JP2009255196A - パラレルメカニズム - Google Patents

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Tatsuhiko Nishida
達彦 西田
Manabu Yamashita
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Abstract

【課題】原点復帰時に原点体が損傷するのを解消でき、しかも駆動モーターに過酷な負荷が掛かるのを避けて、常に適正に原点復帰作業を行なうことができるパラレルメカニズムを提供する。
【解決手段】複数の駆動アームおよびロッドと、操作ヘッドを備えている回転型のパラレルメカニズムにおいて、駆動アームの外面に基準突起を設け、駆動アームの通常動作範囲の外に臨むベースの外面に、原点復帰操作された駆動アームの基準突起を受け止める原点体を設ける。以て、駆動アームを原点復帰操作して、基準突起が原点体に接当する状態において、駆動モーターの出力トルクが設定値に達したことを制御回路で判定して前記駆動モーターを停止し、同時に駆動モーターからフィードバックされる位置信号に基づき制御回路で原点位置を特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば産業用ロボットとして使用されるパラレルメカニズム、なかでも操作ヘッドが複数対のアームユニットで支持してある回転型のパラレルメカニズムに関する。
この種のパラレルメカニズムの基本構造は、例えば特許文献1に公知である。そこでは、ベースと、ベースの下面に均等配置される3個のサーボモーターと、サーボモーターで駆動操作される3個のアームユニットと、3個のアームユニットで支持される操作ヘッドなどでパラレルメカニズムを構成している。必要に応じて、ベースと操作ヘッドとの間に伸縮しながら回転動力を伝動するボールスプライン軸が付加される。操作ヘッドの下面側には、処理対象を捕捉するハンドなどが設けてあり、操作ヘッドの動作空間の上方に先のベースフレームが配置してある。
各アームユニットは、サーボモーターで上下に旋回駆動される駆動アームと、駆動アームの旋回動作を操作ヘッドに伝えるロッドで構成してあり、ロッドは駆動アームおよび操作ヘッドに対してボール継手で連結してある。ボールスプライン軸は、伸縮自在に連結される駆動軸と受動軸とからなり、上下両端がユニバーサルジョイントを介して連結してある。各駆動アームの駆動方向と駆動量を変更することにより、操作ヘッドを所定の3次元空間内で自由に変位できる。この種のパラレルメカニズムは特許文献2にも見ることができる。
特開2001−277164号公報(段落番号0006〜7、図1) 特表2005−528993号公報(段落番号0019、図1)
この種のパラレルメカニズムにおいては、作業時間の経過や、メンテナンス時の駆動モーターや減速機の交換に伴なって、駆動モーターの旋回位置にずれを生じ、このずれによって誤差が生じる。このような誤差を修正するために原点復帰作業を行なう必要がある。制御盤の電源を再投入するなど、駆動モーターの位置情報が消失した場合にも、同様に原点復帰作業を行なう必要がある。原点復帰を行なう際には、駆動アームの通常動作範囲の外に原点ピンを設けておき、駆動アームに設けた基準ピンを原点ピンに接当させて原点復帰を行なうが、次のような問題を生じる。
駆動アームを旋回駆動する駆動モーター(サーボモーター)には減速比の大きな減速機が組み込まれており、そのため駆動アームを原点位置へ旋回移動させて基準ピンを原点ピンに接当させたとき、原点ピンに過大な力が掛かる。例えば、駆動モーターの減速機の出力トルクが300Nmであり、基準ピンのモーメントアームが80mmであるときには、原点ピンに3750Nもの大きな力が作用する。こうした場合には駆動モーターは過負荷状態に陥り、過負荷を検知した時点で自動停止するが、自動停止するまでの間に原点ピンの全体が変形し、あるいは原点ピンの一部が破損するため、原点復帰を適正に行なえない。
原点ピンや基準ピンの機械的な強度を向上して、先のようなピンの損傷を避けることは不可能ではない。しかし、その場合には、高価な駆動モーターに過酷な負荷を繰り返し掛けることとなり、駆動モーターの耐久性が損なわれる。さらに、原点ピンや基準ピンを強化する場合には、各ピンが装着される構造体の機械的強度をも同時に強化する必要があり、パラレルメカニズムの全体コストや重量が嵩む。
本発明の目的は、原点復帰時の駆動モーターの駆動状態を制御回路で好適化して、原点体が損傷するのを解消でき、しかも駆動モーターに過酷な負荷が掛かるのを避けて、常に適正に原点復帰作業を行なうことができるパラレルメカニズムを提供することにある。
本発明のパラレルメカニズムは、操作ヘッドの作業領域の上方に配置されるベースと、ベースに配置される複数個の駆動モーターと、駆動モーターで上下に旋回駆動される駆動アームと、駆動アームの旋回動作を操作ヘッドに伝えるロッドと、駆動モーターの作動状態を制御する制御回路を有する。駆動アームの外面には基準突起を設け、駆動アームの通常動作範囲の外に臨むベースの外面に、原点復帰操作された駆動アームの基準突起を受け止める原点体を設ける。以て、駆動アームを原点復帰操作して、基準突起が原点体に接当する状態において、駆動モーターの出力トルクが設定値に達したことを制御回路で判定して前記駆動モーターを停止し、同時に駆動モーターからフィードバックされる位置信号に基づき制御回路で原点位置を特定する。
駆動モーターはベースに固定したモーターブラケットで支持する。駆動アームの基端に設けたアームボスは、駆動モーターの出力軸に固定する。基準突起はアームボスの周面に固定し、原点体はモーターブラケットに固定する。
駆動アームが原点復帰前の初期位置に位置していることを示す一対の合マークを、モーターブラケットとアームボスとに設ける。
本発明のパラレルメカニズムでは、駆動アームを原点復帰操作して、基準突起が原点体に接当する状態において、駆動モーターの出力トルクが設定値に達したことを制御回路で判定して前記駆動モーターを停止する。このように、原点復帰時の駆動モーターの出力トルクを制御回路で設定値以下に制限すると、原点体や基準突起に過剰な力が作用するを防止でき、したがって原点体や基準突起が損傷するのを確実に解消して、原点復帰作業を適正に行なえる。また、駆動モーターの出力トルクを設定値以下に制限することにより、駆動モーターに過酷な負荷が掛かるのを避けて、駆動モーターを長期にわたって良好な状態に維持し続けることができる。
基準突起を駆動アームの基端のアームボスの周面に固定し、原点体を駆動モーターのモーターブラケットに固定すると、より厳密に駆動アームを原点復帰させることができる。それは、厳密に位置決めされたモーターブラケットおよびアームボスに原点体および基準突起を固定することにより、原点体と基準突起の相対的な位置関係を高精度化できるからである。
一対の合マークを、モーターブラケットとアームボスとに設けるパラレルメカニズムによれば、各駆動アームを変位させて一対の合マークを合致させるだけで、操作ヘッドをベースから充分に離れた適正な初期位置に位置させることができる。したがって、個々の駆動アームを通常使用範囲を越えて原点復帰操作する際に、受動スプライン軸の上端がユニバーサルジョイントに接当干渉したり、ロッドのばねユニットと駆動アームとが接当干渉するのを確実に防止できる。これにより、駆動アームの原点復帰作業を誰もが常に適正に行なえることとなる。
(実施例) 図1から図6は本発明に係るパラレルメカニズムを搬送ロボットに適用した実施例を示す。図2および図3に示すように、パラレルメカニズムは、テーブルやコンベアーを跨ぐ状態で設置される高剛性の架台1を基体にして構成する。詳しくは、架台1の上壁に固定されるベース2と、ベース2の下面に配置される3個の駆動モーター3と、駆動モーター3で駆動される3個のアームユニット4と、各アームユニット4で支持される操作ヘッド5と、中央部に配置される駆動軸6などで構成する。ベース2は、操作ヘッド5の動作空間の上方に位置することになり、その上面には、駆動軸6を回転駆動するモーター7が設けてある。
ベース2の下面には3個のモーターブラケット10が均等な間隔をあけて設けてあり、これらのモーターブラケット10に駆動モーター3が組み付けてある。駆動モーター3はサーボモータと減速機とを一体に備えており、減速機で減速された往復旋回動力を出力する。さらにサーボモータに内蔵された回転エンコーダーによって、フィードバック信号を制御回路11へ出力する。駆動モーター3は、制御回路11からの指令信号によってその駆動方向と駆動量および駆動速度が制御される。3個の駆動モーター3は、その中心軸線が正三角形の各辺を構成する状態でベース2に配置してあり、先の正三角形の中心は駆動軸6の軸中心位置に一致させてある。
アームユニット4は、駆動モーター3で上下に旋回駆動される駆動アーム14と、駆動アーム14の旋回動作を操作ヘッド5に伝えるロッド15とで構成してある。駆動アーム14の基端にはアームボス16が固定してあり、このアームボス16が駆動モーター3の出力軸に固定してある。図3に示すようにロッド15は、平行に配置される一対のリンク棒17と、リンク棒17の上下端寄りに設けられて、両リンク棒17を引き寄せ付勢するばねユニット18とで構成してある。駆動アーム14および操作ヘッド5とロッド15とは、それぞれボール継手19で連結してある。このように、ボール継手19を介して連結されたアームユニット4によれば、駆動アーム14を駆動モーター3で上下に往復旋回操作することにより、操作ヘッド5を所定の3次元空間内で自由に変位できる。操作ヘッド5が3次元変位できる空間のうち、基準平面上の直径1040mm、高さ200mmの作動範囲が操作ヘッド5の作業領域となる。なお、対向するボール継手19のボール中心どうしを結ぶ線は、先の駆動モーター3の中心軸線と平行になっている。
操作ヘッド5は、三角形状の板状ブロックからなり、その中央部分に駆動軸6の回転動力を受け継ぐ操作軸21が回転自在に軸支してある。駆動軸6は、上半側の駆動スプライン軸22と、下半側の受動スプライン軸23とを備えたボールスプライン軸からなる。両スプライン軸22・23の上下端は、それぞれユニバーサルジョイント24を介して、モーター7の出力軸、および先の操作軸21に連結してある。操作軸21の下端のフランジ部分に、搬送対象を捕捉する捕捉体(図示していない)が装着される。
上記構成のパラレルメカニズムの原点復帰を行なうために、駆動アーム14の外面に丸軸状の基準ピン(基準突起)26を設けている。さらに、駆動アーム14の通常動作範囲の外に臨むベース2の外面に、原点復帰操作された駆動アーム14の基準ピン26を受け止める丸軸状の原点ピン(原点体)27を設けている。詳しくは、図1に示すようにアームボス16の周面に、基準ピン26をピン軸心が放射方向に沿う状態で固定し、モーターブラケット10の側端面に、原点ピン27をピン軸心が駆動モーター3の中心軸線と平行になる状態で固定している。図4に示すように原点ピン27は、その基端部に研削仕上げされた軸基部28を備えており、軸基部28に連続するねじ軸にナット29をねじ込むことにより、モーターブラケット10に締結固定される。
このように、原点ピン27を基準ピン26の旋回軌跡と交差する状態で配置することにより、駆動アーム14を原点位置へ復帰操作したとき、基準ピン26を原点ピン27で受け止めて、それ以上駆動アーム14が旋回移動するのを阻止して原点位置を特定できる。なお、先に説明した駆動アーム14の通常動作範囲とは、操作ヘッド5が規定された作業領域を変位するときの駆動アーム14の動作範囲を意味している。この実施例では、駆動アーム14が通常動作範囲を越えて上方へ旋回移動する側に原点ピン27を設けるようにした。
以上のように構成したパラレルメカニズムは、後述する要領で原点復帰作業を行なうが、原点復帰を行なう直前の操作ヘッド5の位置が不適切であると、原点復帰作業を行なうことで機械的な干渉を起こすおそれがある。例えば、操作ヘッド5が規定された作業領域から上方へ遠く離れた位置にある状態で原点復帰作業を行なうと、例えば受動スプライン軸22の上端がユニバーサルジョイント24に干渉してしまう。こうした不具合を防ぐために、駆動アーム14のすべてを初期位置に変位操作してから、原点復帰作業を行なう。また、駆動アーム14を初期位置へ確実に変位操作するために、一対の合マーク30・31をモーターブラケット10の側端面と、アームボス16の側端面とに設けている。
合マーク30・31はラベルを貼り付けて形成でき、あるいは刻印部分に塗料を塗布して形成できる。3個の駆動アーム14を個別に作動させて、全ての駆動アーム14の合マーク31をモーターブラケット10に設けた合マーク30に一致させた状態では、操作ヘッド5をベース2から充分に離れた位置に位置させることができる。多くの場合は、操作ヘッド5が規定された作業領域の範囲内に位置する状態を初期位置とする。
原点復帰作業は、以下の手順に従って行なう。まず、先に説明した要領で駆動アーム14のすべてを原点復帰前の初期位置に変位操作する(第1過程)。次に図1および図4に示すように、駆動アーム14の任意のひとつを初期位置から原点復帰操作して、基準ピン26を原点ピン27に接当させる。この状態で、駆動モーター3からフィードバックされる位置信号を制御回路11で受け取って駆動アーム14の原点位置を特定する(第2過程)。この後、原点復帰操作された駆動アーム14を初期位置へ戻す(第3過程)。ふたつめの駆動アーム14について、上記の第2過程と前記第3過程を行なって、ふたつめの駆動アーム14の原点位置を特定する。残る駆動アーム14について、第2過程と前記第3過程を行なって、最後の駆動アーム14の原点位置を特定する。以上の手順を図5にまとめて表示しており、一連の手順を全ての駆動アーム14について行なうことにより、パラレルメカニズムの原点復帰作業を完了できる。
基準ピン26を原点ピン27に接当する第2過程において、原点ピン27が損傷し、あるいは駆動モーター3に過酷な負荷が掛かるのを避けるために、駆動モーター3の駆動状態を制御回路11で次のように制御する。駆動アーム14を原点復帰操作して基準ピン26が原点ピン27に接当する状態において、図6に示すように、駆動モーター3の出力トルクが原点復帰操作中の状態(T1の状態)から、設定値に達した(T2の状態)ことを制御回路11で判定して駆動モーター3を停止する。同時に駆動モーター3からフィードバックされる位置信号に基づき制御回路11で原点位置を特定する。この後、原点復帰操作された駆動アーム14を初期位置へ戻す。駆動モーター3の出力トルクとは、減速機の出力軸部分での出力トルクを意味する。また、前記設定値は、例えば駆動モーター3の定格トルクを100%とするとき、出力トルクが15%に達した状態とする。
以上のように、基準ピン26を原点ピン27で受け止めた状態において、駆動モーター3の出力トルクが設定値に達した状態で駆動モーター3を停止すると、基準ピン26および原点ピン27に過剰な力が作用するのを防止できる。したがって、原点復帰時に原点ピン27が損傷するのを解消でき、しかも駆動モーター3に過酷な負荷が掛かるのを避けて常に適正に原点復帰作業を行なうことができることとなる。
上記の実施例では、駆動モーター3の出力トルクが定格トルクの15%に達した時点を閾値としたが、その必要はない。要は、基準ピン26および原点ピン27の機械的な強度との関係で、両ピン26・27が塑性変形せず、弾性変形の範囲内でその変形量が極力小さいことと、駆動モーター3に過負荷が作用しないことを満たす値であれば、先の閾値は一定の範囲内で選択することができる。
上記の実施例以外に、基準ピン26はアームボス16に設ける必要はなく、駆動アーム14の任意位置に設けることができる。同様に、原点ピン27は駆動アーム14の旋回軌跡に臨むベース2の外面に設けることができる。原点体27は、ピンや軸などの突起である必要はなく、駆動アーム14の外面を直接受け止める凹部や切欠であってもよい。その場合の基準突起26は駆動アーム14が兼ねることになる。駆動モーター3、および駆動アーム14の配置個数は3個以上であってもよい。パラレルメカニズムは、駆動軸6を省略した状態で使用することができる。操作ヘッド5を初期位置に位置させる手段としては、操作ヘッド5を水平姿勢でテーブルやコンベア上に直接押し当て、あるいはこれらの上面に載置した治具に操作ヘッド5を押し当てた状態を初期位置とすることができる。
原点復帰時のパラレルメカニズムの正面図である。 駆動アームを原点復帰前の初期位置に作動させた状態の正面図である。 パラレルメカニズムの平面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 原点復帰作業の手順を示すフローチャートである。 原点復帰時の駆動モーターの出力トルクの変動を示す図表である。
符号の説明
2 ベース
3 駆動モーター
5 操作ヘッド
10 モーターブラケット
11 制御回路
14 駆動アーム
15 ロッド
16 アームボス
26 基準突起(基準ピン)
27 原点体(原点ピン)
30・31 合マーク

Claims (3)

  1. 操作ヘッドの作業領域の上方に配置されるベースと、前記ベースに配置される複数個の駆動モーターと、前記駆動モーターで上下に旋回駆動される駆動アームと、前記駆動アームの旋回動作を前記操作ヘッドに伝えるロッドと、前記駆動モーターの作動状態を制御する制御回路を有するパラレルメカニズムであって、
    前記駆動アームの外面に基準突起が設けられ、前記駆動アームの通常動作範囲の外に臨む前記ベースの外面に、原点復帰操作された前記駆動アームの前記基準突起を受け止める原点体が設けられており、
    前記駆動アームを原点復帰操作して、前記基準突起が前記原点体に接当する状態において、前記駆動モーターの出力トルクが設定値に達したことを前記制御回路で判定して前記駆動モーターを停止し、同時に前記駆動モーターからフィードバックされる位置信号に基づき前記制御回路で原点位置を特定するパラレルメカニズム。
  2. 前記駆動モーターが前記ベースに固定したモーターブラケットで支持されており、
    前記駆動アームの基端に設けたアームボスが、前記駆動モーターの出力軸に固定されており、
    前記基準突起が前記アームボスの周面に固定され、前記原点体が前記モーターブラケットに固定してある請求項1記載のパラレルメカニズム。
  3. 前記駆動アームが原点復帰前の初期位置に位置していることを示す一対の合マークが、前記モーターブラケットと前記アームボスとに設けてある請求項1または2記載のパラレルメカニズム。
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