JP2009249507A - 希土類元素ドープ蛍光体ナノ粒子、それを用いた生体物質標識剤 - Google Patents

希土類元素ドープ蛍光体ナノ粒子、それを用いた生体物質標識剤 Download PDF

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【課題】本発明は、水分散状態で発光精度が高く、かつ発光強度が十分高い蛍光体ナノ粒子を提供することである。またそれを用いた生体物質標識剤を提供することである。
【解決手段】平均粒径が2〜50nmである蛍光体ナノ粒子であって、その組成の少なくとも一部が一般式(1)Ln1PO(式中、Ln1はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)で表され、少なくとも1種の希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコアとし、その表面を一般式(2)Ln2PO(式中、Ln2はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)からなる第一のシェル層、さらに第一のシェル層が第二の親水性シリカシェル層で覆われたことを特徴とする蛍光体ナノ粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、水分散可能な希土類元素ドープ蛍光体ナノ粒子、およびそれを用いた生体物質標識剤に関する。
生体物質を標識する手段として、分子標識物質を蛍光性物質に結合した生体物質標識剤を用いる方法が検討されている。従来使用されてきた有機蛍光色素などの蛍光性物質は、励起光照射時の劣化が激しく寿命が短いことが欠点であり、また発光効率が低く、感度も十分ではなかった。
そのため、近年、上記蛍光性物質として半導体ナノ粒子を用いる方法が注目されている。例えば、極性官能基を有する高分子を半導体ナノ粒子の表面に物理的および/または化学的に吸接合した生体物質標識剤が検討されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、これら従来の半導体ナノ粒子を用いた生体物質標識剤には発光精度等において未解決の問題が存在した。
例えば、上記のCdSe/ZnS型半導体ナノ粒子は一般的に量子ドットと呼ばれボーア励起子のサイズよりも小さな粒径を持つ場合に、バンドギャップがサイズに依存して変化するという性質、すなわち、同一組成で粒子サイズを変化させることで発光波長が変化するという特徴を持っている。このような量子ドット蛍光材料はサイズにより発光波長を自在に変化させることが可能であるという長所を持つ一方、粒径制御の精度が発光波長の精度につながるという短所があった。
これに対し、希土類元素を発光中心とする無機蛍光体ナノ粒子は、その発光波長が、粒径制御に依存しないことから、発光精度の問題を解決できる生体標識材料となることが開示されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、希土類をドープした、リン酸ランタン体ナノ粒子に配位子交換により修飾した6ーアミノヘキシルカルボン酸を介しアビジンを結合させることにより、水溶化させたものが開示されている(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、水分散状態において発光輝度が減少したとの記載があり、希土類元素を発光中心とする無機蛍光体ナノ粒子の生体標識材料では、発光輝度は十分ではないことが予想できる。
一方非特許文献2には、希土類元素としてテルビウムをドープしたリン酸セリウムナノ粒子をコアに、リン酸ランタンをシェルとしたコアシェル型ナノ粒子は、その発光量子収率が、シェルをもたないものに比べ増大することが記載されている(例えば非特許文献2参照)。
しかしながら、記載されているのは有機溶媒に分散させたものであり、生体標識材料として水分散中の利用を考えた場合、公知である希土類をドープした、リン酸ランタン体ナノ粒子に配位子交換により修飾した6ーアミノヘキシルカルボン酸を介しアビジンを結合させることにより、水溶化させた方法による親水性化では、同様に発光輝度が減少することが予想でき、十分ではないと考える。
またカルボン酸を含む分子による表面修飾に基づく水溶化では、我々の検討の結果、生体中などを想定し、pHを変動させた条件では、発光輝度が低下し、生体標識剤として用いるには不適であった。
特開2003−329686号公報 特表2003−532898号公報 Angewandte Chemie International Edition Vol.43,5954−5957(2004) Angewandte Chemie International Edition Vol.42,5513−5516(2003)
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、水分散状態で発光精度が高く、かつ発光強度が十分高い蛍光体ナノ粒子を提供することである。またそれを用いた生体物質標識剤を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、平均粒径が2〜50nmである蛍光体ナノ粒子であって、その組成の少なくとも一部が前記一般式(1)Ln1PO(式中、Ln1はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)で表され、少なくとも1種の希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコアとし、その表面を前記一般式(2)Ln2PO(式中、Ln2はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)からなる第一のシェル層、さらに第一のシェル層が第二の親水性シリカシェル層で覆われたことを特徴とする蛍光体ナノ粒子を見出し、さらには生体物質標識剤として好適に用いられることを見出した。
上記蛍光体ナノ粒子において、第一のシェル層の存在は、表面にありドープされた希土類元素間の粒子間おけるエネルギー移動による消光を防ぐ効果があり、結果として量子収率の向上につながる。さらに第二のシェル層として、親水性のシリカシェルを形成させることは、公知のカルボン酸を含む分子の修飾により親水性基を結合させたものとは異なり、コアの希土類ドープナノ粒子と第一のシェルを強固に被覆することになったことが推測できる。したがって、水分散性が安定することになる。その結果、本発明のナノ粒子は、水分散状態でも発光強度が強くなると考えられる。
またナノ粒子の水分散性が安定したため、生体中を想定してpH変動させた条件でも発光強度が維持でき、生体標識剤として好適となると推測できる。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.平均粒径が2〜50nmである蛍光体ナノ粒子であって、その組成の少なくとも一部が前記一般式(1)Ln1PO(式中、Ln1はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)で表され、少なくとも1種の希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコアとし、その表面を前記一般式(2)Ln2PO(式中、Ln2はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)からなる第一のシェル層、さらに第一のシェル層が第二の親水性シリカシェル層で覆われたことを特徴とする蛍光体ナノ粒子。
2.1に蛍光体ナノ粒子と分子標識物質とを有機分子を介して結合させたことを特徴とする生体物質標識剤。
3.前記分子標識物質がヌクレオチド鎖であることを特徴とする前記2に記載の生体物質標識剤。
4.前記蛍光体ナノ粒子と分子標識物質とを結合させる有機分子が、ビオチン及びアビジンであることを特徴とする前記2又は3に記載の生体物質標識剤。
本発明の上記手段により、粒径が極微小で、かつ水に分散するものでありながら発光強度が高く、加えてpHに対する発光安定性をそなえた蛍光体ナノ粒子を提供することができる。またそれを用いた生体物質標識剤を提供することができる。
本発明の蛍光体ナノ粒子は、平均粒径が2〜50nmである蛍光体ナノ粒子であって、その組成の少なくとも一部が前記一般式(1)Ln1PO(式中、Ln1はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)で表され、少なくとも1種の希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコアとし、その表面を前記一般式(2)Ln2PO(式中、Ln2はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)からなる第一のシェル層、さらに第一のシェル層が第二の親水性シェル層で覆われたことを特徴とする蛍光体ナノ粒子である。
前記ドープされる希土類元素が、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムのいずれか一つ、または複数の組み合わせであることが好ましい。
また、本発明の蛍光体ナノ粒子は、分子標識物質と有機分子を介して結合させることにより生体物質標識剤とすることができる。なお、生体物質標識剤において、前記分子標識物質がヌクレオチド鎖であることが好ましい。また、前記有機分子が、ビオチン及びアビジンであることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素について詳細な説明をする。
(コア部)
本発明の蛍光体ナノ粒子コア部は、その組成の少なくとも一部が前記一般式(1)Ln1PO(式中、Ln1はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)で表され、少なくとも1種の希土類元素がドープされていることを特徴とする。
また、好ましい態様としては、共賦活剤として、プラセオジム及びテルビウムのうちの少なくともいずれかの元素を含有させる。
なお、最終的に形成する蛍光体ナノ粒子が50nm以下の粒子である場合、構成元素中の金属元素の数が4種類以上となったときや、10atom%以下の共賦活剤を含有すると、従来の固相法で製造された粒子に比べて、また、金属元素が3種類のときや、共賦活剤を含有しないときにと比べて、格段に発光強度が高くなる。
本発明の蛍光体ナノ粒子コア部を製造するための製造方法としては、Chemistry of Materials Vol.15,4604−4616(2003)に記載の方法を適用することができる。
本発明の蛍光体ナノ粒子コア部を製造するための原料としては、希土類元素の各種ハロゲン化物や硝酸塩等を用いることができる。例えば、塩化セリウム、塩化ネオジム、硝酸ネオジム、塩化イッテルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ランタン、硝酸ランタン、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、塩化プラジオセム、塩化テルビウム、塩化ユウロピウムなどを用いることができる。
リン酸源としては、オルトリン酸、リン酸二水素アンモニウム等を用いることができる。
(第一のシェル層)
本発明の蛍光体ナノ粒子は、上記希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコア部とし、その表面を前記一般式(2)Ln2PO(式中、Ln2はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)からなる第一のシェル層で覆われていることを特徴とする。
本発明の蛍光体ナノ粒子の第一のシェル部を製造するための製造方法としては、Angewandte Chemie International Edition Vol.42,5513−5516(2003)に記載の方法を適用することができる。
本発明の蛍光体ナノ粒子第一のシェル部を製造するための原料としては、例えば塩化ランタン、硝酸ランタン、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、塩化ルテチウムなどを用いることができる。リン酸源としては、オルトリン酸、リン酸二水素アンモニウム等を用いることができる。
(第二のシェル層)
本発明の蛍光体ナノ粒子は、上記希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコア部、さらに上記一般式(2)であらわされる組成からなる第一のシェル層の表面を、第二の親水性シリカシェル層で覆われたことを特徴とする。
本発明の蛍光体ナノ粒子の第二の親水性シリカシェル部を製造するための製造方法としては、テトラエトキシシランのゾルゲル反応、塩基性条件下でのナトリウム水ガラスによる加水分解反応などがあげられる。
本発明の蛍光体ナノ粒子の平均粒径が2〜50nmであることを特徴とする。
本発明において、上記蛍光体ナノ粒子の平均粒径は本来3次元で求める必要があるが、微粒子過ぎるため難しく、現実には二次元画像で評価せざるを得ないため、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて電子顕微鏡写真の撮影シーンを変えて数多く撮影し平均化することで求めることが好ましい。従って、本発明において、当該平均粒径は、TEMを用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径を粒径として求めて、その算術平均を平均粒径とした。TEMで撮影する粒子数としては20個以上が好ましく、100個の粒子を撮影するのが更に好ましい。
(生体物質標識剤)
本発明に係る生体物質標識剤は、上述した末端に官能基を有するポリエチレングリコールにより表面処理された蛍光体ナノ粒子と、分子標識物質とを有機分子を介して結合させて得られる。
(分子標識物質)
本発明に係る生体物質標識剤は分子標識物質が目的とする生体物質と特異的に結合及び/又は反応することにより、生体物質の標識が可能となる。
当該分子標識物質としては例えば、ヌクレオチド鎖、抗体、抗原およびシクロデキストリン等が挙げられる。
(有機分子)
本発明に係る生体物質標識剤は、親水化処理された蛍光体ナノ粒子と、分子標識物質とが有機分子により結合されている。該有機分子としては蛍光体ナノ粒子と分子標識物質とを結合できる有機分子であれば特に制限はないが、例えば、タンパク質中でも、アルブミン、ミオグロビンおよびカゼイン等、またタンパク質の一種であるアビジンをビオチンと共に用いることも好適に用いられる。上記結合の態様としては特に限定されず、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、物理吸着および化学吸着等が挙げられる。結合の安定性から共有結合などの結合力の強い結合が好ましい。
具体的には、蛍光体ナノ粒子をメルカプトウンデカン酸で親水化処理した場合は、有機分子としてアビジンおよびビオチンを用いることができる。この場合親水化処理された当該ナノ粒子のカルボキシル基はアビジンと好適に共有結合し、アビジンがさらにビオチンと選択的に結合し、ビオチンがさらに生体物質標識剤と結合することにより生体物質標識剤となる。
アミノ基が表面に露出した蛍光体ナノ粒子はEMCS(N−(6−マレイミドカプロイロキシ)サクシンイミド)等の二価架橋剤を利用したり、あるいはNHSエステル(N−ヒドロキシサクシンイミジルエステル)等で活性化されたカルボキシル基とアミド結合を形成することによって、アビジン若しくはストレプトアビジン、アビジン若しくはストレプトアビジンの融合タンパク質、ビオチン、抗体、抗原と連結することが出来る。これら蛍光体ナノ粒子の結合したアビジン若しくはストレプトアビジン、アビジン若しくはストレプトアビジンの融合タンパク質、ビオチン、抗体、抗原はサンドイッチ法の検出抗体や検出用酵素として利用できる。
また、蛍光体ナノ粒子を機能性ビーズに取り込ませた場合には、フローサイトメトリーによって生体分子の検出や濃度の測定等に利用できる。この際の機能性ビーズとはポリスチレンビーズ、ポリプロピレンビーズ、架橋アクリルビーズ、ポリ乳酸ビーズ等のポリマービーズや、磁気ビーズ、ガラスビーズ、金属ビーズ等の大きさ0.1μm〜100μmのビーズの表面に生体由来の物質に特異的に吸着もしくは結合するような化学修飾を施こしたものを言う。
そのような機能性ビーズに蛍光体ナノ粒子を分散させる方法としては、特に限定されないが、例えばポリマービーズを使用した機能性ビーズでは、溶媒中に予め蛍光体ナノ粒子を分散させておき、その溶媒中でビーズを膨潤させることによって蛍光体ナノ粒子を機能性ビーズ内に取り込ませることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下においては、蛍光体ナノ粒子を単に「蛍光体」と称する。希土類がドープされた無機材料の表記法として、たとえばセリウムおよびテルビウムがドープされたリン酸ランタンはLaPO:Ce,Tbと表記する。
コア部LaPO:Ce,Tb、第一のシェル層をLaPOとした場合の表記法として、LaPO:Ce,Tb/LaPOと表記する。
〈実施例1〉SiOシェル層で被覆されたLaPO:Ce,Tb/LaPO(蛍光体1)の製造方法
塩化ランタン、塩化セリウム、塩化テルビウムを用い、Angewandte Chemie International Edition Vol.40,573−576(2001)記載の方法により、LaPO:Ce,Tbナノ粒子を合成した。
上記LaPO:Ce,Tbナノ粒子に対し、塩化ランタン、オルトリン酸を用いて、Angewandte Chemie International Edition Vol.42,5513−5516(2003)記載の方法により、LaPO:Ce,Tb/LaPOを合成した。
磁気撹拌子を備えたフラスコ中に100mlの水をいれ、磁気撹拌機により撹拌しながら、合成したLaPO:Ce,Tb/LaPOナノ粒子1gをいれ、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液でpH12に調製した。ついで、該分散液にナトリウム水ガラス(SiO 27%、NaO 8.1%)500mgをかくはんしながら加えた。1時間反応させた後、エタノール50mlを滴下した。生じた沈殿物を、遠心分離により除去した。得られた沈殿物を、脱イオン水中に再分散させる。ついで、分散しなかった固体をデカンテーションにより除いた。分散液をロータリーエバポレーターにより乾固させ、蛍光体1を得た。
(比較例1)SiOシェル層で被覆されたLaPO:Ce,Tb(蛍光体2)の製造方法。
LaPOによる第一のシェルを形成しなかった他は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光体2を得た。
〈比較例2〉アミノヘキシルカルボン酸で被覆されたLaPO:Ce,Tb/LaPO(蛍光体3)の製造方法
実施例1と同様にしてLaPO:Ce,Tb/LaPOを合成した。得られたLaPO:Ce,Tb/LaPOに対して、Angewandte Chemie International Edition Vol.43,5954−5957(2004)に記載の方法を参考に、6−アミノヘキシルカルボン酸による表面修飾を行い、蛍光体3を得た。
上記のようにして形成した蛍光体1、2および3について粒子径は、TEM観察を行い、粒子100個について粒径を測定し、平均粒径を求めた。
また、水に分散させた状態で、励起光275nmでの発光スペクトルを測定した。各蛍光体の発光ピーク波長と、蛍光体1の発光ピーク強度を100としたときの、相対蛍光強度を表1に示す。
Figure 2009249507
表1から、本発明の第一のシェルおよび親水性の第二のシリカシェル層をもつ蛍光体1は、親水性のシリカシェル層をもつが第一のシェルを持たない蛍光体2や、第一のシェルをもつが、親水性のカルボン酸分子により被覆された蛍光体3と比較して、発光強度が水分散状態でも十分高いことがわかる。
蛍光体1および3について、それぞれの水分散液についてpHを5、7、9に調製し、保存した。pH7に調製直後の蛍光体1分散液の発光強度を100としたときの、30日後の発光の相対強度を表2に示す。
Figure 2009249507
表2から本発明の第一のシェルおよび親水性の第二のシリカシェル層をもつ蛍光体1は、第一のシェルをもつが、親水性のカルボン酸分子により被覆された蛍光体3と比較して、pH変化に対して、長期保存したときの発光強度変化が小さく、化学的安定性が高いことがわかる。
〈実施例2〉
10−5gの蛍光体1をメルカプトウンデカン酸0.2gが溶解した純水10ml中に分散させて、40℃、10分間攪拌し、シェルの表面を処理することで表面をカルボキシル基で修飾した蛍光体4を得た。
蛍光体4:1.0×10−5mol/Lの水分散液にアビジン25mgを添加し40℃で10分間攪拌を行い、アビジンコンジュゲートナノ粒子を作製した。
得られたアビジンコンジュゲートナノ粒子溶液にビオチン化された塩基配列が既知であるオリゴヌクレオチドを混合攪拌し、ナノ粒子で標識(ラベリング)されたオリゴヌクレオチドを作製した。
さまざまな塩基配列を持つオリゴヌクレオチドを固定化したDNAチップ上に上記の標識(ラベリング)したオリゴヌクレオチドを滴下・洗浄したところ、標識(ラベリング)されたオリゴヌクレオチドと相補的な塩基配列をもつオリゴヌクレオチドのスポットのみが810nmの励起光により発光した。
このことより、ナノ粒子でのオリゴヌクレオチドの標識(ラベリング)を確認することができた。すなわち、この結果により、本発明の蛍光体ナノ粒子を用いた生体物質標識剤を提供することができることが分かる。

Claims (4)

  1. 平均粒径が2〜50nmである蛍光体ナノ粒子であって、その組成の少なくとも一部が一般式(1)Ln1PO(式中、Ln1はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)で表され、少なくとも1種の希土類元素がドープされている蛍光体ナノ粒子をコアとし、その表面を一般式(2)Ln2PO(式中、Ln2はY,LuおよびLaからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素である)からなる第一のシェル層、さらに第一のシェル層が第二の親水性シリカシェル層で覆われたことを特徴とする蛍光体ナノ粒子。
  2. 請求項1に蛍光体ナノ粒子と分子標識物質とを有機分子を介して結合させたことを特徴とする生体物質標識剤。
  3. 前記分子標識物質がヌクレオチド鎖であることを特徴とする請求項2に記載の生体物質標識剤。
  4. 前記蛍光体ナノ粒子と分子標識物質とを結合させる有機分子が、ビオチン及びアビジンであることを特徴とする請求項2又は3に記載の生体物質標識剤。
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