循環を続け、BV値が安定したら除水を伴う透析を開始し、該透析開始と同時に、一定時間△T(PRRが変化しない時間内)、一定除水速度(除水速度A)で除水を行い、そのBV値の変化量である△BV1を算出し、次に、前記一定時間△Tと同じ時間だけ、異なる除水速度(除水速度B)で除水を行い、そのBV値の変化量である△BV2を算出し、前記△BV1と前記△BV2および除水速度Aと除水速度Bを利用して算出することができる。前記方法による各患者の初期血液量(BV0)の算出は、具体的には、下式S−2に基づいて算出することができる。
BV0=(除水速度A一除水速度B)/(−△BV1%+△BV2%)×△T・・・・・・・・・・・S−2
前式S−2は以下のようにして算出することができる。
△BV/△T=PRR−UFR
−△BV1/△T+△BV2/△T=除水速度A−除水速度B
ΔBV1=BV0〔(100%−%△BV1)−(100%−%△BV)〕
△BV2=BV0×%△BV2
BV0/△T(−%△BV1+%△BV2)=除水速度A−除水速度B
BV0/△T=(除水速度A−除水速度B)/(−%△BV1+%△BV2
本発明の血液透析装置の計測手段で計測される血液パラメーター、および制御手段で前記血液パラメーターに基づいて算出される血液指標値について、以下に説明する。
1. 計測手段で計測される血液パラメーター
BV値あるいはヘマトクリット値(略して、Htともいう)
ヘマトクリット値は、例えば患者血液の光透過度を換算することによって得られる。
2. 制御手段で前記血液パラメーターに基づいて算出される血液指標値
(1)ΔBV
前記血液量の変化量を意味し、前記血液量の単位時間当たりの変化量であり、例えば下式に基づいてHtから算出される。
ΔBV値=(透析開始時のHt/計測時のHt)−1
(2)%ΔBV
前記血液変化量の割合であり、下式で表される。
%ΔBV=ΔBV(測定時のΔBV値)/BV0(透析開始時のBV値)×100
(3)BV%
測定時のBV値を透析開始時のBV値であるBV0(初期血液量)で除し百分率で表したものであり、下式で表される。
BV%=測定時のBV値/透析開始時のBV値であるBV0(初期血液量)×100
実施の態様
本発明の血液透析装置の一例として、例えば患者血液のヘマトクリット値を血液パラメーターとして計測する血液計測手段、血液処理を行う実働部、前記ヘマトクリット値に基づいて目標とすべき血液変化量の割合である%ΔBVを算出し、かつ%ΔBVからなる経時的進路を目標制御線として血液透析操作前にあらかじめ設定し、前記式(a)を利用して血液透析を行う実働部を制御する制御手段で構成される血液透析装置が挙げられる。
本実施の態様の血液透析装置による血液透析操作は図5に示すような態様で行われる。
すなわち、血液透析操作前半においては、前式(a)に基づく目標制御線A′を利用して体内循環血液量を標準血液量(BVst)に近づける除水の制御を迅速に行い、前記血液透析操作前半の除水により体内循環血液量が標準血液量(BVst)になった時点(q点)で血液透析操作後半に移行し、該血液透析操作後半では目標制御線Dに従って前記標準血液量(BVst)を実質的に維持しながら除水操作を行った。前記除水操作はその前半の操作においては制御遅れ時間を考慮した前記式(a)に基づいて行うことにより、制御遅れ時間を考慮しない前記式(a)の場合に比べて透析条件の制御をより正確に行うことができる。また前記式(a)のBV0(初期血液量ともいう)は前記S−1法で算出した。また、制御時点aから制御時点n−1の中断線は制御時点aから制御時点n−1の間の制御時点の表示を省略したことを意味する。
本実施の態様においては、上述のように血液透析操作を前半部と後半部に分けて行ったが、前記式(a)を利用して血液透析の全行程を行っても良い。ただし、前半部と後半部に分けて行う血液透析操作の方が、前記式(a)を利用して血液透析の全行程を行う血液透析操作に比べて、血液透析を行わない以前で細胞内に満ち溢れた状態の水分の速やかな除去と血液の浄化を効率的に行うことができるので好ましい。
本発明によって、以下の(1)〜(4)に示すような優れた効果を奏する血液透析装置を提供することができた。
(1)制御機構がシンプルであり、誤操作や暴走の危険性が少ない。
(2)複雑な設定や余計な操作が不要なため、施術者が操作し易く、楽である。
(3)制御が迅速に、しかも精細に行われるため、血液透析中において、血液量を適正に推移させることができる。
(4)制御遅れを考慮した制御を行うことにより、透析条件の制御をよりいっそう正確に行うことができる。
本発明の血液透析装置の制御遅れを説明した図である。 本発明の血液透析装置の制御時点n−1における制御遅れを考慮した%ΔBVn-1'の算出法を説明した図である。 本発明の血液透析装置の制御に使用する式(a)の初期血液量の算出法S−1を説明した図である。 本発明の血液透析装置の制御に使用する式(a)の初期血液量の別の算出法S−2を説明した図である。 本発明の血液透析装置の目標制御線を利用した血液透析操作を説明した図である。
符号の説明
A:式(a)に基づく目標制御線
A':血液透析操作前半の目標制御線
D:血液透析操作後半の目標制御線
B1:制御遅れ時間
B2:直線B3を同じ傾きで制御時点n-1まで延長した直線
B3:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされた複数の%ΔBV nデータ(p1〜p6)から最小二乗法に基づいて算出された直線
n:選択された制御時点
n-1:制御時点nに隣接した一つ前の制御時点
n+1:制御時点nに隣接した一つ次の制御時点
%ΔBV n-1:制御時点n-1の制御遅れを考慮しない血液変化量の割合
%ΔBV n-1':制御時点n-1の制御遅れを考慮した血液変化量の割合
T1:制御周期
T2:制御周期
p1:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされたサンプリングデータ(%ΔBV)
p2:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされたサンプリングデータ(%ΔBV)
p3:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされたサンプリングデータ(%ΔBV)
p4:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされたサンプリングデータ(%ΔBV)
p5:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされたサンプリングデータ(%ΔBV)
p6:制御遅れ期間B1を除く制御周期T1の間にサンプリングされたサンプリングデータ(%ΔBV)
a:制御時点
n−1:制御時点
n:制御時点
n+1:制御時点
o:制御時点
p:制御時点
q:制御時点
r:制御時点
s:制御時点
t:制御時点
u: 制御時点
v: 制御時点
x: 制御時点
y: 制御時点

Claims (3)

  1. 血液パラメーターを計測する血液計測手段と、血液処理を行う実働部と、所定の血液処理条件で血液処理を行うように前記実働部を制御する制御部とを有し、前記制御部が血液パラメーターを目標とすべき血液指標値に変換し、かつ該血液指標値からなる経時的進路を目標制御線としてあらかじめ設定し、さらに選択した制御時点の一つ前の制御時点における制御遅れを考慮した血液指標値、制御時点の血液指標値および該選択した制御時点の一つ次の制御時点における目標とする血液指標値とを利用して選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間で実施すべき除水速度を算出して前記選択した制御時点と該選択した制御時点の一つ次の制御時点間の除水を行うように前記実働部制御することを特徴とする血液透析装置。
  2. 制御手段が下式(a)によって血液透析処理の制御を行う請求項1に記載の血液透析装置。
    BV0{−(%ΔBVn-1'−%ΔBVn)+(%ΔBVn−%ΔBVn+1)}+UFRn×T=UFRn+1×T・・・・・・・・(a)
    式中、BV0は血液透析の開始時の血液量、%ΔBVnは選択した制御時点nの制御時点における血液変化量の割合、%ΔBVn-1'は前記選択した制御時点nに隣接した一つ前の制御時点n−1における制御遅れを考慮した血液変化量の割合、%ΔBVn+1は前記選択した制御時点nに隣接した一つ次の制御時点n+1における目標制御線によって決定される血液変化量の割合、Tは前記選択した制御時点nまでの経過時間、UFRnは制御時点nの計測した除水速度、UFRn+1は制御時点nから次の制御時点n+1に向って除水を行う際に前記目標血液変化量の割合を達成するために算出された除水速度である)。
  3. 制御時点n−1における制御遅れを考慮した血液変化量の割合が、制御時点n−1と制御時点nの間の制御周期において、制御手段が制御遅れ時間を除く時間内に複数の時点でサンプリングされた複数の血液変化量の割合に基づいて最小二乗法によって血液変化量の割合の変化を示す直線を求め、該直線を制御時点n−1まで延長して得られる血液変化量の割合であることを特徴とする請求項1または2に記載の血液透析装置。
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