JP2009248751A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部の偏摩耗を改善し、かつベルト耐久性を向上させた重荷重用途に好適な空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】互いに交差し延在させたスチールコードからなる主ベルト11,13と、タイヤ周方向に0°の角度でスチールコードを延在させた0°ベルトを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、ストランドS及びストランドを構成する素線Fに所定の連続波を型付けし(素線波付け高さhとストランド径dは0.90≦h/d≦1.00、ストランド波付け高さHとコード径Dは0.90≦H/D≦1.00)、更に、コード撚りピッチPcとコード径Dが5.5≦Pc/D≦6.5の関係を満たし、かつストランド撚りピッチPsとコード径Dが2.5≦Ps/D≦3.5の関係を満たすように撚り合わせてなる、4×4の複撚り構造のスチールコードCにより、0°ベルト12を構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関するものである。
近年、トラック輸送の効率向上を目的としたトラックの開発が積極的に押し進められており、それに伴い耐久性能に優れた、偏平率が70%以下の重荷重用空気入りラジアルタイヤの開発が要望されている。
このスーパーシングルタイヤと呼ばれる扁平率の小さい空気入りラジアルタイヤでは、ベルト部の剛性不足によるタイヤ耐久性の低下やトレッド部の耐偏摩耗性を改善するため、ベルトに、ワーキングベルト(主ベルト)とともに、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードを配設した層(0°ベルト)を設けることが提案されている。かかるタイヤによれば、ワーキングベルトのみを配設したタイヤに比して、タイヤへの内圧充填時および、タイヤの負荷転動時における、トレッドの半径方向外方への膨出を効果的に抑制して、ベルトの耐久性を高めることができると考えられる。
しかしながら、通常のスチールコードのような剛直なコードをタイヤ周方向に実質的に0°の角度で配設した場合、タイヤ加硫時に拡張することが困難になる。そのため、これらのスチールコードとしてはコードのS−S曲線の傾きが、1〜2%までは緩やかで、それ以上は急激に大きくなる、いわゆるハイエロンゲーションコードが用いられ、これにより加硫時の拡張を容易にしている。
このようなハイエロンゲーションコードとしては、一般に複撚り構造のコードが用いられているが、従来の複撚り構造のコードでは、加硫時にゴムがコード内部に侵入することで多数のフィラメントがコード内部で拘束されてしまう。その結果、コードは、ゴム付き状態では低荷重域での伸びが十分に確保できず、タイヤ走行中のコードに過度の歪がかかり、応力集中により耐久性が低下するという問題がある(下記特許文献1参照)。
なお、下記特許文献2には、3×4の複撚り構造のスチールコードにおいて、波状にくせ付けした素線を用いて撚り合わせることが開示されている。しかしながら、この文献は、該スチールコードを、タイヤ周方向に対して所定の角度で交差させて設けるワーキングベルトに使用することを開示するだけで0°ベルトへの適用については開示されていない。また、素線をくせ付けすることで、素線間に隙間を設けてコード内部にゴムを侵入させるものであり、本発明の特徴を何ら示唆するものではない。
特開2007−055389号公報 特開平05−186976号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、加硫後のゴム付き状態でも低荷重域での伸びを確保することができ、これを0°ベルトのコードとして用いることで、タイヤ周方向のベルト剛性と拘束性を向上してタイヤの耐久性と耐偏摩耗性を向上することができる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビードコアにて両端部が係止されたカーカスと、トレッド部における前記カーカスの外周側で、互いに交差し延在させたスチールコードからなる少なくとも2層の主ベルトと、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードを延在させた0°ベルトとを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記0°ベルトを構成するスチールコードは、4本の素線を撚り合わせてなるストランドを4本撚り合わせてなる4×4構造の複撚り構造のコードであって、前記ストランドを構成する前記各素線が長手方向に連続波を有するように波付けされ、該素線の連続波の波付け高さhとストランド径dとが0.90≦h/d≦1.00の関係を満たし、前記コードを構成する前記各ストランドが長手方向に連続波を有するように波付けされ、該ストランドの連続波の波付け高さHとコード径Dとが0.90≦H/D≦1.00の関係を満たし、コード撚りピッチPcとコード径Dとが5.5≦Pc/D≦6.5の関係を満たし、ストランド撚りピッチPsとコード径Dとが2.5≦Ps/D≦3.5の関係を満たすものである。
本発明によれば、コードを構成するストランドと該ストランドを構成する素線とにそれぞれ所定の型付けを施してなる4×4構造の複撚り構造のスチールコードとすることにより、コード内部へのゴムの侵入を防ぐことができ、そのため、加硫後のゴム付き状態でも低荷重域での伸びを確保することができる。よって、これを0°ベルトコードとして用いることにより、タイヤ加硫時の拡張挙動を容易にすることができ、また、タイヤ中でも低荷重域のコード伸びを保持して走行中の応力集中を分散することができる。しかも、このような低荷重域での伸びを確保しつつ、タイヤへの内圧充填時やタイヤの負荷転動時におけるタイヤ周方向のベルト剛性と拘束性を向上することができ、タイヤの耐久性を向上するとともに偏摩耗の発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る実施形態の空気入りラジアルタイヤを図面を参照し説明する。
図1は、重荷重用の空気入りラジアルタイヤの1例を示すタイヤTの半断面図であり、符号1は4枚のベルト層からなるベルト、符号2はカーカス、符号3はトレッド部、符号4はビード部、符号5はサイドウォール部をそれぞれ示す。
タイヤTは、左右一対のビード部4間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定間隔で配列した1枚のカーカス2を有する。カーカス2は、その両端部がビード部3に埋設されたビードコア6の周りにビードフィラー7を挟み込むようにしてタイヤの内側から外側に折り返され係止されている。トレッド部3におけるカーカス2の外周側には、4枚のベルト層からなるベルト1が配設されている。
図2は実施形態のタイヤTのトレッド部3の断面を模式的に示し、ベルト構成を説明するものである。図2において、ベルト1は、タイヤ半径方向内側から順に、第1ベルト11、第2ベルト12、第3ベルト13及び第4ベルト14との4層で構成されている(いずれもベルトは破線で示す)。
第1ベルト11と第3ベルト13は、タイヤの主ベルト(ワーキングベルト)をなすベルト層であり、従来一般的なベルト用スチールコードが所定間隔でタイヤ周方向に対して一定角度で配列され、互いにコード交差し配設されている。
第4ベルト14は、耐カット性とゴム侵入性に優れるスチールコードからなるタイヤ周方向に一定角度で配列された保護ベルト、いわゆるトップベルトであり、耐外傷耐久性や更新性を改善している。
第2ベルト12は、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードをタイヤ幅方向に所定間隔で配列して延在させた、本発明に係る0°ベルトである。
この0°ベルト12を構成するスチールコードCは、図3に示すように、4本の素線(フィラメント)Fを撚り合わせてなるストランドSを更に4本撚り合わせてなる4×4構造の複撚り構造のコードである。
このようにスチールコードCを「4×4」の複撚り構造とした理由は次の通りである。すなわち、ストランド本数を3本にして「3×4」構造にしたり、素線の本数を3本にして「4×3」構造にすると、素線径がもとのままではコード強力が低下するため、補強強度を維持するためにはコード本数を増やす必要があり、カレンダーによるゴム引き前のコードリール掛け工数が増し不利だからである。また、「3×4」や「4×3」構造で、「4×4」構造と同じコード強力を維持すると、素線径を太くする必要があってコードの曲げ剛性が大きくなり、タイヤの接地形状の変化が大きくなって、高速操縦安定性と乗り心地が低下するためである。また、「5×4」構造のようにストランドの本数を5本以上にしたり、「4×5」構造のように素線を5本以上にすると、コード打ち込み本数の密度は減少させることができるが、タイヤの肉厚が増してタイヤ重量が大きくなるためである。また、ストランド本数を5本以上にした場合や素線を5本以上にした場合でも、素線径を細くすることで「4×4」構造と同等の強力を維持できるが、その場合、素線の伸線工程が増して製造コストが増大してしまう。
ストランドSを構成する各素線Fは、図4に示すように、その長手方向に連続波を有するように波付け(型付け)されている。この型付けは、螺旋状の連続波とすることもできるが、平面的な正弦波であることが好ましい。また、素線Fの波付け高さをhとし、ストランドSの外径(ストランド径)をdとして、0.90≦h/d≦1.00の関係を満たすように、4本の素線Fが撚り合わされている。これにより、図5に示すように、ストランドSは各素線Fが相互に密着して、ストランドSにおける4本の素線Fによって囲まれた内部空間Ksにゴムが侵入しないように形成することができる。上記h/dが1.00より大きいと、タイヤ加硫時にゴムが内部に侵入して、低荷重域の伸びが十分でなくなる。逆に、上記h/dが0.90よりも小さいと、コード裁断時の端末のバラケ長さが大きくなり、フレア性が悪化する。なお、図4中のdfは素線径を示す。
コードCを構成する各ストランドSは、図6に示すように、その長手方向に連続波を有するように波付け(型付け)されている。この型付けは、螺旋状の連続波とすることもできるが、平面的な正弦波であることが好ましい。また、ストランドSの波付け高さをHとし、コードCの外径(コード径)をDとして、0.90≦H/D≦1.00の関係を満たすように、4本のストランドSが撚り合わされている。これにより、図3に示すように、コードCは各ストランドSが相互に密着して、コードCにおける4本のストランドSによって囲まれた内部空間Kcにゴムが侵入しないように形成することができる。上記H/Dが1.00より大きいと、タイヤ加硫時にゴムが内部に侵入して、低荷重域の伸びが十分でなくなる。逆に、上記H/Dが0.90よりも小さいと、コード裁断時の端末のバラケ長さが大きくなり、フレア性が悪化する。
このスチールコードCは、コード撚りピッチPcとコード径Dとが5.5≦Pc/D≦6.5の関係を満たし、かつ、ストランド撚りピッチPsとコード径Dとが2.5≦Ps/D≦3.5の関係を満たすように構成されている。上記Pc/Dが6.5よりも大きいと、十分な低荷重域での伸びが得られず、逆に、Pc/Dが5.5よりも小さいと、伸びの向上には有効であるが、形状が不均一となる。上記Ps/Dが3.5よりも大きいと、十分な低荷重域での伸びが得られず、逆に、Ps/Dが2.5よりも小さいと、伸びの向上には有効であるが、形状が不均一となる。
このような撚り構造を持つスチールコードCは、素線Fを型付けしてから、その波付け高さhとストランドdが上記関係を満たすように4本の該素線Fを撚り合わせてストランドSを形成し、更に、該ストランドSを型付けしてから、その波付け高さHとコード径Dが上記関係を満たすように4本の該ストランドSを撚り合わせることにより製造することができる。その際、素線F及びストランドSに所定の型付けがなされていることにより、各素線F間及び各ストランドS間に隙間なくしっかりと撚り合わせることができ、内部へのゴムの侵入を防止することができる。なお、素線FやストランドSの型付けは、型付けピンやローラーを千鳥状に配した公知の型付け装置を用いて行うことができる。また、ストランドSを撚り合わせる方向は、素線Fを撚り合わせる方向と同方向であることが好ましい。また、素線FとストランドSの上記型付けは、タイヤからスチールコードCを取り出して各ストランドSや素線Fに分解した後でも、概ね元の状態が保持されていることから、製品タイヤからでも上記型付け構成を特定することは可能である。
このようにして得られたスチールコードCは、上記4×4の複撚り構造であるため、加硫後のゴムが付いた状態で、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とするS−S曲線において、図7に示すように、低荷重域では緩やかな傾きで、荷重が大きくなると急激に傾きが大きくなる変曲点Zを有する半弾性コードとしての挙動を示す。具体的には、低荷重域での引張弾性率が5000N/mm以下であることが好ましく、より好ましくは4000〜5000N/mmである。
本実施形態においては、前記低荷重域での傾きの接線Xと前記変曲点以降の傾きの接線Yとの交点の伸びA(%)(図7参照)が、0.5≦A<2.0であることが好適である。この交点の伸びAが0.5%未満であると、走行時の応力分散が不充分である傾向となり、2.0%以上であると、0°ベルトの十分な拘束力が得られない傾向にある。
特に、本実施形態であると、タイヤの加硫成形時に、スチールコードCの内部にゴムが侵入していないため、コード内部で素線がゴムによって拘束されることがなく、そのため、ゴム付き状態でも、低荷重域の傾きを緩やかなものとし、十分な低荷重域での伸びを確保することができる。従って、上記交点Aの伸び(%)は、1.0≦A<2.0であることがより好ましい。
0°ベルト12のベルト1内での位置関係は特に制限されることはないが、0°ベルトのタイヤ半径方向外側に少なくとも一層の前記主ベルトが配されていることが好ましい。より詳細には、0°ベルト12は、主ベルト11,13の層間、もしくは主ベルト11のタイヤ径方向内側でカーカス2との間に配置することが好ましい。0°ベルト12の幅は、タイヤ半径方向外側のベルト層13の幅の90%以下であることが好ましく、これにより、0°ベルトエッジ部分への応力集中を和らげることができ、該応力集中による歪みを受けることに起因するエッジ部分の耐久性低下を防ぐことができる。
なお、0°ベルト12は、主ベルト13とトップベルト14との間に配設してもよいが、一般に、トップベルト14は主ベルト11,13に対し幅がその90%以下しかないため、この部分に0°ベルト12をその外側のベルト層に対して90%以下の幅で配設すると、0°ベルト12の幅が狭くなりすぎてショルダー部において十分な拘束力を得にくくなる。そのため、0°ベルト12は上記のように主ベルト11,13の間または主ベルト11とカーカス2の間に配設することが好ましい。また、この0°ベルト12のコードCは、上記のように内部にゴムが充填されていないため、一般的には錆やすいという問題があるが、主ベルト11,13の間や主ベルト11とカーカス2の間に配置されることで、トレッド表面から傷つきにくく、錆の問題を回避することができる。
一方、このように0°ベルトを主ベルトの間または主ベルトとカーカスの間に配設する場合に、0°ベルト層12が主ベルト層11,13よりも厚くなると、ベルト内部の歪が0°ベルト12に集中し、耐セパレーションが悪化するおそれがある。そのため、0°ベルト12のスチールコードCのコード径Dは、主ベルト11,13を構成するスチールコードのコード径よりも小径であることが好ましく、これにより、ベルトエッジ部でのセパレーションの進行を遅らせて、タイヤ耐久性を向上することができる。
上記0°ベルト12は、スチールコードCをタイヤTの周方向に連続でスパイラル状に巻回して設けることができる。スチールコードCのコード角度はタイヤ周方向に対して実質的に0°であり、例えば1本のコードCをタイヤTの幅方向にずらせながらスパイラル状に巻き付け成形される。また、数本のコードCを引き揃えてゴムで被覆したリボン状の帯状部材を、タイヤ成形の際に成形ドラム1周毎にリボン状の側端部同士を突き合わせながらスパイラル状に巻き付けることにより行われる。このようにスチールコードCをスパイラル状に連続に巻くことにより、ジョイント等の影響を受けず、十分なベルト剛性が得られる。
以上よりなる本実施形態の空気入りラジアルタイヤであると、上記構成の0°ベルトを具備することにより、タイヤの耐久性と耐偏摩耗性を向上することができ、特にトラック用の重荷重車両に使用される扁平率(タイヤの高さ/タイヤの総幅の比率)が60%以下のタイヤに好適である。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図2に示すベルト構成を有するタイヤサイズ315/60R22.5のラジアルタイヤを試作した。0°ベルトは第2ベルト12に配置し、表1、2に記載の各スチールコードを使用した。第1〜4ベルトの構成は、実施例及び比較例を表3、従来例を表4に示す。なお、ベルト以外の各部位には全て共通の部材を使用した。また、表中の角度の欄で右、左はベルトコードの傾斜方向を表す。
従来例は、図8に示す0°ベルト未使用の例である。この従来例のタイヤT1は、角度付きの第1〜第3ベルト(主ベルト)111,112,113と第4ベルト(トップベルト)114との4枚のベルト層よりなるベルト100を具備する空気入りラジアルタイヤである。
上記各タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1、2に示す。
[引張試験]
各スチールコードを加硫ゴム付きの状態で引張試験(JIS G3510に準拠)を行い、図7に示すS−S曲線から低荷重域での傾きの接線Xと前記変曲点以降の傾きの接線Yとの交点の伸びA(%)を求めた。低荷重域での引張弾性率は、S−S曲線の原点付近における最大勾配部の接線から求められる100%伸びたと仮定したときの強度として算出した。
[ゴム侵入性]
スチールコードをゴム中に埋め込んで加硫した後、ゴム中からコードを取り出し、コードを2分割して、上記内部空間Kcに面するストランドSの表面を目視観察し、ゴムが被覆されている面積を百分率で示した。また、ストランドSを2分割して、上記内部空間Ksに面する素線Fの表面を目視観察し、ゴム被覆されている面積を百分率で表した。そして、「前者のKcでの百分率/後者のKsでの百分率」として表示した。
[コード形状安定性]
コードの形状安定性は、撚り合わせたコードの外観を目視で観察した。○:良好、△:やや型崩れあるが使用に問題なし、×:型崩れあり、と評価した。
[フレア性]
300mm以上のコードを用いて、その一部を固定し固定箇所から50mm以上離れた箇所をコードの軸と直角にカッターを当てて切断し、端末のバラケ長さを測定した。比較例2をコントロールとして、バラケ長さを比較し、×:劣る(バラケ長さが長い)、○:良好(バラケ長さが同等以上)、と評価した。
[タイヤ耐久性]
表面が平滑な直径1700mmの鋼製回転ドラムを有するドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧900kPa、荷重3550kgで一定として、速度56km/hから12時間毎に8km/hずつ増加させ、故障が発生するまで走行させた。故障発生までの走行距離を、従来例を100とする指数で表1に示した。指数が大きいほど耐久性に優れる。
[耐偏摩耗性]
大型トラックの駆動輪に装着し、実車にて5万km走行後のトレッド接地面を観察し、偏摩耗の発生状態を従来例を基準として、良〜同等〜悪で判定した。
Figure 2009248751
Figure 2009248751
Figure 2009248751
Figure 2009248751
表に示す通り、実施例1〜3では、コード内部へのゴムの侵入がなく、加硫後のゴム付き状態において十分な低荷重伸び特性が確保されていた。そのため、タイヤの耐久性及び耐偏摩耗性に優れていた。
これに対して、比較例1は、h/dが0.90未満であるため、フレア性が非常に悪く、コードをゴム被覆したトッピング反を裁断したときのコードのバラケが大きく、タイヤ成形に適さないものであった。また、比較例2は、h/dが1.00を超えているため、加硫後のゴム付き状態にて、コード内(詳細には、ストランドの内部空間Ks)にゴムが侵入し、そのため、低荷重域での伸びが不十分であり、走行時の歪みによる応力集中を分散できずタイヤの耐久性が低下していた。
比較例3は、H/Dが0.90未満であるため、フレア性が非常に悪く、コードをゴム被覆したトッピング反を裁断したときのコードのバラケが大きく、タイヤ成形に適さないものであった。また、比較例4は、H/Dが1.00を超えているため、加硫後のゴム付き状態にて、コード内(詳細には、コードの内部空間Kc)にゴムが侵入し、そのため、低荷重域での伸びが不十分であり、走行時の歪みによる応力集中を分散できずタイヤの耐久性が低下していた。
比較例5は、Pc/Dが5.5未満のため、伸びの向上には有効であるが、コード形状が安定せず、その結果、コード耐久性が低下し、タイヤの耐久性が低下していた。また、比較例6は、Pc/Dが6.5を超えるため、加硫後のゴム付き状態での低荷重域の伸びAが小さく、走行時の歪みによる応力集中を分散できずタイヤの耐久性が低下していた。
比較例7は、Ps/Dが2.5未満のため、撚り歪みが大きくなり、コード耐久性が低下し、また、コード形状も安定せず、タイヤの耐久性が低下していた。また、比較例8は、Ps/Dが3.5を超えるため、加硫後のゴム付き状態での低荷重域の伸びAが小さく、走行時の歪みによる応力集中を分散できずタイヤの耐久性が低下していた。
以上説明したように、本発明による空気入りラジアルタイヤは、ベルトの耐久性、耐偏摩耗性に優れることから重荷重用のトラックやバス用のタイヤに使用することができ、特に扁平率が60%以下のラジアルタイヤに好適である。
実施形態の空気入りラジアルタイヤの半断面図である。 実施形態のベルト構成を模式的に示す断面図である。 実施形態のスチールコードの断面図である。 素線連続波の波付けの説明図である。 スチールコードを構成するストランドの断面図である。 ストランド連続波の波付けの説明図である。 ゴム付きコードのS−S曲線の1例を示すグラフである。 従来例のベルト構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…ベルト
2…カーカス
6…ビードコア
11,13…主ベルト
12…0°ベルト
C…スチールコード
S…ストランド
F…素線

Claims (5)

  1. 左右一対のビードコアにて両端部が係止されたカーカスと、トレッド部における前記カーカスの外周側で、互いに交差し延在させたスチールコードからなる少なくとも2層の主ベルトと、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードを延在させた0°ベルトとを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記0°ベルトを構成するスチールコードは、4本の素線を撚り合わせてなるストランドを4本撚り合わせてなる4×4構造の複撚り構造のコードであって、前記ストランドを構成する前記各素線が長手方向に連続波を有するように波付けされ、該素線の連続波の波付け高さhとストランド径dとが0.90≦h/d≦1.00の関係を満たし、前記コードを構成する前記各ストランドが長手方向に連続波を有するように波付けされ、該ストランドの連続波の波付け高さHとコード径Dとが0.90≦H/D≦1.00の関係を満たし、コード撚りピッチPcとコード径Dとが5.5≦Pc/D≦6.5の関係を満たし、ストランド撚りピッチPsとコード径Dとが2.5≦Ps/D≦3.5の関係を満たす、
    ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記0°ベルトのスチールコードは、前記各ストランドにおける4本の前記素線によって囲まれた内部空間にゴムが侵入しておらず、かつ、前記コードにおける4本の前記ストランドによって囲まれた内部空間にゴムが侵入していない、
    ことを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記0°ベルトのスチールコードは、加硫後のゴムが付いた状態で、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とするS−S曲線において、低荷重域では緩やかな傾きで、荷重が大きくなると傾きが大きくなる変曲点を有し、前記低荷重域での傾きの接線と前記変曲点以降の傾きの接線との交点の伸びA(%)が0.5≦A<2.0である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記0°ベルトのタイヤ半径方向外側に少なくとも一層の前記主ベルトが配され、前記0°ベルトの幅が前記タイヤ半径方向外側の主ベルトの幅の90%以下であり、かつ前記0°ベルトのスチールコードのコード径が前記タイヤ半径方向外側の主ベルトを構成するスチールコードのコード径よりも小径である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記0°ベルトは、前記4×4構造のスチールコードを前記タイヤの周方向に連続でスパイラル状に巻回してなる、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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